JP2007137304A - 車両の開閉体ストッパ構造およびその組み付け方法 - Google Patents

車両の開閉体ストッパ構造およびその組み付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】嵌合部材と被嵌合部材とでなるストッパ手段を精度よく位置決めでき、かつストッパ手段の組み付け手順を簡素化して、生産性を向上させることができるストッパ構造及びその組付け方法を提供する。
【解決手段】 前記被嵌合部材20と嵌合部材10とのいずれか一方の部材に、これら両部材10,20の車体2及び開閉体3への組付時における被嵌合部材20と嵌合部材10との前記位置ずれを規制する規制部材24を設けると共に、該規制部材24を、前記一方の部材20から分離可能とする。
【選択図】図15

Description

本発明は、車両の車体に開閉自在に支持された開閉体のストッパ構造およびその組み付け方法に関し、車体構造の技術分野に属する。
車両の車体には乗員や荷物等の搬入のための開口が設けられ、該開口は、通常、車体に開閉自在に支持された開閉体により閉鎖可能とされている。この開閉体は、例えばヒンジやロック機構を介して車体に支持される場合があるが、この場合、開閉体におけるヒンジやロック機構により支持される部分から離れた部分が、車両走行時等に振動しやすい。そこで、これを抑制するため、車体と開閉体との間にはストッパ手段が設けられる場合がある。例えば、特許文献1には、このストッパ手段として嵌合部材(特許文献1における雄型ストッパ部材)を開閉体側に設けると共に、車体側には、開閉体の閉鎖時に嵌合部に嵌合可能な被嵌合部材(同じく雌型ストッパ部材)を設け、開閉体の閉鎖時、嵌合部材を被嵌合部材に拘束することにより、開閉体の振動等を防止可能としたものが開示されている。
ところで、前記ストッパ手段が取り付けられる車体や開閉体の寸法には、通常、製造誤差があり、またヒンジ取付による取付位置誤差等が生じるため、ストッパ手段の車体及び開閉体への組み付けに当たっては、これを吸収しながら組み付ける必要があり、その方法が前記特許文献1に開示されている。すなわち、まず、嵌合部材をボルトナットにより開閉体に固定する。次いで、被嵌合部材を車体側にボルトナットにより仮固定する。なお、被嵌合部材のボルト挿通孔は長孔とされており、この仮固定状態においては、被嵌合部材は、車体部材に対して若干スライド可能となっている。次いで、開閉体を閉鎖する。その場合に、仮固定状態の被嵌合部材の位置が、嵌合部材に対して若干ずれがあるときは、嵌合部材が被嵌合部材に嵌合する際、被嵌合部材が車体に対してスライドし、正確な位置に位置決めされる。次いで、開閉体を開いた後、被嵌合部材を車体側に本固定する。
特開平8−324255号公報
ところで、前記特許文献1に記載のものにおいては、被嵌合部材の取付位置を正確に位置決めするには、ストッパ手段の嵌合部材と被嵌合部材との寸法関係は、両者が嵌合したときに隙間が生じない寸法である必要があるが、この場合、以下のような問題がある。
すなわち、開閉体を開閉可能に支持するヒンジやそれら以外の構成部品(例えばラッチやストライカ、ウェザーストリップ)は、長年使用すると、通常、摩耗や変形等によりガタが生じてくるが、この場合、前述のように嵌合したときに隙間が生じない寸法関係であると、ストッパ手段の嵌合部材と被嵌合部材とがかみ合い難くなり、開閉体を閉じにくくなるのである。
この問題への対処方法として、例えば、被嵌合部材と嵌合部材との寸法関係を、開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係としておくことが考えられるが、この場合、特許文献1の位置決め方法では、正確な位置決めができなくなる。
そこで、以下のような方法を採用することが考えられる。すなわち、位置決めに際しては、嵌合部材に代えて、前記被嵌合部材との嵌合時に隙間を生じない寸法とされた位置決め治具を用いるのである。
このように位置決め冶具を用いる場合の手順について説明すると、まず、位置決め冶具を、開閉体における嵌合部材の取付位置に固定する。次いで、被嵌合部材を、ボルトナットを仮締めすることにより車体側に仮固定する。次いで、開閉体を閉じ、被嵌合部材を位置決めする。次いで、開閉体を開いた後、被嵌合部材を、ボルトナットを本締めすることにより車体側に本固定する。次いで、位置決め治具を取り外して、被嵌合部材に対して開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係の嵌合部材をボルトナットにより開閉体に固定する。
しかしながら、この場合、位置決め冶具を開閉体に固定するステップと、位置決め治具を取り外すステップがもとの方法に比較して増加する。また、このような組み付け作業は、連続的に流れる生産ライン上で車体及び開閉体が移送されながら行われる場合があるが、この場合、冶具を、ストッパ手段の組付作業が終わったステーションから、このステーションの上流側の該冶具を取り付けるステーションまで戻す必要があり、その分の作業も増加することとなる。
