JP2007139828A - 固体レーザの波長調整方法および装置 - Google Patents

固体レーザの波長調整方法および装置 Download PDF

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亨 永井
Hisanao Hazama
久直 間
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Abstract

【課題】 固定波長レーザと可変波長レーザを非線形光学結晶に入射させて差周波光レーザを得る波長変換固体レーザの波長を調整するより簡便な方法およびその方法を実施する装置を提供する。
【解決手段】 固定波長レーザ発生部1と可変波長レーザ発生部2と非線形光学結晶装置3と制御装置4を備えた波長変換固体レーザ装置において、波長変換固体レーザ光34の出力計5を備え、非線形光学結晶31の傾角を調整する傾角調整機構33を備え、制御装置4の記憶装置42が非線形光学結晶31の傾角と出力光波長の関係を記憶していて、設定された出力光波長に応じて非線形光学結晶の傾角を調整し、出力計5の検出値が極大値になるように可変波長レーザ部2の出力光波長を調整するように構成して、高価な波長計を省略した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波長可変固体レーザの波長を調整する方法およびその装置に関し、特にNd:YAGレーザと波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザを非線形光学結晶に入射させて差周波を得る波長変換固体レーザの波長調整方法と装置に関する。
従来の固体レーザでは精密な波長調整を行うときには波長計を使用するが、波長計は高価であり装置全体のコストが大きかった。
たとえば、波長を調整できる中赤外光の発生装置として、特許文献1にも開示されているNd:YAGレーザとCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザの差周波発生を利用するものがある。特許文献1に開示された波長変換赤外光レーザ装置は、固定周波数ω1のNd:YAGレーザ(たとえば波長1.064μm)をポンプ光とし、可変周波数ω2のCrフォルステライトレーザ(たとえば波長1.15〜1.35μmの範囲で選択できる)をシグナル光とし、ポンプ光とシグナル光を非線形光学結晶に入射して混合し、差周波発生作用を利用して差周波数ω3(ω3=ω1−ω2)の赤外光を発生させる。
この波長変換赤外光レーザ装置では、Crフォルステライトレーザの波長を選択することにより赤外光の波長を5〜14μmの範囲で調整できる。この波長変換赤外光レーザ装置を用いて、たとえば、対象の化合物に適合する波長を選択して振動励起することにより選択的に化学反応をさせることができる。
特許文献1に開示された波長変換レーザの出力波長を精密に調整するときは、まず、Crフォルステライトレーザの出力を一部取り出して波長計で測定し、Crフォルステライトレーザの共振長を調整することによりCrフォルステライトレーザの出力光の波長を所定値になるようにする。その上で、非線形光学結晶の角度調整を行って光出力が極大になるように位相調整して波長変換レーザの出力波長が目標値になるようにする。
なお、Crフォルステライトレーザの波長は、共振器内に設けた分散プリズムで波長によってプリズム出射角に差を生じさせ、共振器端のリアミラーの傾きを調整して目的の波長を持った光のみを元の光路方向に反射して共振させることによって調整することができる。
