JP2008305997A - 波長走査型レーザ光源 - Google Patents

波長走査型レーザ光源 Download PDF

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Abstract

【課題】単色性で安定に波長を広い帯域に渡って可変することができる波長可変レーザ光源を提供すること。
【解決手段】半導体レーザ11、光偏向部13、回折格子15を設け、光偏向部13によって回折格子15への入射角を変化させて外部共振器を構成する。光偏向部と回折格子との間隔を適宜選択することによって外部共振器モード群がフィルタ幅程度の微小な波長の変化内でほぼそのまま移動し、60%以上同期させることによって狭線幅を保ちながら高速で波長を走査できるようにしている。
【選択図】図6

Description

本発明は単色光を発生してその発光波長を走査する波長走査型レーザ光源に関するものである。
光コヒーレントトモグラフィ(OCT)や光ファイバセンシングの分野では、検出対象を高速且つ感度よく検出する要求が高まっている。例えば、2次元の生体診断画像などを表示するOCTなどのイメージングの用途では、イメージングの画像表示レートを上げるために、kHzオーダーの高速の波長走査が必要となる。さらにこのOCT以外にも高速に波長を掃引し、ガスや物質の分光特性やセンサの波長依存性を動的に解析することが必要とされる分野は数多い。エンジンの開発では、燃焼機関の燃焼プロセスをリアルタイムで計測することが必要である。又ファイバブラッググレーティング(FBG)センサシステムでは、振動や温度などの時間変動を計測できればより確実な構造の保安管理などに応用することができ、用途の拡大が期待される。
このようなOCTや、分光分析用の光源として、広帯域の走査ができる波長走査型レーザ光源が必要となる。狭スペクトルで広帯域の波長可変光源としては、複雑な可変機構を用いた外部共振器型が一般的である。しかし、高精度のモータなどによる機械的制御と、出力を安定にかつ連続的に波長を可変するための複雑な制御を同時に必要とするため、従来、可変速度を上げるという点では限界があった。
次に外部共振器型レーザの発振原理について説明する。一般的な外部共振器型レーザにおいては、図1に示すように半導体レーザ等のゲイン媒質101と外部のミラー104とを外部共振器とし、この間にコリメートレンズ102、光バンドパスフィルタ103を設けている。図2(a)は波長に対しゲイン媒質101の利得を示す曲線であり、図2(b)は外部共振器長によって定まる外部共振器モードを示す。又図2(c)はチップ端面のエタロン効果による変動分を示している。又図2(d)はバンドパスフィルタのロス特性を示している。ここでバンドパスフィルタ103の特性と外部共振器モードとの一致点でレーザ発振が得られる。ここでバンドパスフィルタ103の選択波長をシフトさせると、外部共振器モードのうち一番ロスが少なくなる隣の外部共振器モードに発振モードが変化する。これをモードホップという。
又図3に示すように、波長可変光源において、バンドパスフィルタと外部ミラーの機能を果たすものとして回折格子105を用い、回折格子105への入射角度を可変することにより発振波長を可変するものもある。発振波長は外部共振器モードとバンドパスフィルタの中心波長が重なりあう波長で決定される。バンドパスフィルタの波長は次式で表される。
λ=2asinθ ・・・(1)
ここでaは回折格子の格子ピッチであり、θは入射角である。この式で示されるように発振波長は入射角θに対して正弦波状に変化する。
さて回折格子105への入射角度を変化させて波長を変化させると共に、外部モードもこの可変率に同期させれば、モードホップを生じることなく波長走査することができる。このため、回折格子105の光軸が交わる中心ではなく、図3のように特定のピボットPを中心に回折格子105を回転させることによって、モードホップのない波長走査を実現した波長可変光源も知られている(非特許文献1)。この波長可変光源では、回動角αを変えることによって、回折格子への光の入射角と外部共振器長とが連動して変化する。
