JP2007144642A - インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク切れの誤検知を防ぐとともに、インク切れによる記録不良が生じることを防止することができるインクカートリッジを提供する。
【解決手段】インクカートリッジ10は、内部にインク12を貯留したインク袋11と、インク袋11を収容するケース13とを有している。インク袋11は、内部に貯留したインク12の消費に伴って一方の面と他方の面とが互いに近接するように変形可能である。インク袋11内には、空気を貯留した空気袋15が一方の面上に配置され、かつ他方の面の空気袋15に対向する位置に空気袋15に先端部を向けた状態で針16が配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】インクカートリッジ10は、内部にインク12を貯留したインク袋11と、インク袋11を収容するケース13とを有している。インク袋11は、内部に貯留したインク12の消費に伴って一方の面と他方の面とが互いに近接するように変形可能である。インク袋11内には、空気を貯留した空気袋15が一方の面上に配置され、かつ他方の面の空気袋15に対向する位置に空気袋15に先端部を向けた状態で針16が配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、内部にインクを収容するインクカートリッジおよびインクカートリッジから記録液の供給を受けて被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
このようなインクジェット記録装置は、特に、紙、糸、繊維、布、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対して記録を行うプリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリに適用される。このようなインクジェット記録装置はまた、プリンタ部を有するワードプロセッサ、プロッター等の装置、画像読み取り装置やファクシミリ等と組み合わせた複合プリンタ、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用される。
なお、本発明における「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することも意味する。
従来から、いわゆるバブルジェット記録方法が知られている。これは、熱などのエネルギーをインクに与えることで、インクに急峻な体積変化を伴う状態変化(気泡の発生)を生じさせ、このインクの状態変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行う記録方法である。
このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、一般に、インクを吐出する吐出ロと、この吐出口に連通するインク流路と、インク流路内に配置され、インクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体とが設けられている(特許文献1参照)。また、物理的にインクに圧力を加え、吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行うインクジェット記録方法もある。
このような記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができる。さらに、この記録方法を行うヘッドは、インクを吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた利点を有している。このため、このインクジェット記録方法は、近年、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの多くのオフィス機器、プリンタ部を有するワードプロセッサ、プロッター、画像読み取り装置やファクシミリ等と組み合わせた複合プリンタ等の装置に利用されている。さらに、インクジェット記録方法は産業用システムにまで利用されるようになってきている。
このようにインクジェット技術が多方面の製品に利用されるようになるに従って、インクジェット記録装置に補給するインクを収容する容器は、その交換作業を容易にするためにカートリッジ化されている。このようにカートリッジ化されたインク収容容器は、インクカートリッジと称されている。さらに、このインクカートリッジと記録ヘッドとをチューブで結合する構成とすることにより、簡単な構成でかつ安価なインクカートリッジが提供されている。
