JP2007145289A - ステアリングホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグ装置とホーンスイッチ機構との主要な構成部品を配置させる平面視の外形形状を、極力、小さくできるステアリングホイールの提供。
【解決手段】折り畳んだエアバッグを収納するケース26の底壁部27が、略正方形としている。エアバッグをケース底壁部27に取り付けるためのリテーナ17が、エアバッグにおける膨張用ガスの流入用の開口15aを中心として、ボルト19を配設させた四隅18cを、それぞれ、ケースの底壁部の四隅27cの方向に向かうように、配置させて、ケース26内に収納される。ホーンスイッチ機構を構成する各スイッチ体39は、ステアリングホイールの上方から見て、ケース底壁部の外周縁の三辺の中点を通ってケースから離れる方向の垂線VL・VB・VR上とし、かつ、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、ケースの側壁部28の近傍位置に、配置されている。
【選択図】図19
【解決手段】折り畳んだエアバッグを収納するケース26の底壁部27が、略正方形としている。エアバッグをケース底壁部27に取り付けるためのリテーナ17が、エアバッグにおける膨張用ガスの流入用の開口15aを中心として、ボルト19を配設させた四隅18cを、それぞれ、ケースの底壁部の四隅27cの方向に向かうように、配置させて、ケース26内に収納される。ホーンスイッチ機構を構成する各スイッチ体39は、ステアリングホイールの上方から見て、ケース底壁部の外周縁の三辺の中点を通ってケースから離れる方向の垂線VL・VB・VR上とし、かつ、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、ケースの側壁部28の近傍位置に、配置されている。
【選択図】図19
Description
本発明は、ステアリングホイール本体の上部にエアバッグ装置を配設させたステアリングホイールに関し、詳しくは、エアバッグ装置とステアリングホイール本体との間に、複数のスイッチ体を備えてなるホーンスイッチ機構を、配設させているステアリングホイールに関する。
従来、ステアリングホイールでは、エアバッグ装置とステアリングホイール本体との間に、複数のスイッチ体を備えてなるホーンスイッチ機構を、配設させているものがある(例えば、特許文献1・2参照)。
このようなステアリングホイールでは、ステアリングホイール本体が、中央付近にステアリングシャフトと接続させるボス部を配設させて、エアバッグ装置が、ステアリングホイール本体のボス部の上部に取り付けられている。また、ホーンスイッチ機構は、エアバッグ装置の押し下げ時にホーンを作動させるように、ステアリングホイール本体とエアバッグ装置との間に、配設されて、複数のスイッチ体を具備して、構成されている。
そして、各スイッチ体は、ステアリングホイール本体側に配置される固定側接点と、エアバッグ装置側に配置されて固定側接点との接触時にホーンを作動させる可動側接点と、固定側・可動側接点相互の間に配設されて、ホーン作動時以外の可動側接点の固定側接点への接触を防止するように、エアバッグ装置側を上方に付勢するコイルばねと、を備えて構成されている。さらに、重量のあるエアバッグ装置側をコイルばねが支持していても、不必要に可動側接点を固定側接点に接触させることなく、また、ホーン作動時の操作フィーリングを良好にできるように、ばねの操作荷重を極力低減するために、少なくとも一つのホーンスイッチ体のコイルばねが、望ましくは、全てのホーンスイッチ体のコイルばねが、上下方向の中央位置を、全てのホーンスイッチ体のばねで支持される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに、配置させて、配設されていた。
さらに、エアバッグ装置は、折り畳まれて収納されて、円形に開口する流入用開口からの膨張用ガスの供給時に膨張するエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、膨張時のエアバッグを突出可能として折り畳まれたエアバッグを覆うパッドと、折り畳まれたエアバッグを収納するとともに、エアバッグ、インフレーター、及び、パッドを保持するケースと、エアバッグ内に配設されてエアバッグをケースに取り付けるための環状のリテーナと、を備えて構成されている。リテーナは、内周側にエアバッグの流入用開口と等しい形状に開口させた挿通孔を配設させるとともに、挿通孔の周縁の放射状に位置する四隅に、エアバッグをケースに取り付けるためのボルトを突設させて、エアバッグの流入用開口の周縁全周をケース底壁部に押えて取付可能な略四角環状体として、構成されている。さらに、ケースは、エアバッグの流入用開口の周縁を取り付ける略長方形板状の底壁部と、底壁部の外周縁から上方に略四角筒形状に延びる側壁部と、を備えた略直方体形状として、構成されている。
特開平10−100907号公報
特開2004−284414号公報
しかし、従来のステアリングホイールでは、ホーンスイッチ機構の各スイッチ体が、操舵時に把持するステアリングホイール本体のリング部に近いように、パッドの外周縁におけるボス部とリング部とを連結するスポーク部の部位に配置されていた。そのため、エアバッグ装置を搭載するボス部付近が、大型化されて、コンパクトな平面形状のエアバッグ装置とは言い難かった。
ちなみに、エアバッグ装置の上方から見た平面形状を小さくするように、エアバッグ装置のエアバッグの折り畳み形状を、エアバッグの展開膨張に支障を生じない状態で、コンパクトにし、かつ、折り畳んたエアバッグを収納するケースの略長方形形状の底壁部を、小さくすることが考えられる。
しかし、エアバッグの流入用開口の周縁を、シール性よく、底壁部に連結させるために、リテーナには、エアバッグの流入用開口の周縁全周を的確に押さえるためのリテーナ自体の内外周の間の幅寸法(押え代)が、ある程度必要となり、また、ケースの底壁部側でも、リテーナのボルトに螺合させるナットを締め付けるためのスペースが、必要となる。
