JP2007142874A - スピーカシステムおよびスピーカエンクロージャー - Google Patents

スピーカシステムおよびスピーカエンクロージャー Download PDF

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【課題】スピーカエンクロージャーが小型であっても低域を増大させて出力する。
【解決手段】スピーカ10が駆動されると、スピーカ10のコーン紙の振動がスピーカエンクロージャー20内の空気に伝搬され、この空気の振動によって振動板30の振動部位30aが振動する。このとき、エッジ40で気密性を保持された状態で振動する振動板30は、振動したときにスピーカエンクロージャー20内の空気容積を圧縮または伸張させる。したがって、振動板30の弾性に加えてスピーカエンクロージャー20の空気バネも加わったコンプライアンスと振動板30の等価質量との間で新たな共振周波数を持つようになる。この結果、振動板30の共振周波数を中心に再生される音が生じる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スピーカシステムおよびスピーカエンクロージャーの技術に関する。
スピーカシステムには、種々のタイプのものが開発されており、例えば、バスレフやドローンコーンを用いたものがその代表である。
バスレフは、ヘルムホルツ共鳴を利用して低音を増強するものであり、ドローンコーンは駆動回路のないスピーカユニットを取り付け、エンクロージャーの容積内の空気との共振を利用して低音を増強するものである。
バスレフにおいては、エンクロージャーの容積が小さい場合、共振周波数を低くするには、共鳴管を小型で細長くしなければならず、空気抵抗が大きくなって低音増強機能が著しく低下し、また、共鳴管を通過する空気の速度が非常に速くなるために笛のような風切り音が発生するという問題がある。
また、ドローンコーンの場合は、共振周波数を低くするには、その質量を大きくしなければならない。そして、共振周波数を下げるためには、振動板を支持するエッジのコンプライアンスが大きくなければならないが、質量の大きな振動板を支持するためにはエッジのバネ性や強度は大きくなければならず、コンプライアンスと相反することになる。また、重い振動板が完全に平行に振動することは難しく、ローリングやロッキングと呼ばれる異常振動を伴い易い。この異常振動は、歪みを増加させ無駄なエネルギーを消費して、効率を低下させる。
上述したドローンコーンの欠点を補うために、例えば、特許文献1などが提案されている。この方式によれば、ローリングやロッキングは防止することができるが、振動板(フラップ)の重量をその周囲に設けられたエッジで支える構造であるため、エッジに強度が必要になり、その制動効果により振動のQが小さくなるという問題がある。
特表2002−531036号公報
上記課題を解決するため、本発明によるスピーカシステムは、内部が密閉されるスピーカエンクロージャーと、前記スピーカエンクロージャーに取り付けられたスピーカと、前記スピーカエンクロージャーの一面において一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられた開口部と、前記振動板と前記開口部の縁部との間に形成される空隙を、前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持する密閉部材と、前記振動板に設けられ、所定の重りが取り付け可能であり、かつ、その取り付け位置が可変に構成されている重り取付手段とを具備することを特徴とする。
本発明の好ましい態様においては、前記重り取付手段は、前記振動板に設けられた金属板であり、前記重りはマグネットであることを特徴とする。
本発明の別の好ましい態様においては、前記重り取付手段は、前記振動板に設けられたスライドレールであり、前記重りは前記スライドレール上をスライド可能に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の別の好ましい態様においては、前記重り取付手段は、前記振動板に設けられた複数のネジ孔であり、前記重りには前記各ネジ孔にねじ込み可能なネジが形成されていることを特徴とする。
また、本発明によるスピーカシステムは、内部が密閉されるスピーカエンクロージャーと、前記スピーカエンクロージャーに取り付けられたスピーカと、前記スピーカエンクロージャーの一面において一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられた開口部と、重り部材と、前記振動板と前記開口部の縁部との間に形成される空隙を、前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持するとともに、前記重り部材を前記振動板に定着固定させる密閉部材とを具備することを特徴とする。
