JP2007147268A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本願発明に係る加熱調理器は、コンロの火口の上に配置される支持部と、調理室1と、蒸気発生室2と、排気通路3と、蒸気発生室2で発生させた蒸気を通す蒸気用通路4とを備える。蒸気発生室2は、コンロの燃焼による熱を受けて収容した水を蒸気にする。蒸気用通路4は、蒸気発生室2と調理室1とを連絡し、蒸気発生室2にて発生させた蒸気を調理室1内にて放出する。排気通路3は、熱交換部を介して蒸気用通路4と画されている。熱交換部は、排気通路3の排気の熱を上記の蒸気用通路4に伝えることにより蒸気用通路4中の蒸気を過熱水蒸気とする。
【選択図】 図4
Description
このため、構造が複雑で、大掛かりなものとなり、製造コストも高く、また、比較的嵩の高いものとなった。
一方、ボイラーの設置などの、ある程度のスペースが確保されている、食品加工工場や飲食店において、嵩の高い加熱調理器を設置するのは容易であろうが、一般の家庭の厨房においては、そのような調理器の設置場所の確保は容易ではない。特に、食器洗い機や食器乾燥機などの台所用品が普及し台所が手狭になる傾向にあるなか、従来のオーブンやレンジ以上の大型の調理器は望まれない。
しかし、手狭な家庭の厨房に簡単に収まるような大きさものでは、過熱水蒸気を発生させるのに十分な火力を得ることはできない。
特にオーブンに過熱水蒸気を発生させる機能を持たせた場合、新たにこのようなオーブンへの買い替えが必要となる。即ち、新しいオーブンを家庭の台所に設置しようとすれば、既にあるオーブンは不要となり、廃棄処分の必要に迫られる場合が往々にして生じる。これは、エコロージが叫ばれる近年の環境への関心に逆行するものである。
以上のことから、食品の加熱調理の上で、好ましいものではあっても、一般家庭において、過熱水蒸気による調理が可能な調理器を簡単に導入することできず、過熱水蒸気を利用した加熱調理の普及を阻む要因となっていた。
即ち、この加熱調理器200は、電磁誘導加熱を利用した調理コンロ又はガスコンロの火口の上に配置される支持部と、加熱調理を行う食品を収容する気密に形成された調理室201と、蒸気を発生させる気密に形成された蒸気発生室202と、上記の蒸気発生室202で発生させた蒸気を通す蒸気用通路204とを備える。蒸気発生室202は、調理器の底部に配設され、水を収容することにより、上記コンロからの電磁誘導又は熱を受けて当該水を蒸気にする。蒸気用通路204は、気密に形成され、蒸気発生室202と調理室201とを連絡し、蒸気発生室202にて発生させた蒸気を上記調理室201内にて放出する。蒸気用通路204は、調理器の底部を経由することにより、蒸気発生室202にて発生し当該蒸気用通路204を通る蒸気を、更に加熱して過熱水蒸気とする。
蒸気発生室202は、調理室201の下方に配置されている。蒸気発生室202の上方を調理室201から隔する第1隔壁と、金属にて形成され蒸気発生室202の下方を調理器の外部から隔する第2隔壁と、調理室201及び蒸気発生室202の側部を調理器の外部から隔し且つ第1隔壁及び第2隔壁と接続された側壁部と、縦通路とを備える。第2隔壁は、上記の支持部を構成するものであり、第2隔壁には、1つ又は複数の加熱用通路と、加熱用通路が設けられていない中実部とが形成されている。加熱用通路は、第2隔壁を縦通路の下方から側壁部の下方にかけて貫通する。縦通路は、上下に伸び、上端側にて蒸気発生室202と連絡し、下端側にて加熱用通路と連絡する。側壁部には、第2隔壁の加熱用通路と調理室201とを連絡する、中空の導入用通路が形成されている。縦通路と加熱用通路と導入用通路とが、蒸気用通路204を構成する。
