JP2007146549A - 既築木造建築物の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 四角枠状補強枠と、可撓性対角材を併用し、特に、既築木造建築物に対し、大掛かりな工事をすることなく、簡単な施工で補強することを可能にし、建物を地震力から守ることができる既築木造建築物の補強構造の提供。
【解決手段】 垂直構面体1(壁)を補強対象とし、上下の水平リンク20,22と、左右の垂直リンク21a,21bの各端部を連結して四角枠状補強枠2を構成し、この四角枠状補強枠の概対角を可撓性対角材30a,30bで連結し、さらに、前記可撓性対角材の下端を前記垂直リンクの脚部において、前記四角枠状補強枠面の垂直方向に一旦方向転換した後に土台12および/または基礎13に締結することにより、前記垂直構面体のせん断変形を抑制させ、かつ前記垂直リンクを複数の短リンク材によって連結形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 垂直構面体1(壁)を補強対象とし、上下の水平リンク20,22と、左右の垂直リンク21a,21bの各端部を連結して四角枠状補強枠2を構成し、この四角枠状補強枠の概対角を可撓性対角材30a,30bで連結し、さらに、前記可撓性対角材の下端を前記垂直リンクの脚部において、前記四角枠状補強枠面の垂直方向に一旦方向転換した後に土台12および/または基礎13に締結することにより、前記垂直構面体のせん断変形を抑制させ、かつ前記垂直リンクを複数の短リンク材によって連結形成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、既築木造建築物の垂直構面の構造強度を向上させて、水平揺れに対する耐震補強を図るための補強構造に関する。
なお、本発明において、可撓性対角材は、板状リンク接合体やワイヤーロープや樹脂ベルトなど、締結部材として可撓性があって強い引っ張り強度が出せるものであれば、何でもよく、また部分的にこれらを複合的に繋ぎ足した物としたり、輪掛け様に複数本を用いたりしてもよい。
なお、本発明において、可撓性対角材は、板状リンク接合体やワイヤーロープや樹脂ベルトなど、締結部材として可撓性があって強い引っ張り強度が出せるものであれば、何でもよく、また部分的にこれらを複合的に繋ぎ足した物としたり、輪掛け様に複数本を用いたりしてもよい。
「軸組木造住宅の地震被害が接合部の強度に大きく左右される」という見解が、多くの木造建築研究者の一致した意見であり、接合部の信頼性の高い強度向上の手段として、通称「Zマーク表示金物」と呼ばれる(財)日本住宅・木材技術センターが、1978年に定めた「軸組工法用金物規格」で規定された金物や、それに類似の火打ち金物や、筋交いプレート、山形プレート、かどプレート等の種々の金物が提供されていることは良く知られている。
しかしながら、前述の筋交いプレート、山形プレート、かどプレート等は、基本的に新築建築物を適用対象とした補強金物であり、これらを既築木造建築物に後施工で取り付けて補強するには、制約が多過ぎて現実には取り付けは非常に困難である。
又、従来、梁(横材)と柱との上側接合部に上側連結具を取り付けると共に、土台(横材)と柱との下側接合部に下側連結具を取り付け、この上側連結具と下側連結具の間に筋交い用ワイヤーを緊張状態に張設した垂直構面補強構造が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この垂直構面補強構造において、筋交い用ワイヤーを取り付けるために使用している上側連結具及び下側連結具は、既設の家屋においては、簡単に取り付けるのが困難な連結具であり、内装壁や外壁を外さずに施工することはできない。
しかしながら、この垂直構面補強構造において、筋交い用ワイヤーを取り付けるために使用している上側連結具及び下側連結具は、既設の家屋においては、簡単に取り付けるのが困難な連結具であり、内装壁や外壁を外さずに施工することはできない。
特に、下側連結具が、下側接合部における土台と柱との入り隅面に取り付けられるようになっているため、既築木造建築物には適用し難いという問題があった。
即ち、既築木造建築物では、土台の上方には根太や床板等が敷設されていることが多く、土台の上方空間が狭くなって、土台と柱との入り隅面に下側連結具を取り付けることが困難であり、施工に多大な手間と時間がかかるという問題が生じる。
即ち、既築木造建築物では、土台の上方には根太や床板等が敷設されていることが多く、土台の上方空間が狭くなって、土台と柱との入り隅面に下側連結具を取り付けることが困難であり、施工に多大な手間と時間がかかるという問題が生じる。
また、壁量を多くする確実な手段として、面としての剛性を持つパネル材を構面に張り付けることも有効で、多くの剪断剛性が保証されたパネルが市販されているが、このようなパネルは、既築木造建築物に後施工で取り付けるには、内装や外装の変更が伴うのでコストがかかるという問題点がある。
特開2001−262703号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、可撓性対角材を使用した垂直構面体の補強構造であって、家屋の骨組み構造において、垂直構面体に可撓性対角材を強固に連結することができる四角枠状補強枠を提供し、特に、既築木造建築物に対し、既存の天井裏隙間から挿入組立できる四角枠状補強枠、および床下で施工できる可撓性対角材の基礎締結構造を用いることで、大掛かりな工事をすることなく、天井裏と床下隙間において簡単な施工で補強することを可能にし、建物を地震力から守る既築木造建築物の補強構造を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の既築木造建築物の補強構造は、
