JP2007138635A - 断熱床下地パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 断熱性に優れるため、その分薄くて軽く形成することができ、かつ、床下地材として高強度を有するので、その結果、運搬、施工時の取り扱い性がよく、また、床パネルの内部を区切る桟材を有しないので断熱材が分断される箇所が少なく、施工した部屋全体の断熱効率がよい断熱床下地パネルを提供すること。
【解決手段】 木質材からなる剛性のある表裏面材1、1’と、この表裏面材1、1’の間に配された、芯材を包材で真空パックしたものからなる真空断熱材3と、該真空断熱材3の四周端部に配された、木質材からなる枠材2とで形成されている断熱床下地パネルA。
【選択図】 図1
【解決手段】 木質材からなる剛性のある表裏面材1、1’と、この表裏面材1、1’の間に配された、芯材を包材で真空パックしたものからなる真空断熱材3と、該真空断熱材3の四周端部に配された、木質材からなる枠材2とで形成されている断熱床下地パネルA。
【選択図】 図1
Description
本発明は、住宅など建築物の床下地材に用いるに好適な、断熱性に優れた断熱床下地パネルに関する。
従来より、一般住宅の床下を断熱するために、図5に示すように根太側面等に取付金具を固定し、グラスウール、ロックウール等の繊維系断熱材あるいはポリエチレン、ポリスチレン等の発泡樹脂系断熱材を取付けて、根太の上面に合板等の床下地板を釘固着して形成されたものは良く知られている。
又、これらの工程をできるだけ簡素化するために、上記断熱材と下地板とを一体化した床パネルが各種提案されている。例えば、特許文献1では大引と根太からなる床フレームの上面に下地板、断熱材、表面板を貼り付けた床パネルが開示されている。あるいは、特許文献2では複数の根太の間にグラスウールを入れて面材と網体とで一体に固定した床パネルが開示されている。また、特許文献3では複数本の桟材を配設し、繊維系断熱材と発泡樹脂系断熱材を組み合せて一体とした断熱床パネルが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1から3に示すいずれの床パネルも、充分な断熱性を付与しようとすると、35mmを超えるような厚みのある大掛かりなものとなり、この為、施工現場への運搬や施工現場での振り回しなどの取り扱い性が非常に悪かった。また、上記特許文献1から3に示すいずれの床パネルも、強度を持たせるために床パネル周囲の枠材だけでなく枠材内部に更に骨組みとなる桟材を有するので、断熱材がこの桟材で分断されて非連続となる部分が多くなり、床パネルを施工した部屋全体の断熱効率が低下する問題も有していた。
特開平5−141028号公報
特開平8−60773号公報
特開平10−266381号公報
本発明は、かかる従来の問題に鑑みなされたもので、断熱性に優れるため、その分薄くて軽く形成することができ、かつ、床下地材として高強度を有するので、その結果、運搬、施工時の取り扱い性がよく、また、床パネル内部を骨組みとして区切る桟材を有しないので断熱材が分断される箇所が少なく、施工した部屋全体の断熱効率がよい断熱床下地パネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の断熱床下地パネルは、木質材からなる剛性のある表裏面材と、該表裏面材の中間に配された、芯材を包材で真空パックしてなる真空断熱材と、該真空断熱材の四周端部に配された、木質材からなる枠材とで形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明に係る断熱床下地パネルは、その中間層に、芯材を包材で真空パックしたものからなる真空断熱材が配されているため、従来の繊維系断熱材や発泡樹脂系断熱材に比べて極めて高い断熱性能を発現することができる。また、上記断熱床下地パネルは、四周端部に枠材を配するが、パネル内部を区切る桟材は有していないので、断熱材が分断される箇所が少なく、断熱欠損部分が少なくなることで、部屋全体に高い断熱性能を付与することができる。
また、本発明の断熱床下地パネルは断熱性に優れるので、その分30mm以下程度と薄く軽く形成することができ、これによって運搬作業や施工時の取り回し作業を大幅に軽減させることを可能にする。