そのため、従来のステアリングホイールでは、エアバッグ装置とホーンスイッチ機構との主要な構成部品を配置させる平面視の外形形状に関し、コンパクトにする点に、課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアバッグ装置とホーンスイッチ機構との主要な構成部品を配置させる平面視の外形形状を、極力、小さくすることができるステアリングホイールを提供することを目的とする。
本発明に係るステアリングホイールは、中央付近にステアリングシャフトと接続させるボス部を配設させたステアリングホイール本体と、ボス部の上部に取り付けられるエアバッグ装置と、ステアリングホイール本体とエアバッグ装置との間に配設されて、エアバッグ装置の押し下げ時にホーンを作動させるホーンスイッチ機構と、を備えて構成され、
ホーンスイッチ機構が、ステアリングホイール本体側に配置される固定側接点と、エアバッグ装置側に配置されて固定側接点との接触時にホーンを作動させる可動側接点と、固定側・可動側接点相互の間に配設されて、ホーン作動時以外の可動側接点の固定側接点への接触を防止するように、エアバッグ装置側を上方に付勢するコイルばねと、を具備するスイッチ体を、複数配設させて構成され、
少なくとも一つのコイルばねが、上下方向の中央位置を、全てのコイルばねで支持される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに、配置させて、配設され、
エアバッグ装置が、折り畳まれて収納されて、円形に開口する流入用開口からの膨張用ガスの供給時に膨張するエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、膨張時のエアバッグを突出可能として折り畳まれたエアバッグを覆うパッドと、折り畳まれたエアバッグを収納するとともに、エアバッグ、インフレーター、及び、パッドを保持するケースと、エアバッグ内に配設されてエアバッグをケースに取り付けるための環状のリテーナと、を備えて構成されるとともに、
リテーナが、内周側にエアバッグの流入用開口と等しい形状に開口させた挿通孔を配設させるとともに、挿通孔の周縁の放射状に位置する四隅に、エアバッグをケースに取り付けるためのボルトを突設させて、エアバッグの流入用開口の周縁全周をケース底壁部に押えて取付可能な略四角環状体として、構成され、
ケースが、エアバッグの流入用開口の周縁を取り付ける板状の底壁部と、底壁部の外周縁から上方に筒状に延びる側壁部と、を備えた箱形状として、構成されているステアリングホイールであって、
ケースの底壁部が、略正方形として、構成され、
リテーナが、エアバッグの流入用開口を中心として、ボルトを配設させた四隅を、それぞれ、ケースの底壁部の四隅の方向に向かうように、配置させて、折り畳まれたエアバッグをケース内に取り付ける構成として、
スイッチ体が、それぞれ、
ステアリングホイールの上方から見て、ケースの底壁部の外周縁における四辺の内の少なくとも三辺のそれぞれの中点を通ってケースから離れる方向の垂線上とし、かつ、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、ケースの側壁部の近傍の位置に、
配置されていることを特徴とする。
ホーンスイッチ機構が、ステアリングホイール本体側に配置される固定側接点と、エアバッグ装置側に配置されて固定側接点との接触時にホーンを作動させる可動側接点と、固定側・可動側接点相互の間に配設されて、ホーン作動時以外の可動側接点の固定側接点への接触を防止するように、エアバッグ装置側を上方に付勢するコイルばねと、を具備するスイッチ体を、複数配設させて構成され、
少なくとも一つのコイルばねが、上下方向の中央位置を、全てのコイルばねで支持される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに、配置させて、配設され、
エアバッグ装置が、折り畳まれて収納されて、円形に開口する流入用開口からの膨張用ガスの供給時に膨張するエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、膨張時のエアバッグを突出可能として折り畳まれたエアバッグを覆うパッドと、折り畳まれたエアバッグを収納するとともに、エアバッグ、インフレーター、及び、パッドを保持するケースと、エアバッグ内に配設されてエアバッグをケースに取り付けるための環状のリテーナと、を備えて構成されるとともに、
リテーナが、内周側にエアバッグの流入用開口と等しい形状に開口させた挿通孔を配設させるとともに、挿通孔の周縁の放射状に位置する四隅に、エアバッグをケースに取り付けるためのボルトを突設させて、エアバッグの流入用開口の周縁全周をケース底壁部に押えて取付可能な略四角環状体として、構成され、
ケースが、エアバッグの流入用開口の周縁を取り付ける板状の底壁部と、底壁部の外周縁から上方に筒状に延びる側壁部と、を備えた箱形状として、構成されているステアリングホイールであって、
ケースの底壁部が、略正方形として、構成され、
リテーナが、エアバッグの流入用開口を中心として、ボルトを配設させた四隅を、それぞれ、ケースの底壁部の四隅の方向に向かうように、配置させて、折り畳まれたエアバッグをケース内に取り付ける構成として、
スイッチ体が、それぞれ、
ステアリングホイールの上方から見て、ケースの底壁部の外周縁における四辺の内の少なくとも三辺のそれぞれの中点を通ってケースから離れる方向の垂線上とし、かつ、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、ケースの側壁部の近傍の位置に、
配置されていることを特徴とする。
本発明に係るステアリングホイールでは、エアバッグをケース底壁部に取り付けるためのリテーナが、エアバッグの流入用開口を中心として、リテーナのボルトを配設させた四隅を、それぞれ、ケースの略正方形の底壁部の四隅の方向に向かうように、配置させて、ケースに収納されている。すなわち、リテーナの4本のボルトが、それぞれ、ケース底壁部の四隅位置に配置される態様となり、ケースの底壁部の略正方形の一辺の長さを、極力、短く抑えても、締結するナットを円滑に締め付けるスペースを、確保し易い。勿論、リテーナが、内周側にエアバッグの流入用開口と等しい形状に開口させた挿通孔を配設させて、エアバッグの流入用開口の周縁全周をケース底壁部に押えて取り付ける構成としていても、リテーナは、略四角環状体として、ボルトを略四角環状体の四隅に配設させており、エアバッグの流入用開口の周縁全周を的確に押さえるためのリテーナ自体の内外周の間の幅寸法を、確保しても、ケースの底壁部の領域内で、リテーナを、容易に、配設することができる。
