以下、図面を参照して本発明に係る各種の実施形態を詳細に説明するが、各種実施形態を説明する前に本発明の基本形態について説明する。
[第1基本形態]
最初に、本発明の第1基本形態を説明する。
(カラー画像形成装置の構成)
以下では、まず本基本形態におけるカラー画像形成装置の構成を説明する。図1に示すように、カラー画像形成装置10には、プラテンガラス14上の所定位置に載置された原稿16の画像を露光走査してCCDセンサ13により読み取り画像信号データに変換する画像読取装置12と、画像読取装置12による画像の読み取りにより得られた画像信号データに基づいて、後述する手順でカラー画像を用紙50に形成する画像形成部18とが設けられている。
このうち画像形成部18には、CCDセンサ13により画像を読み取って得られた画像信号データを蓄積する画像蓄積部82と、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されカラー画像形成装置10における処理全般を制御する制御部80とが設けられている。
また、画像形成部18には、無端ベルト状の中間転写ベルト30と、中間転写ベルト30上に黄色のトナー画像を形成するイエロー画像形成部20と、中間転写ベルト30上にマゼンタ色のトナー画像を形成するマゼンタ画像形成部22と、中間転写ベルト30上にシアン色のトナー画像を形成するシアン画像形成部24と、中間転写ベルト30上に黒トナー画像を形成する黒画像形成部26とが設けられている。
このうちイエロー画像形成部20には、略円筒状でその中心軸を中心に矢印A方向に回転し且つ外周面が中間転写ベルト30に接している感光体20Cが設けられており、この感光体20Cの外周面付近に、該外周面を所定の電位に帯電させる帯電装置20Dと、画像信号データに基づきレーザ光を変調し、変調されたレーザ光を、帯電した感光体20Cの外周面に照射することで画像の黄色成分に対応した潜像を形成する潜像形成部20Aと、潜像形成部20Aにより形成された潜像を現像する現像装置20Bと、現像装置20Bによる現像で顕像化した黄色のトナー画像を中間転写ベルト30に転写する転写装置20Fと、感光体20Cの外周面からトナーを除去するクリーニング装置20Eとが、矢印A方向に沿って順に設けられている。また、現像装置20Bの近傍には、現像装置20Bに黄色のトナーを供給するトナー供給部20Gが設けられている。潜像形成部20Aからのレーザ光はミラー20Hで反射された後、感光体20Cの外周面に照射される。
なお、図1より明らかなように、他の画像形成部、即ち、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24、黒画像形成部26の構成は、前述したイエロー画像形成部20の構成と同様である。
中間転写ベルト30は、現像トナー像を静電転写するためにカーボンにより体積抵抗を調整された誘電体であり、駆動ロール32、34、36、38によって所定方向(駆動ロール32、38間では矢印B方向)に周回搬送される。ここでは、中間転写ベルト30の周長は、一例として1920mmであり、該中間転写ベルト30の搬送速度(プロセススピード)は160mm/秒とする。このため、中間転写ベルト30は一周12秒で周回する。
中間転写ベルト30の上側には、上記4つの画像形成部が矢印B方向に沿って、イエロー画像形成部20、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24、黒画像形成部26の順に配置されており、黒画像形成部26に対し矢印B方向下流側には濃度検出部28が設けられている。
一方、イエロー画像形成部20に対し矢印B方向上流側には、中間転写ベルト30のトナーの吸着性を良好にするために中間転写ベルト30の表面電位を所定電位に維持する吸着ロール40、中間転写ベルト30からトナーを除去するクリーニング装置42、中間転写ベルト30における基準位置を検出する基準位置検出センサ44が順に設けられている。
カラー画像形成装置10の上面には、メッセージ等を表示するディスプレイ84Aと、オペレータが各種コマンド等を入力するためのキーボード84Bとを含んで構成された操作部84が設けられている。
また、画像形成部18の下方には用紙50を収容した用紙収容部54が設けられており、用紙収容部54の最上層の用紙50は送り出しロール52により所定の用紙搬送路へ送り出される。送り出された用紙50は、搬送ロール55、56、58により用紙搬送路を搬送され、中間転写ベルト30の近傍に至る。用紙搬送路上には、中間転写ベルト30を挟んで搬送ロール36と対向する転写ロール60が設けられており、搬送ロール36と転写ロール60との挟持部を用紙50が搬送されるときに、中間転写ベルト30上に形成されたカラー画像(なお、カラー画像の形成処理は後述する)が用紙50に転写されるよう構成されている。
転写後の用紙50は、搬送ロール62により定着装置46へ搬送され、定着装置46により定着処理が施された後、用紙トレイ64へ排出される。
ところで、図9(A)に示すように、濃度検出部28による検出位置と黒画像形成部26による黒トナー画像の転写位置26Gとは100mmの間隔で設定されている。また、黒画像形成部26による黒トナー画像の転写位置26G、シアン画像形成部24によるシアン色トナー画像の転写位置24G、マゼンタ画像形成部22によるマゼンタ色トナー画像の転写位置22G、イエロー画像形成部20によるイエロー色トナー画像の転写位置20Gは、互いに196mmの間隔で設定されている。さらに、イエロー色トナー画像の転写位置20Gと基準位置検出センサ44による検出位置とは、中間転写ベルト30の周回搬送路に沿って、320mmの間隔で設定されている。
また、制御部80内のROMには、YMCK各色の濃度検出値が基準範囲内となるように調整するための、基準範囲からのYMCK各色の濃度検出値のずれ量に応じた現像装置へのトナー供給量の調整量の情報が予め記憶されている。
(濃度検出に係る構成について)
ところで、濃度検出部28の近傍には、図2に示すように、LED70が設けられており、濃度検出部28は、LED70から検出対象の面に照射された光の反射光量を検出し、この反射光量より検出対象の濃度を検出する。なお、LED70としては、赤外領域の波長(900nm〜1200nm)のレーザ光を射出する赤外タイプのLEDを用いており、その理由を以下に説明する。
図3(A)には可視領域における黄色の分光感度特性を、図3(B)には赤外領域における黄色の分光感度特性を、それぞれ示しており、これらの図より明らかなように、黄色は赤外領域の波長(900nm〜1200nm)では95%以上反射することがわかる。同様に、マゼンタ色の分光感度特性を示す図4(A)、(B)、及びシアン色の分光感度特性を示す図5(A)、(B)より明らかなように、マゼンタ色、シアン色共に赤外領域の波長(900nm〜1200nm)では95%以上反射することがわかる。
一方、濃度検出対象の画像の下地となる中間転写ベルト30の分光感度特性は、10〜20%程度であるため、上記赤外領域の波長では下地の中間転写ベルト30と各色トナー像とで光反射率の差異(即ち、図7に示す所定光量の光を照射したときの反射光量の差異ΔRY 、ΔRM 、ΔRC )が大きくなり、各色トナー像の濃度を精度良く検出することが可能となる。このような精度の良い濃度検出を実現するために、LED70として、赤外領域の波長(900nm〜1200nm)のレーザ光を射出する赤外タイプのLEDを用いた。
ところで、黒色の分光感度特性を示す図6(A)、(B)より明らかなように、黒色については350nm〜1200nmの領域で分光感度特性は10%以下であり、中間転写ベルト30と黒トナー像とで光反射率の差異は小さいので、中間転写ベルト30を下地として黒トナー画像の濃度を精度良く検出することは困難である。
そこで、本基本形態では、図7に示すように中間転写ベルト30上に形成されたカラートナー画像88の一部に黒トナー画像86を重ねて形成し、カラートナー画像88を下地として黒トナー画像86の濃度を検出する。これにより、下地のカラートナー画像(図7では一例として黄色トナー像)88と黒トナー画像86とで光反射率の差異(即ち、図7に示す所定光量の光を照射したときの反射光量の差異ΔRK )が大きくなり、黒トナー画像86の濃度を精度良く検出することが可能となる。
なお、本基本形態では、YMCのカラートナー画像や黒トナー画像は、中間転写ベルト30における幅方向に沿って両側の領域にそれぞれ形成される。このため、図2に示す濃度検出部28、LED70も一対ずつ設けられている。
