JP2007138993A - 油圧調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルポンプによる空気の吸込みを抑制する。
【解決手段】油圧回路4000は、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されるATFをオイルポンプ4100の吸入側(上流側)に導く油路4300と、油路4300に設けられたオリフィス4400と、オリフィス4400よりも上流側において、油路4300に接続され、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されたATFを貯留するアキュムレータ4500とを含む。
【選択図】図4
【解決手段】油圧回路4000は、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されるATFをオイルポンプ4100の吸入側(上流側)に導く油路4300と、油路4300に設けられたオリフィス4400と、オリフィス4400よりも上流側において、油路4300に接続され、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されたATFを貯留するアキュムレータ4500とを含む。
【選択図】図4
Description
本発明は、油圧調整装置に関し、特にオイルパンからオイルポンプに吸入されたオイルが流通する油圧調整装置に関する。
従来より、油圧を用いて作動する車両用の自動変速機が知られている。一般的に、自動変速機の作動に用いられるオイルは、オイルパンに蓄えられる。このオイルパンに蓄えられたオイルはオイルポンプにより吸入され、バルブボデー内の油圧回路に吐出される。オイルポンプから吐出されたオイルの油圧は、プライマリレギュレータバルブ等により調整(調圧)される。
特開2003−329120号公報(特許文献1)は、オイルポンプから吐出されたオイルの油圧をプライマリレギュレータバルブにより調圧する油圧回路を開示する。この公報に記載の油圧回路は、ストレーナを介してオイルタンク(オイルパン)内のオイルを吸入し、油路L−1に吐出するオイルポンプと、油路L−1に出力された油圧を調圧するプライマリレギュレータバルブとを含む。プライマリレギュレータバルブから油路L−2にセカンダリ圧の油圧が出力され、油路L−9にドレン油が排出され、それに伴って、ライン圧が生成される。プライマリレギュレータバルブのドレンポートは、油路L−9を介してオイルポンプの吸入側に連通される。
特開2003−329120号公報
しかしながら、特開2003−329120号公報に記載の油圧回路のように、ストレーナからオイルパン内のオイルを吸入する油圧回路においては、急旋回や急制動により、オイルパン内の油面がストレーナよりも下方に位置する場合がある。この場合、オイルポンプが空気を吸い込み、オイルポンプからプライマリレギュレータバルブへのオイル供給が途切れ、ライン圧が低下し得る。そのため、自動変速機のクラッチやブレーキ等の係合力が不足し、自動変速機における動力伝達が不十分になり得る。特開2003−329120号公報に記載の油圧回路においては、プライマリレギュレータバルブからドレンされたオイルをオイルポンプの吸込み側に戻しているが、このようにしてもオイルポンプによる空気の吸込みに対応できる程の十分な量のオイルを確保できるとは限らない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、オイルポンプによる空気の吸込みを抑制することができる油圧調整装置を提供することである。
第1の発明に係る油圧調整装置は、オイルパンからオイルポンプに吸入されたオイルが流通する油圧調整装置である。この油圧調整装置は、オイルポンプから吐出されたオイルの圧力を調整する調整弁と、調整弁から排出されたオイルを貯留するための貯留手段と、調整弁から排出されたオイルを貯留手段に貯留させ、オイルポンプに吸入されるオイルの量が低下した場合に、貯留手段に貯留されたオイルをオイルポンプに供給するための供給手段とを含む。
第1の発明によると、調整弁がオイルポンプから吐出されたオイルの圧力を調整する際に、調整弁から排出されたオイルが貯留手段に貯留される。たとえばオイルポンプが空気を吸い込むことにより、オイルポンプに吸入されるオイルの量が低下した場合、貯留手段に貯留されたオイルがオイルポンプに供給される。これにより、オイルポンプが空気を吸い込んだ際において、貯留手段から十分な量のオイルをオイルポンプに供給することができる。そのため、オイルポンプによる空気の吸込みを抑制することができる油圧調整装置を提供することができる。
第2の発明に係る油圧調整装置においては、第1の発明の構成に加え、供給手段は、調整弁から排出されたオイルをオイルポンプの上流側に導く油路と、油路を流れるオイルの流れを制限するための制限手段とを含む。貯留手段は、制限手段よりも上流側において油路に接続される。
