JP2007145826A - 生分解性粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
粒子間で凝集、固結することなく成形でき、カテーテルやニードル、注射器などの器具内や血管内において凝集または高粘度化することなく目的部位に容易に到達し、特定期間後に材料がスムーズに分解し、最終的に分解成分が吸収または体外へ排出可能な、生体内に残存しない生分解性粒子を提供する。
【解決手段】
粒径5μm以上の粒子であって、粒子表面にポリアルキレングリコールが被覆されていることを特徴とする生分解性粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に医薬医療用機器であるカテーテル、ニードル、注射器などが有する微小口径の管を通して搬送される生分解性微粒子に関する。特に、生体内に搬入されその機能を発揮し、役目を終えた後、特定期間経過後に生体内で分解され、最終的には分解成分が体内に吸収され得る、または体外排出可能であるような、生体内に残存しない材料として使用できる生分解性微粒子、およびその製造方法に関する。
医学の分野では、治療の安全性や、患者に負担をかけない低侵襲治療の考え方が重視されるようになっている。それに伴い、より安全な材料を設計・合成する技術や、体内に投与する技術が発達している。その一つは、細い口径の管を通した治療あるいは薬投与の技術である。管の口径が細いことで、患者の体を無駄に切開することもなくなり、体内への管の挿入に伴う痛みも激減した。カテーテルによる治療はその顕著な例である。もう一つは、体内に残らない生分解性・体内吸収性の材料に関する技術である。ポリ乳酸やポリグリコール酸、ポリカプロラクトンなどから成る縫合糸や整形外科材料は臨床現場でも使用されており、最近ではこれらの素材を活用した再生医療の研究成果も多数報告されている。体内で分解・吸収されるポリマー粒子についても主に薬剤のキャリアとして知られている(特許文献1、2参照)。
また、肝臓などの臓器の手術に伴う切開に先立って、塞栓材料を血管内に注入することにより、確実かつ迅速に止血し、出血を最小限にすることができる。また、かかる塞栓材料を用いた技術、療法として、出血防止のための用途の他に、切除不能な腫瘍に対し、止血により栄養を遮断する動脈塞栓術への用途、さらには抗癌剤と血管塞栓材料とを組み合わせて投与して腫瘍内での抗癌剤濃度を高く維持する化学塞栓療法が知られている。一方で、カテーテルおよびその操作手法の発達により、適当なキャリア微粒子や塞栓材料を局所位へ選択的に正確に送り込むことが可能となっている。
血管塞栓材料としては、これまでゼラチンスポンジ、ポリビニルアルコール、分解性デンプン粒子(DSM)、ヨウ化ケシ油、架橋コラーゲン繊維、エチルセルロースマイクロカプセル、シアノアクリレート、ステンレスコイルなどが用いられていた。中でもポリマー粒子からなる塞栓材料は、造影剤などに分散させた状態で、生体内に配置されたマイクロカテーテルを介して、マイクロシリンジなどにより患部に向けて注入することにより体内に導入することができる。かかるポリマー粒子の塞栓材料は深部に位置する患部まで到達して塞栓を形成することができる。
しかしながら、ポリマー粒子からなるキャリア微粒子や塞栓材料には以下のような問題点がある。
(1)形状が不定形で粒度分布が広いため、目的部位でその機能が発揮されないことがある。
(2)カテーテル、ニードルまたは注射器などの医薬医療用機器の管内において凝集あるいは高粘度化して詰まることがある。
(3)患部に至る途中の正常な血管内において凝集あるいは高粘度化するため、目的部位まで到達させることができないことがある。
(4)塞栓材料として用いた場合、材質が硬く、血管の断面形状にフィットしないため、血流量を低下させることはできても、完全に塞栓できない場合がある。
(5)さらに、生体内分解性材料としては、血液に接する箇所とそうでない箇所など、置かれた環境の微小な違いにより分解速度が大きく異なることがある。
(6)粒径が適当でないため、目的部位に留置できないことがある。
従来技術として、生分解性ポリマーであるポリ乳酸(以下、PLAと記載)またはポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマー(以下PLGAと記載)からなる粒子や(非特許文献1参照)、特定の薬剤を含有する生分解性材料が開示されているが(特許文献3参照)、これは基材ポリマーの疎水性が高く、上記の(2)〜(5)の問題があった。
一方、ポリエチレングリコール(以下、PEGと記載)と、PLAまたはPLGAからなるブロックコポリマーとして、PLA−PEG、PLA−PEG−PLA、PLGA−PEG−PLGAなどの構造からなる基材ポリマーに薬剤を混合して徐放させるという技術の製薬・獣医薬用途への適用が開示されている(特許文献4参照)。しかし、これは基材ポリマーの柔軟性と成形に必要な強度との調整が困難であり、上記の(1)〜(5)の問題があった。
また、水不溶性のPEG系コポリマーからなる血管塞栓材料が開示されている(特許文献5)。しかし、これも基材ポリマーの柔軟性と成形に必要な強度の調整が困難であり、上記の(1)〜(5)の問題があった。
なお、平均粒子径が300nm未満であって、表面改質剤を随伴または包含しているナノ微粒子が開示されている(特許文献6)。同特許文献にはポリエチレングリコール、プルロニックなどのポリアルキレングリコールによって表面改質された粒子が開示されている。しかしながら、ここで使用されている粒子は粒径が十分小さいものであるため、カテーテルやニードル、注射器などの管を通過する際に粒子が凝集して管を詰まらせるという課題が示されてなく、より大きな粒径の粒子を用いた際に生じる、かかる課題を解決するための手段についても示されていない。さらには、ポリアルキレングリコール等の表面改質剤の役割は、分散媒中に分散させたときまたは乾燥させたときの粒子の懸濁性改善、凝集予防のためと記載されており、カテーテル等における管内での詰まり防止の目的については一切記載されていない。したがって、同特許文献では、かかる課題の解決のために好適なポリアルキレングリコールの分子量範囲や濃度範囲が見いだされていない。
特許第3242118号公報 特許第3428972号公報 特開平5−969号公報 特公平5−17245号公報 特開2004−167229号公報 特公平10−511957号公報 バスティアン・P(Bastian P),バートカウスキー・R(Bartkowski R)ら著,「ケモエンボリゼーション・オブ・エクスペリメンタル・リバー・メタスタシーズ(Chemo−embolization of experimental liver metastases.)」,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス・アンド・バイオファーマシューティクス(European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics),1998年,第43巻,p243−254.
