JP2005069984A - レーザ光学素子検査装置及びレーザ光学素子検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可及的に信頼性の高い検査結果を得ることができながら、波長変換素子の整合波長を迅速に検査できるレーザ光学素子検査装置等を提供する。
【解決手段】 特定波長の第2のレーザ光が出力され、入射される第1のレーザ光の波長を特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査装置1であって、複数種類の波長で第1のレーザ光が個別に射出可能に構成され、射出された第1のレーザ光が前記波長変換素子に入射される可変レーザ光源部2と、出力された第2のレーザ光の強度を測定する測定手段9と、可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長を複数種類のうちから選択的に切り換える波長切換手段とを備え、波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に前記測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報が決定される。
【選択図】 図1
【解決手段】 特定波長の第2のレーザ光が出力され、入射される第1のレーザ光の波長を特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査装置1であって、複数種類の波長で第1のレーザ光が個別に射出可能に構成され、射出された第1のレーザ光が前記波長変換素子に入射される可変レーザ光源部2と、出力された第2のレーザ光の強度を測定する測定手段9と、可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長を複数種類のうちから選択的に切り換える波長切換手段とを備え、波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に前記測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報が決定される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、特定波長の第2のレーザ光が出力されるべく構成され、入射される第1のレーザ光の波長を特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査装置及びレーザ光学検査方法に関するものである。
従来、レーザ露光装置には、PPLN(Periodically Polled Lithium Niobate)等を用いた波長変換素子が採用されている。このPPLNは、レーザ光源から入射されたレーザ光の波長を高調波等の特定波長(緑色、青色の波長)に所定の変換効率の下で変換して出力するもので、得られた短波長のレーザ光を写真処理用の光源として採用している。PPLNは結晶に薬液を導いて製造される微細な構造部を備えるところ、全てを同一の変換波長を得るようにして製造することは容易ではなく、個体差が存ずる。入力波長の高調波が特定波長と一致すれば(すなわち、整合すれば)、特定波長に最大効率で変換されるが、特にPPLNでは、整合する入力波長の許容幅が0.1〜0.3nm(ナノメータ)程度と非常に狭い。従って、PPLNを搭載する露光装置では、PPLNを管理する温度を制御することで、PPLNと入射されるレーザ光の波長との不整合を調節する等していた。
図10(A)は、2個のPPLNのサンプル(S1、S2)に入射されるレーザ光の波長と、変換効率(出力光強度)との関係を示す図表であり、図10(B)は、前記サンプル(S1、S2)の温度と出力強度との関係を示す図表である。図10(A)に示すように、PPLNに入射されるレーザ光の波長―出力強度特性は、変換効率に応じて山形を有し、サンプルS1とサンプルS2とは、出力光強度が最高となるときの(すなわち波長変換効率が最大となるときの)波長がλ1とλ2のように必ずしも一致しておらず、整合する波長に個体差があることが示される。また、図10(B)に示すように、温度―出力光強度は山形を有し、サンプルS1、S2は、所定波長のレーザ光が入射された場合に、それぞれ異なる温度で最大出力光強度となるため、温度調節によってPPLNと入射されるレーザ光の波長との不整合が調整可能であることを示している。
図11は、PPLNに整合する波長を検査するための従来のレーザ光学素子検査装置を示す概略構成図である。レーザ光学素子検査装置500は、所定波長のレーザ光を射出する半導体レーザ510と、入射されたレーザ光を平行光線とするコリメータレンズ520と、入射されたレーザ光の例えば二次高調波乃至はその近傍の特定波長に変換して出力する波長変換素子であるPPLN530と、特定波長のレーザ光を平行光線にするコリメータレンズ540と、入射光から可視光成分を抽出するIR(Infrared Radiation)カットフィルタ550と、入力光の強度に応じたレベルの電気信号を出力する光検出部560と、光検出部560での検出結果を記憶すると共に、温度調節の制御を行う演算処理部570と、PPLN530の感光温度を調節する温度調節部580とを備えている。演算処理部570は、温度調節部580を制御してPPLN530の温度を順次変更すると共に、その都度、光検出部560からの検出結果を取り込むようにし、さらに取り込んだPPLN530の温度と検出結果との関係から、入力レーザ光の波長の二次高調波が特定波長と一致する、つまり整合するときの調節温度を決定する。すなわち、決定された温度でPPLN530の温度を保持する制御を行うことで、PPLN530は高い変換効率で特定波長を出力することが判別されるため、PPLN530を搭載するレーザ露光装置では、PPLN530を決定された温度で保持する制御が行われるように設定され、これによって、PPLN530と入射されるレーザ光の波長との不整合が調節されるようになっている。