(カラー画像形成処理の概要)
次に、カラー画像形成装置10において実行されるカラー画像形成処理の概要を、図8のフローチャートに沿って説明する。なお、以下説明するカラー画像形成処理は、制御部80により実行される。
まず、図8のステップ100では、画像読取装置12において、プラテンガラス14上の所定位置に載置された原稿16の画像を、CCDセンサ13により読み取り、次のステップ102では、上記ステップ100の読み取りで得られた画像信号データをYMCKの各色の画像信号へ変換する。
そして、次のステップ104では、黒画像形成部26、シアン画像形成部24、マゼンタ画像形成部22、イエロー画像形成部20のそれぞれにおいて、以下のようにして各色の画像信号に基づく各色のトナー像を各形成部の感光体に形成する。例えば、イエロー画像形成部20において、矢印A方向に回転する感光体20Cの表面を帯電装置20Dにより所定電位に帯電し、帯電した表面に潜像形成部20Aにより黄色の画像信号により変調されたレーザ光を照射することで画像の黄色成分に対応する潜像を形成する。そして、この潜像は現像装置20Bにより現像されて黄色のトナー像として可視像化される。イエロー画像形成部20以外の画像形成部においても、同様に各色のトナー像や黒トナー画像が各画像形成部の感光体に形成される。
次のステップ106では、中間転写ベルト30を搬送させ、該中間転写ベルト30上に各色のトナー像を重ねて転写することで、目的とするカラー画像を形成する。
具体的には、図1の矢印A方向に回転する中間転写ベルト30に対し、まず、図1の矢印B方向最上流側にあるイエロー画像形成部20の転写装置20Fによって黄色のトナー像が転写される。なお、中間転写ベルト30に対し各画像形成部によるトナー像の転写が行われる駆動ロール32、38間では、中間転写ベルト30は矢印B方向に搬送されるので、以下で用いられる中間転写ベルト30の搬送方向は図1の矢印B方向を意味するものとする。
そして、中間転写ベルト30における黄色のトナー像の形成部に対し、マゼンタ画像形成部22の転写装置によってマゼンタ色のトナー像が重ねて転写される。以後、同様に、シアン画像形成部24の転写装置によってシアン色のトナー像が、黒画像形成部26の転写装置によって黒トナー画像が、順に重ねて転写される。このようにYMCKの4色のトナー像が中間転写ベルト30に重ねて転写されることで、目的とするカラー画像が中間転写ベルト30上に形成される。
次のステップ108では、上記のようにして中間転写ベルト30上に形成されたカラー画像を、所定の用紙搬送路に沿って搬送されてきた用紙50へ、転写ロール60によって転写する。これにより、用紙50上に、目的とするカラー画像が形成される。
そして、次のステップ110では、後処理として、カラー画像が形成された用紙50を用紙トレイ64へ排出すると共に、クリーニング装置42による中間転写ベルト30上のトナーの除去及び各画像形成部のクリーニング装置による各感光体上のトナーの除去を実行して、処理を終了する。
以上のようなカラー画像形成処理により、原稿16の画像が用紙50に形成され、該画像が形成された用紙50を得ることができる。
なお、ステップ102でのYMCK各色の画像信号への変換対象となる画像信号データは、ステップ100で画像読取装置12により原稿を読み取って得られた画像信号データに限定されるものではなく、予め画像読取装置12により原稿を読み取って画像蓄積部82に蓄積していた画像信号データや、外部の画像読取装置から図示しない通信回線等を介して入力された画像信号データであっても良い。
(第1基本形態の作用)
次に、第1基本形態の作用として、YMCK各色の濃度調整処理のうち、本発明に係る黒画像の濃度調整処理を、図10のフローチャートに沿って説明する。なお、この濃度調整処理は、カラー画像形成装置10の電源投入時及び予め定められた時間間隔で、制御部80の制御の下で実行される。もちろん、カラー画像形成装置10の設置環境が急激に変化した場合にも、オペレータの手動で濃度調整処理を実行することが望ましく、例えば、前回濃度調整処理を実行してから温度が3度以上変化したとき又は湿度が20%以上変化したときに濃度調整処理を実行することが望ましい。
図10のステップ120では、搬送ロール32、34、36、38を駆動して矢印B方向への中間転写ベルト30の搬送を開始する。次のステップ122では、画像蓄積部82に予め記憶された後述するパターン像の画像信号データに基づいて、黒画像形成部26、シアン画像形成部24、マゼンタ画像形成部22、イエロー画像形成部20のそれぞれにおいて以下のようなYMCKの各パターン像を各感光体に形成する。ここでは、YMC各色については画像信号濃度が50%(以下、Cin=50%と表す)の15mm×15mmの正方形のパターン像と、Cin=100%の20mm×20mmの正方形のパターン像とを形成し、黒色についてはCin=50%の15mm×15mmの正方形のパターン像を形成する。
なお、パターン像の画像信号データは、画像蓄積部82に予め記憶されたものでなくても良く、図示しないパターンジェネレータから供給されるパターン像の画像信号データを用いても良い。
次のステップ124では、イエロー画像形成部20、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24(以下、これら3つをカラー画像形成部と総称する)によって、YMC各色のCin=50%の15mm×15mmの正方形パターン像を各感光体から中間転写ベルト30に転写することで、中間転写ベルト30上にYMC各色の正方形パターン像を形成する。なお、以下では、中間転写ベルト30上に形成されたカラー(YMC何れか)のCin=50%の正方形パターン像を、50%カラー濃度パッチと称する。
なお、ステップ122、124での中間転写ベルト30上への50%濃度パッチの形成タイミングは、基準位置センサ44により中間転写ベルト30の基準マーク(例えば、住友スリーエム社製の#850ポリエステル系の銀色のシール等)が検出されてから2.0秒後(=基準位置センサ44〜黄色トナー像の転写位置20G間の距離320mm÷プロセススピード160(mm/秒))に、イエロー画像形成部20によって黄色の50%濃度パッチが中間転写ベルト30に転写されるように制御される。
以後、図9(B)に示すように、マゼンタ画像形成部22によって上記黄色の50%濃度パッチと5mmの間隔を空けてマゼンタ色の50%濃度パッチを、シアン画像形成部24によってマゼンタ色の50%濃度パッチと5mmの間隔を空けてシアン色の50%濃度パッチを、それぞれ中間転写ベルト30に形成する。
次のステップ126では、図9(B)に示すYMC各色の50%濃度パッチが濃度検出部28の検出位置に到達した時点で、それぞれの濃度を濃度検出部28によって検出する。なお、前述したように、YMC各色の50%濃度パッチは一対形成され、それらの各々に対して濃度検出部28により濃度が検出される。ここでの2つの濃度検出値は検出誤差を少なくするために加算平均され、この加算平均値が濃度検出値として、以後の判定処理等で用いられる。
次のステップ130ではYMC各色の50%濃度パッチの濃度検出値が全て予め定められた基準範囲内であるか否かを判定する。ここでの基準範囲としては、例えば、濃度を、対象濃度パッチからの反射光量に相関する出力電圧により検出する場合、50%濃度に相当する1Vから±0.2%の範囲を採用することができる。
ここで、YMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内でないものがある場合は、ステップ132へ進み、YMC各色の濃度検出値が全て基準範囲外であるか否かを判定する。もし、YMC各色の濃度検出値が全て基準範囲外であれば、ステップ134へ進み、基準範囲からの各色の濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、各カラー画像形成部においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する。そして、ステップ122へ戻り、調整済の各カラー画像形成部によって再度パターン像を形成する。
一方、ステップ132でYMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内のものがある場合は、ステップ136へ進み、形成したカラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外であったカラー画像形成部に対して、上記ステップ134と同様にトナー供給部によるトナー供給量の調整を行う。
