JP2004032040A - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカ本体の正面及び背面から発生し、スピーカボックス内部を伝播する音を有効利用するスピーカ装置において、スピーカボックス内部に放出される音の振動を増強し、スピーカボックスの外部に放出することにより、音量増幅、低音領域の音の増強を計ったスピーカ装置を提供する。
【解決手段】スピーカボックス11の内部にスピーカ本体13から発生する背面波を受けて振動し、低音領域の音を大きくする振動板16を支持部材15を介して取付ける。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ装置に係り、更に詳しくは、スピーカ本体からスピーカボックス内部に進む音を効果的に増幅することが可能なスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16(A)に示すように、一般的なスピーカ装置81は、電気信号を機械(音響)信号に変換し音波を空間に放射するための装置であって、スピーカ本体82をスピーカボックス(キャビネット、エンクロージャー)83の正面板(バッフル板)84に取付けてリード線85により配線したものであった。スピーカボックス83は、正面板84、裏板86、天板87、底板88、側板89で構成されている。
図16(B)に示すように、スピーカ本体82は、音を放射するコーン90と、防塵と共に音の放射に寄与するダスト・キャップ91と、これらを支持し、サスペンションを形成するエッジ92とスパイダー(ダンパー)93と、磁気空隙内で電流を流して駆動力を発生するボイスコイル94とを備えた振動部と、ポールピース95、プレート96により、磁極空隙を構成し、ここにマグネット97からの磁束を導く磁気回路とを有している。
スピーカ本体82は、マグネット97による磁界中にボイスコイル94が設けられているので、ボイスコイル94に電流を流すと、フレミングの左手の法則に従って駆動力が働き、コーン90が振動し、音を発生する。
スピーカ本体には、高音用(ツィーター、トゥイーター)、中音用(スコーカー)、低音用(ウーハー)及び可聴周波数帯をカバーする全帯域形(フルレンジ)があり、一般には、高音用では20000Hz以上、中音用では数100〜数1000Hz、低音用では50Hz以下、全帯域形では100〜20000Hzの音を発生することができる。また、高音用より更に高音領域用の超高音用(スーパーツィータ)や低音用より更に低音領域用の超低音用(サブウーハー、スーパーウーハー)のスピーカ本体もある。
【0003】
図17に示すように、従来のスピーカ装置は、スピーカ本体を板に取付けた形状の(A)バッフル板形や、箱型のスピーカボックスにスピーカ本体を取付けた形状の(B)後方開放形、(C)密閉形、(D)位相反転形(バスレフ形、バスレフレックス形)、(E)音響迷路形(ラビリンス形)、(F)バック・ローデッド・ホーン形(バックロード・ホーン、BH)、(G)コンビネーション・ホーン形、(H)共鳴管形、(I)パッシブ・ラジエター形(ドロン・コーン)、(J)ケルトン形、(K)シンメトリック・ドライブ形、(L)フロント・ローデッド・ホーン形(フロントロード・ホーン)等がある。なお、図中の矢印は、スピーカ本体から発生する音の伝播を表している。
【0004】
スピーカ本体82は、信号電流を加えるとコーン90が振動して音を出すが、スピーカ本体82正面から出る音と背面から出る音は逆位相の音であり、振動を打ち消し合うので、スピーカ本体82単体では低音を鳴らすことができない。
(A)バッフル板形では、正面の音と背面の音が混ざり合わないようにスピーカ本体を板(バッフル板)に取付けて背面の音を遮断している。しかしながら、低周波数、例えば、20Hzの音の波長は17m以上と長くなり、正面波と背面波を遮断するためには、スピーカ本体から板の端までの長さが17m以上必要となり実用性に乏しかった。そこで、(B)後方開放形、(C)密閉形、(K)シンメトリック・ドライブ形、(L)フロント・ローデッド・ホーン形等のスピーカボックスを有するスピーカ装置においては、スピーカ本体の背面波を使用しない構造になっている。
【0005】
また、(D)位相反転形、(E)音響迷路形、(F)バック・ローデッド・ホーン形、(G)コンビネーション・ホーン形、(H)共鳴管形、(I)パッシブ・ラジエター形等のスピーカボックスを有するスピーカ装置では、スピーカ本体から発生する背面波を利用しており、(J)ケルトン形では、スピーカ本体をスピーカボックス内部に向けて配設し、正面波を利用する構造となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のスピーカ装置は未だ解決すべき以下のような問題があった。
スピーカ本体から発生する背面波を利用しないスピーカ装置は、エネルギーの無駄があった。
スピーカ本体から発生する背面波を利用したスピーカ装置やスピーカ本体をスピーカボックス内部に向けて配設し、正面波を共鳴させるスピーカ装置では、スピーカ本体から発生した音波のエネルギーが、その移動距離に比例して段々と減衰していくので、スピーカボックス内での音の音量が低下するという問題があった。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、スピーカ本体から発生する音波において、スピーカボックス内部に放出される背面波又は正面波の音量増幅、低音増強を計ったスピーカ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るスピーカ装置は、スピーカボックスの内部にスピーカ本体からの音を大きくする振動板を支持部材を介して取付ける。