本発明の目的は、粒子間で凝集あるいは固結することなく成形することが可能であり、主に医薬医療用機器であるカテーテルやニードル、注射器などの器具内、あるいは血管内において凝集詰まりを起こすことなく搬送・注入でき、特定の期間後に材料がスムーズに分解する生分解性粒子を提供することにある。
本発明の目的は、以下の構成を有する粒子、あるいはその製造方法により達成される。
1.粒径が5μm以上の粒子であって、ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体が被覆されていることを特徴とする生分解性粒子。
2.該ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体の重量平均分子量が1,000以上、40,000以下であることを特徴とする前記1に記載の生分解性粒子。
3.該粒子のコア部分が水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを含有することを特徴とする前記1または2に記載の生分解性粒子。
4.該水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーが、ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体と生分解性ポリマーとが化学的に結合したコポリマーであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の生分解性粒子。
5.該生分解性ポリマーがα−ヒドロキシ酸単位を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の生分解性粒子。
6.該水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーの重量平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする前記3〜5のいずれかに記載の生分解性粒子。
7.該ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールであることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の生分解性粒子。
8.37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の重量の80%以下であることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の生分解性粒子。
9.37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における重量平均分子量が、浸漬前の重量平均分子量の80%以下であることを特徴とする前記1〜8のいずれかに記載の生分解性粒子。
10.医薬医療用として使用されることを特徴とする前記1〜9のいずれかに記載の生分解性粒子。
11.体内留置デバイスとして使用されることを特徴とする前記1〜9のいずれかに記載の生分解性粒子。
12.塞栓治療用として使用されることを特徴とする前記1〜9のいずれかに記載の生分解性粒子。
13.水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを含有する、粒径5μm以上の生分解性粒子を、ポリアルキレングリコール水溶液に接触させた後、乾燥して粒子を得ることを特徴とする生分解性粒子の製造方法。
14.該ポリアルキレングリコール水溶液中のポリアルキレングリコールの濃度が1重量%以上、50重量%以下であることを特徴とする前記13に記載の製造方法。
15.篩い上の生分解性粒子にポリアルキレングリコール水溶液を投入することで生分解性粒子をポリアルキレングリコール水溶液に接触させることを特徴とする前記13または14に記載の製造方法。
16.該ポリアルキレングリコール水溶液がポリエチレングリコールの水溶液であることを特徴とする前記13〜15のいずれかに記載の製造方法。
本発明の生分解性粒子は粒子間で凝集あるいは固結することなく成形することが可能であり、主に医薬医療用機器であるカテーテル、ニードル、注射器などの器具内、あるいは血管内において凝集詰まりを起こすことなく目的部位に到達することができ、さらに留置部位や留置環境によらず特定の期間後に生体内でスムーズに分解し、最終的には分解成分が体内に吸収または体外へ排出され得るものである。
本発明における生分解性粒子とは、加水分解に代表される化学的分解によって、あるいは細胞や微生物が産生する酵素によって分解する粒子である。分解の様式は加水分解に代表される化学的分解でも、生体の細胞や微生物が産生する酵素による分解でもよいが、主に生体や微生物によって初めて加水分解されるものが好ましい。用いられる生分解性粒子の原料としては、特に限定されるものではないが、天然ポリマー、人工的に合成されたポリマーのいずれであってもよく、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ酸無水物、ポリペプチド、ポリ(α−シアノアクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリ(オルソエステル)、ポリフォスファゼン、ポリアミノ酸、生分解性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、核酸、多糖類などがあり、具体的な代表例としてゼラチン、キチン、キトサン、デキストラン、アラビアゴム、アルギン酸、デンプン、ポリ乳酸(以下、PLAと記載)、ポリグリコール酸(以下、PGAと記載)、ポリ乳酸グリコール酸共重合体(以下、PLGAと記載)、ヒドロキシ末端ポリ(ε―カプロラクトン)−ポリエーテル、ポリカプロラクトン、n−ブチルシアノアクリル酸、および上記ポリマーから成る共重合体などが挙げられる。
本発明における生分解性粒子は、粒子表面が親水性合成ポリマーで被覆されていることを特徴とするものである。