また、本発明によるスピーカエンクロージャーは、スピーカが取り付けられるスピーカ取り付け穴を有した密閉型のスピーカエンクロージャーにおいて、前記スピーカエンクロージャーの一面に一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられた開口部と、前記振動板と前記開口部の縁部との間に形成される空隙を、前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持する密閉部材と前記振動板に設けられ、所定の重りが取り付け可能であり、かつ、その取り付け位置が可変に構成されている重り取付手段とを具備することを特徴とする。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態であるスピーカシステムの外観を示す斜視図であり、図2(a)および(b)は、各々同実施形態の構成を示す側断面図および側面図である。図1において、10は、ボイスコイル、マグネット等を備えたスピーカであり、スピーカエンクロージャー20の前面に取り付けられている。スピーカエンクロージャー20は、直方体状の密閉型のエンクロージャーであり、6面とも板状の部材(例えば、木材、合成樹脂、金属もしくはそれらを張り合わせた合成材等)により形成されている。
図2(a)に示すようにスピーカエンクロージャー20の前面のバッフル板20aには薄い板状の振動板30が取り付けられている。振動板30はスピーカエンクロージャー20の前面と同じ大きさに形成され、スピーカエンクロージャー20の前面全体を覆っている。振動板30とバッフル板20aを貫通してスピーカ取付穴が設けられ、このスピーカ取付穴に前述したスピーカ10が挿入されている。この場合、スピーカ10の前面のフレームがネジにより振動板30およびバッフル板20aに固定されている。
図2(a)に示すように、バッフル板20aは、スピーカエンクロージャー20の前面の上半分だけに形成されている。また、スピーカエンクロージャー20の底面20cは、上面20dよりやや短く形成され、同図に示すように前面側が前方にせり出すようにして上方に延びる前端部20eとなっている。
また、図2(a),(b)に示すように、スピーカエンクロージャー20の側面20fの前面側の下部は、バッフル板20aの下端から底面20cの前端部20eにかけて傾斜し、傾斜部20gとなっている。
上述したバッフル板20aの下端、傾斜部20gおよび前端部20eの上縁によって囲まれた空間は、開口部20bとなっている。上記構成においては、振動板30の上部は、バッフル板20aに固定されているが、振動板30の下部は開口部20bに対向しているため片持ち梁のように自由端になっており、振動板30の弾性によって自由に振動できるようになっている。なお、以下においては、振動板30の下部を振動部位30aという。
この場合、振動板30は、音響的に十分な強度と弾性とを併せ持つ部材で形成されている。ここで、「音響的に十分な強度」とは、空気を通さず、空気よりも十分大きな密度をもち、振動したときに音波を発生する強度と弾性を持つことを意味する。また、振動板30は、それ自体で音波をある程度遮断できる性質を有する。
また、「弾性」の度合いは、この振動板30の一辺を固定して水平に置いたときに自重を支えてほぼ水平に保つことができる程度である。このような特性を満足させるために、振動板30は、例えば薄い木の板、薄い合成樹脂、金属の板もしくはそれらを張り合わせた合成材等からなる。
次に、40は、振動板30の振動部位30aの外周縁と開口部20bの縁部との間に設けられ、スピーカエンクロージャー20の気密性を保持するエッジである。この場合、エッジ40は振動部位30aの側縁と傾斜部20gとの間では、スピーカエンクロージャー20の内部空間側に突出して折れ曲がる部分が縦方向に延びている(以下、折れ部40aという)。また、エッジ40は、振動部位30aの下端縁と前端部20eとの間では、スピーカエンクロージャー20の内部空間側に突出して折れ曲がる部分が水平方向に延びている(以下、折れ部40bという)。
ここで、図3は、振動板30を取り外した状態のスピーカエンクロージャー20の正面図である。図3でハッチングを示した部分がエッジ40であり、このエッジ40においてスピーカエンクロージャー20の内部空間側に突出している部分が折れ部40aおよび40bである。また、図4はスピーカエンクロージャー20の底面図であり、図5は図3に示すA−A線断面図である。
図3に示すエッジ40の外周縁部は、振動板30の振動部位30aの外周縁部に接着され、これにより、スピーカエンクロージャー20の気密性が保持される。また、エッジ40の折れ部40a、40bが自由に折れ曲がることにより、振動部位30aの振動は妨げられることなく、自由振動となる。なお、スピーカエンクロージャー20の背面にはスピーカ10のボイスコイルに接続されたスピーカ端子が設けられているが、図2(a),(b)では省略してある。
次に、31は振動板30の振動部位30aに設けられた磁性体の薄い金属板である。32は金属板31に重りとして取り付けられる、所定の質量を有する磁石(マグネット)である。金属板31は、図1に示すように、振動板30の共振周波数を示す目盛りSが設けられており、取り付ける磁石32の数とその取り付け位置とを調節することによって、振動板30の共振周波数を調節できるようになっている。
