JP2010062426A - 波長走査型レーザ光源 - Google Patents

波長走査型レーザ光源 Download PDF

Info

Publication number
JP2010062426A
JP2010062426A JP2008228145A JP2008228145A JP2010062426A JP 2010062426 A JP2010062426 A JP 2010062426A JP 2008228145 A JP2008228145 A JP 2008228145A JP 2008228145 A JP2008228145 A JP 2008228145A JP 2010062426 A JP2010062426 A JP 2010062426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
current
light source
wavelength scanning
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008228145A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Morosawa
淳 両澤
Changho Chong
昌鎬 鄭
Naoyuki Mekata
直之 女鹿田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntech Co
Original Assignee
Suntech Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntech Co filed Critical Suntech Co
Priority to JP2008228145A priority Critical patent/JP2010062426A/ja
Publication of JP2010062426A publication Critical patent/JP2010062426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】波長走査型レーザ光源において波長走査範囲を拡大すること。
【解決手段】ゲイン媒体12を含む光ファイバループ11、光サーキュレータ13、光ビーム偏向部及び回折格子27によって波長走査型レーザ光源を構成する。レーザを発振させ、1走査周期毎にトリガ信号を検出する。トリガ信号を電流コントローラ34に入力し、電流コントローラ34よりゲイン媒体12への注入電流を制御する。このとき波長走査毎に発振レベルに応じて注入電流のレベルを低下させるように制御すれば、ゲイン媒体12がCODによって破壊することなく、波長を広い範囲にわたって走査することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は単色光を発生してその発光波長を走査する波長走査型レーザ光源に関するものである。
光コヒーレントトモグラフィ(OCT)や光ファイバセンシングの分野では、検出対象を高速且つ感度よく検出する要求が高まっている。例えば、2次元の生体診断画像などを表示するOCTなどのイメージングの用途では、イメージングの画像表示レートを上げるために、kHzオーダーの高速の波長走査が必要となる。さらにこのOCT以外にも高速に波長を掃引し、ガスや物質の分光特性やセンサの波長依存性を動的に解析することが必要とされる分野は数多い。
分光分析装置や波長走査型光源タイプのOCT(SS−OCT)の光源として、広帯域の走査ができる波長走査型レーザ光源が必要となる。狭スペクトルで広帯域の波長可変光源としては、複雑な可変機構を用いた外部共振器型が一般的である。しかし、高精度のモータなどによる機械的制御と、出力を安定にかつ連続的に波長を可変するための複雑な制御を同時に必要とするため、従来、可変速度を上げるという点では限界があった。
特許文献1には光ファイバのループを用いた多モード型レーザ光源が示されている。光ファイバループによるレーザ光源では、光ファイバループが半導体光増幅器を含んで形成される。このループの一部には光サーキュレータを介して波長を選択する波長可変光フィルタが設けられ、光カップラより出力が取り出される。又光ファイバ型多モードレーザの発振では、フィルタ内に含まれる複数の外部共振器縦モードが同時に共振する。そしてロスが一番少ないフィルタの中心近くのモードが共振増幅され、光カップラより取り出される出力の線幅は光フィルタの特性よりも狭くなる。
特開2005−347668号
従来の光ファイバループによるレーザ光源の波長走査範囲を広帯域にするためには、光フィルタを広帯域で変化させることに加えて、ゲイン媒体として用いられている半導体光増幅器のゲインを有する波長を広帯域とすることが必要である。ゲイン媒体の帯域を広くするためには、注入電流を増加することが必要であるが、注入電流を上げすぎればCOD(catastrophic optical damage)によりゲイン媒体が破壊してしまう。従ってCODが生じないレベルに電流値をとどめておく必要があり、これが広帯域化の制約になっているという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、波長を広い帯域に渡って高速で走査することができる波長走査型レーザ光源を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の波長走査型レーザ光源は、発振する波長に対する利得を有するゲイン媒体と、前記ゲイン媒体を含む光共振器と、前記光共振器に接続され選択波長を周期的に変化させる波長可変光フィルタと、前記ゲイン媒体に電流を注入し、各波長走査の周期において注入する電流レベルを変化させるように制御する電流コントローラと、を具備するものである。
