JP2007138085A - インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の製造方法及び平版印刷版 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の製造方法及び平版印刷版 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線の照射に対して高感度で硬化し、保存安定性の良好であり、形成された印刷物及び平版印刷版における画質の低下や基材の劣化が抑制されたインク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法、さらに、該インク組成物を用いて得られた印刷物、平版印刷版、及び、平版印刷版の製造方法を提供する。
【解決手段】(a)カチオン重合性化合物、(b)放射線の照射により酸を発生する化合物、及び、(c)放射線の照射により塩基性窒素原子を有する特定構造の有機酸化合物を発生するオニウム塩化合物を含有することを特徴とするインク組成物、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法、該インク組成物を用いて得られた印刷物、平版印刷版、並びに、平版印刷版の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、インクジェット記録方法、およびこれを用いた印刷物、さらに、該インク組成物を用いて得られる平版印刷版ならびに平版印刷版の製造方法に関するものである。詳しくは、放射線の照射に対して、高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、保存安定性と連続吐出安定性が良好であり、且つ、画像形成後に画像部に残存する酸による画質や基材の劣化が抑制されたインクジェット記録用に好適なインク組成物、インクジェット記録方法、およびこれを用いた印刷物、該インクを用いて得られる平版印刷版ならびに平版印刷版の製造方法に関するものである。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。なかでも、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、印刷物の生産性や印字画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
インクジェット方式の一つとして、放射線の照射により、硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、印字後直ちに又は一定の時間後に放射線照射し、インク液滴を硬化させることで、印字の生産性が向上し、鮮鋭な画像を形成することができる。
紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクの高感度化を達成することにより、放射線に対し高い硬化性が付与され、インクジェット記録の生産性向上、消費電力低減、放射線発生器への負荷軽減による高寿命化、不十分硬化に基づく低分子物質の揮発発生の防止など、多くの利益が生じる。また、高感度化は、とくにインクジェット記録用インクにより形成された画像の強度を向上させ、特に、平版印刷版の形成に応用した場合、画像部の硬化強度が高まることになり、高耐刷性が得られることになる。
このような放射線、例えば、紫外線による硬化型インクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い被記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、ラジカル重合を利用したインクジェット用紫外線硬化型インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。また、インクジェット記録方法にて通常直接記録することが困難な支持体に対しても、滲みがなく、高感度で、被記録媒体への密着性が高い画像が記録可能で、かつ皮膚刺激性や感作性の少ない安全性が高いインクジェット記録用インクを提供すること等を目的として、特定のラジカル重合型アクリレート化合物群からなる重合性化合物と色材とを含有する組成物が提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。これらのラジカル重合型インクは硬化速度に優れ、滲みのない画像を形成しうるものの、硬化時の体積収縮により、被記録媒体との密着性が低下するという問題を有していた。
このため、被記録媒体への密着性を向上させる目的で、紫外線硬化時の収縮率が小さいカチオン重合型インク組成物が提案されている(例えば、特許文献8参照。)。但し、これらカチオン重合型インクは、経時で発生した酸に基づく反応により、保存時の安定性が十分ではなく、実用化には大きな障害となっていた。このため、保存安定性を改良する試みとして、塩基性化合物や熱塩基発生剤を添加する技術が提案されている(例えば、特許文献9〜11参照。)が、塩基性化合物が露光により発生した酸の機能を阻害するためにインクの硬化感度が低下するという新たな問題が発生することがわかった。特にインクジェットインクの場合、ヘッド内部での保存安定性は吐出性能に大きく影響するため、保存安定性と高感度との両立が切望されている。
またカチオン重合型インクの場合、画像形成後にも重合触媒の酸が残存し、画質の低下や基材の劣化を引き起こすため、酸の残存を防止することが切望されている。
特開昭63−235382号公報 特開平3−216379号公報 特開平5−214280号公報 特公平6−21256号公報 特公平6−62905号公報 特開2003−192943号公報 特開2003−192944号公報 特開平9−183928号公報 特開2003−312121号公報 特開2003−341217号公報 特開2004−91558号公報
前記課題を考慮してなされた本発明の目的は、放射線の照射に対して高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、被記録媒体上への密着性が優れ、且つ、保存安定性、吐出性の良好なインク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、カチオン重合型インク組成物により、形成された印刷物及び平版印刷版における画質の低下や基材の劣化を抑制したインク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
また、本発明のさらなる目的は、保存安定性に優れ、紫外線の照射により高感度で硬化可能なインク組成物を用いて得られた印刷物、平版印刷版、及び、該平版印刷版の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、放射線の照射により塩基性窒素原子を有する有機酸化合物を発生しうる化合物を含有させることにより、高感度を維持したまま保存安定性が改良され、インク組成物の吐出性、粒子形状保持性、被記録媒体への密着性が高められ、且つ画像形成後の画質の低下や基材の劣化が抑制されたインク組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1> (a)カチオン重合性化合物、(b)放射線の照射により酸を発生する化合物、及び、(c)下記一般式(I)、(II)又は(III)で表され、放射線の照射により塩基性窒素原子を有する有機酸化合物を発生するオニウム塩化合物を含有することを特徴とするインク組成物。
Figure 2007138085
式中、Rは塩基性窒素原子を含む1価の有機基又はアンモニウム基を含む1価の有機基を表す。
〜R、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または、アリール基を示し、Rはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示す。XはCO−OまたはSO−Oを表す。ここで、式(I)におけるR〜Rのいずれか2つ、式(II)におけるRとR、式(III)におけるRとR、のいずれか2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
以下の<2>〜<6>は前記<1>に記載の本発明のインク組成物の好ましい実施態様である。
<2> さらに(d)着色剤を含有する<1>に記載のインク組成物。
<3> 前記(d)着色剤が、顔料または油溶性染料である<2>に記載のインク組成物。
<4> インクジェット記録用である上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインク組成物。
<5> (a)被記録媒体上にインク組成物を吐出する工程と、(b)吐出されたインク組成物に放射線を照射してインク組成物を硬化する工程と、を含むインクジェット記録方法であって、前記インク組成物が上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインク組成物であるインクジェット記録方法。
