JP2007145632A - 紡錘形炭素粒子及びその製造方法、並びに、その集合体及び分散体 - Google Patents

紡錘形炭素粒子及びその製造方法、並びに、その集合体及び分散体 Download PDF

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Abstract

【課題】空間部の数や大きさを制御することにより、軽量化を行なって重量当たりの強度を制御することができる紡錘形炭素粒子を提供する。
【解決手段】短径が5nm以上5μm以下の炭素含む紡錘形前駆体を作製する工程と、前記紡錘形前駆体を、前記紡錘形前駆体の形状を維持する原形型で被覆する工程と、前記原形型で被覆した前記紡錘形前駆体を炭素化する工程により、紡錘形炭素粒子に、炭素壁で包囲された空間部を複数形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、紡錘形状の炭素粒子及びその製造方法、並びに、その集合体及び分散体に関する。
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube;CNT)は、炭素により構成される繊維状の構造体であり、非特許文献1に記載されているように、その内部に空間部を有している。通常、この空間部は、一つのカーボンナノチューブの内部に複数形成される。また、空間部の形状は断面略矩形に形成されることが多い。即ち、このカーボンナノチューブの長手方向に平行な面で切った断面においては、空間部の形状は略矩形となることが多い。
また、非特許文献2には、所謂パーフェクトカーボンナノチューブが記載されている。このパーフェクトカーボンナノチューブは、その内部に空間部を1つだけ有する形状となっている。
Carbon Nanotubes and Realted Structures , Peter.J.F.Harris , CAMBRIDGE ,P.85 Fig.3.20 J.Nanosci.Nanotech.2002, Vol.2. No.1 p33−35
しかしながら、従来の技術では、非特許文献1,2のようなカーボンナノチューブを製造する場合には、内部の空間部の形状及び大きさ、並びに、それらの空間部間を隔てる壁部の厚みをコントロールすることはできなかった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、空間部の数や大きさを制御することにより、軽量化を行なって重量当たりの強度を制御することができる紡錘形炭素粒子及びその製造方法、並びに、その集合体及び分散体を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、紡錘形炭素粒子の原料の種類及び組成、並びに製造時の酸化反応の条件をコントロールすることにより、紡錘形炭素粒子内の空間部の数及び体積をコントロールできることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、炭素壁で包囲された空間部を複数有することを特徴とする、紡錘形炭素粒子に存する(請求項1)。
このとき、該紡錘形炭素粒子のアスペクト比は3以上であることが好ましい(請求項2)。
また、該炭素壁は結晶であることが好ましい(請求項3)。
本発明の別の要旨は、該紡錘形炭素粒子が集合してなることを特徴とする、紡錘形炭素粒子の集合体に存する(請求項4)。
このとき、下記分散液調製方法によって調製した、分散媒に該集合体を分散させた分散液について、調製後25℃で24時間静置して測定した下記式(1)で表わされる粒度分布指標が0.1〜20であることが好ましい(請求項5)。
<分散液調製方法>
内径13mm、容量5mLのガラス容器に前記分散媒3mLと試料1mgを採り、上記ガラス容器に蓋を被せ、超音波振盪器を使用し、高周波出力120W,発振周波数38kHzの条件下に25℃で1分間振とうさせて、上記試料を分散させる。
本発明の更に別の要旨は、分散媒中に、該紡錘形炭素粒子の集合体を分散してなることを特徴とする、紡錘形炭素粒子の分散体に存する(請求項6)。
本発明の更に別の要旨は、短径が5nm以上5μm以下の炭素を含む紡錘形前駆体を作製する工程と、前記紡錘形前駆体を、前記紡錘形前駆体の形状を維持する原形型で被覆する工程と、前記原形型で被覆した前記紡錘形前駆体を炭素化する工程とを有することを特徴とする、紡錘形炭素粒子の製造方法に存する(請求項7)。
本発明によれば、紡錘形炭素粒子の空間部の数や大きさを制御することが可能となる。これにより、紡錘形炭素粒子の軽量化を行なって重量当たりの強度を制御することができる。また、その紡錘形炭素粒子を用いて、集合体及び分散体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
[I.紡錘形炭素粒子]
図1は、本発明の紡錘形炭素粒子の一例について、その断面を模式的に示す断面図である。なお、図1においては、紡錘形炭素粒子をその長手方向に平行な面で切った断面を示している。また、以下適宜、本発明の紡錘形炭素粒子の長手方向を単に「長手方向」という。
図1に示すように、本発明の紡錘形炭素粒子1は、炭素壁2で包囲された空間部3を複数有する紡錘形の炭素粒子である。即ち、炭素壁2によって構成された紡錘形炭素粒子1の内部に空間部3が複数形成され、各空間部3は、炭素壁2のうち、空間部3同士の間に存在する部分の炭素壁(以下適宜、「内部炭素壁」という。)2aによって仕切られた構造となっている。
[I−1.紡錘形炭素粒子の全体としての形状及び寸法]
[形状]
本発明の紡錘形炭素粒子は、紡錘形の形状を有している。ここでいう紡錘形とは、円柱状で中央部が太く、両端が次第に細くなっている形状のことを指す。
また、通常、本発明の紡錘形炭素粒子は、その両端部が丸みを帯びた形状となっている。ところで、製造時、保存時、使用時などにおいて本発明の紡錘形炭素粒子が折れたり破損したりした場合には、本発明の紡錘形炭素粒子の両端部の形状は丸みのない鋭利な形状となることがある。本発明の紡錘形炭素粒子に意図した通りの効果を発揮させるには、本発明の紡錘形炭素粒子は折れたり破損したりしていない状態で使用することが好ましいため、本発明の紡錘形炭素粒子の両端部は、丸みを帯びた形状となっていることが好ましい。
[寸法]
本発明の紡錘形炭素粒子は、カーボンナノチューブの一種であり、微小な寸法を有する炭素粒子である。具体的には、本発明の紡錘形炭素粒子は、その短径(図1のT参照)に制限は無く任意であるが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、また、通常5μm以下、好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下である。この範囲を下回っても、上回っても空間部を制御することが困難になる虞がある。なお、本発明の紡錘形炭素粒子の短径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により太さ(短径)にあわせた種々の倍率(例えば2万倍以上)で測定することができる。
一方、本発明の紡錘形炭素粒子の長径(図1のL参照)にも制限はなく任意であるが、通常40nm以上、好ましくは100nm以上、より好ましくは300nm以上、また、通常1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは250μm以下である。この範囲を下回っても、上回っても空間部を制御することが困難になる虞がある。なお、本発明の紡錘形炭素粒子の長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡により長さ(長径)にあわせた種々の倍率(例えば1万倍以上)で測定することができる。
さらに、本発明の紡錘形炭素粒子は、上記の通り折れたり破損したりしていない状態で使用することが好ましい。したがって、本発明の紡錘形炭素粒子は、両端が丸みを帯びた形状となっている状態において、上記範囲の長径を有していることが好ましい。
[アスペクト比]
さらに、本発明の紡錘形炭素粒子のアスペクト比に制限はなく任意であるが、通常3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、また、通常100000以下、好ましくは50000以下、より好ましくは10000以下である。この範囲を下回ると例えば導電性などの紡錘形炭素粒子としての性質を示しにくくなる虞があり、上回ると紡錘形炭素粒子同士が絡まって解けなくなる虞がある。なお、本発明の紡錘形炭素粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡により紡錘形炭素粒子にあわせた種々の倍率(例えば、1万倍以上)にて測定することができる。
[I−2.炭素壁]
本発明の紡錘形炭素粒子は、上記の通り、炭素壁(図1の炭素壁2参照)を備えている。炭素壁は、本発明の紡錘形炭素粒子の外殻を構成するものであり、また、空間部(図1の空間部3参照)を包囲して空間部を形成するものでもある。
