JP2007141640A - 電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電池モジュールは、正極と負極を有する電極体と、電極体に含浸している電解液と、電極体と電解液を密閉している密閉ケースと、密閉ケースを収容しているカバーを備えている。密閉ケースは、フィルム材で形成されているとともに、電極体と電解液を収容している収容空間の外周においてフィルム材同士を密着させた密着部によって密閉されている。カバーには、前記密閉ケースが介在した状態で対向している一対の対向面が形成されている。そして、前記収容空間を形成する前記フィルム材は、密着部の一部に隣接する範囲を除外して前記一対の対向面の範囲内に位置しており、前記密着部の一部に隣接する範囲は前記一対の対向面の範囲外に位置していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
電池では、例えば異常に温度上昇したときなどに、電解液等からガスが発生して、電池の内部圧力が異常に上昇してしまうことがある。ラミネート型電池では、圧力の異常上昇時に密閉ケースが破断し、ガスや電解液等を周囲に飛散させてしまうおそれがある。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、密閉ケースに特別な構造を設けることなく、密閉ケース内の内部圧力が異常に上昇したときに、密閉ケースを特定の位置で開口させることを可能とする技術を提供する。
この電池モジュールでは、密着部の一部に隣接する範囲以外の部分では、収容空間を構成するフィルム材が、ケースに形成されている一対の対向面の範囲内に位置しており、ケースに形成されている一対の対向面によって膨張が規制されてそれ以上に膨張することがない。密着部の一部を除外した範囲では、一対の対向面によってフィルム材の膨張が規制されるために、密着部に作用する剥離力が規制される。それに対して、密着部の一部に隣接する範囲では、収容空間を構成するフィルム材が、ケースに形成されている一対の対向面の範囲外に位置しており、ケースに形成されている一対の対向面によって膨張が規制されることがない。密着部の一部に隣接する範囲では、一対の対向面によってフィルム材の膨張が規制されないために、密着部のその一部に作用する剥離力は大きなものとなる。その結果、密閉ケース内の内部圧力が異常に上昇したときには、密着部の前記した一部(密着部に隣接して収容空間を形成するフィルム材が、ケースに形成されている対向面の範囲外に位置する密着部)が優先して剥離することとなる。
この電池モジュールによると、密閉ケースに特別な構造を設けることなく、密閉ケース内の圧力が上昇したときに、密閉ケースを特定の位置(前記した一部)で開口させることが可能となる。
それにより、上記したカバーを比較的に簡単な構造で実現することができる。
(形態1) 電極体は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在しているセパレータを有している。
(形態2) 密閉ケースは、保護層と、バリア層と、接着層を有する三層構造の積層フィルム材によって形成されている。保護層と接着層は樹脂によって形成されており、バリア層は金属によって形成されている。
(形態3) 密閉ケースは、表面側半ケースと裏面側半ケースを備えている。表面側半ケースと裏面側半ケースには、略矩形形状に膨出している収容部と、収容部の外周から延出している周縁部が形成されている。密閉ケースでは、表面側半ケースの収容部と裏面側半ケースの収容部が対向して、電極体や電解液を収容する収容空間が形成されている。また、表面側半ケースの周縁部と裏面側半ケースの周縁部は互いに密着されており、収容空間が大気から密閉されている。
図1、図2、図3に示すように、電池モジュール10は、二次電池20と、二次電池20を収容する電池カバー41、42を備えている。
図1、図2、図3に示すように、二次電池20は、電極体(図示せず)と、電極体に含浸している電解液(図示せず)と、電極体や電解液を密閉している密閉ケース19を備えている。また、二次電池20は、密閉ケース19の内部から外部へと伸びている正極端子32と負極端子34を備えている。
表面側半ケース21は、矩形形状に膨出している収容部21aと、収容部21aの周囲に延出している周縁部21bを備えている。裏面側半ケース22は、表面側半ケース21と略同一の形状をしており、収容部22aと周縁部22bを備えている(図3参照)。密閉ケース19では、表面側半ケース21の収容部21aと、裏面側半ケース22の収容部22aとが対向しており、電極体や電解液を収容している収容空間24が形成されている(図3参照)。また、表面側半ケース21の周縁部21bと、裏面側半ケース22の周縁部22bとが互いに熱溶着されており、密閉ケース19の周縁に沿って密着部26が形成されている。電極体や電解液を収容している収容空間24は、密着部26によって囲繞されており、外界に対して密閉されている。
