JP2007136283A - 含窒素炭素系電極触媒 - Google Patents

含窒素炭素系電極触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】 触媒担体を構成する炭素材料と触媒に適用される機能性分子との間の効率的な電子伝導を可能とし、高水準の酸素還元触媒特性を達成することが可能な貴金属を使用しない含窒素炭素系電極触媒を提供すること。
【解決手段】 炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料からなる多孔体と、前記多孔体に担持されている金属又は金属イオンとを備えており、前記多孔体が、
比表面積が100m2/g以上、
平均細孔径が1〜50nm、
窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.05〜0.4、
XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型及びN型窒素原子の数の和と全窒素原子の数の和との比{(N+N)/N}が0.2〜1.0
のものであることを特徴とする含窒素炭素系電極触媒。
【選択図】 なし

Description

本発明は、炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料からなる多孔体を担体とする含窒素炭素系電極触媒に関する。
固体高分子形燃料電池は、次世代の車載動力源として期待されているが、その本格的な普及のためには、電極触媒として多量に使用されている白金の大幅な低減が求められている。
そこで、従来から貴金属を使用しない電極触媒、特に空気極触媒の開発に関する様々な研究がなされており、R.Jasinski,Nature,201,p.1212(1964)(非特許文献1)には、炭素材料からなる担体に金属ポルフィリンや金属フタロシアニンといった大環状Nキレートを担持した電極触媒が開示されている。また、S.L.Gupta et al.,Electrochimica Acta,28,No.9,p.1205(1983)には、更に触媒能、安定性を向上させることを目的としてそのような電極触媒を部分的に熱分解したものが開示されている。
しかしながら、非特許文献1や特許文献2に記載のような従来の貴金属を使用しない電極触媒においては、酸素還元触媒特性の向上に限界があり、未だ十分なものではなかった。
R.Jasinski,Nature,201,p.1212(1964) S.L.Gupta et al.,Electrochimica Acta,28,No.9,p.1205(1983)
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、触媒担体を構成する炭素材料と触媒に適用される機能性分子との間の効率的な電子伝導を可能とし、高水準の酸素還元触媒特性を達成することが可能な貴金属を使用しない電極触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、貴金属を使用しない電極触媒においては窒素原子と金属とからなる構造が重要と考え、そのような構造を最適化し且つ高密度に炭素担体上に形成することによって上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されており特定の構成を有する含窒素炭素系材料からなる多孔体に金属を担持させることにより前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料からなる多孔体と、前記多孔体に担持されている金属とを備えており、前記多孔体が、
比表面積が100m2/g以上、
平均細孔径が1〜50nm、
窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.05〜0.4、
XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型及びN型窒素原子の数の和と全窒素原子の数の和との比{(N+N)/N}が0.2〜1.0
のものであることを特徴とする含窒素炭素系電極触媒である。
本発明の含窒素炭素系電極触媒においては、前記N型及びN型窒素原子の数の和と全窒素原子の数の和との比{(N+N)/N}が0.3〜1.0であることであることが好ましい。
また、本発明の含窒素炭素系電極触媒に用いられる前記金属としては、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属のイオンが好ましい。
さらに、本発明の含窒素炭素系電極触媒は、前記多孔体に前記金属を担持させた後に不活性雰囲気中で前記金属のイオンの塩の分解温度以上の温度で熱処理したものであることが好ましい。