<6> 上記<5>に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
<7> (a)上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインク組成物を親水性支持体上に吐出する工程と、(b)吐出されたインク組成物に放射線を照射して、前記インク組成物を硬化させることにより、前記インク組成物が硬化してなる疎水性画像を前記親水性支持体上に形成する工程と、を含む平版印刷版の製造方法。
<8> 上記<7>に記載の平版印刷版の製造方法によって製造された平版印刷版。
本発明のインク組成物は、通常の印刷に使用して高画質で強度に優れた画像を形成し、高品位な印刷物が得られるのみならず、レジスト、カラーフィルター、光ディスクの製造にも好適に使用することができ、光造形材料としても有用である。
また、インクジェット記録方法を適用することで、非吸収性の被記録媒体上にも、高感度で硬化し、強度の高い画像部領域をデジタルデータに基づき直接形成しうることから、本発明のインク組成物は平版印刷版、特に、A2版以上の大面積の平版印刷版、の作製にも好適に使用され、得られた平版印刷版は耐刷性に優れたものとなる。
本発明によれば、放射線の照射に対して高感度で硬化し、高画質の画像を形成することができ、被記録媒体上への密着性が優れ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インク組成物及び該インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
また、前記保存安定性に優れ、紫外線の照射により高感度で硬化可能なインク組成物を用いて得られた印刷物は高画質であり、画像部の強度に優れ、さらに、印刷物の経時における画質の低下や基材の劣化が抑制される。同様に本発明のインク組成物を用いることで、高耐刷、高画質の平版印刷版を、デジタルデータに基づき作製することができるという効果を奏する。
本発明のインク組成物は、放射線の照射により硬化可能であり、(a)カチオン重合性化合物と、(b)光酸発生剤と、(c)放射線の照射により塩基性窒素原子を分子内に有する特定構造の有機酸化合物を発生するオニウム塩化合物とを含有し、所望により、さらに(d)着色剤を含有してもよい。
本発明で言う「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する活性放射線であるが、なかでも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線および電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい、したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
なお、成分(c)に対する放射線の光源としては、印刷物経時における蛍光灯などの室内光、太陽光が含まれる。
以下、本発明のインク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
まず、本発明の特徴的な成分である(c)オニウム塩化合物について説明する。
[(c)一般式(I)、(II)又は(III)で表され、放射線の照射により塩基性窒素原子を有する有機酸化合物を発生するオニウム塩化合物]
次に、本発明に用いられる特徴的な成分である(c)一般式(I)、(II)又は(III)で表され、放射線の照射により塩基性窒素原子を有する有機酸化合物を発生するオニウム塩化合物(以下、適宜、特定化合物(c)と称する)について説明する。特定化合物(c)は、一般式(I)、(II)又は(III)で表され、インク組成物中においては、当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、放射線の照射により分解すると、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、分子内で中和することにより塩基性を当初の化合物より減少した化合物となる。
このような特性を有する化合物については、例えば、特許第3577743号や特開2001−215689号、特開2001−166476等に開示されているが、本発明のインク組成物に使用することで、上記本発明の目的を達成することを新たに見出した。照射する放射線としては、特定化合物(c)を分解させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限なく、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものであるが、蛍光灯などの室内光、太陽光でもよい。
特定化合物(c)は、下記一般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)で表されるオニウム塩化合物であり、Rの塩基性窒素原子に起因する塩基性を発現する。一方、放射線により分解すると、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有するアニオン部位、即ち、[X−R]は、詳細には、[COO−R]、又は[SO −R]が、酸として[HX−R]を放出し、分子内塩としてRの塩基性窒素原子に起因する塩基性を消失させるため、化合物全体として中性となる。
また、極性化合物に塩基性窒素原子があるため極性開始剤との親和性が高く、塩基性を消失しない極性の低いアミンと比較して、系中で効率的に酸を補足できるために安定化性能が高いものと考えられる。また、特定化合物(c)分子内に水酸基などの極性基をもたせる事で、さらに安定化性能を向上させることができる。
このような特定化合物(c)をインク組成物に含有させることにより、インク組成物はその塩基性により保存安定性に優れたものとなり、白灯下での取り扱いや硬化露光の際の反射光などにより、後述する(b)放射線の照射により酸を発生する化合物から所望されないわずかな酸が発生した場合には、それを中和して硬化反応を抑制するとともに、インク組成物を硬化させるのに十分な露光が行われた場合には、速やかに分解してその塩基性が低下するため、硬化感度を低下させることなく保存安定性を維持するという機能を発現するものである。
Figure 2007138085
式中、R〜R、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または、アリール基を示し、Rはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示す。Xは、COO、又はSO を表す。なかでも安定化性能を鑑みてSO がさらに好ましい。ここで、一般式(I)におけるR〜Rのいずれか2つ、一般式(II)におけるRとR、一般式(III)におけるRとR、のいずれか2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
まず、一般式(I)、一般式(II)で表される化合物について説明する。一般式(I)又は(II)において、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または、アリール基を示し、これらは、さらに置換基を有するものであってもよい。R〜Rのいずれか2つは互いに結合して環を形成してもよい。
〜Rとしては、好ましくは、シクロアルキル基、アリール基が挙げられ、さらに好ましくは、アリール基である。
〜Rがアリール基を示すとき、導入可能な置換基としては、直鎖、分岐あるいは環状アルキル基、直鎖、分岐あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、−S−Rなどが挙げられ、ここでRは直鎖、分岐、環状のアルキル基またはフェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような炭素数6〜14個アリール基を表す。なかでも、好ましい置換基として、アリール基にハロゲンを始めとする電子吸引性を有する置換基が導入されているものが好ましく、例としてトリクロロフェニルスルフォニウムを挙げることができる。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
これらの置換基は、さらに、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等の置換基を有していてもよい。
はアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基から選択される2価の連結基を示し、好ましくはアリーレン基である。これらのアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基も、置換基有するものであってもよく、導入可能な置換基としては、R〜Rの説明に記載されたものを同様に挙げることができる。
[R]としては、例えば置換もしくは非置換のアミノ基を有する脂肪族化合物(以下、「含窒素脂肪族化合物」という。)の残基;環中に少なくとも1個の窒素原子を含有する複素環式化合物(以下、「含窒素複素環式化合物」という。)の残基;置換もしくは非置換のアミノ基、前記含窒素脂肪族化合物の残基または含窒素複素環式化合物の残基のいずれかを1個以上有する芳香族化合物(以下、「含窒素芳香族化合物」という。)の残基等の塩基性化合物残基を挙げることができる。