特開2002−287190号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、固定波長レーザと可変波長レーザを非線形光学結晶に入射させて差周波光レーザを得る波長変換固体レーザの波長を調整するより簡便な方法およびその方法を実施する装置を提供することであり、特にNd:YAGレーザと波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザを用いた波長変換固体レーザにおける波長調整をより簡便に行う方法と装置を提供することである。また、調整波長の全域に亘って非線形光学結晶のボリュームを有効に利用できる波長調整方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の波長変換固体レーザの波長調整装置は、固定波長レーザ発生部と可変波長レーザ発生部と非線形光学結晶と制御装置を備えた波長変換固体レーザ装置において、波長変換固体レーザ光の出力計を備え、非線形光学結晶の傾角を調整する傾角調整機構を備え、制御装置が非線形光学結晶の傾角と出力光波長の関係を記憶していて、設定された出力光波長に応じて非線形光学結晶の傾角を調整し、出力計の検出値が極大値になるように可変波長レーザ部の出力光波長を調整することを特徴とする。
本発明の波長変換固体レーザの波長調整装置は、波長変換固体レーザの出力光を出力計で測定しこれに従って可変波長レーザの波長を調整するため、可変波長レーザ発生部の出力を測定する波長計を必要としないので、安価に構成することができる。
なお、波長変換固体レーザ装置では、たとえば1対の非線形光学結晶が対称配置されており、出力光の波長に適合する非線形光学結晶の傾角は出力光の波長変化に対して大きく変化する。なお、非線形光学結晶の個数は2個に限られるわけではない。
たとえば、Crフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ装置の共振器ミラーの角度調整により差周波光の波長を調整するときは、共振器ミラー角度が−0.5度から+0.6度までの約1.1度のレンジで変化する場合に差周波光の波長が約12μmから約5.5μmまで変化するのに対して、銀ガリウムサルファイト(AgGaS)の非線形光学結晶では、結晶の傾角が−18度から+10度まで28度変化することで差周波光の波長に同じ程度の変化をもたらす。このように操作量が波長変化に及ぼす影響、すなわちゲインが1桁以上異なる。
したがって、本発明の波長調整装置では、出力光の波長設定値に対して精度良く調整値を選択してセットすることができる。
なお、本発明の波長変換固体レーザ装置は、固定波長レーザ発生部がNd:YAGレーザ装置であり可変波長レーザ発生部が波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ装置であって、Nd:YAGレーザとCrフォルステライトレーザを非線形光学結晶に入射させて差周波を得るものであってもよい。
このような構成を選択したときは、Crフォルステライトレーザの共振器内に分散プリズムを備え、共振器端に回転機構を備えたリアミラーを備え、制御装置が、設定された出力光波長に応じて非線形光学結晶の傾角を調整した上で、出力計の検出出力に基づいてリアミラー回転機構を自動調整して可変波長レーザの波長を調整し、非線形光学結晶からの光出力を極大化するようにしてもよい。
また、非線形光学結晶の傾角調整機構は、結晶長がL、屈折率がNの直方体結晶において、回動軸を端面からL/2Nの結晶中心軸上に設けたものであることが好ましい。
回動軸を上記の位置に配置すると、入射するレーザ光に対して非線形光学結晶を傾けたときにもレーザ光は結晶の中心を通り、レーザ光路は結晶中心に関して点対称になるので、直方体の非線形光学結晶のボリュームを最も活用することができる。
また、上記課題を解決するため、本発明第2の波長変換固体レーザの波長調整装置は、固定波長レーザ発生部と可変波長レーザ発生部と非線形光学結晶を備えた波長変換固体レーザ装置において、可変波長レーザ発生部の出力位置にビームスプリッタと、ビームスプリッタを透過した透過光が入射する波長計を備え、非線形光学結晶に結晶の傾きを調整する傾斜調整機構を備え、非線形光学結晶の光出力を測定する出力計を備え、制御装置を備えて、制御装置が波長計の検出出力に基づいて可変波長レーザ装置を自動調整して波長計の検出光周波数が装置の設定出力光周波数と固定波長レーザの周波数の差に一致するようにし、さらに非線形光学結晶からの光出力を極大化するように非線形光学結晶の傾きを調整することによって、差周波光の波長を調整することを特徴とする。