しかしながら、従来のレーザ光学素子検査装置では、温度特定を得るために、波長変換素子を複数の温度に調温し、その都度、レーザ光の出力強度の測定作業を行う必要があったため、信頼性の高い測定結果を速やかに得ることが容易でなく、結果として波長変換素子を搭載する製品(例えば、写真処理装置等)の生産効率の向上を図ることが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、可及的に信頼性の高い検査結果を確保しつつ、波長変換素子の整合波長を迅速に検査できるレーザ光学素子検査装置及びレーザ光学素子検査方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、特定波長の第2のレーザ光が出力されるべく構成され、入射される第1のレーザ光の波長を前記特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査装置であって、複数種類の波長で第1のレーザ光が個別に射出可能に構成され、射出された第1のレーザ光が前記波長変換素子に入射される可変レーザ光源部と、前記波長変換素子から出力された第2のレーザ光の強度を測定する測定手段と、前記可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長を前記複数種類のうちから選択的に切り換える波長切換手段とを備え、前記測定手段は、前記波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に前記測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報を決定するものであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、特定波長の第2のレーザ光が出力されるべく構成され、入射される第1のレーザ光の波長を前記特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査方法であって、可変レーザ光源部が、複数種類の波長で第1のレーザ光を個別に射出し、射出した第1のレーザ光を前記波長変換素子に入射させるレーザ光出力ステップと、測定手段が、前記波長変換素子から出力された第2のレーザ光の強度を測定する測定ステップと、波長切換手段が、前記可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長を前記複数種類のうちから選択的に切り換える波長切り換えステップと、前記測定手段が、前記波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に前記測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
この構成によると、可変レーザ光源部では、複数種類の波長で第1のレーザ光が個別に射出され、射出された第1のレーザ光が前記波長変換素子に入射される。測定手段によって、波長変換素子から出力された第2のレーザ光の強度が測定され、可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長が波長切換手段によって複数種類のうちから選択的に切り換えられる。波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、測定手段によって、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報が決定される。従って、第1のレーザ光の波長の変化にともなう第2のレーザ光の強度の変化が直接かつ即座にモニタされ、これらに基づいて波長変換素子に整合する波長が決定されることになるため、可及的に信頼性の高い検査結果を得ることが可能となると共に、波長変換素子の整合波長の検査作業が迅速になる。
請求項2に記載の発明は、前記波長情報と前記強度情報とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、前記測定手段は、前記記憶された内容に基づいて第2のレーザ光の強度が最大強度となるときの波長情報を決定することを特徴とする。すなわち、波長情報と強度情報とが対応付けて記憶され、記憶された内容に基づいて第2のレーザ光の強度が最大強度となるときの波長情報が決定されるため、正確な検査結果を一層迅速に得ることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、前記可変レーザ光源部は、異なった周期的屈折率分布を有するレーザ媒質から成る導波路が複数形成され、前記導波路の励起によって第1のレーザ光を射出する可変波長レーザと、前記導波路のうち励起光を入射させる前記導波路を順次切り換える波長切換部とを備えたものであることを特徴とする。この構成によると、波長切換部によって導波路のうち励起光源からの励起光を入射させる導波路が所定期間毎に順次切り換えられる。励起光が入射された導波路は、周期的屈折率分布を有するレーザ媒質から成るため、導波路を伝搬する光が屈折率分布の周期で決まる特定の波長で反射され(分布帰還法)、単色性の良い特定波長の第1のレーザ光が射出される。ここで、複数形成された導波路は異なった周期的屈折率分布を有するため、励起光が入射される導波路が所定期間毎に切り換えられると、可変波長レーザから出力される第1のレーザ光の波長が順次切り換えられることとなる。可変波長レーザから出力された第1のレーザ光は波長変換素子に入射され、波長変換素子によって波長が変換されて第2のレーザ光が出力され、測定手段によって第2のレーザ光の強度が測定される。そして、第1のレーザ光の波長を示す波長情報と、そのときの第2のレーザ光の強度を示す強度情報とを波長切換部の切り換え毎に取り込み、これらの情報に基づいて、波長変換素子に整合する、すなわち最大強度で第2のレーザ光を出力するときの第1のレーザ光の波長が測定手段によって決定される。ここで、第1のレーザ光の波長は励起される導波路の切り換えにより順次、即座に容易に変化させることが可能であるため、一層迅速に検査結果を得ることが可能となる。