含窒素脂肪族化合物としては、例えば各アルキル基の炭素数が1〜20であるアルキルアミン、ジアルキルアミンあるいはトリアルキルアミン;各シクロアルキル基の炭素数が〜20であるシクロアルキルアミン、ジシクロアルキルアミンあるいはトリシクロアルキルアミン等を挙げることができる。
含窒素複素環式化合物としては、例えばエチレンイミン、ピペラジン、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オキサジン、モルフォリン、トリアジン、インドール、オキシインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、プリン、キノリン、イソキノリン、シノリン、キナゾリン、キノオキサゾリン、アクリジン、カルバゾール、カルボリン、ベンゾキノリン、アクリドン等や、これらの置換誘導体等を挙げることができる。
また、含窒素芳香族化合物における芳香族化合物としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アセナフタレン、アセナフテン、フルオレン、アントラキノン、フェナンスレン、クマリン、ベンゾピラン、フェノキサンチンフラバン、ピレン、ベンゾアントラセン、ベンゾクリセン等や、これらの置換誘導体等を挙げることができる。
含窒素脂肪族化合物や含窒素芳香族化合物における置換アミノ基としては、例えばアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、スルホアミノ基等を挙げることができる。
以下、このような置換アミノ基をより具体的に挙げれば、アルキルアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキル基の炭素数が1〜6である基等を挙げることができる。
ジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチル−n−プロピルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、メチル−n−ブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、メチル−sec−ブチルアミノ基、メチル−t−ブチルアミノ基、メチル−n−ペンチルアミノ基、メチル−n−ヘキシルアミノ基、メチルシクロヘキシルアミノ基、エチル−n−プロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ基、エチル−n−ブチルアミノ基、エチルイソブチルアミノ基、エチル−sec−ブチルアミノ基、エチル−t−ブチルアミノ基、エチル−n−ペンチルアミノ基、エチル−n−ヘキシルアミノ基、エチルシクロヘキシルアミノ基等の各アルキル基の炭素数が1〜6である基等を挙げることができる。
アラルキルアミノ基としては、例えばベンジルアミノ基、(ジフェニルメチル)アミノ基、(トリフェニルメチル)アミノ基、(メチルフェニルメチル)アミノ基、(ジメチルフェニルメチル)アミノ基、(ナフチルメチル)アミノ基、(フェニルシクロヘキシル)アミノ基等の炭素数1〜6のアルキル基を炭素数6〜16のアリール基で置換した基等を挙げることができる。
ジアラルキルアミノ基としては、例えばジベンジルアミノ基、ジ(ジフェニルメチル)アミノ基、ジ(トリフェニルメチル)アミノ基、ジ(メチルフェニルメチル)アミノ基、ジ(ジメチルフェニルメチル)アミノ基等の炭素数1〜6のアルキル基を炭素数6〜16の各アリール基で置換した基等を挙げることができる。
アリールアミノ基としては、例えばフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセナフタレニルアミノ基、ピレニルアミノ等のアリール基の炭素数が6〜16の基等を挙げることができる。
ジアリールアミノ基としては、例えばジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ジアセナフタレニルアミノ基、ジピレニルアミノ、フェニルナフチルアミノ基等の各アリール基の炭素数が6〜16である基等を挙げることができる。
スルホアミノ基としては、例えばベンゼンスルホアミノ基、p−トルエンスルホアミノ基、ナフタレンスルホアミノ基、ピレンスルホアミノ基等を挙げることができる。
このような含窒素芳香族化合物の具体例としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−フェニルアニリン、N−フェニル−N−メチルアニリン、1−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン、N−フェニルアミノナフタレン、1−アミノアントラセン、1−アミノピレン、7−アミノ−4−メチルクマリン、2−アミノ−3−ブロモフルオレン、9−ジメチルアミノフェナンスレン、1−アミノアントラキノン、6−アミノ−5,6−ベンゾクマリン、アミノベンゾフェノン、N−トシルアニリン、N,N−ジフェニルスルホアニリン、N−ナフタレンスルホアニリン、N−ベンジルアニリン等を挙げることができる。
これらの含窒素芳香族化合物のうち、好ましい化合物は、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−フェニルアニリン、N−フェニルアミノナフタレン、N−トシルアニリンである。
また、前記一般式(III)中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または、アリール基を示し、好ましくは、アリール基である。これらの基は、前記一般式(I)における、R〜R、と同様のものを好ましく挙げることができる。R、Rは置換基を有するものであってもよく、そのような置換基としては、一般式(I)におけるR〜Rに導入可能として挙げた置換基を挙げることができる。
とRは、一般式(I),(II)におけるのと同義である。
一般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)で表されるオニウム塩化合物の具体例としては、以下の例示化合物(c−1)〜例示化合物(c−44)を挙げることができるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2007138085
Figure 2007138085
Figure 2007138085
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Figure 2007138085
Figure 2007138085
Figure 2007138085
特定化合物(c)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のインク組成物における特定化合物(c)の含有量は、硬化感度維持と保存安定性、吐出安定性の両立の観点から、該組成物の全固形分に対し、0.01〜15重量%が適当であり、好ましくは0.03〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。なお、本発明でインク組成物中の固形分とは、インク組成物から後述の溶剤等の揮発性成分を除いた成分とする。
〔(a)カチオン重合性化合物〕
本発明に用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)光酸発生剤から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、芳香族エポキシドなどが挙げられ、芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明におけるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載される如き、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2007138085
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。
a3は、線状または分枝状アルキレン基、線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状または分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2007138085
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO、C(CF、又は、C(CHを表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2007138085
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007138085
