JP2016130308A - セラミック組成物用造孔材およびその用途 - Google Patents

セラミック組成物用造孔材およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、寸法安定性に優れ、かつ気孔率の高いセラミック構造物の製造が可能なセラミック組成物用造孔材およびその用途を提供することである。【解決手段】本発明のセラミック組成物用造孔材は、中空粒子(A)を必須とし、前記中空粒子(A)が、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球の膨張体であり、前記中空粒子(A)に含まれる空気量の体積割合(P)が、前記中空粒子(A)全体の体積を100%としたとき、30%以上である。【選択図】 図1

Description

本発明はセラミック組成物用造孔材およびその用途に関する。
シリカやアルミナをはじめとするセラミック材料は、プラスチック等の有機材料と比較して機械的強度や耐久性に優れることから、構造材料や電気・電子材料等のさまざまな用途に用いられており、その一つとしてセラミックフィルタを挙げることができる。
セラミックフィルタとしては、たとえば、コージェライト等のセラミック材料からなり、ハニカム構造体の多孔構造の隔壁から構成される多孔質セラミックフィルタがあり、ディーゼル車等から排出される排ガスの微粒子捕集用フィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ)等として用いられている。
このような多孔質セラミックフィルタにおいては、多孔の平均細孔径および気孔率がフィルタの性能を決定する非常に重要な因子であり、特に、ディーゼルパティキュレートフィルタに用いる場合には、排ガスの微粒子の捕集効率、圧力損失、捕集時間の関係から、気孔率の高いフィルタが要望されている。
このような要望を達成するため、たとえば、中空樹脂粒子、熱膨張済みマイクロカプセルおよび熱膨張済みマイクロカプセルと熱膨張性マイクロカプセルとの混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の粒子からなり、かつ、個数頻度%でみた粒度分布において、20μm以上の粒子が20%以上の頻度を占めることを特徴とする造孔材がある(例えば、特許文献1等)。
しかし、この造孔材では、セラミックフィルタの製造において複雑なハニカム構造の成形において、寸法安定性に欠け、複雑なハニカム構造の成形に不適である。また、近年の環境負荷低減を目的とした各国の法規制により、排ガス微粒子の捕集効率のより高い多孔質セラミックフィルタが要望されていることから、触媒をより多く担持することで、捕集効率の高めるために、高気孔率のフィルタが必要である。
特開2005−67943号公報
本発明の目的は、寸法安定性に優れ、かつ気孔率の高いセラミック構造物の製造が可能なセラミック組成物用造孔材およびその用途を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、空気量の体積割合が特定の値を有する中空粒子(A)を含むセラミック組成物用造孔材を用いた場合、外的圧力による負荷に対する中空粒子の耐性が向上し、混練及び押出工程における潰れが抑制され、その結果、寸法安定性に優れ、気孔率の高いセラミック構造物を製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明のセラミック組成物用造孔材は、中空粒子(A)を必須とし、前記中空粒子(A)が、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球の膨張体であり、前記中空粒子(A)に含まれる空気量の体積割合(P)が、前記中空粒子(A)全体の体積を100%としたとき、30%以上である。
本発明のセラミック組成物用造孔材は、次の1)〜5)から選ばれる少なくとも1つをさらに満足すると好ましい。
1)前記中空粒子(A)の珪素含有率が0.1〜15重量%である。
2)前記中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)が1〜20μmであり、体積基準の累積80%粒子径(D80)が55μm未満である。
3)前記熱可塑性樹脂が、ニトリル系単量体を80重量%以上含有する重合性成分の重合体である。
4)前記ニトリル系単量体が、アクリロニトリル(AN)およびメタクリロニトリル(MAN)を必須とし、その重量割合(AN/MAN)が1〜3の範囲にある。
5)前記中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)に対する理論平均膜厚の百分率Kの値が0.3〜5%である。
本発明のセラミック組成物用造孔材の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球を製造する工程(1)と、前記熱膨張性微小球を加熱膨張させて中空粒子(a)を得る工程(2)と、前記中空粒子(a)を温度1〜50℃の範囲で、3日間以上熟成して、中空粒子(A)を得る工程(3)とを含む。
本発明のセラミック組成物用造孔材の製造方法は、次の6)〜9)から選ばれる少なくとも1つをさらに満足すると好ましい。
6)前記工程(1)は、平均粒子径1〜20nmのコロイダルシリカを含有するpHが7以下である水性分散媒中に、重合性成分および発泡剤を含有する油性混合物を分散させ、前記重合性成分を重合させる工程を含み、前記コロイダルシリカの配合量が前記重合性成分および発泡剤の合計100重量部に対して0.1〜15重量部である。
7)前記中空粒子(A)の珪素含有率が0.1〜15重量%である。
8)前記中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)が1〜20μmであり、体積基準の累積80%粒子径(D80)が55μm未満である。
9)前記熱可塑性樹脂が、ニトリル系単量体を80重量%以上含有する重合性成分を重合して得られる樹脂である。
本発明のセラミック組成物は、無機成分と、上記のセラミック組成物用造孔材とを含み、前記セラミック組成物用造孔材の重量割合が無機成分およびセラミック組成物用造孔材の合計量の0.1〜50重量%である。
本発明のセラミック成形物は上記の組成物を成形してなるものである。
本発明のセラミック構造物は、上記のセラミック成形物を焼成してなるものである。セラミック構造物は、ハニカム型構造を有することが好ましい。
本発明のセラミック組成物用造孔材または本発明の製造方法によって得られるセラミック組成物用造孔材を用いることによって、寸法安定性に優れ、かつ気孔率の高いセラミック構造物の製造が可能となる。
本発明のセラミック組成物は、本発明の造孔材を含むため、寸法安定性に優れ、かつ気孔率の高いセラミック構造物の製造が可能となる。
本発明のセラミック構造物は、寸法安定性に優れ、気孔率が高い。
中空粒子(A)の模式図の一例である。 中空粒子を乾式加熱膨張法で製造するための製造装置の発泡工程部の概略図である。
本発明のセラミック組成物用造孔材は、中空粒子(A)を必須とする。
〔中空粒子(A)〕
中空粒子(A)は、本発明のセラミック組成物用造孔材の必須成分である。中空粒子(A)は、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球の膨張体であり、前記中空粒子(A)に含まれる空気量の体積割合(P)が、前記中空粒子(A)全体の体積を100%としたとき、30%以上である。中空粒子(A)について、その製造方法を例に挙げて説明する。
中空粒子(A)の製造方法としては、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球を製造する工程(1)と、工程(1)で得た熱膨張性微小球を加熱膨張させて中空粒子(a)を得る工程(2)と、工程(2)で得た中空粒子(a)を温度1〜50℃の範囲で、3日間以上熟成して、中空粒子(A)を得る工程(3)を含む製造方法を挙げることができる。なお、工程(1)を重合工程、工程(2)を膨張工程、工程(3)を熟成工程ということがある。
(重合工程)
重合工程は、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球を製造する工程(1)をいう。重合工程としては、水性分散媒中で、重合性成分および発泡剤を含有する油性混合物を分散させ、該重合性成分を重合させる工程が挙げられる。
発泡剤は、加熱することによって気化する物質であれば特に限定はないが、たとえば、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、(イソ)ヘキサン、(イソ)ヘプタン、(イソ)オクタン、(イソ)ノナン、(イソ)デカン、(イソ)ウンデカン、(イソ)ドデカン、(イソ)トリデカン等の炭素数3〜13の炭化水素;(イソ)ヘキサデカン、(イソ)エイコサン等の炭素数13超で20以下の炭化水素等を挙げることができる。これらの発泡剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
上記発泡剤は、沸点が60℃未満の炭化水素であることが好ましい。沸点が60℃を超える炭化水素を用いると、セラミック組成物の押出成形時に中空粒子(A)の潰れが発生し、十分な気孔率が得られないことがある。
重合性成分は、重合することによって熱膨張性微小球の外殻を形成する熱可塑性樹脂となる成分である。重合性成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含むことがある成分である。
単量体成分は、一般には、重合性二重結合を1個有する(ラジカル)重合性単量体と呼ばれている成分を含む。
単量体成分がニトリル系単量体であり、重合性成分がニトリル系単量体を含有し、中空粒子がニトリル系単量体を含有する重合性成分を重合して得られる熱可塑性樹脂から構成されると、中空粒子(A)および(a)に内包されている発泡剤の保持性に優れていることから好ましい。
ニトリル系単量体としては、たとえば、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニトリル(MAN)、フマロニトリル等を挙げることができる。
重合性成分に占めるニトリル系単量体の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは93重量%以上、特に好ましくは98重量%以上である。ニトリル系単量体の重量割合の上限は、好ましくは100重量%である。ニトリル系単量体の重量割合が80重量%未満であると、中空粒子(A)および(a)に内包されている発泡剤の保持性が悪く、発泡剤が徐放することがある。
ニトリル系単量体がアクリロニトリル(AN)およびメタクリロニトリル(MAN)を必須とすると、中空粒子(A)および(a)の原料である熱膨張マイクロカプセルや中空粒子(A)および(a)に内包する発泡剤の保持性に優れているために好ましい。
アクリロニトリル(AN)およびメタクリロニトリル(MAN)の重量割合(AN/MAN)については、特に限定はないが、好ましくは1〜3、より好ましくは1.1〜2.5、さらに好ましくは1.2〜2.0、特に好ましくは1.3〜1.9、最も好ましくは1.5〜1.8である。