そして、本発明に係るステアリングホイールでは、ホーンスイッチ機構のスイッチ体を、少なくとも三つ使用する構成として、各スイッチ体が、それぞれ、ケースの略正方形の底壁部の外周縁における四辺の内の少なくとも三辺のそれぞれの中点を通って、ケースから離れる方向の垂線上に、配置されている。さらに、これらのスイッチ体が、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、ケースの側壁部の近傍の位置に、配置されている。すなわち、ケースの底壁部の中央を中心として、円弧を描けば、底壁部の外周縁で、最も、外径を大きくする部位が、四隅部分であり、その四隅の外縁付近を通る最大外径の円弧を基準とすれば、各スイッチ体が、ケース底壁部の略正方形の辺の中央を通る垂線上に、配置されているため、ケースの側壁部から離れても、極力、その基準の円弧内、若しくは、その基準の円弧から外にはみ出ても、その基準の円弧近傍に、配置されることとなる。
勿論、スイッチ体は、ケース底壁部の周囲の少なくとも三方を囲むように、配設されているため、各スイッチ体のコイルばねは、エアバッグ装置を、傾かせること無く、バランスよく、支持することができる。
したがって、本発明に係るステアリングホイールでは、エアバッグ装置とスイッチ機構との主要な構成部品を配置させる平面視の外形形状を、極力、ケース底壁部の四隅付近を通る円弧内、若しくは、その円弧近傍の領域内、に抑えて、小さくすることができる。そのため、ステアリングホイール本体の中央のボス部に、操作フィーリングの良好なホーンスイッチ機構を並設させたエアバッグ装置を、小スペースで配設できて、例えば、エアバッグ装置のパッドの天井壁部を小さな円板形状とするように、斬新なデザインのステアリングホイールを製造することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のステアリングホイールWは、図1〜3に示すように、操舵時に把持する円環状のリング部Rと、リング部Rの中央に配置されるボス部Bと、リング部Rとボス部Bとを連結するように左右に2本配設されるスポーク部Sと、を備えて構成され、構成部品上では、ステアリングホイール本体1と、ボス部Bの上部に配置されるエアバッグ装置14と、エアバッグ装置14の押し下げ時にホーンを作動させるように、ステアリングホイール本体1とエアバッグ装置14との間に配設されるホーンスイッチ機構32と、から構成されている。そして、エアバッグ装置14とホーンスイッチ機構32とは、ステアリングホイール本体1に取り付ける際に、予め、相互に一体的に組み付けられてエアバッグモジュールMを形成し、エアバッグモジュールMとして、ステアリングシャフトSS(図3参照)に接続されたステアリングホイール本体1に取り付けて、ボス部Bの上部に、配設されることとなる。
なお、図1に示す符号12の部材は、リング部Rの後部側とボス部Bとを連結するように配設される装飾板である。
また、本明細書での上下・左右・前後の方向は、ステアリングホイールWをステアリングシャフトSSに接続させた状態における車両の直進操舵時を基準として、上下方向は、ステアリングシャフトSSの軸方向に沿った上下方向に対応し、左右方向は、ステアリングシャフトSSの軸直交方向の車両の左右方向に対応し、前後方向は、ステアリングシャフトSSの軸直交方向の車両の前後方向に対応している。
そして、ステアリングホイール本体1は、図2〜6に示すように、リング部R・ボス部B・スポーク部Sの各部を連結するように配置されて、ダイカスト鋳造によって形成される芯金2を備え、芯金2は、リング部Rに配置されるリング部芯金3と、ボス部Bに配置されるボス部芯金4と、各スポーク部Sに配置されて芯金3・4相互を連結するスポーク部芯金5と、から構成されている。なお、リング部芯金3とリング部芯金3側の各スポーク部芯金5の部位とには、合成樹脂製の被覆層8が被覆されている。また、ボス部芯金4は、図3に示すように、ナットNを使用して、ステアリングシャフトSSと接続される部位であり、強度を高めるために、鋼製の鋼部4aが、ステアリングシャフトSSと噛み合うように、埋設されている。そして、芯金2は、鋼部4aの周囲を覆って、各部芯金3・4・5が、アルミニウム合金等から、一体的にダイカスト鋳造されて形成されている。
また、ボス部芯金4と左右の各スポーク部芯金5との境界部位付近には、図6〜8に示すように、エアバッグモジュールMを取り付けるための係止フック6が、芯金3・4・5と一体的に形成されている。各係止フック6は、上方へ突出する突出基部6aと、突出基部6aの上端で、外方に延びる鉤部6bと、を備えて、エアバッグモジュールMの下面側の取付杆部37をスナップ止めするように、構成されている。
さらに、ステアリングホイール本体1は、ボス部Bの下部を覆うように、芯金2にねじ止めされるロアカバー10を備えて構成されている。
なお、二つの係止フック6は、鉤部6bの上面が、先端に向かって下降するような傾斜面としており、エアバッグモジュールMを上方から下降させる際、取付杆部37の側部37bを、左右両側に広げるように、撓ませて、鉤部6bの下面に配置させて、鉤部6bが取付杆部37の側部37bを係止して、エアバッグモジュールMをステアリングホイール本体1に取り付けるように、作用する。そして、エアバッグモジュールMの取り外しは、所定の治具を使用して、取付杆部37の側部37bを引掛けて撓ませ、側部37bを鉤部6bの下面から離脱させて、行うこととなる。
エアバッグ装置14は、図2〜6・9・10に示すように、膨張可能に折り畳まれた袋状のエアバッグ15、エアバッグ15に膨張用ガスを供給するインフレーター22、折り畳まれたエアバッグ15を覆うパッド24、エアバッグ15・インフレーター22・パッド24を保持するケース26、ケース26によるパッド24の保持を補助するホルダ29、及び、インフレーター22やホルダ29とともにエアバッグ15をケース26に取り付けるためのリテーナ17、を備えて構成されている。