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、他か連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2007138085
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に使用しうるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007138085
式(5)において、Ra1、Ra8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
本発明で使用するオキセタン化合物のなかでも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明のインク組成物には、これらのカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
インク組成物中の(a)カチオン重合性化合物の含量は、該組成物の全固形分に対し、10〜95重量%が適当であり、好ましくは30〜90重量%、更に好ましくは50〜85重量%の範囲である。
[(b)放射線の照射により酸を発生する化合物]
本発明のインク組成物には、放射線の照射により酸を発生する化合物(適宜、光酸発生剤とも称する)を含有する。本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。
また、その他の本発明に用いられる活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物としては、たとえばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、同第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivelloetal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1986)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker etal,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同第618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo etal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada etal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に使用しうる光酸発生剤として好ましい化合物として、下記式(b1)、(b2)、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007138085
式(b1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 、SbF や以下に示す基などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
Figure 2007138085
好ましい有機アニオンとしては下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2007138085
Rcは、有機基を表す。
Rcにおける有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rdは、水素原子、アルキル基を表す。
Rc、Rc、Rcは、各々独立に、有機基を表す。
Rc、Rc、Rcの有機基として、好ましくはRcにおける好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
RcとRcが結合して環を形成していてもよい。
RcとRcが結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc、Rc〜Rcの有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
なお、式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、式(b1)で表される他の化合物におけるR201〜R203の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、及び(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうち、いずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2007138085
式(b1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zcは、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるXの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制されるので好ましい。
及びRとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
及びRは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
、Rは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Xは、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるXの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
使用してもよい活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、更に、下記式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007138085
式(b4)〜(b6)中、Ar及びArは、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
前記光酸発生剤のなかでも好ましくものとしては、式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いうる(b)光酸発生剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007138085
Figure 2007138085
Figure 2007138085
Figure 2007138085
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Figure 2007138085
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Figure 2007138085
Figure 2007138085
また、光酸発生剤としては、前記した化合物群の他、特開2002−122994号公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994号公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明における光酸発生剤として好適に使用しうる。
(b)光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%である。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
[(d)着色剤]
本発明のインク組成物に着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
〔顔料〕
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100重量部に対し、1〜50重量部添加することが好ましい。
インク組成物において顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(a)カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、(a)カチオン重合性化合物を用い、なかでも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は0.02〜0.4μmにするのが好ましく、0.02〜0.1μmとするのがさらに好ましく、より好ましくは、0.02〜0.07μmの範囲である。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
着色剤はインク組成物中、固形分換算で1〜20重量%添加されることが好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
〔染料〕