既築木造建築物の骨組み構造において、横材(梁や土台)と、前記横材に接続された左右の柱とで枠組みされた垂直構面体(壁)を補強対象とし、前記垂直構面体で構成される壁内において、上下の水平リンクと、左右の垂直リンクの各端部を連結して四角枠状補強枠を構成し、この四角枠状補強枠の概対角を可撓性対角材で連結し、さらに、前記可撓性対角材の下端を前記垂直リンクの脚部において、前記四角枠状補強枠面の垂直方向に一旦方向転換した後に土台および/または基礎に締結することにより、前記垂直構面体のせん断変形を抑制させ、かつ前記垂直リンクが複数の短リンク材によって連結形成されている構成とした。
既築木造建築物の骨組み構造において、横材(梁や土台)と、前記横材に接続された左右の柱とで枠組みされた垂直構面体(壁)を補強対象とし、前記垂直構面体で構成される壁内において、上下の水平リンクと、左右の垂直リンクの各端部を連結して四角枠状補強枠を構成し、この四角枠状補強枠の概対角を可撓性対角材で連結し、さらに、前記可撓性対角材の下端を前記垂直リンクの脚部において、前記四角枠状補強枠面の垂直方向に一旦方向転換した後に土台および/または基礎に締結することにより、前記垂直構面体のせん断変形を抑制させ、かつ前記垂直リンクが複数の短リンク材によって連結形成されている構成とした。
又、本発明(請求項2)の既築木造建築物の補強構造は、
請求項1記載の既築木造建築物の補強構造において、可撓性対角材と連結する垂直リンクが、可撓性対角材の張力により、四角枠状補強枠の外側に凸曲げを生じさせる(垂直構面体の近接する柱に当接する方向に曲がる)ように、前記可撓性対角材を前記垂直リンクに連結するにおいて、可撓性対角材と垂直リンクとの連結点を点p、前記垂直リンクと近接の水平リンクのフレーム交点を点uとするとき、上または下の少なくとも一つの点uが点pを通る前記可撓性対角材の仮想延長線より垂直構面体の近接する柱側に位置するように配置している構成とした。
請求項1記載の既築木造建築物の補強構造において、可撓性対角材と連結する垂直リンクが、可撓性対角材の張力により、四角枠状補強枠の外側に凸曲げを生じさせる(垂直構面体の近接する柱に当接する方向に曲がる)ように、前記可撓性対角材を前記垂直リンクに連結するにおいて、可撓性対角材と垂直リンクとの連結点を点p、前記垂直リンクと近接の水平リンクのフレーム交点を点uとするとき、上または下の少なくとも一つの点uが点pを通る前記可撓性対角材の仮想延長線より垂直構面体の近接する柱側に位置するように配置している構成とした。
又、本発明(請求項3)の既築木造建築物の補強構造は、
請求項1または2記載の既築木造建築物の補強構造において、垂直リンクを、その高さ中間位置において、既設の垂直構面体の柱に締結している構成とした。
請求項1または2記載の既築木造建築物の補強構造において、垂直リンクを、その高さ中間位置において、既設の垂直構面体の柱に締結している構成とした。
本発明の補強構造(請求項1)は、既築木造建築物の垂直構面体(壁)を補強対象とし、組立式の四角枠状補強枠と、可撓性対角材を用いているため、施工容易で効果的な補強構造を得ることができる。
即ち、既築木造建築物において、骨組材としての横材(梁や土台)と柱で形成された垂直構面体内に四角枠状補強枠を組立て、これに概対角に可撓性対角材を張設して基礎に締結した構造であるため、垂直構面体のせん断変形が抑制でき、既築木造建築物を対象としながら、簡単な施工で軸組の変形を抑制することができる。
即ち、既築木造建築物において、骨組材としての横材(梁や土台)と柱で形成された垂直構面体内に四角枠状補強枠を組立て、これに概対角に可撓性対角材を張設して基礎に締結した構造であるため、垂直構面体のせん断変形が抑制でき、既築木造建築物を対象としながら、簡単な施工で軸組の変形を抑制することができる。
また、本発明の補強構造(請求項2)は、既築木造建築物の垂直構面体を補強対象とし、軸組の変形で四角枠状補強枠にせん断変形が生じたとき、可撓性対角材に張力が発生することを利用して、意図的に好ましい方向に四角枠状補強枠を変形させ、より効果的な補強構造を得ることができる。
即ち、四角枠状補強枠の垂直リンクと水平リンクのフレーム交点と前記垂直リンクと可撓性対角材の連結点の配置を選ぶことにより、可撓性対角材の張力で前記垂直リンクが垂直構面体の柱に当接する方向に曲がるように構成して、垂直リンクの曲げ変形を柱に当てて抑制させ、四角枠状補強枠と既設の柱とが共同して構造物としての耐力を発揮するので、簡単な施工で効果的に軸組の変形を抑制することができる。
即ち、四角枠状補強枠の垂直リンクと水平リンクのフレーム交点と前記垂直リンクと可撓性対角材の連結点の配置を選ぶことにより、可撓性対角材の張力で前記垂直リンクが垂直構面体の柱に当接する方向に曲がるように構成して、垂直リンクの曲げ変形を柱に当てて抑制させ、四角枠状補強枠と既設の柱とが共同して構造物としての耐力を発揮するので、簡単な施工で効果的に軸組の変形を抑制することができる。
また、本発明の補強構造(請求項3)は、既築木造建築物の垂直構面体を補強対象とし、垂直リンクの中間位置を既設の柱に締結しているため、施工容易で効果的な補強構造を得ることができる。