エアバッグ15は、膨張完了形状を、側方から見て略楕円形とするように、構成されて、図3・10に示すように、下部側に、膨張用ガスを流入させるように円形に開口する流入用開口15aを備え、開口15aの周縁15bには、ケース26の底壁部27に取り付けるためのリテーナ17のボルト19を貫通させる貫通孔15cが、形成されている。
リテーナ17は、図2・3・10に示すように、内周側にエアバッグ15の流入用開口15aと等しい形状の開口とする挿通孔18aを配設させた略四角環状体の板金製の枠体部18を備え、枠体部18における挿通孔18aの周縁の放射状に位置する四隅に、エアバッグ15をケース26の底壁部27に取り付けるためのボルト19を突設させている。リテーナ17は、貫通孔15cからボルト19を突出させた状態で、エアバッグ15内に収納され、そして、枠体部18におけるボルト19の内側の領域における挿通孔18aの周縁の下面側18bを、エアバッグ15の流入用開口15aの周縁15bの全周をケース26の底壁部27に押える押え代、としている。
なお、枠体部18の四隅18cは、平面視の状態で、それぞれ、エアバッグ15を傷付けないように、1/4円の円弧状の弧面を設けて、形成されている。
また、エアバッグ15は、貫通孔15cからボルト19を突出させてリテーナ17を内部に収納した状態で折り畳まれて、ケース26内に収納され、その折り畳み形状は、図10に示すように、下面側をリテーナ17の外縁形状に略一致(詳しくは、リテーナ17の外縁形状より若干大きく)した略正方形状として、ケース26内の底壁部27上に、嵌め込まれる形状としている。
インフレーター22は、図3・9・10に示すように、上部にガス吐出口22bを備えた略円柱状の本体部22aと、本体部22aの外周面から突出するフランジ部22cと、を備えて構成されている。フランジ部22cには、リテーナ17の各ボルト19を貫通させる貫通孔22dが形成されている。
パッド24は、図1〜4・6・10に示すように、合成樹脂製として、エアバッグ15の膨張時にエアバッグ15を突出可能に所定部位を破断させる天井壁部24aと、天井壁部24aの外周縁付近から下方へ延びる略四角筒形状の側壁部24cと、を備えて構成されている。側壁部24cには、所定位置に、ケース26の側壁部28に設けられた係止突起28aを挿入させて、係止突起28aに側壁部24cを係止させる係止孔24dが形成されている。なお、側壁部24cは、ケース26の側壁部28の周囲に外装される状態として、側壁部28の係止突起28aに係止され、さらに、係止孔24dの周縁が、係止突起28aから外れないように、ホルダ29の側壁部29eに、外周面を押えられて、ケース26に取り付けられている。天井壁部24aは、平面形状を略円形として、前面側に下方へ延びるカバー部24bを備えて構成されている。
ケース26は、図2〜6・10に示すように、板金製として、中央にインフレーター本体部22aを下方から挿入可能な挿通孔27aを備えた底壁部27と、底壁部27の外周縁から上方に延びる略四角筒状の側壁部28と、を備えて構成されている。底壁部27の挿通孔27aの周囲には、リテーナ17の各ボルト19を挿通させる貫通孔27bが形成されている。この底壁部27は、四隅27cに1/4円の弧面を設けた略正方形の板状として、形成されており、さらに、リテーナ17のボルト19をナット20止めする際の締結スペースを確保できるように、リテーナ17の外形形状より、若干大きな形状としている。また、側壁部28には、所定位置に、既述したように、パッド側壁部24cの係止孔24dに挿入させて、側壁部24cを係止する係止突起28aが形成されている。これらの係止突起28aには、上下方向に貫通する貫通孔28bが形成されている。
ケース26によるエアバッグ15とインフレーター22との保持は、エアバッグ15内に配置されるリテーナ17の4本のボルト19を、図3に示すように、エアバッグ15・ケース26・ホルダ29・インフレーター22のフランジ部22cに貫通させてナット20止めすることにより、行なっている。なお、このナット20止めにより、インフレーター22やエアバッグ15の他に、ホルダ29も、ケース26に一体的に連結されることとなる。また、ケース26によるパッド24の保持は、既述したように、係止突起28aの係止孔24d周縁への係止により、行なっている。
ホルダ29は、図3・4・9・10に示すように、板金製として、中央にインフレーター本体部22aを下方から挿入可能な挿通孔29bを備えた底壁部29aと、底壁部29aの外周縁から上方に延びる略四角筒状の側壁部29eと、を備えて構成されている。底壁部29aの挿通孔29bの周囲には、リテーナ17の各ボルト19を挿通させる貫通孔29cが形成されている。また、側壁部29eには、所定位置に、パッド側壁部24cを係止する係止突起28aの貫通孔28bに挿入されて、係止孔24dの周縁が、係止突起28aから外れないようにするための閂片29fが、上方へ突設されている。なお、符号29dの部材は、側壁部29eの切り欠かれた部位に、底壁部29aから横方向に延設された位置規制突片であり、位置規制突片29dは、パッド24の側壁部24cの下端を当接させて、パッド24とホルダ29との相互の高さ位置を一定に調整するものである。
そして、ホルダ29の側壁部29eの上端付近には、左右両側と後部側とに、外方へ横方向に延びる3つのスイッチ可動側取付部30が形成され(図10参照)、これらの各取付部30は、図3・11・12に示すように、ホーンスイッチ機構32をボルト30止めするためのものであり、連結ボルト60を下方側から貫通させて螺合させるナット30aを、上面側に固着させている。
これらの取付部30の中心となるナット30aの配置位置は、図19に示すように、平面視の状態で、ケース26の底壁部27の外周縁における四辺の内の少なくとも三辺(右辺27dL・後辺27dB・左辺27dR)のそれぞれの中点LC・BC・RCを通って、ケース26から離れる方向の垂線VL・VB・VR上とし、かつ、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置14の周辺部品(ロアカバー10・被覆層8・装飾板12等)への干渉を防止可能な範囲で、ケース26の側壁部28の近傍の位置に、配置されている。なお、取付部30の中心となるナット30aの配置位置は、ケース26の側壁部28側に接近させて、ホルダ29の側壁部29eに接触するように、ナット30aを配置させてもよいが、ホーン作動時の押し下げ時に、エアバッグ装置14側を左右や前後のぶれを無くして、直下に、押し下げることが、部品の寸法精度や組付精度の誤差等により、困難であるため、ホーン作動時の干渉防止用の余裕スペースが必要となり、その余裕スペースを設ける分、各ナット30aが、側壁部28から離れることとなる。