そこで、本発明は、ストッパ手段を精度よく位置決めでき、かつストッパ手段の組み付け手順を簡素化して、生産性を向上させることができるストッパ構造及びその組付け方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段を構成する嵌合部材と被嵌合部材とが、開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係とされた車両の開閉体ストッパ構造であって、前記被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材には、これら両部材の車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との前記位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、該規制部材は、前記一方の部材から分離可能とされていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記規制部材が設けられる部材には、位置決め用穴部と突起とのいずれか一方が設けられていると共に、前記規制部材には、位置決め用穴部と突起との他方が設けられていることを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記規制部材は、前記規制部材が設けられる部材と一体で成形されることを特徴とする。
さらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記規制部材は、前記規制部材が設けられる部材に脆弱部を介して連結されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記被嵌合部材は、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に当接する受容部材と、該受容部材を収容する本体部材とで構成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段を構成する嵌合部材と被嵌合部材とが、開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係とされた車両の開閉体ストッパ構造の組付け方法であって、前記被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材として、これらの車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との間の前記位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、該規制部材は、前記被嵌合部材と嵌合部材との前記一方の部材から分離可能とされており、かつ、前記規制部材が設けられる部材には、位置決め用穴部と突起とのいずれか一方が設けられていると共に、前記規制部材には、位置決め用穴部と突起との他方が設けられたものを用い、規制部材と該規制部材が設けられる部材とに設けられた突起と穴部とを係合させる係合ステップと、被嵌合部材と嵌合部材との他方の部材を車体と開閉体との前記一方に固定する他方部材固定ステップと、係合ステップ及び固定ステップのうち少なくとも係合ステップの実行後に行われ、前記他方の部材に前記一方の部材を嵌合させる嵌合ステップと、係合ステップ,固定ステップ,及び嵌合ステップの実行後に行われ、開閉体を閉鎖して、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に対して位置決めする位置決めステップと、位置決めステップの実行後に行われ、開閉体を開放する開放ステップと、開放ステップの実行後に行われ、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に固定する一方部材固定ステップと、一方部材固定ステップの実行後に行われ、前記一方の部材から規制部材を分離する分離ステップとを有することを特徴とする。
