JP2005272667A - 活性光線硬化型インクジェットインク組成物、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク組成物、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができ、高画質で、吐出性に優れた活性光線硬化型インクジェットインク組成物、これを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 光酸発生剤として活性光線照射によりベンゼンを発生しないオニウム塩、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物、及び4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光重合性化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来、紫外線や電子線等の活性エネルギー線または熱により硬化する硬化組成物は、プラスチック、紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。近年、その中でも印刷インク、塗料、接着剤等ではより一層の耐候性と付着性の改善が望まれている。また、これらを使用したインクジェット用インクとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型インクがある。この紫外線硬化型インクを用いたインクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性のない記録媒体への記録ができる点で近年注目されつつあり、例えば、特開平6−200204号公報、特表2000−504778号公報において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。この分野においては、低粘度であることに加え、形成される膜が強固でかつ柔軟であること及び密着性がよいことが求められている。
また、これらのインクを用いた場合、記録材料の種類や作業環境によって、硬化感度が変動しやすい。
ラジカル重合性化合物を用いたインクは酸素阻害作用を受けるため、インク液滴量が少ない場合には硬化阻害が起こりやすい。また、光カチオン重合開始剤、オキセタン環含有化合物、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物を含有する活性エネルギー線硬化型組成物やそれから得られる活性エネルギー線硬化型インクが、低粘度で、高い硬化性、強靱な硬化膜を目的として開示されているが(例えば、特許文献1、2参照。)、それらの課題が解決されているとは言い難い。
特開2001−220526号公報 特開2002−188025号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができ、高画質で、吐出性に優れた活性光線硬化型インクジェットインク組成物、これを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
光酸発生剤として活性光線照射によりベンゼンを発生しないオニウム塩、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物、及び4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項2)
前記オニウム塩がスルホニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項3)
前記オニウム塩がヨードニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項4)
前記スルホニウム塩が、下記一般式(1)〜(4)で表されるスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
Figure 2005272667
(式中、R1〜R17はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R1〜R3が同時に水素原子を表すことがなく、R4〜R7が同時に水素原子を表すことがなく、R8〜R11が同時に水素原子を表すことがなく、R12〜R17が同時に水素原子を表すことはない。Xは非求核性のアニオン残基を表す。)
(請求項5)
前記一般式(1)〜(4)で表されるスルホニウム塩が、下記一般式(5)〜(13)で表されるスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
Figure 2005272667
Figure 2005272667
(式中、Xは非求核性のアニオン残基を表す。)
(請求項6)
前記脂肪族環状エステル化合物が、炭酸エステル構造を有しない脂肪族環状エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項7)
光重合性化合物として、さらにオキシラン基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項8)
光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を25〜90質量%、オキシラン基を有する化合物を10〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項9)
前記オキセタン環を有する化合物が、下記一般式(E)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
Figure 2005272667
(式中、R1〜R6はそれぞれ水素原子または置換基を表す。ただし、R3〜R6で表される基の少なくとも1つは置換基である。)
(請求項10)
25℃における粘度が7〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
(請求項11)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物が着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
(請求項12)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物が着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする画像形成方法。
(請求項13)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
(請求項14)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、ラインヘッド方式のインクジェット記録ヘッドより吐出して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
(請求項15)