AN/MANが1未満であると、中空粒子(a)の製造時に中空粒子同士の融着による凝集が発生してしまうことがある。一方、AN/MANが3を超えると、熱膨張性微小球の製造時に、ポリマーが塊状化してしまい正常なマイクロカプセルが製造できなかったり、中空粒子(A)および(a)の原料である熱膨張性微小球の外殻の結晶性が上がることで脆くなり、中空粒子(A)および(a)の弾性が損なわれたりすることがある。
重合性成分は、単量体成分として、ニトリル系単量体以外の単量体を含有していてもよい。
ニトリル系単量体以外の単量体としては、特に限定はないが、たとえば、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基含有単量体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の無水カルボン酸系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフイン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン等のビニルケトン系単量体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体;ビニルナフタリン塩等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
重合性成分は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体および塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種をさらに含むと好ましい。
重合性成分がニトリル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含むと、熱膨張性微小球内の発泡剤の保持性、耐熱性の観点から好ましい。
重合性成分は、上記単量体成分以外に、重合性二重結合を2個以上有する重合性単量体(架橋剤)を含んでいてもよい。架橋剤を用いて重合させることにより、熱膨張時の内包された発泡剤の保持率の経時的な低下が抑制され、効果的に熱膨張させることができる。なお、重合性二重結合を3個以上有する重合性単量体は、熱膨張性微小球の外殻の架橋が強くなりすぎることで脆くなり、熱膨張して得られる中空粒子(A)および(a)の弾性が損なわれることがある。
架橋剤としては、特に限定はないが、たとえば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物や、メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。これらの架橋剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
架橋剤の量については、特に限定はないが、単量体成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部、特に好ましくは0.3〜0.9重量部、最も好ましくは0.5〜0.8重量部である。
重合性成分の重合は、重合開始剤を用いて行うとよく、油溶性の重合開始剤が好ましい。
重合工程では、油性混合物は連鎖移動剤等をさらに含有していてもよい。
水性分散媒は、分散安定剤等をさらに含有していてもよい。
分散安定剤としては、特に限定はないが、たとえば、第三リン酸カルシウム、複分解生成法により得られるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムや、コロイダルシリカ、アルミナゾルや、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの分散安定剤は、1種または2種以上を併用してもよい。分散安定剤の配合量は、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは0.7〜7重量部、最も好ましくは1〜5重量部である。
これらの中でも、セラミック組成物の押出成形時に中空粒子(A)の潰れを抑制できる点から、分散安定剤としてはコロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカについては、コロイダルシリカを含む分散液、すなわちコロイダルシリカ分散液の形態で広く市販されており、扶桑化学工業株式会社製「クウォートロン」、株式会社ADEKA製「アデライト」、日本化学工業株式会社製「シリカドール」、日産化学工業株式会社製「スノーテックス」、Dupont社製「Ludox」等の市販品の中から、コロイダルシリカの平均粒子径や比表面積等の物性について各種グレードのものを容易に入手することができる。
コロイダルシリカ分散液に含まれるコロイダルシリカの有効濃度については、特に限定はないが、好ましくは10〜28重量%、より好ましくは13〜26重量%、さらに好ましくは14〜24重量%、よりさらに好ましくは15重量%超で23重量%未満、特に好ましくは16〜22重量%、最も好ましくは17〜21重量%である。コロイダルシリカの有効濃度が10〜28重量%の範囲外である場合は、セラミック組成物の押出成形時に中空粒子(A)の潰れが発生し、十分な気孔率が得られないことがある。
コロイダルシリカの平均粒子径については、通常1〜20nmであるが、好ましくは2〜9nmであり、より好ましくは3〜8nmであり、さらに好ましくは3.4〜7nmであり、よりさらに好ましくは3.6〜6nm、特に好ましくは3.8〜5.5nm、最も好ましくは4〜5nmである。コロイダルシリカの平均粒子径が1nm未満である場合は、重合工程において水性分散媒に分散させた油性混合物の油滴が不安定になり、凝集物が発生することがある。一方、コロイダルシリカの平均粒子径が20nm超である場合は、重合工程において水性分散媒に分散させた油性混合物の油滴を安定化させるために、多量に添加する必要があり、その結果、得られた熱膨張性微小球の灰分が大きく、セラミック組成物用造孔材として使用する場合にセラミック組成物の焼結時にクラックが発生することがある。
コロイダルシリカの平均粒子径については、透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、倍率25万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、任意の500個のコロイダルシリカについて、その投影面積円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径)を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
コロイダルシリカの比表面積については、特に限定はないが、50〜2720m/g、70〜2000m/g、90〜1500m/g、110〜1800m/g、130〜1360m/g、150〜1200m/g、170〜900m/g、190〜800m/g、200〜700m/gの順で好ましい。コロイダルシリカの比表面積が50m/g未満である場合、熱膨張性微小球を安定に得るためにコロイダルシリカを多量に使用する必要があり、その結果、得られた熱膨張性微小球および前記熱膨張微小球を膨張させて得られる中空粒子(A)の珪素含有率が多くなるため、その中空粒子(A)をセラミック組成物用造孔材として使用する場合、セラミック組成物の中空粒子(A)周辺部分の珪素量が多くなり、セラミックの強度が低下することがある。一方、コロイダルシリカの比表面積が2720m/g超である場合は、重合工程において水性分散媒に分散させた油性混合物の油滴が不安定になり、凝集物が発生することがある。
コロイダルシリカの比表面積はシアーズ法により測定される。シアーズ法は、アナリティカル・ケミストリー(ANALYTICAL CHEMISTRY)第28巻第12号(1956年12月)第1981頁に記載されており、シリカゾル表面のシラノール基量を定量することによって比表面積を測定する方法である。
コロイダルシリカの配合量は、重合性成分および発泡剤の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは0.7〜7重量部、最も好ましくは1〜5重量部である。
ポリビニルピロリドンは、分散安定補助剤として使用される成分であり、水溶性の高分子でありながら、重合性成分との親和性も高い。ポリビニルピロリドンは、酢酸ビニル等を単量体成分として含有する共重合物であってもよい。
ポリビニルピロリドンの量については、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜3、最も好ましくは0.2〜1重量部である。
水性分散媒は、電解質をさらに含有してもよい。電解質としては、たとえば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。これらの電解質は、1種または2種以上を併用してもよい。電解質の含有量については、特に限定はないが、水性分散媒100重量部に対して50重量部以下にするのが好ましく、さらに好ましくは1重量部以下であり、特に好ましくは電解質を含有しない。電解質が50重量部を超えると、セラミック成形物の焼結時にセラミック成形物が割れを起こすことがある。
重合工程では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に乳化分散させる。
重合時の水性分散媒のpHは通常7以下である。水性分散媒のpHは、好ましくは1.5〜5、より好ましくは1.8〜4.8であり、さらに好ましくは2〜4.5であり、特に好ましくは2.2〜4であり、最も好ましくは2.4〜3.8である。重合時の水性分散媒のpHが7を超える場合は、重合工程において水性分散媒に分散させた油性混合物の油滴が不安定になり、凝集物が発生することがある。
油性混合物を乳化分散させる方法としては、たとえば、ホモミキサー(たとえば、特殊機化工業株式会社製)等により攪拌する方法や、スタティックミキサー(たとえば、株式会社ノリタケエンジニアリング社製)等の静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、超音波分散法等の一般的な分散方法を挙げることができる。
次いで、油性混合物が球状油滴として水性分散媒に分散された分散液を加熱することにより、懸濁重合を開始する。重合反応中は、分散液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、たとえば、単量体の浮上や重合後の熱膨張性微小球の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
重合温度は、重合開始剤の種類によって自由に設定されるが、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは40〜90℃、特に好ましくは45〜80℃、最も好ましくは50〜75℃の範囲で制御される。反応温度を保持する時間は、0.1〜20時間程度が好ましい。重合初期圧力については特に限定はないが、ゲージ圧で0〜5.0MPa、さらに好ましくは0.1〜3.0MPaの範囲である。