そして、請求項7に記載の発明は、車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段が、開閉体の閉鎖時に嵌合部材と被嵌合部材とが嵌合した状態において、開閉体の車体に対する変位を所定量許容可能に構成された車両の開閉体ストッパ構造の組付け方法であって、前記被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材として、これらの車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との間の前記位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、該規制部材は、前記一方の部材と一体で成形され、かつ分離可能とされていると共に、前記被嵌合部材は、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に当接する受容部材と、該受容部材を収容する本体部材とで構成されたものを用い、前記受容部材と本体部材とを組み合わせて被嵌合部材を形成する形成ステップと、被嵌合部材と嵌合部材との他方の部材を車体と開閉体との前記一方に固定する他方部材固定ステップと、形成ステップ及び固定ステップの実行後に行われ、前記他方の部材に前記一方の部材を嵌合させる嵌合ステップと、固定ステップ及び嵌合ステップの実行後に行われ、開閉体を閉鎖して、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に対して位置決めする位置決めステップと、位置決めステップの実行後に行われ、開閉体を開放する開放ステップと、開放ステップの実行後に行われ、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に固定する一方部材固定ステップと、一方部材固定ステップの実行後に行われ、前記一方の部材から規制部材を分離する分離ステップとを有することを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材には、これらの車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、該規制部材は、前記一方の部材から分離可能とされているから、規制部材の存在する状態で、前記被嵌合部材と嵌合部材とを嵌合させることにより、両者を精度よく位置決めして組み付けることができる。また、規制部材を分離すれば、被嵌合部材と嵌合部材とに隙間が生じることとなり、この結果、経年劣化等によってガタが生じて被嵌合部材と嵌合部材との間に開閉体の閉鎖時における位置関係にずれが生じても、前記隙間によってこの位置ずれが許容されることとなり、嵌合部材と被嵌合部材とが良好にかみあって、開閉体をスムーズに閉じることができる。
加えて、規制部材を分離するための軽微な作業は必要となるものの、位置決め治具が不要となるので、位置決め治具の取付、取り外し等の作業が不要となる。また、位置決め治具が不要であるので、例えば、連続的に流れる生産ライン上で組み付け作業が行われる場合でも、ストッパ手段の組付作業が終わったステーションから、このステーションの上流側の該冶具を取り付けるステーションまで戻すような作業が発生せず、その分の作業負担が軽減される。したがって、ストッパ手段の組み付け手順が簡素化すると共に、全体としての生産性が向上することとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記規制部材が設けられる部材には、位置決め用穴部と突起とのいずれ一方が設けられていると共に、前記規制部材には、位置決め用穴部と突起との他方が設けられているから、規制部材を所定位置に良好に位置させることができるようになり、規制部材が設けられる前記一方の部材の位置決め精度が良好なものとなる。また、分離するに際しては係合を解除するだけでよいので、作業を大幅に増加させるようなこともない。
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記規制部材は、規制部材が設けられる前記一方の部材と一体で成形されるから、生産性が高まると共に、規制部材が脱落して紛失するのを防止することができる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、前記規制部材は、規制部材が設けられる前記一方の部材に脆弱部を介して連結されているから、該一方の部材と一体で成形した場合でも、該規制部材を容易に分離することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記被嵌合部材は、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に当接する受容部材と、該受容部材を収容する本体部材とで構成されているから、本体部材と受容部材とをそれぞれの用途に適した素材を用いて形成することができる。例えば、受容部材をゴム等の弾性材等を用いて形成すると共に、本体部材を硬質の樹脂部材等を用いれば、開閉体閉鎖時の衝撃や振動を良好に吸収することができると共に、嵌合力を適切に設定することができ、受容部材を良好に保持することができる。なお、規制部材が前記被嵌合部材と嵌合部材との前記一方の部材と一体で成形される場合、規制部材は、本体部材と、受容部材とのいずれに設けられていてもよい。