親水性合成ポリマーとは、水中で膨潤するかまたは水溶性の合成ポリマーを意味する。体内に留置、投与する場合には、体液に溶けて排出される方が好ましいことから水溶性合成ポリマーが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールもしくはその誘導体、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ポリビニルピロリドンなどが例として挙げられるが、本発明においては、粒子間で凝集、固結することなく成形ができる点で、ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体が好ましい。特に、臨床実績があり、生体適合性が高い点からポリエチレングリコール(以下PEGと記載)が最も好ましい。また、本発明における被覆について、その一態様として粒子表面が表面改質する程度に親水性合成ポリマーが付着または吸着している状態が挙げられるが、親水性合成ポリマーにより粒子表面に滑性が与えられる程度であれば特に限定されるものではなく、ポリアルキレングリコールにより粒子が包含されている状態、またはポリアルキレングリコールが部分付着または吸着している状態であっても好ましいものである。ただし、より確実に滑性を与えるためには粒子表面の表面積の30%以上、さらに好ましくは40%以上に親水性合成ポリマーが付着または吸着していることが好ましい。粒子表面への被覆の方法としては、機械的コーティング法、湿式コーティング法、噴霧乾燥法、糖衣コーティング法、パウダーコーティング法などが挙げられる。中でも湿式コーティング法および噴霧乾燥法は好ましく用いられる。特にコーティング溶液中で粒子を撹拌し、コーティング溶液を粒子に接触させる方法、または粒子をフィルターや篩いに乗せてコーティング溶液を上から流し、コーティング溶液を粒子に接触させリンスする湿式コーティングは、親水性合成ポリマーの付着量または吸着量の調整が容易であるため、最も好ましく用いられる。ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体の分子量は、表面改質する程度に付着または吸着できる程度であれば特に限定されるものではないが、分子量が1,000より小さいと、低分子量・常温にて液体となる性質を有するがために粒子表面が液状となりやすく、取り扱いが困難となる。また、医薬医療用途において、特に生体内に注入・投与して用いる場合には、分子量が大きいと腎臓の糸球体から排出されないことがあるため、平均分子量が40,000以下のポリアルキレングリコールもしくはその誘導体を使用することが好ましい。従って、重量平均分子量1000〜40,000の範囲が最も好ましい。
湿式コーティングの方法としては、溶融方法、溶媒希釈法を好ましく用いることができる。溶媒希釈法において使用される溶媒は、被覆に用いるポリマーが均一に溶解し、最終的に除去可能なものであれば特に限定されないが、水、メタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジクロロメタンなどのハロゲン化物などが挙げられる。特に、水は安価である上に、安全性が高いため好ましく用いられる。
湿式コーティングに際してのPEG溶液の濃度は、PEGを均一に溶解できれば特に限定されるものではないが、濃度が低すぎると粒子の表面性能が改善されず細管内での詰まりを生じることがあり、高すぎると粒子が高粘度となり施工性が悪くなることがある。従って、1重量%〜50重量%の範囲が最も好ましい。
このように粒子にコーティング溶液を接触させる湿式コーティングを行った後に、粒子を乾燥させることによって本発明の生分解性粒子を得ることができる。
本発明の生分解性粒子の形状は特に限定されるものではないが、特に人体を対象とした医薬医療用途を考慮した場合、37℃において粒子形状を保持することが好ましく、さらには球状粒子であることが好ましい。37℃において液状、ジェル状などであって粒子形状を保持しない場合、強度が低いために目的とする部位に留置できない可能性がある。一方、粒子形状を保持していればより効果的に体内留置および目的とする機能の発揮が可能となる。
粒子の造粒方法としては、転動造粒法、流動層造粒法、噴霧層造粒法、撹拌造粒法、解砕造粒法、圧縮造粒法、押出造粒法、液滴固化造粒法など公知の方法を採用することができる。例えば、液滴固化造粒法では、水不溶性ポリマーをジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチルまたはイソプロピルエーテルなどに溶解し、これを界面活性剤、保護コロイド剤などを含有する水相に分散し、公知の油/水型(以後、O/W型と記載)または水/油/水型(以後、W/O/W型と記載)液中乾燥法あるいはそれに準じた方法、スプレードライ法などの方法により粒子状にすることで製造することができる。ここで用いる界面活性剤、保護コロイド剤としては安定なO/W型エマルションを形成しうるものであれば特に限定されないが、例えばアニオン性界面活性剤(オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体など)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチンなどが挙げられる。これらの中から、1種類あるいは複数を組み合わせて使用してもよい。とりわけ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ゼラチンが好ましい。その水溶液濃度は、0.01重量%以上が好ましく、より好ましくは0.05重量%以上であり、かつ80重量%以下が好ましく、より好ましくは60重量%以下の範囲の中から選ばれ、この濃度を調整することにより、粒子形状もしくは粒径、またはこれらの両方を調整することができる。また、水不溶性ポリマー溶解液のポリマー濃度を調整することによっても、粒子形状または粒径の調整が容易に可能となる。上記製造方法によって製造された粒子は一般的に球状粒子であるが、様々な粒径の粒子を含んでいる。目的の粒径、目的の粒度分布を有する粒子を得るためには、複数の篩いを使用する方法が有効である。複数の篩いを目の細かい方から順に積み重ね、最も目の粗い最上段の篩いに、上記製造方法で調製した粒子を分散した液を投入すると、粒子はその粒径よりも小さいメッシュサイズの篩いの上に留まるため、粒子を粒径毎に分けることができる。篩いのメッシュサイズは特に限定されず、目的の粒径と粒度分布に合わせて適宜選択して良い。
本発明の生分解性粒子は粒径が5μm以上であり、10μm以上が好ましく、また2,000μm以下であることが好ましく、さらには1,500μm以下であることが好ましい。生分解性粒子をキャリア微粒子として用いる場合、この範囲であるとカテーテル、ニードルまたは注射器などを介してスムーズに体内へ留置でき、目的部位で機能を発揮することが可能であるため、好ましい。また、生分解性粒子を塞栓用途として用いる場合は、この範囲であると目的部位を効果的に塞栓可能であるため、好ましい。塞栓用途等に用いる場合の粒度分布は平均粒子径の±60%以下、さらには平均粒子径の±50%以下であることがより好ましい。なお、上記用途を含めた全ての用途において、粒径が5〜2000μm以外の粒子を一部に含むものの使用を排除するものではない。
本発明において、粒径とは、粒子径と区別して用いているが、粒子径が複数の粒子の平均の径等を表すのに対し、粒径は1個の粒子の径として用いている。
本発明において、粒径、平均粒子径、粒度分布とは、25℃での純水または生理食塩水中におけるそれを指す。本発明の粒子の粒径、平均粒子径、および粒度分布の測定は、市販の種々の測定装置で可能であって、特にリーズ・アンド・ノースラップ社製粒度分布測定装置“マイクロトラックシリーズ” によるものは測定を生理食塩水中で行うことができるので、血管または体内の環境に近い状態で測定することができる点で好ましい。または同一の条件においてこれと同一の結果が得られる装置によるものであれば問題ない。粒子径は、体積平均の値より算出され、“マイクロトラックシリーズ”においては、粒子の真球度に依らず、“MV”値として表示される。