即ち、この加熱調理器100は、ガスコンロの火口の上に配置される支持部と、加熱調理を行う食品を収容する気密に形成された調理室1と、蒸気を発生させる気密に形成された蒸気発生室2と、上記コンロの火口から生じる排気を通す排気通路3と、上記の蒸気発生室2で発生させた蒸気を通す蒸気用通路4とを備える。上記の蒸気発生室2は、水を収容することが可能であり且つ上記コンロの燃焼による熱を受けて、収容した水を蒸気にするものである。上記の蒸気用通路4は、少なくとも上記排気通路3に対して気密に形成され、上記の蒸気発生室2と調理室1とを連絡し、蒸気発生室2にて発生させた蒸気を上記調理室1内にて放出するものである。上記の排気通路3の少なくとも一部は、熱交換部を介して上記の蒸気用通路4と画されている。上記の熱交換部は、排気通路3の排気の熱を上記の蒸気用通路4に伝えることにより、当該蒸気用通路4中の蒸気を過熱水蒸気とする。
上記のガスコンロには、家屋に設置されたガス管に接続して使用する、厨房用のガスコンロの他、カートリッジ式のガス缶を用いるコンロも含む。
即ち、上記の支持部は、火炎取入部を備える。上記の支持部は、上記ガスコンロのガス台の上又は当該ガス台の五徳の上に乗せることにより、上記の火炎取入部を、当該コンロの火口の上に、配置することが可能なものである。上記の火炎取入部は、コンロの火炎を蒸気発生室2の外壁に当てるための空間部である。上記排気通路3は、上記の火炎取入部に連絡し、コンロの排気を取り入れる。
即ち、上記の蒸気発生室2の下方に、蒸気発生室2と金属製の隔壁k2にて画された燃焼室6が設けられている。この燃焼室6の外壁には、上記コンロの火炎を当該燃焼室6内に取り入れる火炎取入口61が設けられている。燃焼室6の外壁を、上記ガスコンロのガス台の上又は当該ガス台の五徳の上に乗せ、上記の火炎取入口61をコンロの火口の上に対応させることにより、上記燃焼室6に上記のコンロの火炎を取り込み、当該火炎を上記隔壁k2に当てることが可能である。上記燃焼室6に、上記の排気通路3が接続されている。
即ち、上記の排気通路3は、上記調理室1の下方から当該調理室1の上方に掛けて配設され、取り入れた排気を調理器の外部へ排出する排気口を、当該調理室1よりも上方に備える。上記の排気通路は、金属製の配管を内包するものであり、当該配管の内部が、上記の蒸気用通路である。この蒸気用通路は、上記の調理室の上部にて、当該調理室の内部に連絡する。上記配管が、前記熱交換部である。
即ち、上記の蒸気用通路は、複数の配管にて構成された区間を備え、この配管の夫々について、蒸気の移動方向と横断する方向の断面形状は矩形であり、当該矩形の4辺が上記排気通路内の排気に曝される。
特に、一般家庭で広く普及しているガスコンロや近年普及してきた電磁誘導加熱を利用した調理コンロを利用して、水蒸気を発生させることができる。即ち、この調理器は、必要なときのみ、コンロの上に置いて使用すればよく、オーブンを買い換える(設置スペース確保のために既存のオーブンを廃棄する)必要がない。
特に、本願第2の発明によって、近年家庭に普及しつつあるIHクッキングヒーターなどの電気による電磁誘導加熱を利用した調理コンロの利用に適した調理器を提供し得た。
また、本願第3の発明では、調理室内に蒸気攪拌用のファンが設けられることにより、調理室内の過熱水蒸気を攪拌し、過熱水蒸気を偏りなく食品に当てることができる。
更に、本願第4〜9の発明では、当該コンロの排気の熱を利用して,発生させた水蒸気を過熱水蒸気にすることができる。従って、調理器自身が、水蒸気や過熱水蒸気を発生させるための、熱源を備える必要がない。このため、このような熱源を省くことにより、省コストのみならず、小型軽量に加熱調理器を製造することができる。