なお、本発明の含窒素炭素系電極触媒においては触媒担体を構成する炭素材料と触媒に適用される機能性分子との間の効率的な電子伝導が達成され、高水準の酸素還元触媒特性を得ることが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、本発明にかかる含窒素炭素系材料からなる多孔体においては、炭素と窒素の原子価の違いによって炭素骨格中に電荷の偏りが生じる。それによって固定化される金属と含窒素炭素系材料との間に電気的相互作用が生じ、結果的に金属と含窒素炭素系材料との結合が強められることになる。さらに、金属は炭素骨格中の窒素原子と錯形成することにより安定性及び活性が高まり、特に孤立電子対を持つN型及びN型の窒素原子は金属との結合に有効である。そのため、前記本発明の含窒素炭素系電極触媒においては、金属が高い担持量で且つ安定に担持され、酸素還元触媒特性の向上がもたらされるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、触媒担体を構成する炭素材料と触媒に適用される機能性分子との間の効率的な電子伝導を可能とし、高水準の酸素還元触媒特性を達成することが可能な貴金属を使用しない含窒素炭素系電極触媒を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
(含窒素炭素系多孔体)
本発明において担体として用いる含窒素炭素系多孔体は、炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料からなる多孔体である。上記窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)の上限値は0.4であり、0.3であることがより好ましい。一方、その下限値は0.05であり、0.07であることがより好ましい。窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.05未満の場合には、金属と結合する有効な窒素原子の数が減少し、十分な酸素還元触媒特性が得られなくなる。また、窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.4を超える場合には、多孔体の炭素骨格の強度が低下し、また電気伝導性が低下する。
なお、本発明にかかる多孔体の窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)は、CHN元素分析又はXPS(X線光電子分光分析)によって求めることができる。
また、上記含窒素炭素系多孔体の骨格は、少なくとも炭素原子及び窒素原子により形成されていればよく、その他の原子として水素原子や酸素原子等を含んでいてもよい。その場合、その他の原子と炭素原子及び窒素原子との原子比((その他の原子)/(C+N))は0.3以下であることが好ましい。
さらに、本発明にかかる含窒素炭素系多孔体においては、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型及びN型窒素原子の数の和と全窒素原子の数の和との比{(N+N)/N}が0.2〜1.0であることが必要であり、0.3〜1.0であることがより好ましい。この比{(N+N)/N}が0.2未満の場合には、金属と結合できる有効な窒素原子の数が少なく、十分な酸素還元触媒特性が得られなくなる。また、この比{(N+N)/N}の上限は、原理的に1である。
なお、下記構造式に示すように、含窒素炭素系多孔体中の窒素原子は様々な状態で炭素骨格の中に存在する。すなわち、(i)酸化された状態で、ハロゲン、酸素等と結合しているもの(NOX)、(ii)主に炭素網面の内部に存在し、3つの炭素原子と結合しており、孤立電子対を持たないもの(N)、(iii)主に炭素網面の端部に存在し、6員環のピリジン類似の構造をしているもの(N)、(iv)5員環のピロール類似の構造をしているもの(N)、に分類される。
Figure 2007136283
これらの窒素原子のうち、N、Nの状態の窒素原子には、ピリジン、ピロールと同様に、孤立電子対が存在するので、これを利用して金属と配位結合を形成することができる。それぞれの存在比は、XPSのN1sスペクトルに異なった結合エネルギーのピークとして現れることを利用して、ピーク分離して強度を比較することにより、それぞれの存在比を求めることができる。典型的な各窒素状態のピーク位置は、NOXが402.9±0.2eV、Nが401.2±0.2eV、Nが400.5±0.2eV、Nが398.5±0.2eVである。なお、これらの他に、上記構造式中に示しているようにOH基がついた炭素に結合しているピリドン型の窒素原子も存在し得るが、Nと同じ400.5±0.2eVにピークを持つので、N型窒素原子と区別することはできない(E.Raymundo−Pinero et al.,Carbon,40,p.597〜608(2002)参照)。したがって、本明細書においては、ピリドン型窒素原子もN型窒素原子に包含されるものとして記載する。
そして、金属との結合に適しているかどうかは、窒素原子が孤立電子対を有しているかどうかによる。これは、窒素原子の孤立電子対が金属イオンの空軌道に電子を供与することで配位結合を形成することによる。上記の種々の窒素原子のうち、N型とN型の窒素原子は孤立電子対を持つので金属との結合に有効であるが、NOX型とN型の窒素原子は有効ではない。したがって、N1sスペクトルを上記の成分毎にピーク分離して各窒素原子の比率を求めた場合に、低い結合エネルギーの成分(N型及びN型窒素原子)の比率が大きいものほど金属との複合化(結合形成)に有効であり、本発明においてはこの比{(N+N)/N}が0.2以上であることが必要である。