なお、本発明の波長変換固体レーザ装置においても、固定波長レーザ発生部がNd:YAGレーザ装置であり可変波長レーザ発生部が波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ装置であって、Nd:YAGレーザとCrフォルステライトレーザを非線形光学結晶に入射させて差周波を得るものであってもよい。
このとき、非線形光学結晶には結晶の傾きを調整する傾斜調整機構を備え、Crフォルステライトレーザの共振器内に分散プリズムを備え、共振器端に回転機構を備えたリアミラーを備え、制御装置が波長計の検出出力に基づいてリアミラー回転機構を自動調整して波長計の検出光周波数を調整した上で、非線形光学結晶からの光出力を極大化するように非線形光学結晶の傾きを調整してもよい。
さらに、上記課題を解決する本発明の波長変換固体レーザの波長調整方法は、固定波長レーザ発生部と可変波長レーザ発生部と非線形光学結晶を備えた波長変換固体レーザ装置において、非線形光学結晶の傾角と出力光波長の関係を記憶し、設定された出力光波長に応じて非線形光学結晶の傾角を調整し、波長変換固体レーザ光の出力を測定して、出力測定値が極大値になるように可変波長レーザの波長を調整することを特徴とする。
なお、本発明の波長調整方法で調整する波長変換固体レーザ装置は、固定波長レーザ発生部がNd:YAGレーザ装置であり可変波長レーザ発生部が波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ装置であって、Nd:YAGレーザとCrフォルステライトレーザを非線形光学結晶に入射させて差周波を得るものであってもよい。
以下、本発明について実施例に基づき図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の波長変換固体レーザの波長調整装置の1実施例を表す構成図、図2は本実施例の波長変換固体レーザにおけるシグナル光の共振器リアミラーの角度とシグナル光波長および差周波出力光波長の関係を示すグラフ、図3は非線形光学結晶の傾角と差周波出力光の波長の関係を示すグラフ、図4は本実施例に使用する非線形光学結晶の回動軸位置を示す説明図、図5は本発明の波長変換固体レーザの波長調整装置の別の実施例を表す構成図である。
本実施例の波長変換固体レーザの波長調整装置は、Nd:YAGレーザ光と波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ光を差周波発生用非線形光学結晶に入射して所望の差周波光(DFG)を生成する波長変換赤外光発生装置におけるDFGの波長を調整する装置である。
図1を参照すると、波長変換赤外光発生装置は、波長1.064μmのレーザ光を発生するポンプ用Nd:YAGレーザ装置1と1.17〜1.35μmの範囲で波長が調整できるCrフォルステライトレーザ装置2と差周波発生用非線形光学結晶3を備えて、Nd:YAGレーザ光の波長変換作用によりNd:YAGレーザ光とCrフォルステライトレーザ光の差周波光(DFG)を生成して5.5〜10μmの範囲で選択可能な中赤外光を得るものである。
Crフォルステライトレーザ装置2は、1.17〜1.35μmの波長範囲でレーザ発振する波長可変固体レーザであるCrフォルステライトレーザ部21と、Crフォルステライトレーザを励起するためのパルス光源となる励起用Nd:YAGレーザ装置22と、励起用Nd:YAGレーザ装置22にトリガーを供給するパルス発生装置23を備える。
パルス発生装置23で発生するパルスは、同時にポンプ用Nd:YAGレーザ装置1にも供給されて、2基のNd:YAGレーザ装置を同期駆動する。ポンプ用Nd:YAGレーザ装置1は波長1.064μmのパルスレーザをポンプ光11として差周波発生用非線形光学結晶3に入射する。励起用Nd:YAGレーザ装置22はCrフォルステライトレーザの励起光源としてパルスレーザをCrフォルステライトレーザ部21に供給する。
Crフォルステライトレーザ部21に入射したパルスレーザはレンズで構成されたテレスコープにより所定のビーム径を持つように調整された後、ビームスプリッターで分割されてCrフォルステライトレーザ結晶24の両側面に入射して両サイド励起する。