また、ホルダ29には、ホーン作動回路の正極側に導通するように、図示しないリード線が結線されている。
実施形態のホーンスイッチ機構32は、図3・9〜12に示すように、ステアリングホイール本体1側の係止フック6に係止させる取付杆部37を保持する取付基板33と、取付基板33のスイッチ固定側取付部35に取り付けられるスイッチ体39と、から構成され、各スイッチ体39に挿通される連結ボルト60を利用して、エアバッグ装置14に組み付けられて、エアバッグモジュールMを形成している。
取付基板33は、板金製として、図9・10に示すように、略U字形の板状の連結板部34と、連結板部34の内周縁から下方に延びる保持板部36と、を備えて構成されている。連結板部34には、左右両側と後部側とに、スイッチ固定側の取付部35が、配設されている。これらの取付部35には、図11・12に示すように、スイッチ体39の固定側支持材40をバヨネット結合させるための取付孔35aと、取付孔35aの両側に配置される二つの係止孔35bと、が配設されている。また、各取付部35の取付孔35aは、エアバッグ装置14のホルダ29における各スイッチ可動側の取付部30のナット30aの直下で、かつ、同心上となる位置に配置されるように、構成されている。
保持板部36は、図5・6・9・10に示すように、連結板部34の左右の内周縁に配設されて、それぞれ、左右方向の外方へ延びる上下二段の支持片36a・36bを、備えて構成されている。上下の支持片36a・36bの間には、取付杆部37の側部37bが、配設されている。
取付杆部37は、図6・9・10に示すように、ばね鋼からU字状に曲げられて形成されて、前側で左右方向に延びる前部37aと、前部37aの左右両端から下がって後方側に延びる側部37b・37bと、を備えて構成されている。側部37bの後端37cは、リング部R側に向かうように、外方に屈曲されている。そして、取付杆部37は、左右の側部37b・37bが、取付基板33における左右の保持板部36の上下の支持片36a・36b間に、嵌め込まれるように配置されて、係止フック6に係止される係止部位としている。これらの左右の側部37bは、上下の支持片36a・36bに上下動を規制されて、取付基板33の左右両側の外方側へ、撓み可能に、配設されている。
各スイッチ体39は、図3・11・12・17・18に示すように、ステアリングホイール本体1側に配置される固定側接点48と、エアバッグ装置14側に配置されて固定側接点48との接触時にホーンを作動させる可動側接点58と、固定側・可動側接点48・58相互の間に配設されて、ホーン作動時以外の可動側接点58の固定側接点48への接触を防止するように、エアバッグ装置14側を上方に付勢するコイルばね50と、を備えて構成されている。さらに、各スイッチ体39は、接点48・58を絶縁して支持する固定側支持材40と可動側支持材52とを備え、これらの支持材40・52によって、図17・18に示すように、接点48・58とボルト60とが、一体的なスイッチ組付体Aとして、構成されて、それぞれ、スイッチ固定側取付部35に取り付けることができるように、構成されている。
各固定側支持材40は、図11・12・16〜18に示すように、ポリアセタール等の絶縁性を有した合成樹脂からなって、中央に挿通孔41aを貫通させた略円筒形状に形成されている。そして、略円筒状の筒状部41の下部には、半径方向外方へ延びるフランジ部42と係止板部45とが、上下方向に間隔を空けて、配設されている。
フランジ部42は、円環状として、90°ずつずれた位置の4箇所に、上下方向に貫通する貫通孔42aが形成されている。各貫通孔42aには、固定側接点48の後述する接触部48eの突出部48fが挿通されている。また、フランジ部42には、筒状部41を中心とする対称の位置に、固定側接点48の後述する切り起こし爪48dを係止する係止環部42dが形成されている。さらに、フランジ部42の外周縁には、各貫通孔42aの近傍の位置に、上方へ延びる4つのリング部43が突設されている。各リング部43は、可動側支持材52の後述する係止突起56を係止する係合部を構成するものであり、各係止突起56に係止させることにより、スイッチ組付体Aを形成することができるように構成されている。なお、フランジ部42は、固定側接点48の接触部48eを介在させて、コイルばね50の下端を支持するばね座の役目も果たす。
係止板部45は、筒状部41の下端面と併せて、固定側取付部35の取付孔35aの開口形状に対応するように、三角板形状として、筒状部41を中心とする対称の位置に、2つ配設されている。各係止板部45の上面には、略半球状の係止突起45aが形成されている。
そして、各係止板部45には、下面から下方へ突出する係止脚46がそれぞれ形成されており、これらの係止脚46は、軸部46bの下端で内側に曲る鉤部46aが、連結ボルト60の後述する頭部60aの下面を係止することとなる。なお、各係止脚46の軸部46bの長さは、頭部60aの長さより長く、鉤部46aで頭部60aを係止した状態では、連結ボルト60の後述する雄ねじ部60dの上端が、スイッチ体39の後述する可動側支持材52から僅かに突出する長さとしている。
フランジ部42と係止板部45との間隔は、固定側取付部35の板厚と略等しく設定されており、フランジ部42、係止板部45、及び、それらの間の筒状部41が、固定側支持材45を固定側取付部35の取付孔35aにバヨネット結合させる結合部44を構成している。すなわち、係止板部45・45と筒状部41の下部とを、取付孔35aに貫通させ、さらに、取付孔35aの周縁をフランジ部42と係止板部45との間で挟持するように、固定側支持材40を90°回転させて、固定側支持材40は、固定側取付部35の取付孔35aにバヨネット結合されることとなる。なお、その結合時、各係止板部45の係止突起45aは、固定側取付部35の係止孔35bに嵌合され、固定側支持材40が周方向に回り止めされることとなる。また、筒状部41の下端面には、バヨネット結合時に、固定側支持材40を回転させやすいように、治具等を嵌め込む凹部41bが形成されている。