即ち、垂直構面体内に組立てた四角枠状補強枠の垂直リンクを既設の柱で中間支持し、これらの間に可撓性対角材を斜めに張設する構成としているので、垂直リンクの曲げ変形を柱が抑制し、四角枠状補強枠と既設の柱とが共同して構造物としての耐力を発揮でき、より効果的に軸組の変形を抑制することができる。
即ち、垂直構面体内に組立てた四角枠状補強枠の垂直リンクを既設の柱で中間支持し、これらの間に可撓性対角材を斜めに張設する構成としているので、垂直リンクの曲げ変形を柱が抑制し、四角枠状補強枠と既設の柱とが共同して構造物としての耐力を発揮でき、より効果的に軸組の変形を抑制することができる。
つまり、本発明の補強構造では、既築木造建築物の骨組である垂直構面体内に四角枠状補強枠を組立て、これに概対角に可撓性対角材を張設する構成とし、また、四角枠状補強枠と既設の柱とが共同して構造物としての耐力を発揮できる構成としているため、既築木造建築物に対し、大掛かりな工事をすることなく、簡単な施工で、引張り筋交いと同等な可撓性対角材を取り付けた補強ができ、建物を地震力から守ることができる。
即ち、既築木造建築物では、天井板や土台の上方には根太や床板等が敷設されて、天井裏や床下の空間が狭くなって、可撓性対角材を強固に取り付けることが困難である。
これに対し、本発明の補強構造では、組立式の四角枠状補強枠を可撓性対角材と共に、垂直構面体内に挿入組立するものであるため、既築木造建築物であっても、高強度のものを容易に取り付けることができる。
即ち、既築木造建築物では、天井板や土台の上方には根太や床板等が敷設されて、天井裏や床下の空間が狭くなって、可撓性対角材を強固に取り付けることが困難である。
これに対し、本発明の補強構造では、組立式の四角枠状補強枠を可撓性対角材と共に、垂直構面体内に挿入組立するものであるため、既築木造建築物であっても、高強度のものを容易に取り付けることができる。
以上のように、本発明の補強構造は、地震力や風力による水平力が建築物に加わった時の軸組の変形に対する補強が可能になり、在来の工法で建造された既築木造建築物を補強できる。
しかも、本発明の補強構造は、その補強工事において、足場を築いたり、外壁を外したりすることなく、建物の内側から施工することができるので、工事費用が安く、更には、部分的な補強も可能である等の利点もある。
しかも、本発明の補強構造は、その補強工事において、足場を築いたり、外壁を外したりすることなく、建物の内側から施工することができるので、工事費用が安く、更には、部分的な補強も可能である等の利点もある。
図1は本発明の既築木造建築物の垂直構面体(壁)を補強対象とした補強構造の第1実施例を示す正面図、図2はその補強構造に使用する水平リンクと垂直リンクと可撓性対角材の端部連結点の関係位置を示す図である。
この第1実施例では、既築木造建築物の骨組み構造において、構材としての梁10と、柱11a,11bと、土台12とによって垂直構面体1(以下、壁1という)が形成され、この壁1内に上部水平リンク20と、左右の垂直リンク21a,21bと、下部水平リンク22からなる組立式の四角枠状補強枠2が設置されている。また、前記四角枠状補強枠2のほぼ対角を結ぶように可撓性対角材30a,30b(ワイヤー)がクロスして張設されている。さらに、可撓性対角材30a,30bの下端を前記垂直リンク21a,21bの脚部において四角枠状補強枠2の面に対して垂直方向(紙面の垂直方向)に方向転換させている。その最も簡単な方法として、可撓性対角材30a,30bの下端部を垂直リンク21a,21bの下端に設けたリング30c,30dに掛け回して、その方向を紙面の垂直な手前方向に一旦変え、基礎13の手前面に引き出して、ネジ式引張り調節機構を持つ基礎締結具40a,40bに初期張力を持たせて強固に締結される。
前記基礎締結具40a,40bは、鋼やステンレス等の金属板による平板41にU状金具42をつけ、このU状金具42の底にボルト43を通して、可撓性対角材30a,30bの下端を引張るように成形され、柱11a,11bの下側接合部における土台12および/または基礎13の垂直側面に、取付穴から釘やスクリューを打ち込むことで取り付けられている。
前記四角枠状補強枠2は、鋼等の金属パイプなどにより組立構成されたもので、上部水平リンク20と、左右の垂直リンク21a,21bと、下部水平リンク22の組立式であるとともに、さらに垂直リンク21a,21bは天井裏隙間から壁1内に挿入作業が可能な長さに分割され(本実施例では4分割で概ね各本65cm以下)、各パーツを壁1内に順次挿入し、作業現場で組立可能な構成となっている。また、前記可撓性対角材30a,30bは可撓性材としているので、これも天井裏隙間から壁1内に挿入が可能である。
図2で示すように、上部水平リンク20の断面中立軸と垂直リンク21aの断面中立軸の交点u(フレーム交点と定義する)と、垂直リンク21aと可撓性対角材30aの連結点pは、可撓性対角材30aの引張り力のベクトルW(向きが点pから点cを結ぶ方向)の延長線が、上部水平リンク20と垂直リンク21aとのフレーム交点uより四角枠状補強枠2の内側(図2の向かって右側:言い換えれば点uがベクトルWより柱11a側)を通る関係に配置している。
このため、地震等で可撓性対角材30aにベクトルWが発生すると、垂直リンク21aに紙面で時計回りの曲げモーメントが発生し、垂直リンク21aは四角枠状補強枠2の外側、つまり柱11aに当る方向(紙面で左方向に凸)に曲げ変形し、柱11aに当接した後はこれに支えられることになる。