更に、本願第7の発明は、排気通路内の排気の熱を蒸気用通路内の蒸気に伝える熱交換部として、より好ましい手段を提供した。これによって、効率よく、蒸気用通路内の蒸気を過熱水蒸気とすることができる。また、蒸気やコンロの排気が、下方より上方に移動する性質を利用して、円滑に蒸気用通路内にて蒸気を移動させて調理室へ過熱水蒸気を送り込むことができる。従って、ブロアなどの蒸気の移動手段を必要とせず、この点においても、調理器の小型化、軽量化、構造の簡略化を図れ、製造コストの低減にも功を奏する。
また、本願第8の発明によって、より効率の良い熱交換部を提供し得た。
そして、本願第9の発明によって、簡単に厨房に持ち入れ、また持ち出すことが可能な、過熱水蒸気による調理器を提供し得た。
このように、本願の上記各発明の実施によって、一般家庭において、業務用における調理器に近い或いは業務用と同様な、過熱水蒸気による、本格的な加熱調理を容易に行うことを可能とした。
各図において、説明の便宜上、Uは上方を、Sは下方を、Fは前方を、Bは後方を、Lは左側を、Rは右側を、夫々示している。
以下、この加熱調理器100について、詳しく説明する。
函体110の内部は、気密に形成されている。函体110は、上から順に、上記調理室1と、蒸気発生室2と、燃焼室6とを内部に備える。即ち、函体110によって、上記の調理室1と蒸気発生室2と燃焼室6は、函体110の外部と画され、部屋として形成されている。
換言すると、函体110は、内部を調理室1とする第1函体構成部r1と、内部を蒸気発生室2とする第2函体構成部r2と、内部を燃焼室6とする第3函体構成部r3とを備え、これら第1〜第3函体構成部r1…r3は、上下配列された状態で、一つの函体110として一体に形成されている。最下位に位置する第3函体構成部r3の底部は、この加熱調理器100の底部となる。
即ち、この実施の形態において、第3函体構成部r3は、第1及び第2函体構成部r1,r2を支持する支持部である。第3函体構成部r3の底(底側外壁)、即ち調理器100の底には、燃焼室6に通じる火炎取入口61(図3)が設けられている。第3函体構成部r3の内部即ち燃焼室6において、少なくとも当該火炎取入口61とその上方の第2隔壁k2との間の空間は、コンロの火炎の障害となるものが排除された、火炎取入部を構成する。図3へ示す通り、火炎取入口61は、左右方向、及び、前後方向の、何れにおいても、調理器100の中央に設けておくのが好ましく、また、当該火炎取入口61の内径は、ガスコンロの火口又は火口からでる火炎(全体)と外径と同じ大きさとするのが好ましい。
尚、排気通路3は、函体110の後面部から上面部111に掛けて設けるものとしても実施可能である(図示はしないが、この場合、ハウジング101は、函体110の後面部と独立した、ハウジング101固有の後面部を備える)。
また、図6(B)及び上記図7(C)へ示す通り、配管40…40の長手方向、即ち、蒸気の移動方向と交差する方向の断面形状は矩形であり、当該矩形の4辺の表面が上記排気通路3内の排気に曝される。この他、配管40…40の上記の断面形状を円形として実施することも可能である。しかし、このように、配管40…40の横断面の形状を矩形とすることにより、断面が円形の配管に比べて、大きな表面積を確保することができ、熱交換の効率を高めることができる。また、配管40は、四角形以外の多角形の断面を有するものとしても実施可能である。例えば、配管40は、三角形や五角形などの断面を有するものとしても、実施可能である。
また、図5及び図6へ示す通り、この実施の形態において、上記の配管40…40は、排気通路4内に、3本平行に設けている。しかし、このような数量に限定するものではなく、配管40…40は、1本又は2本、或いは4本以上であっても実施可能である。
上記の排気部7は、調理室1と排気口102とを連絡する通路である。
利用者は、図8へ示す通り、この調理器100を家庭のガスコンロGのガス台又は五徳gの上に乗せる。