上記重合工程で得られた熱膨張性微小球の珪素含有率は、好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜12重量%、特に好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは5〜8重量%である。珪素含有率が0.1重量%未満の場合、中空粒子(A)とセラミック材料との親和性が低くなり、中空粒子(A)により形成される気孔径より大きな気孔径となることがある。一方、珪素含有率が15重量%超の場合、セラミック組成物の中空粒子周辺部分に珪素含有率が多くなり、セラミックの強度が低下することがある。
(膨張工程)
膨張工程は、工程(1)で得た熱膨張性微小球を加熱膨張させて中空粒子(a)を得る工程(2)をいう。膨張工程としては、熱膨張性微小球を加熱膨張させる工程であれば、特に限定はないが、乾式加熱膨張法、湿式加熱膨張法のいずれでもよい。
乾式加熱膨張法としては、特開2006−213930号公報に記載されている方法、特に内部噴射方法を挙げることができる。また、別の乾式加熱膨張法としては、特開2006−96963号公報に記載の方法等がある。湿式加熱膨張法としては、特開昭62−201231号公報に記載の方法等がある。
熱膨張性微小球を加熱膨張させる温度は、好ましくは60〜350℃である。
中空粒子(a)は、その外殻が熱可塑性樹脂から構成される。中空粒子は、外殻およびそれに囲まれた中空部から構成される。中空粒子は、内部に大きな空洞に相当する中空部を有している。中空部は、外殻の内表面と接している。中空部は、基本的には気体で満たされており、液化した状態であってもよい。中空部は、通常は、大きな中空部1つであることが好ましいが、中空粒子中に複数あってもよい。
中空粒子(a)は、上記の熱膨張性微小球の膨張体であって、熟成されていないもの又は熟成が不十分なものをいう。熟成に関しては、熟成工程で詳細に説明する。中空粒子(a)は、上記の熱膨性微小球を加熱膨張させ、その後常温に冷却して得ることができる。その冷却の際に発泡剤の体積減少が起こり、中空粒子の内圧と外圧のバランスが取れておらず、中空粒子の中空部が負圧状態となる。そのため、歪な形状であったり、外的圧力に弱かったりする。このような中空粒子(a)をセラミック組成物用造孔材に用いた場合、中空粒子(a)が容易に変形したり、潰れたり、破裂したりして発泡剤が漏れることとなり、セラミック成形物やセラミック構造物の気孔率が低かったり、セラミック成形物やセラミック構造物の寸法が安定しなかったりする。
中空粒子(a)に含まれる空気量の体積割合(P)は、中空粒子全体の体積を100%としたとき、30%未満である。体積割合(P)の測定方法は、熟成工程のところで説明する。
中空粒子(a)の発泡剤保持率は、85%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは97%がよい。発泡剤保持率が85%未満であると、熟成工程を経て得られた中空粒子(A)の機械的強度が弱く、セラミック成形物の製造時に中空粒子(A)が潰れ易いため、セラミック組成物用造孔材としての効果が低くなることがある。中空粒子(a)の発泡剤保持率の測定方法は、以下の実施例に示す。
(熟成工程)
熟成工程は、工程(2)で得た中空粒子(a)を温度1〜50℃の範囲で、3日間以上熟成して、中空粒子(A)を得る工程(3)をいう。一般的に熟成とは、物質に必要とする性質を得させるために物質を適当な条件下で一定期間保管することをいう。前述したように、工程(2)で得た中空粒子(a)は、発泡剤の体積減少が起こっており、中空粒子の内圧と外圧のバランスが取れておらず、中空粒子の中空部が負圧状態となる。そのため、歪な形状であったり、外的圧力に弱かったりする。本発明でいう熟成とは、中空部内に徐々に大気中の空気を取り込むことで、中空粒子の内圧と外圧のバランスを整え、外的圧力への耐性を向上させることをいう。具体的には、工程(2)で得た中空粒子(a)を温度1〜50℃の範囲で、3日間以上保管することをいう。
中空粒子の中空部が負圧状態であるか否か(中空粒子が熟成されたか否か)について、例えば以下の方法で確認することができる。
一つの方法としては、中空粒子内部に取り込まれた空気量を算出することにより、熟成の程度を確認できる。例えば、空気を含む状態で中空粒子を密閉された容器内で保管し、密閉された容器の体積変化から、中空粒子内部に取り込まれた空気量を算出することができる。容器全体の体積が減少する場合、容器内の空気が中空粒子内部に取り込まれていることを意味する。熟成条件によっては、密閉された容器が膨張する場合もある。
他の方法としては、中空粒子に含まれる空気量又は酸素量を測定する方法が挙げられる。
熟成前の中空粒子(a)は、外的要因により変形したり、潰れたり、破裂して発泡剤が漏れたりするため、熟成後の中空粒子(A)と比較して、外的圧力による比重の変動が大きい。比重の変動は、テンシロン試験機(UTM−III−100、TOYOBALDMIN、株式会社製:東洋ボールドウィン)を用いた圧縮試験にて、下記式で定義される真比重変動値(F)により確認することができる。真比重変動値(F)の測定方法は、以下の実施例に詳しく示す。
加圧による真比重変動値(F)=d2/d1
d1:中空粒子の加圧前の真比重
d2:中空粒子の加圧後の真比重
熟成前の中空粒子(a)は、外的圧力に弱いため、その真比重変動値(Fa)は2以上となる。一方、熟成後の中空粒子(A)の真比重変動値(FA)は、1.0〜1.9となる。真比重変動値(FA)は、好ましくは1.0〜1.8、より好ましくは1.0〜1.5、さらに好ましくは1.0〜1.3である。また、中空粒子(A)の真比重変動値(FA)に対する、中空粒子(a)の真比重変動値(Fa)の比(Fa/FA)は、1.5倍以上の値となる。
中空粒子(a)の熟成温度は、1〜50℃の範囲であり、好ましくは2〜45℃、より好ましくは3〜40℃、さらに好ましくは4〜35℃、特に好ましくは5〜30℃である。熟成温度が1℃未満の場合、中空粒子の復元が不十分であり、外的要因により変形したり、潰れたり、破裂して発泡剤が漏れたりする。一方、熟成温度が50℃超の場合、発泡剤の徐放が発生し、外的要因により変形したり、潰れたりする。
中空粒子(a)の熟成期間は、3日間以上であり、好ましくは5日間以上、より好ましくは1週間以上、さらに好ましくは2週間以上、特に好ましくは4週間以上である。熟成期間が3日間未満の場合、中空粒子の内圧と外圧のバランスが取れておらず、外的要因により変形したり、潰れたり、破裂して発泡剤が漏れたりする。熟成期間の上限としては、熟成の効果が発揮される期間であれば特に限定はないが、その期間としては8週間程度である。熟成後、中空粒子(A)の品質が維持できる期間、さらに保管することも可能である。
乾式加熱膨張法で得られた中空粒子(a)は粉体であり、粉体の状態で熟成される。後述する微粒子充填剤が付着した中空粒子(A1)の場合も同様に、粉体の状態で熟成される。一方湿式加熱膨張法で得られた中空粒子(a)は、水を含む中空粒子組成物となっており、水を含む中空粒子組成物の状態で熟成される。中空粒子組成物に占める水の重量割合については、特に限定はなく、好ましくは99重量%以下、より好ましくは84重量%以下、特に好ましくは49重量%以下、最も好ましくは30重量部以下である。なお、密封状態でかつ中空粒子以外の空隙があまりに少ない状態で熟成を行うと、所定温度、所定時間でも熟成がうまく進まないことがある。
熟成された中空粒子(A)は、その外殻が熱可塑性樹脂から構成される。中空粒子(A)は、外殻およびそれに囲まれた中空部から構成されると好ましい。中空粒子(A)は、(ほぼ)球状で、内部に大きな空洞に相当する中空部を有している。中空粒子の形状を身近な物品で例示するならば、軟式テニスボールを挙げることができる。
中空部は、(ほぼ)球状であり、外殻の内表面と接している。中空部は、基本的には気体で満たされており、液化した状態であってもよい。中空部は、通常は、大きな中空部1つであることが好ましいが、中空粒子中に複数あってもよい。
本発明のセラミック組成物用造孔材に用いる中空粒子(A)は、前述の熱膨張性微小球の膨張体であって、中空粒子(A)に含まれる空気量の体積割合(P)が、中空粒子(A)全体の体積を100%としたとき、30%以上のものをいう。このような中空粒子(A)を用いることにより、本願効果を発揮することができる。当該体積割合(P)が30%未満の場合、中空粒子が外的要因により変形したり、潰れたり、破裂して発泡剤が漏れたりする。当該体積割合(P)は、好ましくは35〜99%、より好ましくは40〜98%、さらに好ましくは45〜95%、特に好ましくは50〜90%である。
中空粒子に含まれる空気量の体積割合(P)の測定方法は、以下の実施例に示す。中空粒子に含まれる空気量は、捕集された気体量とその気体中の酸素濃度より、定量することができる。酸素濃度の測定方式は、ガルバニ電池式の他に、ジルコニア式、磁気式などがあるが、ガルバニ電池式は可燃性ガス中でも誤差無く測定が可能であるのに対し、ジルコニア式、磁気式は、可燃性ガスが含まれると測定誤差が大きくなるため、好ましくない。
本発明のセラミック組成物用造孔材に用いる中空粒子(A)は、本願効果をより発揮させる点から、中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)が一定の範囲にあるものが好ましい。当該体積割合(Z)は、体積(V)の中空粒子と空気とを含む状態で密閉した容器の体積を(Y1)とし、一定条件下静置した後の容器の体積を(Y2)としたとき、下記式で示されるものをいう。中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)の具体的な測定方法は、以下の実施例に示す。
中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)=(Y1−Y2)/V
当該体積割合(Z)は、好ましくは−0.05≦(Z)≦0.2、より好ましくは−0.05≦(Z)≦0.05、さらに好ましくは−0.02≦(Z)≦0.02である。
中空粒子(A)の珪素含有率は、好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜12重量%、特に好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは5〜8重量%である。珪素含有率が0.1重量%未満の場合、中空粒子(A)とセラミック材料との親和性が低くなり、中空粒子(A)により形成される気孔径より大きな気孔径となることがある。一方、珪素含有率が15重量%未満の場合、セラミック組成物の中空粒子(A)周辺部分に珪素含有率が多くなり、セラミックの強度が低下することがある。
中空粒子(A)の発泡剤保持率は、85%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは97%がよい。発泡剤保持率が85%未満であると、中空粒子(A)の機械的強度が弱く、セラミック成形物の製造時に中空粒子(A)が潰れ易いため、セラミック組成物用造孔材としての効果が低くなることがある。中空粒子(A)の発泡剤保持率の測定方法は、以下の実施例に示す。
中空粒子(A)は、水を含む中空粒子組成物としてセラミック組成物用造孔材に用いてもよい。中空粒子組成物に占める水の重量割合については、特に限定はなく、好ましくは99重量%以下、より好ましくは84重量%以下、特に好ましくは49重量%以下、最も好ましくは30重量部以下である。中空粒子組成物に占める水の重量割合が大きすぎると、セラミック組成物を構成する他の成分と混合する際に均一に分散しないことがある。