請求項4に記載の発明では、前記可変レーザ光源部は、所定の周期的屈折率分布を有するレーザ媒質から成る導波路が形成され、前記導波路の励起によって第1のレーザ光を射出する可変波長レーザと、所定期間毎に前記導波路の周期的屈折率分布の周期を変化させる波長切換部とを備えたものであることを特徴とする。この構成によると、波長切換部によって導波路の周期的屈折率分布が順次変化される。励起光によって導波路が励起されると、導波路は、周期的屈折率分布を有するレーザ媒質から成るため、導波路を伝搬する光が屈折率分布の周期で決まる特定の波長で反射され(分布帰還法)、単色性の良い特定の波長の第1のレーザ光が出力される。ここで、導波路の周期的屈折率分布が順次変化されるため、可変波長レーザから出力される第1のレーザ光の波長が順次変化することとなる。可変波長レーザから出力された第1のレーザ光は波長変換素子に入射され、波長変換素子によって波長が変換されて第2のレーザ光が射出され、測定手段によって第2のレーザ光の強度が測定される。そして、第1のレーザ光の波長を示す波長情報と、そのときの第2のレーザ光の強度を示す強度情報とを波長切換部の切り換え毎に取り込み、これらの情報に基づいて、波長変換素子に整合する波長、すなわち最大強度で第2のレーザ光を出力するときの第1のレーザ光の波長が測定手段によって決定される。
すなわち、第2のレーザ光の波長は、導波路の周期的屈折率分布の周期を変化させることにより順次、即座に容易に変化させることが可能であるため、一層迅速に検査結果を得ることが可能となる。
請求項5に記載の発明では、前記測定手段は、前記波長情報と前記強度情報とから近似曲線を求め、前記近似曲線の示す最大強度となるときの波長情報を決定するものであることを特徴とする。すなわち、波長情報と、強度情報とから近似曲線が求められ、近似曲線の示す第2のレーザ光が最大強度になるときの波長情報が決定されるため、一層正確に波長変換素子に整合する波長を決定することが可能となる。
請求項6に記載の発明では、前記波長変換素子は、光導波路型SHG素子であり、前記測定手段は、第2のレーザ光の強度を検出する光検出部を備え、前記波長変換素子と前記光検出部との間には、前記波長変換素子の導波路を通過した第2のレーザ光をコリメートするコリメータレンズが配置され、前記コリメータレンズと前記光検出部との間の距離は、前記導波路から漏れた光が焦点する位置より長く設定されていることを特徴とする。これによって、導波路から漏れた光に比較的影響されることなく、導波路を通過した光に基づいて第2のレーザ光の強度が検査される。
請求項1、請求項7に記載の発明によれば、第1のレーザ光の波長の変化にともなう第2のレーザ光の強度の変化が直接かつ即座にモニタされ、これらに基づいて波長変換素子に整合する波長が決定されることになるため、可及的に信頼性の高い検査結果を得ることが可能となると共に、波長変換素子の整合波長の決定作業が迅速になり、検査された波長変換調素子を搭載する製品の生産効率を向上させ、好適な高調波を得ることが可能な製品を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、波長情報と強度情報とが対応付けて記憶され、記憶された内容に基づいて第2のレーザ光の強度が最大強度となるときの波長情報が決定されるため、正確な測定結果を一層迅速に得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1のレーザ光の波長は励起される導波路の切り換えにより順次、即座に容易に変化させることが可能であるため、一層迅速に検査結果を得ることが可能となり、検査された波長変換素子を搭載する製品の生産効率を一層向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、第2のレーザ光の波長は、導波路の周期的屈折率分布の周期を変化させることにより順次、即座に容易に変化させることが可能であるため、一層迅速に検査結果を得ることが可能となり、検査された波長変換素子を搭載する製品の生産効率を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、波長情報と、強度情報とから近似曲線が求められ、近似曲線の示す第2のレーザ光が最大強度になるときの波長情報が決定されるため、一層正確に波長変換素子に整合する波長を測定することができ、測定結果を踏まえ、好適な高調波を得ることができる製品を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、導波路から漏れた光に比較的影響されることなく、導波路を通過した光に基づいて第2のレーザ光が最大強度になるときの波長情報が決定されることが可能となり、一層正確に波長変換素子に整合する波長を検査することができる。
(実施の形態1)
以下、図1〜図6を用いて、本発明のレーザ光学素子検査装置を写真処理装置に搭載する波長変換素子の整合波長を測定するためのレーザ光学素子検査装置1に適用した場合の第1の実施の形態について説明する。検査対象である波長変換素子は、入射されたレーザ光の波長を高調波乃至その近傍の波長に変調することで特定波長のレーザ光を出力するように構成されており、波長変換素子の整合波長とは、波長変換素子が出力するように構成された特定波長と入射されたレーザ光の高調波の波長とが一致するときの、入射されたレーザ光の波長である。波長変換素子は、全てを同一の変換波長を得るように製造されることは困難であり、その特定波長に個体差が存ずるため、波長変換素子の整合波長も個体間でばらつきがある。レーザ光学測定装置1は、このような性質を有する波長変換素子の整合波長を個別に検査するためのものである。
以下、図1〜図6を用いて、本発明のレーザ光学素子検査装置を写真処理装置に搭載する波長変換素子の整合波長を測定するためのレーザ光学素子検査装置1に適用した場合の第1の実施の形態について説明する。検査対象である波長変換素子は、入射されたレーザ光の波長を高調波乃至その近傍の波長に変調することで特定波長のレーザ光を出力するように構成されており、波長変換素子の整合波長とは、波長変換素子が出力するように構成された特定波長と入射されたレーザ光の高調波の波長とが一致するときの、入射されたレーザ光の波長である。波長変換素子は、全てを同一の変換波長を得るように製造されることは困難であり、その特定波長に個体差が存ずるため、波長変換素子の整合波長も個体間でばらつきがある。レーザ光学測定装置1は、このような性質を有する波長変換素子の整合波長を個別に検査するためのものである。