固定側接点48は、図11・12・15・17・18に示すように、ばね鋼から形成されて、中央に挿通孔48aを貫通させて、固定側支持材40の筒状部41の上端に対応した略円環状の本体部48bを、上端に備えるとともに、本体部48bの両縁から下方へ延びる縦壁部48c・48cを備え、さらに、各縦壁部48cの下端における両側から、ヒレ状に延びる4つの接触部48eを備えて構成されている。各縦壁部48cには、上端側を切り離した切り起こし爪48dが形成されている。また、各接触部48eには、下方へ隆起するように突出する突出部48fが形成されている。固定側接点48は、固定側支持材40の筒状部41に、接触部48eを下方にして、縦壁部48c・48c間を嵌め込み、各切り起こし爪48dを係止環部42bに係止させることにより、上方への抜けを防止されて、固定側支持材40に組み付けられることとなる。この組付時、本体部48bは、固定側支持材40の筒状部41の上端面に支持され、各接触部48eの突出部48fは、固定側支持材40の各貫通孔42aから下方へ突出することとなる。そして、固定側接点48を組み付けた固定側支持材40を固定側取付部35にバヨネット結合させれば、各突出部48fが固定側取付部35に接触し、固定側接点48は、エアバッグモジュールMのステアリングホイール本体1側への取付時、取付基板33の支持部34aが芯金2の支持部5aに当接して、芯金2を介して、ホーン作動回路の負極側に導通することとなる。
各可動側支持材52は、図11・12・14・17・18に示すように、ポリアセタール等の絶縁性を有した合成樹脂からなって、中央に挿通孔53aを貫通させた略円筒状の筒状部53を備えるとともに、筒状部53の上端から外方へ延びる円環状のフランジ部54を備え、さらに、フランジ部54の外周縁から下方へ延びる円筒状のカバー部55を備えて構成されている。筒状部53の内周面には、対向する両側に、可動側接点58を組み付けるための係止突起53bが突設されている。フランジ部54は、コイルばね50の上端のばね座54を構成することとなる。
また、カバー部55は、ホーンスイッチ機構32の操作時における固定側接点48と可動側接点58との相互の接触部位(本体部48b・58b)の周囲を、非操作時においても覆い可能なように、コイルばね50も覆って、下方へ延びている。さらに、カバー部55の下端外周には、90°ずつずれた位置に、先端を上方へ屈曲させた4つの係止片部56が突設されている。これらの係止片部56は、固定側支持材40の各リング部43に係止される係合部を構成するものであり、係合部43・56を係合させて、スイッチ組付体Aを形成する際に使用する。なお、リング部43の開口形状や係止片部56の配置位置は、ホーンを作動させるように可動側支持材52を固定側支持材40側に接近させても、相互に干渉しないように設定されている。
可動側接点58は、図11〜13・17・18に示すように、ばね鋼から形成され、中央に挿通孔58aを有した略円環状の本体部58bを備えるとともに、本体部58bの外周縁から上方へ延びる円筒状の縦壁部58dを備え、さらに、縦壁部58dの上端から外方へ延びる略四角環状の接触部58fを備えて構成されている。本体部58bには、固定側接点48の本体部48bに点接触できるように、4つの凸部58cが下方に突設されている。縦壁部58dには、90°ずつずれた位置に、係止孔58eが形成されている。可動側接点58は、縦壁部58dを上方から筒状部53内に嵌めて、各係止孔58eに所定の係止突起53bを係止させることにより、上方への抜けを防止されて、可動側支持材52に組み付けられている。この組付時には、接触部58fが、可動側支持材52におけるフランジ部54の上面に支持され、凸部58cが、可動側支持材52における筒状部53の下端から下方に突出することとなる。
コイルばね50は、図11・12・17・18に示すように、中央に挿通孔50aを備えた略円筒形状として、上端を可動側支持材52のフランジ部54に当接させ、下端を、固定側接点48の接触部48eを介在させて、固定側支持材40のフランジ部42に当接させている。
連結ボルト60は、図11・12に示すように、円板状の頭部60aと、頭部60aから上方に延びる軸部60bと、を備えて構成されている。軸部60bは、上端側に、可動側取付部30のナット30aに螺合可能な雄ねじ部60dが形成されるとともに、下端側に、雄ねじ部60dより外径寸法を大きくし、かつ、頭部60aより外径寸法を小さくした円柱状の大径部60cが形成されて構成されている。頭部60aの外径寸法は、スイッチ体39を構成する固定側接点48・可動側接点58・固定側支持材40・可動側支持材52・ばね50の挿通孔48a・58a・41a・53a・50aの内径寸法より大きく、固定側支持材40の係止脚46・46で下面側を係止可能に形成されている。また、軸部60bの外径寸法は、挿通孔48a・58a・41a・53a・50aの内径寸法より小さく設定されている。
なお、実施形態の場合には、外径寸法を大径部60cと等しくしたワッシャ62を利用して、連結ボルト60をナット30aに締結している。
そして、連結ボルト60の締結時、大径部60cは、ワッシャ62を介在させて、可動側取付部30の下面側におけるナット30aの周縁に当接し、頭部60aの上面が、固定側支持材40の係止板部45を介在させて、固定側取付部35の下面側における取付孔35aの周縁に当接することから、コイルばね50の付勢力によって相互に離隔するように配置された固定側・可動側接点48・58の接触部位である本体部48bと凸部58cとの距離、すなわち、ホーンストロークを規定することとなる。ちなみに、係合部43・56相互を係合させてスイッチ体39を組み立てた際の、固定側・可動側接点48・58の接触部位である本体部48bと凸部58cとの距離は、連結ボルト60の締結時より、若干、大きく設定されている。
さらに、実施形態の場合、エアバッグモジュールMとして、ステアリングホイール本体1のボス部Bの上方に搭載される際、各スイッチ体39の全てのコイルばね50が、上下方向の中央位置を、全てのコイルばね50で支持される部品の合計重量の重心Gの高さと略等しい高さに、配置させて、配設されるように、ボルト60の軸部60bやワッシャ62の長さ寸法の設定により、ばね座42・54間の距離が、設定されている。