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vs SCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。なお、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。なお、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。なお、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
本発明に用いる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために先に挙げた種々の染料における染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
−酸化電位−
本発明における染料の酸化電位の値(Eox)は、当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著”New Instrumental Methods in Electrochemistry”(1954年, Interscience Publishers社刊)や、A.J.Bard他著”Electrochemical Methods”(1980年、John Wiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著”電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10−2〜1×10−6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィー装置により、作用極として炭素(GC)を、対極として回転白金電極を用いて酸化側(貴側)に掃引したときの酸化波を直線で近似して、この直線と残余電流・電位直線との交点と、直線と飽和電流直線との交点(又はピーク電位値を通る縦軸に平行な直線との交点)と、で作られる線分の中間電位値をSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。また、用いる支持電解質や溶媒は、被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶことができる。用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著”電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)101〜118ページに記載がある。
[その他の成分]
本発明のインク組成物には、前記必須成分である(a)〜(c)成分、さらに所望により添加される(d)着色料に加えて、インク組成物に使用される種々の公知の添加剤を、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて併用することができる。
以下に、必要に応じて用いられる種々の添加剤について述べる。
〔塩基性窒素原子を有する化合物〕
本発明において、インク組成物の保存安定性を向上させる目的で、所望により塩基性窒素原子を有する化合物(以下、適宜、特定塩基成分と称する)を含有させることができる。好ましくは塩基性窒素を有し、共役酸のpKaが4以上を示す化合物である。なお、ここで規定するpKa値は、弱電解質の水溶液中での解離定数Kaの常用対数に負号を付けたもの、即ちpKa=−log10Kaと定義される。
このような化合物としては、例えば、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、4−メチルアニリン、3−クロロアニリン、3,5−ジブロモアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、3−ニトロアニリン、2−アミノ安息香酸、4−アミノアゾベンゼン、N−フェニルアニリン、N−フェニルグリシンなどのアニリン類、3−クロロピリジン、3−ブロモピリジン、4−ヒドロキシピリジン、3−カルボキシピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンなどのピリジン類、プロリン、ヒドロキシプロリン、プリン、8−ヒドロキシプリン、N−メチルピラジン、チアゾール、トリプトファンなどの環状アミン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、N−メチルグリシン、N−プロピルグリシン、ヒスチジン、シスチン、ロイシン、イソロイシン、オルニチン、セリン、トレオニン、メチオニン、アラニン、メトキシアラニン、トレオニンなどの脂肪族アミノ酸類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族3級アミン類の他、1,3−ジアザプロペン構造する化合物が具体例として挙げられるが、分子構造中に塩基性窒素原子を有する化合物であればよく、これらに限定されるものではない。更に好ましい例として、式(X)〜(XIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007138085
式(X)〜(XIII)中、R01、R02はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、またはアリール基を示し、Ar01は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R03〜R05はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、または−N(R01)(R02)基を示す。R06〜R08、R010〜R012はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、またはアラルキル基を示す。R09は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、−N(R013)(R014)基、または−OR015基を示す。R013〜R015はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、またはアラルキル基を示す。また式(X)におけるR01とR02、式(XI)におけるR03〜R05のうちの2つ、式(XII)におけるR06〜R08のうちの2つ、または、式(XIII)におけるR09〜R015のうちの2つが互いに結合し、脂肪族環、芳香族環、またはヘテロ環を形成してもよい。
前記アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、またこれらの基に導入可能な置換基としては、前記式(I)〜(IX)の場合と同義である。
特定塩基成分としては、具体的には、以下の化合物(X−1)〜(XIII−12)が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007138085
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本発明のインク組成物には、特定塩基成分を1種のみ添加してもよく、2種以上を併用してもよい。インク組成物中の特定塩基成分の含量は、組成物の全固形分に対し、0.001〜10重量%が適当であり、好ましくは0.01〜7重量%、更に好ましくは0.03〜5重量%である。また本発明の(b)放射線の照射により酸を発生する化合物に対する割合は、モル%で0.1〜50モル%、好ましくは0.5〜20モル%の範囲で使用される。
〔pKaが2〜6の値を示す有機酸性化合物〕
本発明には、さらに必要に応じ、pKaが2〜6の値を示す有機酸性化合物が使用される。pKaが2〜6の値を示す有機酸性化合物(以下、単に「有機酸性成分」とも言う。)は、定性的には弱酸性の有機化合物が相当する。pKaが上記範囲であると、本発明のインク組成物は感度および経時安定性に優れることから好ましい。