なお、前記図2は、四角枠状補強枠2の左側部材(上部水平リンク20、垂直リンク21a、可撓性対角材30a)の配置関係を示しているが、右側部材(上部水平リンク20、垂直リンク21b、可撓性対角材30b)も同様の配置関係になっている。
即ち、右側部材は図2と対称の関係に各部材と各接合点が配置されているので、柱11bでも同様の支持が生じる。また、フレーム交点uと点pと点cの関係は垂直リンク21a,21bの上端側のみに限らず、垂直リンク21a,21bの下端側のみでもよい。もちろん、垂直リンク21a,21bの両端において、これらのu,p,c点の配置関係を満たす構成とすることも可能である。
このため、地震等で可撓性対角材30aにベクトルWが発生すると、垂直リンク21aに紙面で時計回りの曲げモーメントが発生し、垂直リンク21aは四角枠状補強枠2の外側、つまり柱11aに当る方向(紙面で左方向に凸)に曲げ変形し、柱11aに当接した後はこれに支えられることになる。
なお、前記図2は、四角枠状補強枠2の左側部材(上部水平リンク20、垂直リンク21a、可撓性対角材30a)の配置関係を示しているが、右側部材(上部水平リンク20、垂直リンク21b、可撓性対角材30b)も同様の配置関係になっている。
即ち、右側部材は図2と対称の関係に各部材と各接合点が配置されているので、柱11bでも同様の支持が生じる。また、フレーム交点uと点pと点cの関係は垂直リンク21a,21bの上端側のみに限らず、垂直リンク21a,21bの下端側のみでもよい。もちろん、垂直リンク21a,21bの両端において、これらのu,p,c点の配置関係を満たす構成とすることも可能である。
本発明の構成では、可撓性対角材30a,30bのベクトルWで四角枠状補強枠2の構面のせん断変形を抑止するので(いわゆる可撓性対角材30a,30bが引張り筋交いの役割をなす)、ベクトルWの垂直方向分力Rが垂直リンク21a,21bにかかるが、挿入・組立構造のため細長い柱とせざるを得ない垂直リンク21a,21bの座屈強度が四角枠状補強枠2の構造材としての最弱点である。このため、意図的に強い断面を持つ柱11a,11bに寄りかかる方向に曲げを生じさせ、垂直リンク21a,21bの単品の強さだけでなく、既設の柱11a,11bとの強度の互助関係を持つ構造体にすることが有用である。
又、図2に示すように、上部水平リンク20の端部を構成する左水平リンク端金具20bの接合に、ネジ式長さ調節具20aを取り付けて(本実施例では上部水平リンク20の両端部に設置しているが片端だけでもよい)、上部水平リンク20の長さを調節可能に構成している。これにより、同一部材で寸法が異なる壁1への対応が可能となり、既設家屋への応用性が格段に向上する。
なお、当然のことであるが、下部水平リンク22も長さ調節可能な構造となっており、図示例では左右中央部をネジ接合してこれを可能にしている。
なお、当然のことであるが、下部水平リンク22も長さ調節可能な構造となっており、図示例では左右中央部をネジ接合してこれを可能にしている。
また、壁1内には、図示省略した間柱が中央に鉛直に有ることが殆どであり、この場合には、可撓性対角材30a,30bの交差部に小さな壁開口部60を設けて間柱に切欠部を形成させ、この切欠部に可撓性対角材30a,30bの交差部を通過させる工事を行う。
図3は本発明の既築木造建築物の垂直構面体(壁)を補強対象とした補強構造の第2実施例を示す正面図である。
この第2実施例では、可撓性対角材30a,30bが上側のリンク連結材31a,31bと下側のワイヤー32a,32bの複合構成となっており、さらに、クロス金具33a,33bの中央ピンで左右の可撓性対角材30a,30bを接合する構成となっている。
本実施例では、クロス金具33a,33bの可撓性対角材30a,30bへの取り付け位置を変えることにより、可撓性対角材30a,30bの交点位置を上下方向に適宜選択できるので、間柱がある場合の小さな壁開口部60を図のように下方にずらして、施工を容易にし、また、施工後にこの壁開口部60を家具などで覆い隠すことが可能などの利点がある。
なお、クロス金具33a,33bを用いず、リンク連結材31a,31bとワイヤー32a,32bを1点でピン接合することも可能である。
この第2実施例では、可撓性対角材30a,30bが上側のリンク連結材31a,31bと下側のワイヤー32a,32bの複合構成となっており、さらに、クロス金具33a,33bの中央ピンで左右の可撓性対角材30a,30bを接合する構成となっている。
本実施例では、クロス金具33a,33bの可撓性対角材30a,30bへの取り付け位置を変えることにより、可撓性対角材30a,30bの交点位置を上下方向に適宜選択できるので、間柱がある場合の小さな壁開口部60を図のように下方にずらして、施工を容易にし、また、施工後にこの壁開口部60を家具などで覆い隠すことが可能などの利点がある。
なお、クロス金具33a,33bを用いず、リンク連結材31a,31bとワイヤー32a,32bを1点でピン接合することも可能である。
図4は本発明の既築木造建築物の垂直構面体(壁)を補強対象とした補強構造の第3実施例を示す正面図である。
この第3実施例では、左右のクロス金具33a,33bを繋がず、左右のリンク連結材31a,31bに、それぞれ2本のワイヤー32a,32bを「への字」に繋ぐ構成としたもので、この場合には、可撓性対角材30a,30bの交点位置を左右に動かすことができる。