このとき、上記の火炎取入口61をコンロGの火口の上に対応させることにより、上記燃焼室6に上記のコンロGの火炎Hを取り込み、当該火炎Hを直接上記第2隔壁k2へ当てることができる。また、このとき、第3函体構成部r3の前後左右の外壁が、コンロGの火炎の周囲を覆う。
このようにして、食材を、過熱水蒸気にて加熱調理することができる。
調理室1内に導入された蒸気(過熱水蒸気)は、排気部7を通じて、排気口102から調理器100の外部へ排出される。また、熱交換に理容された上記の排気通路3内の排気も、上記の排気口102から調理器100の外部へ排出される。
例えば、温野菜を作るとき、100℃の水蒸気で蒸すよりも、150℃の過熱水蒸気で蒸すほうが、栄養分が逃げない。また、殺菌効果も、その温度の高さから、水蒸気に比べて、過熱水蒸気のほうが、優れる。本願発明の上記調理器100を用いることにより、このような過熱水蒸気による加熱調理を、一般家庭でも、簡単に行うことができるのである。
具体的には、この調理器100の外形寸法は、高さ(上下の幅)を18〜40cm、横幅(左右の幅)を20〜40cm、奥行き(前後の幅)を18〜40cmに形成することができる。
調理器100の上記外形寸法について、特に、持ち運びに便利な、上記の高さを20〜30cm、横幅を25〜35cm、奥行きを20〜30cmに形成することがきる。このとき、3本の配管40…40夫々の外形寸法について、その断面が呈する矩形の対角線の長さを1.5〜3cm、特に2cmとするのが好ましい。又配管40…40夫々の厚みは、1〜4mmとするのが好ましい。但し、このような配管40の各寸法は、変更可能である。
この場合において、一般的な家庭のガスコンロでの使用を前提とすると、蒸気発生室2と、燃焼室6の内容積は、夫々、調理室1の内容積の1/5〜1/3とするのが好ましい。
また、蒸気発生室2と燃焼室6の夫々の広さ(横幅×奥行き)については、少なくとも調理室1の広さと、同じものとするのが好ましい。
第1及び第2の隔壁k1,k2は、夫々厚みが1〜5mmの、アルミ製又は鉄製(ステンレスを含む。)とするのが好ましい。
但し、調理器100の各部の寸法や、比率、材質は、上記以外に変更可能である。
一般家庭の厨房で用いられるガスコンロについて、火力は、1800kcal(弱火)〜2400kcal(強火)である。熱源として、このようなコンロと同等の熱量を得られものであれば、一般的なガスコンロに代えて使用することも可能である。即ち、1800kcal以上の火力が得られるものであれば、この調理器100の熱源として、使用可能である。但し、一般的な電気コンロ(1.5kw)では、現状において、1400〜1500kcalと火力が低いため、当該調理器100の熱源としては適さない。
この図9に示す実施の形態においても、特に明示した事項以外については、上記図1〜図8に示す実施の形態と同様である。
図10は、この調理器の概要を示す略縦断面図であり、図11〜図13の夫々は、図10に示す調理器を具体的に提供する手段を示すものであり、組み立ての手順の斜視図である。
図10へ示す通り、この加熱調理器200も、上記の各実施の形態と同様、食品を過熱水蒸気により加熱調理するものであり、蒸気発生のための熱源を自らは備えず、手で持ち運べるものである。
内ケース310は、上端が開口する有底の筒状体であり、外周部を形成する側壁部k30と、側壁部k30の内側に設けられ内ケース310の内部空間を上下に分割する第1隔壁k10と、内ケース310の当該底を構成する第2隔壁k20と、側壁部k30の上端外周に設けられた樋状部311とを備える。上記の蓋体330は、内ケース310の上端の開口部を塞ぐ。
内ケース310の内側において、第1隔壁k10より上方が上記の調理室201であり、第1隔壁k10より下方が上記の蒸気発生室202である。