ここで前記光共振器は、前記光ファイバループと、前記光ファイバループの光の方向を規制して光を抽出する光サーキュレータとを有するものであり、前記波長可変光フィルタは、前記光サーキュレータから得られた光ビームを一定の角度範囲で偏向する光偏向部と、前記光偏向部からの光の波長を入射角度に応じて回折して選択すると共に、選択した波長の光を同一行路で前記光ファイバループの側に戻す回折格子と、を有するようにしてもよい。
ここで前記ゲイン媒体は、半導体光増幅器としてもよい。
ここで前記電流コントローラは、1波長走査の間に前記ゲイン媒体が損傷しない光出力レベルとなるように注入電流を制御するようにしてもよい。
ここで前記電流コントローラは、波長変化に対して1波長走査の間に光出力のレベルがガウス分布形状となるように注入電流を制御するようにしてもよい。
この課題を解決するために、本発明の波長走査型レーザ光源は、振動板上に設けられ光を反射する上部DBR層と、基板上に形成された下部DBR層と、前記下部DBR層の上部に設けられ、前記上部基板の上部DBR層にギャップを介して対向する位置に形成された活性層と、前記下部DBR層と前記上部DBR層との間に形成されるキャビティのキャビティ長を変化させ、波長を制御する波長制御部と、前記活性層に電流を注入し、波長走査の範囲内において注入する電流レベルを制御する電流コントローラと、を具備するものである。
ここで前記キャビティは平行平板型であり、前記波長制御部は静電引力によって前記振動板を駆動するようにしてもよい。
ここで前記波長制御部は、のこぎり波状の電圧波形を発生する電圧波形発生部と、前記電圧波形発生部によって所定ののこぎり波状電圧を印加する電圧源と、を有するものであり、前記電流コントローラは、前記波長制御部ののこぎり波と同期して各走査周期の電流波形を変化させる電流波形発生部と、前記電流波形発生部より得られるレベルの電流を前記活性層に注入する電流源と、を有するようにしてもよい。
ここで前記電流コントローラは、1波長走査の間に前記活性層が損傷しない光出力レベルとなるように注入電流を制御するようにしてもよい。
ここで前記電流コントローラは、波長変化に対して1波長走査の間に光出力のレベルがガウス分布形状となるように注入電流を制御するようにしてもよい。
このような特徴を有する本発明によれば、各波長走査においてゲイン媒体や活性層に注入する電流を制御することによって、光出力レベルを制御することができる。これによって、素子の破壊が生じないレベルの電流を注入して波長を広範囲に走査することができる。又この波長走査型レーザ光源により、走査範囲を広くすることができ、SS−OCT等の光源として用いた場合に深さ方向に高分解能の画像を表示することができる。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態による波長走査型レーザ光源の構成を示す図である。本実施の形態の波長走査型レーザ光源10は光ファイバ11によってループによる共振器を形成している。このループの一部に、ゲイン媒体として半導体光増幅器(SOA)12、光サーキュレータ13、光カップラ14及び偏波コントローラ15を設ける。光サーキュレータ13は、光ファイバ11を透過する光の方向を図示のように矢印方向に規制するものである。即ち光サーキュレータ13の入力端子13a,13bが光ファイバループに接続されており、入力端子13aから入射した光は光サーキュレータの端子13cより出射される。又光サーキュレータの入力端子13cより入射した光は端子13bより出射される。端子13bより入射した光は端子13aより出射される。又光カップラ14は光ファイバループの光の一部を取り出すものであり、偏波コントローラ15は、光ファイバループを透過する光の偏波方向を一定方向に規定するものである。
光サーキュレータ13の端子13cは、光ファイバ21を介して図示のようにコリメートレンズ22に接続される。コリメートレンズ22は光ファイバ21からの光を平行光とするもので、その光軸上にはビーム幅拡大用のプリズム23を介してポリゴンミラー24が設けられる。ポリゴンミラー24には駆動部25が接続される。駆動部25はポリゴンミラー24を図示のように紙面に垂直な軸に沿って回転させることによって、平行光を一定範囲で一定の角速度で反射するものである。
ポリゴンミラー24の近傍には、ビーム幅拡大用のプリズム26を介して回折格子27が設けられる。回折格子27は連続してのこぎり波形状の断面が形成された波長選択素子であり、この実施の形態では、リトロー配置によって入射方向が変わっても、入射光は同じ光路を通って投射方向に戻るように構成されている。選択波長は回折格子27の入射角度によって変化する。ここでポリゴンミラー24と駆動部25とは、光ビームの反射角度を一定範囲で等角速度で周期的に変化させる光ビーム偏向部を構成している。この光ビーム偏向部と回折格子27によって波長可変光フィルタを構成している。
