JP2007147688A - 波長変換素子、レーザ装置及び写真処理装置 - Google Patents

波長変換素子、レーザ装置及び写真処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光軸合わせの工数と時間とを軽減することができる波長変換素子を提供する。そして、本発明は、この波長変換素子を用いたレーザ装置及び写真処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の波長変換素子31は、非線形光学結晶から成る基板311と、基板311の一方面に形成された複数の光導波路312と、基板311の一方面であって複数の光導波路312の一方端に形成され、複数の光導波路312を光学的に結合する合波部31bと、複数の光導波路312のそれぞれに形成され、互いに異なる位相整合波長で非線形光学結晶の非線形分極を利用して第2高調波を生成する複数の第2高調波生成部31cとを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、入射されたレーザ光を第2高調波に変換して射出する波長変換素子に関する。そして、本発明は、該波長変換素子を用いたレーザ装置及び写真処理装置に関する。
近年、レーザ露光装置を露光エンジンとして採用する写真処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この写真処理装置では、カラー画像を生成するために、光の色の三原色である赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各レーザ光をそれぞれ生成して射出する3個のレーザ装置が必要である。赤色や近赤外のレーザ光を発光する半導体レーザは、比較的安価であり、入手容易である等の理由から、赤色のレーザ光を射出するレーザ装置には、赤色のレーザ光を発光する半導体レーザがそのまま光源として採用され、緑色や青色のレーザ光を射出するレーザ装置には、近赤外のレーザ光を発光する半導体レーザ、及び、近赤外のレーザ光から第2高調波の緑色や青色のレーザ光を生成するSHG(second harmonic generation)素子が採用されている。例えば、波長530nmの緑色のレーザ光は、半導体レーザで波長1060nmのレーザ光を発光させ、SHG素子でこのレーザ光から波長530nmの第2高調波のレーザ光を生成することで得ている。
そして、近年では、SHG素子は、バルク型に較べて変換効率が高いことから、擬似位相整合(quasi-phase matching、以下、「QPM」と略記する。)の技術を生かしたQPM−SHG素子が採用されている。このQPM−SHG素子としては、例えば、周期分極反転ニオブ酸リチウム(periodically poled LiNbO3、以下、「PPLN」と略記する。)素子がある。このPPLN素子は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)から成る基板の主面に一方向へ形成される光導波路を備えると共に、この光導波路に、基板の厚み方向への複数の分極領域が光導波路方向に周期的にかつ交互に逆極性で形成されることで構成される。
このQPM−SHG素子は、周期構造を基本としているため、波長依存性が高く基本光の波長変動に対する出力変動が大きい。例えば、この基本光の波長変動の許容範囲は、約0.1nm〜0.2nmである。なお、基本光は、第2高調波に変換される元の光である。このため、所望の第2高調波の波長、即ち、基本光の波長に適合するように、QPM−SHG素子の位相整合波長が設計される。従って、この設計された位相整合波長のレーザ光が入射される場合には、設計値の位相整合波長と実際に入射されたレーザ光(基本光)の波長とが一致して波長の整合性が取れるため、レーザ光から第2高調波のレーザ光へ変換する変換効率は、所望の結果となるが、この設計された位相整合波長から外れた波長のレーザ光が入射される場合には、波長の整合性が取れていないため、変換効率が所望の結果とならず減少することになる。
そして、このQPM−SHG素子は、半導体製造プロセスを利用して量産されるものであるところ、量産された個々のQPM−SHG素子にはばらつき(個体差)が生じる可能性があり、半導体レーザにQPM−SHG素子を組み付けて緑色や青色のレーザ装置を製造すると、波長の整合性が取れずに所望の光強度の出力が得られないレーザ装置が製造される可能性があり、レーザ装置の歩留まりが悪くなるという不都合があった。
このため、従来では、図7に示すように、緑色や青色のレーザ装置600に用いられるQPM−SHG素子601は、ニオブ酸リチウムから成る基板611の主面に一方向への複数の光導波路612(図7に示す例では、5つの光導波路612−1〜612−5)が形成されると共に、これら複数の光導波路612のそれぞれに、基板611の厚み方向への複数の分極領域613(図7に示す例では、1つの光導波路612−xに5つの分極領域613−x1〜613−x5、x=1、2、3、4、5)が光導波路方向に周期的にかつ交互に逆極性に形成されて構成されており、複数の光導波路612がそれぞれ互いに異なる位相整合波長となるように構成される。例えば、緑色のレーザ装置600に用いられるQPM−SHG素子601では、光導波路612−1、612−2、612−3、612−4、612−5は、それらの位相整合波長がそれぞれ波長1062、波長1061、波長1060、波長1059、波長1058用となるように形成される。なお、図7では、光導波路612−2、612−3、612−4における複数の分極領域の符号は、紙面のスペースの都合上、省略されている。
このようなQPM−SHG素子601を構成することにより、製造の際にばらついたとしても複数の光導波路612における各位相整合波長が同一の方向にずれることから、複数の光導波路612のうち何れかの光導波路612が設計値の位相整合波長を持つように製造され得るので、この光導波路612を用いることにより、波長の整合性を取ることができ所望の光強度で出力するレーザ装置600が製造可能となる。
