JP2007143407A - 反応容器及び反応容器処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】好ましい形態では、平板状の基板10の同じ側にサンプル注入部12、タイピング試薬収容部14及びミネラルオイル収容部16が凹部として形成されており、さらに複数のプローブ配置部18も形成されている。タイピング試薬収容部14とミネラルオイル収容部16はフィルム20で封止されており、基板10の表面はフィルム20上からサンプル注入部12、タイピング試薬収容部14、ミネラルオイル収容部16及びプローブ配置部18を被う大きさの剥離可能なシール材22で被われている。液の移送は分注プローブにより行なわれる。
【選択図】図4
Description
患者が敗血症に罹りやすいか否か及び/又は敗血症に急速に進行しやすいか否かを決定するために、患者から核酸サンプルを採取し、該サンプル中におけるパターン2対立遺伝子、又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子を検出し、パターン2対立遺伝子又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子が検出されれば該患者が敗血症に罹りやすいと判定する(特許文献1参照。)。
比較的に少量のゲノムDNAを用いて数十万箇所に及ぶSNP部位についてタイピングを行なうために、少なくとも一つの一塩基多型部位を含む複数の塩基配列を、ゲノムDNA及び複数対のプライマーを用いて同時に増幅し、増幅した複数の塩基配列を用いて、当該塩基配列に含まれる一塩基多型部位の塩基をタイピング工程により判別する。そのタイピング工程として、インベーダ法又はタックマンPCR法を用いる(特許文献3参照。)。
本発明の第1の目的は、化学反応の測定や遺伝子多型検出を自動化するのに適する反応容器を提供することである。
例えば、構成部品はこの反応容器に配置された弾性変形する爪部により保持されている。
本発明の反応容器は、同じ基板に凹部として形成され、サンプルの反応に使用される試薬を収容しフィルムで封止された少なくとも1つの試薬収容部をさらに備えてサンプルの反応用試薬キットを構成していてもよい。
生体サンプルは血液、唾液、ゲノムDNAなどである。
遺伝子増幅試薬の一例はPCR反応試薬である。
タイピング工程はインベーダ法やタックマンPCR法を使用することができる。その場合、タイピング試薬はインベーダ試薬又はタックマンPCR試薬である。
PCR工程では血液などの生体サンプル2にPCR反応試薬4を添加するか、逆にPCR反応試薬4に生体サンプル2を添加する。
プライマーはPCR反応によるDNA合成の開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは合成したものであってもよく、生物界から単離したものであってもよい。
各レポータープローブはそれに対応したSNPの塩基に応じて2種類のものを用意すれば、そのSNPがホモ接合体であるかヘテロ接合体であるかを判別することができる。
反応部のうち少なくとも不揮発性液体が分注されるものはその不揮発性液体を保持できる凹部となっていることが好ましい。
少なくとも反応部は、使用前は剥離可能なシール材で被われていることが好ましい。
タイピング試薬はインベーダ試薬又はタックマンPCR試薬である。
この反応容器処理装置は反応部の温度を制御する反応温度制御部110,120をさらに備え、制御部116は反応温度制御部の温度制御も行なうようにすることができる。
タイピング反応としてインベーダ反応を使用する場合は、タイピング反応温度制御部110はインベーダ反応のための温調部となる。
制御部118を外部から操作したり検査結果を表示したりするために、制御部118にパーソナルコンピュータ(PC)122を接続してもよい。
分注プローブの一例は、先端に使い捨て可能なチップを着脱可能に装着したものである。反応容器の液体収容部がフィルムで封止されていて、そのフィルムで封止された状態で反応容器処理装置に装着される場合には、そのチップにより反応容器のフィルムを貫通して液の吸入を行なうものとなる。
さらに試薬収容部も備えたものは、サンプルの反応用試薬キットとなって、試薬を別途配置する煩わしさがなくなる。
反応部が凹部となっていて不揮発性液体を保持できるようになっておれば、反応部での反応液の蒸発をより効果的に防ぐことができる。
反応部を剥離可能なシール材で被っておけば、使用前はシール材で被っておき、使用時にシール材を剥離することにより、使用前に埃や汚れの付着を防止することができる。
反応容器処理装置が、反応容器に分注チップの構成部品がそれぞれの基端部を上に向けて取りつけられたものを使用し、反応容器処理装置では分注プローブを反応容器に向かって下降させてその先端部に構成部品を嵌め合わせていって分注チップを組み立てるものとすれば、分注チップを装着するための機構が簡単になり、反応容器処理装置全体を小型にすることができる。