本発明の生分解性粒子は、コア部分に水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを含有することが好ましい。水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーとは特に限定はされるものではないが、PEG、ポリプロピレングリコールなどに代表されるポリアルキレングリコールもしくはポリアルキレングリコール誘導体をその一成分とするブロック共重合体などであって、実質的に水不溶性のものが好ましく用いられる。ここでいう水不溶性ポリマーとは、次の水溶性ポリマーの定義から外れるポリマーをいう。水溶性ポリマーとは、常圧下で飽和濃度以下の濃度でポリマーを水の中に添加したとき、添加した量の全てが溶解し、均一な溶液を与えるポリマーのことをいう。ポリマーの溶解に必要な時間や温度は特に限定されない。水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーとしてはポリアルキレングリコールを含むことが好ましく、生体適合性があり、医薬医療用途において実績のあるPEGを含むことがもっとも好ましい。PEGもしくはPEG誘導体をその一成分とするブロックコポリマーなどであって、実質的に水不溶性のものであり、PEGもしくはその誘導体と物理的に相互作用することにより水不溶化するものであってもよい。なお、PEGは水溶性であるので、ここで言う水不溶性のものとは、PEG単位以外の単位の寄与によりPEGを含む物質の全体が実質的に水に不溶性となったものである。
本発明の生分解性粒子は、コア部分にPEGもしくはPEG誘導体と生分解性ポリマーとが化学的に結合した水不溶性PEG系コポリマーを含有することが好ましく、特に限定はされないが、PEGの両末端あるいは片末端に生分解性ポリマーが化学的に結合したコポリマー、またはPEGと生分解性ポリマーが交互に結合したコポリマーが好ましく用いられる。なお、生分解性ポリマーとは、加水分解に代表される化学的分解によって、あるいは細胞や微生物が産生する酵素によって分解するポリマーをいう。かかる生分解性ポリマーの種類は特に限定されるものではなく、ポリエステル、多糖類、ポリペプチドなどが好ましいが、α−ヒドロキシ酸単位を含有するものであることが最も好ましい。かかる生分解性ポリマーであって、PEGもしくはPEG誘導体と化学的に結合する性質を有する生分解性ポリマーの原料としては、特に限定されるものではないが、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン酸、ラクチド、グリコリド、リンゴ酸などを挙げることができ、これらのいずれか1つ以上を含有していることが好ましく、さらには2種類以上を組み合わせて使用し共重合体とすることがより好ましく、特に乳酸(またはラクチド)とグリコール酸(またはグリコリド)の組み合わせが好ましい。この場合、乳酸とグリコール酸との重量比は100:0〜30:70であることが好ましい。なお、上記の内、乳酸やラクチドのように分子内に光学活性を有する化合物の場合は、D体、L体、D,L体、D体とL体の混合物のいずれであってもよい。
本発明の生分解性粒子は、コア部分に重量平均分子量1,000以上が好ましく、より好ましくは2,000以上であり、また100,000以下が好ましく、より好ましくは90,000以下である水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを含有していることが好ましい。重量平均分子量が1,000未満であるとゲル状となりカテーテルやニードルの管の表面に粘着し、目的とする部位まで到達することができない場合があり、一方、重量平均分子量が100,000を超えると粒子が生体内で分解するための時間が長くなり過ぎることがある。
PEGもしくはPEG誘導体は、重量平均分子量が200〜50,000であることが好ましい。200より小さいとPEG系コポリマーの親水性が低く、均一な生分解性が得られないことがある。一方、50,000より大きいと、生体内で分解したコポリマーから生成するPEGが体外に排出されにくくなることがある。また、PEG誘導体の構造は、特に限定されることはなく、マルチアームPEG誘導体も含めた構造のものを好ましく用いることができる。PEGもしくはPEG誘導体に対する生分解性ポリマーの重量比は、特に限定されるものではないが、80:20〜5:95の範囲でより好ましく用いることができる。
以下、PEGもしくはPEG誘導体と生分解性ポリマーとからなる水不溶性PEG系コポリマーの製造方法を例示する。水不溶性PEG系コポリマーを合成するための方法は特に限定されるものではないが、溶融重合、開環重合などが挙げられる。例えば、乾燥空気あるいは乾燥窒素気流中、撹拌翼を備えた重合槽中に、原料である所定の平均分子量の水溶性ポリマー(PEGもしくはPEG誘導体等)と生分解性ポリマー原料(モノマー等)を投入し、その混合物を触媒とともに撹拌しながら加熱することで、水不溶性のコポリマーが得られる。使用する触媒は、通常のポリエステルの重合に使用される触媒であれば特に限定されるものではない。例えば、塩化スズ等のハロゲン化スズ、2−エチルヘキサン酸スズ等の有機酸スズ、ジエチル亜鉛、乳酸亜鉛、乳酸鉄、ジメチルアルミニウム、カルシウムハイドライド、ブチルリチウムやt−ブトキシカリウム等の有機アルカリ金属化合物、金属ポルフィリン錯体またはジエチルアルミニウムメトキシド等の金属アルコキシド等を挙げることができる。また、ベント付き二軸混練押出機またはそれに類似する撹拌および送り機能を有する装置を用いて、生分解性ポリマー原料、PEGもしくはPEG誘導体および触媒を溶融状態で撹拌、混合、脱気しつつ、連続的に生成した水不溶性コポリマーを取り出すことにより重合を遂行することもできる。さらに、生成した水不溶性コポリマーを良溶媒に溶解し、これに貧溶媒を滴下し沈殿が生成した後、白濁物の温度を変化させて再度沈殿物を溶解させた後に再び元の温度にゆっくりと戻して沈殿を再生成させるという再沈操作により、分別精度を向上させることもできる。前記分別沈殿法に使用する良溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランやハロゲン系有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム)またはこれらの混合溶媒を例示することができる。前記分別沈殿法に使用する貧溶媒としては、アルコール系や炭化水素系の有機溶媒が好ましい。そして、生分解性ポリマーと水溶性ポリマーの種類、さらにはそれらの分子量を適宜選択することによって、多様な種類の水不溶性PEG系コポリマーを製造することができる。