本発明の紡錘形炭素粒子において、炭素壁の厚さは任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、また、通常1.5μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは500nm以下である。この範囲を下回ると炭素壁がもろくなり紡錘形炭素粒子の強度が低下する虞があり、上回ると実質的に空間部とは言えなくなり、例えば、空間部が軽量化には寄与しなくなるなど、中空構造ではなく中実構造の紡錘形炭素粒子としての性質が顕著に現れてくる虞がある。なお、これらの炭素壁の厚さは、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
また、通常、本発明の紡錘形炭素粒子においては、空間部同士の間に存在する内部炭素壁(図1の内部炭素壁2a参照)の厚さが従来のカーボンナノチューブよりも厚くなっている。具体的には、本発明の紡錘形炭素粒子においては、内部炭素壁の厚さが、通常1nm以上、好ましくは2nm以上、より好ましくは5nm以上である。これよりも薄いと紡錘形炭素粒子の強度を保つことが難しい。上限については特に制限はなく任意であるが、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下である。この範囲を上回ると実質的に空間部とは言えなくなり、例えば、空間部が軽量化には寄与しなくなるなど、中空構造ではなく中実構造の紡錘形炭素粒子としての性質が顕著に現れてくる虞がある。なお、これらの内部炭素壁の厚さも、炭素壁の厚さと同様にして測定することができる。
ところで、内部炭素壁は、上記の通り空間部同士の間に存在するものであるが、通常は、本発明の紡錘形炭素粒子の長手方向に対して略垂直に存在する。これは、上記複数の空間部が、通常は本発明の紡錘形炭素粒子の長手方向に沿って形成されるためである。即ち、空間部が本発明の紡錘形炭素粒子の長手方向に沿って形成されるため、その空間部同士の間に存在する内部炭素壁は長手方向に対して略垂直に存在することになる。
さらに、炭素壁の結晶状態は任意である。したがって、炭素壁は、結晶性を有する結晶であってもよく、結晶性を有さない非結晶であってもよい。ただし、通常は炭素壁は結晶であることが好ましい。導電性が向上するためである。なお、ここでいう結晶性は、必ずしも、いわゆる黒鉛状に制御されたものである必要はない。例えば、小山ら(「工業材料」第30巻、第7号、p109〜115)に示されるような乱層黒鉛の結晶性であってもよい。
また、炭素壁が結晶性を有している場合、炭素壁のX線回折の反射ピークから求める結晶学的特性は、次のように示される。
即ち、出力源がCuKαであるX線の回折角度2θが、通常25°以上、好ましくは25.5°以上にピークを示す。
また、出力源がCuKαであるX線の半値幅が、通常7.0°以下、好ましくは6.5以下、より好ましくは5.0°以下である。
そして、(002)ピークの回折角からBraggの式で算出される炭素網目平均面間距離d(002)が、通常3.6°以下、好ましくは3.49°以下となる。
結晶構造の結晶学的特性が上記のようになることにより、導電性が向上するという利点を得ることができる。
さらに、炭素壁が結晶性を有することにより、本発明の紡錘形炭素粒子が結晶構造を有することになる場合には、その結晶方向は3種類ある。
一つは、結晶が長手方向に対して垂直に積層した結晶構造である。本発明の紡錘形炭素粒子がこの結晶構造を有する場合、結果として、本発明の紡錘形炭素粒子の外周の少なくとも一部が、炭素結晶端が露出した構造、又は、炭素網面のループ状構造を有するようになる。
図2は、本発明の紡錘形炭素粒子の外周における、炭素結晶端が露出した構造、及び、炭素網面のループ状構造の一例を説明するための図である。具体的に、図2は紡錘形炭素粒子の外周表面の部分断面を拡大して模式的に示している。また、図2中、左側が紡錘形炭素粒子内側、右側が紡錘形炭素粒子外側に当たる。さらに、図2においては、炭素結晶の方向を曲線によって模式的に示している。
図2中符号aで表わされる、炭素網面の紡錘形炭素粒子の表面側末端が閉じていない構造が、紡錘形炭素粒子の表面に炭素結晶端が露出した構造(以下、適宜「結晶端露出構造」と略す。)に相当する。また、図中符号bで表わされる、炭素網面の紡錘形炭素粒子の表面側の末端同士が結合している構造が、紡錘形炭素粒子の表面における炭素網面のループ状構造(以下、適宜「ループ状構造」と略す。)に相当する。なお、ループ状構造は通常、炭素網面20層まで形成される。さらに、紡錘形炭素粒子の表面形状(結晶端露出構造、ループ状構造)は、80万倍のTEM写真によって確認できる。
本発明の紡錘形炭素粒子において、これらの結晶端露出構造及びループ状構造は、通常は、紡錘形炭素粒子の外周の少なくとも一部に存在する。なお、炭素繊維業界では、一般に、結晶端露出構造を加熱すると、結晶端に付着している原子などがとれてループ状になるといわれている。
もう一つの結晶構造は、炭素網面が長軸方向に対して略水平に積層しているものである。
さらにもう一つの結晶構造は、図3に模式的に示すように、炭素網面が炭素壁で包囲された空間部に沿うように積層しているものである。ここで、炭素網面は必ずしも長距離(例えば100nm以上)にわたって連続である必要は無く、小さい炭素網面が中空部外周に沿うように略配向して並んでいる場合もある。なお、図3は、本発明の紡錘形炭素粒子の結晶構造の一例を説明する模式的な図であり、図1,2と同様の符号を示す部位は、図1,2と同様のものを表わす。また、図3においては結晶構造を破線で示してある。
なお、炭素壁が結晶である場合には、その結晶の積層方向は、10〜80万倍のTEMの観察像におけるコントラストで確認できる。
[I−3.空間部]
空間部(図1の空間部3参照)は、炭素壁(図1の炭素壁2参照)で包囲された中空部分であり、本発明の紡錘形炭素粒子内に複数存在する。空間部の具体的な数は2以上であれば任意であるが、通常は3箇所以上存在する。なお、空間部が存在することは、TEM(透過型電子顕微鏡)により観察される像のコントラストによって判別することができる。
「炭素壁で包囲されている」とは、狭義には外部から空間部に通じる一定以上の径の空孔が炭素壁に形成されていないことを指す。具体的には、TEM写真によって観察した場合に、その孔径が通常10nm以上、好ましくは数nm以上、更に好ましくは1nm以上の空孔が存在しなければ良い。
また、「炭素壁で包囲されている」とは、広義には、外部と導通していない完全な形態の内部空間部(中空部)を有する場合のみならず、炭素壁の一部が欠落し、形態に関して紡錘形炭素粒子の内部の空間部が紡錘形炭素粒子の外部と導通している場合を含む概念である。したがって、本明細書において「中空部」は「空間部」の下位概念である。
なお、図4に示すように、紡錘形炭素粒子1には、空間部以外に、その外部に開口した凹み4が形成されることも考えられる。この凹み4と空間部(図1の空間部3参照)とは、凹み4(又は空間部3)と紡錘形炭素粒子1の外部とを導通する穴(開口)5の大きさにより区別する。詳しくは、空間部と紡錘形炭素粒子1の外部とを導通する穴の大きさは、凹み4と紡錘形炭素粒子1の外部とを導通する穴5の大きさよりも小さくなるため、この穴の大小により区別する。具体的には、凹み4と紡錘形炭素粒子1の外部とを導通している穴5の長径L2が、凹み4の長径L1の、通常2/3以上、好ましくは1/2以上、より好ましくは1/3以上であれば、当該凹み4は本発明にかかる空間部に該当せず、上記条件から外れれば本発明にかかる空間部に該当するものとして取り扱う。なお、図4は、本発明の紡錘形炭素粒子の一例について、凹みを説明するために凹み近傍を拡大して模式的に示す断面図であり、図1〜3と同様の符号で示す部位は、図1〜3と同様のものを表わす。
さらに、空間部内が中空か否かは、TEMの観察像におけるコントラストで確認できる。なお、空間部に水が存在する場合などのように、空間部に何らかの物質が存在する場合であっても、TEMの観察像において空間部内が中空である場合と同様のコントラストを示すのであれば、空間部内が中空である場合に含まれることとする。
また、本発明の紡錘形炭素粒子の空間部の形状に制限は無く、後述する製造方法における諸条件を適宜設定することにより、様々に変更することが可能である。ただし、空間部は、製造方法の説明において後述するようにガスの作用により形成されると推察されるため、通常は空間部全体にわたって曲率が正となる。即ち、空間部を包囲する炭素壁の壁面形状が、外側に向けて凸になる。このように空間部の曲率が正となると、紡錘形炭素粒子の強度が向上するという利点を得ることができる。
さらに、本発明の紡錘形炭素粒子の空間部は、全体にわたって曲率が正となるために、従来の多くのカーボンナノチューブの空間部のような断面矩形の形状とはなり難く、円形、楕円形、多角形のような矩形以外の形状となることが多い。このため、本発明の紡錘形炭素粒子の空間部は、通常は下記の式(2)を満たすことになる。
A/B ≦ 0.90 ・・・(2)