スピーカ本体から発生した音は、スピーカ本体の正面方向及び背面方向にそれぞれ逆位相で進む。その際に、支持部材を介してスピーカボックス内に設けられた振動板が、スピーカボックス内を伝播する音を受け、振動することにより、振動波を発生し、音を大きくすることができる。
例えば、位相反転形スピーカボックスにおいて、外側に向けてスピーカ本体を配設した場合には、背面波はスピーカボックス内を伝播するので、振動板をスピーカボックスの裏板に支持部材を介して取付けて、背面波を受けた振動板が振動波を発生するようにする。
また、スピーカ本体をケルトン形のように内側に向けて音を発生するように配設した場合には、振動板はその正面波を受けることになる。
更に、音響迷路形やバック・ローデッド・ホーン形等のように内部の音の伝播経路が折れ曲がった構造をしているスピーカボックスでは、効率よく音を受けられる位置であれば、いずれの位置にも振動板を配設することができる。
【0009】
本発明に係るスピーカ装置において、前記スピーカ本体から発生し、前記スピーカボックス内を伝播する音を前記振動板に導く案内筒を設けることもできる。
スピーカ本体からスピーカボックスの内へ発生する音は3次元方向に進むため、振動板に直接当たらない音が存在する。従って、スピーカ本体からスピーカボックス内に伝播する音を振動板へ導くことができるように筒状の案内筒を設ける。案内筒は円筒、楕円筒、角筒、円錐台筒、角錐台筒等のいずれであってもよいが、効率よい音の反射を行うためには円筒が好ましい。案内筒の材質としては、音を反射できればよく、木、紙、天然高分子材料、有機高分子材料、金属、ガラス及びセラミックス等で形成される。
【0010】
本発明に係るスピーカ装置において、前記振動板の一端に重りを備えることもできる。
振動板の一端に重りを備えているので、その重りは、振動板が振動するとき、振動板のぐらつきや振動の無用な暴れを押さえ、振動板の振動持続時間を制御して、振動板を適度に振動させる働きをしている。
【0011】
本発明に係るスピーカ装置において、前記スピーカボックスには、前記スピーカ本体から発生し、前記スピーカボックス内部を伝播する低音領域の音と、前記スピーカ本体から発生した音が、前記振動板を振動させて発生した振動波とを、前記スピーカボックスの内部から外部へと放出するための開口部を備えてもよい。スピーカ本体から発生し、スピーカボックス内を進む音(背面波又は正面波)に、その音が振動板に衝突して発生した振動波が加わって、スピーカボックスの開口部よりスピーカ装置の外部へ放出されるので、振動波が加わった分音が大きくなる。
例えば、スピーカ本体の背面波を利用する位相反転形、音響迷路形、バック・ローデッド・ホーン形、コンビネーション・ホーン形、共鳴管形、また、正面波を利用するケルトン形等のスピーカボックスに設けた開口部から、低音領域の音と振動板による新たな振動波とが、外部に勢いよく放出されるので、低音領域の音を大きくできる。
本発明に係るスピーカ装置において、前記開口部には、前記低音領域の音と前記振動波とを受けて振動する振動部材を備えてもよい。
スピーカ本体から発生し、スピーカボックス内を進む音(背面波又は正面波)と、その音が振動板に衝突して発生した振動波とが、スピーカ装置の振動部材を振動させ、スピーカ装置の外部へ音が伝播されるので、振動波による低音領域の増強ができる。
例えば、パッシブ・ラジエター形スピーカボックスに設けられた振動部材を、低音領域の音と振動波により振動させることにより、低音領域の増強ができる。
【0012】
本発明に係るスピーカ装置において、前記スピーカ本体が低音用であってもよい。
低音は波長が長く、スピーカ本体のコーンが振動しても空気が逃げて振動しない(つまり、音がでない)空振り現象等により、スピーカ装置による音の再現が難しい。従って、低音用のスピーカ装置に振動板を設けることにより、より効果的な、低音の増強を計ることができる。
【0013】
本発明に係るスピーカ装置において、前記振動板には、複数の周波数に共鳴する共鳴部を設けてもよい。
例えば、20〜200Hzの周波数の音を20Hzの間隔で共鳴するように、10の切れ込みを入れた振動板を支持部材を介して、スピーカボックスに取付ける。スピーカ本体から発生した音の内、上記の共鳴周波数において、振動板が共鳴するので、その周波数の音を増幅することができる。又は、切れ込みの代わりに、複数の周波数で共鳴するような振動桟を取付けることにより、その共鳴周波数に対応した音を増幅することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)は本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)は同スピーカ装置の斜視図、図2(A)は同スピーカ装置の振動板の説明図、(B)、(C)はそれぞれ同スピーカ装置の変形例に係る振動板の説明図、図3(A)、(B)は同スピーカ装置の案内筒の有無による背面波の流れ方向の違いを示す説明図、図4(A)は同スピーカ装置における音の伝播の説明図、(B)は従来のスピーカ装置における音の伝播の説明図、図5は本発明の第1の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図、図6は本発明の第2の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、図7(A)は本発明の第3の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)は本発明の第3の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図、図8は本発明の第4の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、図9は本発明の第5の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、図10は本発明の第6の