中空粒子(A)において、中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)に対する理論平均膜厚の百分率Kの値については、特に限定はないが、0.3〜5%であることが好ましく、より好ましくは1〜3%である。ここで、膜厚とは中空粒子(A)を構成する外殻の厚みのことである。百分率Kが0.3%未満であると、セラミック成形物の製造時に中空粒子(A)が潰れ易いため、セラミック組成物用造孔材としての効果が低くなることがある。一方、百分率Kが5%を超えると、中空粒子(A)の体積に占める外殻の体積の割合が多くなり、セラミック構造物を製造する過程で行われるセラミック組成物用造孔材を焼成し除去する工程に非常に多くの時間を要することがある。また、下記のセラミック構造物を製造する過程において中空粒子(A)がさらに膨張し、セラミック成形物の形状が変形することがある。百分率Kの計算方法は、以下の実施例に詳しく示す。
中空粒子(A)は、その体積基準の累積90%粒子径(D90)が2〜70μmであり、好ましくは3〜60μm、より好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μm、特に好ましくは15〜35μm、最も好ましくは20〜30μmである。D90が2μm未満であると、セラミック構造物において気孔率の向上効果が小さく、圧力損失も大きくなるので造孔材として不適である。一方、D90が70μmを超えると、押出成形時のセラミック成形物および焼成時のセラミック構造物の収縮が大きくなり、寸法安定性が損なわれる。また、細孔径が大きくなるのでセラミックフィルタ等に用いる場合に好ましくない。なお、本発明で体積基準の累積粒子径は、体積基準でレーザー回折散乱式粒度分布測定により得られた累積粒子径であり、以下の実施例で測定方法を詳しく説明する。
中空粒子(A)の体積基準の累積80%粒子径(D80)については、特に限定はないが、好ましくは55μm未満であり、好ましくは1.5〜50μmであり、より好ましくは4〜40μm、さらに好ましくは10〜35μm、特に好ましくは20〜30μmである。D80が55μmを超えると、押出成形時のセラミック成形物および焼成時のセラミック構造物の収縮が大きくなり、寸法安定性が損なわれることがある。
中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)については、特に限定はないが、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは1.5〜15μm、さらに好ましくは2〜12μm、特に好ましくは2.5〜10μm、最も好ましくは3〜4.9である。D50が1.0μm未満であると、均一分散が難しくなることがある。また、セラミック構造物の造孔材として良好とはならないことがある。一方、D50が20μmを超えると、押出成形時のセラミック成形物および焼成時のセラミック構造物の収縮が大きくなり、寸法安定性が損なわれることがある。
中空粒子(A)の体積基準の累積90%粒子径(D90)および累積50%粒子径(D50)の比率(D90/D50)については、特に限定はないが、好ましくは1.1〜2.0、さらに好ましくは1.2〜1.9、特に好ましくは1.3〜1.8、最も好ましくは1.4〜1.7である。D90/D50がこの範囲にあることは、中空粒子の粒度分布が狭いことを意味し、セラミック構造物において高い気孔率を示し、押出成形時のセラミック成形物および焼成時のセラミック構造物について寸法安定性に優れる。また、セラミック構造物をフィルタ用途で用いた場合、圧力損失が小さくなる。
中空粒子(A)の体積基準の累積10%粒子径(D10)については、特に限定はないが、好ましくは0.001〜20μmであり、より好ましくは0.05〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.5〜3μm、最も好ましくは1.0〜1.9である。D10が0.001μm未満であると、均一分散が難しくなることがある。また、セラミック構造物の気孔率が低下することがある。一方、D10が20μmを超えると、押出成形時のセラミック成形物および焼成時のセラミック構造物の収縮が大きくなり、寸法安定性が損なわれることがある。
中空粒子(A)の真比重については、特に限定はないが、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.012〜0.49、さらに好ましくは0.04〜0.49、特に好ましくは0.1〜0.48、最も好ましくは0.31〜0.47である。該真比重が0.01未満であると、中空粒子(A)の外殻の厚みが薄いことにより強度低下し、中空粒子(A)が成形時に破壊され、造孔材として機能しなくなることある。一方、該真比重が0.5を超えると、配合する量に見合う造孔効果が低く、非経済的である。また、該真比重が0.5を超えると、中空粒子(A)の体積に占める外殻の体積の割合が多くなり、セラミック構造物を製造する過程で行われる造孔材を焼成し除去する工程に非常に多くの時間を要することがある。
中空粒子(A)は、図1に示すように、その外殻の外表面に付着した微粒子充填剤からさらに構成されていてもよい。以下では、微粒子充填剤が付着した中空粒子(A)を簡単のために、「中空粒子(A1)」ということがある。ここでいう付着とは、単に中空粒子(A1)4の外殻5の外表面に微粒子充填剤(6および7)が、吸着された状態6であってもよく、外表面近傍の外殻を構成する熱可塑性樹脂が加熱によって軟化や融解し、中空粒子(A1)の外殻の外表面に微粒子充填剤がめり込み、固定された状態7であってもよいという意味である。微粒子充填剤の粒子形状は不定形であっても球状であってもよい。
中空粒子(A1)の真比重については、特に限定はないが、好ましくは0.01〜0.5であり、より好ましくは0.03〜0.4、さらに好ましくは0.05〜0.35、特に好ましくは0.07〜0.3、最も好ましくは0.1〜0.25である。中空粒子(A1)の真比重が0.01より小さい場合は、耐久性が低くなることがある。一方、中空粒子(A1)の真比重が0.5より大きい場合は、低比重化効果が低くなるため、中空粒子(A1)を用いて組成物を調製する際、その添加量が大きくなり、非経済的であることがある。また、中空粒子Aの真比重が0.5を超えると、中空粒子(A1)の体積に占める外殻の体積の割合が多くなり、セラミック構造物を製造する過程で行われる造孔材を焼成し除去する工程に非常に多くの時間を要することがある。
微粒子充填剤の平均粒子径と中空粒子(A1)の平均粒子径との比率(微粒子充填剤の平均粒子径/中空粒子(A1)の平均粒子径)は、微粒子充填剤の付着性の観点から好ましくは1以下、さらに好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.4以下、最も好ましくは0.2である。
微粒子充填剤としては、種々のものを使用することができ、無機物、有機物のいずれの素材であってもよい。微粒子本体の形状としては、球状、針状や板状等が挙げられる。
微粒子充填剤を構成する無機物としては、たとえば、石灰石(重質炭酸カルシウム)、石英、珪石(シリカ)、ウオラスナイト、石膏、アパタイト、マグネタイト、ゼオライト、クレイ(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、タルク、雲母、マイカ等)等の鉱物;元素の周期率表において、1族〜16族の金属酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化鉄(磁性酸化鉄を含む)、酸化インジウム等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化金、水酸化マグネシウム等)、炭酸金属塩(炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸鉄等)、硫酸金属塩(硫酸アルミニウム、硫酸コバルト、硫酸水素ナトリウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸バリウム等)、その他の金属塩(チタン酸塩(チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カリウム等)、ホウ酸塩(ホウ酸アルミニウム、ホウ酸亜鉛等)、燐酸塩(リン酸カルシウム、燐酸ナトリウム、燐酸マグネシウム等)、硝酸塩(硝酸ナトリウム、硝酸鉄、硝酸鉛等))等の金属化合物等が挙げられる。
微粒子充填剤を構成する無機物は、また、合成炭酸カルシウム、フェライト、ゼオライト、銀イオン担持ゼオライト、ジルコニア、ミョウバン、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミナ繊維、セメント、ゾノトライト、酸化珪素(シリカ、シリケート、ガラス、ガラス繊維を含む)、窒化珪素、炭化珪素、硫化珪素、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、活性炭、竹炭、木炭、フラーレン等であってもよい。
上記のうち、微粒子充填剤を構成する無機物としては、後述するセラミック組成物の原料となる無機成分であることがより好ましく、たとえば、チタニア、アルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシア、ジルコン、ジルコン酸バリウム、コージェライト、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、ムライト、酸化亜鉛、酸化錫、炭化珪素、窒化珪素、フェライト等のセラミック類等を挙げることができる。
上記のうち、微粒子充填剤を構成する無機物としては、また、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンから発生する排ガス処理の触媒となる無機物であることがより好ましく、たとえば、プラチナ、パラジウム、ロジウム、銀等の貴金属触媒や、五酸化バナジウム、硫酸バナジウム、酸化銅等の遷移金属酸化物または遷移金属硫酸塩と、硫酸カリウム、硫酸セシウム等のアルカリ金属硫酸塩の混合物等を挙げることができる。なかでも、プラチナ、パラジウム、ロジウム、銀等の貴金属触媒は、無機成分に担持したものでもよい。無機成分に貴金属触媒を担持する場合、その担持割合(貴金属触媒/無機成分)については、特に限定はないが、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上である。担持割合が0.1重量%未満であると、貴金属触媒による排ガス処理の効果が十分得られないことがある。担持割合の上限は、好ましくは20重量%である。
微粒子充填剤を構成する有機物は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、(メタ)アクリル樹脂、ナイロン樹脂等のポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
微粒子充填剤を構成する無機物や有機物は、シランカップリング剤、パラフィンワックス、脂肪酸、樹脂酸、ウレタン化合物、脂肪酸エステル等の表面処理剤で処理されていてもよく、未処理のものでもよい。