上述した構成において、スピーカ10が駆動されると、スピーカ10のコーン紙の振動がスピーカエンクロージャー20内の空気に伝搬され、この空気の振動によって振動板30の振動部位30aが振動する。このとき、エッジ40で気密性を保持された状態で振動する振動板30は、振動したときにスピーカエンクロージャー20内の空気容積を圧縮または伸張させる。したがって、振動板30の弾性に加えてスピーカエンクロージャー20の空気バネも加わったコンプライアンス(機械的可とう性)と振動板30の等価質量との間で新たな共振周波数を持つようになる。この結果、振動板30の共振周波数を中心に再生される音が生じる。
ここで空気バネと振動板30の弾性(バネ性)は、等価的に2つのバネが並列に接続されているように機能するが、空気バネの方が振動板30のバネよりもコンプライアンスが小さいので、スピーカシステムとしての振動板30の共振周波数はほぼ空気のコンプライアンスと振動板30の等価質量で決まる。
以上のようにして決定される共振周波数は、容易に低音領域の所望値にすることができる。例えば、スピーカ10に有効直径8cm、最低共振周波数70z、Q=0.35のスピーカを用い、スピーカエンクロージャー20の内容量を3.5リッターとした場合に、振動板30の質量を135グラムとすると振動板の共振周波数を50Hzとすることができる。
ここで、図6(a)は上述した具体例の場合のスピーカ10の周波数特性であり、図6(b)は振動板30の周波数特性である。この図で明らかなように、本実施形態において上述の数値を設定した場合は、50Hz付近が強調された低音を強く出力することができる。このように、本実施形態においては、振動板30の曲げ振動を利用することによって、ドローンコーンのようなパッシブラジエターとしての作用が得られる。
また、振動部位30aは、「うちわ」のように全体がしなりながら振動する1次振動モードで低音再生を行う。なぜなら、振動板30には2次や3次またはそれ以上の振動モードも存在しているが、空気で振動板30全体が駆動されるため1次振動モードが最も強く発生し、それ以外の振動モードの発生レベルは小さくなるからである。また、高次モードをさらに抑えたい場合は、振動板30の材質や厚さまたは複数の材料の張り合わせなどで調整が可能である。
なお、本実施形態においては、振動板30は、自重を十分支えられる程度の弾性を持っているので、振動板30を水平に置いてもそれ自身で水平を保持できる。また、振動板30自身の弾性が自由共振のコンプライアンスになるが、弾性を持った振動板30の内部損失は同じ弾性を持たせたエッジ40の内部損失より遥かに小さいため振動時の損失は十分小さい。
また、本実施形態におけるエッジ40は、従来のドローンコーン等に用いられるエッジに較べ柔らかな材質とすることができ、また、機械的な強度も必要ない。従来のドローンコーン等のパッシブラジエターにおいては、剛体の振動板をエッジで支えるという構造が必要であるため、エッジは振動板の支持と気密性の確保という2つの機能を持っていた。しかし、本実施形態においては、振動板30の支持機能を振動板30自体に持たせているので、エッジ40に支持機能は必要でない。そのため、エッジ40は、スピーカエンクロージャー20内の気密性を保持できれば足りるから、従来にない柔らかな材料を用いることができ、振動板30の振動を阻害しない状況を作ることができ、振動のQを大きくすることができる。
また、振動板30の共振周波数は、振動板30の質量を大きくすることで下げることができる。すなわち、振動板30の大きさや材質などによっても調整が可能であり、振動板30に何らかの部材を貼り付けることによっても容易に調整が可能である。
ここで、等価回路を用いて本件発明と従来技術との差異について説明する。図7はスピーカの電気等価回路である。ボイスコイルインピーダンスを介してCmes、Res、Lcesで構成される低域共振回路(共振周波数=F0)が電圧駆動される構成を持っている。
ここで、
Re=ボイスコイル直流抵抗
Le,L2,R2=高域インピーダンス上昇要素
Cmes=スピーカ振動系の等価質量容量
Lces=スピーカ振動系の等価コンプライアンスインダクタンス
Res=スピーカ振動系のメカニカル制動抵抗
である。
図8はスピーカエンクロージャーの等価回路であり、Lve=等価容積インダクタンスである。
図9は、従来のドローンコーンやヒンジ固定フラップなどのパッシブラジエターの等価回路である。図示のように、スピーカからボイスコイルのファクターを無くした回路構成を持つ。質量Cmepは、エッジの持つコンプライアンスLcepと制動抵抗Repで支えられている。
ここで、
Cmep=パッシブラジエターの等価質量容量
Lcep=パッシブラジエターの等価コンプライアンスインダクタンス
Rep=パッシブラジエターのメカニカル制動抵抗
である。図10は従来のパッシブラジエターシステムの等価回路である。信号電圧がスピーカを駆動し、スピーカの音響出力がスピーカエンクロージャー容積を介してパッシブラジエターを駆動する。