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるレーザ光学素子検査装置1の構成図である。レーザ光学素子検査装置1は、所定時間毎に順次波長を変えて、複数種類の波長で個別にレーザ光(第1のレーザ光、以下「一次レーザ光」とする)を波長変換部3に対して射出する一次レーザ光射出部2と、一次レーザ光射出部2から一次レーザ光が入射され波長を変換して特定波長を有するレーザ光(第2のレーザ光、以下「二次レーザ光」とする)を射出する、検査対象である波長変換素子31(図2を参照)を有する波長変換部3とを備える。一次レーザ光射出部2と波長変換部3とで、可視レーザ光源部を構成するものである。
レーザ光学素子検査装置1は、二次レーザ光を透過させてコリメートするコリメータレンズ4と、コリメートされた二次レーザ光の一部を偏向させるハーフミラー5と、偏向された二次レーザ光の強度を検出する光検出部6と、ハーフミラー5を通過した二次レーザ光から赤外光を除いて可視光を抽出するIR(Infrared Radiation)カットフィルタ7と、IRカットフィルタ7により抽出された可視光の強度を検出する光検出部8と、光検出部6、8から入力される検出結果に基づいて波長変換素子3の整合波長を測定する演算処理部9とを備える。
光検出部6は、例えばフォトダイオードから成り、ハーフミラー5に偏向されてきた二次レーザ光を電流に変換して、例えば電力(W)等として二次レーザ光の強度P1を検出して、一次レーザ光の波長が切り換わる毎に検出結果を演算処理部9へ出力するものである。なお、強度P1は、電力(W)に限らず、電圧(V)、電流(I)で表されてもよい。光検出部8は、例えばフォトダイオードから成り、IRカットフィルタ7により抽出された可視光を電流に変換して、例えば電力(W)等として可視光の強度P2を検出して、一次レーザ光の波長が切り換わる毎に検出結果を演算処理部9へ出力するものである。なお、強度P2は、電力(W)に限らず、電圧(V)、電流(I)で表されてもよい。演算処理部9は、記憶手段として機能し、波長変換部3に入力される一次レーザ光の波長の種類を示す波長情報を予め記憶すると共に、光検出部6から強度P1を、光検出部8から強度P2を入力されて、これら強度P1、P2から二次レーザ光の強度を示す強度情報を作成して波長情報と対応づけて記憶し、これら情報に基づいて二次レーザ光の強度が最大強度であるときの波長、すなわち波長変換部3の整合波長を示す波長情報を決定するものである。なお、光検出部6、8と演算処理部9とで、測定手段を構成する。
レーザ光学素子検査装置1は、波長変換部3の温度を調節するための調温部10を備え、演算処理部9は、調温部10を制御して波長変換部3を駆動効率の点から好適な所定温度に維持すると共に、一次レーザ光射出部2及び波長変換部3の動作を制御するものである。
図2は、図1に示す一次レーザ光射出部2と波長変換部3とをより詳細に示す構成図である。一次レーザ光射出部2は、ポンプ光(励起光)を射出する励起レーザ21と、ポンプ光の射出方向に配置されてポンプ光を拡大するレンズ22、23と、拡大されたポンプ光が入力される位置に配置され、ポンプ光により有機色素分子が励起されて一次レーザ光を射出する色素レーザ24と、色素レーザの配置位置を高さ方向に移動させる駆動部25とから成る。
励起レーザ21は、例えばLD(Laser Diode)レーザ励起Nd:YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザからなり、図略のフラッシュランプ等の光源からの光によって励起されてポンプ光を射出するものである。なお、励起レーザ21は、LDレーザ励起Nd:YAGレーザに限られず、アルゴンレーザ、エキシマレーザ、銅蒸気レーザ、窒素レーザ等、導波路241を励起可能なポンプ光を射出可能な他のレーザであってもよい。
色素レーザ24は、略直方体形状のプラスチック基板からなり、励起レーザ21側の一側壁に面して、複数の(例えば100本の)導波路241(241a〜241n)が横方向に延びるように高さ方向に並列に形成されている。導波路241a〜241nは、有機色素をドープしたアクリル樹脂(レーザ媒質)からなり、横方向に沿って所定間隔で回折格子242が形成されることで周期的屈折率分布を有しており、ポンプ光の入射に起因する有機色素の励起によって生じるレーザ光が回析格子の周期で決まる特定の波長で反射され、特定の波長の一次レーザ光が波長変換部3側の一端部から射出されるようになっている(分布帰還法:DFB( Distributed Feedback)法)。各導波路241a〜241nでは、高さ位置が異なるにつれて回析格子242の周期が段階的に僅かづつ異なっているので、射出される一次レーザ光の特定波長も段階的に僅かづつ異なるようになっており、例えば、導波路241aから射出される一次レーザ光の波長は1061.0nmならば、導波路241bから射出される一次レーザ光の波長は1061.1nmとなっている。
駆動部25は、導波路241a〜241nのうちいずれか1にポンプ光が入射されるように色素レーザ24の高さ位置を調整するものであり、ステップモータ等からなり、例えばステップモータのトルクにより色素レーザ24の高さ位置を所定期間毎に所定高さずつ変えて(例えば所定期間経過毎、所定時刻毎の所定高さずつ変えて)、各導波路241a〜241n間でポンプ光が入射される1の導波路を切り換えて、一次レーザ光の波長を所定期間毎に順次変えるものである。また、駆動部25の動作は、演算処理部9によって制御されるものである。