上記式(2)において、Aは「紡錘形炭素粒子の長手方向における空間部の断面の面積」を表わし、Bは「紡錘形炭素粒子の長手方向における空間部の上記断面の長さと幅との積」を表わす。
上記式(2)の値A/Bの具体的な求め方を、図5を用いて説明する。なお、図5は、空間部を後述するようにトレースした像の一例を模式的に示す図である。
まず、サンプルである紡錘形炭素粒子のTEM写真の空間部をトレースし、画素数が所定の値となるように解像度(例えば、空間部の面積の画素数の最小値が800以上となるように)を調節し、スキャナで取り込む。そして、取り込んだ画像の空間部をトレースし、空間部の面積、長さ及び幅を画素単位で計算する。この際、空間部の「長さ」とは空間部をトレースした像(図5の3’)の長軸方向の投影長(図5のl1)を表わし、空間部の「幅」とは空間部をトレースした像の短軸方向の投影長(図5のl2)を表わす。空間部の面積は上記式(2)のAに相当し、上記空間部の長さと幅との積が上記式(2)のBに相当する。したがって、Aは空間部の断面の実面積を表わし、Bは空間部の断面の外接四角形の面積を表し、A/Bは、上記外接四角形に対する実面積の割合を表わす。なお、測定対象となる空間部と紡錘形炭素粒子の外部と連通する穴が形成されている場合には、当該穴は形成されていないとみなして上記の方法によりA/Bの値を測定し、上記の式(2)に該当するか否かを判定すればよい。
また、上記式(2)におけるA/Bの値は、本発明の紡錘形炭素粒子においては、通常0.90以下、好ましくは0.88以下である。上記A/Bの値の下限に特に制限は無いが、現実的には0.5以上である。A/Bの値が上記の範囲内に収まることにより、紡錘形炭素粒子の強度を高めることができるという利点が得られる。即ち、空間部の形状が四角形に近いと応力が四角形の頂点に集中し、当該頂点の炭素壁が割れる可能性がある。しかし、式(2)を満たす形状(円形、楕円形、多角形など)となることにより、上記の応力の集中が抑制され、紡錘形炭素粒子の強度を高めることができる。なお、アーク放電法等の従来の作製方法で作製したカーボンナノチューブにおいては、上記のA/Bの値は通常0.9よりも大きくなる。
さらに、空間部の大きさに特に制限は無いが、空間部の径は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、また、通常2.5μm以下、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1μm以下である。この範囲を下回ると空間部が実質的に中空とならない虞があり、上回ると炭素壁が薄くなり強度が不足する虞がある。なお、空間部の径は、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
また、用途に応じて、空間部には任意の物質を存在させるようにしてもよい。その例を挙げると、薬物、コロイド粒子(金、銀、酸化鉄等)、液体(有機溶媒等)などが挙げられる。
[I−4.その他]
本発明の紡錘形炭素粒子は、炭素壁により構成されているため、その主要成分として炭素を含有している。しかし、前駆体の材料(構成物質)の種類や組成を選択することにより、炭素以外に酸素、窒素、水素などの炭素以外の非炭素成分を有する場合もある。これらの非炭素成分は、通常は紡錘形炭素粒子の表面に官能基として存在し、例えば、極性溶媒と本発明の紡錘形炭素粒子との親和性を高めるなど、本発明の紡錘形炭素粒子の表面特性の制御に有効に作用する。
紡錘形炭素粒子中に占める非炭素成分の量に制限は無い。ただし、紡錘形炭素粒子の表面に官能基として存在させることにより何らかの機能を発揮させる観点からは、窒素の含有量は、通常1.0重量%以上、好ましくは2.0重量%以上、通常12重量%以下、好ましくは10重量%以下である。また、同様の観点から、酸素の含有量は、通常1.0重量%以上、好ましくは3.0重量%以上、通常15重量%以下、好ましくは9重量%以下である。
なお、紡錘形炭素粒子に含まれる窒素及び酸素の量は、通常、元素分析によって定量が可能である。また、紡錘形炭素粒子の表面に存在する官能基は、赤外吸収スペクトルまたはXPS(X線光電子分光分析)などの方法で調べることが可能である。
上記の非炭素成分は、前駆体の材料に由来して本発明の紡錘形炭素粒子に含有されるものであるため、前駆体の材料の種類や組成を調整することにより制御可能である。また、これら非炭素成分が本発明の紡錘形炭素粒子の表面特性の制御に用いることができることを利用すれば、例えば本発明の紡錘形炭素粒子の製造時の原形型(後述する)の表面特性または製造後の後処理などを行なうことにより、紡錘形炭素粒子の表面特性を制御することが可能である。例えば、原形型としてSiO2を使用して後述する製造方法により本発明の紡錘形炭素粒子を製造した場合には、表面に水酸基やカルボニル基等が存在する紡錘形炭素粒子が得られ、紡錘形炭素粒子の分散性が向上すると期待される。
[II.本発明の紡錘形炭素粒子の製造方法]
次に、本発明の紡錘形炭素粒子の製造方法(以下適宜、「本発明の製造方法」という)について説明する。
図6は、本発明の製造方法の概要を示すフローチャートである。本発明の製造方法は、図6に示すように、前駆体粒子準備工程S10、前駆体粒子延伸工程S20、原形型被覆工程S30、炭素化工程S50、及び、原形型除去工程S60を行なう。また、適宜、酸化工程S40を行なう。
[II−1.前駆体粒子準備工程]
本発明の製造方法では、まず、図6に示すように、前駆体粒子準備工程S10を行ない、前駆体粒子を準備する。前駆体粒子は、本発明の紡錘形炭素粒子の前駆体であり、炭素を含有し、且つ、後述する前駆体粒子延伸工程S20で延伸することが可能であれば任意のものを用いることができる。
前駆体粒子の材料としては、炭素を含む材料(含炭素材料)を用いる。その例を挙げると、ピッチやポリマーなどが挙げられるが、種類や組成を広く設定し、多様な紡錘形炭素粒子を得ることが可能な点から、ポリマーを用いることが好ましい。
前駆体粒子の材料として使用できるポリマーとしては、例えば、以下のモノマーから合成されるものが挙げられる。即ち、例えば、ラジカル重合において用いられるモノマーとして、スチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等の重合性不飽和芳香族類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸等の重合性不飽和カルボン酸;スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム等の重合性不飽和スルホン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、N−(メタ)アクリロイロキシスクシンイミド、エチレングリコール−ジ−(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、2−(メタ)アクリル酸グリコシロキシエチル、2−メタクリロイロキシエチルホスホリルコリン等の重合性カルボン酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、3−アクリルアミドフェニルボロン酸、N−アクリロイル−N’−ビオチニル−3,6−ジオキサオクタン−1,9−ジアミン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルファリン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の不飽和カルボン酸アミド類;重合性不飽和ニトリル類;ハロゲン化ビニル類;共役ジエン類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のマクロモノマー類、などが挙げられる。
また、付加重合で用いられるようなモノマーも使用できる。この付加重合に用いられるモノマーの具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、テトラメチルキシレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ジシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の脂肪族又は芳香族イソシアナート類、ケテン類、エポキシ基含有化合物類、ビニル基含有化合物類などが挙げられる。
また、親水性モノマーを用いることもできる。親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、マレイン酸、スルホン酸、スルホン酸ソーダ、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−(メタ)アクリロイルモルファリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−アセトアミド、ポリエチレングリコールモノ−(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