光ファイバループの長さは回折格子によるバンドパスフィルタの半値全幅中に複数本の縦モードが含まれるような長さを選択することが好ましい。この縦モードの本数は好ましくは10本以上とし、更に好ましくは100本以上とし、多いほど好ましい。但し縦モードを多くするためには光ファイバを長くする必要があり、実用的には数十cm〜数十mの長さの光ファイバが用いられる。
さて本実施の形態において、光カップラ14の出力側に光フィルタ31,レンズ32を介してフォトディテクタ33を配置する。フォトディテクタ33はレーザ発振出力のレベルを検出する素子であり、この出力は電流コントローラ34に与えられる。電流コントローラ34は半導体光増幅器12の電流制御をするものであり、各波長走査の間に光の出力レベルが高くなる時間では駆動電流を減少させるように制御することによって、発振波長範囲を拡大するものである。
次に電流コントローラ34の詳細について図2を用いて説明する。電流コントローラ34の入力部分には、フォトディテクタ33の入力を増幅する増幅部41及び波形整形部42が設けられる。波形整形部42は増幅された入力信号が一定レベルを超えたときに入力をトリガパルスとして整形するものであり、パルス信号はマイクロプロセッサ(以下、MPUという)43に入力される。MPU43は内部にROMを有している。ROMはあらかじめ各波長走査の周期毎に電流値の変化分の波形をデジタル化したデータを保持しており、MPU43はトリガ信号に応じてこれを読み出すものである。本実施の形態では、1波長走査の間に光出力レベルが均一となるように1波長走査の中間部分のレベルを低下させるデータを保持している。MPU43から出力されるデータはD/A変換部44を介して加算部45に与えられる。設定部46は半導体光増幅器を駆動するための基本電流値を保持しており、加算部45はこの基本電流値とD/A変換出力とを加算してドライブ回路47に出力する。ドライブ回路47は加算された電流レベルで半導体光増幅器12を駆動するものである。
次にこの実施の形態の動作について説明する。この実施の形態において半導体光増幅器12を駆動する。このとき駆動電流は設定部46の基本電流値によって決まり、電流値を十分大きいレベルとしておく。こうすれば光サーキュレータ13の作用によって端子13aから加わった光が端子13cより光ファイバ21に入り、コリメートレンズ22によって平行光となってポリゴンミラー24に加わる。そしてその回転角度によって決まる角度で反射された光が回折格子27に加わる。そして回折格子27によって選択された反射光がそのまま同一方向に反射され、ポリゴンミラー24を介してコリメートレンズ22に加わる。更に光ファイバ21を介して光サーキュレータ13より光ファイバループに加わる。又偏波コントローラ15は光ファイバループを透過する光の偏波を一定方向に調整する。このためレーザ光源は回折格子27によって選択された波長で複数の縦モードを含んで多モード発振する。こうして発振したレーザ光の一部、例えばレーザ光の50%のレベルの光を光カップラ14を介して取り出す。
そして駆動部25によってポリゴンミラー24を回動させる。こうすればのこぎり波状に回折格子27への入射角度が変化し、これによって選択波長が変化する。従ってポリゴンミラー24を回動させることによって、レーザ光の発光波長を変化させることができる。
このとき光ビームの偏向角により波長が周期的に変化するが、図3(a)に示すように各周期の開始の時点ではレーザ光のピーク値のレベルは低く、徐々にレベルが大きくなり、終了の時点では再び低下する。そして立上り直後に光カップラ14から得られる光の一部はフィルタ31、レンズ32を介してフォトディテクタ33に加えられる。フォトディテクタ33で検出された光信号は電流コントローラ34に加わり、増幅部41を介して波形整形部42で波形整形される。これによって図3(b)に示すようにパルス状のトリガ信号を得ることができる。この波形はトリガ信号としてMPU43に与えられる。MPU43ではトリガ信号が加わったときに内部のROMに保持されている波形データが読み出される。この波形データはD/A変換部44を介して加算部45に与えられる。これにより基本電流値とD/A変換値とを加算した出力が半導体光増幅器12に加わる。図3(c)は1周期の駆動電流を示しており、本実施の形態では中央部分での駆動電流を低下させるようにしたものである。ここで最初から光駆動電流を大きくしておけば早く立上り、しかも1波長走査のレーザ出力レベルが高い部分での駆動電流を低下させることでピーク値を低くすることができ、波長の可変範囲を大きくすることができる。
図3(a),(b),(c)の横軸は時間軸としているが、1走査の時間に対応してほぼ直線的に波長が変化するため、図3(d)では横軸を波長とし、1走査での波長の変化を示してしている。図3(d)は光ファイバループの長さと光ファイバの屈折率で定まる光学長に応じて定まる外部共振縦モードであり、破線は各波長でのピーク値を示している。こうすれば、図3(a)に一点鎖線に示すCODが生じる光ピークレベルよりも所定値低いレベルとなる光出力の波長範囲を大きくすることができる。即ち半導体光増幅器の駆動電流の制御によって、広い波長範囲でレーザの発光が可能となり、図3(a)に矢印で示すように、OCTで用いられる波長範囲を広くすることができる。又この光学長を例えば3mとすると、約70MHzの間隔の縦モードが存在する。この実施の形態による発振の場合には、図3(d)に示すように多モードの状態の発振となる。図示のように縦モードの間隔が極めて狭く、波長走査時の発振モードの移動は包絡線状に連続であるので、モードホップとそれに伴う出力や波長の不安定な状態はなく、波長を実質的に連続して変化させることができる。