密閉ケース19は、表面側半ケース21と裏面側半ケース22の両者を一枚のフィルム材に成形し、それを折り重ねて形成してもよい。あるいは、表面側半ケース21と裏面側半ケース22を別々のフィルム材に成形し、それらを重ね合わせてもよい。
本実施例の二次電池20は、いわゆるリチウム二次電池であり、リチウム二次電池用の正極活物質や、リチウム二次電池用の負極活物質や、リチウム二次電池用の電解液が採用されている。リチウム二次電池用の正極活物質には、例えばLiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2等が挙げられる。リチウム二次電池用の負極活物質には、例えばグラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等が挙げられる。リチウム二次電池用の電解液には、例えばDEC:ECの質量比が7:3である混合溶媒に、リチウム塩である1mol/LのLiPF6を溶解した非水電解液が挙げられる。
表面側半カバー41には、二次電池20の表面側半ケース21の収容部21aに対向する規制面41aが形成されている。また、裏面側半カバー42には、二次電池20の裏面側半ケース22の収容部22aに対向している規制面42aが形成されている。表面側半カバー41の規制面41aと、裏面側半カバー42の規制面42aは、両者の間に二次電池20の密閉ケース19が介在した状態で対向している。
二次電池20では、密閉ケース19の収容空間24内の内部圧力が上昇すると、密閉ケース19の収容部21a、22aが外方に膨出しようとする。このとき、電池モジュール10では、電池カバー41、42の規制面41a、42aによって、収容部21a、22aが膨出することが規制される。
図2、図3に示すように、電池カバー41、42に形成されている切欠部41b、42bは、二次電池20を電池カバー41、42内に収容した状態で、密閉ケース20の密着部26の外側縁部26aから、密着部26の内側縁部26bを超えて、収容部21a、22aの位置まで伸びるように形成されている。それにより、電池モジュール10では、密着部26の一部(図中のXの範囲)が、その範囲Xの内側縁部26bに隣接する収容部21a、22aの一部とともに、切欠部41b、42bにおいて露出している。切欠部41b、42bにおいて露出している収容部21a、22aは、密閉ケース19内の内部圧力が上昇したときに、電池カバー41、42の規制面41a、42aに規制されることなく、外方に膨出することができる。
電池カバー41、42に切欠部41b、42bや孔を形成する場合には、表面側半カバー41と表面側半カバー42の両者に設ける必要はなく、そのうちの一方のみに設けるようにしてもよい。また、切欠部41b、42bや孔は、少なくとも拘束面41a、42a側に設けられていればよく、電池カバー41、42を貫通する孔等を形成する必要は必ずしもない。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:二次電池
21:密閉ケースの表面側半ケース
22:密閉ケースの裏面側半ケース
24:収容空間
26:密着部
32:正極端子
34:負極端子
41:電池カバーの表面側半カバー
41a:表面側半カバーの規制面
41b:表面側半カバーの切欠部
42:電池カバーの裏面側半カバー
42a:裏面側半カバーの規制面
42b:裏面側半カバーの切欠部
Claims (2)
- 正極と負極を有する電極体と、
電極体に含浸している電解液と、
電極体と電解液を密閉している密閉ケースと、
密閉ケースを収容しているカバーを備えており、
前記密閉ケースは、フィルム材で形成されているとともに、電極体と電解液を収容している収容空間の外周においてフィルム材同士を密着させた密着部によって密閉されており、
前記カバーには、前記密閉ケースが介在した状態で対向している一対の対向面が形成されており、
前記収容空間を形成する前記フィルム材は、前記密着部の一部に隣接する範囲を除外して前記一対の対向面の範囲内に位置しており、前記密着部の一部に隣接する範囲は前記一対の対向面の範囲外に位置していることを特徴とする電池モジュール。 - 前記カバーの一対の対向面の少なくとも一方に切欠部が設けられており、前記密着部の一部に隣接する範囲のフィルム材が、その切欠部の範囲内に位置していることを特徴とする請求項1の電池モジュール。
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