システムとしての低域共振周波数は、ほぼCmepとLveの共振周波数になる。少ない容積で共振周波数を下げるには、Cmepを大きくする必要があり、これはパッシブラジエターが重くなることを意味する。重いパッシブラジエターを支えるには、丈夫で強度のあるエッジが必要になる。一方、エッジには柔軟性が要求されるため、ゴムやウレタンなどの柔らかい材料が使われるが、強度を上げるには厚くする必要がある。しかし、エッジを厚くするということは、等価コンプライアンスLcepを下げると同時に制動力も大きくするということになる(電気等価回路において表現すれば抵抗値Repが下がるということになる)。このため、パッシブラジエターのロスが大きくなり、低音の再生能力が下がってしまう。
図11は本願発明にかかる振動板の等価回路である。振動板は一辺が完全に固定されているため振動板自身がコンプライアンスLcebを持ち自重を支えている。振動板は弾性体で作られているので、エッジ材料のような抵抗成分は無視できる。エッジは振動板の自重を支える必要がないため薄い材料で良く、コンプライアンスLcexを非常に大きくすることができ、これにより必然的にロスも非常に小さくなる(電気等価回路において表現すれば制動抵抗Rexが大きくなる)。
図11において、
Cmeb=振動板の等価質量容量
Lceb=振動板の等価コンプライアンスインダクタンス
Lcex=振動板エッジの等価コンプライアンスインダクタンス
Rex=振動板エッジのメカニカル制動抵抗
である。図12は本件発明におけるスピーカシステムの等価回路である。図10と比較した場合、スピーカとスピーカエンクロージャー容積を同じとすると、
Cmep=Cmeb
とすれば、低域の共振周波数も同じになる。この重量を支えるコンプライアンスも同等のものが必要になるが、図10ではLcepであり、図12ではLcex>>Lcebであるから、ほとんどLcebとなり、適切な設計をすればほぼ
Lcep=Lceb
となる。ここまでのファクターに大きな差異はない。しかし、ここまでの説明で明らかなように、
Rex>>Rep
となることが、本願発明の重要な特徴であり、これにより従来方式に較べてロスが大幅に少なくなり、低音再生が有利になることが分かる。
また、本実施形態においては、磁石32の取り付け位置によって振動板30の共振周波数を調整することができるので、磁石32を金属板31の所望の位置に取り付けるという簡単な操作を行うだけで、スピーカシステムの低域特性を容易に変更することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図13(a)は、この発明の第2の実施形態の外観を示す斜視図である。この実施形態が上述した第1の実施形態と異なる点は、金属板31と磁石32とに代えて、レール34と重り35(図13(a)に図示)とを備えている点であり、他の構成要素については上述した第1実施形態に示したそれと同様である。そのため、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して適宜その説明を省略する。
レール34は、図示のように、振動板30の振動部位30aに取り付けられている。このレール34は、振動板30の曲げ振動を妨げないような、柔らかい樹脂等の部材で構成されている。図13(b)は、レール34の断面図である。重り35は所定の質量を備えており、ワッシャ付きのボルトで形成されている。重り35の先端はナット36にねじ込まれており、重り35を回転させてナット36をゆるめることにより、重り35はレール34上で移動可能となり、逆に、重り35を回してナット36を締めることにより、重り35はレール34の任意の箇所で固定される。このようにレール34上で重り35の位置を調節することによって、振動板30の等価質量が変わるので、共振周波数を調節できるようになっている。
この実施形態においては、レール34上の重り35の位置によって振動板30の共振周波数を調節することができるので、このスピーカシステムの使用者は、重り35をレール34上で移動させるという簡単な操作を行うだけで、スピーカシステムの低域特定を容易に変更することが可能となる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図14(a)は、この発明の第3の実施形態の外観を示す斜視図である。この実施形態が上述した第1の実施形態と異なる点は、金属板31と磁石32とに代えて、複数のネジ孔37(図14(a)に図示)を備えている点である。そのため、上述した第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して適宜その説明を省略する。
ネジ孔37は、図示のように、振動板30の振動部位30aに複数取り付けられている。38はネジであり、ネジ孔37に装着されるようになっている。ネジ38を装着する位置やネジ38の数を調節することによって、振動板30の共振周波数を調節できるようになっている。図14(b)は、ネジ孔37の断面図である。なお、図14(b)に示すように、ネジ孔37は振動板30を貫通していないから、スピーカエンクロージャー20の気密性が損なわれることはない。