次に電流制御をしない場合を比較例として示す。図4(a)は1波長走査での光出力のピーク値と時間の関係を示すグラフ、図4(b)はその駆動電流を示すグラフである。比較例では、半導体光増幅器の駆動電流は図4(b)に示すように1走査で一定である。ここで発振波長は1走査周期でほぼ直線的に変化しているので、図4(a)及び(b)に示す時間軸は波長と同等と考えることもできる。図4(a)に示すように一点鎖線に示すCODが生じる光ピークレベルよりも所定値低いレベルとなる光出力の波長範囲は、図3(a)の場合に比べて狭くなる。又比較例では図4(c)に示すように1波長走査の光出力の変動が大きくなる。
図5は本実施の形態の具体例を示しており、1.0μm帯の光出力の変化を示す。本図では、横軸は波長で示しており、曲線Aは本実施の形態により電流制御を行った場合、曲線Bは電流制御を行わない比較例を示している。図5の曲線Aに示すように波長走査の中央部分の電流を低下させることによって、ピーク値から一定レベル低下する波長可変範囲は曲線Aでは85nmであるのに対し、曲線Bは54nmとなる。従って本実施の形態では、OCTとしての信号処理に用いられる波長範囲を広帯域化することができる。
又図6は光の駆動電流の変化分を保持しているROMのデータの他の例を示す。ここで曲線Aは電流制御をする場合、曲線Bは電流制御をしない場合である。又図6(b)は図6(a)と走査時間を一致させて波長の変化を示している。図6(b)に示すように1周期では光の波長は1210〜1410nmへとほぼ直線的に変化している。従って図6(a)に示す時間軸は波長と考えることもできる。そしてROMのデータを変化させることによって1周期での光出力のレベルをガウス分布状に変化させることができる。このようなガウス分布状とすれば波長範囲も広くなり、且つOCTでの出力処理に有利となる。
尚、第1の実施の形態による波長走査型レーザ光源では、ゲイン媒体として半導体光増幅器(SOA)を用いたが、ゲイン媒体としては、光ファイバ増幅器を用いてもよい。又光ファイバ11を偏波面保存型の光ファイバとすることによって偏波コントローラ15を省略することができる。
又この実施の形態では、光カップラから光の一部を取り出してトリガ信号を得るようにしているが、1周期の開始を示すトリガ信号は他の方法で得ることができる。例えばポリゴンミラー24の回転によって光が回折格子27の面上を走査するが、回折格子27の一端に光が入射したときに、その一次回折光からトリガ信号を得るようにしてもよい。この場合には、図7に示すように一次回折光を受光する位置に光フィルタ51、レンズ52及びフォトディテクタ53を設けておき、フォトディテクタ53の出力を電流コントローラ34に出力する。
又この実施の形態では、光ビーム偏向部としてポリゴンミラーと駆動部とを用いているが、ガルバノメータやMEMSによるミラーを用いてもよい。光ビーム偏向部は反射角度を一定の角速度で変化させるものであればよい。
又この実施の形態では、ゲイン媒体を含めた光ファイバループに波長可変フィルタを接続して波長走査型レーザ光源を構成しているが、光ファイバループを用いたレーザ光源に限らず外部共振器を用いた種々のレーザ光源に適用することができる。例えば一対のミラーによる外部共振器の中間にゲイン媒体を設けたり、ゲイン媒体の端部の面と外部のミラーとで共振器を構成する外部共振器型レーザ光源であってもよい。そして外部共振器を構成する空間に波長可変フィルタを接続して発振波長を走査すると共に、電流コントローラによってゲイン媒体に注入する電流値を同様にして変化させる。この場合に波長可変フィルタは回折格子を用い、回折格子をガルバノメータ等で回転させて波長走査することができる。外部共振器型レーザ光源の波長可変フィルタとしては、回折格子に限らず、ファイバーファブリペローフィルタ等の種々の波長可変フィルタを用いることができる。
(第2の実施の形態)
次にシングルモードの面発光レーザを用いた本発明の第2の実施の形態について説明する。図8Aは本発明の第2の実施の形態による波長走査型レーザ光源10Bの面発光レーザの垂直可動ミラー部を示す上面図、図8BはそのA−A線端面図である。図9は波長走査型レーザ光源の全体構成を示す図である。図示のように波長走査型光源の面発光レーザ61は、上部のミラー部62と下部基板63から構成される。この面発光レーザは、ミラー部62を独立して製造し、下部の基板に貼り合わせて面発光レーザとするものである。ミラー部62はSi層から成る薄い長方形の振動板64を有している。この振動板64は円形の振動部64aが4つのヒンジ65を介して振動自在に保持されている。この振動板64の振動部64aには高い反射率を持つ分布型ブラッグ反射器(DBR)層66が円形に形成される。DBR層66は発振波長をλとすると、光学距離λ/4の多層構造で構成される高反射率の層であり、その裏面にはARコート層67が設けられる。又振動板64の周囲にはSiO2からなる絶縁層68を介してSi層から成るハンドル基板69が設けられる。ハンドル基板69はDBR層66に対応する中央部に開口が形成され、絶縁層68の厚さに相当するギャップを介して振動板64と対向している。