上記ステップ136での調整が完了した後、及びステップ130でYMC各色の濃度検出値が全て基準範囲内であった場合には、ステップ138へ進み、濃度検出値が基準範囲内であったカラー濃度パッチと同色のカラー画像形成部によって、当該色のCin=100%の20mm×20mmの正方形パターン像を感光体から中間転写ベルト30に転写することで、中間転写ベルト30上に当該色の正方形パターン像を形成する。なお、以下では、中間転写ベルト30上に形成されたカラー(YMC何れか)のCin=100%の正方形パターン像を、100%カラー濃度パッチと称する。
具体的には、図9(B)に示すように、黄色の100%濃度パッチと5mmの間隔を空けてマゼンタ色の100%濃度パッチを、該マゼンタ色の100%濃度パッチと5mmの間隔を空けてシアン色の100%濃度パッチを、それぞれ中間転写ベルト30に形成する。
次のステップ140では、図9(B)に示すように上記各色の100%濃度パッチ上に、黒画像形成部26によって黒色のCin=50%の15mm×15mmの正方形パターン像を重ねて転写することで、中間転写ベルト30上に黒色の正方形パターン像を形成する(但し、図9(B)にはYMC各色の濃度検出値が全て基準範囲内であった場合の例を示す)。なお、以下では、中間転写ベルト30上に形成された黒色の正方形パターン像を黒濃度パッチと称する。
そして、次のステップ142では、黒濃度パッチが濃度検出部28の検出位置に到達した時点で、その濃度を濃度検出部28によって検出する。なお、黒濃度パッチも、YMC各色の濃度パッチと同様に一対形成され、各々に対して濃度検出部28により濃度が検出される。ここでの2つの濃度検出値は検出誤差を少なくするために加算平均され、この加算平均値が濃度検出値として以後の判定処理等で用いられる。
次のステップ144では黒濃度パッチの濃度検出値が予め定められた基準範囲内であるか否かを判定する。ここでの基準範囲としては、例えば、濃度を、対象濃度パッチからの反射光量に相関する出力電圧により検出する場合、50%濃度に相当する1Vから±0.2%の範囲を採用することができる。
本基本形態では、一例として、このステップ144で判定対象とする黒濃度パッチの濃度検出値としては、黄色の100%濃度パッチを下地とした黒濃度パッチの濃度検出値、マゼンタ色の100%濃度パッチを下地とした黒濃度パッチの濃度検出値、シアン色の100%濃度パッチを下地とした黒濃度パッチの濃度検出値の順に、優先順位を付けて採用するものとする。即ち、図3(B)、図4(B)、図5(B)の分光感度特性より、反射率の高さ及びその安定性の点で、黒トナー画像の下地としては黄色、マゼンタ色、シアン色の順に好適であるため、上記のような優先順位を採用している。
もし、黒色の濃度検出値が基準範囲内でなければ、ステップ146へ進み、基準範囲からの濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、黒色画像形成部26においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する。
このような調整を完了した後及びステップ144で黒色の濃度検出値が基準範囲内であった場合は、ステップ148へ進み、黒画像の濃度調整処理が完了した旨を操作部84のディスプレイ84Aに表示すると共に、後処理として、クリーニング装置42による中間転写ベルト30上のトナーの除去及び各画像形成部のクリーニング装置による各感光体上のトナーの除去を実行し、中間転写ベルト30の搬送を停止して、処理を終了する。
なお、上記ステップ132で全てのカラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外と判定され、ステップ134で各カラー画像形成部の調整を完了した後は、ステップ122、124へ戻り、図9(C)に示すように、調整済の各カラー画像形成部によって再度カラー濃度パッチ(図9(C)にはC補、M補、Y補と記載)を形成し、ステップ126〜132でカラー濃度パッチの濃度検出及び判定を再度実行する。
以上説明した第1基本形態によれば、黒画像形成部26はカラー画像形成部よりも中間転写ベルト30の搬送方向下流側に配置されているため、中間転写ベルト30におけるカラー濃度パッチが形成された部分(カラー濃度パッチ形成部)は、中間転写ベルト30が半周する前に黒画像形成部26に到達する。
このため、従来のように黒画像形成部26をカラー画像形成部よりも搬送方向上流側に配置した場合に比べ、カラー濃度パッチ形成部は早く黒画像形成部26に到達するので、従来よりも早くカラー濃度パッチ上に黒濃度パッチを形成し、該黒濃度パッチの濃度検出や黒画像の濃度調整等に速やかに行うことができる。これにより、黒画像の濃度調整処理を効率良く実行することができる。
[第2基本形態]
次に、第2基本形態を説明する。なお、第2基本形態におけるカラー画像形成装置10の構成は、図11(A)に示すように、各画像形成部毎に濃度検出部28を設けた点が上記第1基本形態と異なる。
即ち、黒画像形成部26に対応して濃度検出部28Kが、シアン画像形成部24に対応して濃度検出部28Cが、マゼンタ画像形成部22に対応して濃度検出部28Mが、イエロー画像形成部20に対応して濃度検出部28Yが、それぞれ中間転写ベルト30の搬送方向(矢印B方向)下流側に設置されている。また、各濃度検出部による検出位置と、対応する画像形成部による転写位置とは100mmの間隔で設定されている(例えば、濃度検出部28Yによる検出位置〜黄色トナー像の転写位置20G間は100mmに設定されている)。上記以外の構成は、第1基本形態と同様であるので、説明を省略する。
(第2基本形態の作用)
次に、第2基本形態の作用として、黒画像の濃度調整処理を図12のフローチャートに沿って説明する。この第2基本形態での濃度調整処理の実施タイミングは、第1基本形態での濃度調整処理の実施タイミングと同様である。なお、図12のフローチャートでは、前述した図10のフローチャートと同様の処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップについては詳細な説明を省く。
図12のステップ120では、搬送ロール32、34、36、38を駆動して矢印B方向への中間転写ベルト30の搬送を開始し、次のステップ122では、画像蓄積部82に予め記憶された後述するパターン像の画像信号データに基づいて、各画像形成部において以下のようなYMCKの各パターン像を各感光体に形成する。ここでは、YMC各色についてはCin=100%の20mm×20mmの正方形のパターン像を形成し、黒色についてはCin=50%の15mm×15mmの正方形のパターン像を形成する。
次のステップ123では、各カラー画像形成部によって、YMC各色のCin=100%の20mm×20mmの正方形パターン像を各感光体から中間転写ベルト30に転写することで、中間転写ベルト30上にYMC各色の正方形パターン像(100%カラー濃度パッチ)を形成し、次のステップ126ではYMC各色の100%濃度パッチの濃度を、各カラー画像形成部に対応した濃度検出部28によって検出する。即ち、黄色のカラー濃度パッチの濃度を濃度検出部28Yによって、マゼンタ色のカラー濃度パッチの濃度を濃度検出部28Mによって、シアン色のカラー濃度パッチの濃度を濃度検出部28Cによって、それぞれ検出する。第2基本形態では、各画像形成部に対し中間転写ベルト30の搬送方向下流側に濃度検出部28が設置されているので、ステップ123で各色の100%カラー濃度パッチを形成した後、速やかに各カラー画像形成部に対応した濃度検出部28によって濃度検出を行うことができる。
次のステップ130ではYMC各色の100%濃度パッチの濃度検出値が全て予め定められた基準範囲内であるか否かを判定する。ここでの基準範囲としては、例えば、濃度を、対象濃度パッチからの反射光量に相関する出力電圧により検出する場合、100%濃度に相当する2Vから±0.2%の範囲を採用することができる。