一方、SHG素子とは、異なる技術分野である多波長光源が例えば特許文献2及び特許文献3に開示されている。図8は、特許文献2及び特許文献3に開示の多波長光源の構成を示す図である。図8(A)は、特許文献2の多波長半導体光源であり、図8(B)は、特許文献3の多波長光源である。
この特許文献2に開示の多波長半導体光源700は、複数の波長を含む光を射出するもので、従来では、複数の光源、各光源から射出される光をそれぞれ導波する複数の光ファイバ、各光ファイバからの光を合波する合波器、及び、合波器で合波された光を導波する出力用光ファイバの各個別部品で多波長光源を構成していたところ、この構成の多波長光源ではこれら各個別部品の結合や調整に工数や時間がかかりコストアップや装置の大型化を招くという問題点を有しているので、この問題点を解決すべく、図8(A)に示すように、基板701と、基板701上に形成されると共に波長の異なる光を発生する複数の半導体発光素子702〜704と、一端が複数の半導体発光素子702〜704のそれぞれに結合されるようにして基板701上に形成される複数の光導波路705〜707と、複数の光導波路705〜707のそれぞれの他端に結合した状態で基板701上に形成され、複数の光導波路705〜707からの光を合波して出力する合波器708と、合波器708に結合されるようにして基板701上に形成され、合波器708により合波された光を出力する共通光出力導波路709とを備えて構成され、半導体発光素子702〜704、光導波路705〜707、合波器708及び共通光出力導波路709を同一基板701上に形成して一体化することによって、上記問題点を解決している。
そして、特許文献3に開示の多波長光源800は、特許文献2に開示の多波長半導体光源700に対し主に光導波路に半導体レーザの外部共振器として機能する光ファイバグレーティング(fiber bragg grating、以下、「FBG」と略記する。)が形成されている点が相違している。この多波長光源800は、複数の波長を含む光を射出するもので、製造が容易でブラッグ波長として利用可能な波長範囲が広いFBGを複数の光導波路に形成することができる多波長光源を提供することを目的に為された技術であり、図8(B)に示すように、基板812と、基板812上に形成された光導波路814と、共通導波路828及びこの共通導波路828から分岐する複数の分岐路830a〜830dを備える合波器816と、半導体光増幅器をアレイ状に設けた半導体光増幅器アレイ818と、フォトダイオード等の受光器をアレイ状に設けた半導体光増幅器アレイ818のモニタ用の受光器アレイ820とを備えている。そして、この多波長光源800の光導波路814は、複数並設されたコア822a〜822dを備え、コア822a〜822dそれぞれのコア幅と屈折率とが変更されて、コア822a〜822dそれぞれの実効屈折率が異なるように設計されており、コア822a〜422dそれぞれに等しい周期のグレーティング826a〜826dが形成されている。この多波長光源800は、コア822のコア幅と屈折率とを変更することによってブラッグ波長として利用可能な波長範囲を広げる一方、グレーティング826の周期を等しくすることによって容易に製造可能としている。
特開2005−050843号公報 特開2002−323628号公報 特開2003−315581号公報
ところで、図7に示すレーザ装置600は、半導体レーザ621、集光レンズ622及びFBG623を備えるレーザ光源装置602と、QPM−SHG素子601と、1組のコリメータレンズ631及び集光レンズ632を備える出力光学系603とを備えて構成され、半導体レーザ621から射出されたレーザ光は、集光レンズ622及びFBG623を介して、QPM−SHG素子601に入射され、QPM−SHG素子601でこの入射されたレーザ光から第2高調波のレーザ光が生成され、この生成された第2高調波のレーザ光は、1組のコリメータレンズ631及び集光レンズ632を介してレーザ装置600の出力光として射出される。このため、これらレーザ光源装置602、QPM−SHG素子601及び出力光学系603の各部品を組み付けてレーザ装置600を製造する場合、レーザ光源装置602の位置やQPM−SHG素子601の位置や出力光学系603の位置を調整することによって、QPM−SHG素子601の製造後において設計値の位相整合波長に合った適切な光導波路612、例えば光導波路612−2の光軸に、レーザ光源装置602の光軸及び出力光学系603の光軸とを合わせる必要があった。このため、光軸合わせに工数と時間がかかるという不都合があった。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、光軸合わせの工数と時間とを軽減することができる波長変換素子を提供することを目的とする。そして、本発明は、この波長変換素子を用いたレーザ装置及び写真処理装置を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。即ち、本発明の一態様に係る波長変換素子は、非線形光学結晶から成る基板と、前記基板の一方面に形成された複数の光導波路と、前記基板の一方面であって前記複数の光導波路の一方端に形成され、前記複数の光導波路を光学的に結合する合波部と、前記複数の光導波路のそれぞれに形成され、互いに異なる位相整合波長で非線形光学結晶の非線形分極を利用して第2高調波を生成する複数の第2高調波生成部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、互いに異なる位相整合波長で複数の光導波路が形成されると共に、これら複数の光導波路がその一方端に形成された合波部で光学的に結合される。このため、何れの光導波路が選択されたとしても、1つの合波部から第2高調波が射出されるので、波長変換素子の出力側の光軸と出力光学系の光軸とが一致するように波長変換素子の配設位置と出力光学系の配設位置とを予め設定することができるから、波長変換部素子の光軸と出力光学系の光軸との光軸合わせの工程及び時間が不要となる。