なお、上記のモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、上述したモノマーの他、ポリマーには、架橋剤となりうる多官能性化合物を共存させても良い。多官能性化合物としては、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールマレイミド、N−エチロールマレイミド、N−メチロールマレインアミド酸、N−メチロールマレインアミド酸エステル、ビニル芳香族酸のN−アルキロールアミド(例えばN−メチロール−p−ビニルベンズアミド等)、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。
なお、上記の多官能性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ところで、モノマーをラジカル重合させて合成高分子化合物を合成する場合、通常はラジカル重合開始剤を混合することにより重合を開始させるが、その際に用いるラジカル重合開始剤は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。使用できるラジカル系重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブタンニトリル)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリド等のアゾ(アゾビスニトリル)タイプの開始剤、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過硫酸塩(例えば過硫酸アンモニウム)、過酸エステル(例えばt−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバレート及びt−ブチルペルオクテート)等の過酸化物タイプの開始剤などが挙げられる。
さらにレドックス系開始剤を混合することにより重合を開始させてもよい。レドックス系開始剤も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができ、その例としては、アスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキシ二硫酸ナトリウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナトリウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/Naヒドロキシメタンスルフィン酸が挙げられる。なお、個々の成分、例えば還元成分は、混合物、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムとの混合物であってもよい。
また、上記の開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、前駆体粒子の材料としてポリマーを用いる場合、このポリマーとしては、開環重合等で合成されるポリマーを使用してもよい。その具体例としては、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、前駆体粒子の材料となるポリマーとして、加水分解等により合成されるポリマーを使用しても良い。その具体例としては、ポリ酢酸ビニルを加水分解等することにより合成されるポリビニルアルコールなどが挙げられる。
上述した前駆体粒子の材料の中でも、加熱した場合に液相炭化過程を経て炭素化することができる材料(以下適宜、「液相炭化材料」という)、又は、加熱した場合に熱分解しうる材料(以下適宜、「易熱分解材料」という)を用いることが好ましい。
液相炭化とは、固体がガラス転移温度Tgにおける流動状態よりも高い流動状態を経て、熱化学反応が液相中で進行し、分子の移動や配向が比較的起こりやすい炭素化過程をいう。したがって、液相炭化過程を経て炭素化することができる材料(即ち、液相炭化材料)とは、後述する炭素化工程S50において、所定の炭素化条件下の加熱過程を経た場合に塑性変形が可能な材料を指す。ただし、この液相炭化は、一般的な不活性ガス下での炭素化条件での加熱過程での炭素化とは必ずしも一致するものではない。
液相炭化材料の例としては、ピッチ、ポリアクリロニトリル又はその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン又はその共重合体、レーヨンなどが挙げられる。
また、易熱分解材料とは、通常、不活性な雰囲気下で、常圧で、500℃以上に加熱した際に分解する材料のことをいう。易熱分解材料に該当するポリマー(易熱分解ポリマー)の具体例を挙げると、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン等、及びこれらの共重合体などが挙げられる。これらのうち、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。これらの熱分解性材料は、通常、カーボンナノチューブの製造原料として使用されていないが、本発明の製造方法では、原形型で被覆して炭素化するため、予想に反して、紡錘形炭素粒子にできるものと考えられる。
さらに、上記の液相炭化材料及び易熱分解材料は、一方のみを用いるようにしてもよいが、併用することが好ましい。併用することにより、液相炭化材料及び易熱分解材料の種類のみではなく、液相炭化材料と易熱分解材料との使用比率を調整することによっても、本発明の紡錘形炭素粒子の空間部の数や大きさを制御することが可能となるからである。
前駆体粒子が、液相炭化材料及び易熱分解材料の両方を含んでいる場合、易熱分解材料は、紡錘形前駆体を炭素化させる加熱過程(炭素化工程S50)での液相炭化材料の塑性変形を容易にし、更に、高温域では熱分解してガスとなり、その圧力によって紡錘形前駆体を内部から拡張し、空間部の形成を促進する機能を有すると推定される。また、ガス圧によって拡張された紡錘形前駆体は、紡錘形前駆体の外表面に塗布された後述の原形型の内壁に押しつけられ、その場で炭素化が進行するものと推察される。また、この際、同時に結晶化も進行することがあると推察される。
また、液相炭化材料及び易熱分解材料としてポリマーを用いて、液相炭化材料及び易熱分解材料を併用する場合には、両材料を単に混合する他、両者それぞれの構成モノマーを任意の組成比で共重合する方法や、組成を偏在させるためにシード重合法を用いたりするようにしてもよい。
さらに、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した材料以外の物質を前駆体粒子に含有させてもよい。したがって、本発明の紡錘形炭素粒子を得ることができる限り、前駆体粒子には無機物質を含有させても構わない。
ただし、前駆体粒子の材料の種類及び組成により、本発明の紡錘形炭素粒子の内部壁の厚さ、空間部の数や大きさ、紡錘形炭素粒子の表面特性などが制御されるため、前駆体粒子の材料の種類及び組成は目的とする紡錘形炭素粒子の用途等に応じて設定することが望ましい。
例えば、炭素壁で包囲された空間部の数や体積を増加させるためには、前駆体粒子の材料として、炭化収率が低くなる材料を用いるようにすることが望ましい。炭化収率が低くなる前駆体粒子の材料の種類としては、アクリル樹脂、ポリスチレンなどが挙げられる。
また、前駆体粒子の粒径は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下である。この範囲の下限を下回ると前駆体粒子が凝集する虞があり、上限を上回ると前駆体粒子の粒径が揃わない虞がある。なお、前駆体粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。
さらに、前駆体粒子は粒径が揃っていること、即ち、粒径が均一であることが好ましい。前駆体粒子の粒径が揃っていると、作製された紡錘形前駆体の粒径が揃い、均一な紡錘形炭素粒子を得ることができる。具体的には、前駆体粒子の総数に対する、前駆体粒子の最頻粒径の前後30%の範囲内に収まる粒径を有する前駆体粒子の数の割合が、通常30%以上、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上であることが望ましい。また、上限に制限は無いが、現実的には90%である。なお、上記の比率は、前駆体粒子の粒径分布を光散乱法、レーザー回折法、走査型電子顕微鏡により測定して算出することができる。
前駆体粒子の作製方法に特に制限は無い。例えば、ポリマーにより前駆体粒子を製造する場合、乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重合などにより、均一な粒径を有する前駆体粒子をエマルジョンとして作製することができる。具体例を挙げると、アクリロニトリル等の液相炭化材料のポリマー群の中のモノマーを原料とし、必要に応じて共重合可能なモノマーを併用して、乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重合等を行なうことにより、均一な粒径を有する、ポリアクリロニトリル又はその共重合ポリマー等からなる前駆体粒子をエマルジョンとして得ることができる。即ち、エマルション中に分散した、きわめて粒径分布の小さい前駆体粒子の集合体を得ることができるのである。