そして、請求項6に記載の発明においては、まず、規制部材と該規制部材が設けられる前記一方の部材とに設けられた突起と穴部とを係合させるので、規制部材を所定位置に良好に位置させることができるようになり、規制部材が設けられる前記一方の部材の位置決め精度が良好となる。そして、その後、被嵌合部材と嵌合部材との他方の部材を車体と開閉体との他方に固定し、被嵌合部材と嵌合部材との他方部材に前記一方の部材を嵌合させ、これら各作業を実行後、開閉体を閉鎖して、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に対して位置決めする。したがって、位置決め治具を用いることなく、被嵌合部材と嵌合部材とを精度よく位置決めすることができる。そして、開閉体を開放し、被嵌合部材と嵌合部材との前記一方の部材を車体と開閉体との他方に固定した後、該一方の部材から規制部材を分離する。したがって、請求項1の作用効果としても説明したように、ストッパ手段の組み付けに際して位置決め治具が不要となるので、ストッパ手段の組み付け手順が簡素化すると共に、全体としての生産性が向上することとなる。また、組み付け後においては、請求項1と同様の作用効果が得られる。
さらに、請求項7に記載の発明においては、まず、前記受容部材と本体部材とを組み合わせて被嵌合部材を形成すると共に、被嵌合部材と嵌合部材との前記他方の部材を車体と開閉体とのいずれか一方に固定する。そして、その後、被嵌合部材と嵌合部材との他方の部材を車体と開閉体との他方に固定し、被嵌合部材と嵌合部材との他方部材に前記一方の部材を嵌合させ、これら各作業を実行後、開閉体を閉鎖して、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に対して位置決めする。したがって、位置決め治具を用いることなく、被嵌合部材と嵌合部材とを精度よく位置決めすることができる。そして、開閉体を開放し、被嵌合部材と嵌合部材との前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に固定した後、該一方の部材から規制部材を分離する。したがって、請求項1の作用効果としても説明したように、ストッパ手段の組み付けに際して位置決め治具が不要となるので、ストッパ手段の組み付け手順が簡素化すると共に、全体としての生産性が向上することとなる。また、前記規制部材は、規制部材が設けられる前記一方の部材と一体で成形されたものを用いるので、組み付け作業中等に、規制部材が脱落して紛失するのを防止することができる。また、組み付け後においては、請求項1及び請求項5と同様の作用効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る車両1は、ハッチバックタイプの車両であり、車体2の後部には、荷物搬入用開口2aが設けられていると共に、該開口2aを閉鎖するためのバックドア3が設けられている。このバックドア3は、その上縁部と車体2の開口2aの上縁部との間に設けられたヒンジ4,4により、上部を中心として回動可能に支持されている。また、バックドア3の下縁部には、該ドア3を車体2に対して閉鎖状態で固定するための図示しないロック機構が設けられている。
また、開口2aの左右両側縁部とバックドア3の左右両側縁部との間には、車両運転時等における車体2に対するバックドア3のガタツキを抑制するストッパ装置5,5がそれぞれ設けられている。(図1においては、車体左側のもののみ図示されている)
このストッパ装置5は、前記バックドア3側に設けられた嵌合部材10と、車体側に設けられた被嵌合部材20とで構成されている。
嵌合部材10は、図2、図3に示すように、平面状の取付面部10aと、該取付面部10aから突出する楔状の突出部10bとを有する雄型のもので、バックドア3の側縁部を構成するパネル部材41に座付きボルト42,42及びナット43,43で固定されている。
これに対し、被嵌合部材20は、図4に示すように、長手方向中央に、嵌合部材10の突出部10bに嵌合可能な凹部20aを有する雌型のもので、開口2aの側縁部を構成するパネル部材51に、座付きボルト52,52及びナット53,53(図18等参照)で固定されている。
次に、車体2及びバックドア3へのストッパ装置5の嵌合部材10及び被嵌合部材20の組み付けについて説明する。
まず、この組み付けに用いられる嵌合部材10について説明すると、該嵌合部材10は、図5に示すように、前述したが、平面状の取付面部10aと、該取付面部10aから楔状に突出する突出部10bとを有している。取付面部10aの長手方向両端部には前記座付きボルト42,42が挿通される挿通孔10c,10cが設けられている。また、突出部10aの断面は概ね四角形とされている。
次に、被嵌合部材20について説明すると、該被嵌合部材20は、図6、図7に示す比較的硬質の樹脂製の本体部材21と、図8、図9に示す弾性を有するゴム製の受容部材22とで構成されている。