さらに、上述の波長変換素子において、前記合波部は、前記複数の光導波路のうちの一の光導波路に、互いに異なる複数の位置で他の複数の光導波路を光学的に結合する複数の結合部を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一の光導波路に、互いに異なる複数の位置で他の複数の光導波路が光学的に結合されているので、複数の光導波路が一括に光学的に結合される場合に較べて、結合部で光学的に結合される光導波路の個数が少なくなる。このため、設計値の位相整合波長に合った1つの光導波路から入射された基本光の変換後における第2高調波の光は、結合部で、当該波長変換素子の出力となる光導波路ではない光導波路への分散が抑制される。従って、第2高調波の光における結合部の損失が抑制される。
そして、本発明の他の一態様では、レーザ光を生成して射出するレーザ光源と、前記レーザ光源から射出されたレーザ光が入射され該入射されたレーザ光を第2高調波に変換して射出する波長変換素子とを備えるレーザ装置において、前記波長変換素子は、これら上述の何れかの波長変換素子であることを特徴とする。
さらに、本発明の他の一態様では、第1方向に被露光媒体を搬送する搬送部と、前記第1方向に直交する第2方向に赤色、緑色及び青色の各レーザ光を走査させて前記被露光媒体を露光するレーザ露光装置とを備える写真処理装置において、前記レーザ露光装置は、赤色、緑色及び青色の各レーザ光をそれぞれ生成して射出する3個のレーザ装置と、前記3個のレーザ装置のそれぞれから射出される赤色、緑色及び青色の各レーザ光における光強度を露光すべき画像データに応じて変調する変調部と、第1方向に搬送される被露光媒体に対して前記第1方向に直交する第2方向に前記変調部で変調された赤色、緑色及び青色の各レーザ光を走査させて前記被露光媒体を露光する露光部とを備え、前記3個のレーザ装置のうちの少なくとも1つが請求項3に記載のレーザ装置であることを特徴とする。
このような構成のレーザ装置及び写真処理装置では、これら上述の何れかの波長変換素子が用いられるので、その波長変換部素子の光軸と出力光学系の光軸との光軸合わせの工程及び時間が不要となる結果、レーザ装置及び写真処理装置も製造工程及び製造時間が短縮される。
本発明に係る波長変換素子は、波長変換部素子の光軸と出力光学系の光軸との光軸合わせの工程及び時間が不要となる。そして、このため、本発明に係るレーザ装置及び写真処理装置も製造工程及び製造時間が短縮される。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、実施形態に係る写真処理装置の構成を示す外観斜視図である。図1において、この写真処理装置Aは、被露光媒体の一例である印画紙に画像データで露光するための露光ユニット1、露光された印画紙に対して現像、定着、漂白及び安定化処理を施す現像ユニット2、現像された印画紙を乾燥する乾燥ユニット3、及び、これら各ユニット1、2、3間に亘る図略の印画紙搬送機構等を備えて構成される。画像データは、フィルム(ネガ、ポジ)をイメージスキャナで読み取ることによって生成されたり、ディジタルスチルカメラで被写体を撮影することによって生成されたり、あるいは、パーソナルコンピュータによって生成される。
露光ユニット1は、暗箱であり、その内部には、第1方向に搬送される印画紙に対して、第1方向に直交する第2方向に、画像データによって光強度が変調された赤色、緑色及び青色の各レーザ光を走査させて印画紙を露光するレーザ露光装置11、ロール状に巻回された印画紙をレーザ露光装置11に向けて送り出し可能に収納する収納部12、印画紙を所定サイズに切断する図略のカッタ、及び、収納部12からカッタまで印画紙を搬送すると共にカッタで切断された印画紙をレーザ露光装置11に搬送する図略の搬送機構等を備えて構成される。
図2は、実施形態に係るレーザ露光装置の構造を説明する斜視図である。なお、図2では、内部構造の説明の便宜上、筐体101の上部を省略して図示しているが、筐体101は、暗室構造にされると共に、塵の入り込みを防止すべく密閉構造とされている。
筐体101内の所定位置には、光の色の三原色である赤色、緑色及び青色にそれぞれ対応する3つの光源、即ち、ビーム状の赤色、緑色及び青色の各レーザ光をそれぞれ生成して射出するレーザ装置102R、102G、102Bが配設されている。なお、本明細書において、総称する場合には、アルファベットや−付きの数字から成る添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には、このような添え字を付した参照符号で示す。
レーザ装置102Rは、赤色の波長範囲、例えば波長685nmの赤色のレーザ光を発光する半導体レーザを備えて構成される。レーザ装置102Gは、緑色の波長範囲、例えば波長530nmの緑色の光を発光し、本実施形態では、例えば波長1060nmの近赤外光のレーザ光を発光する半導体レーザと、その半導体レーザから射出されたレーザ光を波長530nmの緑色のレーザ光(SHG光)に変換する波長変換素子とを備えて構成されたSHGレーザ装置である。レーザ装置102Bは、青色の波長範囲、例えば波長473nmの青色の光を発光し、本実施形態では、例えば波長946nmの近赤外光のレーザ光を発光する半導体レーザと、その半導体レーザから射出されたレーザ光を波長473nmの青色のレーザ光に変換する波長変換素子とを備えて構成されたSHGレーザ装置である。レーザ装置102G及びレーザ装置102Bの詳細については、後述する。
レーザ装置102Rの射出側には、コリメータレンズ103Rが配設されている。そして、レーザ装置102G、102Bの射出側には、それぞれコリメータレンズ103G、103Bを介して音響光学変調素子(acousto-optic modulator;以下、「AOM」と略記する。)104G、104Bが配設されている。