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、図11は本発明の第7の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、図12(A)は本発明の第8の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)、(C)はそれぞれ本発明の第8の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図、図13(A)は本発明の第9の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)は本発明の第9の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図、図14(A)は本発明の第10の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)、(C)、(D)はそれぞれ本発明の第10の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図、図15(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ本発明の第8の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【0015】
図1(A)、(B)、図2(A)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置10は、木製で直方体状に形成されたスピーカボックス11の正面板12にスピーカ本体13を備えている。スピーカボックス11の内部には、スピーカボックス11の背面板14上部側に配設された支持部材15を介して、振動板16が取付けられている。
ここで、支持部材15は、正面視してスピーカ本体13の上端よりも高い位置に取付けられ、また、上部が支持部材15に支持された振動板16は、正面視してスピーカ本体13の幅よりも少し大きい幅を有し、スピーカ本体13の下端よりも下方位置まで延設されている。
本実施の形態では、振動板16は長方形の板状に形成し、支持部材15の幅は振動板16の幅と同じに形成している。また、振動板16の上部は接着剤で支持部材15に接合されている。
【0016】
また、振動板16は支持部材15との接合部より上側に振動板16の振動を微調整するための重り17を備えている。更に、スピーカ本体13から発生する背面波を振動板16に導くために、円柱状の案内筒18が正面板12の内側に設けられている。また、正面板12のスピーカ本体13の下部には、スピーカボックス11内と同じ幅の長方形状の開口部(ポート)19を有し、開口部19からスピーカ装置10の内部に向かって断面が開口部19と同じ角柱状の筒(ダクト)20を形成している。
本実施の形態では、筒20は、開口部19上端の内側からスピーカボックス11内へと水平に、スピーカボックス11の側壁間の幅の仕切板20aで形成している(つまり、筒20は、仕切板20a、両側壁の一部及び底板より構成されている)。なお、案内筒18と筒20は正面板12からスピーカボックス11内を同じ長さ(奥行き)に形成している場合もあるが、特に限定していない。
【0017】
更に、案内筒18と筒20を仕切ると共に、案内筒18を固定し、背面波の回り込みをなくすための盲板21を備えている。この実施の形態では、盲板21は、高さをスピーカボックス11内の上端から仕切板20aの上端まで、また、幅をスピーカボックス11内の幅(つまり、側壁間の幅)に形成された板であり、更に、案内筒18の位置には、案内筒18の外周に沿った円形の孔が設けられている。盲板21は、案内筒18の端部に嵌合せて取付けられ、上部及び側部ではスピーカボックス11の内壁に、下部では仕切板20aで固着されている。
また、振動板16の下部にはスピーカ本体13から発生した音及び、振動板16より発生した振動波を、反射して筒20に導き、開口部19よりスピーカ装置10の外部に放出するための反射板22を備えている。
【0018】
図2(B)、(C)に示すように、複数の周波数に共鳴する共鳴部を有する振動板16a、16bを形成することもできる。図2(B)では、振動板16aに20〜200Hzの周波数の音を例えば20Hzの間隔(つまり、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200Hz)で共鳴する共鳴部を形成するために、複数(例えば、10個)の切れ込み部22aを設けている。スピーカ本体13から上記周波数の音が発生された場合には、振動板16aが共鳴し、振動板16aの振動がより大きくなるので、その周波数の音を増幅することができる。また、図2(C)では、振動板16bに例えば上記の周波数で共鳴する共鳴部として、複数(例えば、10個)の振動桟22bを取付けることにより、その共鳴周波数に対応した音を増幅することができる。
【0019】
スピーカボックス11は、遮蔽効果があり、重く硬いことが要求されると共に、板自身の減衰振動特性のよいもの、つまり、響きの美しい材料が適している。更に、入手のし易さ、加工性、経済性等から一般には繊維質の密度の高い木材が多く使われている。その代表的なものとして、挽板、ベニア・コア合板、ランバー・コア合板、パーティクル・ボードがある。また、不飽和ポリエステルをベースにガラス繊維、珪石又は炭酸カルシウム等を混合した材料、また、ゴムや鉛粉末を混合した材料が使用される。更に、スピーカボックスを補強する桟を設けてもよい。
スピーカボックス11の形状は、直方体状でなくてもよく、球状、半球状、円筒状、立方体状、円錐状、二重円錐状、角錐状又は二重角錐状等であってもよく、また、立方体に角錐台を重ねる等の組合せで形成してもよい。また、スピーカボックス11の内容積は、特に限定されるものではなく、便宜選択できる。