この第3実施例では、左右のクロス金具33a,33bを繋がず、左右のリンク連結材31a,31bに、それぞれ2本のワイヤー32a,32bを「への字」に繋ぐ構成としたもので、この場合には、可撓性対角材30a,30bの交点位置を左右に動かすことができる。
また、実施例では、最弱部材である垂直リンク21a,21bの座屈補強として、さらに中間支持具23a,23bを、垂直リンク21a,21bの高さ中間に設けている。これにより、垂直リンク21a,21bの座屈の支点距離が半分になり、紙面の垂直方向の座屈も含め、柱11a,11bの強度で垂直リンク21a,21bを3次元的に座屈補強できる構成となる。
図5は第2実施例の補強構造に使用する水平リンクと垂直リンクと可撓性対角材の端部連結点の関係位置を示す図である。
第2実施例(第3実施例も同様)の補強構造では、上部水平リンク20と垂直リンク21a,21bを回転節で連結している(この構成では、この連結点をフレーム交点uとする)。つまり、左側部材の例で示した図5のように、垂直リンク21aの端部曲げ拘束がない構成として組立の容易さを増し、可撓性対角材30aの引張り力による垂直リンク21aの柱11aへの曲げ寄りかかりを発生させるため、そのフレーム交点uと、垂直リンク21aと可撓性対角材30aの連結点pは、可撓性対角材30aの引張り力のベクトルW(向きが点pから点cを結ぶ方向)の延長線が、フレーム交点uより四角枠状補強枠2の内側(図5の向かって右側:言い換えれば点uがベクトルWより柱11a側)となるように配置している。
第2実施例(第3実施例も同様)の補強構造では、上部水平リンク20と垂直リンク21a,21bを回転節で連結している(この構成では、この連結点をフレーム交点uとする)。つまり、左側部材の例で示した図5のように、垂直リンク21aの端部曲げ拘束がない構成として組立の容易さを増し、可撓性対角材30aの引張り力による垂直リンク21aの柱11aへの曲げ寄りかかりを発生させるため、そのフレーム交点uと、垂直リンク21aと可撓性対角材30aの連結点pは、可撓性対角材30aの引張り力のベクトルW(向きが点pから点cを結ぶ方向)の延長線が、フレーム交点uより四角枠状補強枠2の内側(図5の向かって右側:言い換えれば点uがベクトルWより柱11a側)となるように配置している。
なお、第2実施例(図3)及び第3実施例(図4)のように、上部水平リンク20は垂直リンク21a,21bと回転節接合に形成すると、圧縮力が働くのみなので、その取り付けは、柱11a,11b間に渡すだけでよい。
図6は前記中間支持具の実施例を示す斜視図である。
この中間支持具23aには、柱11aに対向するように釘23cが摺動可能に保持されており、この中間支持具23aの中央に空けてある穴23dに垂直リンク21aを通して中間支持具23aと垂直リンク21aを接合し、これを壁1内に挿入し、組立後、前記釘23cを柱11aに打ち込むことで、垂直リンク21aの柱11aへの接合を行う。なお、中間支持具23bも同様に構成されている。
この中間支持具23aには、柱11aに対向するように釘23cが摺動可能に保持されており、この中間支持具23aの中央に空けてある穴23dに垂直リンク21aを通して中間支持具23aと垂直リンク21aを接合し、これを壁1内に挿入し、組立後、前記釘23cを柱11aに打ち込むことで、垂直リンク21aの柱11aへの接合を行う。なお、中間支持具23bも同様に構成されている。
図7は垂直構面体(壁)内での釘打ち作業に用いる治具例を示す図である。
前記壁1内での釘打ち作業は、小さな壁開口部60から手のみを壁1内に入れて行う必要があり、通常の金槌での釘打ち作業ができない。
そこで本例では、釣鐘の突き棒と同様な機構として、上部水平リンク20から所定の長さの2本の吊紐50にて打撃棒51を吊り下げ、打撃棒51の取っ手(棒状でも紐状でもよい)を壁1内に入れた手で左右に振ることで、所定高さ位置にある釘23cの打ち込みを実施するようにしている。
前記壁1内での釘打ち作業は、小さな壁開口部60から手のみを壁1内に入れて行う必要があり、通常の金槌での釘打ち作業ができない。
そこで本例では、釣鐘の突き棒と同様な機構として、上部水平リンク20から所定の長さの2本の吊紐50にて打撃棒51を吊り下げ、打撃棒51の取っ手(棒状でも紐状でもよい)を壁1内に入れた手で左右に振ることで、所定高さ位置にある釘23cの打ち込みを実施するようにしている。
図8は垂直リンクを構成する短リンク材の連結構造の実施例を示す断面図である。
本例では、垂直リンク21a,21bを長さ方向に分割した1個の短リンク材21は、垂直リンク本体21cと、上部のネジ付きフランジ21dと下部の孔付きフランジ21eから成っており、下部の孔付きフランジ21eと締結対象である他の短リンク材21の上部にあるネジ付きフランジ21dが締結ボルト21fでネジ締結される。
又、ネジ締め作業は上部のネジ付きフランジ21dのネジ穴から十分な長さのレンチを差し込んで行う。
本例では、垂直リンク21a,21bを長さ方向に分割した1個の短リンク材21は、垂直リンク本体21cと、上部のネジ付きフランジ21dと下部の孔付きフランジ21eから成っており、下部の孔付きフランジ21eと締結対象である他の短リンク材21の上部にあるネジ付きフランジ21dが締結ボルト21fでネジ締結される。
又、ネジ締め作業は上部のネジ付きフランジ21dのネジ穴から十分な長さのレンチを差し込んで行う。
また、上下段の短リンク材21,21の芯出しは、ガイドワイヤー21gをフランジ21d,21eに同芯で設けてある上下のガイド孔21h,21hに通すことで行う。