波長変換部3は、検査対象であり、一次レーザ光が入射される波長変換素子31と、波長変換素子31の高さ位置を調整するための駆動部32とから成る。波長変換素子31は、光導波路型SHG素子であり、例えばLiNbO3からなり、分極反転層がレーザの進行方向に向かって周期的に配列形成された構造(PPLN:Periodically Polled Lithium Niobate)を有している。この分極反転層は、結晶に薬液を導いて製造される微細な構造を有するため、出力される二次レーザ光の特定波長には個体差が存じ、この個体差によって整合波長にばらつきがあるようになっている。波長変換素子31は、略直方体形状であり、横方向(分極反転層の配列方向と直交する方向)に亘って、一次レーザ光を透過するための導波路310(310a〜310n)が高さ方向(分極反転層の配列方向)に並列するように複数(例えば4つ)形成されている。導波路310は、いずれか1の一端部に一次レーザ光が透過されることで、一次レーザ光の波長を変調して他端部から二次レーザ光を射出するものである。
駆動部32は、演算処理部9により動作を制御されるものであり、例えばステップモータ等からなり、導波路310a〜310nのうちいずれか1に一次レーザ光を入射させるように波長変換素子31の高さを所定高さずつ変更する。駆動部32は、1の導波路310に色素レーザ24から射出される所定種類(例えば、全種類)の波長の一次レーザ光が入射されたときに、別の導波路310(例えば、一つ下段に位置するもの)に一次レーザ光を入射させるように高さ位置を変更し、色素レーザ24からの所定種類の波長と複数種類(例えば、全種類)の導波路310とから、所望の2次高調波を得ることができる組み合わせを測定することを可能とするものである。
図3は、図1に示すコリメータレンズ4と光検出部6、8との好適な位置関係を説明するための図である。なお、ここでは説明の便宜のためにIRカットフィルタ7を省略している。レーザ光L1は導波路310a〜310nを通過しなかった漏れ光であり、レーザ光L2は導波路310を通過した二次レーザ光である。レーザ光L2はコリメータレンズ4によって平行光線にコリメートされるが、レーザ光L2はコリメータレンズ4によって位置pで焦点して拡散する。コリメータレンズ4の中心と光検出部8との距離l3は、コリメータレンズ4の中心から位置pまでの距離l1よりも長く設定されるため、レーザ光L1に影響されることなく二次レーザ光であるレーザ光L2のみに基づいて整合波長を正確に測定される。また、コリメータレンズ4の中心とハーフミラー5との距離l2についても、同様の理由から、コリメータレンズ4の中心から位置pまでの距離l1よりも長く設定される。
上述したレーザ光学素子検査装置1の動作及びレーザ光学素子検査装置1を用いたレーザ光学素子検査方法を説明する。レーザ光学素子検査方法は、レーザ光出力ステップ、測定ステップ、波長切り換えステップ及び決定ステップを含む。まず、レーザ光出力ステップでは、レーザ光学素子検査装置1を作動させるとフラッシュランプ等の図略の光源が点灯され、これによって励起レーザ21からポンプ光が射出され、ポンプ光はレンズ22、23で拡張される。作動開始時には、駆動部25は、最上段の導波路241aにポンプ光を入射させる位置に色素レーザ24の高さ位置を設定しており、拡張されたポンプ光は導波路241aに入射される。導波路241aは励起され、導波路241aからの一次レーザ光が波長変換部3へ射出される。作動開始時に、波長変換部3では、駆動部32は最上段の導波路310aに一次レーザ光を入射させるように、波長変換素子31の高さ位置を設定しており、導波路310aに一次レーザ光が入射される。
導波路310aは、一次レーザ光を入射して二次レーザ光を射出し、二次レーザ光はコリメータレンズ4でコリメートされた後、その一部がハーフミラー5で光検出部6の方へ偏向され、その他がハーフミラー5を透過してIRカットフィルタ7で可視光のみ抽出されて光検出部8に射出される。測定ステップでは、光検出部6は、IRカットフィルタ7を透過しない、すなわち一次レーザ光成分を含む二次レーザ光を電流に変換して、一次レーザ光成分を含む二次レーザ光の強度P1(W)を検出して検出結果を演算処理部9へ出力する。光検出部8は、IRカットフィルタ7により抽出された可視光を電流に変換して、可視光の強度P2(W)を検出し、この検出結果を演算処理部9へ出力する。演算処理部9は、強度P1と、強度P2とから下記(1)式を用いて一次レーザ光を二次レーザ光に変換する変換効率Nを算出する。
N=P2/P12・・・式(1)
なお、変換効率Nは、色素レーザ24の出射光強度の個体間のばらつきによる測定結果の誤差を防ぐために、波長変換素子31に入射される一次レーザ光を二次レーザ光に変換する効率で検査結果を求めることを目的として算出されるものである。従って、変換効率Nは、必ずしも式(1)で求められたものに限定されず、例えば、強度P1の代わりに、色素レーザ24から射出される一次レーザ光の強度を用いる等して算出されてもよい。
なお、変換効率Nは、色素レーザ24の出射光強度の個体間のばらつきによる測定結果の誤差を防ぐために、波長変換素子31に入射される一次レーザ光を二次レーザ光に変換する効率で検査結果を求めることを目的として算出されるものである。従って、変換効率Nは、必ずしも式(1)で求められたものに限定されず、例えば、強度P1の代わりに、色素レーザ24から射出される一次レーザ光の強度を用いる等して算出されてもよい。
演算処理部9は、算出された変換効率Nを正規化して二次レーザ光の強度i1(Intensity)とし、強度情報として記憶する。演算処理部9は、入力されている一次レーザ光の波長を示す波長情報を参照して、一次レーザ光の波長と強度i1とを対応づけて記憶する。なお、波長情報は、例えば、導波路241a〜241nの導波路番号と、測定開始時からの経過時間に対応する導波路番号とを示すものであり、演算処理部9によって記憶され、測定時の経過時間を基に波長情報が照会されることで、いずれの導波路241から一次レーザ光が射出されているかを特定するように、測定時に入力されている一次レーザ光の波長が判別される。