更に、スピーカ本体は、スピーカボックスの任意の位置に配設してもよい。
【0020】
振動板16は、スピーカ本体からの音を効率よく受け、振動すればよく、材質、形状は特に限定しない。本実施の形態では、木製であるが、紙、天然高分子材料、有機高分子材料、金属、ガラス及びセラミックス等であってもよい。また、長方形の板状でなく、正方形状、三角形状、台形状、円形状等に形成してもよく、更には、板状でなく、箱状に形成し、共鳴孔を設けてもよい。
また、支持部材15の材質は、本実施の形態では、木製であるが、紙、天然高分子材料、有機高分子材料、金属、ガラス、セラミックス及びゴム等であってもよい。ゴム製の支持部材を天板に取付け、その下方に振動板を設けてもよい。
振動板16は支持部材15に接着剤で取付けているが、釘を打ち付けて固着してもよく、また、蝶番等で取付けてもよい。また、振動板を直接天板に取付け、振動板に支持部材の機能を持たせてもよい。
案内筒18は、円筒である必要はなく、円錐、角柱、角錐でもよい。また、スピーカ本体13と振動板16の距離が短く、スピーカ本体13からの背面波が振動板16に効率よく当たるときは、案内筒を設けなくてもよい。また、筒20も角柱でなくてもよく、円柱でもよく、外側に広がるホーン状に形成してもよい。また、筒を設けずに、開口部19のみでも、正面板12の厚みの長さの筒と同様の効果がある。
また、盲板21は背面波の回り込みをなくすために、筒20より上方を塞いで密閉することが好ましいが、案内筒18を固定できればよく、筒20より上方を全て塞がなくてもよい。
【0021】
次に、スピーカ装置10の動作を説明する。
スピーカ本体13に電流を流すと、電気信号が機械信号に変換され、スピーカ本体13の正面及び背面に三次元的に音を発生する。
ここで、図3(B)に示すように、案内筒18がない場合には、スピーカ本体13から発生し、各方向に分散した背面波の一部は直接に振動板16に衝突し、振動板16を振動させるが、全ての背面波が振動板16には当たらないので、振動板16から発生する振動波の発生効率が悪い。しかしながら、図3(A)に示すように、本実施の形態では案内筒18を設けているので、スピーカ本体13から発生した背面波の一部は直接、振動板16に衝突し、更に、それ以外の背面波も、案内筒18で反射して振動板16に当たるので、振動板16をより効率よく振動させることができる。
【0022】
次に、振動板16の有無による音の伝播の違いについて説明する。
図4(A)に示すように、振動板16が取付けられているスピーカ装置10では、スピーカ本体13から正面波Aと背面波A′が発生すると共に、スピーカ本体13の背面波A′が振動板16に衝突して新たに振動波Bも発生する。従って、背面波A′及び振動波Bが筒20を進み、開口部19よりスピーカ装置10の外部へと放出され、聴取者23は正面波A、背面波A′及び振動波B、すなわち、A+A′+Bの音を聞くことができる。
図4(B)に示すように、スピーカボックス11内部に振動板を設けていないスピーカ装置24では、スピーカ本体13から正面波A及び背面波A′が発生する。背面波A′はスピーカボックス11内部から、筒20を進み、開口部19よりスピーカ装置24外部に放出される。従って、聴取者23は正面波A及び背面波A′のA+A′音を聞くことができる。
以上のように、スピーカボックス内に振動板を設けることにより発生する振動波により音量が増加することがわかる。
【0023】
次に、図5を参照して本発明の第1の実施の形態の一変形例に係るスピーカ装置25を説明する。以下、スピーカ装置10と同一の構成要素については同一の番号を付してその詳しい説明を省略する(以下の実施の形態及び変形例についても同様)。
図5に示すように、スピーカ装置25は、スピーカボックス26の天板27にスピーカ本体13を配設し、スピーカ本体13の背面から、スピーカボックス26内部へと背面波を導く案内筒28を備え、盲板29で固定している。また、スピーカボックス26の底板30に、底板30の案内筒28よりも背面板29b側に取付けられた支持部材15を介して、正面板29a方向に長く形成された振動板16を水平に配設し、スピーカボックス26の正面板29aに開口部30aを設けている。
スピーカ本体13から発生した背面波は、案内筒28を通り、振動板16に衝突し、振動波を発生し、背面波及び振動波が開口部30aよりスピーカ装置25の外部へ放出される。
スピーカ装置25のように、スピーカ本体13が正面板29aに配設されなくてもよいことがわかる。スピーカ装置25は、スピーカ本体13が上向きに取付けられ、開口部30aが正面に向いているが、スピーカ本体を正面板に取付け、上方に開口部を設けてもよい。なお、底板30を床面から浮かせるような脚部を設けて、スピーカ本体や開口部を底板に設けてもよい。
【0024】
次に、図6を参照して本発明の第2の実施の形態に係るスピーカ装置31を説明する。
図6に示すように、スピーカ装置31は、位相反転形のスピーカボックス32であり、スピーカボックス32の正面板12にはスピーカ本体13が取付けられ、背面板14には支持部材15を介して、上方部に重り17を備えた振動板16が取付けられている。更に、正面板12の内側には円柱状の案内筒18が設けられている。
また、正面板12のスピーカ本体13の下部には、円状の開口部33を有し、開口部33からスピーカボックス32の内部に向かって円筒状の筒34を設けている。更に、案内筒18と筒34を仕切ると共に、案内筒18を固定し、背面波の回り込みをなくす盲板21及び仕切板35を備えている。この仕切板35は、スピーカ装置10の仕切板20aと同様に形成している。
また、振動板16の下部にはスピーカ本体13から発生した音及び、振動板16より発生した振動波を、筒34側へ導いて、開口部33よりスピーカ装置31の外部に放出するための反射板22を備えている。