更に上記断熱床下地パネルは表裏面材が剛性を有しているので、パネル内部を区切る桟材がなくても高い強度をもち、根太を介さない省施工を可能とする。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は、本発明の断熱床下地パネルAを示し、木質材からなる剛性のある表面材1、及び裏面材1’と、該表裏面材1、1’の間に積層接着された、図2に示すような芯材3aを包材3bで真空パックしたものからなる真空断熱材3と、この真空断熱材3の四周端部に配された、木質材からなる枠材2とで形成されている。
又、断熱床下地パネルAは、その隣り合う断熱床下地パネルAと嵌合できるように、その四周端部木口に雇い実(図3)や本実(図示せず)等の加工を施されたものとしてもよい。このような接合加工を施すことにより、パネル同士の接合をより強固に行うことができ、床に剛性を与え、又、パネル同士が一体となることで歩行時の変動も抑えられ、継ぎ目で発生しやすい不快な床鳴り音を防止することができる。
ここにおいて、表面材1、裏面材1’、及び枠材2を構成する木質材としては、単板を積層接着して形成される合板やLVL、木材小片を接着剤で接着して形成される木質繊維板、パーティクルボード、フレークボード、ウェハーボード、集成材、木材、木材単板、或いはこれらの組み合わせがなるものを用いることができる。又これらの原料となる木材には、植林木、建築廃材、間伐材等の再生可能資源や再生資源を、地球環境上好ましく用いることができる。
特に、上記表面材1及び裏面材1’を合板やLVLで形成すると、高い剛性を有する断熱床下地パネルAに形成することができ、特にその断熱床下地パネルAの厚さを24mm以上、望ましくは27mm以上、30mm以下とするとよい。24mm未満では断熱床下地パネルの曲げヤング率3.5kN/mm2以上を確保することができないので、根太を介さない省施工が難しくなる。厚さが30mmを超えると断熱床下地パネルの重量が増大し取り扱いに負担がかかると共に、床仕上げ面が高くなるので、室内の高さ空間の設計自由度が小さくなってしまう。
また、真空断熱材3を形成する芯材3aとしては、シリカ、グラスウール、ウレタンフォーム等が用いられる。包材3bは金属フィルム、例えばアルミ箔のラミネートフィルム等、できるだけガスを透過させないシートが望ましい。更にこの真空断熱材3にはガス吸着剤を混入してもよい。ガス吸着剤によって真空断熱材3内部の圧力上昇原因であるガスを吸着させることで、経時変化による断熱性能低下を抑制することができる。
この真空断熱材3は熱伝導率が0.012W/mK以下、好ましくは0.004W/mK以下がよい。0.012W/mKよりも大きな値であると、例えば住宅金融公庫の新省エネ基準において、床部分における断熱材の熱抵抗の基準値が0.5m2・℃/W以上である地域では、真空断熱材3の厚さが6mmよりも大きなものが必要となり、断熱床下地パネルとして構成すると厚さが30mmより大きくなるので、結果的に前記のように取り扱い性も設計性も低下するので実施上不適となる。
断熱床下地パネルAの真空断熱材3の四周端部に配された、木質材からなる枠材2の幅は30〜50mmがよい。30mmより小さいと釘打ち領域4が狭くなり施工しづらくなる。50mmより大きくなると床下地パネル下の大引き幅よりも、隣り合ったパネルの枠材2と枠材2との幅が広くなって真空断熱材の端部位置が大引き上から外れてしまい、縦横の床下地面として断熱欠損部分が大きくなる、言い換えると断熱床下地パネルの断熱領域5が大引きと大引きの間よりも小さくなるので、床下断熱としての断熱効率が低下する。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
表裏面材として厚さ12mm、幅910mm、長さ1820mmの7プライ合板を2枚と、枠材として厚さ5mm、幅30mm、長さ850mmの3プライ合板を2枚と厚さ5mm、幅30mm、長さ1820mmの3プライ合板を2枚と、厚さ5mm、幅850mm、長さ1760mmの真空断熱材を準備した。真空断熱材はグラスウールを芯材として用いて、アルミ箔のラミネートフィルムを包材として真空パックしており、その熱伝導率は0.0025W/mKであった。
(実施例1)
表裏面材として厚さ12mm、幅910mm、長さ1820mmの7プライ合板を2枚と、枠材として厚さ5mm、幅30mm、長さ850mmの3プライ合板を2枚と厚さ5mm、幅30mm、長さ1820mmの3プライ合板を2枚と、厚さ5mm、幅850mm、長さ1760mmの真空断熱材を準備した。真空断熱材はグラスウールを芯材として用いて、アルミ箔のラミネートフィルムを包材として真空パックしており、その熱伝導率は0.0025W/mKであった。