又特許文献1には光ファイバのループを用いた多モード型レーザ光源が示されている。図4はこのような光ファイバループによるレーザ光源の例を示す概略図であり、光ファイバループ111が半導体増幅器112を含んで形成される。このループの一部には光サーキュレータ113を介して波長を選択する波長可変光フィルタ114が設けられ、光カップラ115より出力が取り出される。
又光ファイバ型多モードレーザの発振では、図5(a)に示すようにフィルタ内に含まれる複数の外部共振器縦モードが同時に共振する。図5(b)はフィルタ114の特性、図5(c)は出力特性を示している。ロスが一番少ないフィルタの中心近くのモードが共振増幅され、光カプラ115より取り出された出力の線幅は光フィルタ114の特性よりも狭くなる。
"Continuously Tuned External Cavity Semiconductor Laser", W. R. Trutan et al., Journal of Lightwave technology Vol. 11, No.8 August 1993 PP1279 特開2005−347668号
しかし従来型の外部共振器型レーザはモードホップを回避し、位相を同調する複雑なメカニズムが必要であり、高速で波長走査することは困難である。特に非特許文献1ではモードホップは避けられるが、ピボットと回折格子との間隔を大きくする必要があり、回転モーメントが大きくなる。回折格子は高精度の角度調整精度が要求されるため、連続して波長を掃引することができる速度は数秒程度であり、高速に波長走査することができないという欠点があった。
又特許文献1に示す波長走査型レーザ光源では、ファイバを用いて光学長を長くし、多モードで発振させている。発振波長を決めるフィルタの波長が高速に掃引する場合、波長移動に伴って、抑圧されていた縦モードが励起され、発振していたモードは抑圧されるプロセスを連続的に繰り返す。この時、励起された光が共振器を周回する時間と同等程度か、それよりも早いレートでフィルタを掃引すると、ゲインデバイスを通過する回数が少なくなり、十分な利得つまり共振増幅を得られないまま、隣接するモード群へと次々移動していく。その結果図5(d)に示すように、フィルタ幅と同等程度に飽和したり、それ以上の太い線幅の出力となってしまうという欠点があった。このように従来は、狭線幅、広帯域、高速可変を実現するレーザ光源は実現されていなかった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、発振スペクトル線幅が狭く波長を広い帯域に渡って高速で走査することができる波長走査型レーザ光源を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の波長走査型レーザ光源は、発振する波長に対する利得を有するゲイン媒体と、前記ゲイン媒体を含む外部共振器の一端を構成する反射部と、前記ゲイン媒体からの光ビームを外部からの信号によって偏向する光偏向部と、前記光偏向部からの光を同一行路でゲイン媒体の側に回折して戻す回折格子と、を具備し、前記外部共振器長は数10cm以上、10m以下とし、前記回折格子への入射角によって決まる外部共振器モードの波長変化と前記回折格子により選択される回折波長の波長変化とが同期し、外部共振器モードの少なくとも60%が波長変化に応じてそのまま移動するようにしたものである。
ここで前記回折格子への光の入射角をθ、波長可変範囲の中心波長付近の入射角をθcとし、前記反射部と前記光偏向部までの光行路をL1、前記光偏向部から前記回折格子までの垂線での距離をH、偏向部から回折格子までの光行路をL2(θ)とすると、外部共振器長Lは
L=L1+H/cos(θ)
で表され、前記HとL1の比H/L1は式(12)で与えられる値を中心として±30%の範囲となるようにしてもよい。
ここで前記ゲイン媒体は、半導体レーザであり、前記反射部は、前記半導体レーザの端面としてもよい。
この課題を解決するために、本発明の波長走査型レーザ光源は、発振する波長に対する利得を有するゲイン媒体と、前記ゲイン媒体を含む光ファイバループと、前記光ファイバループの光を抽出するサーキュレータと、前記サーキュレータから得られた光ビームを外部からの信号によって偏向する光偏向部と、前記光偏向部からの光を同一行路でゲイン媒体の側に回折して戻す回折格子と、を具備し、前記外部共振器長は数10cm以上、10m以下とし、前記回折格子への入射角によって決まる外部共振器モードの波長変化と前記回折格子により選択される回折波長の波長変化とが同期し、外部共振器モードの少なくとも60%が波長変化に応じてそのまま移動するようにしたものである。