第2の発明によると、調整弁から排出されたオイルをオイルポンプの上流側に導く油路内のオイルの流れが、制限手段により制限される。これにより、制限手段よりも上流側におけるオイルの圧力を高めることができる。そのため、制限手段よりも上流側において油路に接続される貯留手段にオイルを貯留することができる。そのため、オイルポンプに吸入されるオイルの量が低下した場合において、貯留手段からオイルポンプにオイルを供給することができる。
第3の発明に係る油圧調整装置は、第2の発明の構成に加え、油路内の油圧を予め定められた圧力よりも低くするための手段をさらに含む。
第3の発明によると、油路内の油圧が予め定められた圧力よりも低くされる。これにより、調整弁に接続された油路や貯留手段内の圧力(油圧)が、過度に高くなることを抑制することができる。そのため、オイルが漏れ出す等の悪影響が生じることを抑制することができる。
第4の発明に係る油圧調整装置は、第2または3の発明の構成に加え、調整弁から油路に流入するオイルの流れを許容するとともに、油路から調整弁に流出するオイルの流れを禁止するための手段をさらに含む。
第4の発明によると、調整弁から油路に流入するオイルの流れが許容される一方、油路から調整弁に流出するオイルの流れが禁止される。これにより、油路から調整弁にオイルが逆流し、調整弁の作動に悪影響を与えることを抑制することができる。
第5の発明に係る油圧調整装置は、第2〜4のいずれかの発明の構成に加え、オイルの温度が予め定められた温度よりも低い場合に、油路から貯留手段へのオイルの流れを禁止するための禁止手段と、オイルの温度が予め定められた温度よりも高い場合に、油路から貯留手段へのオイルの流れおよび貯留手段から油路へのオイルの流れを許容するための許容手段とをさらに含む。
第5の発明によると、オイルの粘度が高く、油圧調整装置等を循環したオイルがオイルパンに戻り難いためにオイルパン内の油面が低くなる低油温時において、油路から貯留手段へのオイルの流れが禁止される。これにより、たとえばオイルパンに戻されるオイルが減少することを抑制することができる。そのため、オイルパン内の油面が低くなることを抑制することができる。また、オイルの粘度が低いためにオイルパンに戻されるオイルが多く、油面の低下を抑制する必要がない高油温時において、油路から貯留手段へのオイルの流れおよび貯留手段から油路へのオイルの流れが許容される。これにより、貯留手段によりオイルを貯留することができる。そのため、オイルポンプが空気を吸い込んだ際において、貯留手段から十分な量のオイルをオイルポンプに供給することができる。その結果、低油温時および高油温時の両方において、オイルポンプによる空気の吸込みを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る油圧調整装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、本実施の形態に係る自動変速機の油圧調整装置を搭載した車両は、FF以外の車両であってもよい。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る油圧調整装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、本実施の形態に係る自動変速機の油圧調整装置を搭載した車両は、FF以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。なお、内燃機関の代わりに外燃機関を用いても良い。また、エンジン1000の代わりに回転電機などを用いてもよい。
オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。オートマチックトランスミッション2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。
ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8005と、アクセルペダル8006のアクセル開度センサ8007と、ブレーキペダル8008に設けられたストップランプスイッチ8009と、油温センサ8010と、入力軸回転数センサ8012と、出力軸回転数センサ8014と水温センサ8016とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転数から車両の車速を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置は、ポジションスイッチ8005により検知され、検知結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8007は、アクセルペダル8006の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。ストップランプスイッチ8009は、ブレーキペダル8008のON/OFF状態を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。なお、ストップランプスイッチ8009の代わりに、もしくは加えてブレーキペダ