Crフォルステライトレーザ結晶24は出力鏡27と反射鏡26で構成される共振器の中に配置される。また、レーザ結晶24と反射鏡26の間には分光プリズム25が設けられる。反射鏡26は回動鏡であって、反射方向を調整することにより分光プリズム25で波長分散した光のうち選択した光だけが出力鏡27まで戻るようにして、選択した波長の光が共振器内で共振してレーザ発振するようにする。反射鏡26はリアミラーとも呼ばれる。
Crフォルステライトレーザは、1.15〜1.35μmの範囲で波長を選択することができ、シグナル光28として差周波発生用非線形光学結晶3に供給される。
差周波発生用非線形光学結晶3はAgGaS結晶などの光混合型非線形光学結晶31を1対、面対称に配置して構成したもので、周波数ω1とω2のレーザ光を入力するとこれら周波数の差の周波数ω3(=ω1−ω2)を持った差周波光(DFG)を出力する。
差周波発生用非線形光学結晶3から放射される差周波光34は、基本的にポンプ光11の波長変換作用によって発生するもので、差周波光34のエネルギーはポンプ光11のエネルギーに依存する。また、差周波光34の周波数はポンプ光11とシグナル光28の周波数差であるから、シグナル光28の周波数を変化させることにより調整することができる。
本実施例における波長変換赤外光発生装置は、ポンプ用Nd:YAGレーザ装置1が波長1.064μmのパルスレーザをポンプ光11として差周波発生用非線形光学結晶3に入射し、Crフォルステライトレーザ装置2が波長1.15〜1.35μmの範囲で選択したレーザをシグナル光28としポンプ光11と同期させて差周波発生用非線形光学結晶3に入射するので、ポンプ光11とシグナル光28の差周波数に基づいて5〜14μmの波長範囲の中赤外光を差周波光34として選択的に発生することができる。
たとえば、ポンプ用Nd:YAGレーザ装置1から波長1.064μmのパルスレーザを相対的に大きなエネルギーを持ったポンプ光11として、また、Crフォルステライトレーザ装置2から波長1.284μmに調整した出力レーザをシグナル光28として差周波発生用非線形光学結晶3に入力すると、差周波発生用非線形光学結晶3からは入力したレーザ光の他に波長6.21μmの差周波光34が出力する。非線形光学結晶3から出力された光をGeフィルター32に通して波長分別すれば、長波長の差周波光(赤外光)のみを外部に取り出すことができる。
上記構成の波長変換赤外光発生装置において、従来の差周波光34の波長調整は、Crフォルステライトレーザ装置2から出力されるシグナル光28の光路中にビームスプリッタを置き、ビームスプリッタの透過光が入射する位置に高価な波長計を設けて、入射するシグナル光の波長を波長計で測定しながらCrフォレステライトレーザ装置21の共振器に設けられたリアミラー26の反射面を調整してシグナル光28の波長を調整し、さらに非線形光学結晶3の1対の結晶31をリンクを使って同じ角度だけ傾けるようにした図示しない傾角機構を用いて位相調整をすることにより、差周波光34の波長調整を行っていた。
しかし、差周波光34の波長変化幅に対応するCrフォルステライトレーザ光の波長変化幅は極めて小さい。たとえば、図2に示すように、差周波光34の波長が5.5μmから10.5μmまで変化するためには、Crフォルステライト光の波長は1.31μmから1.18μmまで変化させれば足りる。Crフォレステライト光の波長をこれだけ変化させるためには、Crフォルステライトレーザ部21のリアミラー26の角度を−0.5度から+0.6度まで動かせば十分である。このように、レンジが約1.1度という極めて小さい操作量で大きな出力レンジを調整することから、正確な調整が困難になるきらいがある。
これに対して、本実施例の波長調整装置は、差周波光波長と非線形光学結晶の傾きの間に存在する確実な関数関係を利用することにより、シグナル光28の波長を測定する波長計を省略したものである。
図3は、横軸に非線形光学結晶の入射光に対する傾角をとり、縦軸に差周波光の波長をとって、非線形光学結晶の傾きにより差周波光の波長が変化する関係を示したものである。このグラフから、差周波光波長を上記と同じ5.5μmから10.5μmまで変化させるために、非線形光学結晶の傾角を−18度から+10度まで約28度のレンジで調整すればよく、調整レンジが1桁以上大きくなることが分かる。