一方、下部基板63は図9に示すようにInP又はGaAsの基板71上に円形のnドープされた下部DBR層72が設けられ、その上面には量子井戸構造の活性層73が設けられる。又活性層73の上部にはpドープされたDBR層74が設けられる。そしてこの活性層73等を中心として円形の開口が形成されたスペーサ75が下部DBR層72の上部に配置される。更に前述したミラー部62がスペーサ75上に上部DBR層66を下面としてDBR層74とギャップを介して平行に対向するように配置される。ここで上部DBR層66と下部DBR層72は平行平板型のキャビティを構成する。
そして図9に示すようにDBR層74と基板71との間に電流注入用の電流源81を接続する。又ミラー部62の振動板64とハンドル基板69との間に電圧源82を接続する。電圧源82は波長走査を実現するための可変型の電源とする。電流源81及び電圧源82はコントローラ91によって制御される。
図10はコントローラ91の構成を示すブロック図である。このブロック図においてコントローラ91は発振部92を有している。発振部92は一定の周期のパルス波形を発生するものであって、これをトリガ信号として用いる。電圧波形発生部93はこの発振部からのパルス信号に応じて一定周期ののこぎり波形を発生させるものであり、この出力は電圧源82に加えられる。電圧源82はこののこぎり波形状の電圧Vtuneによって振動板64を静電引力によって上下に変化させ、キャビティ部のキャビティ長を変化させるものである。ここで発振部92,電圧波形発生部93及び電圧源82はキャビティ長を変化させることにより発光波長を制御する波長制御部を構成している。
又発振部92からのトリガ信号は電流波形発生部94にも伝えられる。電流波形発生部94はトリガ信号に応じて1波長走査毎に注入電流レベルに応じた電流波形を発生させるものである。この電流波形は1周期の中間部分ではレベルが連続して低下する信号とし、この出力は電流源81に与えられる。電流源81はこのコントローラ91からの出力に基づいて電流値を変化させるものとする。ここで発振部92,電流波形発生部94及び電流源81は活性層に電流を注入し、注入電流を制御する電流コントローラを構成している。本実施の形態では、この電流コントローラは1波長走査の範囲内において発振出力が上昇する間に発振のレベルに応じて注入電流レベルを低下させるように制御する。
そして活性層73に電流源81より電流を注入することによって、上部DBR層66と下部DBR層72との間のキャビティで、ファブリーペローモードと一致した波長でレーザ発振する。このレーザ光がハンドル基板69の中央部より上方に向けて出力される。ここで図11(a)に示されるように、ハンドル基板69と振動板64との間に電圧源82より電圧Vtuneを印加し、その電圧をのこぎり波形状に変化させることによって、静電引力により振動部64aの位置は上下方向に変化する。従ってキャビティ長が変化し、図11(b)に示されるようにレーザ発振波長を変化させることができる。ここで図11(c)に示すように各波長の走査周期毎にそのサイクルの中央部分では駆動電流値を減少させ、両端では電流値を増加させる。従来では電流値が一定であるため、キャビティ長自体により規定される波長可変範囲よりもCODが生じないレベルに駆動電流値をとどめておく必要があって、波長可変範囲が制限されていた。一方本実施の形態では、駆動電流を低いレベルにとどめておく必要がなく、キャビティ長によって波長可変範囲を決定させることができ、広帯域化を実現することができる。
この実施の形態の面発光レーザでは、平行平板型のDBR層を用いてキャビティを形成し、そのキャビティ層を静電引力によって変化させることによって波長を変化させている。これに代えて特開2007−278868号に示されるように、基板上に下部DBR層及び活性層を設け、この活性層の上部にギャップを介して形成された片持ち構造の可動型DBR層を設けて活性層を電流駆動し、キャビティ長を電圧によって変化させる波長可変型の面発光レーザを用いてもよい。又静電引力に代えていずれか一方のDBR層に相異なる熱膨張係数を持つ複数の熱応力層を設け、温度を変化させることによってDBR層を変位させてもよい。こうすればバイモルフ効果によってキャビティのキャビティ長が変化し、波長を変化させることができる。又垂直櫛歯型のアクチュエータを用いてキャビティ長を変化させるようにした面発光レーザを用いることもできる。
本発明はゲイン媒体や活性層の電流制御により広帯域で波長が変化する波長走査型レーザ光源を得ることができる。従ってOCTなどの種々の分析機器、例えば医療用途では表皮下層の高分解能医用画像診断装置に適用することが可能となる。又ファイバグレーティングセンサを用いて歪みの計測をする場合に、本発明の波長走査型レーザ光源を光源として用いることができる。