【0025】
次に、位相反転形スピーカ装置31の動作について説明する。
スピーカ本体13の背面波の一部は振動板16に直接衝突し、その他の音は案内筒18で反射して、振動板16に衝突し、振動波を生じる。背面波と振動波は反射板22により、開口部33側に向きを換えられ、筒34を進み、開口部33よりスピーカボックス32の外部へ放出される。
位相反転形のスピーカ装置31では、開口部33に円筒状の筒34が設けられ、開口部33の断面積が小さいほど、スピーカ本体13の背面波及び振動板16の振動波が圧縮され、開口部33からスピーカボックス32の外部に放出されるので、音に勢いがある。
また、スピーカボックス32の背面波の伝播する部分の容積と筒34内部の空気の質量との関係はいわゆるヘルムホルツの共鳴器と同じ原理である。従って、背面波は、ヘルムホルツの共鳴によって特定の周波数で共振して、筒34からスピーカ装置31の外部に放出する。この共振はスピーカ本体13の背面波とは逆位相となり、正面波とは同位相となる。従って、音量が増加する。更に、開口部33の断面積が小さく、筒34の長さが長いほど逆共振周波数は低くなるので、より低周波数の音が増強される。
ここで、筒34がない場合でも、開口部33は正面板12の厚さと同じ長さの筒と同様の効果がある。また、筒34は円筒状である必要はなく、楕円パイプでも、角筒でもよく、また、途中でくの字、L字に折れ曲がってもよい。更には、スピーカボックス32の内側に取付けても、外側に取付けてもよい。
【0026】
次に、図7(A)を参照して本発明の第3の実施の形態に係るスピーカ装置36を説明する。また、図7(B)のスピーカ装置37はスピーカ装置36の変形例である。
図7(A)に示すように、音響迷路形のスピーカ装置36では、スピーカ本体13の背面波は複雑に折れ曲がった通路を通って、背面板に設けられた振動板16に導かれ、振動板16の振動波と共に、スピーカ装置36の前面に放出されている。スピーカボックス36a内部が仕切板等により複雑に折れ曲げられ形成されているので、背面波が流れる通路の全長を長くすることができ、中高音を減衰させ、共鳴を防ぐことができる。
また、スピーカ装置37では、スピーカボックス37a内部の通路がスピーカ装置36とは異なっているので、スピーカ本体13の背面波を効率よく振動板16に当てるために、振動板16を底板に設けている。
【0027】
次に、図8を参照して本発明の第4の実施の形態に係るスピーカ装置38を説明する。
図8に示すように、バック・ローデッド・ホーン形のスピーカ装置38のスピーカ本体13の背面波は、細い通路から太い通路へと導かれ、振動板16に当たり、振動板16を振動させる。
【0028】
次に、図9を参照して本発明の第5の実施の形態に係るスピーカ装置39を説明する。
図9に示すように、コンビネーション・ホーン形のスピーカ装置39は、フロント・ローデッド・ホーン形と位相反転形のスピーカ装置を組み合わせて形成している。スピーカ本体13の背面波を振動板16が受け、振動板16が振動し、振動波を発生する。本実施の形態では、フロント・ローデッド・ホーン形と位相反転形を組み合わせているが、フロント・ローデッド・ホーン形と組み合わせるのは、バック・ローデッド・ホーン形でも、パッシブ・ラジエター形でもよい。また、スピーカ本体13と振動板16の距離が近いので、案内筒を設けていないが、案内筒を設けてもよい。
【0029】
次に、図10を参照して本発明の第6の実施の形態に係るスピーカ装置40を説明する。
図10に示すように、共鳴管形スピーカ装置40は、一方が塞がっている角柱管40aの側面にスピーカ本体13を配設し、その背面に振動板16を設けている。スピーカ本体13の背面波は振動板16を振動させ、振動波を発生させる。背面波及び振動波は、共鳴管の開口部40bより、スピーカ装置40の外部へ放出される。
本実施の形態では、スピーカボックスとして角柱管40aを使用しているが、円柱管でもよい。
【0030】
次に、図11を参照して本発明の第7の実施の形態に係るスピーカ装置41を説明する。
図11に示すように、パッシブ・ラジエター形のスピーカ装置41は、スピーカ装置10の開口部19に振動部材の一例であるパッシブ・ラジエター42を取付けたものである。パッシブ・ラジエター42は、スピーカ本体の振動系(コーン、サスペンション、フレーム等)のみを持ち、駆動系(磁気回路)を持たないものである。スピーカ本体13より発生した背面波を振動板16が受け、振動波を発生し、背面波及び振動波がパッシブ・ラジエター42を振動させ、音を伝播させる。
【0031】
次に、図12(A)を参照して本発明の第8の実施の形態に係るスピーカ装置43を説明する。また、図12(B)、(C)のスピーカ装置44、45はスピーカ装置43の変形例である。
図12(A)に示すように、ケルトン形のスピーカ装置43は、スピーカ本体13の正面波を利用するのものであり、密閉形のスピーカボックスに配設されたスピーカ本体13の前面に共鳴空間及び開口部を有した構造となっている。
開口部19を前面に有するスピーカ装置43においては、スピーカ本体13からの正面波が後方に向かって発生するようにスピーカ本体13をスピーカ配設板46に配設し、振動板16を背面板14に設けている。
図12(B)では、開口部19を前面に設け、スピーカ本体13からの正面波が下方に向かって発生するようにスピーカ本体13はスピーカ配設板47に配設され、振動板16は底板30に設けられている。
図12(C)では、開口部19を前面に有して、スピーカ本体13からの正面波が前方に向かって発生するようにスピーカ本体13はスピーカ配設板48に配設され、2の振動板16はそれぞれ正面板12及び底板30に設けられている。
【0032】
次に、図13(A)を参照して本発明の第9の実施の形態に係るスピーカ装置49を説明する。また、図13(B)のスピーカ装置50はスピーカ装置49の変形例である。