また、本発明にかかる含窒素炭素系多孔体の比表面積は、100m2/g以上であることが必要であり、300m2/g以上であることがより好ましく、600m2/g以上であることが更に好ましく、800〜1500m2/gであることが特に好ましい。比表面積が100m2/g未満の場合には、担持成分との接触面積の低下及び担持成分を取り込む細孔の減少が生じ、十分な酸素還元触媒特性が得られない。
また、本発明にかかる含窒素炭素系多孔体の平均細孔径は、1〜50nmであることが必要であり、2〜10nmであることがより好ましい。平均細孔径が1nm未満の場合には、細孔の大きさが担持成分の大きさよりも小さくなることが多くなり、十分な酸素還元触媒特性が得られない。また、平均細孔径が50nmを超える場合には、比表面積の低下を招き、やはり十分な酸素還元触媒特性が得られない。
更に、本発明にかかる含窒素炭素系多孔体の細孔容量は、上記比表面積及び平均細孔径によっても変動するため特に制限されないが、0.1〜50ml/gであることが好ましく、0.2〜2.5ml/gであることがより好ましい。
本発明にかかる多孔体の比表面積、平均細孔径及び細孔容量は、以下に述べる方法により求めることができる。すなわち、多孔体を所定の容器に入れて液体窒素温度(−196℃)に冷却し、容器内に窒素ガスを導入して定容量法又は重量法によりその吸着量を求める。次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットして窒素吸着等温線を得る。この窒素吸着等温線を用い、SPE(Subtracting Pore Effect)法により比表面積、平均細孔径及び細孔容量を算出することができる(K.Kaneko, C.Ishii, M.Ruike, H.Kuwabara, Carbon 30, 1075, 1986)。上記SPE法とは、αS−プロット法、t−プロット法等によってミクロ細孔解析を行い、ミクロ細孔の強いポテンシャル場の効果を取り除いて比表面積等を算出する方法であり、ミクロ細孔性多孔体の比表面積等の算出においてBET法よりも精度の高い方法である。
本発明にかかる含窒素炭素系多孔体の細孔形状は特に制限されず、例えば、多孔体表面のみに細孔が形成されていても、表面のみならず内部にも細孔が形成されていてもよく、内部にも細孔が形成されている場合には、例えば、トンネル状に貫通したものであってもよく、また、球状又は六角柱状等の多角形状の空洞が互いに連結したような形状を有していてもよい。
また、上記含窒素炭素系多孔体の細孔配列構造は特に制限されないが、後述する製造方法によって含窒素炭素系多孔体を製造する場合には、使用する金属酸化物多孔体の細孔配列構造を反映した構造をとる。
(含窒素炭素系多孔体の製造方法)
本発明において担体として用いる含窒素炭素系多孔体を得る方法として好適な方法について以下に説明する。
本発明において好適な含窒素炭素系多孔体の製造方法は、金属酸化物多孔体の細孔内に含窒素有機化合物を導入し、前記含窒素有機化合物を熱分解せしめることによって前記細孔内に炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料を析出せしめる析出工程と、前記金属酸化物多孔体を溶解除去することによって含窒素炭素系材料からなる多孔体を得る除去工程とを含む。
好適な製造方法において用いられる金属酸化物多孔体としては、金属酸化物及び複合金属酸化物等からなる多孔体が挙げられ、例えば、シリカメソ多孔体、ゼオライト、シリカゲル、架橋粘土等が挙げられる。
上記金属酸化物多孔体の細孔形状は特に制限されず、例えば、多孔体表面のみに細孔が形成されていても、表面のみならず内部にも細孔が形成されていてもよく、内部にも細孔が形成されている場合には、例えば、トンネル状に貫通したものであってもよく、また、球状又は六角柱状等の多角形状の空洞が互いに連結したような形状を有していてもよい。
また、上記金属酸化物多孔体の細孔配列構造は特に制限されず、例えば、ヘキサゴナル構造、キュービック構造、ラメラ構造及び不規則構造等が挙げられる。
ここで、多孔体がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、多孔体中の細孔の配置が六方構造であることを意味する。ヘキサゴナルの細孔配列構造としては、2d−ヘキサゴナル(2次元ヘキサゴナル)及び3d−ヘキサゴナル(3次元ヘキサゴナル)が知られている。
2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有する多孔体は、六角柱状の細孔が互いに平行に規則的に配列しており、細孔断面の配置が六方構造になっているものであることを意味する(S.Inagaki, et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun., 680, 1993; S.Inagaki, et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 69, 1449, 1996)。また、2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有する多孔体における細孔の形状は、六角柱状に限られるわけではなく、細孔配列構造が2次元ヘキサゴナルであれば、例えば、多角柱状でも円柱状でもよい。