ここで前記回折格子への光の入射角をθ、波長可変範囲の中心波長付近の入射角をθcとし、前記サーキュレータから前記光偏向部までの光行路をL3、前記光ファイバループの光路長をL4,前記光偏向部から前記回折格子までの垂線での距離をH、偏向部から回折格子までの光行路をL2(θ)とすると、外部共振器長Lは
L=L3+L4/2+H/cos(θ)
で表され、前記HとL3+L4/2の比は式(14)で与えられる値を中心として±30%の範囲となるようにしてもよい。
ここで前記ゲイン媒体は、半導体増幅器としてもよい。
ここで前記光偏向部は、電気光学効果、熱光学効果及び音響光学効果のいずれか1つの機能を有する素子を用いるようにしてもよい。
ここで前記光偏向部は、偏向ミラーとしてもよい。
このような特徴を有する本発明によれば、回折格子への入射角で決まる波長とそのときの縦モード(位相)が可変範囲に渡って同程度の変動比率を有するので、フィルタ線幅程度の小さな波長変動の間にずれるモードの数を、極力抑えることができる。これによって、波長を高速に広範囲に走査しても、十分な共振増幅が得られ、光スペクトルの線幅を狭く保ったまま波長を変化させることができる。又この光源を用いることにより、光周波数走査範囲が広く、OCT等において高速かつ高分解能の画像表示を実現できる。
(第1の実施の形態)
図6は本発明の第1の実施の形態による波長走査型レーザ光源の基本構成を示す図である。本図においてゲイン素子として半導体レーザ11を用いる。この例では半導体レーザ11の一端11aをミラー面とし、外部共振器を構成する第1の反射部とする。又他方の面11bはARコート(反射防止コート)を施し、出射光をコリメートレンズ12を介して光偏向部13に導く。光偏向部13は駆動部14からの信号に応じて紙面に垂直な軸に沿って一定の角度範囲で光の偏向方向を変化させるものである。光偏向部13はガルバノメータによって構成され、駆動部14はガルバノメータを駆動するものとする。そしてこの偏向した光を受光する位置に回折格子15を設ける。回折格子15は後述する格子ピッチで連続的に三角波状の格子が形成された光学素子であり、この実施の形態では、リトロー配置によって入射方向が変わっても入射光は同じ光路を通って投射方向に戻るように構成されている。そしてこの入射角度によって選択波長が変化する。回折格子15は外部共振器の第2の反射部と光バンドパスフィルタとの機能を備えたものである。
ここでリトロー配置について説明する。回折格子15に対する光ビームの入射角をθ、反射角をδとすると、以下の式によって回折光が得られる。
a(sinθ+sinδ)=kλ ・・・(2)
ここでkは次数であり、0,±1,±2・・・の値となる。aは回折格子の格子ピッチ(μm)、即ち単位長さ当たりの格子線数Λ(本/mm)の逆数である。
さて回折格子にはリトロー配置とリットマン配置とがある。リトロー配置では−1次の回折光と入射光の角度が等しい。従って(2)式においてθ=δとすると、(2)式より回折光の波長は前述した式(1)で決定される。尚、リットマン配置では入射光と反射光の角度は一致していない。
ここで光偏向部13は、図7に示すように直線AとBとの間で連続的に光を偏向させるものである。直線Aに示す偏向状態を基準として偏向角φを定義する。又回折格子15への入射光は直線Aに示すように光偏向部13で光の偏向角φ=0の状態での入射角をθ、光偏向部13の偏向角φの状態(直線B)での入射角θとすると、入射角θはθ〜θの間で変化する。この場合は回折格子15で選択される反射光の波長λは、θを用いて次式で表せる。
λ(θ)=2asinθ ・・・(3)
さて光偏向部13における偏向によって回折格子15の選択波長が変化する。図8(a)に示すように、この可変範囲の中央付近の回折格子15の中心波長をλG0とする。このとき回折格子15によるこのフィルタのピークとほぼ一致する外部共振器モードの次数をn、その次数で定まる外部共振器による波長をλとする。このとき図8(b)に示すように外部共振器長Lでの波長と次数との関係は次式で示される。