中空粒子(A1)の製造方法としては、たとえば、熱膨張性微小球を製造する上記工程(1)と、得られた熱膨張性微小球と微粒子充填剤とを混合する工程(混合工程)と、前記混合工程で得られた混合物を前記熱可塑性樹脂の軟化点超の温度に加熱して、前記熱膨張性微小球を膨張させるとともに(上記工程(2)に相当)、前記微粒子充填剤を前記外殻の外表面に付着させる工程(付着工程)と、微粒子充填剤が付着した中空粒子(a)を熟成して中空粒子(A1)を得る上記工程(3)とを含む製造方法を挙げることができる。
混合工程は、熱膨張性微小球と微粒子充填剤とを混合する工程である。
混合工程における微粒子充填剤と熱膨張性微小球との重量比率(微粒子充填剤/熱膨張性微小球)については、特に限定はないが、好ましくは90/10〜60/40、さらに好ましくは85/15〜65/35、特に好ましくは80/20〜70/30である。微粒子充填剤/熱膨張性微小球(重量比率)が90/10より大きい場合は、中空粒子(A1)の真比重が大きくなり、低比重化効果が小さくなることがある。一方、微粒子充填剤/熱膨張性微小球(重量比率)が60/40より小さい場合は、中空粒子(A1)の真比重が低くなり、粉立ち等のハンドリングが悪化することがある。
混合工程に用いられる装置としては、特に限定はなく、容器と攪拌羽根といった極めて簡単な機構を備えた装置を用いて行うことができる。また、一般的な揺動または攪拌を行える粉体混合機を用いてもよい。粉体混合機としては、たとえば、リボン型混合機、垂直スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪拌を行える粉体混合機を挙げることができる。また、近年、攪拌装置を組み合わせたことにより効率のよい多機能な粉体混合機であるスーパーミキサー(株式会社カワタ製)およびハイスピードミキサー(株式会社深江製)、ニューグラムマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション社製)等を用いてもよい。
付着工程は、前記混合工程で得られた、熱膨張性微小球と微粒子充填剤とを含む混合物を、熱膨張性微小球の外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化点超の温度に加熱する工程である。付着工程では、熱膨張性微小球を膨張させるとともに、外殻の外表面に微粒子充填剤を付着させる。
加熱は、一般的な接触伝熱型または直接加熱型の混合式乾燥装置を用いて行えばよい。混合式乾燥装置の機能については、特に限定はないが、温度調節可能で原料を分散混合する能力や、場合により乾燥を早めるための減圧装置や冷却装置を備えたものが好ましい。加熱に使用する装置としては、特に限定はないが、たとえば、レーディゲミキサー(株式会社マツボー製)、ソリッドエアー(株式会社ホソカワミクロン)等を挙げることができる。
加熱の温度条件については、熱膨張性微小球の種類にもよるが最適膨張温度とするのが良く、好ましくは60〜250℃、より好ましくは70〜230℃、さらに好ましくは80〜220℃、特に好ましくは100〜200℃、最も好ましくは120〜180℃である。
〔セラミック組成物用造孔材およびその製造方法〕
セラミック組成物用造孔材は、上記で説明した中空粒子(A)を必須とする。
セラミック組成物用造孔材に占める中空粒子(A)の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。中空粒子(A)の重量割合の上限は100重量%である。
中空粒子(A)は、真比重の観点からは、中空粒子(A1)と、中空粒子(A1)以外の中空粒子(つまり、外殻の外表面に微粒子充填剤の付着がない中空粒子(A)、以下、中空粒子(A2)という)とに大別され、セラミック組成物用造孔材に占める中空粒子の重量割合の範囲が相違することがある。
セラミック組成物用造孔材が中空粒子(A1)を含み、中空粒子(A2)を含まない場合、セラミック組成物用造孔材に占める中空粒子(A)の重量割合については、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。中空粒子(A)の重量割合の上限は100重量%である。
セラミック組成物用造孔材が中空粒子(A2)を含み、中空粒子(A1)を含まない場合、セラミック組成物用造孔材に占める中空粒子(A)の重量割合については、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、最も好ましくは50重量%以上である。中空粒子(A)の重量割合の上限は100重量%である。
セラミック組成物用造孔材が中空粒子(A1)および中空粒子(A2)の両方を含む場合、セラミック組成物用造孔材に占める中空粒子(A)の重量割合については、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、最も好ましくは50重量%以上である。中空粒子(A)の重量割合の上限は100重量%である。
セラミック組成物用造孔材は、中空粒子以外の造孔性を有する成分(造孔性成分)を含有していてもよい。造孔性成分としては、たとえば、グラファイトや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂粉末等を挙げることができる。
セラミック組成物用造孔材の製造方法は、上記で説明した、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球を得る工程(1)と、工程(1)で得た熱膨張性微小球を加熱膨張させて中空粒子(a)を得る工程(2)と、工程(2)で得た中空粒子(a)を保管温度1〜50℃の範囲で、3日間以上熟成して、中空粒子(A)を得る工程(3)とを含むものである。
〔セラミック組成物〕
セラミック組成物は、無機成分と、上記で説明したセラミック組成物用造孔材および/または上記で説明した製造方法により得られるセラミック組成物用造孔材とを含有する組成物である。
無機成分としては、特に限定はないが、たとえば、チタニア、アルミナ、ジルコニア、シリカ、マグネシア、ジルコン、ジルコン酸バリウム、コージェライト、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、ムライト、酸化亜鉛、酸化錫、炭化珪素、窒化珪素、フェライト等のセラミック類等を挙げることができ、これらの無機成分は、1種または2種以上を併用してもよい。これらの無機成分のうちでも、コージェライト、炭化珪素およびチタン酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種が、焼成して得られるセラミック構造物の耐熱性や耐熱衝撃性に優れているために好ましい。
セラミック組成物に含まれるセラミック組成物用造孔材の重量割合は、無機成分およびセラミック組成物用造孔材の合計量に対して、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜45重量%、さらに好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは1.5〜35重量%、最も好ましくは2〜30重量%である。セラミック組成物用造孔材の重量割合が0.1重量%未満であると、セラミック組成物の空隙率が低く、焼成して得られるセラミック構造物の気孔率が低くなることがある。一方、セラミック組成物用造孔材の重量割合が50重量%を超えると、セラミック組成物の空隙率が高くなりすぎ、セラミック組成物を焼成して得られるセラミック構造物の強度が著しく低下することがある。
セラミック組成物に含まれるセラミック組成物用造孔材が中空粒子(A1)を含み、中空粒子(A2)を含まない場合、中空粒子(A1)の重量割合は、無機成分およびセラミック組成物用造孔材の合計量に対して、好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは4〜45重量%、特に好ましくは4.5〜40重量%、最も好ましくは5〜30重量%である。
セラミック組成物に含まれるセラミック組成物用造孔材が中空粒子(A2)を含み、中空粒子(A1)を含まない場合、中空粒子(A2)の重量割合は、無機成分およびセラミック組成物用造孔材の合計量に対して、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、最も好ましくは2〜4.9重量%である。
セラミック組成物に含まれるセラミック組成物用造孔材が中空粒子(A1)および中空粒子(A2)の両方を含む場合、中空粒子(A1)および中空粒子(A2)の合計の重量割合は、無機成分およびセラミック組成物用造孔材の合計量に対して、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜45重量%、さらに好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは1.5〜35重量%、最も好ましくは2〜30重量%である。
ここで、セラミック組成物用造孔材の重量割合が少なすぎると、セラミック組成物の空隙率が低く、焼成して得られるセラミック構造物の気孔率が低くなることがある。一方、セラミック組成物用造孔材の重量割合が多すぎると、焼成して得られるセラミック構造物の強度が低下することがある。
セラミック組成物は、水をさらに含有していてもよい。セラミック組成物が水を含む場合、その重量割合は、無機成分100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部であり、さらに好ましくは20〜50重量部である。水の重量割合が無機成分100重量部に対して10重量部未満であると、セラミック組成物が一塊にならず、セラミック組成物を成形して得られるセラミック成形物に割れが生じることがある。一方、水の重量割合が無機成分100重量部に対して100重量部を超えると、セラミック組成物の粘度が低くなりすぎることで、これを成形して得られるセラミック成形物の形が保持できないことがある。
セラミック組成物は、必要に応じて、成形助剤を含有していてもよい。成形助剤としては、結合剤、分散剤、離型剤、消泡剤、解こう剤等の既知のものが使用できる。
結合剤としては、ポリビニルアルコール、マイクロワックスエマルジョン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が好ましい。
分散剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が好ましい。
離型剤としては、ステアリン酸エマルジョン等が挙げられ、消泡剤としては、n−オクチルアルコール、オクチルフェノキシエタノール等が挙げられ、解こう剤としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
成形助剤の配合量は、焼成時のクラックの発生を抑えるために、セラミック組成物全体の20重量%以下にすることが好ましい。
セラミック組成物は、セラミック組成物用造孔材および無機成分を必須とし、必要に応じて成形助剤や水等を混合、混練等して得ることができる。混合は、たとえば、シグマニーダー、リボンミキサー等の従来公知の混合機により行うことができる。また、混練は、たとえば、シグマニーダー、バンバリーミキサー、スクリュー式の押出混練機、真空土練機、二軸連続混練押出し成形機等の従来公知の混練機により行うことができる。
〔セラミック成形物およびセラミック構造物〕
セラミック成形物は、上記で説明したセラミック組成物用造孔材および無機成分を必須とし、必要に応じて成形助剤等の成形成分を用いて成形してなる成形物である。つまり、セラミック成形物はセラミック組成物を成形してなる成形物である。