この実施形態においては、ネジを装着するネジ孔37の位置や数によって振動板30の共振周波数を調節することができるので、このスピーカシステムの使用者は、ネジ38を所望の位置に設けられたネジ孔37に装着するという簡単な操作を行うだけで、スピーカシステムの低域特性を容易に変更することが可能となる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図15は、この発明の第4の実施形態の外観を示す斜視図である。図15に示す50は、直方体状のスピーカエンクロージャーであり、前面のバッフル板50aの上部にスピーカ10が取り付けられている。バッフル板50aの中央部から下部にかけてU字状に細長く切り欠かれた開口部60が設けられている。
この場合、U字状の内側の部分が振動板51として機能する。すなわち、振動板51の上部はバッフル板50aと一体であり、それ以外の部分はU字形状の開口部60によってバッフル板50aから切り離されているから、振動板51はその上端が固定された状態で自由に振動可能である。
また、図16の(a)および(b)は、各々同実施形態の側断面図および横断面図である。これらの図に示すように、開口部60は断面がアーチ状のエッジ70によって、スピーカエンクロージャー50の内側から覆われ、これによりスピーカエンクロージャーの気密性が保持されている。
図17はバッフル板50aの背面を示す図であり、エッジ70は図示のように、U字状の開口部60をその形状に沿って覆っている。
図示のように、エッジ70は、開口部60および振動板51の下部を覆って設けられている。図17でハッチングを示した部分には接着剤が付着されており、エッジ70は振動板51およびバッフル板51aに接着剤によって固定されている。図において、52は共振周波数を調整するために振動板51に設けられた重りである。この重り52は、図示のように、エッジ70によって振動板51に定着固定されている。
本実施形態の振動板51は、その一辺がバッフル板50aと連通して固定端となっているから、振動板51はそれ自体が支持機能を有している。そのため、エッジ70は振動板51の重量を支える必要がなく、気密性を保つ機能のみを持てばよい。したがって、柔らかい材料を使うことができ、振動板51の振動を抑制しない動き易い状況を作ることができる。本実施形態の動作は、前述した第1実施形態と同様であり、振動板51の共振周波数付近の帯域(低音帯域)が増強される。
従来のスピーカシステムにおいては、振動板の共振周波数を調整するために重りを取り付ける場合には、重りを取り付けるための接着剤等が別途必要であった。加えて、振動板の振動動作等が原因となって取り付けた重りが外れて取れてしまう場合があるという問題もあった。
これに対し、本実施形態においては、開口部60に加えて振動板51をも覆う形状のエッジ70を用いるので、エッジ70の取付時に重り52を振動板51に同時に取り付けることができ、簡単な構成で重りを取り付けることができる。また、エッジ70は重り52を覆って振動板51に粘着固定されるので、重り52が振動板51から外れてしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態においては、開口部60をスピーカエンクロージャー50の内側からエッジ70によって覆ったが、図18に示すようにスピーカエンクロージャー50の表側から覆うようにしてもよい。なお、図18は図16(b)に対応する横断面図である。
また、上述した実施形態では、スピーカエンクロージャーのスピーカが設けられている面に開口部を設けて振動板を形成するようにしたが、振動板を形成する(開口部を設ける)位置はこれに限定されるものではなく、スピーカエンクロージャーの壁面であればどのような位置であってもよい。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)上述した第1実施形態においては、長方形状の薄い金属板31に磁石32を取り付けるようにし、取り付ける磁石32の数とその取り付け位置とを調節することによって、振動板30の共振周波数を調節するようにした。金属板31の形状と磁石32の取り付け方法はこれに限定されるものではなく、例えば、図19に示すような形状の金属板と磁石とを用いるようにしてもよい。図19(a)において、31Aは振動板31の振動部位31aの下端部に設けられた円形状の金属板である。この金属板31Aには、図19(b)に示すような、異なる質量を有する磁石32a,32b,32cが取り付けられるようになっており、取り付ける磁石によって振動板31の共振周波数を調節できるようになっている。なお、この場合、図19(b)に示すように、それぞれの磁石32a,32b,32cに、それぞれの磁石を取り付けた場合の振動板31の共振周波数を示す数値を付与するようにしてもよい。
また、図19(b)に示す磁石32a〜32cに代えて、図19(c)に示すような、同一質量の複数の磁石32d,32d,32d,32dの端面を合わせて積み上げるように金属板31Aに取り付けるようにしてもよい。この場合には、取り付ける個数によって共振周波数を調整することができる。
なお、図19(a)に示す金属板31Aは磁石32a〜32dとほぼ同一の大きさであり、薄く小型であるため、このような金属板を用いれば、金属板の追加による振動板の質量増加を小さな値とすることができる。