即ち、赤色のレーザ光には、レーザ装置102Rにおける半導体レーザの駆動電流(注入電流)を画像データに応じて変調することにより半導体レーザの発振強度を直接変調する直接変調方式が採用されており、緑色及び青色の各レーザ光には、レーザ装置102G、102Bから射出された緑色及び青色の各レーザ光をAOM104G、104Bによって変調する外部変調方式が採用されている。ここで、直接変調方式が採用されている場合には、直接変調を行うために画像データに応じた駆動電流を生成する図略の駆動回路が請求項の変調部の一例に相当し、外部変調方式が採用されている場合には、AOM104G、104Bが請求項の変調部の一例に相当している。
AOM104G、104Bは、音響光学変調素子を備えて構成され、超音波による音響光学効果の作用により、レーザ装置102G、102Bから射出された緑色及び青色の各レーザ光を画像データの画素の階調に応じた光強度にそれぞれ変調する。
コリメータレンズ103Rの射出側、及び、AOM104G、104Bの射出側には、レーザ整形開口105及びミラー106が各色のレーザ光の進行方向に沿って順にそれぞれ配置されている。そして、ミラー106の反射側には、球面レンズ107、シリンドリカルレンズ108及びポリゴンミラー109が各色のレーザ光の進行方向に沿って順にそれぞれ配置されている。
ポリゴンミラー109は、各色のレーザ光を所定方向に反射するために、例えば矢印Zで示す方向に所定の一定速度で回転されている。ポリゴンミラー109の反射側には、fθレンズ110、シリンドリカルレンズ111、1組のミラー112、113が各色のレーザ光の進行方向に沿って順にそれぞれ配置されている。各色のレーザ光は、ポリゴンミラー109、fθレンズ110及びシリンドリカルレンズ111により矢印Xで示す主走査方向(上記第2方向)に偏向され、ミラー112、113により矢印Yで示す副走査方向(上記第1方向)に搬送される印画紙4に向けて反射される。矢印Xで示す主走査方向と矢印Yで示す副走査方向は、互いに直交している。そして、ミラー112の手前側には、画像1ライン分の露光を開始するタイミングを決定するための同期センサ114が配設されている。
このような構成の写真処理装置A及びレーザ露光装置11では、レーザ装置102Rは、露光すべき画像データに応じた光強度の赤色のレーザ光を射出する。この射出された赤色のレーザ光は、コリメータレンズ103R及びレーザ整形開口105を介してミラー106に入射する。レーザ装置102G、102Bから射出された緑色及び青色の各レーザ光は、コリメータレンズ103G、103Bを介してAOM104G、104Bにそれぞれ入射され、AOM104G、104Bで画像データの画素の階調に応じた光強度にそれぞれ変調される。この変調された緑色及び青色の各レーザ光は、レーザ整形開口105を介してミラー106に入射する。
このミラー106に入射した赤色、緑色及び青色の各レーザ光は、ミラー106で反射され、球面レンズ107及びシリンドリカルレンズ108を介してポリゴンミラー109にそれぞれ入射する。この入射した赤色、緑色及び青色の各レーザ光は、矢印Xの主走査方向に走査されるように、ポリゴンミラー109で反射され、fθレンズ110、シリンドリカルレンズ111及び1組のミラー112、113を介して印画紙4に照射され、印画紙4を露光する。印画紙4が図略の搬送機構により矢印Yの副走査方向に搬送されることによって、印画紙4上に2次元のカラー画像の潜像が形成される。
次に、本実施形態におけるレーザ装置102G、102Bについて説明する。
図3は、実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。図3(A)は、斜視図であり、図3(B)は、簡略側面図である。図4は、実施形態に係る波長変換素子の構成を示す図である。図4(A)は、平面図であり、図4(B)は、斜視図である。図5は、実施形態に係る波長変換素子の他の構成を示す図である。図5(A)は、第1の構成を示す平面図であり、図5(B)は、第2の構成を示す平面図である。
レーザ装置102G、102Bは、基本光の波長及び第2高調波の出力光の波長が異なるために、これに合わせて後述の半導体レーザ21のレーザ光の波長、FBG42のグレーティング間隔及び波長変換素子31における各分極領域313の間隔(ピッチ)が異なるだけで、それらの構造は、同様であるので、レーザ装置102G、102Bを特に区別することなく説明し、その相違部分のみを適宜説明する。
図3において、レーザ装置102(102G、102B)は、レーザ光を射出するレーザ光源装置20と、レーザ光を第2高調波のレーザ光に変換する波長変換部30と、レーザ光源装置20から射出されたレーザ光を波長変換部30に入射するための入射光学系40と、波長変換部30から射出された第2高調波の光をレーザ装置102の出力光として射出するための出力光学系50とを備えて構成される。これらレーザ光源装置20、波長変換部30、入射光学系40及び出力光学系50は、図略の略直方体形状の筐体内に収納されている。
レーザ光源装置20は、底面が前記筐体に取り付けられた略直方体形状のベース23と、ベース23の上面に取り付けられた支持部材22と、支持部材22に支持された半導体レーザ21とを備えて構成される。
ベース23は、半導体レーザ21の温度を制御する部材、例えば電熱変換素子であるペルチェ素子を備えて構成され、半導体レーザ21の温度を検出する図略の温度センサからの検出温度に基づいて半導体レーザ21の温度が目標値となるように半導体レーザ21の温度を制御する図略の温度制御回路からの制御信号に応じて吸熱又は発熱する。半導体レーザ21は、温度依存性を有するが、これによって半導体レーザ21は、温度が管理され、略一定の温度で動作することができるので、レーザ光の光強度と波長とが安定化される。
半導体レーザ21は、例えば分布帰還型(DFB、distributed feedback)や分布ブラッグ反射型(DBR、distributed bragg reflector)の半導体レーザであり、例えば二重へテロ構造を有する、AlGaAsやInGaAsP等で構成される。レーザ装置102Gの半導体レーザ21Gは、波長変換部30で変換される第2高調波の波長が緑色の波長範囲になる波長、例えば1060nmの縦モードを主縦モードとする1又は複数の縦モードを含むレーザ光を発光する。レーザ装置102Bの半導体レーザ21Bは、波長変換部30で変換される第2高調波の波長が青色の波長範囲になる波長、例えば946nmの縦モードを主縦モードとする1又は複数の縦モードを含むレーザ光を発光する。なお、縦モードが1つの場合には、その1つの縦モードが主縦モードである。分布帰還型半導体レーザ及び分布ブラッグ反射型半導体レーザは、安定的に単一モードで発振することができ、特に、直接変調される場合でも安定的に単一モードで発振することができる。そのため、上記レーザ装置102Rの半導体レーザにも好適である。