ル8008のストローク量を検知するストロークセンサを設けるようにしてもよい。
ル8008のストローク量を検知するストロークセンサを設けるようにしてもよい。
油温センサ8010は、オートマチックトランスミッション2000のATF(Automatic Transmission Fluid)の温度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。
入力軸回転数センサ8012は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIを検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8014は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOを検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。水温センサ8016は、エンジン1000の冷却水温の温度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8005、アクセル開度センサ8007、ストップランプスイッチ8009、油温センサ8010、入力軸回転数センサ8012、出力軸回転数センサ8014などから送られてきた信号、ROM(Read
Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と噛合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と噛合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と噛合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
ワンウェイクラッチF3660は、B2ブレーキ3620と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチF3660のアウターレースはギヤケース3600に固定され、インナーレースはリングギヤR(1)(R(2))3450に回転軸を介して連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4100と、プライマリレギュレータバルブ4200と、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されるATFをオイルポンプ4100の吸入側(上流側)に導く油路4300と、油路4300に設けられたオリフィス4400と、アキュムレータ4500とを含む。
オイルポンプ4100は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4100が駆動してストレーナ4102を介してオイルパン4104内に貯えられたATFを吸い込み、油圧を発生する。オイルポンプ4100で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4200により調圧され、ライン圧が生成される。
このライン圧を元圧として油圧を調圧するリニアソレノイドバルブ(図示せず)等を介して、最終的には、B1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620、B3ブレーキ3630、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650に油圧が供給される。
プライマリレギュレータバルブ4200は、リニアソレノイド(SLT)4202により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。リニアソレノイド(SLT)4202には、ライン圧を元圧としてソレノイドモジュレータバルブ4204により一定の圧力に調圧されたソレノイドモジュレータ圧が供給される。
リニアソレノイド(SLT)4202は、アクセル開度センサ8007により検知されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。
ライン圧が生成される際において、プライマリレギュレータバルブ4200から流出(排出)した余分な作動油は、セカンダリレギュレータバルブ(図示せず)に供給される他、油路4300によりオイルポンプ4100の吸入側(上流側)に導かれる。
油路4300に設けられたオリフィス4400は、プライマリレギュレータバルブ4200からオイルポンプ4100側へのATFの流れを制限する。すなわち、オリフィス4400は、オリフィス4400よりも上流側(プライマリレギュレータバルブ4200側)の油圧を下流側(オイルポンプ4100側)の油圧よりも高くする。