本例では、ガイドワイヤー21gは一段づつ止める構成とし、下段短リンク材21の上部のフランジ21dに接続されたガイドワイヤー21gで上段短リンク材21の下部のフランジ21eの芯出しを行い、ガイドワイヤー21gの上端を上段短リンク材の上部のフランジ21dに止める。同様にして上下段の短リンク材21,21を1段づつガイドワイヤー21gで芯出しながら締結ボルト21fによる締結で順次連結していくものである。
なお、ガイドワイヤー21gの中間にバネ21jを設けておいて、これを引張るようにして上端を引っ掛けて止める構成とすると作業が容易である。
本例では、ガイドワイヤー21gは一段づつ止める構成とし、下段短リンク材21の上部のフランジ21dに接続されたガイドワイヤー21gで上段短リンク材21の下部のフランジ21eの芯出しを行い、ガイドワイヤー21gの上端を上段短リンク材の上部のフランジ21dに止める。同様にして上下段の短リンク材21,21を1段づつガイドワイヤー21gで芯出しながら締結ボルト21fによる締結で順次連結していくものである。
なお、ガイドワイヤー21gの中間にバネ21jを設けておいて、これを引張るようにして上端を引っ掛けて止める構成とすると作業が容易である。
図9は垂直リンクを構成する短リンク材の連結構造の他の実施例を示す断面図である。
垂直リンク21a,21bには圧縮力が働くのみなので、単なる嵌め込み接合でよい。本例では、短リンク材21は、垂直リンク本体21cの下端部外周にスリーブ21kを固定させて形成され、下段短リンク材21の上端部を下段短リンク材21のスリーブ内に嵌め込むことで継ぎ足していく連結構造になっている。
垂直リンク21a,21bには圧縮力が働くのみなので、単なる嵌め込み接合でよい。本例では、短リンク材21は、垂直リンク本体21cの下端部外周にスリーブ21kを固定させて形成され、下段短リンク材21の上端部を下段短リンク材21のスリーブ内に嵌め込むことで継ぎ足していく連結構造になっている。
本実施例も嵌め込み作業には上下の短リンク材21,21の芯を合わせる必要がある。
このため、最下段の短リンク材21に設けたワイヤー止め具21mにガイドワイヤー21nの下端を取り付け、このガイドワイヤー21nを上段短リンク材21に取り付けた支持部材21qのワイヤーガイド21pに通して緊張させることで芯を合わせ、この緊張したガイドワイヤー21nにワイヤーガイド21pをスライドさせながら上下の短リンク材21,21継ぎ足していくようになっている。
なお、最下段の短リンク材21以外の短リンク材21は、ワイヤーガイド21pのみが上部と下部に設けられ、ガイドワイヤー21nは、最下段の短リンク材21から最上段の短リンク材21までの全ての短リンク材21を通るように一連に延長される。
もちろん、各短リンク材21それぞれの上部にワイヤー止め具21mを設けると共に下部にワイヤーガイド21pを設け、ワイヤー止め具21mに取り付けたガイドワイヤー21nによって各段毎にガイドワイヤーを上段短リンク材21のワイヤーガイド21pに通して芯を合わせる構成としてもよい。
このため、最下段の短リンク材21に設けたワイヤー止め具21mにガイドワイヤー21nの下端を取り付け、このガイドワイヤー21nを上段短リンク材21に取り付けた支持部材21qのワイヤーガイド21pに通して緊張させることで芯を合わせ、この緊張したガイドワイヤー21nにワイヤーガイド21pをスライドさせながら上下の短リンク材21,21継ぎ足していくようになっている。
なお、最下段の短リンク材21以外の短リンク材21は、ワイヤーガイド21pのみが上部と下部に設けられ、ガイドワイヤー21nは、最下段の短リンク材21から最上段の短リンク材21までの全ての短リンク材21を通るように一連に延長される。
もちろん、各短リンク材21それぞれの上部にワイヤー止め具21mを設けると共に下部にワイヤーガイド21pを設け、ワイヤー止め具21mに取り付けたガイドワイヤー21nによって各段毎にガイドワイヤーを上段短リンク材21のワイヤーガイド21pに通して芯を合わせる構成としてもよい。
また、本例では、ガイドワイヤー21nを2本通しているが、これは各段の短リンク材21の位相(軸回転)を合わせる目的で2本としているもので、短リンク材21の断面形状が円(パイプなど)等で、接合において位相を合わせる必要がない場合には1本でもよく、ガイドワイヤー本数を2本に限定するものではない。
さらに、本例では、嵌め込みスリーブ21kを垂直リンク本体21cより大きくした嵌め合い(外面嵌め合い)としているが、垂直リンク本体21c内側に差し込む(内面嵌め合い)としてもよいし、オス・メスの配置(本例ではメスが上側)を上下の垂直リンクのどちらに持ってきてもよく、嵌め合い形態を本例の構成に限定するものではない。
図10は可撓性対角材としてのリンク連結材の実施例を示す斜視図である。
可撓性対角材30a,30bのリンク連結材31a,31bは、一枚板状の内リンク31cと、これを挟む形の2枚の外リンク31d,31dを相互にピン31eで繋いで、長いリンクを構成するのが最も簡単である。
本例では、2枚の外リンク31d,31dを接続金具31fで接続し、これらをタッピンネジ31gなどを用いて留める構成としている。内リンク31cは両端に穴がある一枚板でよいし、本構成の外リンク31d,31dを用いると、溶接接続が不要であるし、製作が安価で簡単となる。