平板状の基板10の同じ側に試薬収容部14及び不揮発性液体収容部16が凹部として形成されている。不揮発性液体としてはミネラルオイルを使用し、以後、不揮発性液体収容部をミネラルオイル収容部と称す。基板10の同じ側にはさらに、反応部18も形成されている。試薬収容部14とミネラルオイル収容部16はフィルム20で封止されており、試薬とミネラルオイルを分注プローブで吸入して他の場所に移送する際には、そのフィルム20を取り除いて分注プローブで吸入するか、又はそのフィルム20を分注プローブで貫通可能なものとしておいて分注プローブを貫通させて分注プローブで吸入する。そのようなフィルム20は、例えばアルミニウム箔、アルミニウムとPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの樹脂フィルムとの積層膜などであり、容易に剥がれないように融着や接着により貼りつけられている。
基板10の表面は、フィルム20上から、試薬収容部14、ミネラルオイル収容部16、構成部品42a〜42dの装着部及び反応部18を被う大きさの剥離可能なシール材22で被われている。
図5に示されるように、使用時にシール材22が剥がされる。タイピング試薬収容部14とミネラルオイル収容部16を封止しているフィルム20は剥がされないでそのまま残っている。
反応容器処理装置において、この反応容器に装着されていた分注チップの構成部品42a〜42dが順次嵌め合わされて分注チップ70が分注プローブ28の先端部に装着される。
各プローブ配置部18では反応液がプローブと反応して所定のSNPがあればそのプローブから蛍光が発せられる。蛍光は基板10の裏面側から励起光を照射することにより検出する。
この反応容器は核酸抽出操作を施していない生体サンプルをサンプルとして注入し、PCR反応によるDNAの増幅と、インベーダ反応によるSNP検出を共に行なうものである。ただし、核酸抽出操作を施していない生体サンプルを注入してもよい。
この実施例の反応容器でも、図2の反応容器と同様に、分注チップの構成部品42a〜42dが脱着可能に装着されている。
増幅反応部32はPCR反応試薬とサンプルとの混合液に対して遺伝子増幅反応を行なわせるものである。
サンプル注入部12は、この実施例では核酸抽出操作を施していない生体サンプルが注入されるが、使用前の状態ではまだサンプルが注入されない空の状態で提供される。
各プローブ配置部18も図2の実施例と同じく、複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持しており、ミネラルオイル収容部16からのミネラルオイルが分注されたときにそのミネラルオイルを保持できる凹部となっている。
基板10aも底面側から蛍光を測定するために、低自蛍光性で光透過性の樹脂、例えばポリカーボネートなどの素材で形成されている。基板10の厚さは1〜2mmである。
図9に示されるように、使用時にシール材22が剥がされる。タイピング試薬収容部14、ミネラルオイル収容部16及び遺伝子増幅試薬収容部30を封止しているフィルム20は剥がされないでそのまま残っている。
サンプル注入部12にサンプル25がピペット26などにより0.5〜2μL注入される。図2の実施例では、注入されるサンプルは外部でPCR反応によりDNAが増幅されたサンプル反応液であるが、この実施例で注入されるサンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプル、例えば血液である。サンプルは核酸抽出操作を施した生体サンプルであってもよい。サンプル注入後、この反応容器が検出装置に装着される。
分注プローブ28の先端部に装着された分注チップ70により増幅反応部32から回収された反応終了後のPCR反応液38aはPCR終了液注入部31に移送されて注入される。
各プローブ配置部18では反応液がプローブと反応して所定のSNPがあればそのプローブから蛍光が発せられる。蛍光は基板10の裏面側から励起光を照射することにより検出する。
PCR反応試薬は既知のものであり、例えば特許文献3の段落[0046]に記載されているような、プライマー、DNAポリメラーゼ及びTaqStart (CLONTECH Laboratories社製)を含む反応試薬を使用することができる。また、PCR反応試薬にはAmpDirect(島津製作所製)が混入されていてもよい。プライマーは、例えば、特許文献3の表1に記載されているSNP ID1〜20、配列番号を1〜40などを使用することができる。
上側のヒートブロック62には分注プローブ28による液の移送や吸入、吐出の際に蓋が開くように開閉可能な窓が設けられている。
反応容器41として図2の実施例のように増幅反応部を備えていないものを使用する場合には、増幅反応部の温度を制御する増幅反応温度制御部は不要である。
4 PCR反応試薬