スピーカ装置49は、それぞれ1の高音用スピーカ本体51、中音用スピーカ本体52、低音用スピーカ本体53を正面板49aの上から順に配設している3ウェイ3スピーカである。振動板50aは、背面板49bに取付けられた支持部材50bに取付けられている。支持部材50bは、正面視して高音用スピーカ本体51と中音用スピーカ本体52の中間部の位置に取付けられている。また、振動板50aは、上端は高音用スピーカ本体51の少し上方に、また、下端は低音用スピーカ本体53の少し下方に、更に、幅は低音用スピーカ本体53の幅よりも少し大きく形成されている。
高音用スピーカ本体51、中音用スピーカ本体52及び低音用スピーカ本体53からのそれぞれの背面波は振動板50aに衝突し、振動波を発生させ、背面波及び振動波は開口部53aより外部へ放出される。
しかしながら、スピーカ装置49は、低音用スピーカ本体53の背面波が高音用スピーカ本体51や中音用スピーカ本体52に影響し、混変調歪みが生じることがある。特に、中音用スピーカ本体52は、影響を受けやすい。
従って、スピーカ装置50では、低音用スピーカ本体53の背面波の影響を防ぐために、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52を箱状の隔壁54で仕切り、更に、低音用スピーカ本体53の背面には案内筒18を設けている。また、案内筒18を固定するための支持体54aを設けている。
スピーカ装置49は、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52は低音用スピーカ本体53の影響を受けないので、混変調歪みが生じず、高音領域及び中音領域の音がクリアに聞こえる。
【0033】
次に、図14(A)を参照して本発明の第10の実施の形態に係るスピーカ装置55を説明する。また、図14(B)、(C)、(D)のスピーカ装置56、57、58はスピーカ装置55の変形例である。
スピーカ装置55〜57は、それぞれ1の高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52と、2の低音用スピーカ本体53とを、正面板55a、56a、57aに直線的に配置しているトールボーイ形3ウェイ4スピーカ装置である。図14(A)に示すスピーカ装置55は、4のスピーカ本体51、52、53は正面板55aの上方から順に配設されている。つまり、スピーカ装置49の3のスピーカ本体の下部に更に低音用スピーカ本体53を配設している。
振動板59は背面板55bに支持部材15を介して取付けられている。支持部材15は高音用スピーカ本体51と中音用スピーカ本体52との中間の高さ付近に配置されている。
4のスピーカ本体51〜53から発生した背面波は振動板59を振動させるが、支持部材15が高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52の中間部の高さにあるので、てこの原理により、その背面波は低音用スピーカ本体53の背面波よりも振動板59を振動させることができない。従って、高音や中音よりも、低音が増強される。更に、2の低音用スピーカ本体53を有するので、スピーカ装置49よりも更に低音領域の音を大きくすることができる。
【0034】
図14(B)に示すスピーカ装置56は、スピーカ装置55の2の低音用スピーカ本体53の間に背面板56bから仕切板60を正面板56aまで水平に設けている。開口部60a、60bは仕切板60を境に上下に有している。すなわち、1の高音用スピーカ本体51、中音用スピーカ本体52及び低音用スピーカ本体53と、1の低音用のスピーカ本体53とが、仕切板60により分離されている。
スピーカ装置56の上部の高音用スピーカ本体51、中音用スピーカ本体52及び低音用スピーカ本体53の背面波は振動板59aを振動させるので、その動作はスピーカ装置49と同様である。また、スピーカ装置56の下部の低音用スピーカ本体53は単独に振動板61を振動させるので、低音のみを効率よく増強することができる。従って、スピーカ装置55よりも低音領域の音を大きくすることができる。
【0035】
図14(C)に示すスピーカ装置57は、上方から低音用スピーカ本体53、高音用スピーカ装置51、中音用スピーカ本体52、低音用スピーカ本体53の順に正面板57aに配設され、高音用スピーカ装置51及び中音用スピーカ本体52は2の仕切板62、62aにより隔離されている。従って、低音用スピーカ本体53の背面波によって、高音用スピーカ本体51や中音用スピーカ本体52が影響されて起こる混変調歪みが生じない。
2の低音用スピーカ本体53の背面波は2の振動板57bに衝突し、振動波を発生させ、開口部62b、62cより外部に放出される。スピーカ装置57では、2の低音用スピーカ本体53はそれぞれ単独に振動板57bを振動させるので、より効率的に低音領域の音を大きくすることができ、更に、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52は低音用スピーカ本体53の影響を受けないので、混変調歪みが生じず、高音領域及び中音領域の音がクリアに聞こえる。
【0036】
図14(D)に示すスピーカ装置58は、2の高音用スピーカ本体51及び2の低音用スピーカ本体53とを有し、上方から高音用スピーカ本体51、低音用スピーカ本体53、低音用スピーカ本体53、高音用スピーカ本体51の順に直線的に配置し、上側の高音用スピーカ本体51、低音用スピーカ本体53と下側の低音用スピーカ本体53、高音用スピーカ本体51を、背面板58bから正面板58aまで水平に設けた仕切板60で分離しているトールボーイ形2ウェイ4スピーカ装置である。
【0037】
次に、図15(A)、(B)、(C)、(D)を参照して本発明の第8の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置63、64、65、66を説明する。