また、第2隔壁k20が上記の支持部である。より具体的には、調理器200は、コンロの火口に(この実施の形態のように電磁誘導を利用した調理コンロの場合は直接コンロに、また、ガスコンロの場合は五徳の上に)置かれる。第2隔壁K20は、調理器200を上記火口の上に支持する支持部として、調理器200の底を構成すると共に、調理室201より調理器の底側に配置された蒸気発生室202の底を構成する。
蓋体330は、調理室201の上端へ着脱自在に配置される。但し、図示はしないが、蓋体330を、ヒンジにて内ケース310或いは外ケース320に固定することにより、ヒンジを中心として回転させて開閉できるものとしてもよい(図示せず)。
外ケース320は、上端が上記桶状部311に接続され、樋状部311より下方に伸びる、下端が開放された筒状体である。この実施の形態において、外ケース320の下端と内ケースの底である第2隔壁k20の(外部)下面とは、上下方向について同じ高さである。
円柱状の内ケース310の外周面と、外ケース320の内周面との間の空間が、上記の排気通路203である。内ケース310の底と外ケース320の下端との間が、排気の導入口321である。外ケース320には、当該導入口より上方に外ケース310の内側から外側へ貫通する貫通口322…322が設けられている。ガスコンロを利用する場合、当該貫通口322…322から、排気通路内へ導入した排気を調理器200の外部へ排出することができる。電磁誘導加熱を利用した調理コンロのみに使用するのであれば、このような排気通路203は設ける必要はないが、排気通路203を設けておけば、ガスコンロと電磁誘導加熱を利用した調理コンロの何れにおいても使用することができる。
詳しくは、蒸気発生室202の内側において、第2隔壁k20には内ケース310の内径よりも外径の小さな筒状の中筒部k40が設けられている。この実施の形態において、中筒部k40は、筒状の内ケース310と同心となるよう第2隔壁k20の上面に設けられており、中筒部k40の上端は、第1隔壁k10の下面に接続されている。
中筒部k40は、中筒部k40の内部と上記蒸気発生室202とを隔するものであり、中筒部k40の内側の空間が、上記の縦通路241である。中筒部k40の上端側外周には、中筒部k40の内部を、蒸気発生室202に連絡する連絡口k41…k41が設けられている。
金属製の第2隔壁k20の中実部は、電磁誘導加熱を利用した調理コンロに用いる場合は電磁誘導により、ガスコンロに用いる場合は熱伝導により、蒸気発生質202及び加熱用通路k242へ、熱を供給する熱供与部である。
また、加熱用通路242は、加熱用通路242を取り囲む中実部の夫々の部位から、電磁誘導(或いは熱伝導)を受けることになるが、中実部のうち、とりわけ、加熱用通路242の直下に位置する部位k22から、電磁誘導(ガスコンロの場合は熱伝導)を受けることにより、蒸気発生室202で発生し縦通路241を経て加熱用通路242…242内へ導入された水蒸気を加熱し過熱水蒸気とする。そして、加熱用通路242…242内で発生した過熱水蒸気は、導入用通路243から、調理室201内へ導かれ、食品m…mを加熱調理する。
このように、蒸気発生室201内で、第2隔壁k20の中実部から電磁誘導(熱伝導)を受け加熱されて発生した水蒸気は、縦通路241から加熱用通路242…242内に入り当該加熱用通路242…242にて電磁誘導(熱伝導)により更に加熱され過熱水蒸気となり、導入用通路243を経て、調理室201内に導かれるのである。
図11及び図12へ示す通り、上記の内ケース310は、第1ケース構成部n1と、第2ケース構成部n2と、第1隔壁部材k11とを備える。