ここで、YMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内でないものがある場合は、ステップ132へ進み、YMC各色の濃度検出値が全て基準範囲外であるか否かを判定する。もし、YMC各色の濃度検出値が全て基準範囲外であれば、ステップ134へ進み、基準範囲からの各色の濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、各カラー画像形成部においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する。そして、ステップ122へ戻り、調整済の各カラー画像形成部によって再度パターン像を形成する。
一方、ステップ132でYMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内のものがある場合は、ステップ136へ進み、形成したカラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外であったカラー画像形成部に対して、上記ステップ134と同様にトナー供給部によるトナー供給量の調整を行う。
上記ステップ136での調整が完了した後、及びステップ130でYMC各色の濃度検出値が全て基準範囲内であった場合には、ステップ139へ進み、図11(B)の下段に示すように、濃度検出値が基準範囲内であったカラー濃度パッチ上に、黒画像形成部26によって黒色のCin=50%の15mm×15mmの正方形パターン像を重ねて転写することで、中間転写ベルト30上に黒濃度パッチを形成する。
このように第2基本形態では、図11(B)に示すように、ステップ126で濃度検出の対象となったカラー濃度パッチ上に黒濃度パッチを形成し、次のステップ142で黒濃度パッチが濃度検出部28Kの検出位置に到達したときに、その濃度を濃度検出部28Kによって検出する。但し、図11(B)にはYMC各色の濃度検出値が全て基準範囲内であった場合の例を示している。
以後、第1基本形態と同様に、黒濃度パッチの濃度検出値が予め定められた基準範囲内であるか否かを判定し(ステップ144)、もし、黒色の濃度検出値が基準範囲内でなければ、基準範囲からの濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、黒色画像形成部26においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する(ステップ146)。
そして、このような調整を完了した後及びステップ144で黒色の濃度検出値が基準範囲内であった場合は、黒画像の濃度調整処理が完了した旨を操作部84のディスプレイ84Aに表示すると共に、後処理として、クリーニング装置42による中間転写ベルト30上のトナーの除去及び各画像形成部のクリーニング装置による各感光体上のトナーの除去を実行し、中間転写ベルト30の搬送を停止して(ステップ148)、処理を終了する。
なお、上記ステップ132で全てのカラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外と判定され、ステップ134で各カラー画像形成部の調整を完了した後は、ステップ122、123へ戻り、図11(C)に示すように、調整済の各カラー画像形成部によって再度カラー濃度パッチ(図11(C)にはY補と記載)を形成し、ステップ126〜132でカラー濃度パッチの濃度検出及び判定を再度実行する。
以上説明した第2基本形態では、各画像形成部に対し中間転写ベルト30の搬送方向下流側に濃度検出部28を配置したので、下地となる各色の100%カラー濃度パッチを形成した後、速やかに該カラー濃度パッチの濃度検出を行うことができると共に、濃度検出の対象となったカラー濃度パッチ上に黒濃度パッチを形成し、速やかに黒濃度パッチの濃度検出を行うことができる。このため、黒画像の濃度調整処理を効率良く実行することができる。
[第3基本形態]
次に、第3基本形態を説明する。なお、第3基本形態におけるカラー画像形成装置10の構成は、第1基本形態と同様であるので、説明を省略する。
(第3基本形態の作用)
次に、第3基本形態の作用として、黒画像の濃度調整処理を図15のフローチャートに沿って説明する。この第3基本形態での濃度調整処理の実施タイミングは、第1基本形態での濃度調整処理の実施タイミングと同様である。なお、図15のフローチャートでは、前述した第1基本形態での図10のフローチャートと同様の処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップについては詳細な説明を省く。
図15のステップ120では、搬送ロール32、34、36、38を駆動して矢印B方向への中間転写ベルト30の搬送を開始し、次のステップ122では、画像蓄積部82に予め記憶された後述するパターン像の画像信号データに基づいて、各画像形成部において以下のようなYMCKの各パターン像を各感光体に形成する。ここでは、YMC各色についてはCin=50%の15mm×15mmの正方形のパターン像と、Cin=100%の20mm×20mmの正方形のパターン像とを形成し、黒色についてはCin=50%の15mm×15mmの正方形のパターン像を形成する。
次のステップ125では、各カラー画像形成部によってYMC各色のCin=50%の15mm×15mmの正方形パターン像及びCin=100%の20mm×20mmの正方形パターン像を各感光体から中間転写ベルト30に転写することで、中間転写ベルト30上にYMC各色の50%カラー濃度パッチ、100%カラー濃度パッチを形成する。
なお、ステップ122、125での中間転写ベルト30上への50%濃度パッチの形成タイミングは、基準位置センサ44により中間転写ベルト30の基準マーク(例えば、住友スリーエム社製の#850ポリエステル系の銀色のシール等)が検出されてから2.0秒後に、イエロー画像形成部20によって黄色の50%濃度パッチが中間転写ベルト30に転写されるように制御される(図14のタイムチャートには、TR0から2.0秒後に最初の黄色の50%濃度パッチY1が中間転写ベルト30に形成されることを記載)。
以後、図13(B)に示すように、上記黄色の50%濃度パッチに引き続き、マゼンタ色の50%濃度パッチ、シアン色の50%濃度パッチ、黄色の100%濃度パッチ、マゼンタ色の100%濃度パッチ、シアン色の100%濃度パッチを、中間転写ベルト30の搬送方向に沿ってそれぞれ5mmの間隔を空けて、中間転写ベルト30に形成する。
次のステップ127では、上記ステップ125で形成された図13(B)に示す各色の100%カラー濃度パッチ上に、黒画像形成部26によって黒色のCin=50%の15mm×15mmの正方形パターン像を重ねて転写することで、中間転写ベルト30上に黒濃度パッチを形成する。このように第3基本形態では、カラー濃度パッチ、黒濃度パッチの濃度検出を行う前に、これらカラー濃度パッチ、黒濃度パッチを中間転写ベルト30上に形成する。
そして、次のステップ128では、図13(B)に示すYMC各色の50%カラー濃度パッチが濃度検出部28の検出位置に到達した時点で、それぞれの濃度を濃度検出部28によって検出し、次のステップ130でYMC各色の50%濃度パッチの濃度検出値が全て予め定められた基準範囲内であるか否かを判定する。
ここで、YMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内でないものがある場合は、ステップ132へ進み、YMC各色の濃度検出値が全て基準範囲外であるか否かを判定する。もし、YMC各色の濃度検出値が全て基準範囲外であれば、ステップ134へ進み、基準範囲からの各色の濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、各カラー画像形成部においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する。そして、ステップ122へ戻り、調整済の各カラー画像形成部によって再度パターン像を形成する。
一方、ステップ132でYMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内のものがある場合は、ステップ136へ進み、形成したカラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外であったカラー画像形成部に対して、上記ステップ134と同様にトナー供給部によるトナー供給量の調整を行う。
上記ステップ136での調整が完了した後、及びステップ130でYMC各色の濃度検出値が全て基準範囲内であった場合には、ステップ141へ進み、濃度検出値が基準範囲内であったカラー濃度パッチと同色の100%カラー濃度パッチ上の黒濃度パッチの濃度を、該黒濃度パッチが濃度検出部28の検出位置に到達した時点で、濃度検出部28によって検出する。