具体的な化合物としては、特にカルボン酸類が挙げられる。例えば、酢酸、フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メトキシプロピオン酸、乳酸、へキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、シクロプロピルカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロへキサンカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、アビエチン酸、トランス−レチン酸、シクロヘキシル酢酸、ジシクロヘキシル酢酸、アダマンタン酢酸、マロン酸、マロン酸モノメチルエステル、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、イタコン酸、クロトン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、マンデリン酸、酒石酸、リンゴ酸、アルギニン酸、ケイ皮酸、メトキシケイ皮酸、3,5−ジメトキシケイ皮酸、安息香酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ガリック酸、3−ニトロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、4−ビニル安息香酸、t−ブチル安息香酸、1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フルオレノン−2−カルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、2−アントラキノンカルボン酸、フタル酸、フタル酸モノメチルエステル、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメリット酸モノメチルエステルなどの炭素数1〜20の脂肪族または芳香族モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸が挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。
本発明のインク組成物に有機酸性成分を使用する場合、その含量はインク組成物の全固形分に対し、好ましくは0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜7重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。また、特定塩基成分を用いた場合、特定塩基成分と有機酸性成分との割合は、(特定塩基成分)/(有機酸性成分)のモル比で好ましくは0.1〜4、より好ましくは0.3〜2の範囲で使用される。
〔紫外線吸収剤〕
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物中の固形分換算で0.5〜15重量%程度である。
〔増感剤〕
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構またはエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、(b)光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
〔酸化防止剤〕
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物中の固形分換算で0.1〜8重量%程度である。
〔褪色防止剤〕
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物中の固形分換算で0.1〜8重量%程度である。
〔導電性塩類〕
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
〔溶剤〕
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
〔高分子化合物〕
インク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、または「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
〔界面活性剤〕
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
本発明のインク組成物は、吐出性を考慮し、吐出時の温度において、インク粘度が7〜30mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは7〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25〜30℃でのインク粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35〜200mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25〜30℃におけるインク粘度が上記範囲であると、滲み防止効果が十分発揮でき、インク液のデリバリーが良好であり好ましい。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、更に好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
このようにして調整された本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。インク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に印字し、その後、印字されたインク組成物に放射線を照射して硬化して記録を行う。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
〔インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置〕
次に、本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、(i)被記録媒体上にインク組成物を吐出する工程、及び、(ii)吐出されたインク組成物に放射線を照射してインク組成物を硬化する工程を含むインクジェット記録方法であって、前記本発明のインク組成物を用いるインクジェット記録方法である。
また、本発明の印刷物は、前記インクジェット記録方法によって、本発明のインク組成物により画像形成された印刷物である。
インクジェット記録方法においては、上記インク組成物を40〜80℃に加熱して、インク組成物の粘度を7〜30mPa・sの範囲に調整した後、吐出することが好ましく、この方法を用いることにより高い吐出安定性を実現することができる。一般に、放射線硬化型インク組成物では、概して水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動幅が大きい。このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴吐出速度に対して大きな影響を与え、これにより画質劣化を引き起こすため、印字時のインク組成物温度はできるだけ一定に保つことが必要である。インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが一つの特徴であり、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル吐出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に放射線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。
照射する放射線としては、前記化合物(b)及び(c)を分解させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限なく、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する活性放射線であるが、特に波長230nm〜420nmの紫外線が好ましい。光源としては、有極または無極の水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯の他、同波長領域の発光ダイオード(UV−LED)を用いることができる。UV−LEDを使用する場合、発光チップのエネルギーパワーにより、複数個を直線状または3次元状に並べ、マルチ・アレーとして使用される。
また本発明では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することである。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
上記説明したインクジェット記録方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mP・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。
なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、本発明のインク組成物をインクジェット記録装置により被記録媒体へ適用することで、記録する、即ち印刷物を得ることができる。
〔被記録媒体〕
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
本発明のインク組成物は、硬化時の熱収縮が少なく、基材(被記録媒体)との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
[平版印刷版]
本発明のインク組成物の好適な応用例として、平版印刷版への使用が挙げられる。
本発明の平版印刷版の製造方法は、(i−2)本発明のインク組成物を親水性支持体上に吐出する工程、及び、(ii−2)吐出されたインク組成物に放射線を照射して、前記インク組成物を硬化させることにより、前記インク組成物が硬化してなる疎水性画像を前記親水性支持体上に形成する工程を含む。