図6、図7に示すように、本体部材21は、上面側から下面側に貫通し、前記受容部材22を収容する四角枠状の収容部21aと、該収容部21aの両端側に設けられ、ボルト挿通孔21bが形成された取付面部21cと、収容部21aを形成する4つの壁部のうち、前記両取付面部21c側の一対の壁部の上端部からそれぞれ収容空間内に下方へ湾曲しながら延びる一対の舌状部21d,21dとを有している。
図8、図9に示すように、受容部材22は、上面中央に平面視略四角形の凹部22aを有する升状とされている。また、その一上端縁部には、規制部材24が連結されている。なお、これらは、一体で成形される。
この規制部材24は、ブロック体24aと、該ブロック体24aと受容部材22とを連結する連結部24b,24bとを有しており、図10,図11に示すように、受容部材22の凹部22a内に折り返し可能とされている。また、連結部24b,24bにおける受容部材22側の端部は細くされて、引っ張ることにより切断可能な脆弱部23とされている。つまり、規制部材24は、受容部材22から分離可能とされている。また、ブロック体24aにおける連結部24b,24bが設けられた側とは反対側には、突起24cが設けられている。
また、受容部材22の凹部22aの底面には、規制部材24を受容部材22の凹部22a内に折り返したときに、前記突起24cと係合可能な穴部22bが設けられている。
その場合に、受容部材22の凹部22aの車幅方向長(図11における左右方向長)は、嵌合部材10の突出部10bの車幅方向長よりも、大きくされており、規制部材24が分離された状態において、受容部材22の凹部22a側面と嵌合部材10の突出部10b側面との間に隙間X(図24参照)が生じる寸法関係とされている。
次に、組付手順について説明する。まず、前記図10、図11に示すように、受容部材22の凹部22a内に規制部材24をその連結部24b及び脆弱部23を湾曲させながら折り返して、突起24cと穴部22bとを係合させる(ステップ1(請求項6における係合ステップ))。これにより、規制部材24を凹部22a内における所定の位置に良好に位置させることができる。
次いで、図12、図13に示すように、この状態の受容部材22を、本体部材21の収容部21a内に収容して規制部材24を残した状態で被嵌合部材20を形成すると共に、その底面に両面テープ25を貼り付ける(ステップ2(請求項7における形成ステップ))。
次いで、嵌合部材10を、図2、図3に示すように、バックドア3にボルト41,41、及びナット42,42により固定する(ステップ3(請求項7における他方部材固定ステップ))。なお、本ステップ3は、前記ステップ1,2と並行して、または、その前に行ってもよい。
次いで、図14、図15に示すように、嵌合部材10に被嵌合部材20を嵌合させる(ステップ4(請求項6,7における嵌合ステップ))。なお、このとき、嵌合部材10の突出部10bが、車体前後方向においては被嵌合部材20の本体部材21の舌状部21d,21dに挟みつけられると共に、車幅方向においては受容部材22の凹部22a内面と前記規制部材24のブロック体24aとで挟みつけられて、四方からしっかりと保持されているので、被嵌合部材20が嵌合部材10から脱落することはない。また、受容部材22の凹部22a内面と嵌合部材10の突出部10bとの間に隙間が生じないので、本作業を繰り返し行った場合でも、常に、被嵌合部材20は嵌合部材10に対して同じ位置関係で嵌合されることとなる。
次いで、図16に示すように、バックドア3を閉鎖する。このとき、被嵌合部材20が、両面テープ25により車体2側のパネル部材51に接着されて、位置決め及び仮固定される(ステップ5(請求項6,7における位置決めステップ))。なお、仮固定ではあるが、両面テープ25による接着であるので、以後、位置ずれすることはない。そして、特に、直前のステップ4において、前述のように、被嵌合部材20は嵌合部材10に対して同じ位置関係で嵌合されているので、被嵌合部材20は車体2側に常にその位置関係を保って位置決め・仮固定されるので、両者間で位置ずれすることなく、被嵌合部材20が嵌合部材10に対して精度よく位置決めされることとなる。
次いで、バックドア3を開放する(ステップ6(請求項6,7における開放ステップ))。この開放後の状態を図17に示す。なお、被嵌合部材20は、両面テープ25によりパネル部材51に仮固定されているので、はがれたり、位置ずれすることはない。
次いで、図18、図19、図20に示すように、被嵌合部材20をボルト52,52、ナット53,53により車体2側のパネル部材51に本固定する(ステップ7(請求項6,7における一方部材固定ステップ))。なお、被嵌合部材20の本体部材21のボルト挿通孔21bの直径は、車体2への被嵌合部材20の取付位置にばらつきが生じた場合でも、座付きボルト52を挿通可能なようにそのネジ部の直径よりも大きくされている。