図11へ示すように、第1ケース構成部n1は、ステンレス製の有底で上方が開口する筒状体である。第1ケース構成部n1の底部において、第1ケース構成部n1の内部空間を臨む面には、下方に後退する平面視扇形の凹部n11…n11が複数形成されている。この実施の形態において、上記の凹部n11は、4個設けられている。但しこのような数量に限定するものではなく、1〜3個でも5個以上でも実施できる。
平面視扇形の各凹部n11…n11は、扇形の円弧の部分が夫々同心となるように形成されており、夫々等間隔に配置されている。隣接する凹部n11と凹部n11との間は、蒸気発生室202への熱供与部を構成する。
第1ケース構成部n1の上端外周には、前述の樋状部311が形成されている。図示はしないが、樋状部311の底には、内外に貫通する貫通孔が設けられている。
第2ケース構成部n2の底部の、第2ケース構成部n2の内部空間を臨む面には、当該面の平面視中央に、前述の中筒部k40が設けられている。中筒部k40は上下に伸びる筒状体であり、下端が、第2ケース構成部n2の底に固定されている。中筒部k40の側部上端には、複数の切欠部k42…k42が設けられている。この切欠部k42…k42が前述の連絡口k41…k41を構成する。第2ケース構成部n2の底部において、中筒部k20の内側空間の直下の部分が、第2ケース構成部n2の内外にかけて貫通している。
第2ケース構成部n2の内周面には、棚n20が形成されている。この実施の形態において、棚n20は、第2ケース構成部n2の内径を変えることによって形成された段差である。また、第2ケース構成部n2の側部には、第2ケース構成部n2の内外に貫通する副貫通孔n21が設けられている。
上記の嵌合により、第1ケース構成部n1の底部上面と第2ケース構成部n2の底部下面とは当接し、凹部n11…n11は、第2ケース構成部n2の底部によって上方が閉ざされる。この凹部n11…n11と第2ケース構成部n2の底部とに囲まれた空間が前述の加熱用通路242を構成する。第1ケース構成部n1において、凹部n11の直下の部分が前述の部位k22、即ち加熱用通路242への熱供与部である。
また、上記の嵌合により、副凹部n12…n12は、第2ケース構成部n2の外周面によって第1ケース構成部n1の径内方向を臨む部位が閉ざされる。この副凹部n12…n12と第2ケース構成部n2の外周面とに囲まれた部位が前述の導入用通路243を構成する。
第2ケース構成部n2の上下の高さは、第1ケース構成部n1の上記副凹部n12…n12の上端よりも低く、第1ケース構成部n1の内側において、副凹部n12…n12の一部が、第2ケース構成部n2の上端より上方に露出する。この露出する部位が上記の吐出口k31を構成する。
また、上記嵌合により、貫通孔n13と副貫通孔n21とは重なる。
この状態において、第1隔壁部材k11は、第1隔壁k10を構成する。即ち第1隔壁部材k11に封ぜられた第2ケース構成部n2の内側の空間が蒸気発生室202である。
図13へ示す通り、第1ケース構成部n1の外側に、前述の外ケース320が配置され、外ケース320の上端は、溶接或いはネジ止といった周知の固定手段により、上記第1ケース構成部n1の樋状部311の底部に固定される。
図示はしないが、第1ケース構成部n1の貫通孔n13と樋状部311の前記貫通孔との間に、前述の給水管351が設けられる。また、上記の図13において、蓋体330は省略してある。
この他、図示はしないが、上記の板状体n10…n10及び板状部材を設けるのではなく、上記の凹部n11…n11と副凹部n12…n12と対応する部分が内外に貫通する、別途有底の第3のケース構成部を用意し、第1ケース構成部n2の内側において底部と内周面に起伏を設けずに、第2ケース構成部n2嵌合前にこの第3のケース構成部を嵌合して、第1ケース構成部n1の内部表面に、上記の凹部n11…n11や副凹部n12…n12を形成するものとしても実施できる。