また、本発明の平版印刷版は、前記平版印刷版の製造方法によって製造された平版印刷版である。
本発明のインク組成物を、インクジェット記録装置などを用いて、親水性支持体上に吐出した後、放射線を照射してインクを硬化させ疎水性画像を形成することで、親水性支持体表面に画像様に疎水性のインク受容性領域が形成される。ここに、インクと水性成分を供給すると、水性成分が親水性支持体の露出している領域に保持され、インクが疎水性画像に保持されて、そのまま印刷工程を実施することができる。
本発明のインク組成物は放射線照射により優れた硬化性を示すことから、これを応用した本発明の平版印刷版は耐刷性に優れた画像部を有することになる。また、画像部を形成するのにインクジェット記録装置を用いて、デジタルデータにより直接、高精細な平版印刷版の画像部を形成することができる。
平版印刷版の製造に用いられるインク組成物は、前記した本発明のインク組成物をそのまま適用すればよい。
〔支持体〕
本発明の平版印刷版を作製するにあたって好ましく使用される支持体について説明する。
本発明の平版印刷版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状の支持体であればよい。支持体を構成する材料が表面親水性を有するものであれば、そのまま用いてもよく、また、支持体を構成する板状材料の表面に親水化処理を行って用いてもよい。
支持体を構成する材料としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等が挙げられる。合金中の異元素の含有量は10重量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80重量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られるので好ましい。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板をそのまま用いても良いが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などをの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろんこれら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れも方法も行うことができる。
〔封孔処理〕
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。
〔親水化処理〕
本発明に用いられる親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウムなどの水溶液で浸漬処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが挙げられる。
本発明の平版印刷版に用いられる支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
このようにして本発明のインク組成物により形成された本発明の平版印刷版は、デジタルデータにより簡易に製造され、且つ、耐刷性に優れた画像部を有するため、高画質の印刷物を多数枚形成するのに有用である。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
〔実施例1〕
《顔料分散物の調製》
下記に記載の方法に従って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料分散物1を調製した。なお、分散条件は、各顔料粒子の平均粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて、分散条件を適宜調整して行、次いで加熱下でフィルター濾過を行って調製した。
(イエロー顔料分散物1)
C.I.ピグメントイエロー12 10重量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5重量部
ステアリルアクリレート 85重量部
(マゼンタ顔料分散物1)
C.I.ピグメントレッド57:1 15重量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5重量部
ステアリルアクリレート 80重量部
(シアン顔料分散物1)
C.I.ピグメントブルー15:3 20重量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5重量部
ステアリルアクリレート 75重量部
(ブラック顔料分散物1)
C.I.ピグメントブラック7 20重量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5重量部
ステアリルアクリレート 75重量部
《インクの調製》
上記調製した各分散物1を用いて、下記に記載の方法に従い各色インクを調製した。
(イエローインク1)
・(a)カチオン重合性化合物
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35重量部
OXT−221(オキセタン化合物:東亞合成(株)製) 55重量部
・(b)光酸発生剤
化合物例(b−27)/(b−32)=1/2 5重量部
・特定化合物(c)
例示化合物(c−27) 1.5重量部
・着色剤(前記顔料分散物)
イエロー顔料分散物1 5重量部
(マゼンタインク1)
・(a)カチオン重合性化合物
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35重量部
OXT−221(オキセタン化合物:東亞合成(株)製) 55重量部
・(b)光酸発生剤
化合物例(b−3) 5重量部
・特定化合物(c)
例示化合物(c−1) 1.5重量部
・着色剤(前記顔料分散物)
マゼンタ顔料分散物1 5重量部
(シアンインク1)
・(a)カチオン重合性化合物
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35重量部
OXT−221(オキセタン化合物:東亞合成(株)製) 55重量部
・(b)光酸発生剤
化合物例(b−75) 5重量部
・特定化合物(c)
例示化合物(c−42) 1.5重量部
・着色剤(前記顔料分散物)
シアン顔料分散物1 5重量部
(ブラックインク1)
・(a)カチオン重合性化合物
セロキサイド2021(エポキシ化合物:ダイセルUCB(株)製) 35重量部
OXT−221(オキセタン化合物:東亞合成(株)製) 55重量部
・(b)光酸発生剤
化合物例(b−10) 5重量部
・特定化合物(c)
例示化合物(c−17) 1.5重量部
・9,10−ジメトキシアントラセン 0.5重量部
・着色剤(前記顔料分散物)
ブラック顔料分散物1 5重量部
《インクジェット画像記録》(多色画像の評価)
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV−A光を露光面照度100mW/cm、に集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記調製した各色インクを用い、環境温度25℃にて、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順に射出、1色毎に紫外線を照射した。触診で粘着性が無くなる様、完全に硬化するエネルギーとして、1色あたりのトータル露光エネルギーが一律300mJ/cmで露光した。被記録媒体としては、砂目立てしたアルミニウム支持体、印刷適性を持たせた表面処理済みの透明二軸延伸ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルシート、キャストコート紙、市販の再生紙に各カラー画像を記録したところ、いずれもドットの滲みの無い高解像度の画像が得られた。更に、上質紙においてもインクが裏周りすることなく、十分にインクが硬化し、未反応モノマーによる臭気が殆どしなかった。また、フィルムに記録したインクには十分な可とう性があり、折り曲げてもインクにクラックが入ることは無く、セロハンテープ剥離による密着性テストにおいても問題無かった。
[実施例2〜13、比較例1〜4]
《インクの調製》
(マゼンタインク2〜15)
・(a)カチオン重合性化合物(表1記載の化合物) 90重量部
・(b)光酸発生剤(表1記載の化合物) 5重量部
・特定化合物(c)(表1記載の化合物) 1.5重量部
・必要に応じ特定塩基成分 (0.03重量部)
・必要に応じ増感剤 (0.5重量部)
・着色剤(前記マゼンタ顔料分散物1) 5重量部
実施例2〜13(マゼンタインク2〜13)、比較例1〜4(マゼンタインク14〜17)に使用した各成分の化合物は、下記表1に示す。
なお、下記表1に記載のカチオン重合性化合物、有機酸性成分、及び、増感剤の詳細は以下の通りである。
カチオン重合性化合物(1):セロキサイド2021(エポキシ:ダイセルUCB(株)製)/OXT−221(オキセタン:東亞合成(株)製)=35/55混合物