一方、3次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有する多孔体は、細孔が3次元の周期性で六方構造をとるように配置しているものであることを意味する(Q.Huo et al., Science, 268, 1324, 1995)。
多孔体がキュービックの細孔配列構造を有するとは、多孔体中の細孔の配置が立方構造であることを意味する(J.C.Vartuli et al., Chem. Mater., 6, 2317, 1994; Q.Huo et al., Nature, 368, 317, 1994)。また、前記キュービック構造は、Pm−3n対称性、Ia−3d対称性及びFm−3m対称性のうちの少なくとも一つの対称性を有するものであることが好ましい。なお、前記対称性とは、空間群の表記法に基づいて決定されるものである。
なお、多孔体がヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造を有する場合は、細孔の全てがこれら規則的細孔配列構造である必要はないが、全ての細孔のうち80%以上がヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造となっていることが好ましい。
更に、上記金属酸化物多孔体の比表面積、平均細孔径及び細孔容量は特に制限されないが、比表面積としては500〜1200m2/g、平均細孔径としては1〜100nm、細孔容量としては0.2〜2.5ml/gであることが好ましい。
このような金属酸化物多孔体としては、上述したような各種金属酸化物多孔体を単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でもシリカメソ多孔体を用いることが好ましい。
また、このような金属酸化物多孔体としては、上述したような各種細孔配列構造を有する多孔体が挙げられ、このような多孔体を単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でもキュービックの細孔配列構造を有する多孔体を用いることが好ましい。
すなわち、金属酸化物多孔体としては、キュービックの細孔配列構造を有するシリカメソ多孔体を用いることが最も好ましく、具体的には、MCM−48と称されるキュービックIa−3d細孔配列構造を有するシリカメソ多孔体等が挙げられる。このような金属酸化物多孔体は、含窒素炭素系多孔体を形成する際の鋳型として好適に働くため、析出工程においては含窒素炭素系材料が細孔内に析出しやすく、除去工程で金属酸化物多孔体を除去した際には、得られる含窒素炭素系多孔体が細孔構造を維持しやすい傾向がある。これによって、含窒素炭素系多孔体は高い比表面積を有し、優れた吸着性が得られる傾向がある。
好適な製造方法において用いられる含窒素有機化合物としては、窒素原子を含む有機化合物であれば特に制限はなく、例えば、含窒素複素環式化合物、アミン類、イミン類、ニトリル類等が挙げられる。
上記含窒素複素環式化合物としては、含窒素複素単環化合物及び含窒素縮合複素環化合物が挙げられ、含窒素複素単環化合物としては、5員環化合物であるピロール及びその誘導体、ピラゾールやイミダゾール等のジアゾール類及びその誘導体、トリアゾール類及びその誘導体、並びに、6員環化合物であるピリジン及びその誘導体、ピリダジンやピリミジンやピラジン等のジアジン類及びその誘導体、トリアジン類及び、メラミンやシアヌル酸等のトリアジン類誘導体等が挙げられる。また、含窒素縮合複素環化合物としては、キノリン、フェナントロリン、プリン等が挙げられる。
上記アミン類としては、第1級〜第3級アミン、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類及びアミノ化合物等が挙げられる。第1級〜第3級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミン等の脂肪族アミン、並びに、アニリン等の芳香族アミン及びその誘導体等が挙げられ、ジアミン類としては、エチレンジアミン等が挙げられ、アミノ化合物としては、エタノールアミン等のアミノアルコール等が挙げられる。また、上記イミン類としては、ピロリジン及びエチレンイミン等が挙げられる。さらに、上記ニトリル類としては、アセトニトリル等の脂肪族ニトリル及びベンゾニトリル等の芳香族ニトリル等が挙げられる。また、その他の含窒素有機化合物としては、ナイロン等のポリアミド類、ガラクトサミン等のアミノ糖、ポリアクリロニトリル等の含窒素高分子化合物、アミノ酸及びポリイミド類等が挙げられる。
このような含窒素有機化合物としては、上述したような各種化合物を単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)の向上を目指す場合には、上記含窒素有機化合物の中でも、より窒素含有量が高いものを用いることが好ましい。
以下、本発明に好適な含窒素炭素系多孔体の製造方法にかかる各工程について説明する。
先ず、析出工程について説明する。析出工程は、金属酸化物多孔体の細孔内に含窒素有機化合物を導入し、前記含窒素有機化合物を熱分解せしめることによって前記細孔内に炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料を析出せしめる工程である。このような工程を行う方法としては特に制限はなく、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法等が挙げられるが、中でも熱CVD法が好ましい。以下、熱CVD法によって析出工程を行う手順を示す。