ここで、上記具体例中の共重合可能なモノマーとしては、易熱分解材料を構成するモノマーを用いることが好ましい。液相炭化材料と易熱分解材料とを併用することが好ましいためである。
また、例えば、ソープフリー重合で得た易熱分解ポリマー粒子に、さらにアクリロニトリル等の液相炭化材料のポリマー群の中のモノマーを加え、2段階のソープフリー重合を行なうことにより、コアシェル構造の前駆体粒子をエマルジョンとして得ることができる。また、この方法によれば、粒径が極めて均一な前駆体球状粒子を得ることができるという利点がある。なお、上記のコアシェル構造は、易熱分解材料である易熱分解ポリマーをコアとし、そのコアの外側を液相炭化材料が覆ってシェルを形成している構造をいう。
[II−2.前駆体粒子延伸工程]
次に、図6に示すように、前駆体粒子延伸工程S20を行ない、前駆体粒子を延伸して紡錘形前駆体を作製する。通常は、この工程で作製した紡錘形前駆体の形状と同様の形状の紡錘形炭素粒子が、本発明の製造方法により得られる。
前駆体粒子の延伸方法に制限は無く、任意である。例えば、前駆体粒子を他のマトリックスポリマーに分散させて延伸した後、マトリックスポリマーを分離除去することにより、紡錘形前駆体を得ることができる。マトリックスポリマーとしては、延伸後の分離除去の容易性、被延伸粒子である前駆体粒子の分散性などを考慮して選択することが好ましいが、通常はポリビニルアルコールを用いる。
また、延伸方法の他の例としては、前駆体粒子の分散液、又は、前駆体粒子の熱による融解液を紡糸する方法が挙げられる。かかる方法により、一定の径を有する紡錘形前駆体を得ることができる。紡錘形前駆体の直径は、紡糸のノズル径及び引き出し速度を調整することにより、所望の直径の紡錘形前駆体を得ることができる。紡糸方法の具体例としては、乾式紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、溶融紡糸法などが挙げられる。
さらに、必要に応じて、得られた紡錘形前駆体を加熱下でさらに延伸することにより、延伸倍率の高い紡錘形前駆体を得ることもできる。
このように、前駆体粒子を上述した寸法まで延伸することによって、紡錘形前駆体を得ることができる。
また、前駆体粒子を延伸して得られる紡錘形前駆体の寸法は、本発明の紡錘形炭素粒子が得られる限り任意であるが、通常は、以下の範囲とすることが望ましい。
即ち、紡錘形前駆体の短径が、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、また、通常5μm以下、好ましくは4μm以下、より好ましくは3μm以下である。この範囲を下回っても、上回っても空間部を制御することが困難となる虞がある。なお、紡錘形前駆体の短径は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
また、紡錘形前駆体の長径は、通常40nm以上、好ましくは100nm以上、より好ましくは300nm以上、また、通常1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは250μm以下である。この範囲を下回っても、上回っても空間部を制御することが困難となる虞がある。なお、紡錘形前駆体の長径は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
さらに、紡錘形前駆体のアスペクト比にも制限はなく任意であるが、通常3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、また、通常100000以下、好ましくは50000以下、より好ましくは10000以下である。この範囲を下回ると、例えばこの紡錘形前駆体より作製された紡錘形炭素粒子は、樹脂に混合した際にパーコレーションが起こり難く、導電性などの性質を示しにくくなる虞がある。また、この範囲を上回ると、紡錘形前駆体及び紡錘形炭素粒子同士が絡まって解けなくなる虞がある。なお、紡錘形前駆体のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
[II−3.原形型被覆工程]
次に、図6に示すように、原形型被覆工程S30を行ない、紡錘形前駆体を原形型で被覆する。即ち、紡錘形前駆体の周囲を原形型により包囲させる。原形型とは、紡錘形前駆体の形状を維持するための型である。即ち、原形型により被覆されることで、後述する炭素化工程S50において炭素化が進行しても、得られる紡錘形炭素粒子の形状(外形)及び寸法は、紡錘形前駆体の形状及び寸法と略同一のまま維持されるようになっている。
原形型は、通常、耐熱性材料で紡錘形前駆体を被覆することにより形成される。原形型を構成する耐熱性材料の耐熱性は、炭素化工程S50において紡錘形前駆体が炭素化する温度域以下の温度で、自身(耐熱性材料)の熱変形などにより紡錘形前駆体の形状に影響を与えないものであればよい。具体的には、耐熱性材料としては、50〜500℃の温度域における線熱収縮率が通常30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である材料が望ましい。理想的には、上記の温度域における線熱収縮率が0%の材料である。また、耐熱性材料としては、通常100〜500℃の温度範囲に明確なガラス転移点Tgを有さない材料が好ましい。
さらに、耐熱性材料としては、製造後の紡錘形炭素粒子から原形型を容易に取り外す観点からは、加熱による炭素化後に簡便な方法で除去できる材料が好ましい。
また、原形型は、上記のように紡錘形前駆体の形状を維持するものであるため、所定の硬度を有することが望まれるが、通常は、原形型は固体状であればよい。
上記の特性を満たす耐熱性材料としては、一般的に無機酸化物が好ましい。このような無機酸化物の具体例を挙げると、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2、In2O、ZnO、PbO、Y23、BaO、及び、これらの混合物などが挙げられる。これらの中では、本発明の紡錘形炭素粒子の純度および金属不純物の制御の観点から、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2が好ましい。また、紡錘形前駆体の炭素化反応及び結晶化を安定に進行させる観点からは、SiO2が、より好ましい。
なお、これらの耐熱性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
原形型による被覆方法に制限は無いが、例えば、上記の無機酸化物の金属アルコキシド等を原料としたゾルゲル法による被覆方法、硝酸塩またはオキシ塩化物塩などの溶媒可溶性の無機化合物の溶液による被覆方法などが挙げられる。
さらには、シリカゾルと紡錘形前駆体とをアルコールなどの溶媒中で混合した後に、乾燥させ、紡錘形前駆体の表面にシリカゾルを付着させることにより、被覆する方法が挙げられる。
また、金属アルコキシド以外に、珪酸ソーダ(水ガラス)によって原形型を形成する場合にも、ゾルゲル法を採用することができる。珪酸ソーダは上述した特性を満たす原形型として好適な耐熱性材料の一つである。したがって、珪酸ソーダを原料として、上記金属アルコキシドを原料とする場合と同様にゾルゲル法による被覆を行なっても、原形型による被覆を行なうことができる。
ただし、特に、金属アルコキシドの加水分解により得たゾル溶液を紡錘形前駆体に塗布して原形型による被覆を行なう方法、または、金属アルコキシドを加水分解し、この金属アルコキシドの加水分解液中に紡錘形前駆体を分散させた後、乾燥させて、紡錘形前駆体の周囲をゲル化もしくは固化し、原形型による被覆を行なう方法は、ゲルの均一化工程を安定制御する上で、好ましい。
以下、好ましい被覆方法の一例として、原形型をSiO2により形成し、このSiO2で紡錘形前駆体を被覆する具体的方法を説明する。
この方法においては、原形型を形成するための原料としてアルコキシシラン類を用いる。アルコキシシラン類の具体例としては、テトラアルコキシシラン類であるテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、これらそれぞれのオリゴマーの他、アルキルトリアルコキシシラン類であるメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等が例示できる。なお、これらのアルコキシシラン類は、1種を単独で用いてもよいが、後述するゲル化のプロセス条件および被覆時の紡錘形前駆体の分散性などに応じ、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