以後、第1基本形態と同様に、黒濃度パッチの濃度検出値が予め定められた基準範囲内であるか否かを判定し(ステップ144)、もし、黒色の濃度検出値が基準範囲内でなければ、基準範囲からの濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、黒色画像形成部26においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する(ステップ146)。
そして、このような調整を完了した後及びステップ144で黒色の濃度検出値が基準範囲内であった場合は、黒画像の濃度調整処理が完了した旨を操作部84のディスプレイ84Aに表示すると共に、後処理として、クリーニング装置42による中間転写ベルト30上のトナーの除去及び各画像形成部のクリーニング装置による各感光体上のトナーの除去を実行し、中間転写ベルト30の搬送を停止して(ステップ148)、処理を終了する。
なお、上記ステップ132で全てのカラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外と判定された場合は、ステップ134で各カラー画像形成部の調整を行った後、ステップ122、125へ戻り、図13(C)に示すように、調整済の各カラー画像形成部によって再度カラー濃度パッチ(図13(C)の補正パッチ)を形成し、再度カラー濃度パッチの濃度検出が行われる。
ここでは、図14に示すように、例えば、補正後の黄色のカラー濃度パッチ(Y補)に対しては、前回黄色のカラー濃度パッチ(Y1)に対して濃度検出を行ってから、4.5秒後に濃度検出が行われる。この4.5秒は、応答時間を200ミリ秒とし、(イエロー画像形成部20と濃度検出部28との距離/プロセススピード)+応答時間により求められる。即ち、(688/160)+0.2=4.5となる。
以上説明した第3基本形態では、第1、第2基本形態と異なり、先にカラー濃度パッチ及び黒濃度パッチを中間転写ベルト30上に形成してから、該カラー濃度パッチや黒濃度パッチの濃度検出を実行しているが、このような手順であっても、黒画像形成部26はカラー画像形成部よりも中間転写ベルト30の搬送方向下流側に配置されているため、2つのカラー濃度パッチ(Cin=50%、100%)を形成した後、すぐに搬送方向上流側の100%カラー濃度パッチ上に黒濃度パッチを重ねて形成することができ、カラー濃度パッチ及び黒濃度パッチの形成に要する時間が従来よりも短くてすむ。
また、2つのカラー濃度パッチのうち搬送方向上流側の100%カラー濃度パッチ上に黒濃度パッチを形成するので、ステップ128で搬送方向下流側の50%カラー濃度パッチの濃度を検出した後、速やかにステップ141で搬送方向上流側の100%カラー濃度パッチ上の黒濃度パッチの濃度を検出することができる。
このように第3基本形態によれば、黒画像の濃度調整処理を効率良く実行することができる。
[第4基本形態]
次に、第4基本形態を説明する。なお、第4基本形態におけるカラー画像形成装置10では、図16(A)に示すように、中間転写ベルト30の搬送方向(矢印B方向)に沿って4つの画像形成部が、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24、イエロー画像形成部20、黒画像形成部26の順に配置されており、黒画像形成部26の下流側の濃度検出部28は、図16(B)に示すように、中間転写ベルト30の幅方向に沿って配置された3つの濃度検出部28Y、28M、28Cにより構成されている。その他の構成は、第1基本形態と同様であるので、説明を省略する。
(第4基本形態の作用)
次に、第4基本形態の作用として、黒画像の濃度調整処理を説明する。第4基本形態での黒画像の濃度調整処理の手順は、第3基本形態と同じであり、図15のフローチャートを適用することができる。
但し、第4基本形態では、図15のステップ125で、図16(B)に示すように、YMC各色の50%カラー濃度パッチ(15mm×15mm)を中間転写ベルト30の幅方向に沿って形成し、さらに、搬送方向に沿って5mmの間隔を空けてYMC各色の100%カラー濃度パッチ(20mm×20mm)を中間転写ベルト30の幅方向に沿って形成する。
次のステップ127では、上記ステップ125で形成された図16(B)に示す各色の100%カラー濃度パッチ上に、黒画像形成部26によって黒色の50%濃度パッチ(15mm×15mm)を重ねて形成する。
そして、次のステップ128では図16(B)の濃度検出部28Yによってイエロー色50%カラー濃度パッチの濃度を、濃度検出部28Mによってマゼンタ色50%カラー濃度パッチの濃度を、濃度検出部28Cによってシアン色50%カラー濃度パッチの濃度を、それぞれ並行して検出する。
その後、ステップ141で黒濃度パッチの濃度検出を行う際には、ステップ130で濃度検出値が基準範囲内であると判定された下地のカラー濃度パッチのうち、黒色画像形成部26に最も近いカラー画像形成部で形成されたカラー濃度パッチ上の黒濃度パッチの濃度を、対応する濃度検出部28(濃度検出部28Y、28M、28Cの何れか)によって検出する。
ところで、カラー濃度パッチの濃度が適性ではなく、再度ステップ122へ戻って下地となるカラー濃度パッチを再作成するケースを想定すると、図16(C)及び図17に示すように、黒色画像形成部26に最も近いイエロー画像形成部20により再形成された黄色カラー濃度パッチは、前回の濃度検出・判定後、2.05秒で濃度検出される。この2.05秒は、応答時間を200ミリ秒とし、(イエロー画像形成部20と濃度検出部28との距離/プロセススピード)+応答時間により求められる。即ち、(296/160)+0.2=2.05となる。
これに対し、シアン画像形成部24により再形成されたシアン色カラー濃度パッチは3.275秒で濃度検出され、マゼンタ画像形成部22により再形成されたマゼンタ色カラー濃度パッチは4.5秒で濃度検出される。なお、3.275=(シアン画像形成部24と濃度検出部28との距離/プロセススピード)+応答時間=((492/160)+0.2)である。4.5=(マゼンタ画像形成部22と濃度検出部28との距離/プロセススピード)+応答時間=((688/160)+0.2)である。
従って、上記のように黒色画像形成部26に最も近いカラー画像形成部で形成されたカラー濃度パッチ上の黒濃度パッチの濃度を検出対象とすることにより、カラー濃度パッチの濃度が適性でなくカラー濃度パッチを再形成する場合に、最も早くカラー濃度パッチを再形成し濃度検出することができる。
このような第4基本形態では、YMCの50%カラー濃度パッチの濃度を3つの濃度検出部によって並行して検出できるので、濃度検出の処理効率が良い上、前述のようにカラー濃度パッチの再形成を迅速に行うことができ、黒色の濃度調整処理を効率良く実行することができる。
ところで、図3(B)には黄色のトナー画像の分光特性を、図4(B)にはマゼンタ色のトナー画像の分光特性を、図5(B)にはシアン色のトナー画像の分光特性を、図6(B)には黒色のトナー画像の分光特性を、それぞれ示すが、これらより黄色のトナー画像の反射率はマゼンタ色やシアン色のトナー画像の反射率よりも高く、黒色のトナー画像の反射率との差異が最も大きいことがわかる。よって、黄色のカラー濃度パッチを下地として黒濃度パッチの濃度を検出する場合が、下地と黒濃度パッチとの反射率の差異が最も大きくなり、最も精度良く濃度検出できる。
上記第4基本形態では、イエロー画像形成部20を黒色画像形成部26の最も近くに配置したので、下地となるカラー濃度パッチを再作成する場合には、最も精度良く黒濃度パッチの濃度検出が可能な黄色下地の黒濃度パッチを、より短時間のうちに中間転写ベルト30上に形成することができる。即ち、精度の良い黒濃度パッチの濃度検出を効率良く実行することができる。
[第5基本形態]
次に、第5基本形態を説明する。なお、第5基本形態におけるカラー画像形成装置10では、図18(A)に示すように、中間転写ベルト30の搬送方向(矢印B方向)に沿って4つの画像形成部が、イエロー画像形成部20、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24、黒画像形成部26の順に配置されており、黒画像形成部26の下流側の濃度検出部28は、図18(B)に示すように第4基本形態と同様に、中間転写ベルト30の幅方向に沿って配置された3つの濃度検出部28Y、28M、28Cにより構成されている。その他の構成は、第1基本形態と同様であるので、説明を省略する。