請求項11〜14のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いるインクジェット記録装置であって、活性光線硬化型インクジェットインク組成物及びインクジェット記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明により、硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができ、高画質で、吐出性に優れた活性光線硬化型インクジェットインク組成物、これを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明者は鋭意研究の結果、光酸発生剤として活性光線照射によりベンゼンを発生しないオニウム塩、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物、及び4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物(以下、活性光線硬化型インクあるいは単にインクともいう)により、硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができ、高画質で、吐出性に優れた活性光線硬化型インクジェットインク組成物が得られることを見出した。
従来、UVI6992(ダウ・ケミカル社製、トリアリールスルホニウム塩)を中心として、活性光線照射後に分解物としてベンゼンを発生する光酸発生剤を用いて、カチオン重合性のインク組成物が調製されていた。しかし、該インク組成物は、ベンゼンを発生するということで食品分野で用いられることが少ないばかりでなく、環境(温度、湿度)により吐出が不安定になるという問題も有り、該インクを用いてインクジェット記録で高精細な画像を形成することは不可能であった。また、ベンゼンを発生しないオニウム塩(光酸発生剤)としては、IRGACURE250(チバスペシャルティケミカルズ社製、ジアリールヨードニウム塩)及びCI5102(日本曹達社製、ジアリールヨードニウム塩)等が知られているが、これらを含めて、活性光線照射によりベンゼンを発生しないオニウム塩を用いて、硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成し、安定に吐出が可能なインクジェットインク組成物を実用化した例はなかった。
特に、オキセタン環を含有する化合物と、4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を合わせて用いる場合、インクジェット記録をする上で、これらの特性が非常に良好となり、かつ硬化環境に左右されずにインクが記録材料上に着弾した後のドット径の制御が容易にでき、再現性よく高画質な画像を形成することができる画期的な構成である。
また、オニウム塩がスルホニウム塩またはヨードニウム塩である場合、さらに硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成し、吐出安定性が向上し好ましい。
さらに好ましくは、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を25〜90質量%、オキシラン基を有する化合物を10〜70質量%、ビニルエーテル化合物0〜40質量%とを含有することで、前記硬化性及び吐出安定性ともに向上する。
また、前記一般式(E)で表されるオキセタン化合物を用いることで、前記硬化性及び吐出安定性ともに格段に向上することを見出した。光重合性化合物としてオキセタン化合物のみ用いる場合、単官能オキセタン化合物とオキセタン環を2個以上有する多官能オキセタン化合物とを併用するとさらに好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔オニウム塩〕
はじめに、本発明のインクに含有される活性光線照射によりベンゼンを発生しないオニウム塩(光酸発生剤)について説明する。
本発明でいう「活性光線照射によりベンゼンを発生しない」とは、実質的にベンゼンを発生しないことを意味し、具体的には、インク組成物中にオニウム塩(光酸発生剤)を5質量%含有したインクを用いて、厚さ15μmで約100m2の画像を印字し、インク膜面を30℃に保った状態で光酸発生剤が十分分解する量の活性光線を照射した際に発生するベンゼンの量が、5μg以下の極微量あるいは皆無であることを指す。オニウム塩としては、スルホニウム塩あるいはヨードニウム塩が好ましい。
本発明においてスルホニウム塩としては、前記一般式(1)〜(4)で表されるスルホニウム塩、前記一般式(5)〜(13)で表されるスルホニウム塩が好ましい。以下に、その具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005272667
Figure 2005272667
本発明においてヨードニウム塩の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005272667
上記各化合物は、例えば、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Vol.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編,「イメージング用有機材料」,ぶんしん出版(1993年)に記載の光酸発生剤と同様の公知の方法にて容易に合成することができる。
〔塩基性化合物〕
本発明においては、更なる吐出安定性の向上のため、塩基性化合物を併用することもできる。光酸発生剤として上述したようなヨードニウム塩を用いる場合には、特に有効である。
塩基性化合物としては、公知のあらゆるものを用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン等の塩基性有機化合物等が挙げられる。
塩基性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げられる。
塩基性アルカリ土類金属化合物としては、同様に、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、マグネシウムメトキシド等)が挙げられる。
塩基性有機化合物としては、アミンならびにキノリン及びキノリジン等含窒素複素環化合物等が挙げられるが、これらの中でも、光重合成モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
塩基性化合物を存在させる際の濃度は、光重合性化合物の総質量に対して10〜1000ppm、特に20〜500ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性化合物は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい。
〔界面活性剤〕
また、本発明においては、更なる吐出安定性の向上のため、界面活性剤、特にノニオン性界面活性剤を併用することもできる。
本発明で使用されるノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、第2級アルコールエトキシレート、第1級アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールオレート、ソルビタンステアリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等の水酸基含有不飽和単量体が共重合されたアクリル樹脂等が例示できる。さらには、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール、またはグリコールエーテル類等が例示できる。ノニオン性界面活性剤は、単独であっても2種類以上の混合物であってもよい。