アキュムレータ4500は、オリフィス4400よりも上流側において、油路4300に接続される。アキュムレータ4500は、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されたATFを貯留する。
油路4300やアキュムレータ4500における油圧の異常上昇を抑制するため、オリフィス4400をバイパスしたバイパス油路4302上にリリーフバルブ4600が設けられる。リリーフバルブ4600は、オリフィス4400よりも上流側の油圧(アキュムレータ4500内の油圧)が予め定められた油圧P(0)未満である場合、プライマリレギュレータバルブ4200からオイルポンプ4100側へのATFの流れを禁止する。逆に、油圧がP(0)以上である場合、リリーフバルブ4600は、プライマリレギュレータバルブ4200からオイルポンプ4100側へのATFの流れを許容する。
さらに、油路4300上には、アキュムレータ4500と油路4300との接続点よりも上流側(プライマリレギュレータバルブ4200側)において、逆止弁4700が設けられる。逆止弁4700は、プライマリレギュレータバルブ4200から油路4300へのATFの流れを許容し、油路4300からプライマリレギュレータバルブ4200へのATFの流れを禁止する。
以上のような構造に基づく、本実施の形態に係る油圧調整装置の動作について説明する。
エンジン1000の運転によりオイルポンプ4100が駆動されストレーナ4102を介してオイルパン4104に貯められたATFが吸入される。このATFがオイルポンプ4100から吐出され、プライマリレギュレータバルブ4200により油圧が調圧されてライン圧が生成される。
ライン圧を生成する際にプライマリレギュレータバルブ4200から排出されるATFは、セカンダリレギュレータバルブに供給される他、油路4300に流入する。油路4300に流入したATFは、オイルポンプ4100の吸入側へ流れる。
このとき、油路4300のオリフィス4400を通過することにより、オリフィス4400よりも上流側の油圧が下流側の油圧よりも高くなる。図5に示すように、油路4300を流通するATFの流量が多くなるほど、油圧が高くなる。
これにより、油路4300を流通するATFをアキュムレータ4500側に流すことができる。そのため、プライマリレギュレータバルブ4200から排出され、油路4300に流入したATFをアキュムレータ4500に貯留することができる。
さらにこのとき、油路4300内の油圧が高くなっても、逆止弁4700により油路4300からプライマリレギュレータバルブ4200へのATFの逆流が抑制される。そのため、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されたATFがプライマリレギュレータバルブ4200に逆流することを抑制し、プライマリレギュレータバルブ4200の作動不良が生じることを抑制することができる。
オリフィス4400により高められた油圧がP(0)以上になると、リリーフバルブ4600が開き、バイパス油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4200側からオイルポンプ4100側に(上流から下流に)ATFが流される。これにより、油路4300およびアキュムレータ4500内の油圧が過度に高くなることを抑制することができる。そのため、油圧回路4000においてATFが漏れ出す等の悪影響が生じることを抑制することができる。
ところで、車両の急旋回や急制動等により、オイルパン4104内の油面がストレーナ4102よりも下方に位置すると、オイルポンプ4100が空気を吸込む。この場合、オイルポンプ4100から吐出されるATF量が不足し、ライン圧が低下する。ライン圧が低下すると、クラッチやブレーキ等に供給する油圧が低下し、オートマチックトランスミッション2000における動力伝達が不十分になり得る。
しかしながら、本実施の形態においては、オイルポンプ4100が空気を吸込むことによりオイルポンプ4100に吸入されるATF量が低下すると、アキュムレータ4500に貯留された高圧のATFがアキュムレータ4500から油路4300に流出する。アキュムレータ4500から油路4300に流出したATFは、オイルポンプ4100の吸入側に流れてオイルポンプ4100により吸入される。これにより、オイルポンプ4100に十分な量のATFを供給し、オイルポンプ4100が空気を吸込むことを抑制することができる。そのため、オイルポンプから吐出されるATF量が不足し、ライン圧が低下することを抑制することができる。その結果、オートマチックトランスミッション2000における駆動力の伝達不足を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る油圧調整装置の油圧回路によれば、ライン圧を生成する際においてプライマリレギュレータバルブから排出されたATFがアキュムレータに貯留される。オイルポンプが空気を吸込むことによりオイルポンプに吸入されるATF量が低下した場合は、アキュムレータに貯留されたATFがオイルポンプに供給される。これにより、オイルポンプが空気を吸込むことを抑制することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、油圧回路4000に、油温(ATFの温度)に応じて制御されるソレノイドバルブ4800が設けられた点で、前述の第1の実施の形態と相違する。