波長変換部30は、底面が前記筐体に取り付けられた略直方体形状のベース33と、ベース33の上面に取り付けられた支持部材32と、支持部材32に支持された波長変換素子31とを備えて構成される。
ベース33は、ベース23と同様に、波長変換素子31の温度を制御する部材、例えばペルチェ素子を備えて構成され、波長変換素子31の温度を検出する図略の温度センサからの検出温度に基づいて波長変換素子31の温度が目標値となるように波長変換素子31の温度を制御する図略の温度制御回路からの制御信号に応じて吸熱又は発熱する。波長変換素子31は、温度依存性を有するが、これによって波長変換素子31は、温度が管理され、略一定の温度で動作するので、第2高調波の光の光強度が安定化される。
波長変換素子31は、レーザ光源装置20から射出されたレーザ光が基本光として入射され、この入射されたレーザ光に対する第2高調波のレーザ光を生成して射出する光学部品であり、図4に示すように、光導波路部31a及び合波部31bを備える基板311から成る。
基板311は、LiNbO、MgOドープLiNbO、LiTaO、KTiOPoO、RbTiOAsO、RbTiOPO等の非線形光学結晶から成る。特にLiNbO(ニオブ酸リチウム)は、非線形光学結晶の中でも高い非線形性を有し、高い変換効率で波長変換が可能であるため、本発明の波長変換素子31に好適であり、本実施形態では、このLiNbOが基板311に用いられる。
光導波路部31aは、基板311の主面に一方向へ形成された複数の光導波路312(図4に示す例では、5つの光導波路312−1〜312−5)を備え、複数の光導波路312のそれぞれには、基板311の厚み方向へ複数の分極領域313が光導波路312の長尺方向に周期的にかつ交互に逆極性に形成されている。この周期的に分極反転したニオブ酸リチウムの光導波路312の部分が光導波路312に入射されたレーザ光から第2高調波を生成する第2高調波生成部31cを構成している。このように光導波路部31aは、PPLN素子を構成している。なお、図4では、光導波路312−2〜312−4に対する分極領域313の符号は、紙面のスペースの都合上、省略されている。また、分極領域313は、図4に示す例では、1つの光導波路312に対し5つの分極領域を持つように記載しているが、分極領域の個数は、波長変換素子31の仕様に基づいて適宜設計される。
複数の光導波路312のそれぞれに形成される複数の第2高調波生成部31cは、互いに異なる位相整合波長で非線形光学結晶の非線形分極を利用して第2高調波を生成するようにそれぞれ形成される。
この周期分極反転光導波路型の第2高調波生成部31cにおける位相整合波長(光導波路312の位相整合波長)は、基本的に、分極領域313の周期及び光導波路312における実効屈折率に基づく。このため、各光導波路312の位相整合波長は、光導波路312の幅及び/又は屈折率を変え光導波路312の実効屈折率を変えることによって変えることができる。あるいは、この各光導波路312の位相整合波長は、分極領域313の周期を変えることによっても変えることができる。位相整合波長の変化量は、実効屈折率の変更よりも分極領域313の周期の変更の方が大きい。
このように各光導波路312の各第2高調波生成部31cを形成することにより、波長変換素子31を製造する際にばらついたとしても複数の光導波路312における各位相整合波長が同一の方向にずれることから、複数の光導波路312のうち何れかの光導波路312が設計値の位相整合波長を持つように製造され得るので、この光導波路312を用いることにより、波長の整合性を取ることができ所望の光強度で出力するレーザ装置102(102G、102B)が製造可能となる。このように本発明に係る実施形態の波長変換素子31は、製造ばらつきによる歩留まりの低下を回避するためのものであるから、背景技術に係る特許文献2及び特許文献3に開示の多波長光源700、800のように、複数の光導波路312にレーザ光が同時に入射されるものではなく、設計値の位相整合波長を持つ光導波路312のみにレーザ光が入射される。
また、複数の第2高調波生成部31cは、隣接する2つの第2高調波生成部31c(隣接する2つの光導波路312)における位相整合波長の波長間隔が0.5nm乃至1.0nmのうちの何れかとなるように形成される。このように形成することにより、0.5nm乃至1.0nmで設計値の位相整合波長を持つ光導波路312を選択することができる。また、入射光学系40における後述のFBG42のブラッグ反射波長に合わせるために、ベース33を約±3〜4℃の範囲で温度調整すればよく、温度調整が容易となる。さらに、FBG42も量産されるためFBG42にもばらつきがあり、隣接する2つの第2高調波生成部31cにおける位相整合波長の波長間隔が狭いとこのFBG42のばらつきに対応することが難しくなるが、このように位相整合波長の波長間隔を0.5nm乃至1.0nmのうちの何れかにすることにより、この対応も容易となる。
さらに、複数の第2高調波生成部31cは、それぞれの位相整合波長のうちの中心が当該波長変換素子31における設計値の位相整合波長であるように形成される。例えば、波長変換素子31が波長1060nmの基本光を波長530nmの第2高調波の光に変換する素子である場合、光導波路312−1〜312−5の各位相整合波長のうちの中心が波長1060nmであるように設計される。この場合、例えば、波長変換素子31は、光導波路312−1、312−2、312−3、312−4、312−5の各位相整合波長が波長1062、波長1061、波長1060、波長1059、波長1058であるように設計される。