λ=2L/n ・・・(4)
尚nは外部共振器モードの波長λでの次数である。そして光偏向部13の偏向によって、外部共振器長が図8(c)に示すようにL’に変化し、同時に回折格子15の選択波長が図8(d)に示すように変化する。ここで同じ次数nで決まる波長λL’は次式に示されるものとなる。
λL’=2L’/n ・・・(5)
さて外部共振器長Lは図7に示すように、半導体レーザ11の一方の端部11aから光偏向部13までの距離L1と、光偏向部13から回折格子15までの距離L2との和によって決定される。距離L2は入射角θの変数である。
L=L1+L2(θ) ・・・(6)
更に半導体レーザ11から光偏向部13までの光軸に沿ったライン上で、光偏向部13の反射点と回折格子15の面までの距離をHとすると、外部共振器長Lは次式で示される。
L=L1+H/cosθ ・・・(7)
ここで外部共振器長Lとして、回折格子15によるバンドパスフィルタの半値全幅中に数十〜数百の外部共振器モードが含まれるような長さを選択する。このような条件を満たす外部共振器長は、およそ10cm以上であり、好ましくは20cm以上、更に好ましくは50cm以上である。又この外部共振器長の上限は10m以下であり、好ましくは5m以下、更に好ましくは3m以下である。そして本実施の形態においては、光の偏向によって回折格子15に対する光の入射角θの変化に同期させて、外部共振器長自体を変化させ、数十〜数百の外部共振器モード群がフィルタ幅の微小な半値全幅の中で、例えば60%以上の割合でそのまま移動させる。このように外部共振器モード群を同期させることによって、共振増幅が助長され、狭線幅を保ちながら高速で波長を走査することができる。
次にこのような同期変化をさせるための条件について説明する。ここでゲイン素子である半導体レーザ11の端面から光偏向器13の偏向点までの距離L1と光偏向部13から回折格子15の面までの距離Hの比について説明する。例えば、外部共振器長Lを1.5m程度として、H:L1を1:6.25とした場合(以下、条件1という)と、H:L1を1:1とした場合(以下、条件2という)に、回折格子で選択される波長の変動と、縦モードの変化を比べてみる。図9は条件1の場合、図10は条件2の場合に、回折格子への入射角θに対する回折格子14で決まる波長λ(曲線A)及びその変化の中心の波長での次数がnで与えられる波長λの変化(曲線B)を対比して示すグラフである。条件1の場合には図9に示すように2つの曲線A,Bは大きく相違しており、これらの波長の変動比率が大きく異なる。一方条件2の場合は、図10に示すようにこれらの波長の変動比率が同程度となる。
次に図11は条件1,2の場合において回折格子の波長とそれに対応するモード次数nとの関係を示すグラフである。この場合に示されるように、条件1ではモード次数が大きく異なっているが、条件2ではモード次数の変化は小さい。
更に図12は回折格子15の選択波長が現在の波長から0.1nm変動したときに、どれ程モードずれが生じるかを示すグラフである。ここで0%は元の外部共振器モード群がそのまま移動した場合であり、100%は外部共振器モード群が全く異なった場合である。図12に示されるように、条件1では波長変動分に占めるモード数の変化は80%と大きい。この場合、レーザ共振器内で光が周回する間に縦モードが大きくずれるため共振増幅され難い。
これに対し条件2では、1270〜1360nmの波長の範囲内で波長変動量分に占めるモード数の変化は20%程度以下となる。これによって、レーザ共振器内で光が周回する間に縦モードが共振増幅され、結果的に狭い発振線幅が得られる。図11からもわかるように、可変域に渡って位相がある程度同期するときは、長波と短波での縦モードの次数が同程度となるときである。これは言い換えると、波長可変帯域中心付近での波長λの変動と波長λ変動の時間に対する傾きが同程度のときである。
波長範囲端の短波長をλ、長波長をλとすると、式(3)より次式が成り立つ。
λ=2asinθ
λ=2asinθ ・・・(8)
ここで長波と短波とで縦モードの次数n,nが同じになるとすると、以下の式(9)が得られる。
Figure 2008305997