図15(A)、(B)は図12(A)のスピーカ装置43の変形例であり、図15(C)、(D)は図12(B)のスピーカ装置44の変形例である。
スピーカ装置63〜66は、それぞれ1の高音用スピーカ本体51、中音用スピーカ本体52及び低音用スピーカ本体53とを備えた3ウェイ3スピーカ装置である。ここで、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52の代わりに1の全帯域形スピーカ本体を用いてもよい。また、高音用スピーカ本体51は低音用スピーカ本体53の背面波の影響を受けにくいので、中音用スピーカ本体52の代わりに低音用スピーカ本体53を用いてもよい。
【0038】
図15(A)のスピーカ装置63では、図12(A)のスピーカ本体13を低音用スピーカ本体53とし、更に、正面板63aに高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52を設けている。高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52の正面波は直接スピーカ装置63の前方に発生される。また、低音用スピーカ本体53の正面波は、背面板63bに支持部材15を介して取付けられた振動板16を振動させて発生させた振動波と共に開口部63cからスピーカ装置63の外部へと放出される。
図15(B)のスピーカ装置64では、スピーカ装置63における低音用のスピーカ本体53の背面波の影響による高音用のスピーカ本体51及び中音用のスピーカ本体52の混変調歪みを防ぐために、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52と低音用スピーカ本体53を隔てる隔壁67を設けている。特に、中音用のスピーカ本体52は、影響を受けやすい。スピーカ装置64では、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52は低音用スピーカ本体53の影響を受けないので、混変調歪みが生じず、高音領域及び中音領域の音がクリアに聞こえる。
【0039】
図15(C)のスピーカ装置65では、図12(B)のスピーカ本体13を低音用スピーカ本体53とし、更に、正面板65aに高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52を設けている。高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52の正面波は直接スピーカ装置65の前方に発生される。また、低音用スピーカ本体53の正面波は、底板65bに支持部材15を介して取付けられた振動板16を振動させて発生させた振動波と共に開口部65cからスピーカ装置65の外部へと放出される。
図15(D)のスピーカ装置66では、スピーカ装置64と同様に低音用のスピーカ本体53の背面波による混変調歪みを防ぐために、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ装置52と低音用スピーカ装置53を隔てる隔壁68を設けている。従って、スピーカ装置66では、高音用スピーカ本体51及び中音用スピーカ本体52は低音用スピーカ本体53の影響を受けないので、混変調歪みが生じず、高音領域及び中音領域の音がクリアに聞こえる。
【0040】
以上、本発明に係る実施の形態について説明してきたが、本発明は、実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のスピーカ装置を構成する場合にも適用される。
例えば、前記実施の形態で示したスピーカ装置(位相反転形、音響迷路形、バック・ローデッド・ホーン形、コンビネーション・ホーン形、共鳴管形、パッシブ・ラジエター形、ケルトン形)において、振動板を設けたが、他の方式のスピーカ装置に設けてもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1〜7記載のスピーカ装置においては、スピーカボックス内部に振動板を取付けているので、スピーカ本体から発生し、スピーカ内部を進む音が振動板に衝突し、振動板が振動することにより、振動波が発生する。これにより、スピーカ内部に進む音と振動波とを合成した音がスピーカ装置から聞こえてくるので、音量が増加する。
特に、請求項2記載のスピーカ装置においては、スピーカ本体から発生し、スピーカボックス内を伝播する音を集める案内筒を設けているので、振動板に直接当たらない音も案内筒を反射して振動板に導かれ、振動板に当たる音波は案内筒がないものに比べ多くなり、より一層の音量の増幅及び低音の増強ができる。
請求項3記載のスピーカ装置においては、振動板の一端に重りを備えているので、その重りは、振動板が振動するとき、振動板のぐらつきや振動の無用な暴れを押さえ、振動板の振動持続時間を制御して、振動板を適度に振動させる働きをしている。
請求項4記載のスピーカ装置においては、例えば、位相反転形、音響迷路形、バック・ローデッド・ホーン形、コンビネーション・ホーン形、共鳴管形及びケルトン形等の開口部を有するスピーカ装置の音を大きくすることができる。
請求項5記載のスピーカ装置においては、例えば、パッシブ・ラジエター形等の開口部に振動部材を有するスピーカ装置の音を大きくすることができる。
請求項6記載のスピーカ装置においては、低音用のスピーカ本体を用いるので、低音の増幅ができる。
請求項7記載のスピーカ装置においては、振動板に、複数の周波数に共鳴する共鳴部を設けているので、共鳴部の共鳴周波数とスピーカ本体から発生する音の周波数が一致すると、その周波数の音を増幅することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)は同スピーカ装置の斜視図である。