本発明では、ノニオン性界面活性剤が、分子中にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤であることが、特に好ましい。本発明で使用される分子中にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキル含有オリゴマー、具体的には、例えば、「サーフロン(SURFLON)S−141」、「サーフロンS−145」、「サーフロンS−381」、「サーフロンS−383」、「サーフロンS−393」、「サーフロンSC−101」、「サーフロンSC−105」、「サーフロンKH−40」、「サーフロンSA−100」(以上、セイミケミカル(株)の製品)、「メガファックF−171」、「メガファックF−172」、「メガファックF−173」、「メガファックF−177」、「メガファックF−178A」、「メガファックF−178K」、「メガファックF−179」、「メガファックF−183」、「メガファックF−184」、「メガファックF−815」、「メガファックF−470」、「メガファックF−471」(以上、大日本インキ化学工業(株)の製品)等が例示できる(参考文献;「13700の化学商品」、p1239−p1242、化学工業日報社(2000))。本発明のインクにおいて、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤は単独でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
〔オキセタン環を有する化合物〕
本発明のインクにおいては、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物を含むことが特徴である。
本発明で用いることのできるオキセタン環を有する化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。本発明においては、前記一般式(E)で表される化合物が好ましい。
以下、本発明に係る前記一般式(E)で表されるオキセタン環を有する化合物について説明する。
一般式(E)において、R1〜R6はそれぞれ水素原子または置換基を表し、このとき、R3〜R6が同時に水素原子を表すことがない。
分子中に1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(14)〜(17)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2005272667
上記一般式(14)〜(17)において、Zはそれぞれ独立で、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基、R1〜R6は水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基、R7及びR8は、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等の炭素数1〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基またはフェノキシエチル基等のアリール基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等の炭素数1〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基またはブトキシカルボニル基等の炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基、エトキシカルバモイル基、プロピルカルバモイル基またはブチルペンチルカルバモイル基等の炭素数1〜6個のアルコキシカルバモイル基を表す。
本発明で使用するオキセタン環を有する化合物としては、上記一般式(14)〜(17)において、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R7及びR8がプロピル基、ブチル基、フェニル基またはベンジル基、Zが酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基であるものが好ましい。また、R3〜R6が同時に水素原子を表すことがない。
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(18)、(19)、(25)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2005272667
上記一般式(18)及び(19)において、mは2、3または4、Zはそれぞれ独立で、酸素または硫黄原子、あるいは酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基、R9は、例えば、下記一般式(20)で示される炭素数1〜12の線形または分枝アルキレン基、線形または分枝ポリ(アルキレンオキシ)基、
Figure 2005272667
(式中、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基を表す。)
または、下記一般式(21)、(22)及び(23)からなる群から選択される多価基を表す。
Figure 2005272667
上記一般式(21)において、nは0または1〜2000の整数、R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基及び下記一般式(24)からなる群から選択される基を表す。
Figure 2005272667
上記一般式(24)において、jは0または1〜100の整数、R13は1〜10個の炭素原子を有するアルキル、R12はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基を表す。
Figure 2005272667
上記一般式(22)において、R14は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシレート基またはカルボキシル基を表す。
Figure 2005272667
上記一般式(23)において、R15は酸素原子、硫黄原子、NH、SO、SO2、CH2、C(CH32またはC(CF32を表す。
本発明で使用されるオキセタン環を有する化合物として、上記一般式(18)、(19)においては、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R9が、一般式(22)においてR14が水素原子である基、ヘキサメチレン基、一般式(20)においてR10がエチル基、一般式(21)、(24)においてR12及びR13がメチル基、Zは酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基であるものが好ましい。R3〜R6が同時に水素原子を表すことがない。
Figure 2005272667
一般式(25)において、rは25〜200の整数であり、R13は上記一般式(24)におけるR13と同義であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基である。R4〜R6が同時に水素原子を表すことがない。
以下に一般式(E)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005272667
これらの化合物は「高分子科学と有機化学とのキャッチボール」の第4講に記載の方法をはじめ、下記文献を参考にすることで容易に合成できる。
1)Hu Xianming,Richard M.Kellogg,Synthesis,533−538,May(1995)
2)A.O.Fitton,J.Hill,D.Ejane,R.Miller,Synth.,12,1140(1987)
3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can.J.Chem.Vol.59,2503−2509(1981)