したがって、本実施例では、差周波光34の波長を非線形光学結晶3の傾角を基準として設定し、ポンプ光11とシグナル光28の位相整合をCrフォルステライトレーザ装置2のリアミラー26の調整によって行う。
実際には、制御装置4の中に図3に対応する表(ファイル42)を記憶しておいて、第1の制御器41に出力光(差周波光)34の波長を設定すると、第1制御器41がファイル42を参照して波長に対応する非線形光学結晶31の傾角を算出し、非線形光学結晶31を回動軸回りに回動させる傾角調整機構33を駆動して所定の傾角にする。
さらに、差周波光34の出射光路中にパワーメータ5が備えられていて、パワーメータ5の出力を制御装置4内の第2の制御器43に供給すると、第2制御器43はリアミラー26の調整をして位相整合により差周波光出力が極大値になるような位置に来るようにする。こうして、選択された非線形光学結晶傾角と波長固定のポンプ光波長に対応して位相整合するシグナル光波長が決定される。
このように、波長調整と位相整合をすることにより、波長変換固体レーザの波長が目的の値になる。
本実施例では、適切な感度を有する制御系による自動調整が行われるため出力光の波長調整が高精度化し大幅に簡便化され、また高価な波長計を用いないため装置のコストダウンにも寄与する。
なお、制御装置4はパソコンなどの小型電子計算機システムに入出力インターフェースを設けることにより構成してもよい。
2つの非線形光学結晶31は面対称に配置され、出射光と入射光は同じ直線上にあるように構成される。非線形光学結晶31は回動軸の回りに回動するようになっていて、傾角調整機構33により回動軸が駆動され結晶端面の傾角が変化するときは、両方が面対称の関係を維持しながら等角に変化する。
差周波発生用非線形光学結晶3における差周波発生は、入射ビームが入射してから出射するまで非線形光学結晶31の中に留まるようにする方が効率が高い。このため、本実施例の非線形光学結晶31の回動軸35は、結晶が回動して出力光の波長レンジ全域に対応するように結晶端面の傾角が変動する場合にも、入射光が常に結晶の中心Cを通過するような位置に選定されている。この位置は、結晶端面からL/2Nの結晶中心軸上にある。ここで、Lは結晶の長さ、Nは結晶の屈折率である。
図4は、上記位置に回動軸があるときは、光線は常に結晶中心を通ることを説明する図面である。図は、1対の非線形光学結晶を互いに対象に配置した場合を示している。
すなわち、初めに結晶端面が入射光に対して垂直になっていて入射光が屈折率Nの非線形光学結晶31の中心軸上を走行する状態であったとし、結晶がある回動軸の回りを回動して結晶端面が傾き、入射光が結晶中心軸からd離れた位置に入射角θで入射すると、入射光は結晶端面で屈折して進入角がθになる。
このとき、入射光が結晶の中心Cを通るためには、結晶端面から回動軸までの距離をXとすると、
tanθ=d/X
tanθ=2d/L
となる。したがって、
X=Ltanθ/2tanθ≒Lsinθ/2sinθ=L/2N
となる。
したがって、回動軸を端面からL/2Nの位置に配置すれば、入射光は結晶の中心を通過し、入射光と平行に他面から放出される。これに対して面対称にもう1つの非線形光学結晶を配置すれば、2つの結晶31を通過する光線は最後に入射光の延長方向に走行する。
2つの非線形光学結晶31は、面対称の位置にある回動軸35の回りを等角に回動して、差周波光が所定の波長になるように結晶端面を傾斜させる。
上記位置に回動軸35を設けて入射光が常に結晶中心Cを通過するようにすることにより、たとえば径が8mm程度ある入射ビームでも長さ24mm、幅12mm程度の非線形光学結晶31からはみ出ることなく、効率的に差周波作用を受けることができる。よく用いられる銀ガリウムサルファイト(AgGaS)の非線形光学結晶では、現状、上記程度の大きさが実用上の限度であるので、上記構成は本実施例の波長調整装置を効果的にサポートする。
ここで従来法と本実施例の方法における性能差を確認するため、分解能0.001度、絶対精度0.02度の回転ステージをリアミラー26の回動軸と非線形光学結晶の回動軸の両方に取り付けて使用するものとして精度を比較する。