切り換えステップでは、駆動部25は、所定期間経過毎に順次色素レーザ24の高さ位置を調節して、導波路241a〜241nのうちポンプ光を入射するものを下段に向かって順次切り換える。これによって、所定期間毎に段階的に一次レーザ光の波長が切り換わることとなる。光検出部6、8が、一次レーザ光の波長が切り換わる毎に、強度P1、P2を演算処理部9へ出力し、演算処理部9が波長情報の示す一次レーザ光の波長と対応づけて強度情報を作成すると共に記憶する。
決定ステップでは、演算処理部9は、波長変換部3からの全種類の一次レーザ光の波長に対応する二次レーザ光の強度i1をプロットして記憶し終えた後、記憶した内容(プロットした波長情報と強度情報と)から近似曲線を求めて最上段の導波路310aの整合波長を決定する。
図4は、一次レーザ光の波長変化にともなう強度i1の変化と、それから求められる近似曲線とを説明するためのグラフ図である。ここでは、横軸を導波路310aに入射される一次レーザ光の波長(nm)を、縦軸を二次レーザ光の強度i1を示すものとする。グラフc1は、一次レーザ光の波長とそのときの二次レーザ光の強度i1をプロットした一例を示すものである。グラフc2は、グラフc1の示す一次レーザ光の波長と強度i1とから、例えばローレンツ型の式を用いて求めた近似曲線の一例を示すものである。
演算処理部9は、グラフc1で示すような一次レーザ光の波長と強度i1とから、グラフc2で示すような近似曲線を求めた上で、近似曲線が強度i1のピークを示すときの波長(nm)を導波路310aの整合波長と判定する。グラフc2では、波長が528.75(nm)のときに強度i1がピークとなるため、整合波長は528.75(nm)と判定される。ここで、強度i1がピークとなるときに入射される一次レーザ光の高調波が、特定波長と最も一致すると判別されるため、強度i1がピークになるときに入射される一次レーザ光の波長が整合波長とされるのである。このように、演算処理部9では、波長情報の示す一次レーザ光の波長と強度情報の示す強度i1とから近似曲線を求めて、この近似曲線から整合波長を判定するため、より詳細で正確に整合波長を求めることができ、判定結果の信頼性を一層高めることが可能となる。
上記のようにして、導波路310aの整合波長の判定が終了した後、駆動部32は、波長変換素子31の高さ位置を変更して上から2段目の導波路310bに一次レーザ光を入射させるようにする。駆動部25は、再度、導波路241aにポンプ光が入射されるように色素レーザ24の高さ位置を設定し、所定期間経過毎に下段に向かって導波路241b〜241nまでの全ての導波路241にポンプ光が入射されるように色素レーザ24の高さ位置を切り換える。導波路241nまでポンプ光が入射されたとき、導波路310bの整合波長が、導波路310aの整合波長と同様にして判定される。そして、駆動部32は順次波長変換素子31の高さ位置を変更し、導波路310a、310bと同様にして、導波路310a〜310nまでの全ての整合波長が判定される。そして、演算処理部9は、導波路310a〜310nのうちでいずれが整合波長の入射により射出される二次レーザ光の強度が大きいかを判定する。これによって、波長変換素子31を写真処理装置等の製品に搭載する場合に、導波路310a〜310nのうち整合波長の入射により射出される二次レーザ光の出力効率の最も高いものを用いることができる。
上記構成によって、レーザ光学素子検査装置1では、一次レーザ光の波長を所定時間毎に僅かづつ切り換え、一次レーザ光の変化にともなう二次レーザ光の強度の変化を直接モニタして、二次レーザ光の強度のピーク時に入射された一次レーザ光の波長が、波長変換素子31に整合する一次レーザ光の波長と決定されることになるため、波長変換素子の整合波長を迅速に検査することができると共に、可及的に信頼性の高い検査結果を得ることが可能となる。これによって、検査された波長変換素子31を搭載する製品の生産効率を向上させ、測定された波長変換素子31を用いて好適な高調波を得ることが可能な製品を提供することができる。
図5は、レーザ光学素子検査装置1で測定された波長変換素子31を搭載するレーザ発生装置10の構成の一例を示す構成図である。レーザ発生装置10は、写真処理装置に搭載される露光部で用いられ、露光部(図略)で感光材を露光するためのG(緑)又はB(青)のレーザ光を射出するためのものである。レーザ発生装置10は、基準波長(例えばGで波長1064nm、Bで波長946nm)を有するレーザビームを射出する半導体レーザ101と、射出されたレーザビームを所定の二次レーザ光(例えばGで波長532nm、Bで波長423nmを有するレーザビーム)に変換して感光材を露光するために射出する波長変換素子31と、コリメータレンズ102と、IRカットフィルタ103とを備えている。
半導体レーザ101には、半導体素子1010を内蔵する、例えばFBG(Fiber Bragg Grating)付LD(Laser Diode)ピグテール等が用いられ、半導体素子1010と導波路310cの一端部とは光ファイバー104を介して接続されており、光ファイバー104を伝達媒体として基準波長のレーザビームが導波路310cに射出されるようになっている。なお、導波路310a〜310nのうち、導波路310cに基準波長のレーザビームが射出されるのは、レーザ光学素子検査装置1によって導波路310a〜310nのうち導波路310cが最も出力効率が良く二次レーザ光を得るに好適であると判定されたからである。光ファイバー104の先端と導波路310cの一端部との接続位置は、一次レーザ光を導波路310cに正確に導くために、極めてずれのないように設定されている。
以下、光ファイバー104と導波路310cとの接続位置を極めてずれのないように設定する方法の一例を説明する。図6は図5で示す光ファイバー104と導波路310cとの接続位置を測定するための測定装置11を示す図であり、図7は図6に示す光ファイバー104と導波路310cとの位置関係を説明するための図である。測定装置11は、レーザ光学素子検査装置1と異なり、駆動部32、ハーフミラー5、IRカットフィルタ7及び光検出部8を備えず、一次レーザ光射出部2の代わりに、光ファイバ104が半導体素子1010に接続された半導体レーザ101を備える点のみがレーザ光学素子検査装置1と異なっている。図6では、レーザ光学素子検査装置1及びレーザ発生装置10の部材と同様の部材については同じ符号を付している。