このように複数の第2高調波生成部31cを形成することにより、波長変換素子31を製造する際に位相整合波長が短波長の方向にずれても長波長の方向にずれても、設計値の位相整合波長を持つ光導波路312が複数の光導波路312内に存在する確率が高くなり、歩留まりがより向上する。
合波部31bは、基板311の主面であって複数の光導波路312の一方端に形成され、これら複数の光導波路312を光学的に結合するように形成されている。合波部31bでは、光導波路部31aにおける複数の光導波路312がそれぞれそのまま延在されており、複数の光導波路312が結合部Pで順次に光学的に結合されて1つの共通光導波路314に形成されている。本実施形態では、合波部31bは、複数の光導波路312のうちの一の光導波路312に、互いに異なる複数の位置で他の複数の光導波路312を順次に結合する複数の結合部Pを備えている。図4に示す例では、複数の光導波路312のうちの一の光導波路312に、互いに異なる複数の位置で他の複数の光導波路312を順次に1つずつ結合する複数の結合部P1〜P4を備えている。即ち、複数の光導波路312のうち中央に位置する光導波路312−3に、先ず結合部P1でこれの一方に隣接する光導波路312−2が結合され、次に結合部P2でこれの他方に隣接する光導波路312−4が結合され、次に結合部P3でこれの一方に光導波路312−2が介在して隣接する光導波路312−1が結合され、そして、結合部P4でこれの他方に光導波路312−4が介在して隣接する光導波路312−5が結合され、その後、光導波路312−3がそのまま共通光導波路314となっている。
ここで、合波部31bは、図5(A)に示す波長変換素子31’のように、複数の光導波路312のうちの一の光導波路312に互いに異なる複数の位置で他の複数の光導波路312を順次に複数(図5(A)に示す例では2つ)ずつ結合する複数の結合部P5、P6を備えるように構成されてもよい。あるいは、図5(B)に示す波長変換素子31”のように、複数の光導波路312を一括で結合する1つの結合部P7を備えるように構成してもよい。
図4に示す構造の合波部31bでは、結合部P(P1〜P4)では3つの光導波路312が光学的に結合されている。即ち、基本光が入射され変換後の第2高調波の光が進行してくる光導波路312、共通光導波路314に続く光導波路312、及び、基本光が入射されない光導波路312の3つの光導波路である。
一方、図5(A)に示す構造の合波部31b’では、結合部P(P5、P6)では4つの光導波路312が光学的に結合されている。即ち、基本光が入射され変換後の第2高調波の光が進行してくる光導波路312、共通光導波路314に続く光導波路312、及び、基本光が入射されない2つの光導波路312の4つの光導波路である。また、図5(B)に示す構造の合波部31b”では、結合部P(P7)では6つの光導波路312が光学的に結合されている。即ち、基本光が入射され変換後の第2高調波の光が進行してくる光導波路312、共通光導波路314に続く光導波路312、及び、基本光が入射されない4つの光導波路312の6つの光導波路である。
このため、第2高調波の光が結合部Pまで進行した場合、この第2高調波の光は、共通光導波路314に続く光導波路312と基本光が入射されない光導波路312とに分配されることになるが、図4に示す構造では、基本光が入射されない光導波路312が1つであるので、図5(A)及び図5(B)に示す構造の場合に較べて、効率よく共通光導波路314に続く光導波路312へ進行する。即ち、設計値の位相整合波長に合った1つの光導波路312から入射された基本光の変換後における第2高調波の光は、結合部Pで、当該波長変換素子31の出力となる共通光導波路314ではない光導波路312への分散が抑制される。従って、図4に示す構造では、図5(A)及び図5(B)に示す構造に較べて、第2高調波の光における結合部Pの損失が抑制される。
このような波長変換素子31は、公知の半導体製造プロセスを用いて製作可能であり、光導波路312及び共通光導波路314は、例えば、プロトン交換法を用いて形成することができ、また、分極領域313は、例えば、電界印加法を用いて形成することができる。
図3に戻って、入射光学系40は、レンズ41とFBG42とを備えて構成される。
レンズ41は、レーザ光源装置20から射出されるレーザ光と波長変換素子31に入射されるレーザ光との結合効率を調節するための部材であり、前記筐体に取り付けられた図略の支持部材によって支持され、レーザ光源装置20の出力側(レーザ光が射出される側)に配設される。このレンズ41を支持する支持部材は、レーザ光の進行方向に対して前後にその位置が調節可能に取り付けられている。これによってレーザ光源装置20に対するレンズ41の位置が調節され、上記結合効率が調節される。
FBG42は、レンズ41を介したレーザ光源装置20から射出されたレーザ光を波長変換部30の波長変換素子31に入射させ、レンズ41を介してレーザ光源装置20と波長変換部30の波長変換素子31とを光学的に結合すると共に、レーザ光源装置20から射出されたレーザ光の一部をブラッグ反射でレーザ光源装置20の半導体レーザ21に反射するための光学部品である。FBG42は、光ファイバにおけるコアの屈折率が周期的に変化するグレーティング部42aが形成されている。FBG42は、グレーティング長(グレーティング部42aの長さ、周期的に屈折率が変化しているコアの長さ)、周期、屈折率の変化量を変化させることにより、ブラッグ波長の光をグレーティング部42aにより所定の反射率で反射する。レーザ装置102GのFBG42Gは、上述の例では半導体レーザ21Gが発光する主縦モード1060nmの光をブラッグ反射で反射するように形成される。レーザ装置102BのFBG42Bは、半導体レーザ21Bが発光する主縦モード946nmの光をブラッグ反射で反射するように形成される。