本発明の生分解性粒子は、特定の期間後に生体内で分解し、分解成分が吸収または体外へ排出される材料であることが望まれるため、37℃のリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと省略)浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の80%以下である特性を有することが好ましい。ここで言う重量とは、乾燥状態における粒子の重量をいう。さらには該残存重量が70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。PBS浸漬28日後の重量測定方法については、例えば以下の方法で測定することができる。
(PBS浸漬28日後の重量測定方法)
粒子20mg(乾燥状態における重量)を精秤し、栄研器材(株)製の滅菌丸底10mlスピッツ管に入れ、純水にて10倍希釈したPBS(ナカライテスク(株)製10倍濃縮 pH7.4、Code.No.27575−31)を10ml注入する。これを37℃に設定した恒温槽“Laboster LC−110”(タバイエスペック(株)製)内で、100回転/分の“Tube Rotertor TR−350”((株)井内盛栄堂製)によって攪拌しながら、28日間インキュベーションする。インキュベーションされた溶液を7日おきに3000回転/分で遠心分離し、上澄み液を分離後、新しいPBSと交換する。
PBS浸漬28日後の粒子について、3000回転/分で遠心分離し、上澄み液を除去し、さらに10mlの純水で洗浄する。再び3000回転/分で遠心分離して純水を除去し、粒子重量が一定になるまで真空乾燥を行い、得られた粒子の重量を精秤する。なお、ここで粒子重量が一定とは、時間が経過しても重量変化が5%以内に収まる状態をいう。残存重量割合(W(%))は、PBS浸漬前の重量(W0(g))、28日浸漬後の重量(W1(g))から、W(%)=W1/W0×100により算出することができる。
本発明の生分解性粒子は、37℃のPBS浸漬28日後における重量平均分子量が、浸漬前の80%以下である特性を有することが好ましい。さらには該重量平均分子量が70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。37℃のPBS浸漬28日後の重量平均分子量が80%以下である特性を有することにより、体内において粒子素材の低分子化、溶出、圧潰がスムーズに行われるため、使用後、不要となった粒子の体内に占める体積が減少し、人体への影響が小さくなる。
分子量の測定方法は、例えば以下の方法で測定することができる。
(分子量測定方法)
精秤した10mgの粒子を2mlのクロロホルムに溶解させ、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記)用フィルター“マイクレスLG13”(MILLIPORE SLLGH13NL)でろ過する。そのろ液についてGPC用カラム(東ソーTSK−gel−GMHHR−M)2本、カラム温度35℃、移動相をクロロホルム1ml/min、サンプル打ち込み量100μlの条件下で測定を行い、示差屈折率計(東ソー製RI−8010)にて検出する。カラムのキャリブレーションは、測定直前に東ソー標準ポリスチレンを用いて行う。
なお、平均分子量は、データ解析用ワークステーション((株)島津製作所製“Class−Vp”)を用い、標準ポリスチレンの分子量とカラム溶出時間の関係から得られる検量線を用いて算出することができる。
PBS28日浸漬後のPBS浸漬前に対する重量平均分子量の割合(M)は、PBS浸漬前の重量平均分子量(M0)、28日浸漬後の重量平均分子量(M1)から、M=M1/M0×100により算出することができる。
本発明の生分解性粒子は、PBS浸漬28日後の残存重量が浸漬前の80%以下という要件、およびPBS浸漬28日後の重量平均分子量が浸漬前の80%以下という要件の双方を充足するものであるとさらに好ましい。生分解速度の調整方法としては特に限定されるものではないが、コポリマー中の生分解性ポリマーの分子量を調整すること、すなわち、例えばマルチアームPEG誘導体を用いて化学結合する生分解性ポリマー分子量を小さくすることにより、または、コポリマー中の生分解性ポリマーの結晶性を調整すること、すなわち、例えば生分解性ポリマーとしてPLGAを用いることにより、より好ましく粒子の生分解速度調整が可能である。また、生分解性粒子のコア部分を内部分散型複合化構造、または被覆型複合化構造にすることも好ましい。水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーに分解速度の違う別の水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを内部分散させ、またはこれらを複層構造にすること、例えば、PLA−PEG−PLA構造を有する水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーにPLGA−PEG−PLGA構造を有する水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを内部分散させることにより、生分解性粒子の生分解速度を調整可能である。
本発明の生分解性粒子の用途は特に限定されないが、特にカテーテルやニードルを使用する医薬医療用途において、更には体内に留置するデバイスとして好ましく用いられる。ここでいうデバイスとは、病気の治療や診断、予防に関連した何らかの機能を有する装置を意味する。装置の大きさ、形状、素材、構造などは特に限定されない。例えば、血管塞栓物質や、薬剤を徐放するドラッグデリバリーシステムなどが挙げられる。
本発明の生分解性粒子は、そのまま使用することができ、あるいは使用時に適当な造影剤あるいは分散媒に分散して使用することができる。造影剤としては、水溶性が好ましく、公知のものを用いることができ、イオン性、非イオン性のいずれであってもよい。具体的には、“イオパミロン”(シェーリング社製)、“ヘキサブリックス”(栄研化学)、“オムニパーク”(第一製薬製)、“ウログラフィン”(シェーリング社製)、“イオメロン”(エーザイ製)などを挙げることができる。この場合、粒子と造影剤を使用前に混合してから所定の部位へ注入することができる。粒子の含水性が高いと、造影剤の一部が水とともに粒子内部に含浸・保持されて、造影性を効率良く発現するため、より好ましい。分散媒としては、分散剤(例えばポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、カルボキシメチルセルロースなど)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ブドウ糖など)を注射用蒸留水に溶解したもの、あるいはゴマ油、コーン油などの植物油が挙げられる。分散された粒子をカテーテルにおいて用いる際、先端が体内の所望箇所近傍まで導かれたカテーテルを介して、適当な動脈から腫瘍支配動脈へ、X線透視により造影剤位置をモニタリングしつつ、投与する。
また、この生分解性粒子には通常の注射剤に用いられる防腐剤、安定化剤、等張化材、可溶化剤、分散剤、賦形剤などを添加してもよい。