一方、記録ヘッドから被記録媒体に飛翔させたインク滴の数量と、記録ヘッドの目詰まりを回復させる為に使用したインク量との双方をカウントし、インクカートリッジ内のインク残量を検知する方法が実用化されている。このようなインク残量検知方法によれば、インクカートリッジ内のインクを記録動作等によって消費した場合に、インクカートリッジ内のインクが無くなった旨をユーザーに知らせることができる。
ここで、特許文献2に開示された従来のインクカートリッジについて説明する。図5は特許文献2に開示された従来のインクカートリッジを示す分解斜視図である。
図5を参照すると、インクカートリッジのケース103内にはインク袋101が収容されている。インク袋101には弾性体からなるシールキャップ104が取り付けられており、これによりインク袋101は密閉状態が保たれている。インク袋101内へのインク102の注入は、インク袋101をケース103内に組み入れた後に、シールキャップ104に中空針(不図示)を挿入することにより、この中空針を通じて行われる。また、シールキャップ104は、インクカートリッジが取り付けられたインクジェット記録装置内のインク供給管が挿入されることにより、インク袋101内のインク102をインクジェット記録装置に供給可能になる。なお、インク袋101は、内部に収容したインク102の消費に伴って容易に変形する柔軟なシート材によって形成されている。
また、特許文献3には、インクカートリッジ内に少量の空気を注入しておくことで、インク使い切り間際にインクカートリッジから出てくる空気を検出することにより、インク残量が無くなったこと検知する手段が提案されている。
米国特許第4723129号明細書
特開平5−212873号公報
特開2000−318179号公報
インクジェット記録装置に用いられる交換可能なインクカートリッジには、インク切れによる記録不具合を防ぐことや、インクカートリッジの交換時期が近づいていることをユーザに知らせることが望まれている。そのためには、インクカートリッジのインク残量を何らかの手段で検知する必要がある。
前述した通り、記録ヘッドから被記録媒体に飛翔させたインク滴の数量と、記録ヘッドの目詰まりを回復させる為に使用したインク量との双方をカウントし、インクカートリッジ内のインク残量を検知する方法が実用化されている。しかしながらこの方式でも、吐出したインク滴量の誤差や、回復動作時に消費されたインク量の誤差や、インクカートリッジ内に当初から収容されていたインク量の誤差などにより、インクカートリッジ内のインク残量を正確に検知することは困難である。そのため、インク切れによる記録不良を生じさせてしまうことがある。
また、特許文献3に開示された手段では、インクを使い切る前に空気がインクカートリッジから出てしまい、インク切れが誤って検知される可能性がある。
そこで本発明は、インク切れの誤検知を防ぐとともに、インク切れによる記録不良が生じることを防止できるインクカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクカートリッジは、内部にインクを貯留した袋状の液体容器と、該液体容器を収容するケースとを有するインクカートリッジにおいて、前記液体容器は内部に貯留したインクの消費に伴って一方の面と他方の面とが互いに近接するように変形可能であり、前記液体容器内には、気体を貯留し前記一方の面上に配置された気体袋と、前記他方の面の前記気体袋に対向する位置に前記気体袋に先端部を向けた状態で配置された針部材と、が備えられていることを特徴とする。
上記本発明によれば、インク切れの誤検知を防ぐとともに、インク切れによる記録不良が生じることを防止することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の模式図である。図2は、本実施形態に係るインクカートリッジおよびインクジェット記録装置の一部の模式的な断面図である。
本実施形態のインクジェット記録装置は、記録用シート1に記録を行うシリアル型の記録装置である。図1を参照すると、このインクジェット記録装置は、記録ヘッド2の往復移動(主走査)と、一般記録紙、特殊紙、OHPフィルム等の記録用シート1の所定ピッチごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、記録用シート1に記録を行う。このシリアル型の記録装置は、主走査と副走査の動きと同期させながら記録ヘッド2のノズルから選択的にインクを吐出させ、これを記録用シート1に付着させることで、文字や記号、画像等を形成する。
記録ヘッド2は、2本のガイドレール4に摺動自在に支持されたキャリッジ(不図示)に搭載され、不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレールに沿って主走査方向に往復移動される。また、記録用シート1は、搬送ローラ(不図示)によって、記録ヘッド2のインク吐出面に対面し、かつインク吐出面との距離を一定に維持した状態で、記録ヘッド2の往復走査方向に対して交差する副走査方向(図示矢印方向)に搬送される。