そして、まず、メタノール、エタノール等のアルコール類の溶媒と上記のアルコキシシラン類とを混合した後、更にこれを水と混合し、室温で数時間撹拌することにより加水分解させて、シリケートゾル溶液を調製する。このシリケートゾル溶液の調製の際に、ゾルの安定性と反応性を制御する上で適当なpH(通常、pH1.5〜5)に調節することが好ましい。また、加水分解を促進するため、上記溶液には、シュウ酸、酢酸、塩酸、硫酸、アンモニア等を触媒として加えてもよい。
次いで、上記のシリケートゾル溶液で紡錘形前駆体を被覆する。被覆の方法は任意であるが、例えば、上記のシリケートゾル溶液に紡錘形前駆体を混合するようにしてもよく、また、紡錘形前駆体に上記シリケートゾル溶液をスプレー塗布してもよい。そして、これを室温(通常は25℃)から40℃の温度範囲で、数分から数日静置してゲル化に至らせる。これにより、紡錘形前駆体を分散させたシリカゲルを得ることができる。即ち、シリカゲルからなる原形型により被覆された紡錘形前駆体を得ることができる。
ところで、原形型を形成するための原料として珪酸ソーダを用いる場合には、上記の金属アルコキシドを原料とする場合と同様のゾルゲル法により被覆を行なう他、上述したアルコキシシラン類を原料とする被覆方法の一例とほぼ同様の方法により、被覆を行なうことが可能である。即ち、珪酸ソーダと水とを混合し、さらにこの溶液とイオン交換樹脂とを混合して攪拌することで、ナトリウムと水素との交換反応を行ない、ゾル溶液を調製する。そして、このゾル溶液を、ゾル溶液に紡錘形前駆体を混合したり紡錘形前駆体にゾル溶液をスプレー塗布したりして、紡錘形前駆体に被覆する。その後、これをゲル化して、シリカゲルからなる原形型により被覆された紡錘形前駆体を得るようにすることができる。
また、原形型の緻密度を調整することにより、本発明の紡錘形炭素粒子の空間部の数や体積を制御することができる。例えば、原形型の緻密性を低下させれば、炭素化の際に分解時に発生する揮発分を系外に逃がしながら炭素化を行なうことができ、これにより、空間部の数や体積を大きくすることが可能となる。
原形型の緻密度を調整する方法としては、例えば、シリケートを用いる場合は、その加水分解条件や加熱乾燥条件を制御する方法が挙げられる。具体例を挙げると、加水分解反応をpH=2のような低pHで行なったり、加熱乾燥速度を速めたりした場合には、緻密度の高いシリカゲルが得られる。一方、加水分解反応をより中性に近いpHで行なったり、加熱乾燥速度を遅くしたりした場合には、緻密度の低いシリカゲルが得られる。シリケートを用いる場合には、上記のシリカゲルにより原形型を形成することになるので、上述したようにしてシリカゲルの緻密度を調整することにより、原形型の緻密度を調整し、空間部の数や体積を制御することが可能となる。
[II−4.酸化工程]
本発明の紡錘形炭素粒子の空間部の数や体積を調整するため、原形型被覆工程S30の後、炭素化工程S50の前に、適宜、図6に示すように酸化工程S40を行なうようにしてもよい。
酸化工程S40においては、紡錘形前駆体内の架橋を進行させる酸化処理(不融化処理)を行なう。具体的には、原形型で被覆された紡錘形前駆体に対して、空気または酸素雰囲気下、常圧で、通常150℃以上、好ましくは180℃以上、通常280℃以下、好ましくは240℃以下の温度範囲で、通常1時間以上、通常72時間以内、好ましくは24時間以内で加熱を行なうようにする。このような酸化処理により、紡錘形前駆体を炭素化させる際に、液相炭化時の流動粘度を高めることが可能となり、紡錘形前駆体が分解することで発生するガスを紡錘形前駆体の内部に閉じ込め、結果として空間部の数と体積とを増加させることができるようになると考えられる。
また、酸化処理による効果を大きくするには、紡錘形前駆体の材料(即ち、前駆体粒子の材料)として、酸化処理により架橋が架かりやすい材料を選択して、酸化処理の条件を厳しくすることが好ましい。なお、酸化処理の条件を厳しくするとは、酸化温度を高くしたり、酸化時間を長くしたりすることを言う。また、酸化処理により架橋が架かりやすい材料の例としては、ポリアクリロニトリル又はその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ピッチ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
[II−5.炭素化工程]
次に、図6に示すように、炭素化工程S50を行ない、原形型で被覆した紡錘形前駆体を炭素化し、原形型内に紡錘形炭素粒子を形成させる。
紡錘形前駆体の炭素化は、上述の原形型で表面が被覆された紡錘形前駆体を、不活性雰囲気下で加熱して行なう。
不活性雰囲気とは、上記加熱時に紡錘形前駆体と反応する物質が存在しない雰囲気であり、例えば、窒素、アルゴン等の雰囲気のことを指す。また、加熱時の雰囲気はフロー系であってもよく、密閉系であっても良い。ただし、発生ガスの滞留による試料の変質や汚染を防ぐためには、フロー系であることが好ましい。
また、炭素化工程において加熱を行なう際の圧力条件は任意であり、加圧下でもよく減圧下でもよいが、通常は、常圧下で行なう。
常圧下で加熱を行なう場合、加熱温度は、通常500℃以上、好ましくは800℃以上である。また、上限に特に制限は無いが、通常は1500℃以下、好ましくは1400℃以下である。なお、加熱は継続的に上記の加熱温度まで昇温させるようにしてもよく、段階的に上記の加熱温度まで昇温させるようにしてもよい。さらに、加熱時間は加熱温度などにより異なるが、所定の加熱温度において保持する時間が、通常0.5時間以上、好ましくは1時間以上、また、通常5時間以下、好ましくは3時間以下である。また、加熱は連続的に行なってもよく、断続的に行なってもよい。
加熱により、原形型の内部で紡錘形前駆体が炭素化されて、原形型で被覆された紡錘形炭素粒子を得ることができる。この際、炭素化の過程でガスが生じ、このガスにより紡錘形炭素粒子内に空間部が形成されると推察される。したがって、紡錘形前駆体が易熱分解材料などのガスを生じやすい材料を含んでいる場合には、空間部の大きさは大きくなると推察される。また、紡錘形前駆体が液相炭化材料を含んでいる場合には、紡錘形前駆体は流動しやすい状態を経て炭素化するため、その流動しやすさに応じて空間部は特有の形状に形成されることになると推察される。さらに、上述したように、原形型の緻密度、酸化工程の有無及び程度などによっても、空間部の大きさや数が制御されることになると推察される。
[II−6.原形型除去工程]
本発明の紡錘形炭素粒子は、用途によっては原形型に被覆されたまま使用しても良いが、通常は、図6に示すように、原形型除去工程S60を行ない、紡錘形炭素粒子を被覆する原形型を除去する。
除去方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば、原形型を水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液やフッ酸で溶解する方法などが挙げられる。このうち、工業的に安全なことから、アルカリ水溶液で溶解する方法が好ましい。具体的な溶解除去操作の例を挙げると、原形型で被覆された紡錘形炭素粒子100重量%に対し、濃度4g/L〜20g/Lのアルカリ水溶液を、通常200質量%以上、好ましくは1000質量%以上使用し、通常80℃以上、好ましくは100℃以上に加熱して、原形型を溶解する。なお、100℃以上に加熱する場合は、耐圧密閉容器内に密閉した上で、原形型の溶解を行なう。その後、残った紡錘形炭素粒子を固液分離して溶液から分離し、回収する。
上記のように原形型を除去することにより、本発明の紡錘形炭素粒子を得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、上記のように前駆体(前駆体粒子や紡錘形前駆体)の材料の種類及び組成、原形型の種類及び緻密度、酸化工程の程度等を調整することにより、紡錘形炭素粒子内の空間部の数及び体積を制御することが可能である。さらに、これらの制御を組み合わせれば、空間部の数及び体積をより多様に制御することが可能である。
なお、本発明の製造方法により得られる紡錘形炭素粒子の収率は任意であるが、前駆体粒子に対する紡錘形炭素粒子の収率としては、通常15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、また、通常60%以下である。
[II−7.その他の工程]
本発明の製造方法においては、上述した以外の工程を行なうようにしてもよい。
例えば、原形型の耐熱性を高めるような処理を行なうようにしてもよい。具体例を挙げると、SiO2で原形型を形成している場合には、原形型被覆工程S30の後、炭素化工程S50の前に、原形型に被覆された紡錘形前駆体の真空乾燥を行なうか、又は、原形型が熱変形せず、かつ、紡錘形前駆体が炭素化しない温度範囲で加熱を行なうようにする。これにより、シロキサン結合の密度を高める等の反応を進行させて、原形型の耐熱性を高めることができる。
[III.紡錘形炭素粒子の集合体]
本発明の紡錘形炭素粒子は、1個を単独で使用しても良いが、複数の紡錘形炭素粒子が集合した集合体(即ち、本発明の紡錘形炭素粒子の集合体。以下適宜、「本発明の集合体」という)として用いるようにしてもよい。