本発明の生分解性粒子は、油性造影剤であるヨウ化ケシ油(リピオドール・ウルトラフルイド)などと併用してもよい。また、ヨウ化ケシ油と制癌剤(例えば、スマンクス、ネオカルチノスタチン、マイトマイシンC、アドレアマイシン、塩酸イリノテカン、フルオロウラシル、塩酸エピルビシン、シスプラチン、パクリタキセル、ロイコボリンカルシウム、ビンブラスチン、アルトレタミン、ブレオマイシン、塩酸ドキソルビシン、ピシバニール、クレスチン、レンチナン、シクロホスファミド、チオテパ、テガフール、硫酸ビンブラスチン、塩酸ピラルビシン)などを併用してもよい。
本発明の生分解性粒子は、薬効成分を含まなくても本発明における目的を達することができるが、さらなる効果付与の目的で、薬効成分を含有することも好ましい。薬効成分としては、薬効が知られるものであれば特に限定されるものではないが、前記した制癌剤、管新生阻害剤、ステロイド系ホルモン剤、肝臓疾患薬、痛風治療薬、糖尿病薬、循環器用薬、高脂血症薬、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、消化器官用薬、抗精神薬、化学療法剤、抗酸化剤、ペプチド系薬物、タンパク系薬物(例えば、インターフェロン)などが挙げられる。
本発明の生分解性粒子は、様々な用途に用いることができるが、生分解し体内に残留しないという高い安全性から、医薬や医療の分野で最も好ましく用いられる。医薬・医療用途の中でも、薬剤や細胞などを生体内に運ぶキャリアとして用いることが好ましい。また、腫瘍の栄養血管を閉塞して、腫瘍を兵糧攻めにする、いわゆる塞栓治療には最も好ましく用いられる。
以下実施例にて、粒子のカテーテル通過性について行った実験結果を示すことにより、本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるものではない。以下、実施例における測定方法を示す。
(平均粒子径、粒度分布)
リーズ・アンド・ノースラップ社製粒度分布測定装置“マイクロトラックシリーズ”を使用して25℃・生理食塩水中にて測定した。粒子径は“MV値”として表示される体積平均により算出される値を用いた。
(PBS浸漬28日後の重量測定方法)
粒子20mg(乾燥状態における重量)を精秤し、栄研器材(株)製の滅菌丸底10mlスピッツ管に入れ、純水にて10倍希釈したPBS(ナカライテスク(株)製10倍濃縮 pH7.4、Code.No.27575−31)を10ml注入した。これを37℃に設定した恒温槽“Laboster LC−110”(タバイエスペック(株)製)内で、100回転/分の“Tube Rotertor TR−350”((株)井内盛栄堂製)によって攪拌しながら、28日間インキュベーションした。インキュベーションされた溶液を7日おきに、3000回転/分で遠心分離し、上澄み液を分離後、新しいPBSと交換した。
PBS浸漬28日後の粒子について、3000回転/分で遠心分離した後、上澄み液を除去し、さらに10mlの純水で洗浄して、再び3000回転/分で遠心分離して純水を除去した後、粒子重量が一定になるまで真空乾燥を行い、得られた粒子の重量を精秤した。残存重量割合(W(%))は、PBS浸漬前の重量(W0(g))、28日浸漬後の重量(W1(g))から、W(%)=W1/W0×100により算出することができる。
(重量平均分子量の測定方法)
精秤した10mgの粒子を2mlのクロロホルムに溶解させ、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記)用フィルター“マイクレスLG13”(MILLIPORE SLLGH13NL)でろ過した。そのろ液についてGPC用カラム(東ソーTSK−gel−GMHHR−M)2本、カラム温度35℃、移動相をクロロホルム1ml/min、サンプル打ち込み量100μlの条件下で測定を行い、示差屈折率計(東ソー製RI−8010)にて測定した。カラムのキャリブレーションは、測定直前に東ソー標準ポリスチレンを用いて行った。
平均分子量は、データ解析用ワークステーション((株)島津製作所製“Class−Vp”)を用い、標準ポリスチレンの分子量とカラム溶出時間の関係から得られる検量線を用いて算出した。
PBS28日浸漬後のPBS浸漬前に対する重量平均分子量の割合(M)は、PBS浸漬前の重量平均分子量(M0)、28日浸漬後の重量平均分子量(M1)から、M(%)=M1/M0×100により算出した。
(カテーテル通過性)
各実施例、比較例において得られた粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入し、抵抗なく注入することができた場合には○、抵抗が生じ、注入不可であった場合には×とすることで評価を行った。カテーテルとしてはボストン・サイエンティフィック社製FasTracker−10 Infusion Catheter(カテーテル長150cm、先端部内径380μm)を使用した。
<実施例1>
窒素気流下においてフラスコにL−ラクチド(ピュラック・バイオ・ケム社製)6.6gと脱水済みのPEG(日本油脂工業製SUNBRIGHT DKH−20T)2.9gを混合し、150℃で溶解・混合させた後、ジオクタン酸スズ(和光純薬工業製)を0.1mol/Lの濃度になるように溶解したトルエン溶液460μLを添加して反応させ、PLA−PEG−PLA構造を有するコポリマーを得た。このコポリマーをクロロホルムに溶解し、大過剰のジエチルエーテル/アセトン混合液中へ滴下して、白色沈殿を得た。上述のGPC法による重量平均分子量は15,000であった。
上記精製コポリマー1.0gをジクロロメタン30mLに溶解し、1重量%ポリビニルアルコール(アルドリッチ社製、Cat.No.360627)水溶液中に滴下し、O/W液中乾燥を行うことにより、球状粒子分散液を得た。この分散液の上清をデカンテーションにより、10重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量600)水溶液に置換し、30分間撹拌した。次いで、ナイロン製ふるいによる湿式分級後、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面はジェル状であった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布を測定したところ、平均粒子径125μm、分布±60μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は69%、重量平均分子量の割合は31%であった。
また、ナイロン製ふるいによる湿式分級後、真空乾燥して得られた粒子を生理食塩水中にて浸漬し、粒子分散液を得た。ついで、ネンブタールで麻酔した2匹の10週令のラットの大腿静脈に24Gの留置針を挿入した後、カテーテルを通してこの球状粒子分散液を注入した。28日後、肺の外観観察、また、組織切片の作製および球状粒子分散液の注入を行った後に組織切片の観察を実施したところ、2匹とも肺梗塞が観察され、さらに粒子の分解が確認できた。