従来方法に従い、高価な波長計を使用せず、シグナル光の波長調整を先に行った場合、差周波波長設定値6.3μmのときの誤差は62nmとなる。
これに対して、本実施例の方法による場合は、差周波波長設定値の位相整合に対応する結晶端面傾角の誤差は0.02度、したがって差周波波長の誤差は2.5nm程度となる。引き続いて差周波の出力モニタして共振器ミラーを調整するが、このときのミラーの角度は最適位置に対して誤差0.003度で差周波出力が半減することが分かっているので、ミラーの角度は最適値に対して0.0015度程度で調整できるとすることができ、これに対応する差周波波長の誤差は4.7nmになる。先の誤差と誤差加算すると、本方法による設定精度は5.3nm程度になり、従来法に対してほぼ1桁精度が向上することが分かる。
なお、シグナル光を波長計でモニタして共振器ミラーを調整しさらに結晶角度を調整する従来方法では、差周波波長の精度は約3nmとなり高価な波長計を利用する効果があるが、目的によっては波長計を使わない本発明の方法を使用することにより経済上の利益を享受することができる。
図5に表わしたブロック図は、本発明の第2の実施例を説明するものである。図1に表わした実施例1のものと異なるところは、制御装置に係わる部分で、この他には大きな差異がないので、ここでは相違点を主に説明する。
Crフォルステライトレーザ装置2から出力されるシグナル光28はビームスプリッタ29で分岐され、ビームスプリッタ29で直進する一部の光線を波長計51に入射させて波長を測定する。この波長信号は第2制御器43に供給され、差周波光34の設定波長から算定されるシグナル光の設定波長に対する誤差信号を生成させ、制御演算を施してリアミラー26の回動駆動機構を作動させて、Crフォルステライトレーザであるシグナル光28の波長を調整する。
このように波長を調整したシグナル光28は定波長のポンプ光11と一緒に非線形光学結晶装置3に入射する。非線形光学結晶装置3では2個の非線形光学結晶31が面対称に配置され、傾角調整機構33により結晶端面の傾角を調整することにより位相整合を行う。
2個の非線形光学結晶31はそれぞれ結晶端面からL/2Nの結晶中心軸上にある回動軸の回りに回動するようになっていて、傾角調整機構33により回動軸が駆動され結晶端面の傾角が変化するときは、両方が面対称の関係を維持しながら等角に変化する。また、出力光の波長レンジ全域に対応して結晶端面の傾角が変動する場合にも、入射光は常に結晶の中心を通過するようになっている。
非線形光学結晶装置3の出力光34をパワーメータ5に受けて出力強度を測定し、パワーメータ5の測定出力を第1制御器41に供給し、第1制御器41が出力光34のパワーが極大値になるように傾角調整機構33を駆動することにより位相整合を行う。
なお、ポンプ光の出力を観察する必要があれば、Nd:YAGレーザ発生装置1の出力の一部を分岐しパワーメータ52に導いて観察することができる。
実施例2の波長調整装置によれば、従来は計器の指示を観察して作業者が駆動機構を調整するため、熟練作業者の綿密な調整作業が必要であったのに対して、差周波光の目標波長を設定することにより、制御装置が対応するCrフォルステライトレーザの波長を算出し、高精度な波長計の出力に基づいてリアミラー26の回動駆動機構を調整することにより高精度にシグナル光波長を調整し、かつ差周波光の出力に基づき非線形光学結晶装置の傾角調整機構を自動調整して位相整合を行うことにより、自動的に差周波光の波長調整を行うことができるので、非熟練者でも簡単に差周波光34の波長を調整することができる。
本発明の波長変換固体レーザの波長調整装置の1実施例を表す構成図である。 本実施例の波長変換固体レーザにおけるシグナル光の共振器リアミラーの角度とシグナル光波長および差周波出力光波長の関係を示すグラフである。 本実施例の波長変換固体レーザにおける非線形光学結晶の傾角と差周波出力光の波長の関係を示すグラフである。 本実施例に使用する非線形光学結晶の回動軸位置を示す説明図である。 本発明の波長変換固体レーザの波長調整装置の別の実施例を表す構成図である。
符号の説明
1 Nd:YAGレーザ装置
11 ポンプ光
2 Crフォルステライトレーザ装置
21 Crフォルステライトレーザ部
22 励起用Nd:YAGレーザ装置