成形については、特に限定はないが、たとえば、押出成形、射出成形、プレス成形等を挙げることができ、セラミック組成物を円柱状に成形後、貫通孔を形成して成形してもよい。
これらの成形のうちでも、押出成形が好ましく、成形を連続に行うことが容易であるとともに、コージェライト等の無機成分を用いた場合に、その結晶を配向させることができる。押出成形では、成形後の変形を抑えるため、上から下へ縦方向に押出す縦押し成形が好ましい。外径の小さい成形物を成形する場合には、横方向に押し出す横押し成形が可能である。しかし、外径の大きい成形物を成形する場合には、成形後の変形を抑止するため、上から下へ縦方向に押し出す縦押し成形が好ましい。
セラミック構造物はセラミック成形物を焼成してなる構造物である。焼成は、一般には、セラミック成形物に対して、乾燥、脱脂、焼結の工程を順に実施して行われる。
セラミック成形物の乾燥は、たとえば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の方法で行われる。
セラミック成形物の脱脂は、セラミック成形物に含まれる有機物を燃焼させて除去するために行われる。脱脂は焼結前または焼結の昇温過程で行うとよい。
結合剤等の有機物の燃焼温度は180〜300℃であり、セラミック組成物用造孔材の燃焼温度は最高で400℃程度であるので、脱脂温度を200〜1000℃に設定すればよい。脱脂時間は特に限定されないが、通常は、10〜150時間である。
セラミック成形物の焼結では、高温下に曝すことによって、セラミック成形物に含まれる無機成分を構成する無機粒子を除々に接着し、粒子間のすき間が小さくなると同時に全体を硬くするとともに、気孔率や導電性、熱や他の物質に対する耐性や透光性等の物性を付与することができる。
焼結温度については、無機成分の種類に応じて、任意に設定することができるが、1400〜2000℃が好ましい。焼結雰囲気については特に限定はなく、通常採用されている空気中等の含酸素雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気のいずれでも良い。特に、水素雰囲気、一酸化炭素雰囲気、天然ガス雰囲気、LPG雰囲気等の還元性雰囲気中で焼成する場合には、緻密で高強度のセラミック構造物が形成されやすい点で有利である。
焼結時間については特に限定はなく、セラミック成形物の形状等に応じて、十分に焼結が進行するまで焼結すれば良く、通常は、1〜10時間程度維持すればよい。
焼成では、乾燥、脱脂、焼結等を行い、昇温速度および降温速度についても、特に限定はなく、セラミック構造物にクラックが入らないような条件を適宜設定すればよい。
上記で説明した押出成形を格子状のスクリーンを用いて行い、得られたセラミック成形物を焼成することで、ハニカム型構造を有したセラミック構造物を得ることができる。ここで言うハニカム型構造とは、細い筒状の孔が多数、均一に分布した構造を意味する。その孔の形状については、特に限定はないが、六角形や四角形等の多角形や円形等を挙げることができる。
ハニカム型構造を有するセラミック構造物は、その構造の特徴から、同径の筒と比較して表面積が格段に大きく、且つ隔壁が多孔構造であるため、ディーゼル車等から排出される排ガスの微粒子捕集用フィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ)等として利用することができる。
以下の実施例および比較例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、断りのない限り、「%」とは「重量%」を意味し、「部」とは「重量部」を意味するものとする。
以下では、まず、中空粒子の原料となる熱膨張性微小球の製造例および比較製造例を示し、次いで、中空粒子からなるセラミック組成物用造孔材の実施例および比較例を示す。熱膨張性微小球やセラミック組成物用造孔材の物性は、次に示す要領で測定し、さらに性能を評価した。
〔粒子径と粒度分布の測定〕
レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製 HEROS & RODOS)を使用した。乾式分散ユニットの分散圧は5.0bar、真空度は5.0mbarで乾式測定法により測定した。
体積基準の累積粒子径とは、全粒子を体積順に小さい側から積算して累積した分布の所定の比率に対する粒子の直径を意味する。
レーザー回折式粒度分布測定装置は、原理上、体積基準の累積粒子径の分布を測定しており、測定装置のソフトウェアで体積基準の累積90%粒子径(D90)、体積基準の累積80%粒子径(D80)、体積基準の累積50%粒子径(D50)、体積基準の累積10%粒子径(D10)の測定値を確認できる。
個数基準の累積粒子径とは、全粒子を粒子順に並べ、小さい側から積算して累積した分布の所定の個数比率の粒子の直径を意味する。個数基準の累積粒子径は、測定装置のソフトウェアで、体積基準の累積粒子径から換算することができる。
中空粒子(A1)の場合は、吸着されて中空粒子に固定化されていない微粒子充填剤が存在すると、体積基準の累積粒子径の値が小さくなり、実際の中空粒子の値と大きく異なってしまう。そのため、中空粒子(A1)の粒子径の測定では、吸着された状態の微粒子充填剤を除去する前処理を行った後に粒子径を測定することにした。なお、前処理は、中空粒子(A1)の1重量部をイソプロパノール100重量部に分散させて2時間静置し、浮上した粒子を回収し、乾燥するものである。
〔熱膨張性微小球の含水率の測定〕
測定装置として、カールフィッシャー水分計(MKA−510N型、京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。
〔熱膨張性微小球に封入された発泡剤の内包率の測定〕
熱膨張性微小球1.0gを直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W)を測定した。アセトニトリル30ml加え均一に分散させ、30分間室温で放置した後に、120℃で2時間加熱し乾燥後の重量(W)を測定した。発泡剤の内包率は、下記の式により計算される。
内包率(重量%)=(W−W)(g)/1.0(g)×100−(含水率)(重量%)
(式中、含水率は、上記方法で測定される。)
〔中空粒子に封入された発泡剤の内包率の測定〕
中空粒子0.20gを直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W)を測定した。アセトニトリル30ml加え均一に分散させ、30分間室温で放置した後に、120℃で2時間加熱し乾燥後の重量(W)を測定した。発泡剤の内包率は、下記の式により計算される。
内包率(G)=(W−W)(g)/0.20(g)×100−(含水率)(重量%)
(式中、含水率は、上記方法で測定される。)
なお、中空粒子が中空粒子(A1)の場合は、以下のようにして発泡剤の内包率を測定した。
1.0gの中空粒子(A1)を直径80mm、深さ15mmのステンレス製蒸発皿に入れ、その重量(W)を測定した。アセトニトリル30ml加え均一に分散させ、30分間室温で放置した後に、120℃で2時間加熱し乾燥後の重量(W)を測定した。発泡剤の内包率は、下記の式により計算される。
内包率(G)={(W−W)(g)/1.0(g)×100−(含水率)}/(中空粒子(A1)に占める中空粒子の重量%)×100(重量%)
(式中、含水率は、上記方法で測定される。)
〔熱膨張性微小球および中空粒子の真比重の測定〕
熱膨張性微小球および中空粒子の真比重は、以下の測定方法で測定した。
真比重は環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下においてイソプロピルアルコールを用いた液浸法(アルキメデス法)により測定した。
具体的には、容量100ccのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WB)を秤量した。秤量したメスフラスコにイソプロピルアルコールをメニスカスまで正確に満たした後、イソプロピルアルコール100ccの充満されたメスフラスコの重量(WB)を秤量した。
また、容量100ccのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WS)を秤量した。秤量したメスフラスコに約50ccの粒子を充填し、粒子の充填されたメスフラスコの重量(WS)を秤量した。そして、粒子の充填されたメスフラスコに、イソプロピルアルコールを気泡が入らないようにメニスカスまで正確に満たした後の重量(WS)を秤量した。そして、得られたWB、WB、WS、WSおよびWSを下式に導入して、粒子の真比重(d)を計算した。
d(d)={(WS−WS)×(WB−WB)/100}/{(WB−WB)−(WS−WS)}
上記で、粒子として中空粒子を用いて、真比重を計算した。
〔熱膨張前後の発泡剤保持率〕
熱膨張前後の発泡剤保持率は、熱膨張性微小球に封入された発泡剤の内包率(G)と膨張後の中空粒子に封入された発泡剤の内包率(G)との割合であり、下記の式により計算される。
発泡剤保持率=G/G×100(%)
〔百分率K〕
中空粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)に対する理論平均膜厚の百分率Kの値は下式より算出できる。
K(%)=(理論平均膜厚)/<x>×100
<x>:中空粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)(μm)
上記のKを計算するために、理論平均膜厚を下式にしたがって算出した。
理論平均膜厚=<x>/2〔1−{1−d(1−G/100)/d1/3
<x>:中空粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)(μm)
:中空粒子の真比重(g/cc)
:中空粒子の外殻を構成する熱可塑性樹脂の真比重(g/cc)
G:中空粒子の発泡剤の内包率(重量%)
上記理論平均膜厚を計算するために、中空粒子の真比重(d)、外殻を構成する熱可塑性樹脂の真比重(d)、発泡剤の内包率(G)が必要であるが、中空粒子の真比重(d)および発泡剤の内包率(G)は上記に示すとおりである。熱可塑性樹脂の真比重(d)は下記に示す。
なお、中空粒子が中空粒子(A1)の場合は、以下のようにして中空粒子(A1)から微粒子充填剤を完全に除去したと仮定した場合の中空粒子の真比重(d)を下式にしたがって算出し、その値を用いて、理論平均膜厚を算出する。
=X/{(100/d)−(Y/d)}
X:中空粒子(A1)に占める中空粒子の割合(%)
Y:中空粒子(A1)に占める微粒子充填剤の割合(%)
中空粒子(A1)は中空粒子と微粒子充填剤で構成されており、上記のXとYの合計は100となる。
:中空粒子の真比重(g/cc)
:微粒子充填剤の真比重(g/cc)
〔中空粒子の珪素含有率〕
エタノールおよび水を95:5の割合で均一溶液を調製し水酸化カリウムを溶解させアルカリ分解液を調製する。熱膨張性微小球1.0gにアルカリ分解液10mLを加え、電気ヒーターにより380℃で30分間以上加熱後、着火し炭化、電気炉にて灰化させる。その後、灰化させた試料に炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムを等量で混合した試薬0.5gを添加し溶融、冷却後、超純水により50mlにメスアップして試料を調製する。得られた試料中の珪素含有量をICP発光分析装置(島津製作所社製、ICP−8100)により測定し、その測定結果から、中空粒子に含まれる珪素の含有率を算出する。