<実施例2>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、10重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量600)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面はジェル状であった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径220μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は68%、重量平均分子量の割合は31%であった。
<実施例3>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、1重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布を測定したところ、平均粒子径125μm、分布±60μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は68%、重量平均分子量の割合は31%であった。
<実施例4>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、1重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径220μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は67%、重量平均分子量の割合は31%であった。
<実施例5>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、3重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径220μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は67%、重量平均分子量の割合は31%であった。
<実施例6>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、3重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径310μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は72%、重量平均分子量の割合は33%であった。
<実施例7>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、20重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径450μm、分布±90μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は80%、重量平均分子量の割合は35%であった。
<実施例8>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、5重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量4,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径220μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は69%、重量平均分子量の割合は32%であった。
<実施例9>
窒素気流下においてフラスコにL−ラクチド(ピュラック・バイオ・ケム社製)5.0g、グリコリド(ベーリンガー・インゲルハイム社製)1.7gと脱水済みのPEG(日本油脂工業製SUNBRIGHT DKH−20T)2.9gを混合し、150℃で溶解・混合させた後、ジオクタン酸スズ(和光純薬工業製)を0.1mol/Lの濃度になるように溶解したトルエン溶液490μLを添加し反応させ、PLGA−PEG−PLGA構造を有するコポリマーを得た。このコポリマーをクロロホルムに溶解し、大過剰のジエチルエーテル/アセトン混合液中へ滴下して、白色沈殿を得た。GPC法による重量平均分子量は22,000であった。
実施例1同様、上記精製コポリマー0.5mgをジクロロメタン19mLに溶解し、1重量%ポリビニルアルコール水溶液中に滴下し、O/W液中乾燥を行うことにより、球状粒子分散液を得た。この分散液についてナイロン製ふるいにより湿式分級した後、5重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、形状の揃った凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径110μm、分布±105μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は30%、重量平均分子量の割合は62%であった。
また、この粒子について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、真空乾燥を行い、得られた粒子を生理食塩水中に浸漬し、粒子分散液を得た。ついで、ネンブタールで麻酔した2匹の10週令のラットの大腿静脈に24Gの留置針を挿入した後、カテーテルを通してこの球状粒子分散液を注入した。28日後、肺の外観観察、また、組織切片の作製および球状粒子分散液の注入を行った後に組織切片の観察を実施したところ、2匹とも肺梗塞が観察され、さらに粒子の分解が確認できた。
<実施例10>
実施例9においてO/W液中乾燥により得られたPLGA−PEG−PLGA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、5重量%のPEG(和光純薬工業製 平均分子量1,000)水溶液約200mLでリンスし、真空乾燥を行い、形状の揃った凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。粒子表面は乾燥しており滑らかであった。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径310μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したところ、抵抗なく注入することができた。その後、カテーテルを長手方向に切開し、内部を目視観察したところ、球状粒子は観察されなかった。
また、この粒子のPBS浸漬28日後の分解性を評価したところ、浸漬前に比較して、残存重量の割合は32%、重量平均分子量の割合は64%であった。
以上から、粒子表面をPEGで被覆した粒子は、粒子間で凝集あるいは固結することなく成形が可能であり、マイクロカテーテル通過時に抵抗、詰まりを生じることなく通過可能であることが判明した。
<比較例1>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径220μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したが、注入開始後、カテーテル入口のコネクター部分で球状粒子が凝集し、強い抵抗が生じるとともに注入不可となった。