本発明の紡錘形炭素粒子は、その形状、空間部の数及び大きさなどを制御することが可能であるので、従来のカーボンナノチューブよりも均一な寸法、密度、強度などを有する紡錘形炭素粒子を集合させて、集合体を構成することができる。したがって、この集合体は、特別な分離精製工程を経なくても、均一な物性のカーボンナノチューブとして使用することができるという利点を有することが期待される。
さらに、通常、本発明の集合体は、カーボンブラックのアグリゲートの様な凝集も二次凝集(物理的凝集)もしていない。かかる特性は、分散性向上に対してプラスに作用し、物理的凝集しているカーボンブラックと大きく異なる。なお、本発明の集合体において、通常は、紡錘形炭素粒子は、カーボンブラックでいうところの一次粒子に相当するものとして存在する。したがって、本発明の集合体は、通常は、カーボンブラックでいうところの「ストラクチャー」ではなく、複数の紡錘形炭素粒子が独立した状態で存在している。
また、特に、本発明の集合体は、粒径の均一性に優れた紡錘形炭素粒子によって構成することが望ましい。即ち、大きさが揃った紡錘形炭素粒子により構成されていることが望ましい。具体的には、下記分散液調製方法によって調製した分散液について、調製後24時間静置して、分散液の温度25℃にて測定した下記式(1)で表わされる粒度分布指標が、通常0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であることが望ましい。なお、粒径分布指標は、粒度分布計による動的光散乱法にて測定可能である。
<分散液調製方法>
内径13mm、容量5mLのガラス容器に分散媒3mLと試料(即ち、本発明の集合体)1mgを採り、上記ガラス容器に蓋を被せ、超音波振盪器を使用し、高周波出力120W,発振周波数38kHzの条件下に25℃で1分間振とうさせて、試料を分散させる。これにより、分散媒中に試料が分散した分散液を得る。
上記の分散液の調製に使用する分散媒としては、本発明の紡錘形炭素粒子の表面特性などに応じ、本発明の紡錘形炭素粒子に対して不活性で且つ適切な分散媒を選択することが望ましい。上記の粒度分布指標の測定のための分散媒の選定は、次の様に行なう。すなわち、上記の分散液調製方法の場合と同一要領で分散液を調製し、調製後24時間静置し、分散液の上から1cmの位置と下から1cmの位置との間の中央部の分散液について目視観察した際、二次凝集粒子が実質的に存在せずに均一な分散状態が得られる分散媒を選択する。選択対象となり得る分散媒としては、後述の分散媒が挙げられるが、上述した選定条件を満たす分散媒として水を選択できる場合には、水を用いて上記の粒度分布指標の測定を行なう。
このように均一性に優れた集合体は、例えば、インクジェットのインクとして使用し、印刷材料として使用できるという利点を有する。
なお、本発明の集合体には、その用途に応じて本発明の紡錘形炭素粒子以外の添加剤を共存させても良い。その例としては、水溶性樹脂、有機溶可溶樹脂、セメント、シリケート、セラミックスなどが挙げられる。また、これらの添加物を有する本発明の集合体は、いったん分散媒に分散させて後述する分散体とした後、分散媒を除去することにより、高分散複合体とすることもできる。この高分散複合体も、本発明の集合体に該当するものである。
[IV.紡錘形炭素粒子の分散体]
本発明の紡錘形炭素粒子は、分散媒中に、上述した本発明の集合体を分散させてなる分散体(即ち、本発明の紡錘形炭素粒子の分散体。以下適宜、「本発明の分散体」という)として用いるようにしてもよい。
本発明の分散体に用いる分散媒は、本発明の集合体を分散できるものであれば任意である。ただし、その中でも、上記の<分散液調製方法>において説明したのと同様に、本発明の紡錘形炭素粒子の表面特性などに応じ、本発明の紡錘形炭素粒子に対して不活性で且つ適切な分散媒を選択することが望ましい。
また、分散媒は、極性溶媒であってもよく、非極性溶媒であってもよい。極性溶媒の例としては、水の他、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類のモノアルキルエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等カーボネート類などが挙げられる。一方、非極性溶媒の例としては、各種のアルカン類、芳香族類及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中では、親和性が高く、分散性が良好であるとの観点から、極性溶媒が好ましく、水及びアルコール類が更に好ましい。
なお、分散媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、本発明の分散体においては、紡錘形炭素粒子は、単独で分散していることもあるし、2個以上の紡錘形炭素粒子が凝集した凝集物として分散していることもある。これらの場合、紡錘形炭素粒子や凝集物の分散粒径に制限は無いが、通常は本発明の集合体の分散粒径と同様である。
なお、上記の分散粒径は、粒度分布計による動的光散乱法又はレーザー回折散乱法にて測定可能である。具体的には、調製後24時間静置した状態において、測定レンジ以上のサイズである200μm以上の粒子を除いた紡錘形炭素粒子及び凝集物についての平均粒径を測定し、これを分散粒径とする。なお、200μm以上の粒子は、動的光散乱及びレーザー回折法の何れの方法でも一般に測定検知能力の範囲外であり、光学顕微鏡にてその存在を確認することが出来る。
また、本発明の分散体において、紡錘形炭素粒子や凝集物は、分散粒径の均一性に優れることが好ましい。即ち、紡錘形炭素粒子や凝集物の大きさが揃っていることが好ましい。具体的には、分散体の温度25℃における、上記式(1)で表わされる粒径分散指標が、本発明の集合体の説明において述べた範囲と同様になることが望ましい。なお、粒径分布指標は、粒度分布計による動的光散乱法にて測定可能である。
本発明の分散体中における、本発明の紡錘形炭素粒子の濃度に制限はない。ただし、本発明の分散体中における紡錘形炭素粒子の濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。この範囲の下限を下回ると紡錘形炭素粒子がパーコレーションしないため導電性等の性能が発現しないとなる虞があり、上限を上回ると分散体の成形が困難になるとなる虞がある。
本発明の分散体の製造方法は任意である。例えば、本発明の紡錘形炭素粒子と分散媒とを混合し、上記の<分散液調製方法>のように超音波振盪器を用いて分散を行なうようにすればよい。また、他の機械的な攪拌のほか、ペイントシェイカー等による機械的な振盪を行なってもよく、超音波照射などを行なうようにしてもよい。
さらに、単に手で振盪を行なうようにしてもよい。手で振盪した場合であっても、本発明の紡錘形炭素粒子は溶媒への分散性が非常に高いため、超音波振盪器を用いた場合と同等の粒径分布指標の値を得ることができる。
なお、本発明の分散体には、本発明の紡錘形炭素粒子以外の添加剤を含有させても良い。添加剤としては、例えば、水溶性樹脂、有機溶媒可溶性樹脂、セメント、シリケート、セラミックス等が挙げられる。例えば、分散性を向上させるため、表面修飾剤、界面活性剤、高分子修飾剤等として作用する添加剤を含有させるようにしてもよい。
[V.本発明の効果及び用途]
本発明の製造方法によれば、紡錘形炭素粒子の空間部の数や大きさを制御することが可能となる。これにより、本発明の紡錘形炭素粒子の軽量化を行なって重量当たりの強度を制御することができる。また、その紡錘形炭素粒子を用いて、集合体及び分散体を提供することができる。
また、本発明の紡錘形炭素粒子は、従来にない空間構造を有しており、また、その空間構造をコントロールすることが可能である。このため、軽量化・強度(重量あたり)をコントロールすることができるため、新規な構造材料として利用可能である。
さらに、分散性が良好であるため取り扱いが容易であり、樹脂等に簡便に混合できるため、導電付与材としての複合材料として利用できる。
また、その空間部の一つ一つについて空間体積をもコントロールすることができるため、透明性をコントロールすることができ、透明導電膜の導電フィラーとして有効である。また、空間部をカプセルとして利用できるため、空間部内に所望の物質を入れることが可能であり、例えば、生体内の診断試薬やモニター試薬としても好適に利用される材料である。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。なお、以下の説明においては、特に断らない限り、「PVA」はポリビニルアルコールを表わす。
[実施例1]
<前駆体粒子準備工程>
先ず、次の要領でアクリロニトリルとアクリル酸メチルの共重合ポリマー微粒子(アクリル樹脂粒子;前駆体粒子)を合成した。即ち、ドデシル硫酸ナトリウム0.32gを水145gに溶解し、ここにアクリロニトリル12.71g、アクリル酸メチル1.83g、メタアクリル酸0.46g、n−ブチルメルカプタン0.3gの混合物を加え、窒素ガスのフロー下で300rpmで撹拌しながら、室温から昇温し、60℃で過硫酸カリウム水溶液(0.1gを水5gで溶解した水溶液)を加えて重合を開始し、70℃で3時間重合した。