記録ヘッド2は、それぞれ異なる色(例えばブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色)のインクを吐出する複数のノズルユニット3を有している。記録ヘッド2から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したインクカートリッジ10a〜10dが、記録ヘッド2とは別体に記録装置内に着脱可能に装着される。インクカートリッジ10a〜10dは、複数の流路を持つインク供給チューブ8の一端と連結ユニット7を介して接続されており、インク供給チューブ8の他端は記録ヘッド2に接続されている。
なお、記録ヘッド2のノズルから選択的にインクを吐出させるエネルギーを発生させる手段としては、電気熱変換素子(発熱ヒータ)や圧電素子をノズル内に配置することが知られている。そのような記録ヘッド2の構造は従来から広く知られているため、本願明細書ではその説明は省略する。
次に、本実施形態のインクカートリッジ10およびインクジェット記録装置の一部の構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、インクカートリッジ10は、液体容器としてのインク袋11とこれを収容するケース13とを有している。インク袋11は、内部に収容した記録液であるインク12の消費に伴って一方の面と他方の面とが互いに近づくように容易に変形する柔軟なシート材によって形成されている。また、インク袋11には弾性体からなるシールキャップ14が取り付けられており、これによりインク袋11は密閉状態が保たれている。その一方で、シールキャップ14は、インクカートリッジ10が取り付けられたインクジェット記録装置内のインク供給管(不図示)が挿入されることにより、インク袋11内のインク12をインクジェット記録装置に供給可能にする。
さらに、本実施形態のインクカートリッジ10は、容易に変形できる柔軟なシート材で形成された空気袋15がインク袋11内の底面上に備えられている。空気袋15内には、所定量の空気がインク12と隔離して封入されている。さらに、インク袋11内における空気袋15に対向する上面には、針16が空気袋15をその先端が向いた状態で設けられている。なお、空気袋15内に封入するのは空気以外の気体であってもよい。
一方、インクジェット記録装置は、インクカートリッジ10と記録装置本体との連結部である連結ユニット7に加え、空気検出部17、空気抜きユニット18およびインク袋加圧ユニット19をさらに備えている。連結ユニット7は、インクカートリッジ10が連結ユニット7に装着されたときにシールキャップ14に挿通される中空針(不図示)を備えている。インク袋11の内部とインク供給チューブ8とは、この中空針と、連結ユニット7内に形成された第1の連通路7aとを介して連通される。
第1の連通路7aには、第1の連通路7a内を流れるインク中に空気(気泡)が含まれているかどうかを検出する空気検出部17が備えられている。空気検出部17の具体的な検出手段としては、第1の連通路7a内を流れるインク中に空気(気泡)を光学的に検知する手段や、第1の連通路7a内を流れるインクの電気抵抗を測定することで空気(気泡)の有無を検出する手段などを用いることができる。
また、連結ユニット7には第1の連通路7aから分岐した第2の連通部7bが形成されている。第2の連通部7bには空気抜きユニット18が接続されている。空気抜きユニット18は、空気検出部17が空気を検出したときに第1の連通路7a内のインクを第2の連通部7bを介して吸引排出することで、第1の連通路7a内のインクに含まれている気泡を排出する。
インク袋加圧ユニット19は、空気検出部17に形成された第3の連通部7cを介してインクカートリッジ10のケース13内に接続されている。インク袋加圧ユニット19は、ケース13内に空気を送り込むことによってケース13内のインク袋11を加圧し、これによりインク袋11内のインク12をインク供給チューブ8を通じて記録ヘッド2へ強制的に供給することを可能にする。なお、本実施形態ではインク袋加圧ユニット19を備えた例をついて説明したが、記録ヘッド2からのインク吐出に伴って発生する負圧を用いて記録ヘッド2へのインク供給が行われる構成であれば、インク袋加圧ユニット19は必ずしも備えられていなくてもよい。
本実施形態のインクカートリッジ10の製造方法について説明する。
本実施形態における針16は、加熱することにより記憶形状に復帰し、その後は温度変化によらず一定の形状を保つ一方向型の形状記憶合金で形成されている。まず、インク袋11の下側部を成すシート上に空気袋15を熱等で溶着する。さらに、インク袋11の上側部を成すシートの空気袋15に対向する位置に、たとえばシート面と平行になる形状に変形させた針16を接着等で固定する。なお、針16は所定の温度に加熱されるとシート面に対して垂直になる形状に復帰するようになっている。