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、油圧回路4000に、油温(ATFの温度)に応じて制御されるソレノイドバルブ4800が設けられた点で、前述の第1の実施の形態と相違する。
図6を参照して、本実施の形態に係る油圧調整装置の油圧回路4000について説明する。なお、前述の第1の実施の形態における油圧回路4000と同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図6に示すように、ソレノイドバルブ4800は、油路4300とアキュムレータ4500との間に設けられる。ソレノイドバルブ4800は、アキュムレータ4500からオイルパン4104へのオイルの流れを許容し、油路4300とアキュムレータ4500との間におけるオイルの流れを遮断する第1の状態をとり得る。また、ソレノイドバルブ4800は、アキュムレータ4500からオイルパン4104へのオイルの流れを禁止し、油路4300とアキュムレータ4500との間におけるオイルの流れを許容する第2の状態をとり得る。
ソレノイドバルブ4800がいずれの状態となるかは、油温センサ8010により検知される油温に応じてECU8000により制御される。なお、ソレノイドバルブ4800が第1の状態である場合、アキュムレータ4500から油路4300へのオイルの流れを許容し、油路4300からアキュムレータ4500へのオイルの流れのみを禁止するようにしてもよい。この場合、アキュムレータ4500からオイルパン4104にオイルが戻されないようにしてもよい。
図7を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、油温センサ8010から送信された信号に基づいて、オートマチックトランスミッション2000の油温を検知する。
S200にて、ECU8000は、油温がしきい値よりも低いか否かを判別する。油温がしきい値よりも低い場合(S200にてYES)、処理はS300に移される。もしそいでないと(S200にてNO)、処理はS400に移される。
S300にて、ECU8000は、ソレノイドバルブ4800を第1の状態に制御する。S400にて、ECU8000は、ソレノイドバルブ4800を第2の状態に制御する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る油圧調整装置の動作について説明する。
エンジン1000の運転中、油温が検知され(S100)、油温がしきい値よりも低いか否かが判別される(S200)。油温がしきい値よりも低いと(S200にてYES)、ATFの粘度が高く、油圧回路4000内におけるATFの流れが悪い状態であるといえる。この場合、油圧回路4000やオートマチックトランスミッション2000内の潤滑経路を循環してオイルパン4104に戻されるATF量が少なくなる。そのため、オイルパン4104内の油面が低下し、オイルポンプ4100が空気を吸込み易くなる。
そこで、油温がしきい値よりも低いと(S200にてYES)、アキュムレータ4500からオイルパン4104へのオイルの流れを許容し、油路4300とアキュムレータ4500との間におけるオイルの流れを遮断する第1の状態になるようにソレノイドバルブ4800が制御される(S300)。
これにより、アキュムレータ4500に新たにオイルが貯留されることを抑制するとともに、アキュムレータ4500内に貯留されていたオイルをオイルパン4104に戻すことができる。そのため、低油温時においてオイルパン4104内の油面が低下することを抑制し、オイルポンプ4100が空気を吸込むことを抑制することができる。
一方、油温がしきい値よりも高いと(S200にてYES)、ATFの粘度が低く、油圧回路4000内におけるATFの流れがよい状態であるといえる。この場合、油圧回路4000やオートマチックトランスミッション2000内の潤滑経路を循環してオイルパン4104に戻されるATF量が多くなる。したがって、オイルパン4104内の油面が低下することを抑制する必要はない。
そこで、油温がしきい値よりも高いと(S200にてNO)、アキュムレータ4500からオイルパン4104へのオイルの流れを禁止し、油路4300とアキュムレータ4500との間におけるオイルの流れを許容する第2の状態になるようにソレノイドバルブ4800が制御される(S400)。
これにより、プライマリレギュレータバルブ4200から排出されたATFをアキュムレータ4500に貯留し、オイルポンプ4100が空気を吸込んだ場合には、アキュムレータ4500に貯留されたATFをオイルポンプ4100に供給することができる。そのため、オイルポンプ4100が空気を吸込むことを抑制することができる。