<比較例2>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、この分散液にPEG(和光純薬工業製 平均分子量1000)10mgを溶解/撹拌し、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径220μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したが、注入開始後、カテーテル入口のコネクター部分で球状粒子が凝集し、強い抵抗が生じるとともに注入不可となった
<比較例3>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径310μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したが、注入開始後、カテーテル入口のコネクター部分で球状粒子が凝集し、強い抵抗が生じるとともに注入不可となった。
<比較例4>
実施例1においてO/W液中乾燥により得られたPLA−PEG−PLA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、真空乾燥を行い、凝集あるいは固結のない乾燥球状粒子を得た。
この粒子40mgをPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径450μm、分布±90μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したが、注入開始後、カテーテル入口のコネクター部分で球状粒子が凝集し、強い抵抗が生じるとともに注入不可となった。
<比較例5>
実施例9においてO/W液中乾燥により得られたPLGA−PEG−PLGA構造を有する球状粒子の分散液について、ナイロン製ふるいにより湿式分級した後、真空乾燥を行ったところ、粒子同士が凝集あるいは固結したものが混在した乾燥粒子を得た。
この乾燥粒子から粒子同士が凝集、固結していない粒径約300μmの粒子40mgを選別してPBS1mLに分散させ、粒度分布測定を行ったところ、平均粒子径310μm、分布±50μmであった。粒子の90%以上がこの範囲に含まれた。この粒子分散液をシリンジからカテーテルに注入してその通過性を評価したが、注入開始後、カテーテル入口のコネクター部分で球状粒子が凝集し、強い抵抗が生じるとともに注入不可となった。
Figure 2007145826
Figure 2007145826
本発明の適用分野として、塞栓材料、特に生体内において管状の器官を塞ぎ、血流などの体液の閉塞に使用する塞栓形成材料や、薬剤の運搬・徐放に使われるキャリア、褥創などの創傷部分の乾燥を保持するための保湿材、組織を再生するために細胞を運搬・培養するための足場・キャリアなどの分野が挙げられる。上記の分野に使われる粒子は微小口径の管を通して搬送、投与、注入され、凝集または高粘度化することなく体内の目的部位に容易に到達し機能を発揮する。

Claims (16)

  1. 粒径が5μm以上の粒子であって、ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体が被覆されていることを特徴とする生分解性粒子。
  2. 該ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体の重量平均分子量が1,000以上、40,000以下であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性粒子。
  3. 該粒子のコア部分が水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性粒子。
  4. 該水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーが、ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体と生分解性ポリマーとが化学的に結合したコポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性粒子。
  5. 該生分解性ポリマーがα−ヒドロキシ酸単位を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性粒子。
  6. 該水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーの重量平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の生分解性粒子。
  7. 該ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性粒子。
  8. 37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における残存重量が、浸漬前の重量の80%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性粒子。
  9. 37℃のリン酸緩衝生理食塩水浸漬28日後における重量平均分子量が、浸漬前の重量平均分子量の80%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の生分解性粒子。
  10. 医薬医療用として使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生分解性粒子。
  11. 体内留置デバイスとして使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生分解性粒子。
  12. 塞栓治療用として使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生分解性粒子。
  13. 水不溶性ポリアルキレングリコール系コポリマーを含有する、粒径5μm以上の生分解性粒子を、ポリアルキレングリコール水溶液に接触させた後、乾燥して粒子を得ることを特徴とする生分解性粒子の製造方法。
  14. 該ポリアルキレングリコール水溶液中のポリアルキレングリコールの濃度が1重量%以上、50重量%以下であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  15. 篩い上の生分解性粒子にポリアルキレングリコール水溶液を投入することで生分解性粒子をポリアルキレングリコール水溶液に接触させることを特徴とする請求項13または14に記載の製造方法。
  16. 該ポリアルキレングリコール水溶液がポリエチレングリコールの水溶液であることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の製造方法。
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