可撓性対角材30a,30bのリンク連結材31a,31bは、一枚板状の内リンク31cと、これを挟む形の2枚の外リンク31d,31dを相互にピン31eで繋いで、長いリンクを構成するのが最も簡単である。
本例では、2枚の外リンク31d,31dを接続金具31fで接続し、これらをタッピンネジ31gなどを用いて留める構成としている。内リンク31cは両端に穴がある一枚板でよいし、本構成の外リンク31d,31dを用いると、溶接接続が不要であるし、製作が安価で簡単となる。
可撓性対角材30a,30bに初期張力を与えるのは、地震等による初期変形時から可撓性対角材30a,30bを作用させるためであり、実施例では、基礎締結具40a,40bにこの機能を持たせたものとしているが、緊張具としては、市販のターンバックルなどを可撓性対角材30a,30bの中間に入れるなど、可撓性対角材30a,30bの長さ調節が行えるものであれば何でもよい。
図11は基礎締結具の他の実施例を示す斜視図である。
この実施例では、角パイプ材を逆L状に組んだ本体部44を有し、その上端先部で垂直リンク21aを受けると共に可撓性対角材30bのワイヤー32bの方向転換を先端の開口部45で行い、その内部にワイヤー32bを通してその下端を調節ボルト46で引張る構成としたもので、これにより、実施容易で強固な可撓性対角材30bの引張りが実現できて好ましい。
なお、前記本体部44は、図示省略したが、開口部45や内部の角にRをつけてワイヤー32bの角面当り損傷を防いだり、基礎13への取付ボルトの取付作業のために、手前面を開口するなどしている。
この実施例では、角パイプ材を逆L状に組んだ本体部44を有し、その上端先部で垂直リンク21aを受けると共に可撓性対角材30bのワイヤー32bの方向転換を先端の開口部45で行い、その内部にワイヤー32bを通してその下端を調節ボルト46で引張る構成としたもので、これにより、実施容易で強固な可撓性対角材30bの引張りが実現できて好ましい。
なお、前記本体部44は、図示省略したが、開口部45や内部の角にRをつけてワイヤー32bの角面当り損傷を防いだり、基礎13への取付ボルトの取付作業のために、手前面を開口するなどしている。
上記の補強構造では、壁1内に四角枠状補強枠2を壁1に組み込むため、可撓性対角材30a,30bの連結も容易である。
また、基礎締結具40a,40bを、土台12の垂直側面および/または基礎13の垂直側面に取り付けた側面補強金具に形成しているため、既築木造建築物に対し、大掛かりな工事をすることなく、簡単な施工で補強することができ、建物を地震力から守ることができる。
即ち、既築木造建築物では、天井裏の梁10の直下の狭いスペースしか利用できず、また、土台12の上方には根太や床板等が敷設されていることが多く、土台12の上方空間が狭くなって、土台12の上方から下向きの打ち込み作業で補強金物を取り付けることが困難である。
これに対し、本実施例の補強構造では、四角枠状補強枠2の全部品の壁1内への挿入、組立、取り付けが天井裏空間と床下側面で可能になり、間柱がある場合でも壁1の一部に壁開口部60を形成するだけで施工が可能になる。
また、基礎締結具40a,40bを、土台12の垂直側面および/または基礎13の垂直側面に取り付けた側面補強金具に形成しているため、既築木造建築物に対し、大掛かりな工事をすることなく、簡単な施工で補強することができ、建物を地震力から守ることができる。
即ち、既築木造建築物では、天井裏の梁10の直下の狭いスペースしか利用できず、また、土台12の上方には根太や床板等が敷設されていることが多く、土台12の上方空間が狭くなって、土台12の上方から下向きの打ち込み作業で補強金物を取り付けることが困難である。
これに対し、本実施例の補強構造では、四角枠状補強枠2の全部品の壁1内への挿入、組立、取り付けが天井裏空間と床下側面で可能になり、間柱がある場合でも壁1の一部に壁開口部60を形成するだけで施工が可能になる。
なお、前記第1および第2実施例では、梁10と柱11a,11bの仕口部を補強する上側補強金物を用いていないが、柱と梁の仕口部の経年による弛み対応などのため、仕口部を既存の金物で補強締結することも重要であり、特に、モーメント耐力を持っている、いわゆる三角状入り隅金物との併用が好ましい。また、本発明において、各金具の取り付けに際し、通しボルトや釘やスクリューの打ち込み、接着剤による接着を併用することもできる。
また、本実施例では2本の垂直リンク21a,21bによる四角枠状補強枠2を例にとって説明したが、左右の垂直リンク21a,21bの間に中間垂直リンクを入れた連続枠構成にしたり、上下の水平リンク20,22の間に中間水平リンクを入れることも可能で、既設の垂直構面体(壁)との取り合いで、その構成本数を変えることはもちろん可能である。
1 垂直構面体(壁)
10 梁
11a 柱
11b 柱
12 土台
13 基礎
2 四角枠状補強枠
20 上部水平リンク
20a 調節具
20b 左水平リンク端金具
21 短リンク材
21a 垂直リンク
21b 垂直リンク
21c 垂直リンク本体
21d フランジ
21e フランジ
21f 締結ボルト
21g ガイドワイヤー
21h ガイド孔
21j バネ
21k スリーブ
21m ワイヤー止め具
21n ガイドワイヤー
21p ワイヤーガイド
21q 支持部材
22 下部水平リンク
23a 中間支持具
23b 中間支持具
23c 釘
23d 穴
30a 可撓性対角材
30b 可撓性対角材
30c リング
30d リング
31a リンク連結材
31b リンク連結材
31c 内リンク
31d 外リンク