4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka,and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853−3854(1983)
5)Walter Fisher and Cyril A.Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
6)Chem.Ber.101,1850(1968)
7)“Heterocyclic Compounds with Three−and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)
8)H.A.J.Curless,“Synthetic Organic Photochemistry”,Plenum,New York(1984)
9)M.Braun,Nachr.Chem.Tech.Lab.,33,213(1985)
10)S.H.Schroeter,J.Org.Chem.,34,5,1181(1969)
11)D.R.Arnold,Adv.Photochem.,6,301(1968)
12)“Heterocyclic Compounds with Three−and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)
また、本発明のインクにおいては、オキセタン環を1個含有する単官能オキセタン化合物とオキセタン環を2個以上含有する多官能オキセタン化合物とを併用することが、硬化後の膜強度と記録材料への密着性を向上させる上でさらに好ましい。ただし、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
〔4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物、5員環以上の環状エーテル化合物〕
本発明のインクにおいては、4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含むことが特徴である。
4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物としては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、α−メチル−β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン等が挙げられる。
5員環以上の環状エーテル化合物としては、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−エチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、クラウンエーテル等が挙げられる。
これらの化合物の添加量としては、インク全質量に対し2.5〜20質量%が好ましく、更に好ましくは5.0〜15質量%である。これらの化合物を追加して添加することにより、光酸発生剤と光重合性化合物との相溶性が向上し、印字環境(例えば、温度、湿度)によらず良好な吐出安定性及び硬化性が得られる。
〔オキシラン基を有する化合物〕
また、本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性向上の観点から、少なくとも1種のオキシラン基を有する化合物(エポキシ化合物)を含有することが好ましい。
エポキシ化合物には、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、本発明においては、AMES及び感作性等の安全性の観点から、オキシラン基を有するエポキシ化合物としては、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドの少なくとも一方であることが特に好ましい。
エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。
エポキシ化脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に、大豆油、アマニ油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる。
以下にオキシラン基を有する化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005272667
Figure 2005272667
Figure 2005272667
光重合性化合物としては、上記オキセタン化合物、オキシラン化合物の他に、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号に例示されているビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明において、好ましくは、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を25〜90質量%、オキシラン基を有する化合物を10〜70質量%、ビニルエーテル化合物0〜40質量%とを含有することであり、この構成とすることにより、硬化性及び吐出安定性がともに向上する。
〔色材〕
本発明のインクは、上述の光重合性化合物と共に、色材として各種公知の染料または顔料を含有しているが、好ましくは顔料を含有する。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、42、81、83、87、95、109、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、144、146、185、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、27、29、60、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げるために、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、前述した吐出安定性、記録材料のカール・しわの発生の観点から、自ずと使用量に関しては制限がある。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明の照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。
本発明のインクには、上記説明した以外にさまざまな添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン等の塩基性有機化合物等が挙げられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明のインクにおいては、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが、硬化環境(温度・湿度)に関係なく吐出が安定し、良好な硬化性を得るために好ましい。
〔記録材料〕
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙等の他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ゴム類等が使用できる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能なPETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱等により、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できる。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