(第5基本形態の作用)
次に、第5基本形態の作用として、黒画像の濃度調整処理を図19のフローチャートに沿って説明する。この第5基本形態での濃度調整処理の実施タイミングは、第1基本形態での濃度調整処理の実施タイミングと同様である。
図19のステップ170では、搬送ロール32、34、36、38を駆動して矢印B方向への中間転写ベルト30の搬送を開始し、次のステップ172では、画像蓄積部82に予め記憶された後述するパターン像の画像信号データに基づいて、各画像形成部において以下のようなYMCKの各パターン像を各感光体に形成する。ここでは、YMC各色については、図18(B)に示すCin=100%のサイズの異なる2つの正方形パターン像、Cin=95%のサイズの異なる2つの正方形パターン像、Cin=90%のサイズの異なる2つの正方形パターン像、Cin=85%のサイズの異なる2つの正方形パターン像、Cin=80%のサイズの異なる2つの正方形パターン像、Cin=75%のサイズの異なる2つの正方形パターン像を順に形成する。サイズは15mm×15mmと20mm×20mmである。一方の黒色については横に並べたCin=50%の15mm×15mmの3つの正方形パターン像を順に形成する。
次のステップ174では、図18(B)に示すように、各カラー画像形成部によって、上記の2つ1組の正方形パターン像を6組分(Cin=100%〜75%)中間転写ベルト30上に、搬送方向に沿ってYMC並列に形成されるよう各光体から中間転写ベルト30へ転写する。これにより、2つ1組のカラー濃度パッチを6組分(Cin=100%〜75%)中間転写ベルト30上に、搬送方向に沿ってYMC並列に形成する。但し、上記各組では搬送方向上流側のカラー濃度パッチが15mm×15mm、下流側のカラー濃度パッチが20mm×20mmとなるよう形成される。
次のステップ176では、図18(B)に示すように、上記各組で搬送方向上流側の20mm×20mmのカラー濃度パッチ上に、黒画像形成部26によって黒色のCin=50%の15mm×15mmの正方形パターン像を重ねて転写することで、中間転写ベルト30上に黒濃度パッチを形成する。
次のステップ178では、YMC各色の100%濃度パッチの濃度を、各カラー画像形成部に対応した濃度検出部28によって検出する。即ち、黄色のカラー濃度パッチの濃度を濃度検出部28Yによって、マゼンタ色のカラー濃度パッチの濃度を濃度検出部28Mによって、シアン色のカラー濃度パッチの濃度を濃度検出部28Cによって、それぞれ検出する。
そして、次のステップ180ではYMC各色のカラー濃度パッチの濃度検出値が全て予め定められた基準範囲内であるか否かを判定する。ここでの基準範囲としては、例えば、濃度を、対象濃度パッチからの反射光量に相関する出力電圧により検出する場合、100%濃度に相当する2Vから±0.2%の範囲を採用することができる。
ここで、YMC各色の濃度検出値のうち1つでも基準範囲内でないものがある場合は、ステップ181で全カラー濃度パッチについて上記判定が完了していないことを確認した後、ステップ182へ進み、濃度検出値が基準範囲外であったカラー濃度パッチを形成したカラー画像形成部の調整処理を起動する。即ち、カラー濃度パッチの濃度検出値の、基準範囲からのずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、対象のカラー画像形成部においてトナー供給部によるトナー供給量を前記調整量だけ調整する。
また、ステップ182では、次の濃度のカラー濃度パッチの濃度を、各カラー画像形成部に対応した濃度検出部28によって検出する。ここでは、100%の次のCin=95%のカラー濃度パッチの濃度が検出対象となり、ステップ180へ戻り、再度YMC各色のカラー濃度パッチの濃度検出値が全て予め定められた基準範囲内であるか否かを判定する。もし、再びステップ180で否定判定されると、再度ステップ182へ進み、カラー画像形成部の調整処理と共に、次の濃度(Cin=90%)のカラー濃度パッチの濃度検出を行う。
そして、次の濃度(Cin=90%)のYMC各色のカラー濃度パッチの濃度検出値が全て基準範囲内であれば、ステップ184へ進み、その時のカラー濃度パッチと同じ組で搬送方向上流側のカラー濃度パッチ上に形成された3つの黒濃度パッチの濃度を、濃度検出部28Y、28M、28Cによって検出する。
このように第5基本形態では、中間転写ベルト30に形成した複数組のカラー濃度パッチに対し所定の順番で濃度検出・判定を行い、カラー濃度パッチの濃度が正常と判定された時点で黒濃度パッチの濃度検出を行う。よって、上記のように正常と判定された濃度(Cin=90%)の組の搬送方向上流側の3つの黒濃度パッチ(図18(C)に示す黒濃度パッチK1、K2、K3)の濃度を検出する。
以後、第1基本形態と同様に、黒濃度パッチの濃度検出値が予め定められた基準範囲内であるか否かを判定し(ステップ186)、もし、黒色の濃度検出値が基準範囲内でなければ、基準範囲からの濃度検出値のずれ量に応じたトナー供給量の調整量を制御部80内のROMから読み出し、黒色画像形成部26においてトナー供給部によるトナー供給量を、前記調整量だけ調整する(ステップ188)。
そして、このような調整を完了した後及びステップ186で黒色の濃度検出値が基準範囲内であった場合は、黒画像の濃度調整処理が完了した旨を操作部84のディスプレイ84Aに表示し(ステップ190)、後処理として、クリーニング装置42による中間転写ベルト30上のトナーの除去及び各画像形成部のクリーニング装置による各感光体上のトナーの除去を実行し、中間転写ベルト30の搬送を停止して(ステップ192)、処理を終了する。
なお、全ての組のカラー濃度パッチについて、ステップ180で各色の濃度検出値が全て基準範囲内と判定されなかった場合は、ステップ181で肯定判定され、黒濃度パッチの濃度検出・濃度調整を行うことなく、ステップ192の後処理を実行して、処理を終了する。
以上説明した第5基本形態では、黒濃度パッチの下地となるカラー濃度パッチとして、濃度の異なる複数組(一例として6組)のカラー濃度パッチを中間転写ベルト30上に形成するので、少なくともこれら複数組のカラー濃度パッチのうち1組において、カラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲内となる可能性が高い。このため、黒濃度パッチの下地となるカラー濃度パッチを再度形成するといった事態を高い確率で回避することができ、速やかに黒濃度パッチの濃度検出・濃度調整を行うことができる。即ち、黒画像の濃度調整処理を効率良く実行することができる。
なお、上記第1〜第5基本形態では、カラー画像や黒画像の濃度調整を、各画像形成部における現像装置へのトナー供給量を調整することで行っていたが、現像装置での現像バイアス電圧、帯電装置により印加される帯電バイアス電圧、転写装置での転写バイアス電圧等を調整することにより行っても良い。
また、上記第1〜第5基本形態のカラー画像形成装置10は、中間転写ベルト30の搬送方向に沿って、黒画像形成部26がカラー画像形成部よりも下流側に配置されたことを特徴としている。このうち第4基本形態については、3つのカラー画像形成部のうち、イエロー画像形成部20を最下流側に配置して黒画像形成部26に最も近づけたことを特徴としている。このため、第4基本形態では、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24の前記搬送方向に沿った配置については特に制限は無く、第1〜第3、第5基本形態では、イエロー画像形成部20、マゼンタ画像形成部22、シアン画像形成部24の3つのカラー画像形成部同士の前記搬送方向に沿った配置については特に制限は無い。
また、上記第1〜第5基本形態の黒画像濃度検出手順以外に、カラー濃度パッチと黒濃度パッチとを中間転写ベルト30に形成して、カラー濃度パッチの濃度検出のみならず黒濃度パッチの濃度検出も実行し、その後、カラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲内である場合に、黒濃度パッチの濃度検出値を採用し、カラー濃度パッチの濃度検出値が基準範囲外である場合に、黒濃度パッチの濃度検出値を採用しない、といった手順を採用することもできる。
[第6基本形態]