次に、上記の2枚のシートを空気袋15と針16とが対向するように位置決めし、それらのシートを互いに溶着等して接合し、インク袋11を形成する。そして、インク袋11の側面部にシールキャップ14を取り付ける。その後、先端に中空針が設けられた管(不図示)を用いて、インク袋11内の真空脱気とインク12の注入を行う。その具体的な工程の一例を示すと、中空針をシールキャップ14に挿通し、管を介してインク袋11内の空気を吸引してインク袋11内の真空脱気を行い、その後、その管を通じてインク袋11内に所定量のインク12を注入する。
続いて、インク袋11をケース13内に組付けた後にそれらを所定の温度に加熱し、形状記憶合金で形成された針16の形状を、インク袋11のシート面に対して垂直になる形状に復帰させる。これにより、針16はその先端が空気袋15を向いた状態になる。以上により、インクカートリッジ10が完成する。
なお、上記ではインク袋11をケース13に組み込む前にインク袋11内にインク12を注入する場合について説明したが、インク12の注入はインク袋11をケース13に組み込んだ後に行ってもよい。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置におけるインク残量検知動作を説明する。
上記のように構成されたインクジェット記録装置では、記録ヘッドによる記録動作に伴ってインクカートリッジ10内のインク12が減少していく。インクジェット記録装置の制御部(不図示)は、記録ヘッドから吐出したインク滴数、および記録ヘッドのノズル目詰まりを回復させる回復動作時にノズルから排出させたインク量をカウントする。そして、その制御部は、インクカートリッジ10内のインク残量が所定の量を下回ったと判断すると、インクジェット記録装置の表示部(不図示)にインクカートリッジ10の交換時期が迫っている旨を表示する。
その後もそのインクカートリッジ10が継続して使用され、インク袋11内のインク12の残量がさらに少なくなると、インク袋11にかかる圧力によって針16が空気袋15に刺さり、空気袋15に穴が開く。すると、空気袋15から漏れ出た空気がインク袋11から連結ユニット7の第1の連通部7a内に流入する。連結ユニット7内の空気検出部17が第1の連通部7a内を流れる空気を検出すると、検知信号が空気検出部17から制御部に送信される。制御部は、その検知信号を受信すると、記録動作を速やかに中断するとともに、記録装置の表示部(不図示)にインクカートリッジ10の交換を促す旨を表示する。このとき、ユーザがインクカートリッジ10を交換して記録動作を再開させることで、インク切れによる記録不具合が発生することを防ぐことができる。なお、制御部は、制御部が検知信号を受信した時に記録中である記録シートの残りの記録に用いられるインク量が、空気検出部17よりも下流側のインク流路中に存在するインク量よりも少ないかどうかを判断する機能を有していることが好ましい。残りの記録に用いられるインク量がインク流路中に残存しているインク量よりも少ない場合には、制御部は、記録中の記録シートを全て記録してから記録動作を中断させてもよい。
ここで、インクカートリッジ10が交換された時のインクジェット記録装置の動作について説明する。
インクジェット記録装置の制御部は、インクが充填されているインクカートリッジ10がユーザによって交換されたことを、記録装置本体のユーザによるスイッチ操作によって検知する。インクカートリッジ10の交換時には連結ユニット7の第1の連通部7a内に空気が入り込むため、交換後に直ちに記録動作を開始すると記録ヘッドに空気(気泡)が送られてしまい、記録不良が発生する。そのため、制御部は、インクカートリッジ10が交換されたことを検知するとユニット18を作動させ、第1の連通部7a内のインクを吸引してその中に含まれている空気を排出させる。
このように連結ユニット7に存在している空気を排出することにより、インクカートリッジ10の交換後の記録動作開始時にインク供給チューブ8に空気が流入することを防ぐことができる。その結果、インクカートリッジ10の交換後に記録ヘッドに空気が送られて記録不良が発生することを防止できる。
なお、上記ではユーザによるスイッチ操作によって制御部がインクカートリッジ10の交換を検知する構成について説明したが、これに代えて、不図示のマイクロスイッチ等の任意のセンサ手段によってインクカートリッジ10の交換を検知する構成としてもよい。
次に、本実施形態のインクカートリッジの変形例について説明する。
(第1の変形例)
上記では形状記憶合金で針16を形成する例を示したが、針は、インクによって腐食しない限りにおいて、形状記憶合金以外の一般的な金属で形成してもよい。ただし、一般的な金属で針を形成する場合は、インク12の注入後に針をインク袋11内に接着固定することなどにより、インク注入時に針が空気袋15に穴を開けないような製造方法をとらなければならない。