光ファイバ104は、一端を半導体素子に固着され、他端を導波路310cの端部に導波路310cに対して相対的に移動可能に接続されており、図7に示すY−Y方向、X−X方向に所定寸法づつ移動される。光検出部6は、導波路310cから射出される二次レーザ光を電流に変換して、電力(W)として二次レーザ光の強度P3を検出し、演算処理部9に出力する。コリメータレンズ4の中心と光検出部6との距離は、レーザ光学素子検査装置1について図3を用いて説明したように、コリメータレンズ4の中心から導波路310cの漏れ光の焦点位置までの距離よりも長く設定され、漏れ光に影響されることなく、導波路310cを通過した二次レーザ光のみに基づいて二次レーザ光の強度を正確に測定することが可能になっている。
演算処理部9は、強度P3を0.0〜0.1までの値で表した強度i2を求める。図8は測定装置11で測定した光ファイバー104と導波路310cとの接続位置に対する二次レーザ光の強度の変化の一例を示すグラフ図であり、(A)はX−X方向に所定寸法づつ光ファイバ104の先端と導波路310cの端部との位置を移動させた場合を示すグラフ図、(B)はY−Y方向に所定寸法づつ光ファイバ104の先端と導波路310cの端部との位置を移動させた場合を示すグラフ図である。なお、縦軸が強度iを、横軸が光ファイバ104の先端と導波路310cとの配置位置のずれを示すものである。グラフd1で、強度i2がピークとなるときの位置がX−X方向の位置ずれ0であると判定される。グラフd2で、強度i2がピークとなるときの位置がY−Y方向の位置ずれ0であると判定される。従って、双方のグラフd1、d2で位置ずれ0と判定される位置で、光ファイバ104の先端と導波路310cの端部とが固着され、固着された状態で図5に示すレーザ発生装置に搭載される。
上記測定装置11を用いた測定によって、導波路310cを通過した二次レーザ光のみに基づいて二次レーザ光の強度が正確に測定され、測定結果に基づいて、光ファイバー104の先端と導波路310cの一端部とがずれのないように配置され、一次レーザ光を導波路310cに精度よく導くことができるため、効率良く二次レーザ光を得ることができるレーザ発生装置10を提供することができる。
なお、本発明では、強度P3から強度i2を求めなくてもよく、強度P3から直接、二次レーザ光の強度が測定されてもよい。もっとも、強度i2を求めることが、一層正確に二次レーザ光の強度を検出できるため好ましい。
なお、本発明では、強度P3から強度i2を求めなくてもよく、強度P3から直接、二次レーザ光の強度が測定されてもよい。もっとも、強度i2を求めることが、一層正確に二次レーザ光の強度を検出できるため好ましい。
(実施の形態2)
以下、図9を用いて、本発明の第2の実施の形態にかかるレーザ光学素子検査装置を説明する。第2の実施の形態にかかるレーザ光学素子検査装置では、一次レーザ光射出部20の構成が一次レーザ光射出部2の構成と異なる点以外は、レーザ光学素子検査装置1と同様である。
以下、図9を用いて、本発明の第2の実施の形態にかかるレーザ光学素子検査装置を説明する。第2の実施の形態にかかるレーザ光学素子検査装置では、一次レーザ光射出部20の構成が一次レーザ光射出部2の構成と異なる点以外は、レーザ光学素子検査装置1と同様である。
図9は、第2の実施の形態にかかるレーザ光学素子検査装置の一次レーザ光射出部20と波長変換部3との構成図である。一次レーザ光射出部20では、一次レーザ光射出部2と同様の構成については同一の符号を付すものとする。一次レーザ光射出部20は、励起レーザ21a、21bと、駆動部202a、202bと、コリメータレンズ201a、201bと、色素レーザ240とから成る。励起レーザ21a、21bは、励起レーザ21と同様の構成を有し、それぞれ異なった方向から色素レーザ240に対してポンプ光を射出するものである。駆動部202a、202bは、励起レーザ21a、21bの配置位置をスライドさせて、色素レーザ240に対するポンプ光を射出する方向を調整するものである。コリメータレンズ201aは、励起レーザ21aからのポンプ光をコリメートするものであり、コリメータレンズ201bは、励起レーザ21bからのポンプ光をコリメートするものである。
色素レーザ240は、略直方体形状を有し、導波路241と同様の構成の導波路2410が一つだけ形成されている。導波路2410には、コリメータレンズ201a、201bを介してポンプ光が2方向から入射されることで、ポンプ光の干渉縞2420が所定周期で生じ、周期的屈折率分布が発生して分布帰還構造が形成され、干渉縞2420の周期で決まる特定波長の一次レーザ光が導波路2410の端部から導波路310に射出される。なお、干渉縞2420の周期はポンプ光の入射角θによって、下記式(2)によって決定され、駆動部202a、202bによって、励起レーザ21a、21bの配置位置が所定期間毎に変わるように調整されるため、一次レーザ光の波長が所定期間毎に順次段階的に変わるようになっている。
λ3=2×n×m×λp/sinθ・・・(2)
なお、式(2)において、λ3は一次レーザ光の波長、nは導波路2410における実効屈折率、λpはポンプ光の波長、mは次数(=1,2,3・・・)を表している。
λ3=2×n×m×λp/sinθ・・・(2)
なお、式(2)において、λ3は一次レーザ光の波長、nは導波路2410における実効屈折率、λpはポンプ光の波長、mは次数(=1,2,3・・・)を表している。
上記構成によっても、第1の実施の形態に係るレーザ光学素子検査装置1と同様の効果を奏することができる。なお、第2の実施の形態においては、2つの励起レーザ21a、21bと、これらの配置位置を調整する駆動部202a、202bとによって、ポンプ光の入射角度θを変えることで分布帰還を達成したが、これに限定されず、電子発振器で超音波発信器等を駆動して音波を導波路2410に電搬させ、同時にポンプ光を入射させることで分布帰還を達成させ、電子発振器の周波数を変えることで屈折率分布の周期を変える構成等、導波路2410の屈折率分布を変えうる他のいかなる構成を用いてもよい。