〔中空粒子の外殻を構成する熱可塑性樹脂の真比重測定〕
外殻樹脂(外殻を構成する熱可塑性樹脂)の真比重dの測定は、中空粒子3gをアセトニトリル900mlに分散させた後に超音波分散機30分間で処理し、室温で3時間放置した後、120℃で5時間加熱乾燥した。得られた乾燥中空粒子を真空ポンプでさらに2時間減圧乾燥し、質量変化が無いことを確認し、実施例に記載の真比重の測定方法と同様にして外殻樹脂の真比重を測定した。
〔加圧による真比重変動値(F)〕
中空粒子の真比重をあらかじめ測定しておく(加圧前の真比重:d1)。中空粒子0.3gをステンレス製シリンダー(φ22.3mm;断面積4.0cm)に充填し、テンシロン試験機(UTM−III−100、TOYOBALDMIN、株式会社製:東洋ボールドウィン)を用い、20℃の環境下で、クロスヘッドスピード毎分4mmにて圧縮を開始し、1.96MPaで10分間、一定荷重を掛ける(定荷重試験)。その後の中空粒子の真比重を測定し(加圧後の真比重:d2)、下式にて加圧による真比重変動値(F)を算出する。なお、中空粒子が中空粒子(A1)の場合は、ステンレス製シリンダーへの充填する量を1.0gとする。
加圧による真比重変動値(F)=d2/d1
〔中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)〕
以下のアルミ容器に中空粒子を300ml入れる。規定量の中空粒子を体積分測りとるには、下記の計算式で得られた重量を測りとればよい。
中空粒子の重量(W)(g)=中空粒子の体積(V)(ml)×中空粒子の真比重(d)(g/cc)
アルミ容器:環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下においてガス透過性の無いアルミ容器(最大容量1.4L、膜の厚み:114μm:ラミジップAL−18)を用いる。当該アルミ容器は、内部の体積の増減によりアルミのフィルム自体の伸縮はしないが、袋の形状は変形する。
次にアルミ容器の体積が約900mlになるようにして開口部分を熱溶着で密閉する。液浸法(アルキメデス法)を用いて、密閉したアルミ容器の体積(Y1)(ml)測定する。密閉したアルミ容器を、環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間静置させておく。当該期間経過後に、液浸法(アルキメデス法)を用いて、密閉したアルミ容器の体積(Y2)(ml)を測定する。中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)を以下の式にて計算した。
中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)=(Y1−Y2)/300
<熟成評価基準>
(Z)<−0.2:×
−0.2≦(Z)<−0.05:△
−0.05≦(Z)≦0.05:◎
0.05<(Z)≦0.2:○
0.2<(Z)≦1:△
1<(Z):×
〔中空粒子に含まれる空気量の体積割合(P)〕
中空粒子W(g)を1Lの容器に入れ、DMF(ジメチルホルムアミド)にて容器を満たした後、密閉する。上記の容器を90℃で12時間加温し、発生した気体を、DMFを用いた水上置換法の変法にて気体を捕集する。水上置換法にて捕集した気体の量を測定し、酸素ガスセンサ(機種:PS−2126A、測定方式:ガルバニ電池式)にて、その気体中の酸素濃度を測定する。捕集された気体量とその気体中の酸素濃度より、中空粒子内に内包されている空気の量を定量することができる。捕集した気体中の空気量は以下の式にて計算した。
捕集した気体中の空気量(V)=V1×C/20.9
捕集した気体量(V1)(ml)
気体中の酸素濃度(C)(体積%)
中空粒子に含まれる空気量の体積割合(P)は、以下の式にて計算した。当該体積割合(P)は、中空粒子(A)全体の体積を100%としたときの割合となる。
中空粒子に含まれる空気量の体積割合(P)(%)=V×d×100/W
中空粒子の重量:W(g)
中空粒子の真比重:d(g/cc)
<熟成評価基準>
(P)<10:×
10%≦(P)<30%:△
30%≦(P)<50%:○
50%≦(P):◎
〔製造例1〕
イオン交換水600gに、シリカ有効成分量が20重量%であるコロイダルシリカA80g、ポリビニルピロリドン1gおよびカルボキシメチル化されたポリエチレンイミン類(CMPEI;置換アルキル基:−CHCOONa、置換率:80%、重量平均分子量:5万)を0.1g加えた後、得られた混合物のpHを2.8〜3.2に調整し、水性分散媒を調製した。なお、CMPEIについては、国際公開第2008/142849号パンフレットの第0140段落記載のものと同じ。
これとは別に、アクリロニトリル150g、メタクリロニトリル100g、イソボルニルメタクリレート15g、ジエチレングリコールジメタクリレート0.5g、発泡剤としてのイソブタン20g、イソペンタン40g、および、純度70%のジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート3gを混合して油性混合物を調製した。水性分散媒と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(プライミクス社製、TKホモミキサー)により、回転数12000rpmで2分間分散して、懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度55℃で20時間重合反応した。重合後、重合生成物を濾過、乾燥して、熱膨張性微小球を得て、その物性を評価し、表1に示した。
〔製造例2〜7〕
製造例2〜7では、実施例1において、表1に示すように反応条件をそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様に重合して、熱膨張性微小球を得た。さらに、その物性を評価し、表1に示した。
Figure 2016130308
上記表1において、以下の略号が使用されている。
CMPEI:ポリエチレンイミン類(置換アルキル基:−CHCOONa、置換アルキル基の置換率:80%、重量平均分子量:5万)。なお、カルボキシメチル化ポリエチレンイミン・Na塩とも表記される。
PVP:ポリビニルピロリドン
AN:アクリロニトリル
MAN:メタクリロニトリル
IBX:イソボルニルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
TMP:トリメチロールプロパントリメタクリレート
EDMA:ジエチレングリコールジメタクリレート
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
OPP:ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(純度70%)
コロイダルシリカ分散液A(平均粒子径11nm、比表面積260m/g、コロイダルシリカ有効濃度20重量%)
コロイダルシリカ分散液B(平均粒子径25nm、比表面積33m/g、コロイダルシリカ有効濃度20重量%)
熟成前の中空粒子(a)は、特開昭62−201231号公報記載の湿式加熱膨張法によって、以下の製造例A1〜A6のように製造できる。
〔製造例A1〕
(湿式加熱膨張法による中空粒子(a)の製造)
製造例1で得られた熱膨張性微小球を5重量%含有する水分散液(スラリー)を調製した。特開昭62−201231号公報記載の湿式加熱膨張法に従い、このスラリーをスラリー導入管から発泡管(直径16mm、容積120ml、SUS304TP製)に5L/minの流量を示すように送り込み、さらに水蒸気(温度:147℃、圧力:0.3MPa)を蒸気導入管より供給し、スラリーと混合して、湿式加熱膨張した。なお、混合後のスラリー温度(発泡温度)を115℃に調節した。
得られた中空粒子を含むスラリーを発泡管突出部から流出させ、冷却水(水温15℃)と混合して、50〜60℃に冷却した。冷却したスラリー液を遠心脱水機で脱水して、湿化した中空粒子(a)を10重量%含有する中空粒子組成物(すなわち、水90重量%含有)を得た。
〔製造例A2〜A6〕
製造例A2〜6では、製造例A1において、表2に示すように、熱膨張性微小球や発泡温度をそれぞれ変更する以外は、製造例A1と同様にして、中空粒子(a)を含有する中空粒子組成物を得た。なお、表2の「使用した熱膨張性微小球」の欄には、それぞれの熱膨張性微小球を製造した製造例番号を示す。また、表2の「発泡温度・熱風温度・加熱温度(℃)」は、製造例A1〜A6は発泡温度(℃)、製造例B1〜B4は熱風温度(℃)、製造例C1〜C4は加熱温度(℃)を示す。
また、熟成前の中空粒子(a)は、特開2006−213930号公報記載の乾式加熱膨張法によって、以下の製造例B1〜B4のように製造できる。
〔製造例B1〕
(乾式加熱膨張法による中空粒子(a)の製造)
乾式加熱膨張法として特開2006−213930号公報に記載されている内部噴射方法を採用した。具体的には、図2に示す発泡工程部を備えた製造装置を用いて、以下の手順で、製造例1で得られた熱膨張性微小球を用いて、中空粒子(a)を製造した。
(発泡工程部の説明)
図2に示すとおり、発泡工程部は、出口に分散ノズル(11)を備え且つ中央部に配置された気体導入管(番号表記せず)と、分散ノズル(11)の下流部に設置された衝突板(12)と、気体導入管の周囲に間隔を空けて配置された過熱防止筒(10)と、過熱防止筒(10)の周囲に間隔を空けて配置された熱風ノズル(8)とを備える。この発泡工程部において、気体導入管内の矢印方向に熱膨張性微小球を含む気体流体(13)が流されており、気体導入管と過熱防止筒(10)との間に形成された空間には、熱膨張性微小球の分散性の向上および気体導入管と衝突板の過熱防止のための気体流(14)が矢印方向に流されており、さらに、過熱防止筒(10)と熱風ノズル(8)との間に形成された空間には、熱膨張のための熱風流が矢印方向に流されている。ここで、熱風流(15)と気体流体(13)と気体流(14)とは、通常、同一方向の流れである。過熱防止筒(10)の内部には、冷却のために、冷媒流(9)が矢印方向に流されている。
(製造装置の操作)
噴射工程では、熱膨張性微小球を含む気体流体(13)を、出口に分散ノズル(11)を備え且つ熱風流(15)の内側に設置された気体導入管に流し、気体流体(13)を前記分散ノズル(11)から噴射させる。
分散工程では、気体流体(13)を分散ノズル(11)の下流部に設置された衝突板(12)に衝突させ、熱膨張性微小球が熱風流(15)中に万遍なく分散するように操作される。ここで、分散ノズル(11)から出た気体流体(13)は、気体流(14)とともに衝突板(12)に向かって誘導され、これと衝突する。
膨張工程では、分散した熱膨張性微小球を熱風流(15)中で膨張開始温度以上に加熱して膨張させる。その後、得られた中空粒子を冷却部分に通過させる等して回収する。
(膨張条件および結果)
図2に示す製造装置を用い、膨張条件として、原料供給量0.8kg/min、原料分散気体量0.35m3/min、熱風流量8.0m3/min、熱風温度290℃に設定し、熟成前の中空粒子(a)を得た。
〔製造例B2〜B5〕