(2)上述した第4実施形態のように細長い開口部を作る場合は、U字状に限らない。要するにスピーカエンクロージャーの任意の面において、線で囲まれる平面図形を想定し、その輪郭の一部を残して切り欠くように形成すればよい。このように形成することで、前記平面図形に対応する部分が振動板として機能する。
(3)また、上述した各実施形態で示したように、開口部の位置は、振動板の振動部位に対応する位置に設けられる。すなわち、振動板の背後や周囲などに設けられ、振動を可能にするように形成すればよい。
本発明の第1実施形態であるスピーカシステムの外観を示す図である。 同実施形態の内部構成を示す図である。 同実施形態において振動板を外した状態を示す正面図である。 同実施形態の底面図である。 図3に示すA−A線断面図である。 同実施形態の周波数特性を示すグラフである。 スピーカの電気等価回路である。 スピーカエンクロージャーの電気等価回路である。 従来のパッシブラジエターの等価回路である。 従来のパッシブラジエターシステムの等価回路である。 本願発明にかかる振動板の等価回路である。 本願発明にかかるスピーカシステムの等価回路である。 本発明の第2実施形態であるスピーカシステムの外観を示す図である。 本発明の第3実施形態であるスピーカシステムの外観を示す図である。 本発明の第4実施形態であるスピーカシステムの外観を示す図である。 同実施形態の内部構成を示す図である。 同実施形態のバッフル板50aの背面を示す図である。 同実施形態の変形例に係る横断面図である。 同実施形態の変形例に係るスピーカシステムの外観を示す図である。
符号の説明
10…スピーカ、20,50…スピーカエンクロージャー、30,51…振動板、31…金属板、32…磁石、34…レール、35,52…重り、37…ネジ孔、38…ネジ、40,70…エッジ、60…開口部。

Claims (6)

  1. 内部が密閉されるスピーカエンクロージャーと、
    前記スピーカエンクロージャーに取り付けられたスピーカと、
    前記スピーカエンクロージャーの一面において一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、
    前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられた開口部と、
    前記振動板と前記開口部の縁部との間に形成される空隙を、前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持する密閉部材と、
    前記振動板に設けられ、所定の重りが取り付け可能であり、かつ、その取り付け位置が可変に構成されている重り取付手段と
    を具備することを特徴とするスピーカシステム。
  2. 前記重り取付手段は、前記振動板に設けられた金属板であり、前記重りはマグネットであることを特徴とする請求項1に記載のスピーカシステム。
  3. 前記重り取付手段は、前記振動板に設けられたスライドレールであり、前記重りは前記スライドレール上をスライド可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカシステム。
  4. 前記重り取付手段は、前記振動板に設けられた複数のネジ孔であり、前記重りには前記各ネジ孔にねじ込み可能なネジが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカシステム。
  5. 内部が密閉されるスピーカエンクロージャーと、
    前記スピーカエンクロージャーに取り付けられたスピーカと、
    前記スピーカエンクロージャーの一面において一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、
    前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられた開口部と、
    重り部材と、
    前記振動板と前記開口部の縁部との間に形成される空隙を、前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持するとともに、前記重り部材を前記振動板に定着固定させる密閉部材と
    を具備することを特徴とするスピーカシステム。
  6. スピーカが取り付けられるスピーカ取り付け穴を有した密閉型のスピーカエンクロージャーにおいて、
    前記スピーカエンクロージャーの一面に一端が固定された状態で弾性により振動可能な振動板と、
    前記振動板が設けられた一面において、前記振動板の振動部位に対応する位置に設けられた開口部と、
    前記振動板と前記開口部の縁部との間に形成される空隙を、前記振動板の振動を可能にした状態で塞ぎ、前記スピーカエンクロージャーの気密性を保持する密閉部材と
    前記振動板に設けられ、所定の重りが取り付け可能であり、かつ、その取り付け位置が可変に構成されている重り取付手段と
    を具備することを特徴とするスピーカエンクロージャー。
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