また、アキュムレータ4500に貯留されるATF量だけオートマチックトランスミッション2000のケース下部に溜まる余分なATFを減らすことができる。そのため、オートマチックトランスミッション2000のケース下部に溜まるATFをギヤ等が攪拌することによる攪拌損失を抑制し、究極的には燃費をよくすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る油圧調整装置によれば、オイルパン内の油面が低下し得る低油温時において、アキュムレータからオイルパンへのオイルの流れを許容し、油路とアキュムレータとの間におけるオイルの流れを遮断する第1の状態になるようにソレノイドバルブが制御される。また、高油温時において、アキュムレータからオイルパンへのオイルの流れを禁止し、油路とアキュムレータとの間におけるオイルの流れを許容する第2の状態になるようにソレノイドバルブが制御される。これにより、低油温時においては、アキュムレータにオイルが貯留されることを抑制するとともに、アキュムレータ内に貯留されていたオイルをオイルパンに戻すことができる。そのため、低油温時においてオイルパン内の油面が低下することを抑制することができる。また、高油温時においては、プライマリレギュレータバルブから排出されたATFをアキュムレータに貯留させることができる。そのため、オイルポンプが空気を吸込んだ場合には、アキュムレータに貯留されたATFをオイルポンプに供給することができる。その結果、低油温時および高油温時の両方において、オイルポンプが空気を吸込むことを抑制することができる。
なお、上述の第2の実施の形態においてはECU8000により制御されるソレノイドバルブ4800を用いていたが、ソレノイドバルブ4800の代わりにバイメタル等を用いたサーマルバルブを用いるようにしてもよい。このようにすれば、ECU8000による制御を必要とすることなく、アキュムレータ4500に流入したり、アキュムレータ4500から流出したりするオイルの流れを切替えることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1000 エンジン、2000 トランスミッション、3000 プラネタリギヤユニット、3200 トルクコンバータ、3610 B1ブレーキ、3620 B2ブレーキ、3630 B3ブレーキ、3640 C1クラッチ、3650 C2クラッチ、3660 ワンウェイクラッチF、4000 油圧回路、4100 オイルポンプ、4102 ストレーナ、4104 オイルパン、4200 プライマリレギュレータ、4200 プライマリレギュレータバルブ、4202 リニアソレノイド(SLT)、4204 ソレノイドモジュレータバルブ、4300 油路、4302 バイパス油路、4400 オリフィス、4500 アキュムレータ、4600 リリーフバルブ、4700 逆止弁、4800 ソレノイドバルブ、8000 ECU、8010 油温センサ。
Claims (5)
- オイルパンからオイルポンプに吸入されたオイルが流通する油圧調整装置であって、
前記オイルポンプから吐出されたオイルの圧力を調整する調整弁と、
前記調整弁から排出されたオイルを貯留するための貯留手段と、
前記調整弁から排出されたオイルを前記貯留手段に貯留させ、前記オイルポンプに吸入されるオイルの量が低下した場合に、前記貯留手段に貯留されたオイルを前記オイルポンプに供給するための供給手段とを含む、油圧調整装置。 - 前記供給手段は、
前記調整弁から排出されたオイルを前記オイルポンプの上流側に導く油路と、
前記油路を流れるオイルの流れを制限するための制限手段とを含み、
前記貯留手段は、前記制限手段よりも上流側において前記油路に接続される、請求項1に記載の油圧調整装置。 - 前記油圧調整装置は、
前記油路内の油圧を予め定められた圧力より低くするための手段をさらに含む、請求項2に記載の油圧調整装置。 - 前記油圧調整装置は、前記調整弁から前記油路に流入するオイルの流れを許容するとともに、前記油路から前記調整弁に流出するオイルの流れを禁止するための手段をさらに含む、請求項2または3に記載の油圧調整装置。
- 前記油圧調整装置は、前記オイルの温度が予め定められた温度よりも低い場合に、前記油路から前記貯留手段へのオイルの流れを禁止するための禁止手段と、
前記オイルの温度が予め定められた温度よりも高い場合に、前記油路から前記貯留手段へのオイルの流れおよび前記貯留手段から前記油路へのオイルの流れを許容するための許容手段とをさらに含む、請求項2〜4のいずれかに記載の油圧調整装置。
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- 2005-11-15 JP JP2005330174A patent/JP2007138993A/ja not_active Withdrawn
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