次に、第6基本形態を説明する。なお、第6基本形態におけるカラー画像形成装置10は、第1基本形態と同様の構成である。但し、第6基本形態のカラー画像形成装置10は、図21や図22(A)に示す位置ずれ検出用パターン(以下、レジコンパターンと称する)600を形成する機能を有する。
詳細は後述するが、本基本形態のカラー画像形成装置10は、図21に示すように、中間転写ベルト30の奇数回転目に該中間転写ベルト30上にレジコンパターン600を形成して該レジコンパターン600の位置を検出し、正規の位置からの該検出された位置のずれ量(以下、レジずれと称する)が規定の許容値を超えている場合にレジずれ補正処理を実行する。また、カラー画像形成装置10は、中間転写ベルト30の偶数回転目に該中間転写ベルト30上に濃度検出用パターン(以下、プロコンパターンと称する)700を形成して該プロコンパターン700の濃度を検出し、該検出濃度に基づいて前述した第1〜第5基本形態のような濃度補正処理を必要に応じて実行する。
(レジコンパターン及びその位置検出方法について)
ここで、本基本形態で中間転写ベルト30上に形成されるレジコンパターン600について説明する。図22(A)に示すように、レジコンパターン600は、中間転写ベルト30の幅方向(図22(A)において左右方向)に長い長方形のパターン600Aと、中間転写ベルト30の搬送方向(図22(A)の矢印H方向)に長い長方形のパターン600Bとに大別される。
これらパターン600A、パターン600Bは、共に中間転写ベルト30の搬送方向Hに沿って、黄色のパターン(以下、Yレジコンパターンと称する)、マゼンタのパターン(以下、Mレジコンパターンと称する)、シアンのパターン(以下、Cレジコンパターンと称する)、黒のパターン(以下、Kレジコンパターンと称する)の順に形成される。なお、黒のパターンについては、黄色のトナー像の上に重ねて形成される。
なお、各レジコンパターン601A、601B、601C、601Dは、15mm×15mmのプロコンパターンに内包される程度のサイズとされており、プロコンパターンの形成と同じ画像形成部20、22、24、26により形成される。
中間転写ベルト30上に形成されたレジコンパターン600には、赤外タイプのLED70からのレーザ光が照射され、その反射光量が濃度検出部28により検出される。その検出信号を図23に示す。この図23の右側には、濃度検出部28の検出場所と検出信号との対応を時系列で示す。
例えば、濃度検出部28によりYレジコンパターン602の位置を検出する場合、検出信号Q1の大きさが所定のしきい値Jを超過した箇所G1、G2をYレジコンパターン602の左右の境界位置として検出する。Yレジコンパターン604についても、検出信号Q1の大きさが所定のしきい値Jを超過した箇所G3、G4をYレジコンパターン604の左右の境界位置として検出する。
また、Yレジコンパターン602の上下の境界位置については、中央部付近の所定位置Cでの検出信号Q1の大きさがしきい値Jを超過しない状態から超過する状態へ変わったことをもって上側の境界位置を検出し、該所定位置Cでの検出信号Q1の大きさがしきい値Jを超過した状態から超過しない状態へ変わったことをもって下側の境界位置を検出する。
なお、Mレジコンパターン606、608及びCレジコンパターン610、612の位置検出についてもYレジコンパターン602、604と同様である。
Kレジコンパターン614、616は黄色のトナー像の上に重ねて形成されている。このため、例えば、Kレジコンパターン614の位置を検出する場合、検出信号Q2の大きさが所定のしきい値Jを超過した状態(周囲の黄色のトナー像領域)から超過しない状態へ変わる箇所G5、G6をKレジコンパターン614の左右の境界位置として検出する。
また、Kレジコンパターン614の上下の境界位置については、中央部付近の所定位置Cでの検出信号Q2の大きさがしきい値Jを超過した状態(周囲の黄色のトナー像領域)から超過しない状態へ変わったことをもって上側の境界位置を検出し、該所定位置Cでの検出信号Q2の大きさがしきい値Jを超過しない状態から超過した状態へ変わったことをもって下側の境界位置を検出する。
ところで、本基本形態で検出されるレジずれ(レジコンパターンの位置ずれ)としては、(1)スキュー(レジコンパターン全体の傾き)、(2)主走査方向の倍率誤差、(3)主走査方向の位置ずれ及び(4)副走査方向の位置ずれの4つが挙げられる。
このうち(2)主走査方向の倍率誤差については、図22(A)の各色のパターン600Aの左右の境界位置より得られる該パターン600Aの長さと規定の長さとにより求められる。(3)主走査方向の位置ずれについては、各色のパターン600Aの左右の境界位置と規定の左右の境界位置とにより求められる。
(4)副走査方向の位置ずれについては、図22(A)の各色のパターン600Bの左右の境界位置と規定の左右の境界位置とにより求められる。
(1)スキューについては、中間転写ベルト30の幅方向両側の各色のパターン600Aの上の境界位置同士の差又は下の境界位置同士の差より求められる。また、中間転写ベルト30の搬送方向に離れた複数のパターン600Bの左の境界位置同士の差又は右の境界位置同士の差より求めても良い。
(レジずれ補正について)
ここで、本基本形態において実行される各種レジずれの補正処理について概説する。
(1)スキュー補正
スキューについては、各画像形成部20のミラー20Hの角度を調整することにより補正される。
(2)主走査方向の倍率誤差の補正(倍率補正)
図28には、光源としてのLD668の駆動に係る装置構成が示されている。周波数設定回路652から出力される源クロック信号と、水平同期信号発生回路654から出力される水平同期信号(SOS信号)とが、位相同期回路656に入力される。
ここで水平同期信号発生回路654は、例えばワンショットマルチバイブレータを備え、水平同期検知をトリガにして所定時間幅のパルスから成る水平同期信号を出力する。位相同期回路656は、源クロック信号の位相を水平同期信号の位相に合わせると共に、水平同期信号の後縁から所定時間遅延された同期源クロック信号を出力する。
第1のタイミング制御回路658には、水平同期信号と同期源クロック信号とが入力され、該第1のタイミング制御回路658は、マイクロコンピュータ等で構成された制御部650内の所定の第1レジスタ650Aに設定された値に基づく位相設定が施されたビデオクロックを出力する。
ビデオクロックは、第2のタイミング制御回路660と画像バッファメモリ662に供給される。第2のタイミング制御回路660は、画像バッファメモリ662に対し画像信号の読み出しを許可するための許可信号を、水平同期信号の入力から制御部650内の所定の第2レジスタ650Bに設定された値に基づくタイミングだけ遅らせて出力する。この許可信号によって感光体ドラム20Cにおける印字ラインの書き出し位置が制御される。
画像バッファメモリ662は、蓄積された1ライン分の画像信号を、許可信号が入力された時点からビデオクロックに同期して1画素分ずつ順に読み出し、画像データとしてスクリーンジェネレータ664に供給する。
スクリーンジェネレータ664はこの画像データをビデオクロックに同期させて変調し、これによって得られた画像信号をレーザ駆動回路666に供給する。この結果、レーザ駆動回路666は画像信号に基づいてLD668をオン・オフ制御し、LD668からのレーザ光によって感光体ドラム20C上に静電潜像が形成される。
上記のような構成において、画像の主走査方向の倍率の補正は、YMCKの4色のうち最初に印字されるY色を基準に行う。即ち、レーザ光が感光体ドラム上を走査するときの画像の書き出し位置から画像の終了する位置までを印字ラインと呼ぶと、Yの印字ラインの長さLを基準として、他の色の印字ラインの長さを該長さLに合わせるように、各色の記録に用いられるビデオクロックの周波数を調整する。
例えば、制御部650は、周波数設定回路652から出力される源クロック信号の周波数を調整することで、ビデオクロックの周波数を調整する。
(3)主走査方向の位置ずれの補正(主走査方向補正)
主走査方向補正は、水平同期信号検出位置から印字ラインの書き出し位置までのビデオクロックのカウント値(上記第1レジスタ650Aの設定値)の変更、及びビデオクロックの位相の再設定により行われる。
具体的には、制御部650内の第2レジスタ650Bに設定された値を変更することで、第2のタイミング制御回路660により許可信号が出力されるタイミングを変更し、感光体ドラム20Cにおける印字ラインの書き出し位置を補正する。
また、制御部650内の第1レジスタ650Aに設定された値を変更することで、ビデオクロックの位相を再設定し印字ラインの書き出し位置を補正する。