31e ピン
31f 接続金具
31g タッピンネジ
32a ワイヤー
32b ワイヤー
33a クロス金具
33b クロス金具
40a 基礎締結具
40b 基礎締結具
41 平板
42 U状金具
43 ボルト
44 本体部
45 開口部
46 調節ボルト
50 吊紐
51 打撃棒
60 壁開口部
c 点
p 点
u 点
R 垂直方向分力
W ベクトル
10 梁
11a 柱
11b 柱
12 土台
13 基礎
2 四角枠状補強枠
20 上部水平リンク
20a 調節具
20b 左水平リンク端金具
21 短リンク材
21a 垂直リンク
21b 垂直リンク
21c 垂直リンク本体
21d フランジ
21e フランジ
21f 締結ボルト
21g ガイドワイヤー
21h ガイド孔
21j バネ
21k スリーブ
21m ワイヤー止め具
21n ガイドワイヤー
21p ワイヤーガイド
21q 支持部材
22 下部水平リンク
23a 中間支持具
23b 中間支持具
23c 釘
23d 穴
30a 可撓性対角材
30b 可撓性対角材
30c リング
30d リング
31a リンク連結材
31b リンク連結材
31c 内リンク
31d 外リンク
31e ピン
31f 接続金具
31g タッピンネジ
32a ワイヤー
32b ワイヤー
33a クロス金具
33b クロス金具
40a 基礎締結具
40b 基礎締結具
41 平板
42 U状金具
43 ボルト
44 本体部
45 開口部
46 調節ボルト
50 吊紐
51 打撃棒
60 壁開口部
c 点
p 点
u 点
R 垂直方向分力
W ベクトル
Claims (3)
- 既築木造建築物の骨組み構造において、横材と、前記横材に接続された左右の柱とで枠組みされた垂直構面体を補強対象とし、前記垂直構面体で構成される壁内において、上下の水平リンクと、左右の垂直リンクの各端部を連結して四角枠状補強枠を構成し、この四角枠状補強枠の概対角を可撓性対角材で連結し、さらに、前記可撓性対角材の下端を前記垂直リンクの脚部において、前記四角枠状補強枠面の垂直方向に一旦方向転換した後に土台および/または基礎に締結することにより、前記垂直構面体のせん断変形を抑制させ、かつ前記垂直リンクが複数の短リンク材によって連結形成されていることを特徴とした既築木造建築物の補強構造
- 可撓性対角材と連結する垂直リンクが、可撓性対角材の張力により、四角枠状補強枠の外側に凸曲げを生じさせるように、前記可撓性対角材を前記垂直リンクに連結するにおいて、可撓性対角材と垂直リンクとの連結点を点p、前記垂直リンクと近接の水平リンクのフレーム交点を点uとするとき、上または下の少なくとも一つの点uが点pを通る前記可撓性対角材の仮想延長線より垂直構面体の近接する柱側に位置するように配置している請求項1記載の既築木造建築物の補強構造。
- 垂直リンクを、その高さ中間位置において、既設の垂直構面体の柱に締結している請求項1または2記載の既築木造建築物の補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005344224A JP2007146549A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 既築木造建築物の補強構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005344224A JP2007146549A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 既築木造建築物の補強構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007146549A true JP2007146549A (ja) | 2007-06-14 |
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ID=38208270
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---|---|---|---|
JP2005344224A Pending JP2007146549A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 既築木造建築物の補強構造 |
Country Status (1)
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190115625A (ko) * | 2018-04-03 | 2019-10-14 | 주식회사 뉴마이하우스웍 | 단독주택의 내진설계 보강용 구조물 |
-
2005
- 2005-11-29 JP JP2005344224A patent/JP2007146549A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190115625A (ko) * | 2018-04-03 | 2019-10-14 | 주식회사 뉴마이하우스웍 | 단독주택의 내진설계 보강용 구조물 |
KR102147710B1 (ko) * | 2018-04-03 | 2020-08-25 | 주식회사 뉴마이하우스웍 | 단독주택의 내진설계 보강용 구조물 |
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