次いで、被嵌合部材20側の規制部材24を、ラジオペンチ等により受容部材22の凹部22aの外部側に引っ張って、規制部材24の突起24cと受容部材22の穴部22bとの係合を解除させると共に脆弱部23を切断し、図21,22、図4に示すように、受容部材22から、すなわち被嵌合部材20から分離する(ステップ8(請求項6,7における分離ステップ))。その場合に、前記規制部材24と受容部材22とは脆弱部23を介して連結されているから、これらを一体で成形した場合でも、規制部材24を容易に分離することができる。
以上のように、本組み付け方法によれば、規制部材24を分離するための軽微な作業は必要となるものの、位置決め治具が不要となるので、位置決め治具の取付、取り外し等の作業が不要となる。また、位置決め治具が不要であるので、例えば、連続的に流れる生産ライン上で組み付け作業が行われる場合でも、ストッパ装置の組付作業が終わったステーションから、このステーションの上流側の該冶具を取り付けるステーションまで戻すような作業が発生せず、その分の作業負担が軽減される。したがって、ストッパ装置5,5の組み付け手順が簡素化すると共に、全体としての生産性が向上することとなる。
加えて、規制部材24は、受容部材22と一体で成形されるから、生産性が高まると共に、規制部材24を受容部材22に組み付けた後、搬送中等に、規制部材24が脱落して紛失することがない。また、規制部材24と受容部材22とを分離するに際しては規制部材24を引っ張って係合を解除すると共に脆弱部を切断するだけでよいので、作業を大幅に増加させるようなこともない。
次に、このようにして車体2及び開閉体3に組み付けられたストッパ装置5によって奏される作用効果について説明する。
すなわち、図23、図24に示すように、バックドア3を閉鎖すると、嵌合部材10と被嵌合部材20とが嵌合することとなる。その場合に、前記規制部材24は分離して取り除かれているが、被嵌合部材10の突出部10bが車体前後方向において被嵌合部材20の本体部材21の舌状部21d,21dに挟みつけられて保持されているので、車両走行中に振動が生じても、バックドア3のガタツキ等が抑制される。また、嵌合部材10及び被嵌合部材20は、車体2の開口2aの左右両側縁部及びバックドア3の左右両側縁部に左右対称に配置されていると共に、左右の嵌合部材10及び被嵌合部材20は左右対称の構成とされており、かつ、左側の嵌合部材10の突出部10bにおける左側面(図24における)が、被嵌合部材20の受容部材22の凹部22aに当接して該受容部材22を図中左方向に圧縮すると共に、図示していないが、右側の嵌合部材10及び被嵌合部材20については逆に右方向に圧縮することとなるので、バックドア3が左右のストッパ装置5,5により車幅方向に拘束され、該バックドア3の車幅方向位置のガタツキ等も抑制されることとなる。なお、この車幅方向への拘束の強さは、前記嵌合部材10の突出部10bによる被嵌合部材20の受容部材22の圧縮量により決まるが、本発明の構成によれば、規制部材24の厚さや形状を変更することで、車幅方向への拘束の強さを容易に変更することができる。
加えて、被嵌合部材20は、バックドア3の閉鎖時に嵌合部材10に当接する受容部材22と、該受容部材22を収容する本体部材21とで構成されているから、本体部材21と受容部材22とをそれぞれの用途に適した素材を用いて形成することができる。すなわち、バックドア3の閉鎖時に嵌合部材10の突出部10bと当接する嵌合部材20の受容部材22を弾性を有するゴム製としたので、バックドア3の閉鎖に際してのショックや振動の発生を良好に吸収することができると共に、嵌合力を適切に設定することができる。また、本体部材21を硬質の樹脂材としたので、受容部材22を良好に保持することができる。
さらに、前記規制部材24は分離して取り除かれているので、車幅方向(図24における左右方向)においては、嵌合部材10の突出部10bと被嵌合部材20の受容部材22の凹部22a内面との間に所定量の隙間Xが生じている。したがって、バックドア3を支持するヒンジ4,4やそれ以外の構成部品(例えばラッチやストライカ、ウェザーストリップ)に経年劣化等によってガタが生じて、バックドア3の閉鎖時における嵌合部材10と被嵌合部材20との位置関係に車幅方向の位置ずれが生じても、前記隙間Xによってこの位置ずれが吸収されることにより、嵌合部材10と被嵌合部材20とが良好にかみあって、バックドア3をスムーズに閉じることができる。
なお、本実施の形態においては、車体2側に被嵌合部材20を設け、バックドア3側に嵌合部材10を設けたが、本発明は、車体側に嵌合部材を設け、バックドア側に被嵌合部材を設けた構成にも適用可能である。
また、規制部材24を被嵌合部材20側に設けたが、嵌合部材10側に規制部材を設けてもよい。この場合、規制部材は、例えば、嵌合部材10の突出部10bの先端部側部に設ければよい。