カチオン重合性化合物(2):セロキサイド3000(エポキシ:ダイセルUCB(株)製)/OXT−211(オキセタン:東亞合成(株)製)=50/40混合物
カチオン重合性化合物(3):ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル/OXT−221(オキセタン:東亞合成(株)製)=40/50混合物
カチオン重合性化合物(4):セロキサイド2021(エポキシ:ダイセルUCB(株)製)/OXT−101(オキセタン:東亞合成(株)製)=55/35混合物
増感剤(5):9,10−ジメトキシアントラセン
増感剤(6):ピレン
比較例1では特定化合物(c)を添加しなかった他は同様にした。また、比較例2〜4では特定化合物(c)添加せず、比較例2では、塩基成分としてのオクチルアミンを、比較例3ではトリフェニルスルホニウム酢酸を、比較例4では酢酸ナトリウムを、それぞれ0.03重量部添加した。
上記実施例および比較例で作成したインク組成物において、射出温度でのインク粘度は、7〜20mPa・sの範囲内であった。
〔インクジェット画像記録〕(単色画像評価)
以上のようにして調製したマゼンタインク2〜17を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして、マゼンタ画像印字を行った。
1.インクジェット画像の評価
次いで、各形成した画像について、下記に記載の方法に準じて、硬化に必要な感度、市販の再生紙における浸透性、砂目立てしたアルミニウム支持体でのインク滲み、密着性、耐刷性、保存安定性の評価を行った。
2.硬化感度の測定
紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm
を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
3.保存安定性の評価
作成したインクを75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。粘度が変化せず1.0に近いほうが保存安定性良好であり、1.5を超えると射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
4.インクジェット画像記録後の経時性評価
砂目立てしたアルミニウム支持体及び表面処理済みの透明二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に、作製したインクを射出し、紫外線照射により硬化させて得られた画像を、蛍光灯(300Lux)下/室温で1週間放置した後、75%RH/60℃で3日間保存し、密着性を測定した。密着性の劣化の大きさにより、画像記録後の経時性を評価した。
○:画像記録後の経時による密着性の変化が認められない
△:若干の画像剥がれが認められる
×:画像剥がれによる密着性の劣化が顕著
5.市販の再生紙に対する浸透性評価
市販の再生紙に対し印字した画像について、下記の基準に従い浸透性の評価を行った。
○:殆ど浸透せず、残留モノマー臭もしない
△:僅かに浸透し、残留モノマー臭も僅かに認められる
×:明らかにインクが裏面側に浸透し、残留モノマー臭も強い
6.砂目立てしたアルミニウム支持体におけるインク滲み評価
砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像について、下記の基準に従いインク滲みの評価を行った。
○:隣接するドット間の滲みが無い
△:僅かにドットが滲む
×:ドットが滲み、明らかに画像がぼやける
7.砂目立てしたアルミニウム支持体における密着性の評価
上記作成した印字画像について、全く印字面に傷をつけない試料と、JIS K 5400に準拠して、印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個作った試料を作製し、各印字面上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷をつけなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロハンテープでの剥がれが認められる
〔平版印刷版としての評価〕
上記で作成した砂目立てしたアルミニウム支持体上に本発明のインク組成物で印字し、画像形成した。これを平版印刷版として評価した。
a.画像の評価
本発明のインク組成物により作製した平版印刷版を、ハイデルKOR−D機に掛け、インク〔枚葉用VALUES−G紅(大日本インク(株)製)〕と湿し水〔Ecolity2(富士写真フイルム(株)製)〕とを供給して印刷を行った。100枚印刷後の印刷物を目視で以下の基準により評価した。
○:画像部の白ヌケ、及び、非画像部の汚れのない画像が得られた。
△:画像部に僅かな白ヌケ、及び/又は、非画像部に僅かな汚れが観察された。
×:画像部の白ヌケ、及び/又は、非画像部の汚れが観察され、実用上問題のあるレベルであった。
b.耐刷性の評価
そのまま印刷を継続し、刷了枚数を耐刷性の指標として相対比較した(比較例1を100とした)。数値が大きいものほど高耐刷であり好ましい。
これらの評価結果を表1〜表2に示す。
Figure 2007138085
Figure 2007138085
表1〜表2より、本発明のインク組成物は、放射線の照射に対して高感度で硬化し、紙への画像形成性においても高画質の画像を形成することができ、保存安定性、吐出性も良好であった。このように、本発明においては、硬化感度、非浸透性支持体上での滲み抑制と、インクの保存安定性、の両立が達成されたことがわかる。
一方、特定化合物(c)を含まない比較例1のインク組成物は、保存安定性に問題があり、且つ、再生紙への浸透性、アルミ支持体での滲み、硬化感度のいずれもやや劣ることがわかった。また、実施例で用いた特定化合物(c)を加える代わりに、放射線の照射により塩基性窒素原子を有する有機酸化合物を発生する機能を有しない比較塩基性化合物であるオクチルアミンを用いた比較例2では、保存安定性に改良が見られるものの、硬化感度が大幅に低下することが確認された。特定化合物(c)に代えて塩基性窒素を含まない、弱酸を発生するフォトベースを添加した比較例3では、硬化感度低下は若干改良されるものの、安定性が若干低い値となった。特定化合物(c)に代えて光活性のない塩として酢酸ナトリウムを添加した比較例4では保存安定性はあまり改善されず感度も低下することが確認された。
また、本発明のインク組成物により画像形成した平版印刷版は、高画質の画像形成が可能であり、耐刷性も良好であることがわかった。

Claims (8)

  1. (a)カチオン重合性化合物、
    (b)放射線の照射により酸を発生する化合物、及び、
    (c)下記一般式(I)、(II)又は(III)で表され、放射線の照射により塩基性窒素原子を有する有機酸化合物を発生するオニウム塩化合物
    を、含有することを特徴とするインク組成物。
    Figure 2007138085
    式中、Rは塩基性窒素原子を含む1価の有機基又はアンモニウム基を含む1価の有機基を表す。
    〜R、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、または、アリール基を示し、Rはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示す。XはCO−OまたはSO−Oを表す。ここで、式(I)におけるR〜Rのいずれか2つ、式(II)におけるRとR、式(III)におけるRとR、のいずれか2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
  2. さらに、(d)着色剤を含有する請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記(d)着色剤が、顔料または油溶性染料である請求項2記載のインク組成物。
  4. インクジェット用である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. (i)被記録媒体上にインク組成物を吐出する工程と、
    (ii)吐出されたインク組成物に放射線を照射してインク組成物を硬化する工程と、
    を含むインクジェット記録方法であって、前記インク組成物が請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物であるインクジェット記録方法。
  6. 請求項5に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。
  7. (i−2)請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物を親水性支持体上に吐出する工程と、
    (ii−2)吐出されたインク組成物に放射線を照射して、前記インク組成物を硬化させることにより、前記インク組成物が硬化してなる疎水性画像を前記親水性支持体上に形成する工程と、を含む平版印刷版の製造方法。
  8. 請求項7に記載の平版印刷版の製造方法によって製造された平版印刷版。
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