〔画像形成方法〕
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線等の活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題があるため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
なお、ここで総インク膜厚とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
インクの吐出条件としては、インクジェット記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴吐出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成できる。
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、さらに活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベル等への印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用できないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成でき、かつ、記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、さらに活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、LED等があるが、これらに限定されない。
〔インクジェット記録装置〕
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は、本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性化合物、光重合開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで光重合開始剤が触媒として作用することに伴なう重合性化合物の架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、熱陰極管、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に、波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯は、滲み防止、ドット径制御を効率よく行うことができる点で好ましい。熱陰極管を照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にするとさらに好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
〔インクの作製〕
光重合性化合物(オキセタン化合物、エポキシ化合物)、光重合開始剤、塩基性化合物、本発明に係る環状エステル化合物または環状エーテル化合物を下記表1に示すように組み合わせて添加、溶解してインク(色材を含有しない活性光線硬化型インクジェットインク組成物)101〜122を作製した。
Figure 2005272667
表中で略記した化合物は以下の通りである。
〔光重合性化合物〕
〈脂環式エポキシ化合物〉
2021P:セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)
〈エポキシ化大豆油(エポキシ化脂肪酸グリセライド)〉
Vf7010:Vikoflex7010(ATOFINA社製)
〈オキセタン化合物〉
OXT−221:東亞合成社製
MDMO:2−メトキシ−3,3−ジメチルオキセタン
〔光重合開始剤〕
DTS−102:みどり化学社製
〔塩基性化合物〕
TIPA:トリイソプロパノールアミン
TBA:トリブチルアミン
〔環状エステル化合物、環状エーテル化合物〕
PCA:プロピレンカーボ−ネート
γ−CAPL:γ−カプロラクトン
THF:テトラヒドロフラン
DO:1,3−ジオキソラン
ε−CAPLHH:ε−カプロラクトン−6−ヒドロキシヘキサン酸−1,6−ラクトン
〔インクの評価〕
得られた各インクについて、下記のように評価を行った。評価の結果を表2に示す。
(鉛筆硬度)
インクを合成紙(ユポ・コーポレーション(株)社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が3μmになるように塗布した後、300mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより1秒以内で照射し、硬化物を得た。JIS K5400に従って、硬化物の硬度を測定した。数値が小さいほど硬度が高いことを示す。
(付着残留率)
鉛筆硬度試験と同じ硬化物を作製し、JIS K5400の碁盤目試験に従って、硬化物に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を%で表示した。
(硬化感度)
得られたインクを合成紙(ユポ・コーポレーション(株)社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が3μmになるように塗布した後、紫外線光量を変化させて紫外線を照射し、照射後、塗布硬化膜を爪で擦り、膜がはがれるときの照射エネルギー(mJ/cm2)をもって硬化感度とした。
Figure 2005272667
表2より、本発明のインクは比較インクに比べ硬化感度に優れ、鉛筆硬度試験から塗膜硬度が高く、また基盤目テープ剥離試験から塗膜としてより強靱であることが分かる。
実施例2
〔インクセットの調製〕
分散剤と、表3に記載の光重合性化合物(オキセタン化合物、オキシラン化合物)をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に各色の顔料(表4記載)を添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、光重合開始剤、塩基性化合物、本発明に係る環状エステル化合物または環状エーテル化合物、界面活性剤、相溶化剤を表3に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インクセット201〜217を調製した。なお、淡色インク(Lk、Lc、Lm、Ly)の顔料濃度は、濃色インク(K、C、M、Y)の1/5とした。
Figure 2005272667
Figure 2005272667
表中で略記した化合物は以下の通りである。
〔界面活性剤〕
F1405:メガファックスF1405(パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物、大日本インキ化学工業社製)
F178k:メガファックスF178k(パーフルオロアルキル基含有アクリルオリゴマー、大日本インキ化学工業社製)
〔相溶化剤〕
145P:ハリタック145P(ロジン変性マレイン酸樹脂、播磨化学社製)
R100:ハリタックR100(ロジン変性マレイン酸樹脂、播磨化学社製)
〔分散剤〕
PB822:味の素ファインテクノ社製
〔インクの評価〕
得られた各インクについて、下記のように評価を行った。評価の結果を表5に示す。
(画像形成)