また、突起24c規制部材24に設け、穴部22bを受容部材22に設けたが、受容部材22に突起を設け、規制部材に穴部を設けてもよい。そして、前述のように、嵌合部材10の突出部10bの先端部側部に規制部材を設けた場合には、突出部10b側に突起と穴部とのいずれか一方を設け、規制部材側にその他方を設ければよい。
また、規制部材24を受容部材22と一体で成形したが、本体部材21と一体で成形してもよい。
また、車体後部の開口2aを閉鎖するバックドア3に適用したが、バックドア3に限らず、車体側部、前部、上部等を開閉するドアにも適用可能である。また、ヒンジにより回動自在に支持されているドアについて説明したが、スライドドアにも適用可能である。この場合、スライドドアの端縁部とこれに対向する車体側の縁部とに嵌合部材と被嵌合部材とでなるストッパ部材を設ける場合にも適用可能である。
本発明は、車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段を構成する嵌合部材と被嵌合部材とが、開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係とされたストッパ構造を有する車両に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る車両のバックドアを半開きとした状態の後部の斜視図である。 図1における矢印A方向(車体側面視方向)からのストッパ装置の嵌合部材の拡大矢視図である。 図2のB−B断面図である。 ストッパ装置の被嵌合部材を図1と同方向から見た拡大斜視図である。 嵌合部材を図2と同方向から見た単品斜視図である。 被嵌合部材の本体部材を図4と同方向から見た単品斜視図である。 図6のC−C断面図である。 被嵌合部材の受容部材を図4と同方向から見た単品斜視図である(成形されたときの状態であり、規制部材が一体とされている)。 図8のD−D断面図である。 規制部材を被嵌合部材の受容部材の凹部内に折り返した状態における図4と同方向から見た単品斜視図である。 図10のE−E断面図である。 本体部材と受容部材とを組み合わせて被嵌合部材を形成した状態における図9、図11と同一断面による断面図である。 図12のF−F断面図である。 嵌合部材をバックドアに固定した後、嵌合部材に被嵌合部材を嵌合させた状態における図1の矢印A方向からの拡大図である(説明便宜上、被嵌合部材側を図9、図11と同一断面であらわしている)。 図14のG−G断面図である。 バックドアを閉鎖し、被嵌合部材を仮固定した状態における図1の矢印A方向からの拡大図である。 バックドアを開放した状態における図1の矢印A方向からの拡大図である。 被嵌合部材を車体に本固定した状態における図1の矢印A方向からの拡大図である。 図18のH−H断面図である。 図18の状態での被嵌合部材を図1と同方向から見た拡大斜視図である。 規制部材を分離した状態における図1の矢印A方向からの拡大図である。 図21のI−I断面図である。 ストッパ部材の組み付け完了後(規制部材の分離後)、バックドアを閉鎖して嵌合部材と被嵌合部材とを嵌合させた状態における図1の矢印A方向からの拡大図である。 図23のJ−J断面図である。
符号の説明
1 車両
2 車体
2a 開口
3 バックドア(開閉体)
5 ストッパ装置(ストッパ手段)
10 嵌合部材
10b 突出部
20 被嵌合部材
20a 凹部
21 本体部材
22 受容部材
22b 穴部
23 脆弱部
24 規制部材
24c 突起

Claims (7)

  1. 車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段を構成する嵌合部材と被嵌合部材とが、開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係とされた車両の開閉体ストッパ構造であって、
    前記被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材には、これら両部材の車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との前記位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、
    該規制部材は、前記一方の部材から分離可能とされていることを特徴とする車両の開閉体ストッパ構造。
  2. 前記請求項1に記載の車両の開閉体ストッパ構造において、
    前記規制部材が設けられる部材には、位置決め用穴部と突起とのいずれか一方が設けられていると共に、
    前記規制部材には、位置決め用穴部と突起との他方が設けられていることを特徴とする車両の開閉体ストッパ構造。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の車両の開閉体ストッパ構造において、
    前記規制部材は、前記規制部材が設けられる部材と一体で成形されることを特徴とする開閉体ストッパ構造。