本発明の第1の実施の形態による波長走査型レーザ光源の構成を示す図である。 本実施の形態の電流コントローラを示すブロック図である。 1走査時間に対する光出力レベル、トリガ信号、駆動電流、光出力の変化を示すグラフである。 比較例による波長走査型レーザ光源の1走査時間の出力ピーク値、駆動電流及び光出力を示すグラフである。 本実施の形態と比較例の波長に対する出力変化を示すグラフである。 本実施の形態の電流波形の出力を変化させたときの時間と光出力及び波長との関係を示す図である。 第1の本実施の形態の変形例による波長走査型レーザ光源を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による波長走査型レーザ光源の面発光レーザの上部基板の上面図である。 この実施の形態の上部基板のA−A線端面図である。 この実施の形態の波長走査型レーザ光源の全体構成を示す端面図である。 この実施の形態の波長走査型レーザ光源のコントローラのブロック図である。 この実施の形態の波長走査型レーザ光源の1走査時間の電圧波形、波長及び駆動電流の変化を示すグラフである。
符号の説明
10 波長走査型レーザ光源
11 光ファイバ
12 ゲイン媒体
13 光サーキュレータ
14 光カップラ
15 偏波コントローラ
22 コリメートレンズ
23,26 プリズム
24 ポリゴンミラー
25 駆動部
27 回折格子
33,53 フォトディテクタ
34 電流コントローラ
61 面発光レーザ
62 ミラー部
63 下部基板
64 振動板
64a 振動部
66 上部DBR層
67 ARコート層
68 絶縁層
69 ハンドル基板
71 基板
72 下部DBR層
73 活性層
74 DBR層
81 電流源
82 電圧源
91 コントローラ
92 発振部
93 電圧波形発生部
94 電流波形発生部

Claims (10)

  1. 発振する波長に対する利得を有するゲイン媒体と、
    前記ゲイン媒体を含む光共振器と、
    前記光共振器に接続され選択波長を周期的に変化させる波長可変光フィルタと、
    前記ゲイン媒体に電流を注入し、各波長走査の周期において注入する電流レベルを変化させるように制御する電流コントローラと、を具備する波長走査型レーザ光源。
  2. 前記光共振器は、
    前記光ファイバループと、
    前記光ファイバループの光の方向を規制して光を抽出する光サーキュレータとを有するものであり、
    前記波長可変光フィルタは、
    前記光サーキュレータから得られた光ビームを一定の角度範囲で偏向する光偏向部と、
    前記光偏向部からの光の波長を入射角度に応じて回折して選択すると共に、選択した波長の光を同一行路で前記光ファイバループの側に戻す回折格子と、を有する請求項1記載の波長走査型レーザ光源。
  3. 前記ゲイン媒体は、半導体光増幅器である請求項1又は2記載の波長走査型レーザ光源。
  4. 前記電流コントローラは、1波長走査の間に前記ゲイン媒体が損傷しない光出力レベルとなるように注入電流を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長走査型レーザ光源。
  5. 前記電流コントローラは、波長変化に対して1波長走査の間に光出力のレベルがガウス分布形状となるように注入電流を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長走査型レーザ光源。
  6. 振動板上に設けられ光を反射する上部DBR層と、
    基板上に形成された下部DBR層と、
    前記下部DBR層の上部に設けられ、前記上部基板の上部DBR層にギャップを介して対向する位置に形成された活性層と、
    前記下部DBR層と前記上部DBR層との間に形成されるキャビティのキャビティ長を変化させ、波長を制御する波長制御部と、
    前記活性層に電流を注入し、波長走査の範囲内において注入する電流レベルを制御する電流コントローラと、を具備する波長走査型レーザ光源。
  7. 前記キャビティは平行平板型であり、前記波長制御部は静電引力によって前記振動板を駆動する請求項6記載の波長走査型レーザ光源。
  8. 前記波長制御部は、
    のこぎり波状の電圧波形を発生する電圧波形発生部と、
    前記電圧波形発生部によって所定ののこぎり波状電圧を印加する電圧源と、を有するものであり、
    前記電流コントローラは、
    前記波長制御部ののこぎり波と同期して各走査周期の電流波形を変化させる電流波形発生部と、
    前記電流波形発生部より得られるレベルの電流を前記活性層に注入する電流源と、を有する請求項7記載の波長走査型レーザ光源。
  9. 前記電流コントローラは、1波長走査の間に前記活性層が損傷しない光出力レベルとなるように注入電流を制御する請求項6〜8のいずれか1項に記載の波長走査型レーザ光源。
  10. 前記電流コントローラは、波長変化に対して1波長走査の間に光出力のレベルがガウス分布形状となるように注入電流を制御する請求項6〜8のいずれか1項に記載の波長走査型レーザ光源。
JP2008228145A 2008-09-05 2008-09-05 波長走査型レーザ光源 Pending JP2010062426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008228145A JP2010062426A (ja) 2008-09-05 2008-09-05 波長走査型レーザ光源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008228145A JP2010062426A (ja) 2008-09-05 2008-09-05 波長走査型レーザ光源