ついで、上記2枚の表裏面材の間に上記真空断熱材を中央に配し、四周端部に枠材を設置して、各材料を積層接着し、厚さ29mm、幅910mm、長さ1820mm、重量28kgの断熱床下地パネルAを得た。
上記断熱床下地パネルAを複数枚、所定厚さのスラブ上に設置された床大引き7上に施工した。施工時の取り扱いにおいて、なんら特殊な設備は不要であり、釘固着においても特殊な工具は不要であった。
そしてこの施工によって一方の断熱床下地パネルAと他方の断熱床下地パネルAが接することで連続する構成となり、これが順次縦横に拡大して床面全面に隙間なく敷設された状態の床下地面を得た。一方の断熱床下地パネルAに内包されている真空断熱材3と他方の断熱床下地パネルAに内包されている真空断熱材3との間隔は60mm程度であり、それぞれの真空断熱材3の端部は大引き7上に掛かっている状態とすることができた。(図4)
(実施例2)
実施例1と同様に作製した断熱床下地パネルAの四周端部に雇い実を形成し、木質材からなる雇い片6を用意した。
実施例1と同様に作製した断熱床下地パネルAの四周端部に雇い実を形成し、木質材からなる雇い片6を用意した。
ついで、この断熱床下地パネルAを複数枚、所定厚さのスラブ上に設置された床大引き7上に施工した。この施工によって一方の断熱床下地パネルAと他方の断熱床下地パネルAと接することで連続する構成となると共に、雇い片6によって水平面がほぼ面一となるように施工することができた。(図3)
さらに、この断熱床下地パネルAの継ぎ目部分を踏みつけて、繰り返し荷重をかけたところ、不快音である床鳴り現象の発生は確認できなかった。
(比較例1)
実施例1の真空断熱材による断熱熱抵抗の値は2.0であり、それに対応するポリスチレンフォーム3種(熱伝導率0.029W/mK)で換算すると、必要厚さは58mmである。これで実施例1と同様の断熱性と強度を発現する床パネルにするには、厚さ12mmの表裏面材と厚さ58mmの枠材を必要とし、それぞれを積層接着すると厚さ82mmの床パネルが形成される。
実施例1の真空断熱材による断熱熱抵抗の値は2.0であり、それに対応するポリスチレンフォーム3種(熱伝導率0.029W/mK)で換算すると、必要厚さは58mmである。これで実施例1と同様の断熱性と強度を発現する床パネルにするには、厚さ12mmの表裏面材と厚さ58mmの枠材を必要とし、それぞれを積層接着すると厚さ82mmの床パネルが形成される。
比較例1は実施例1に比べて大掛かりなパネルとなるので、施工現場への運搬や施工現場での振り回しなどの取り扱い性が非常に悪いものとなるのは自明である。
A 断熱床下地パネル
1 表面材
1’ 裏面材
2 枠材
3 真空断熱材
3a 芯材
3b 包材
4 断熱床下地パネルの釘打ち領域
5 断熱床下地パネルの断熱領域
6 雇い実片
7 大引き
8 取付金具
9 断熱材
10 合板
1 表面材
1’ 裏面材
2 枠材
3 真空断熱材
3a 芯材
3b 包材
4 断熱床下地パネルの釘打ち領域
5 断熱床下地パネルの断熱領域
6 雇い実片
7 大引き
8 取付金具
9 断熱材
10 合板
Claims (1)
- 木質材からなる剛性のある表裏面材と、該表裏面材の中間に配された、芯材を包材で真空パックしてなる真空断熱材と、該真空断熱材の四周端部に配された、木質材からなる枠材とで形成されていることを特徴とする断熱床下地パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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ID=38201837
Family Applications (1)
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-
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- 2005-11-21 JP JP2005336265A patent/JP2007138635A/ja active Pending
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