  4. 前記請求項3に記載の車両の開閉体ストッパ構造において、
    前記規制部材は、前記規制部材が設けられる部材に脆弱部を介して連結されていることを特徴とする開閉体ストッパ構造。
  5. 前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両の開閉体ストッパ構造において、
    前記被嵌合部材は、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に当接する受容部材と、該受容部材を収容する本体部材とで構成されていることを特徴とする開閉体ストッパ構造。
  6. 車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段を構成する嵌合部材と被嵌合部材とが、開閉体の閉鎖時における相対的な位置ずれを許容して嵌合可能な寸法関係とされた車両の開閉体ストッパ構造の組付け方法であって、
    前記被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材として、これらの車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との間の前記位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、該規制部材は、前記被嵌合部材と嵌合部材との前記一方の部材から分離可能とされており、かつ、前記規制部材が設けられる部材には、位置決め用穴部と突起とのいずれか一方が設けられていると共に、前記規制部材には、位置決め用穴部と突起との他方が設けられたものを用い、
    規制部材と該規制部材が設けられる部材とに設けられた突起と穴部とを係合させる係合ステップと、
    被嵌合部材と嵌合部材との他方の部材を車体と開閉体との前記一方に固定する他方部材固定ステップと、
    係合ステップ及び固定ステップのうち少なくとも係合ステップの実行後に行われ、前記他方の部材に前記一方の部材を嵌合させる嵌合ステップと、
    係合ステップ,固定ステップ,及び嵌合ステップの実行後に行われ、開閉体を閉鎖して、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に対して位置決めする位置決めステップと、
    位置決めステップの実行後に行われ、開閉体を開放する開放ステップと、
    開放ステップの実行後に行われ、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に固定する一方部材固定ステップと、
    一方部材固定ステップの実行後に行われ、前記一方の部材から規制部材を分離する分離ステップとを有することを特徴とする開閉体ストッパ構造の組み付け方法。
  7. 車体と該車体に開閉自在に支持された開閉体とのいずれか一方に設けられた嵌合部材と、他方に設けられて、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に嵌合する被嵌合部材とを有するストッパ手段が備えられ、かつ、該ストッパ手段が、開閉体の閉鎖時に嵌合部材と被嵌合部材とが嵌合した状態において、開閉体の車体に対する変位を所定量許容可能に構成された車両の開閉体ストッパ構造の組付け方法であって、
    前記被嵌合部材と嵌合部材とのいずれか一方の部材として、これらの車体及び開閉体への組付時における被嵌合部材と嵌合部材との間の前記位置ずれを規制する規制部材が設けられていると共に、該規制部材は、前記一方の部材と一体で成形され、かつ分離可能とされていると共に、前記被嵌合部材は、開閉体の閉鎖時に嵌合部材に当接する受容部材と、該受容部材を収容する本体部材とで構成されたものを用い、
    前記受容部材と本体部材とを組み合わせて被嵌合部材を形成する形成ステップと、
    被嵌合部材と嵌合部材との他方の部材を車体と開閉体との前記一方に固定する他方部材固定ステップと、
    形成ステップ及び固定ステップの実行後に行われ、前記他方の部材に前記一方の部材を嵌合させる嵌合ステップと、
    固定ステップ及び嵌合ステップの実行後に行われ、開閉体を閉鎖して、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に対して位置決めする位置決めステップと、
    位置決めステップの実行後に行われ、開閉体を開放する開放ステップと、
    開放ステップの実行後に行われ、前記一方の部材を車体と開閉体との前記他方に固定する一方部材固定ステップと、
    一方部材固定ステップの実行後に行われ、前記一方の部材から規制部材を分離する分離ステップとを有することを特徴とする開閉体ストッパ構造の組み付け方法。
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