そして、スイッチ体39(スイッチ組付体A)の組み立ては、予め、切り起こし爪48d・48dを各係止環部42bに係止させて、固定側支持材40に固定側接点48を組み付けておくとともに、各係止孔58eに係止突起53bを係止させて、可動側支持材52に可動側接点58を組み付けておく。
そして、コイルばね50の下端を、固定側接点48の各接触部48eを介在させて、フランジ部42上に当接させ、コイルばね50の上端を可動側支持材52のフランジ部54の下面に当接させるように、コイルばね50を介在させて、固定側支持材40と可動側支持52とを接近させ、各リング部43に係止片部56を係止させる。さらに、挿通孔48a・58a・41a・53a・50aに軸部60bを挿通させて、頭部60aの下面を係止脚46・46に係止させて、ワッシャ62とともに連結ボルト60を組み付ければ、スイッチ組付体Aを形成することができる。
ついで、固定側支持材40の結合部44を固定側取付部35の取付孔35aにバヨネット結合させて、取付基板33に対して、3個のスイッチ体39を取り付けて、ホーンスイッチ機構32を組み立てておく。
そして、予め組み立てておいたエアバッグ装置14のホルダ29の各可動側取付部30を各スイッチ体39の上方に配置させて、各連結ボルト60を下方から回し、可動側取付部30の各ナット30aに雄ねじ部60dを螺合させれば、3個のスイッチ体39を設けたホーンスイッチ機構32を、エアバッグ装置14に組み付けることができて、エアバッグモジュールMを組み立てることができる。
なお、ホーンスイッチ機構32のエアバッグ装置14への組付は、実際には、エアバッグ装置14を上下逆に作業台等の上に配置させて、その上方から、各雄ねじ部60dを下面側から突出させた状態で、各取付部30に配置させ、各連結ボルト60を締結することとなる。
なお、エアバッグ装置14の組み立ては、予め、リテーナ17を挿入させた状態で折り畳んだエアバッグ15を、各ボルト19を貫通孔27bから突出させつつ、ケース26内に収納し、ついで、パッド24の側壁部24cをケース26の側壁部28に外装して、ケース26の各係止突起28aをパッド24の係止孔24dに挿入させる。その後、各ボルト19を貫通孔29cに貫通させつつ、ホルダ29の側壁部29eをパッド24の側壁部24cに外装し、各閂片29fを所定の係止突起28aの挿通孔28bに挿入させて、ホルダ29の底壁部29aをケース26の底壁部27に当接させる。ついで、インフレーター22の本体部22aを、下方から、ホルダ29・ケース26の挿通孔29b・27aに挿入させつつ、リテーナ17のボルト19を、インフレーター22の貫通孔22dに貫通させて、ナット20止めすれば、エアバッグ装置14を組み立てておくことができる。
そして、エアバッグモジュールMをステアリングホイール本体1に取り付ける作業は、予め、ステアリングホイール本体1を、ナットNを利用して、ステアリングシャフトSSに接続させた状態で行う。そして、エアバッグモジュールMををステアリングホイール本体1の上方から下降させて行う。その際、エアバッグモジュールMの取付杆部37が、左右の係止フック6の鉤部6bの上面側から鉤部6bの先端を経て鉤部6bの下面側に、撓んで配置されて、取付杆部37の左右の側部37b・37bが、左右の係止フック6に係止されて、エアバッグモジュールMがステアリングホイール本体1の上部に、取り付けられることとなる。
なお、この取付時、エアバッグモジュールMは、上方への移動が、係止フック6の係止により、規制され、下方への移動は、取付基板33の連結板部34における保持板部36の近傍の支持部34aが、図4・5に示すように、芯金2のスポーク部芯金5の支持部5aに支持されて、規制されている。さらに、エアバッグモジュールMの前後の位置規制は、各係止フック6の鉤部6bが、取付基板33における鉤部6bの前後の支持片36a・36bを、位置規制することにより、行われている。
また、エアバッグモジュールMの取付時には、ホルダ29から延びる図示しないリード線を、ホーン作動回路の正極側に結線させておく。
そして、エアバッグモジュールMの取付後におけるホーンスイッチ機構32の操作時には、パッド24を押し下げ操作すれば、取付基板33が支持部5aに支持された状態で、各スイッチ体39のコイルばね50が圧縮されることから、可動側接点58の本体部58b(凸部58c)が固定側接点48の本体部48bに接触して、接点58・48相互が導通し、ホーンが作動することとなる。
また、インフレーター22が作動すれば、インフレーター22のガス吐出口22bからの膨張用ガスがエアバッグ15内に流入され、エアバッグ15が、パッド24の天井壁部24aを押し開いて、大きく膨張することとなる。
そして、実施形態のステアリングホイールWでは、図19に示すように、リテーナ17が、エアバッグ15の流入用開口15aを中心として、ボルト19を配設させた四隅18cを、それぞれ、ケース26の略正方形の底壁部27の四隅27cの方向に向かうように、配置させて、ケース26に収納されている。すなわち、リテーナ17の4本のボルト19が、それぞれ、ケース底壁部27の四隅27c位置に配置される態様となり、ケース26の底壁部27の略正方形の一辺の長さを、極力、短く抑えても、締結するナット20を円滑に締め付けるスペースを、確保し易い。勿論、リテーナ17が、内周側にエアバッグ15の流入用開口15aと等しい形状に開口させた挿通孔18aを配設させて、エアバッグ15の流入用開口15aの周縁15bにおける全周をケース底壁部27に押えて取り付ける構成としていても、リテーナ17は、略四角環状体として、ボルト19を略四角環状体の四隅27cに配設させており、エアバッグ15の流入用開口15aの周縁15bの全周を的確に押さえるためのリテーナ17自体の内外周の間の幅寸法、すなわち、枠体部18の下面側の押え代18bを、確保しても、ケース26の底壁部27の領域内で、リテーナ17を、容易に、配設することができる。