【図2】(A)は同スピーカ装置の振動板の説明図、(B)、(C)はそれぞれ同スピーカ装置の変形例に係る振動板の説明図である。
【図3】(A)、(B)は同スピーカ装置の案内筒の有無による背面波の流れ方向の違いを示す説明図である。
【図4】(A)は同スピーカ装置における音の伝播の説明図、(B)は従来のスピーカ装置における音の伝播の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図である。
【図7】(A)は本発明の第3の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)は本発明の第3の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図である。
【図12】(A)は本発明の第8の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)、(C)はそれぞれ本発明の第8の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図13】(A)は本発明の第9の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)は本発明の第9の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図14】(A)は本発明の第10の実施の形態に係るスピーカ装置の説明図、(B)、(C)、(D)はそれぞれ本発明の第10の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図15】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ本発明の第8の実施の形態の変形例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図16】(A)、(B)は従来例に係るスピーカ装置の説明図である。
【図17】(A)〜(L)はスピーカ装置の形状を示す説明図である。
【符号の説明】
10:スピーカ装置、11:スピーカボックス、12:正面板、13:スピーカ本体、14:背面板、15:支持部材、16、16a、16b:振動板、17:重り、18:案内筒、19:開口部、20:筒、20a:仕切板、21:盲板、22:反射板、22a:切れ込み部、22b:振動桟、23:聴取者、24:スピーカ装置、25:スピーカ装置、26:スピーカボックス、27:天板、28:案内筒、29:盲板、29a:正面板、29b:背面板、30:底板、30a:開口部、31:スピーカ装置、32:スピーカボックス、33:開口部、34:筒、35:仕切板、36:スピーカ装置、36a:スピーカボックス、37:スピーカ装置、37a:スピーカボックス、38:スピーカ装置、39:スピーカ装置、40:スピーカ装置、40a:角柱管、40b:開口部、41:スピーカ装置、42:パッシブ・ラジエター、43:スピーカ装置、44:スピーカ装置、45:スピーカ装置、46:スピーカ配設板、47:スピーカ配設板、48:スピーカ配設板、49:スピーカ装置、49a:正面板、49b:背面板、50:スピーカ装置、50a:振動板、50b:支持部材、51:高音用スピーカ本体、52:中音用スピーカ本体、53:低音用スピーカ本体、53a:開口部、54:隔壁、54a:支持体、55:スピーカ装置、55a:正面板、55b:背面板、56:スピーカ装置、56a:正面板、56b:背面板、57:スピーカ装置、57a:正面板、57b:振動板、58:スピーカ装置、58a:正面板、58b:背面板、59:振動板、59a:振動板、60:仕切板、60a、60b:開口部、61:振動板、62、62a:仕切板、62b、62c:開口部、63:スピーカ装置、63a:正面板、63b:背面板、63c:開口部、64:スピーカ装置、65:スピーカ装置、65a:正面板、65b:底板、65c:開口部、66:スピーカ装置、67:隔壁、68:隔壁

Claims (7)

  1. スピーカボックスの内部にスピーカ本体からの音を大きくする振動板を支持部材を介して取付けることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 請求項1記載のスピーカ装置において、前記スピーカ本体から発生し、前記スピーカボックス内を伝播する音を前記振動板に導く案内筒を設けることを特徴とするスピーカ装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載のスピーカ装置において、前記振動板の一端に重りを備えることを特徴とするスピーカ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスピーカ装置において、前記スピーカボックスには、前記スピーカ本体から発生し、前記スピーカボックス内部を伝播する低音領域の音と、前記スピーカ本体から発生した音が、前記振動板を振動させて発生した振動波とを、前記スピーカボックスの内部から外部へと放出するための開口部を備えていることを特徴とするスピーカ装置。
  5. 請求項4記載のスピーカ装置において、前記開口部には、前記低音領域の音と前記振動波とを受けて振動する振動部材を備えていることを特徴とするスピーカ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスピーカ装置において、前記スピーカ本体は低音用であることを特徴とするスピーカ装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のスピーカ装置において、前記振動板には、複数の周波数に共鳴する共鳴部を設けることを特徴とするスピーカ装置。
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