このFBG42により、レーザ光源装置20の半導体レーザ21には、射出したレーザ光の主縦モードがグレーティング部42bで反射されて戻ってくるため、半導体レーザ21では、主縦モードのレーザ光が増幅される結果、主縦モードが他の縦モードの光強度に較べて著しく大きくなる。このため、半導体レーザ21は、他の縦モードに較べて著しく大きな光強度の主縦モードを射出するようになり、半導体レーザ21から射出されるレーザ光の波長が安定化する。
なお、詳細は、背景技術で示した特許文献1に開示されているので省略するが、FBG42は、波長が安定し光強度が大きな主縦モードのレーザ光を得る観点から、半値幅が縦モード間隔の0.75〜1.0倍、反射率が3%以上50%以下の特性を有するものが好ましい。さらに、同様の観点から、半導体レーザ21とFBG42との結合効率は、50%〜90%が好ましく、FBG42と波長変換素子31との結合効率は、70%以上が好ましく、FBG42と波長変換素子31との光学的な結合は、接着剤等の結合媒体を用いることが好ましい。
また、入射光学系40は、レンズ41を備えることなく、FBG42によって直接、レーザ光源装置20から射出されたレーザ光を波長変換部30の波長変換素子31に入射させるように構成されてもよい。
出力光学系50は、波長変換部30の出力側(光が射出される側)に配設され、1組のコリメータレンズ51及び集光レンズ52を備えて構成される。出力光学系50は、これら1組のコリメータレンズ51及び集光レンズ52によって波長変換部30の波長変換素子31から射出されたレーザ光のビーム径を所定の径に調整し、レーザ装置102の出力光として射出する。コリメータレンズ51及び集光レンズ52は、図略の支持部材によって支持され前記筐体の底面に配設される。
このような構成のレーザ装置102(102G、102B)では、半導体レーザ21から射出されたレーザ光は、レンズ41を介してFBG42に入射される。FBG42で反射したレーザ光は、半導体レーザ21に戻りその発振波長を安定化させる。一方、FBG42を進行したレーザ光は、波長変換素子31に入射される。ここで、設計値の位相整合波長を持った光導波路312にレーザ光が入射されるように、FBG42の配置位置が調整される。
波長変換素子31に入射されたレーザ光は、光導波路312を進行する間に第2高調波生成部31cで第2高調波のレーザ光に変換される。この第2高調波のレーザ光は、結合部Pで共通光導波路314に続く光導波路312へ進行し、共通光導波路314から波長変換素子31の出力として射出される。そして、波長変換素子31から射出された第2高調波のレーザ光は、コリメータレンズ51で平行光とされ、集光レンズ52で所定の径とされ、レーザ装置102の出力として射出される。
このように本発明に係る実施形態の波長変換素子31は、設計値の位相整合波長を持つ光導波路312として何れの光導波路312が選択されたとしても1つの共通光導波路314からレーザ光を射出するので、波長変換素子31の光軸と出力光学系50の光軸とが一致するように前記筐体に対する波長変換部30の配設位置と出力光学系50の配設位置とを予め設定することができるから、波長変換素子31の光軸と出力光学系50の光軸との光軸合わせの工程及び時間が不要となる。そして、このため、本発明に係る実施形態のレーザ装置102(102G、102B)、レーザ露光装置11及び写真処理装置Aは、製造工程及び製造時間が短縮される。
ここで、上述の波長変換素子31は、合波部31bを備えるので、互いに波長の異なる複数のレーザ光を複数の光導波路312のそれぞれに入射することにより、多波長光源を構成してもよい。
図6は、波長変換素子を用いた多波長光源の構成を示す図である。図6(A)は、緑色青色の各光を含む光を射出する多波長光源の構成を示し、図6(B)は、赤色、緑色及び青色の各光を含む光(白色の光)を射出する多波長光源の構成を示す。
図6(A)において、多波長光源6は、半導体レーザ21G、21Bと、FBG42G、42Bと、波長変換素子31−Aと、出力光学系50とを備えて構成される。
波長変換素子31−Aは、半導体レーザ21G、21Bからそれぞれ射出された各レーザ光がFBG42G、42Bを介してそれぞれ入射され、これら入射された各レーザ光の第2高調波をそれぞれ生成して合波した後に射出するものである。波長変換素子31−Aは、光導波路部31a−Aの複数の光導波路312が半導体レーザ21Gから射出されたレーザ光を緑色の第2高調波の光を生成する第1光導波路312G及び半導体レーザ21Bから射出されたレーザ光を青色の第2高調波の光を生成する第2光導波路312Bから成る点を除き、図4に示す波長変換素子31と同様であるので、その説明を省略する。
このような構成の多波長光源6では、半導体レーザ21G、21Bからそれぞれレーザ光が射出され、波長変換素子31−Aの第1光導波路312G及び第2光導波路312Bにそれぞれ入射される。第1光導波路312Gに入射されたレーザ光は、第1光導波路312Gの第2高調波生成部31c−Aで緑色の第2高調波の光に変換される。第2光導波路312Bに入射されたレーザ光は、第2光導波路312Bの第2高調波生成部31c−Aで青色の第2高調波の光に変換される。これら変換された緑色及び青色の各光は、合波部31b−Aで合波され、波長変換素子31−Aから射出される。波長変換素子31−Aから射出された緑色及び青色を含む光は、出力光学系50に入射され、出力光学系50でビーム径が調整されて射出される。
このような構成の多波長光源6では、光導波路部31a−Aの第2高調波生成部31c−Aで基本光が第2高調波の光に変換されるので、緑色や青色を含む光が射出されるように多波長光源6を構成する場合でも、半導体レーザ21G、21Bに、比較的安価な入手容易の近赤外のレーザ光を発光する半導体レーザを用いることができる。このため、多波長光源6を比較的安価に製造することができる。
また、図6(B)において、多波長光源7は、半導体レーザ21G、21B、21Rと、FBG42G、42B、42Rと、波長変換素子31−Bと、出力光学系50とを備えて構成される。
FBG42Rは、FBG42GやFBG42Bと同様であるが、そのブラッグ波長は、上述の例では半導体レーザ21Rが発光する主縦モード685nmの光を反射するように形成される。