製造例B2〜B5では、製造例B1において、表2に示すように、熱膨張性微小球や熱風温度をそれぞれ変更する以外は、製造例B1と同様にして、熟成前の中空粒子(a)を得た。
〔製造例C1〕
製造例1で得られた熱膨張性微小球(外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化点:109℃)20重量部と、タルク(松村産業株式会社製のハイフィラー#12;レーザー回折法による平均粒子径約3μm)80重量部とをセパラブルフラスコに添加混合した。次いで、攪拌しながら5分間かけて加熱温度130℃まで昇温して、微粒子充填剤が付着した熟成前の中空粒子(a)を得た。
〔製造例C2〜C5〕
製造例C2〜C5では、製造例C1において、表2に示すように、熱膨張性微小球や加熱温度をそれぞれ変更する以外は、製造例C1と同様にして、微粒子充填剤が付着した熟成前の中空粒子(a)を得た。
Figure 2016130308
〔実施例D1〕
製造例A1で得られた中空粒子(a)を20℃の環境下で7日間、熟成させ、中空粒子D1を得た。中空粒子に対する取り込み空気量の体積割合(Z)、中空粒子に含まれる空気量の体積割合(P)は表3に示す通りである。さらに、その物性を評価し、表3に示した。
得られた中空粒子を単離し、その真比重は0.020であった。
また、得られた中空粒子について体積基準の累積粒子径を測定した結果、体積基準の累積10%粒子径(D10)が16μm、体積基準の累積50%粒子径(D50)が32μm、体積基準の累積80%粒子径(D80)が41μm、体積基準の累積90%粒子径(D90)が50μmであった。得られた中空粒子の体積基準の累積90%粒子径(D90)および累積50%粒子径(D50)の比率(D90/D50)は1.6であった。また、個数基準の累計80%粒子径は19μmであった。また、得られた中空粒子の珪素含有率は、2.3%であった。また、得られた中空粒子の発泡剤の内包率は、14.7%であり、中空粒子の理論平均膜厚は、0.083μmであった。そして、百分率Kは0.26%であった。
〔実施例D2〜D22、比較例d1〜d20〕
実施例D2〜D22、比較例d1〜d20では、実施例D1において、表3〜6に示すように、中空粒子(a)や熟成温度、期間をそれぞれ変更する以外は、実施例D1と同様にして、中空粒子D2〜D22、d1〜d20を得た。さらに、その物性を評価し、表3〜6に示した。
Figure 2016130308
Figure 2016130308
Figure 2016130308
Figure 2016130308
〔実施例E1〕
(セラミック組成物の製造)
実施例D1で得られた中空粒子D1(4部)、無機成分でセラミック材料として用いられるコージェライト化原料(300部)、セルロース系バインダーとしてのメチルセルロース(15部)および水(90部)からなるセラミック組成物を調製し、よく混練しておいた。
(セラミック成形物の製造)
上記で得られたセラミック組成物を、下記の押出成形条件に設定した真空押出成形機(本田鉄工製DE−50D)を用いて押出成形し、未焼成であるセラミック成形物を得た。
押出成形の際、押出直後のセラミック成形物の断面積を計測し、下記に示す評価基準にて押出成形時の寸法安定性を評価した。結果は表7に示すとおりであった。
次いで、得られた未焼成であるセラミック成形物を一定体積になるように裁断し、島津製作所(株)製の上皿電子分析天秤AX200および比重測定キットSMK−301を用いて、その比重(杯土密度)を測定した。セラミック成形物の比重が低いほど、焼成後のセラミック構造物の気孔率が大きくなる相関関係があるので、セラミック構造物の気孔率をセラミック成形物の比重で評価した。セラミック成形物の気孔率向上効果の評価基準は下記のとおりであり、結果は表7に示すとおりであった。
(セラミック構造物の製造1)
上記で得られたセラミック成形物に対して、乾燥工程(70℃、12時間)、脱脂工程(150℃で5時間後、150℃から400℃へ昇温速度5℃/minで昇温、400℃で5時間)、焼結工程(1430℃、10時間)からなる焼成を行い、平板状のセラミック構造物を作製した。
焼成後のセラミック構造物の断面積を計測し、下記に示す評価基準にて焼成時の寸法安定性を評価した。結果は表7に示すとおりであった。
〔押出成形条件〕
系内温度:30℃
真空度:−0.096MPa以下
ダイスの大きさ:40mm×10mm
〔押出成形時の寸法安定性〕
(押出直後のセラミック成形物の断面積)/(ダイスの断面積)を計算してOSとし、以下に示す評価基準で押出成形時の寸法安定性を評価した。
◎:OS<1.02
○:1.02≦OS<1.05
△:1.05≦OS<1.1
×:1.1≦OS
〔セラミック構造物の気孔率(セラミック成形物の比重)の評価〕
◎:セラミック成形物の比重が1.4未満。
○:セラミック成形物の比重が1.4以上1.6未満。
△:セラミック成形物の比重が1.6以上1.7未満。
×:セラミック成形物の比重が1.7以上。
〔焼成時の寸法安定性〕
{(セラミック成形物の断面積)−(セラミック構造物の断面積)}/(セラミック成形物の断面積)を計算してSSとし、以下に示す評価基準で焼成時の寸法安定性を評価した。
◎:SS<0.12
○:0.12≦SS<0.15
△:0.15≦SS<0.20
×:0.2≦SS
(セラミック構造物の製造2)
上記で得られたセラミック組成物を真空土練機にて脱気して押出成形物を得た後、格子状のスクリーンの押出機にてハニカム型構造を有するセラミック成形物を得た。このセラミック成形物の両端面部を千鳥格子に互い違いに封止し、上記製造1と同様に焼成することで、ハニカム型構造を有するセラミック構造物を得た。このセラミック構造物は排ガスの微粒子捕集用フィルタとして気孔率が高く有効に利用でき、寸法安定性に優れていた。
〔実施例E2〜E22および比較例e1〜e20〕
実施例E2〜E22および比較例e1〜e20では、実施例E1において、セラミック組成物に含まれるそれぞれの成分および量を表7〜10に示すようにそれぞれ変更する以外は、実施例E1と同様にしてセラミック組成物、セラミック成形物およびセラミック構造物(製造1および製造2の両方)をそれぞれ作製した。実施例E2〜E22で得たハニカム型構造を有するセラミック成形物では、実施例E1と同様に、排ガスの微粒子捕集用フィルタとして気孔率が高く有効に利用でき、押出時及び焼成時の寸法安定性に優れていた。一方、比較例e1〜e20で得たハニカム型構造を有するセラミック成形物では、実施例と比較して、気孔率が低く、また押出時及び焼成時の寸法安定性も劣っていた。
Figure 2016130308
Figure 2016130308
Figure 2016130308
Figure 2016130308
表7〜10の結果より、本発明のセラミック組成物用造孔材、セラミック組成物、セラミック成形物およびセラミック構造物は、優れた性能を有することが明らかになった。
本発明のセラミック組成物用造孔材を用いることによって、得られるセラミック構造物は気孔率が高く、押出成形時および焼成時の寸法安定性に優れる。セラミック構造物は、ディーゼルパティキュレートフィルタ等の多孔質セラミックフィルタに用いられ、環境負荷低減に有用である。
4 中空粒子(A1)
5 外殻
6 微粒子充填剤(吸着された状態)
7 微粒子充填剤(めり込み、固定された状態)
8 熱風ノズル
9 冷媒流
10 過熱防止筒
11 分散ノズル
12 衝突板
13 熱膨張性微小球を含む気体流体
14 気体流
15 熱風流

Claims (15)

  1. 中空粒子(A)を必須とするセラミック組成物用造孔材であって、
    前記中空粒子(A)が、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球の膨張体であり、
    前記中空粒子(A)に含まれる空気量の体積割合(P)が、前記中空粒子(A)全体の体積を100%としたとき、30%以上である、
    セラミック組成物用造孔材。
  2. 前記中空粒子(A)の珪素含有率が0.1〜15重量%である、請求項1に記載のセラミック組成物用造孔材。
  3. 前記中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)が1〜20μmであり、体積基準の累積80%粒子径(D80)が55μm未満である、請求項1または2に記載のセラミック組成物用造孔材。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、ニトリル系単量体を80重量%以上含有する重合性成分の重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック組成物用造孔材。
  5. 前記ニトリル系単量体が、アクリロニトリル(AN)およびメタクリロニトリル(MAN)を必須とし、その重量割合(AN/MAN)が1〜3の範囲にある、請求項4に記載のセラミック組成物用造孔材。
  6. 前記中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)に対する理論平均膜厚の百分率Kの値が0.3〜5%である、請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック組成物用造孔材。
  7. 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球を得る工程(1)と、
    前記熱膨張性微小球を加熱膨張させて中空粒子(a)を得る工程(2)と、
    前記中空粒子(a)を温度1〜50℃の範囲で、3日間以上熟成して、中空粒子(A)を得る工程(3)とを含む、
    セラミック組成物用造孔材の製造方法。
  8. 前記工程(1)が、平均粒子径1〜20nmのコロイダルシリカを含有するpHが7以下である水性分散媒中に、重合性成分および発泡剤を含有する油性混合物を分散させ、前記重合性成分を重合させる工程を含み、
    前記コロイダルシリカの配合量が前記重合性成分および発泡剤の合計100重量部に対して0.1〜15重量部である、
    請求項7に記載のセラミック組成物用造孔材の製造方法。
  9. 前記中空粒子(A)の珪素含有率が0.1〜15重量%である、請求項7または8に記載のセラミック組成物用造孔材の製造方法。
  10. 前記中空粒子(A)の体積基準の累積50%粒子径(D50)が1〜20μmであり、体積基準の累積80%粒子径(D80)が55μm未満である、請求項7〜9のいずれかに記載のセラミック組成物用造孔材の製造方法。
  11. 前記熱可塑性樹脂が、ニトリル系単量体を80重量%以上含有する重合性成分を重合して得られる樹脂である、請求項7〜10のいずれかに記載のセラミック組成物用造孔材の製造方法。
  12. 無機成分と、請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック組成物用造孔材を含み、
    前記セラミック組成物用造孔材の重量割合が無機成分およびセラミック組成物用造孔材の合計量の0.1〜50重量%である、セラミック組成物。
  13. 請求項12に記載の組成物を成形してなる、セラミック成形物。
  14. 請求項13に記載のセラミック成形物を焼成してなる、セラミック構造物。
  15. ハニカム型構造を有する、請求項14に記載のセラミック構造物。
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