また、図示はしないが、この実施の形態において、調理室201内に、蒸気の攪拌用のファンを設けておくのが好ましい。ファンは、電池或いは室内の電源より電気の供給を受けて作動する電動機と、電動機の回転軸或いは電動機に間接的に接続された回転軸に設けられた扇とを備えたものを採用することができる。このようなファンは、前述の蓋体330の下面に設けておけばよい。
以下、この実施の形態について、図10〜図13へ示す実施の形態との相違点を中心に説明する。従って、特に言及しない事項についは、図10〜図13へ示す実施の形態と同様である。また、図14へ付すべきハッチングは図面の煩雑を避けるため省略する。
この実施の形態において、第2隔壁k20は、加熱用通路242を備えず、また、側壁部k30も導入用通路243を備えない。その代わりに、次の構成を採る。
即ち、蒸気発生室202内に設けられた中筒部k40の下端は有底であり、且つ、第2隔壁k20の底部を貫通して、内ケース310の外部に露出する。内ケース310の外部において、中筒部k40の下端と側壁部k30内の調理室201とを接続する、別途の蒸気導入用管k50が設けられている。
この蒸気導入用管k50は、金属製の管であり、特にステンレスにて形成するのが好ましい。蒸気導入用管k50は、第2隔壁k20の下方を水平に伸びる加熱用区間k51と、側壁部k30の外側に沿って上下に伸びる導入用区間k52とを備える。この加熱用区間のk51は、中筒部k40の下端側部と導入区間k52とを繋ぐ水平な区間である。図15へ示す通り、加熱用区間k51…k51の夫々は、調理器200の径外方向に向けて伸びる区間と、U状字にカーブして調理器200の径内方向に戻る区間とを交互に備えた、全体として蛇行したものである。
上記の通り、加熱用区間k51は、蛇行しているので、蒸気導入用管k50の当該区間k51内部を通る蒸気を効率良く加熱することができる。しかし、加熱用区間k51は、第2隔壁k20の底部を覆い尽くすものではなく、第2隔壁k20の、蒸気導入用管k50の加熱用区間k51間から露出する部位が、ガスコンロGの火炎を受けて加熱される。
使用時、第2隔壁k20が加熱されることにより、蒸気発生室202内の水が水蒸気となり、当該水蒸気は、中筒部k40(縦通路241)から、蒸気導入用管k50の加熱用区間k51に入り、ガスコンロGの火炎により更に加熱されて過熱水蒸気となり、導入用区間k52から調理室201内に導入されるのである。
2 蒸気発生室
3 排気通路
4 蒸気用通路
Claims (9)
- 食品を過熱水蒸気により加熱調理する加熱調理器において、
電磁誘導加熱を利用した調理コンロ又はガスコンロの火口の上に配置される支持部と、加熱調理を行う食品を収容する気密に形成された調理室と、蒸気を発生させる気密に形成された蒸気発生室と、上記の蒸気発生室で発生させた蒸気を通す蒸気用通路とを備え、
蒸気発生室は、調理器の底部に配設され、水を収容することにより、上記コンロからの電磁誘導又は熱を受けて当該水を蒸気にするものであり、
蒸気用通路は、気密に形成され、蒸気発生室と調理室とを連絡し、蒸気発生室にて発生させた蒸気を上記調理室内にて放出するものであり、
蒸気用通路は、調理器の底部を経由することにより、蒸気発生室にて発生し当該蒸気用通路を通る蒸気を、更に加熱して過熱水蒸気とするものである加熱調理器。 - 蒸気発生室は、調理室の下方に配置され、
蒸気発生室の上方を調理室から隔する第1隔壁と、金属にて形成され蒸気発生室の下方を調理器の外部から隔する第2隔壁と、調理室及び蒸気発生室の側部を調理器の外部から隔し且つ第1隔壁及び第2隔壁と接続された側壁部と、縦通路とを備え、
第2隔壁は、上記の支持部を構成するものであり、第2隔壁には、1つ又は複数の加熱用通路と、加熱用通路が設けられていない中実部とが形成され、
加熱用通路は、第2隔壁を縦通路の下方から側壁部の下方にかけて貫通するものであり、