反応停止後、平均粒径130nm(前記[IV.紡錘形炭素粒子の分散体]において前述した動的光散乱式の粒度分布測定器での測定値)のアクリル樹脂粒子(共重合ポリマー微粒子)12.5gを含む懸濁液を調製した。
このアクリル樹脂粒子の元素分析(C、H、N)による窒素量から換算されるアクリロニトリル単位の割合は79.5重量%であり、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によるポリスチレン(PSt)換算での重量平均分子量は4.1×104であった。
得られたアクリル粒子を6万倍のSEMで観察したところ、粒径115〜148nmの球状粒子であった。
<前駆体粒子延伸工程>
ポリビニルアルコール(クラレ製「クラレポバールPVA217」)15gを水100gに90℃で1時間攪拌して溶解させて室温に冷却して得た溶液に、前記のアクリル樹脂粒子を含む懸濁液を希釈した懸濁液37.2g(樹脂粒子の含有量2.79g)を加え、室温で5分間攪拌した。これを15cm径のシャーレー5枚に30gずつ分配し、そのまま室温で5時間静置して水分を揮発させ、PVA固形分濃度が30重量%になるまで濃縮し、ゲルを調製した。
上記のゲル17.3gを90℃に加熱した200μmφの紡糸ノズルに入れ、ピストンで加圧してノズルから50〜120μm径の糸状のゲルを押し出し、アクリル樹脂粒子を含む乾燥した糸状PVAゲル2.4gを得た。
上記の糸状PVAゲルを5cmの長さに切り揃え、糸の両端1cmずつをチャックで掴み、140℃に加熱しつつ、機械的に30cm/分の速度で18cmになるまで延伸し、延伸糸1.3gを得た。この延伸糸を水10mLに浸し、室温で20分間攪拌してPVAを溶解し、延伸したアクリル樹脂粒子の懸濁液を得た。この懸濁液を20℃で18000rpmの条件下で遠心分離し、上澄み液を除去し、さらに、沈殿のアクリル樹脂粒子を同様の方法で水洗し、延伸されたアクリル樹脂粒子のエマルジョンを得た。エマルジョン中のアクリル樹脂粒子は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真の画像観察より、短径60〜80nm、長径250〜400nmの形状を有する延伸されたアクリル樹脂粒子(紡錘形前駆体)であった。
<原形型被覆工程>
一方、水3.87gとエタノール4.94gとの混合液にメチルシリケートオリゴマー(三菱化学製「MS51」)5.59gを混合して分散した後、1mol/Lの塩酸を混合し、pH4の液を調製した。50℃で2時間撹拌し、メチルシシリケートオリゴマーを加水分解し、均一な溶液としてシリカゾルを調製した。
次いで、上記の延伸されたアクリル樹脂粒子のエマルジョン0.52g(アクリル樹脂粒子量0.026g)に上記のシリカゾル1.58gを加え、振とうして混合した後、8cm径のテフロン(登録商標)製シャーレーに展開し、40℃のホットプレート上で5時間加熱して乾燥し、アクリル樹脂粒子が分散したシリカゲルを得た。なお、ここではシリカゲルが原形型として機能している。
このゲルをガラス皿に移し、室温10時間減圧乾燥した。これによりシロキサン結合の密度を高め、シリカゲルの耐熱性を向上させた。
<酸化工程>
次に、上記で得られた乾燥ゲルを空気中で220℃にて16時間、酸化反応(酸化反応)を行なった。
<炭素化工程>
その後、電気炉にて常圧下に窒素雰囲気でのフロー系で室温から5℃/分で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保持してアクリル樹脂粒子を炭素化した。
<原形型除去工程>
その後、加熱を停止し、電気炉が室温にまで冷却された12時間後に試料を取り出した。これを、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液30mlに混合し、耐圧容器に入れ、オーブン中170℃で6時間加熱してシリカゲルを溶解し、紡錘形炭素化粒子が分散した分散液を得た。この分散液を18000rpmの条件で遠心分離し、上澄み液を除去し、更に、沈殿の紡錘形炭素化粒子を同様の方法で3回水洗し、紡錘形炭素粒子の分散液を得た。
上記の分散液を超音波にて3分間分散し、その中から任意の3滴をガラス板に採り、光学顕微鏡(倍率:100倍)で観察したところ、何れの滴にも100μm以上の炭素粒子およびその凝集物は観察されなかった。
上記の分散液中の粒子の構造を透過型電子顕微鏡(TEM)(倍率:80万倍)で観察したところ、粒子内部に炭素結晶壁で包囲された複数の空間を有し、両端部は炭素結晶壁で包囲された構造の紡錘形炭素粒子であった。また、複数の空間部を隔てている長手方向に略垂直の炭素壁の厚みを測定したところ、5nmから60nmであった。さらに、外壁の厚みは2nmから15nmであった。
この紡錘形炭素粒子のアスペクト比は約5から6であった。
また、この紡錘形炭素粒子の集合体をTEMにより8万倍で観察した。観察結果を表わす図面代用写真を図7に示す。図7から分かるように、凝集体は視野に存在しなかった。
さらに、動的光散乱式の粒度分布測定器により、上記の紡錘形炭素粒子の水に対する分散状態を測定したところ、分布中心の粒径D50が236nm、10%体積分布粒径D10が97nm、90%体積分布粒径D90が504nm、粒径分布指標が1.72の値を持つ単分散の粒径分布であった。
また、上記の紡錘形炭素粒子の結晶化度を調べるため、XRD測定における2θ=25.5°に現れたピーク解析を行なったところ、ピーク半値幅は4.35°で、結晶子の面間距離は3.46Åと算出された。
さらに、上記の紡錘形炭素粒子の元素分析結果は、炭素、窒素、酸素が主な構成元素であり、検出濃度は、炭素86.20重量%、窒素7.17重量%、酸素6.30重量%であった。なお、上記以外の元素として、水素0.33重量%、ケイ素は1重量%の検出限界以下であった。
また、X線光電子分光法にて本実施例の紡錘形炭素粒子の表面官能基の分析を行なった。その結果、ピーク分離によりC−OH、C=O、及びCOORのピークを確認し、これらの表面官能基の存在を確認した。また、フーリエ変換赤外分光法(拡散反射法を使用)による測定を行なった結果、3400cm-1付近にOH伸縮振動が観察され、OH基の存在が確認された。
本発明は産業上の任意の分野において用いることができ、例えば、生体内の診断試薬やモニター試薬に用いて好適である。
本発明の紡錘形炭素粒子の一例について、その断面を模式的に示す断面図である。 本発明の紡錘形炭素粒子の外周における、炭素結晶端が露出した構造、及び、炭素網面のループ状構造の一例を説明するための図である。 本発明の繊維状炭素の結晶構造の一例を説明する模式的な図である。 本発明の繊維状炭素構造体の一例について、凹みを説明するために凹み近傍を拡大して模式的に示す断面図である。 空間部をトレースした像の一例を模式的に示す図である。 本発明の繊維状化合物の製造方法の概要を示すフローチャートである。 本発明の実施例1において紡錘形炭素粒子を透過型電子顕微鏡により観察した結果を表わす図面代用写真である。
符号の説明
1 紡錘形炭素粒子
2 炭素壁
2a 内部炭素壁
3 空間部
3’ 空間部をトレースした像
4 凹み
5 穴

Claims (7)

  1. 炭素壁で包囲された空間部を複数有する
    ことを特徴とする、紡錘形炭素粒子。
  2. アスペクト比が3以上である
    ことを特徴とする、請求項1記載の紡錘形炭素粒子。
  3. 該炭素壁が結晶である
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の紡錘形炭素粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の紡錘形炭素粒子が集合してなる
    ことを特徴とする、紡錘形炭素粒子の集合体。
  5. 下記分散液調製方法によって調製した、分散媒に該集合体を分散させた分散液について、調製後25℃で24時間静置して測定した下記式(1)で表わされる粒度分布指標が0.1〜20である
    ことを特徴とする、請求項4記載の紡錘形炭素粒子の集合体。
    <分散液調製方法>
    内径13mm、容量5mLのガラス容器に前記分散媒3mLと試料1mgを採り、上記ガラス容器に蓋を被せ、超音波振盪器を使用し、高周波出力120W,発振周波数38kHzの条件下に25℃で1分間振とうさせて、上記試料を分散させる。
  6. 分散媒中に、請求項4又は請求項5記載の紡錘形炭素粒子の集合体を分散してなる
    ことを特徴とする、紡錘形炭素粒子の分散体。
  7. 短径が5nm以上5μm以下の炭素を含む紡錘形前駆体を作製する工程と、
    前記紡錘形前駆体を、前記紡錘形前駆体の形状を維持する原形型で被覆する工程と、
    前記原形型で被覆した前記紡錘形前駆体を炭素化する工程とを有する
    ことを特徴とする、紡錘形炭素粒子の製造方法。
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