なお、本発明では、波長変換素子31はPPLNから成るものに限られず、一次レーザ光の波長を変換して異なった波長のレーザ光を射出するものであればよいが、PPLNから成る波長変換素子31では整合波長の許容幅が0.1〜0.3nmと狭く、整合波長の精度の高い測定が要求されているため、PPLNから成る波長変換素子31を測定することで一層その効果が発揮される。
なお、本発明では、演算処理部9で、必ずしも、変換効率Nを正規化した強度i1が強度情報として求められるに限られず、変換効率Nが強度情報として用いられても良い。もっとも、強度i1が求められることが、一層正確に二次レーザ光の強度を検出できるため好ましい。更に、変換効率Nが求められる構成に限られず、例えば、強度P2を強度情報として、波長変換素子31の整合波長が測定されてもよい。もっとも、強度i1や変換効率Nが強度情報として用いられる方が、波長変換素子31に入射される一次レーザ光を二次レーザ光に変換する効率で整合波長の測定が行われるため、色素レーザ24の出射光強度の個体間のばらつきによる測定結果の誤差を効果的に防ぐことができるため好ましい。
1、11 レーザ光学素子検査装置
2 一次レーザ光射出部(可変レーザ光源部)
24、240 色素レーザ(可変波長レーザ)
25 駆動部(波長切換部)
202a、202b 駆動部(波長切換部)
241、2410 導波路
31 波長変換素子
6 光検出部(測定手段)
8 光検出部(測定手段)
9 演算処理部(測定手段、記憶手段)
2 一次レーザ光射出部(可変レーザ光源部)
24、240 色素レーザ(可変波長レーザ)
25 駆動部(波長切換部)
202a、202b 駆動部(波長切換部)
241、2410 導波路
31 波長変換素子
6 光検出部(測定手段)
8 光検出部(測定手段)
9 演算処理部(測定手段、記憶手段)
Claims (7)
- 特定波長の第2のレーザ光が出力されるべく構成され、入射される第1のレーザ光の波長を前記特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査装置であって、
複数種類の波長で第1のレーザ光が個別に射出可能に構成され、射出された第1のレーザ光が前記波長変換素子に入射される可変レーザ光源部と、前記波長変換素子から出力された第2のレーザ光の強度を測定する測定手段と、前記可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長を前記複数種類のうちから選択的に切り換える波長切換手段とを備え、前記測定手段は、前記波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に前記測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報を決定するものであることを特徴とするレーザ光学素子検査装置。 - 前記波長情報と前記強度情報とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、前記測定手段は、前記記憶された内容に基づいて第2のレーザ光の強度が最大強度となるときの波長情報を決定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ光学素子検査装置。
- 前記可変レーザ光源部は、異なった周期的屈折率分布を有するレーザ媒質から成る導波路が複数形成され、前記導波路の励起によって第1のレーザ光を射出する可変波長レーザと、前記導波路のうち励起光を入射させる前記導波路を順次切り換える波長切換部とを備えたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ光学素子検査装置。
- 前記可変レーザ光源部は、所定の周期的屈折率分布を有するレーザ媒質から成る導波路が形成され、前記導波路の励起によって第1のレーザ光を射出する可変波長レーザと、所定期間毎に前記導波路の周期的屈折率分布の周期を変化させる波長切換部とを備えたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ光学素子検査装置。
- 前記測定手段は、前記波長情報と前記強度情報とから近似曲線を求め、前記近似曲線の示す最大強度となるときの波長情報を決定するものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のレーザ光学素子検査装置。
- 前記波長変換素子は、光導波路型SHG素子であり、前記測定手段は、第2のレーザ光の強度を検出する光検出部を備え、前記波長変換素子と前記光検出部との間には、前記波長変換素子の導波路を通過した第2のレーザ光をコリメートするコリメータレンズが配置され、前記コリメータレンズと前記光検出部との間の距離は、前記導波路から漏れた光が焦点する位置より長く設定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のレーザ光学素子検査装置。
- 特定波長の第2のレーザ光が出力されるべく構成され、入射される第1のレーザ光の波長を前記特定波長に変換して出力する波長変換素子の波長変換効率を検査するレーザ光学素子検査方法であって、
可変レーザ光源部が、複数種類の波長で第1のレーザ光を個別に射出し、射出した第1のレーザ光を前記波長変換素子に入射させるレーザ光出力ステップと、測定手段が、前記波長変換素子から出力された第2のレーザ光の強度を測定する測定ステップと、波長切換手段が、前記可変レーザ光源部から射出する第1のレーザ光の波長を前記複数種類のうちから選択的に切り換える波長切り換えステップと、前記測定手段が、前記波長切換手段によって選択された波長の種類を示す波長情報と、選択毎に前記測定部で測定された第2のレーザ光の強度を示す強度情報とから、第2のレーザ光が最大強度となるときの波長情報を決定する決定ステップとを含むことを特徴とするレーザ光学素子検査方法。
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