そして、実施形態のステアリングホイールWでは、ホーンスイッチ機構32のスイッチ体39を、少なくとも三つ使用する構成として、各スイッチ体39が、それぞれ、ケース26の略正方形の底壁部27の外周縁における四辺の内の少なくとも三辺27dL・27dB・27dRのそれぞれの中点LC・BC・RCを通って、ケース26から離れる方向の垂線VL・VB・VR上に、配置されている。さらに、これらのスイッチ体39が、ホーン作動時の押し下げ時におけるエアバッグ装置14の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、ケース26の側壁部28の近傍の位置に、配置されている。すなわち、ケース26の底壁部27の中央Oを中心として、円弧を描けば、底壁部27の外周縁で、最も、外径を大きくする部位が、四隅27c部分であり、その四隅27cの外縁付近を通る最大外径の円弧CMを基準とすれば、各スイッチ体39が、ケース底壁部27の略正方形の辺の中央を通る垂線VL・VB・VR上に、配置されているため、ケース26の側壁部28から離れても、極力、その基準の円弧CM内、若しくは、その基準の円弧CMから外にはみ出ても、その基準の円弧CM近傍に、配置されることとなる。
勿論、スイッチ体39は、ケース底壁部26の周囲の少なくとも三方を囲むように、配設されているため、各スイッチ体39のコイルばね50は、エアバッグ装置14を、傾かせること無く、バランスよく、支持することができる。
したがって、実施形態のステアリングホイールWでは、エアバッグ装置14とスイッチ機構32との主要な構成部品(エアバッグ15・リテーナ17・インフレーター22・ケース26・スイッチ体39等)を配置させる平面視の外形形状を、極力、ケース底壁部27の四隅27c付近を通る円弧CM内、若しくは、その円弧CM近傍の領域内、に抑えて、小さくすることができる。そのため、ステアリングホイール本体1の中央のボス部Bに、操作フィーリングの良好なホーンスイッチ機構32を並設させたエアバッグ装置14を、小スペースで配設できて、例えば、エアバッグ装置14のパッド24の天井壁部24aを小さな円板形状とするように、斬新なデザインのステアリングホイールWを製造することができる。
なお、実施形態では、ケース26の略正方形状の底壁部27の三辺近傍の位置に、スイッチ体39を配設した場合を示したが、略正方形状の底壁部の四辺27dL・27dB・27dR・27dFの近傍で、各辺の中点LC・BC・RC・FCの垂線VL・VB・VR・VF上となる4箇所の位置に、スイッチ体39を配設してもよい。
1…ステアリングホイール本体、
2…芯金、
14…エアバッグ装置、
15…エアバッグ、
17…リテーナ、
18a…挿通孔、
18c…(リテーナの)隅、
19…ボルト、
26…ケース、
27…底壁部、
27c…(ケース底壁部の)隅、
28…側壁部、
32…ホーンスイッチ機構、
39…スイッチ体、
48…固定側接点、
50…コイルばね、
58…可動側接点、
G…(ばねが支持する部品の合計重量の)重心、
B…ボス部、
SS…ステアリングシャフト、
W…ステアリングホイール。
2…芯金、
14…エアバッグ装置、
15…エアバッグ、
17…リテーナ、
18a…挿通孔、
18c…(リテーナの)隅、
19…ボルト、
26…ケース、
27…底壁部、
27c…(ケース底壁部の)隅、
28…側壁部、
32…ホーンスイッチ機構、
39…スイッチ体、
48…固定側接点、
50…コイルばね、
58…可動側接点、
G…(ばねが支持する部品の合計重量の)重心、
B…ボス部、
SS…ステアリングシャフト、
W…ステアリングホイール。
Claims (1)
- 中央付近にステアリングシャフトと接続させるボス部を配設させたステアリングホイール本体と、前記ボス部の上部に取り付けられるエアバッグ装置と、前記ステアリングホイール本体と前記エアバッグ装置との間に配設されて、前記エアバッグ装置の押し下げ時にホーンを作動させるホーンスイッチ機構と、を備えて構成され、
前記ホーンスイッチ機構が、前記ステアリングホイール本体側に配置される固定側接点と、前記エアバッグ装置側に配置されて前記固定側接点との接触時にホーンを作動させる可動側接点と、前記固定側・可動側接点相互の間に配設されて、ホーン作動時以外の前記可動側接点の前記固定側接点への接触を防止するように、前記エアバッグ装置側を上方に付勢するコイルばねと、を具備するスイッチ体を、複数配設させて構成され、
少なくとも一つの前記コイルばねが、上下方向の中央位置を、全ての前記コイルばねで支持される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに、配置させて、配設され、
前記エアバッグ装置が、折り畳まれて収納されて、円形に開口する流入用開口からの膨張用ガスの供給時に膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、膨張時の前記エアバッグを突出可能として折り畳まれた前記エアバッグを覆うパッドと、折り畳まれた前記エアバッグを収納するとともに、前記エアバッグ、前記インフレーター、及び、前記パッドを保持するケースと、前記エアバッグ内に配設されて前記エアバッグを前記ケースに取り付けるための環状のリテーナと、を備えて構成されるとともに、
前記リテーナが、内周側に前記エアバッグの流入用開口と等しい形状に開口させた挿通孔を配設させるとともに、前記挿通孔の周縁の放射状に位置する四隅に、前記エアバッグを前記ケースに取り付けるためのボルトを突設させて、前記エアバッグの流入用開口の周縁全周を前記ケース底壁部に押えて取付可能な略四角環状体として、構成され、
前記ケースが、前記エアバッグの流入用開口の周縁を取り付ける板状の底壁部と、該底壁部の外周縁から上方に筒状に延びる側壁部と、を備えた箱形状として、構成されているステアリングホイールであって、
前記ケースの底壁部が、略正方形として、構成され、
前記リテーナが、前記エアバッグの前記流入用開口を中心として、前記ボルトを配設させた四隅を、それぞれ、前記ケースの底壁部の四隅の方向に向かうように、配置させて、折り畳まれた前記エアバッグを前記ケース内に取り付ける構成として、
前記スイッチ体が、それぞれ、
前記ステアリングホイールの上方から見て、前記ケースの前記底壁部の外周縁における四辺の内の少なくとも三辺のそれぞれの中点を通って前記ケースから離れる方向の垂線上とし、かつ、ホーン作動時の押し下げ時における前記エアバッグ装置の周辺部品への干渉を防止可能な範囲で、前記ケースの側壁部の近傍の位置に、
配置されていることを特徴とするステアリングホイール。
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