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010062426A true JP2010062426A (ja) 2010-03-18

Family

ID=42188889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008228145A Pending JP2010062426A (ja) 2008-09-05 2008-09-05 波長走査型レーザ光源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010062426A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016523444A (ja) * 2013-07-03 2016-08-08 インフェニックス インコーポレイテッドInphenix, Inc. 掃引源光干渉断層撮影システム用の波長同調型垂直キャビティ面発光レーザー
WO2018105549A1 (ja) * 2016-12-09 2018-06-14 日本電信電話株式会社 波長掃引光源、波長掃引光源のための駆動データ作成方法および光偏向器
US10418784B2 (en) 2014-12-26 2019-09-17 Canon Kabushiki Kaisha Surface emitting laser, information acquiring apparatus, imaging apparatus, laser array, and method of manufacturing surface emitting laser
US10490978B2 (en) 2015-04-30 2019-11-26 Canon Kabushiki Kaisha Surface emitting laser, information obtaining apparatus, and imaging apparatus

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002374032A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Ando Electric Co Ltd 可変波長光源装置
JP2007042971A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Sun Tec Kk 波長走査型レーザ光源
JP2007184557A (ja) * 2005-12-05 2007-07-19 Fujifilm Corp 半導体発光素子および該素子を備えた光源装置および光断層画像化装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002374032A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Ando Electric Co Ltd 可変波長光源装置
JP2007042971A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Sun Tec Kk 波長走査型レーザ光源
JP2007184557A (ja) * 2005-12-05 2007-07-19 Fujifilm Corp 半導体発光素子および該素子を備えた光源装置および光断層画像化装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016523444A (ja) * 2013-07-03 2016-08-08 インフェニックス インコーポレイテッドInphenix, Inc. 掃引源光干渉断層撮影システム用の波長同調型垂直キャビティ面発光レーザー
US9762031B2 (en) 2013-07-03 2017-09-12 Inphenix, Inc. Wavelength-tunable vertical cavity surface emitting laser for swept source optical coherence tomography system
JP2017175157A (ja) * 2013-07-03 2017-09-28 インフェニックス インコーポレイテッドInphenix, Inc. 掃引源光干渉断層撮影システム用の波長同調型垂直キャビティ面発光レーザー
US10128637B2 (en) 2013-07-03 2018-11-13 Inphenix, Inc. Wavelength-tunable vertical cavity surface emitting laser for swept source optical coherence tomography system
US10418784B2 (en) 2014-12-26 2019-09-17 Canon Kabushiki Kaisha Surface emitting laser, information acquiring apparatus, imaging apparatus, laser array, and method of manufacturing surface emitting laser