23 パルス発生装置
24 Crフォルステライトレーザ結晶
25 分光プリズム
26 反射鏡
27 出力鏡
28 シグナル光
29 ビームスプリッタ
3 差周波発生用非線形光学結晶
31 非線形光学結晶
32 Geフィルター
33 傾角調整機構
34 差周波光
35 回動軸
4 制御装置
41 第1制御器
42 ファイル
43 第2制御器
5 出力計
51 波長計
52 パワーメータ

Claims (8)

  1. 固定波長レーザ発生部と可変波長レーザ発生部と非線形光学結晶と制御装置を備えて固定波長レーザをポンプ光とし可変波長レーザをシグナル光として非線形光学結晶に入力して差周波光をえる波長変換固体レーザ装置において、該差周波光の出力計を備え、該非線形光学結晶の傾角を調整する傾角調整機構を備え、前記制御装置が前記非線形光学結晶の傾角と出力光波長の関係を記憶装置に予め記憶していて、設定された差周波光波長に応じて該非線形光学結晶の傾角を調整し、前記出力計の検出値が極大値になるように前記可変波長レーザ部からのシグナル光の波長を調整する波長変換固体レーザの波長調整装置。
  2. 前記固定波長レーザ発生部がNd:YAGレーザ装置であり前記可変波長レーザ発生部が波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ装置であることを特徴とする請求項1記載の波長変換固体レーザの波長調整装置。
  3. 前記Crフォルステライトレーザ装置の共振器内に分散プリズムを備え、共振器端に回転機構を備えたリアミラーを備えて、前記制御装置が、前記出力計の検出出力に基づいて前記回転機構を自動調整して前記シグナル光の波長を調整することを特徴とする請求項2記載の波長変換固体レーザの波長調整装置。
  4. 前記非線形光学結晶の傾角を調整する傾角調整機構は、結晶長をLとし、屈折率をNとして、結晶の端面からL/2Nの結晶中心軸上に回動軸を設けて該回動軸回りに結晶を回動することにより傾角を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の波長変換固体レーザの波長調整装置。
  5. 固定波長レーザ発生部と可変波長レーザ発生部と非線形光学結晶を備えた波長変換固体レーザ装置において、該非線形光学結晶の傾角と出力光波長の関係を予め記憶し、該関係を使って出力光波長設定値に対応する前記非線形光学結晶の傾角を求めて、該傾角をその値に調整し、前記出力光の出力が極大値になるように前記可変波長レーザの出力光波長を調整することを特徴とする波長変換固体レーザの波長調整方法。
  6. 固定波長レーザ発生部と可変波長レーザ発生部と非線形光学結晶を備えた波長変換固体レーザ装置において、該可変波長レーザ発生部の出力位置にビームスプリッタと、該ビームスプリッタを透過した透過光が入射する波長計を備え、前記非線形光学結晶に結晶の傾きを調整する傾斜調整機構を備え、該非線形光学結晶の光出力を測定する出力計を備え、制御装置を備えて、該制御装置が前記波長計の検出出力に基づいて前記可変波長レーザ装置を自動調整して前記波長計の検出光周波数が設定した出力光周波数と前記固定波長レーザの周波数の差に一致するようにし、さらに前記非線形光学結晶からの光出力を極大化するように該非線形光学結晶の傾きを調整することによって、前記波長変換固定レーザ装置から出力される前記固定波長レーザと前記可変波長レーザの差周波光の波長を調整することを特徴とする波長変換固体レーザの波長調整装置。
  7. 前記固定波長レーザ発生部がNd:YAGレーザ装置であり前記可変波長レーザ発生部が波長可変のCrフォルステライト(Cr:forsterite)レーザ装置であることを特徴とする請求項6記載の波長変換固体レーザの波長調整装置。
  8. 前記Crフォルステライトレーザ装置の共振器内に分散プリズムを備え、共振器端に回転機構を備えたリアミラーを備えて、前記制御装置が、前記出力計の検出出力に基づいて前記回転機構を自動調整して前記可変波長レーザの波長を調整することを特徴とする請求項7記載の波長変換固体レーザの波長調整装置。
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