縦通路は、上下に伸び、上端側にて蒸気発生室と連絡し、下端側にて加熱用通路と連絡し、
側壁部には、第2隔壁の加熱用通路と調理室とを連絡する、中空の導入用通路が形成され、
縦通路と加熱用通路と導入用通路とが、蒸気用通路を構成するものであることを特徴する請求項1記載の加熱調理器。 - 調理室内に、蒸気攪拌用のファンが設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の過熱調理器。
- 食品を過熱水蒸気により加熱調理する加熱調理器において、
ガスコンロの火口の上に配置される支持部と、加熱調理を行う食品を収容する気密に形成された調理室と、蒸気を発生させる気密に形成された蒸気発生室と、上記コンロの火口から生じる排気を通す排気通路と、上記の蒸気発生室で発生させた蒸気を通す蒸気用通路とを備え、
上記の蒸気発生室は、水を収容することが可能であり且つ上記コンロの燃焼による熱を受けて、収容した水を蒸気にするものであり、
上記の蒸気用通路は、少なくとも上記排気通路に対して気密に形成され、上記の蒸気発生室と調理室とを連絡し、蒸気発生室にて発生させた蒸気を上記調理室内にて放出するものであり、
上記の排気通路の少なくとも一部は、熱交換部を介して上記の蒸気用通路と画され、
上記の熱交換部は、排気通路の排気の熱を上記の蒸気用通路に伝えることにより、当該蒸気用通路中の蒸気を過熱水蒸気とするものである加熱調理器。 - 上記の支持部は、火炎取入部を備え、
上記の支持部は、上記ガスコンロのガス台の上又は当該ガス台の五徳の上に乗せることにより、上記の火炎取入部を、当該コンロの火口の上に、配置することが可能なものであり、
上記の火炎取入部は、コンロの火炎を蒸気発生室の外壁に当てるための空間部であり、
上記排気通路は、上記の火炎取入部に連絡し、コンロの排気を取り入れるものであることを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。 - 上記の蒸気発生室の下方に、蒸気発生室と金属製の隔壁にて画された燃焼室が設けられ、
この燃焼室の外壁には、上記コンロの火炎を当該燃焼室内に取り入れる火炎取入口が設けられ、
燃焼室の外壁を、上記ガスコンロのガス台の上又は当該ガス台の五徳の上に乗せ、上記の火炎取入口をコンロの火口の上に対応させることにより、上記燃焼室に上記のコンロの火炎を取り込み、当該火炎を上記隔壁に当てることが可能であり、
上記燃焼室に、上記の排気通路が接続されたものであることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。 - 上記の排気通路は、上記調理室の下方から当該調理室の上方に掛けて配設され、取り入れた排気を調理器の外部へ排出する排気口を、当該調理室よりも上方に備え、
上記の排気通路は、金属製の配管を内包するものであり、当該配管の内部が、上記の蒸気用通路であり、
この蒸気用通路は、上記の調理室の上部にて、当該調理室の内部に連絡するものであり、
上記配管が、前記熱交換部であることを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の加熱調理器。 - 上記の蒸気用通路は、複数の配管にて構成された区間を備え、この配管の夫々について、蒸気の移動方向と横断する方向の断面形状は矩形であり、当該矩形の4辺が上記排気通路内の排気に曝されるものであることを特徴とする請求項7記載の加熱調理器。
- 蒸気発生のための熱源を自らは備えず、手で持ち運べるものであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の加熱調理器。
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