US10490978B2 (en) 2015-04-30 2019-11-26 Canon Kabushiki Kaisha Surface emitting laser, information obtaining apparatus, and imaging apparatus
WO2018105549A1 (ja) * 2016-12-09 2018-06-14 日本電信電話株式会社 波長掃引光源、波長掃引光源のための駆動データ作成方法および光偏向器
EP3553903A4 (en) * 2016-12-09 2020-08-12 Nippon Telegraph and Telephone Corporation WAVELENGTH SCAN LIGHT SOURCE, CONTROL DATA GENERATION PROCESS FOR WAVELENGTH SCAN LIGHT SOURCE, AND OPTICAL DEFLECTOR
US11165219B2 (en) 2016-12-09 2021-11-02 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Swept light source and drive data generation method and optical deflector for swept light source
EP4191808A1 (en) * 2016-12-09 2023-06-07 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Swept light source and drive data generation method and optical deflector for swept light source
US11721948B2 (en) 2016-12-09 2023-08-08 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Swept light source and drive data generation method and optical deflector for swept light source

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2857876B1 (en) Tunable VCSEL
JP5898077B2 (ja) Oct医療用画像化のためのフィルタase掃引源
JP4527479B2 (ja) 波長走査型ファイバレーザ光源
EP2883291B1 (en) Wavelength sweepable laser source
JP6824605B2 (ja) 増幅素子、光源装置及び撮像装置
JP5121150B2 (ja) 波長可変レーザ光源
JP4885494B2 (ja) 波長可変レーザ光源
JP2010062426A (ja) 波長走査型レーザ光源
JP5223064B2 (ja) 波長走査型レーザ光源
US10161738B2 (en) OCT swept laser with cavity length compensation
JP2006024876A (ja) 波長走査型ファイバレーザ光源
KR102139845B1 (ko) 파장 가변 광원
JP2009060022A (ja) 波長走査型光源
EP2822114B1 (en) Surface emitting laser and optical coherence tomography measuring apparatus using the surface emitting laser
JP6818410B2 (ja) 波長可変レーザ装置及び光干渉断層計
Hu et al. Non-mechanical beam scanner based on VCSEL integrated amplifier with resonant wavelength detuning design
US20140139844A1 (en) Optical source apparatus and optical coherence tomography apparatus
Shimura et al. Non-mechanical beam scanner integrated VCSEL for solid state LIDAR
JP6709588B2 (ja) レーザー光源装置及び干渉計
Härtelt et al. Advances of MOEMS-based external cavity QCLs
JP3422804B2 (ja) レーザ発振器のスペクトル線幅制御装置
Gambell Investigation of Narrowband Acousto-Optic Tunable Filters for Semiconductor Laser Tuning
Isago et al. A wavelength swept laser with the sweep rate of 150 kHz using vibrations of optical fiber
JP2012080134A (ja) 空間モード同期レーザ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402