(4)副走査方向の位置ずれの補正(副走査方向補正)
本基本形態では、副走査方向の位置ずれの補正として、1ドット単位の補正はラインシンク信号のクロック数を変更することで行い、1ドット以下の補正は各色の回転多面鏡駆動モータ制御回路に供給する基準クロックの位相を変更することで行う。なお、上記ラインシンク信号は、主走査方向の1ラインの画像書き込みタイミング信号であり、SOS信号を基準として出力される。
上記4つの補正処理については、スキュー補正を行わないケースでは図24(A)に示すように、倍率補正、主走査方向補正、副走査方向補正の順に実行される。スキュー補正を行うケースでは図24(B)に示すように、スキュー補正を先頭にして、以後、倍率補正、主走査方向補正、副走査方向補正の順に実行される。
(第6基本形態の作用)
次に、第6基本形態の作用として、レジずれ補正及び濃度補正処理を、図25のフローチャートに沿って説明する。なお、この処理は、カラー画像形成装置10の電源投入時及び予め定められた時間間隔で、制御部80の制御の下で実行される。もちろん、カラー画像形成装置10の設置環境が急激に変化した場合にも、オペレータの手動で濃度調整処理を実行することが望ましく、例えば、前回濃度調整処理を実行してから温度が3度以上変化したとき又は湿度が20%以上変化したときに濃度調整処理を実行することが望ましい。
図25のステップ202では、搬送ロール32、34、36、38を駆動して図1の矢印B方向への中間転写ベルト30の搬送を開始する。次のステップ204では中間転写ベルト30の搬送開始から奇数回転目か否かを判定する。最初のサイクル(第1回転目)は奇数回転目であるので、ステップ204で肯定判定されステップ206へ進み、イエロー画像形成部20によって黄色のレジコンパターンを中間転写ベルト30の幅方向に沿って一対形成する。これにより、図22(A)に示すレジコンパターンにおける黄色のパターン部分が中間転写ベルト30上に一対形成される。但し、図22(A)には一対のうち片方のみが示されている。なお、黄色のパターン部分には、黒色のレジコンパターンの下地となる領域も含まれている。
以後、ステップ208〜212では、マゼンタ画像形成部22によってマゼンタのレジコンパターンを、シアン画像形成部24によってシアンのレジコンパターンを、黒画像形成部26によって黒色のレジコンパターンを、それぞれ一対ずつ中間転写ベルト30上に形成していく。これにより、図22(A)に示すレジコンパターンが中間転写ベルト30上に形成されることとなる。
次のステップ214では濃度検出部28により上記各レジコンパターンの位置を、前述した要領で検出していく。このとき、各色について一対のレジコンパターン同士の位置ずれを求めることで、スキューも検出する。
そして、次のステップ216ではレジコンパターンの位置ずれ(レジずれ)が予め定められた許容値を超過しているか否かを判定する。ここで、レジずれが許容値を超過していなければ、特にレジずれの補正は必要ないと判断できるので、ステップ204へ戻る。一方、レジずれが許容値を超過している場合は、ステップ218へ進み、前述したような各種レジずれ補正(スキュー補正、倍率補正、主走査方向補正、副走査方向補正)を実行する。
以上のようにして中間転写ベルト30の1回転目のレジずれ検出及び補正が完了すると、中間転写ベルト30の2回転目に入る。今度は偶数回転目なので、ステップ204で否定判定され、ステップ220へ進み、第1〜第5基本形態で説明した濃度調整処理を実行する。この濃度調整処理では、上記レジずれ検出で用いられた濃度検出部28が流用される。
なお、ここでの濃度調整処理としては、図10、図12、図15、図19の何れの処理を採用しても良い。但し、各濃度調整処理の冒頭の中間転写ベルト30の搬送開始は不要である。
以上のように、本基本形態のレジずれ補正及び濃度補正処理では、中間転写ベルト30の搬送開始から奇数周目にレジずれ検出・補正を実行し、偶数周目に同一の濃度検出部28を用いて、濃度検出・補正を実行する。
このように同一の濃度検出部28を用いて、レジずれ検出・補正と濃度検出・補正とを実行するので、カラー画像形成装置10の大型化及び装置コスト上昇を回避できる。
また、最初のサイクル(中間転写体の1周目)でレジずれ検出・補正が実行されるので、該最初のサイクルでレジずれを補正した後、レジずれが補正された状態で次のサイクル(中間転写体の2周目)にて画像濃度検出処理を実行することができる。これにより、レジずれがある状態で画像濃度検出処理が実行されてしまうことを回避できる、という利点が有る。
[実施形態]
次に、特許請求の範囲に記載した請求項1の発明に対応する実施形態を説明する。
本実施形態のカラー画像形成装置10は、図26に示すように、中間転写ベルト30上に、レジコンパターンを先頭にしてレジコンパターンとプロコンパターンとを交互に形成し、同一の濃度検出部28によって、各色のレジコンパターンの位置ずれ及び各色のトナー画像の濃度を検出する。
ここで、本実施形態でのレジずれ補正及び濃度補正処理を、図27のフローチャートに沿って説明する。図27のステップ232では、搬送ロール32、34、36、38を駆動して図1の矢印B方向への中間転写ベルト30の搬送を開始する。次のステップ234ではイエロー画像形成部20によって黄色のレジコンパターンを中間転写ベルト30の幅方向に沿って一対形成する。これにより、図26に示すレジコンパターンにおける黄色のパターン部分が中間転写ベルト30上に一対形成される。但し、図26には一対のうち片方のみが示されている。なお、黄色のパターン部分には、黒色のレジコンパターンの下地となる領域も含まれている。次のステップ236ではイエロー画像形成部20によって黄色のプロコンパターン404を中間転写ベルト30の幅方向に沿って一対形成する。
以後、ステップ238〜248で、レジコンパターンにおけるマゼンタのパターン部分、マゼンタのプロコンパターン408、シアンのパターン部分、シアンのプロコンパターン412、黒色のパターン部分、黒色のプロコンパターン416をそれぞれ一対ずつ中間転写ベルト30上に形成していく。これにより、図26に示すレジコンパターン及びプロコンパターンが中間転写ベルト30上に形成されることとなる。
次のステップ250では、同じ濃度検出部28によって上記各レジコンパターンの位置検出と濃度検出とを順次実行していく。このとき、各色について一対のレジコンパターン同士の位置ずれを求めることで、スキューも検出する。
そして、次のステップ252ではレジコンパターンの位置ずれ(レジずれ)が予め定められた許容値を超過しているか否かを判定する。ここで、レジずれが許容値を超過していれば、ステップ254へ進み、前述したような各種レジずれ補正(スキュー補正、倍率補正、主走査方向補正、副走査方向補正)を実行する。そして、レジずれ補正完了後はステップ234へ戻り、各色のレジコンパターン及びプロコンパターンを再形成する。
一方、ステップ252でレジずれが許容値を超過していなければ、ステップ256へ進み、濃度補正を要するか否かを判定する。ここで、濃度補正を要すると判定された場合はステップ258で前述した第1基本形態と同様に濃度補正を行う。濃度補正完了後は、ステップ260で黄色、マゼンタ、シアン、黒の各色のプロコンパターンを形成し、次のステップ262で再度濃度検出を行う。そして、ステップ256へ戻り、濃度補正を要するか否かを再度判定する。ここで、濃度補正が不要であれば、レジずれ補正及び濃度補正処理を終了する。
以上の本実施形態のように、中間転写ベルト30上にレジコンパターンとプロコンパターンとを交互に形成した場合でも、同一の濃度検出部28によって、各色のレジコンパターンの位置ずれ及び各色のトナー画像の濃度を検出することで、第6基本実施形態と同様に、装置の大型化及びコスト上昇を回避できる。また、各色においてレジコンパターンの位置ずれがトナー画像の濃度よりも先に検出されるので、画像位置ずれが補正された状態で、画像濃度の検出を行うことができる。
なお、上記では、中間転写体として、中間転写ベルトを用いたが、感光体ドラム等の他の像担持体を用いても良い。
また、上記では、プロコンパターンとして中間転写ベルト上に正方形の濃度パッチを形成していたが、濃度パッチの形状は円、楕円、長方形等の他の形状としても良く、そのサイズも特に限定されるものではない。
同様に、レジコンパターンについても、その形状やサイズは任意の形状やサイズに定めることが可能であり、特に限定されるものではない。