上記では形状記憶合金で針16を形成する例を示したが、針は、インクによって腐食しない限りにおいて、形状記憶合金以外の一般的な金属で形成してもよい。ただし、一般的な金属で針を形成する場合は、インク12の注入後に針をインク袋11内に接着固定することなどにより、インク注入時に針が空気袋15に穴を開けないような製造方法をとらなければならない。
図3は、図2に示したインクカートリッジの変形例を示す図である。図2のインクカートリッジと同様に、図3に示すインクカートリッジ10もインク袋11内に空気袋15を備えている。図2のインクカートリッジでは形状記憶合金からなる針16がインク袋11内の空気袋15に対向する位置に設けられていたのに対し、本変形例のインクカートリッジ10では、インク袋11の外から内部に針先が刺入された針16’が設けられている。本変形例における針16’は、インク12によって腐食しない限りにおいて、形状記憶合金以外の一般的な金属で形成されている。針16’は空気袋15に対向する位置に配置されており、その針先は空気袋15を向いている。インク袋11の針16’が設けられている領域は封止剤30で封止されており、針16’によってインク袋11に開けられた穴からインク12が漏出することが防止されている。
本変形例のインクカートリッジ10の製造方法について説明する。
まず、インク袋11の下側部を成すシート上に空気袋15を熱等で溶着する。次に、このシートにインク袋11の上側部を成すシートを溶着等して接合し、インク袋11を形成する。そして、インク袋11の側面部にシールキャップ14を取り付ける。その後、先端に中空針が設けられた管(不図示)を用いて、インク袋11内の真空脱気とインク12の注入を行う。その具体的な工程の一例を示すと、中空針をシールキャップ14に挿通し、管を介してインク袋11内の空気を吸引してインク袋11内の真空脱気を行い、その後、その管を通じてインク袋11内に所定量のインク12を注入する。
続いて、インク袋11の空気袋15に対向する位置に、インク袋11の外側から針16’を刺入する。そして、針16’の周囲を封止剤30で封止する。その後、インク袋11をケース13内に組付けると、インクカートリッジ10が完成する。
本変形例のインクカートリッジ10においても、記録ヘッドによる記録動作に伴ってインクカートリッジ10内のインク12が減少すると、インク袋11内の圧力が低下する。そして、インク袋11にかかる圧力によって針16’が空気袋15に刺さって空気袋15に穴が開き、空気袋15内の空気がインク袋11内に漏出する。その空気が連結ユニット7内の空気検出部17によって検出されると、上述したように、記録装置の記録動作が中断されるとともに、記録装置の表示部(不図示)にインクカートリッジの交換を促す旨が表示される。
(第2の変形例)
図4は、インクカートリッジの第2の変形例における、インク袋内に収容される空気袋を示す断面図である。
図4は、インクカートリッジの第2の変形例における、インク袋内に収容される空気袋を示す断面図である。
本変形例における空気袋15’も、図2に示した空気袋と同様に容易に変形できる柔軟なシート材で形成されている。ただし、本変形例の空気袋15’には開口部16が形成されている。空気袋15’の開口部16を覆うように、モールド成形等により形成された弁固定部材20が溶着等によって固定されている。弁固定部材20内には、開口部16を塞ぐ大きさのゴムシート21が取り付けられた板ばね22が備えられている。これらの弁固定部材20、ゴムシート21および板ばね22によって、開口部16を塞ぐ弁部材が構成されている。板ばね22は、ゴムシート21が空気袋15’の開口部16を塞ぐように、ゴムシート21を空気袋15’に付勢する。板ばね22のばね定数は、空気袋15’が収容されるインク袋内のインクが所定量を下回ったときに生じる空気袋15’の内外の圧力差によってゴムシート21が開口部16から離れる付勢力を生じるように設定されている。
本変形例の空気袋15’は、図2に示したインクカートリッジと同様にインク袋内に収容されて用いられる。本変形例の空気袋15’を用いた場合でも、インク袋およびインクカートリッジの製造方法は図2や図3を参照して説明した製造方法とほぼ同じである。ただし、本変形例の空気袋15’を用いる場合には空気袋15’を破るための針をインク袋内に備える必要はない。また、空気袋15’はインク袋内に固定されていなくてもよい。なお、本変形例の空気袋15’を用いる場合にはインク袋を真空脱気することはできない。そのため、製造過程でインク袋内に空気が混入した場合には、シールキャップを上に向けて気泡をシールキャップの近傍に集め、シールキャップに挿入した中空針を通じてその気泡をインク袋の外に排出させて、インク袋内の空気を取り除く。
次に、本変形例の空気袋15’を備えたインクカートリッジの動作について説明する。