更にこの式(9)をHについて解き、式(8)を代入すると、次式(10)が得られる。
Figure 2008305997
一方、波長範囲の中心の波長をλc、角度をθcとし、夫々の傾きをdλ/dθ,dλ/dθとすると、式(3),(4),(7)よりそれぞれ
dλ/dθ=2acosθc
dλ/dθ=λcHtanθc/(L1cosθc+H)・・・(11)
と表される。ここでλc=2asinθcである。これらの二つの式を等しいとすると、次式(12)が得られる。
Figure 2008305997

式(10)と(12)は結果的に図13に示されるグラフと同じ関係となる。
更に中心波長λに対して100nmの可変幅(±50nm)をとったとき、その中心の上下の短波長λ及び長波長λの間でモード次数が一致する解、あるいは中心波長での波長と位相の傾きが一致する解が得られるH/Lの値と回折格子15の格子定数Λとの関係を図13に示す。このグラフでは、回折格子定数Λが1100本/mmから1400本/mmの4つの回折格子について夫々曲線A〜Dで表している。そしてこのように回折定数Λによって最適な解が存在する領域が制限される。例えば1300nmが中心波長であれば、1200本/mm以上の回折定数を持つ回折格子を選択する必要がある。又中心波長が1060nmであれば、1400本/mm以上の回折定数を持つ回折格子が必要となる。そしてここで選択されたH/L1の比を前述した外部共振器長で適宜分割したものが実際のL1,Hの値となる。図13に示すグラフで得られる最適値の±30%、好ましくは±20%の範囲が、60%程度以上の割合で外部共振器モード群を同期させる条件となる。
尚前述した図13のグラフでは波長可変幅を100nmとしているが、この可変幅は任意、例えば10nmであってもよく、使用対象によって適宜選択することができる。
(第2の実施の形態)
前述した図6,図7では、半導体レーザの反射面と回折格子とによって外部共振器を構成しているが、光ファイバループを用いて外部共振器を構成するようにしてもよい。図14は第2の実施の形態による外部共振器型の波長走査型レーザ光源を示す概略図である。本図に示すように、光ファイバループ21には半導体増幅器22と光サーキュレータ23及び光カップラ24が設けられている。光サーキュレータは光ファイバループの一端に入射する光を波長可変フィルタ25に与え、選択された光を光ファイバループに戻すものである。波長可変フィルタ25はコリメートレンズ26を有し、図6のものと同様に光偏向部13、駆動部14及び回折格子15を含んで構成されている。これらの構成については前述した第1の実施の形態と同様である。この実施の形態では光偏向部13の反射点から光サーキュレータ23までの光学長をL3と光ファイバループの全長をL4とすると、L3+L4/2が前述したL1に相当する。即ち、外部共振器長Lは次式で示されることとなる。
L=L4/2+L3+H/cosθ
従って式(10),(12)のL1を(L3+L4/2)で置き換えた式(13),(14)により、必要な値が得られる。
Figure 2008305997
Figure 2008305997
この場合には外部共振器長を容易に大きくすることが可能となる。
尚前述した各実施の形態において、光偏向部13はガルバノメータを用いているが、任意の偏向ミラー、例えばポリゴンミラーを用いてもよい。又これに代えて電気光学効果、熱光学効果や音響光学効果を有する素子を用いて光偏向部を構成することもできる。
本発明は単色性のレーザ光を任意の速度で波長を走査することができるため、OCTや光ファイバセンシング等の種々の分野用の波長走査型光源、その他の光源として用いることができる。
従来の外部共振器型レーザ光源の構成を示す概略図である。 外部共振器型レーザ光源の特性を示すグラフである。 モードホップフリーとした従来の波長可変光源の構成を示す概略図である。 従来の光ファイバを用いたリングレーザ光源の構成を示す概略図である。 リングレーザ光源の外部共振器モードとフィルタの特性及びフィルタの波長を変化させたときの発振モードを示すグラフである。 本発明の実施の形態による波長走査型レーザ光源の全体構成を示す概略図である。 本実施の形態による波長走査型光源の寸法を示す図である。 本実施の形態の波長走査型光源のフィルタ特性及び外部共振器モードを示すグラフである。 条件1での回折角と波長との関係を示すグラフである。 条件2での回折角と波長との関係を示すグラフである。 波長に対するモード次数の変化を示すグラフである。 波長に対する0.1nm当たりのモードずれの変化を示すグラフである。 フィルタの中心波長に対するH/L1の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態による波長走査型レーザ光源の全体構成を示す概略図である。