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インクセットを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記のようにして画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各インクの粘度にあわせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、上記のインクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより50℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の照射光源B:メタルハライドランプ(日本電池社製、MAL400NL、電力=3kW・hr、120W/cm)により瞬時(着弾後0.5秒未満)に硬化させた。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って30℃、80%RH及び25℃、20%RHの環境下で印字を行った。
なお、各照射光源の照度は、岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定した。また、記載の各記録材料の略称の詳細は以下の通りである。
ユポFGS:ユポコーポレーション社製合成紙
PVC:polyvinyl chloride
(射出性)
連続でインクを30分間吐出させた後、インク欠の状況を目視にて評価した。
◎:インク欠がなく、良好なレベル
○:インク欠がわずかにあるが、問題のないレベル
△:インク欠があり、画質に影響を与えるレベル
×:インク欠が多発し、許容できないレベル
(文字品質)
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり)
720dpiで、Y、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み及び皺の具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じりあっており、また、重なり部に皺の発生があり、使えないレベル
評価の結果を表5に示す。
Figure 2005272667
表5の結果より、本発明のインクは、射出性が向上し、かつ文字品質、滲み、皺の評価から画質も向上していることが分かる。さらに本発明のインクは、環境の違いによらず良好な性能を示すことが分かる。
本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。 本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料

Claims (15)

  1. 光酸発生剤として活性光線照射によりベンゼンを発生しないオニウム塩、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物、及び4〜10員環の脂肪族環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 前記オニウム塩がスルホニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 前記オニウム塩がヨードニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. 前記スルホニウム塩が、下記一般式(1)〜(4)で表されるスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
    Figure 2005272667
    (式中、R1〜R17はそれぞれ水素原子または置換基を表し、R1〜R3が同時に水素原子を表すことがなく、R4〜R7が同時に水素原子を表すことがなく、R8〜R11が同時に水素原子を表すことがなく、R12〜R17が同時に水素原子を表すことはない。Xは非求核性のアニオン残基を表す。)
  5. 前記一般式(1)〜(4)で表されるスルホニウム塩が、下記一般式(5)〜(13)で表されるスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
    Figure 2005272667
    Figure 2005272667
    (式中、Xは非求核性のアニオン残基を表す。)
  6. 前記脂肪族環状エステル化合物が、炭酸エステル構造を有しない脂肪族環状エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  7. 光重合性化合物として、さらにオキシラン基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  8. 光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を25〜90質量%、オキシラン基を有する化合物を10〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  9. 前記オキセタン環を有する化合物が、下記一般式(E)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
    Figure 2005272667
    (式中、R1〜R6はそれぞれ水素原子または置換基を表す。ただし、R3〜R6で表される基の少なくとも1つは置換基である。)
  10. 25℃における粘度が7〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物。
  11. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物が着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
  12. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインク組成物が着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする画像形成方法。
  13. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
  14. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク組成物を、記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、ラインヘッド方式のインクジェット記録ヘッドより吐出して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いるインクジェット記録装置であって、活性光線硬化型インクジェットインク組成物及びインクジェット記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007138085A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の製造方法及び平版印刷版
WO2007148495A1 (ja) * 2006-06-23 2007-12-27 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 活性光線硬化型インクジェットプリンターのプリントヘッド用置換液及びそれを用いた活性光線硬化型インクジェットプリンターのプリントヘッドの洗浄方法

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