記録ヘッドによる記録動作に伴ってインクカートリッジ内のインクが減少すると、インク袋内の圧力が低下する。そして、インク袋内のインクが所定量を下回ると、空気袋15’の内外の圧力差により空気袋15’から押し出されようとする空気によって、板ばね22による付勢力に抗してゴムシート21が開口部16から離され、開口部16が開放される。すると、空気袋15’内の空気が開口部16を通じてインク袋内に漏出する。その空気が連結ユニット7内の空気検出部17によって検出されると、上述したように、記録装置の記録動作が中断されるとともに、記録装置の表示部(不図示)にインクカートリッジの交換を促す旨が表示される。
10 インクカートリッジ
11 インク袋
12 インク
13 ケース
15,15’ 空気袋
16,16’ 針
11 インク袋
12 インク
13 ケース
15,15’ 空気袋
16,16’ 針
Claims (6)
- 内部にインクを貯留した袋状の液体容器と、該液体容器を収容するケースとを有するインクカートリッジにおいて、
前記液体容器は内部に貯留したインクの消費に伴って一方の面と他方の面とが互いに近接するように変形可能であり、
前記液体容器内には、気体を貯留し前記一方の面上に配置された気体袋と、前記他方の面の前記気体袋に対向する位置に前記気体袋に先端部を向けた状態で配置された針部材と、が備えられていることを特徴とするインクカートリッジ。 - 内部にインクを貯留した袋状の液体容器と、該液体容器を収容するケースとを有するインクカートリッジにおいて、
前記液体容器は内部に貯留したインクの消費に伴って変形するように構成され、前記液体容器内には気体を貯留した気体袋が備えられており、
前記気体袋には、開口部が形成されているとともに、該開口部を塞ぐ弁部材が備えられており、
前記弁部材は、前記液体容器内のインクが所定量を下回ったときに生じる前記気体袋の内外の圧力差によって前記開口部を開放するように構成されていることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを吐出する記録ヘッドに連通するインク供給路と、
前記インク供給路が接続されており、かつ請求項1または2に記載のインクカートリッジが着脱自在に装着され、前記インク供給路と前記インクカートリッジとを連結させる連結ユニットと、を有するインクジェット記録装置であって、
前記連結ユニットには、前記インクカートリッジから前記インク供給路に流れるインク中に気泡が含まれているか否かを検出する気泡検出手段が備えられていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記インクカートリッジから前記インク供給路に流れるインクを吸引排出することで該インク中に含まれる気泡を除去する気泡除去手段が前記連結ユニットに接続されている、請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 請求項1に記載のインクカートリッジを製造する方法であって、
前記針部材は、所定の温度に加熱することにより記憶形状に復帰し、その後は温度変化によらず一定の形状を保つ一方向型の形状記憶合金で形成され、
前記液体容器の前記一方の面を成すシート材の上に前記気体袋を固定する工程と、
前記液体容器の前記他方の面を成すシート材の上に前記針部材を固定する工程と、
前記気体袋と前記針部材とが対向するように位置合わせし、前記両シート材を互いに接合して前記液体容器を形成する工程と、
前記液体容器内にインクを充填する工程と、
前記液体容器を前記所定の温度に加熱して前記針部材を記憶形状に復帰させ、前記針部材の先端部を前記気体袋に向けさせる工程と、
を有することを特徴とするインクカートリッジの製造方法。 - 請求項1に記載のインクカートリッジを製造する方法であって、
前記液体容器の前記一方の面を成すシート材の上に前記気体袋を固定する工程と、
前記一方の面を成すシート材と前記他方の面を成すシート材とを互いに接合して前記液体容器を形成する工程と、
前記液体容器内にインクを充填する工程と、
前記液体容器の前記気体袋に対向する位置に前記液体容器の外側から前記針部材を刺入し、かつ前記針部材の先端部を前記気体袋に向けた状態で前記針部材を前記液体容器に固定する工程と、
を有することを特徴とするインクカートリッジの製造方法。
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2005
- 2005-11-24 JP JP2005338513A patent/JP2007144642A/ja active Pending
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WO2017003002A1 (ko) * | 2015-07-02 | 2017-01-05 | 송진철 | 액체 팩 및 이를 구비하는 잉크 카트리지 및 프린터 |
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