6 インベーダ試薬
8 プローブ配置部
10,10a 基板
12 サンプル注入部
14 タイピング試薬収容部
16 ミネラルオイル収容部
18 プローブ配置部
20 フィルム
22 シール材
28 分注プローブ
30 遺伝子増幅試薬収容部
31 PCR終了液注入部
32 増幅反応部
34a,34b 増幅反応部のポート
36a,36b ポートの開口
41 反応容器
42a〜42d 分注チップの構成部品
60,62 ヒートブロック
64 検出器
66 送液アーム
70 分注チップ
Claims (13)
- 平板状の基板に形成されサンプルに反応を起こさせる少なくとも1つの反応部と、
脱着可能に保持され、分注機構の分注プローブに装着されてサンプル及び/又は試薬を分注する分注チップと、
を少なくとも備えていることを特徴とする反応容器。 - 前記分注チップは順次嵌め合うことにより1つの分注チップを形成するように、該分注チップの基端側から先端側に沿って分割された複数個の筒状構成部品からなり、
最基端側の前記構成部品はその基端側の内径が前記分注プローブの先端部の外面に嵌め合う大きさに設定され、
最先端側の前記構成部品はその先端側の外径が分注チップとして所要の大きさに設定され、
前記最基端側構成部品の基端側内径及び前記最先端側構成部品の先端側外径を除いて、前記各構成部品は先端側の外径がその構成部品の先端側に嵌め込まれる構成部品の基端側の内径に嵌め込まれる大きさに設定されている請求項1に記載の反応容器。 - 前記構成部品は、前記分注プローブと前記最基端側構成部品とが嵌め合わされているときの摩擦力、及び前記構成部品間が嵌め合わされているときの摩擦力よりも小さい力でこの反応容器から脱着できる状態で、かつこの反応容器の平板状の面を水平にしたときに各構成部品の基端側が上になるようにこの反応容器に保持されている請求項2に記載の反応容器。
- 前記構成部品は、この反応容器に配置された弾性変形する爪部により保持されている請求項3に記載の反応容器。
- 前記基板に凹部として形成され、反応液よりも比重の低い不揮発性液体を収容しフィルムで封止された不揮発性液体収容部を備えている請求項1から4のいずれかに記載の反応容器。
- 前記基板に凹部として形成され、前記サンプルの反応に使用される試薬を収容しフィルムで封止された少なくとも1つの試薬収容部をさらに備えてサンプルの反応用試薬キットを構成している請求項1から5のいずれかに記載の反応容器。
- 前記試薬収容部として複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容したタイピング試薬収容部を含み、
前記反応部として前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持した複数のプローブ配置部を含み、
遺伝子多型診断用試薬キットを構成している請求項6に記載の反応容器。 - 前記試薬収容部として複数の多型部位それぞれを挟んで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬を収容した遺伝子増幅試薬収容部をさらに含み、
前記反応部として前記遺伝子増幅試薬とサンプルとの混合液に対して遺伝子増幅反応を行なわせる増幅反応部をさらに含んでいる請求項7に記載の反応容器。 - 前記フィルムは前記分注チップで貫通可能なものである請求項5から8のいずれかに記載の反応容器。
- 前記不揮発性液体はミネラルオイル、植物油、動物油、シリコーンオイル及びジフェニルエーテルからなる群から選ばれた液体である請求項5から9のいずれかに記載の反応容器。
- 対象とする多型が一塩基多型である請求項7から10のいずれかに記載の反応容器。
- 請求項1から11のいずれかに記載の反応容器を装着する反応容器装着部と、
分注プローブによる吸引及び吐出のための機構を備えて液を移送して分注する分注部と、
前記分注部の分注動作を少なくとも制御する制御部と、
を備えた反応容器処理装置。 - 前記反応容器は、前記分注プローブと前記最基端側構成部品とが嵌め合わされているときの摩擦力、及び前記構成部品間が嵌め合わされているときの摩擦力よりも小さい力で前記構成部品がこの反応容器から脱着できる状態で、かつこの反応容器の平板状の面を水平にしたときに各構成部品の基端側が上になるように前記構成部品がこの反応容器に保持されているものであり、
前記制御部は、前記分注プローブを反応容器に向かって下降させて最基端側構成部品に差し込み、上昇させることによりその構成部品を反応容器から脱着させ、その構成部品に嵌め合わされる次の構成部品に向かって下降させて差し込み、上昇させることによりその構成部品を反応容器から脱着させる操作を繰り返して分注チップを分注プローブの先端に装着する操作も制御するものである請求項12に記載の反応容器処理装置。
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