波長変換素子31−Bは、半導体レーザ21G、21B、21Rからそれぞれ射出された各レーザ光がFBG42G、42B、42Rを介してそれぞれ入射され、これら入射された半導体レーザ21G、21Bからの各レーザ光の第2高調波をそれぞれ生成すると共に、これら各レーザ光の第2高調波のレーザ光及び半導体レーザ21Rからのレーザ光を合波した後に射出するものである。波長変換素子31−Bは、光導波路部31a−Aの複数の光導波路312が半導体レーザ21Gから射出されたレーザ光を緑色の第2高調波の光を生成する第1光導波路312Gと、半導体レーザ21Bから射出されたレーザ光を青色の第2高調波の光を生成する第2光導波路312Bと、半導体レーザ21Rから射出されたレーザ光をそのまま導波する第3光導波路312Rから成る点を除き、図4に示す波長変換素子31と同様であるので、その説明を省略する。
このような構成の多波長光源7では、半導体レーザ21G、21B、21Rからそれぞれレーザ光が射出され、波長変換素子31−Bの第1光導波路312G、第2光導波路312B及び第3光導波路312Rにそれぞれ入射される。第1光導波路312Gに入射されたレーザ光は、第1光導波路312Gの第2高調波生成部31c−Bで緑色の第2高調波の光に変換される。第2光導波路312Bに入射されたレーザ光は、第2光導波路312Bの第2高調波生成部31c−Bで青色の第2高調波の光に変換される。第3光導波路312Rに入射されたレーザ光は、第3光導波路312Rをそのまま進行する。赤色のレーザ光とこれら変換された緑色及び青色の各レーザ光とは、合波部31b−Bで合波され、波長変換素子31−Bから射出される。波長変換素子31−Bから射出された赤色、緑色及び青色を含む光は、出力光学系50に入射され、出力光学系50でビーム径が調整されて射出される。
このような構成の多波長光源7では、光導波路部31a−Bの第2高調波生成部31c−Bで基本光が第2高調波の光に変換されるので、緑色や青色を含む光が射出されるように多波長光源7を構成する場合でも、半導体レーザ21G、21Bに、比較的安価な入手容易の近赤外のレーザ光を発光する半導体レーザを用いることができる。このため、多波長光源7を比較的安価に製造することができる。そして、多波長光源7は、赤色のレーザ光も合波部31b−Bで合波されるので、略白色の光を得ることができる。
実施形態に係る写真処理装置の構成を示す外観斜視図である。 実施形態に係るレーザ露光装置の構造を説明する斜視図である。 実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。 実施形態に係る波長変換素子の構成を示す図である。 実施形態に係る波長変換素子の他の構成を示す図である。 波長変換素子を用いた多波長光源の構成を示す図である。 背景技術に係るレーザ装置の構成を示す図である。 特許文献2及び特許文献3に開示の多波長光源の構成を示す図である。
符号の説明
1 露光ユニット
2 現像ユニット
3 乾燥ユニット
11 レーザ露光装置
12 収納部
20 レーザ光源装置
21(21R、21G、21B) 半導体レーザ
22、32 支持部材
23、33 ベース
30 波長変換部
31、31’、31”、31−A、31−B 波長変換素子
31a、31a−A、31a−B 光導波路部
31b、31b’、31b”、31b−A、31b−B 合波部
31c、31c−A、31c−B 第2高調波生成部
40 入射光学系
41 レンズ
42(42R、42G、42B) 光ファイバグレーティング
50 出力光学系
51、103(103R、103G、103B) コリメータレンズ
52 集光レンズ52
102(102R、102G、102B) レーザ装置
104(104G、104B) 音響光学変調素子
105 レーザ整形開口
106、112、113 ミラー
107 球面レンズ
108、111 シリンドリカルレンズ
109 ポリゴンミラー
110 fθレンズ
311 基板
312 光導波路
313 分極領域
314 共通光導波路
A 写真処理装置
P 結合部

Claims (4)

  1. 非線形光学結晶から成る基板と、
    前記基板の一方面に形成された複数の光導波路と、
    前記基板の一方面であって前記複数の光導波路の一方端に形成され、前記複数の光導波路を光学的に結合する合波部と、
    前記複数の光導波路のそれぞれに形成され、互いに異なる位相整合波長で非線形光学結晶の非線形分極を利用して第2高調波を生成する複数の第2高調波生成部とを備えること
    を特徴とする波長変換素子。
  2. 前記合波部は、前記複数の光導波路のうちの一の光導波路に、互いに異なる複数の位置で他の複数の光導波路を光学的に結合する複数の結合部を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. レーザ光を生成して射出するレーザ光源と、前記レーザ光源から射出されたレーザ光が入射され該入射されたレーザ光を第2高調波に変換して射出する波長変換素子とを備えるレーザ装置において、
    前記波長変換素子は、請求項1又は請求項2に記載の波長変換素子であること
    を特徴とするレーザ装置。
  4. 第1方向に被露光媒体を搬送する搬送部と、前記第1方向に直交する第2方向に赤色、緑色及び青色の各レーザ光を走査させて前記被露光媒体を露光するレーザ露光装置とを備える写真処理装置において、
    前記レーザ露光装置は、
    赤色、緑色及び青色の各レーザ光をそれぞれ生成して射出する3個のレーザ装置と、
    前記3個のレーザ装置のそれぞれから射出される赤色、緑色及び青色の各レーザ光における光強度を露光すべき画像データに応じて変調する変調部と、
    第1方向に搬送される被露光媒体に対して前記第1方向に直交する第2方向に前記変調部で変調された赤色、緑色及び青色の各レーザ光を走査させて前記被露光媒体を露光する露光部とを備え、
    前記3個のレーザ装置のうちの少なくとも1つが請求項3に記載のレーザ装置であること
    を特徴とする写真処理装置。
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