符号の説明
11 半導体レーザ
11a,11b 端面
12 コリメートレンズ
13 光偏向部
14 駆動部
15 回折格子
21 光ファイバループ
22 半導体増幅器
23 光サーキュレータ
24 光カップラ
25 波長可変フィルタ

Claims (8)

  1. 発振する波長に対する利得を有するゲイン媒体と、
    前記ゲイン媒体を含む外部共振器の一端を構成する反射部と、
    前記ゲイン媒体からの光ビームを外部からの信号によって偏向する光偏向部と、
    前記光偏向部からの光を同一行路でゲイン媒体の側に回折して戻す回折格子と、を具備し、
    前記外部共振器長は数10cm以上、10m以下とし、
    前記回折格子への入射角によって決まる外部共振器モードの波長変化と前記回折格子により選択される回折波長の波長変化とが同期し、外部共振器モードの少なくとも60%が波長変化に応じてそのまま移動するようにした波長走査型レーザ光源。
  2. 前記回折格子への光の入射角をθ、波長可変範囲の中心波長付近の入射角をθcとし、前記反射部と前記光偏向部までの光行路をL1、前記光偏向部から前記回折格子までの垂線での距離をH、偏向部から回折格子までの光行路をL2(θ)とすると、外部共振器長Lは
    L=L1+H/cos(θ)
    で表され、前記HとL1の比H/L1は次式
    Figure 2008305997
    で与えられる値を中心として±30%の範囲となるようにした請求項1記載の波長走査型レーザ光源。
  3. 前記ゲイン媒体は、半導体レーザであり、前記反射部は、前記半導体レーザの端面である請求項1記載の波長走査型レーザ光源。
  4. 発振する波長に対する利得を有するゲイン媒体と、
    前記ゲイン媒体を含む光ファイバループと、
    前記光ファイバループの光の抽出するサーキュレータと、
    前記サーキュレータから得られた光ビームを外部からの信号によって偏向する光偏向部と、
    前記光偏向部からの光を同一行路でゲイン媒体の側に回折して戻す回折格子と、を具備し、
    前記外部共振器長は数10cm以上、10m以下とし、
    前記回折格子への入射角によって決まる外部共振器モードの波長変化と前記回折格子により選択される回折波長の波長変化とが同期し、外部共振器モードの少なくとも60%が波長変化に応じてそのまま移動するようにした波長走査型レーザ光源。
  5. 前記回折格子への光の入射角をθ、波長可変範囲の中心波長付近の入射角をθcとし、前記サーキュレータから前記光偏向部までの光行路をL3、前記光ファイバループの光路長をL4,前記光偏向部から前記回折格子までの垂線での距離をH、偏向部から回折格子までの光行路をL2(θ)とすると、外部共振器長Lは
    L=L3+L4/2+H/cos(θ)
    で表され、前記HとL3+L4/2との比は次式
    Figure 2008305997
    で与えられる値を中心として±30%の範囲となるようにした請求項4記載の波長走査型レーザ光源。
  6. 前記ゲイン媒体は、半導体増幅器である請求項4記載の波長走査型レーザ光源。
  7. 前記光偏向部は、電気光学効果、熱光学効果及び音響光学効果のいずれか1つの機能を有する素子を用いる請求項1又は4記載の波長走査型レーザ光源。
  8. 前記光偏向部は、偏向ミラーである請求項1又は4記載の波長走査型レーザ光源。
JP2007151987A 2007-06-07 2007-06-07 波長走査型レーザ光源 Active JP5223064B2 (ja)

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