先ず、反応管中に金属酸化物多孔体を設置し、窒素又はアルゴン等の不活性ガスを反応管内に導入しながら所定の温度まで加熱する。次に、加熱状態を維持したまま、気体状態の含窒素有機化合物を反応管内に導入することによって、金属酸化物多孔体の細孔内に含窒素有機化合物を導入せしめながら、所定時間のCVD反応を行う。これによって、金属酸化物多孔体の細孔内に炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料を析出せしめることができる。
上記熱CVD法による析出工程は、反応雰囲気が酸化雰囲気である場合には炭素の燃焼が起こるため、通常、窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気で行われる。
上記熱CVD法による析出工程において、含窒素有機化合物が常温で液体状態である場合には、バブラ、マスフローポンプ等を用い、蒸気蒸発によって含窒素有機化合物を気体状態として反応管内に導入することができる。また、このときに窒素又はアルゴン等をキャリヤガスとして用いて気体状態の含窒素有機化合物の導入を行うことが好ましい。更に、一度反応管内を流通させた気体が、反応管の出口側から逆流しないように、反応管出口側に流動パラフィン等を入れたバブラを設置する等して逆流を防ぐことが好ましい。
上記含窒素有機化合物が常温で固体状態である場合には、加熱蒸発(昇華)器を反応管入口側に設置し、加熱によって含窒素有機化合物を気体状態として反応管へ導入することができる。また、このときの蒸発器の温度は、含窒素有機化合物が熱分解しない温度に調整する必要がある。
また、上記含窒素有機化合物が重合性を有する場合には、予め金属酸化物多孔体の細孔内において重合を行っておき、その後、反応管中、不活性雰囲気下で熱分解するという方法をとることもできる。
更に、上記含窒素有機化合物が加熱によって気化しないものである場合には、溶液吸着法や蒸発乾固法等によって、金属酸化物多孔体の細孔内に予め含窒素有機系化合物を導入し、これを不活性雰囲気下で熱分解することによって、金属酸化物多孔体の細孔内に炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料を析出せしめることができる。
上記熱CVD法による析出工程における反応温度は、含窒素有機化合物が熱分解及び炭素化する温度であれば特に制限されないが、500〜1000℃であることが好ましく、650〜700℃の範囲であることがより好ましい。反応温度が500℃未満の場合には、含窒素有機化合物の熱分解が起こりにくくなるため、含窒素炭素系材料の析出速度が遅くなってしまい、反応時間及びエネルギー消費が大きくなる傾向がある。また、反応温度が1000℃を超える場合には、炭素骨格中に窒素が残留し難いため、N/C原子比が低下する傾向にある。
このような析出工程において、金属酸化物多孔体の細孔内に析出させる含窒素炭素系材料の析出量は、金属酸化物多孔体1g当りの細孔容量をYmlとした場合、(0.2×Y)g以上であることが好ましく、(0.4×Y)〜(1.4×Y)gであることがより好ましい。含窒素炭素系材料の析出量が(0.2×Y)g未満の場合には、析出量が少ないため、この後に説明する除去工程で金属酸化物多孔体を除去した際に、含窒素炭素系多孔体が細孔構造を維持しにくくなる傾向がある。また、含窒素炭素系材料の析出量が(1.4×Y)gを超える場合には、金属酸化物多孔体の表面部分にまで含窒素炭素系材料が析出しやすい傾向があり、最終的に得られる含窒素炭素系多孔体の比表面積が低下してしまう傾向がある。
また、上記析出量は、熱CVD法によって析出工程を行う場合、CVD反応時間と相関関係があり、CVD反応時間を調整することによって析出量をある程度制御することが可能となる。更に、上記析出量は、CVD反応温度、金属酸化物多孔体の種類、含窒素有機化合物の種類、及び含窒素有機化合物を導入する際の流量等によっても変化するが、それぞれの場合でCVD反応時間を適宜調整することによって析出量をある程度制御することが可能となる。
次に、除去工程について説明する。除去工程は、金属酸化物多孔体を溶解除去することによって含窒素炭素系材料からなる多孔体を得る工程である。除去工程においては、含窒素炭素系材料を溶解することなく金属酸化物多孔体のみを溶解除去することが必要であり、例えば、化学的に溶解させる方法として、フッ酸やアルカリ等を用いて処理する方法が挙げられる。処理方法としては、例えば、析出工程で得られた金属酸化物多孔体−含窒素炭素系材料複合体を上記処理溶液に分散させる方法が挙げられる。分散による処理時間としては特に制限されないが、6〜24時間であることが好ましい。これによって、金属酸化物多孔体のみを溶解除去し、含窒素炭素系材料からなる多孔体を得ることができる。また、処理溶液としてフッ酸を用いる場合には、エタノール等と混合して用いてもよい。このとき、フッ酸とエタノール等との混合比率としては特に制限されないが、体積比として1:2〜2:1であることが好ましい。
また、上記除去工程において、金属酸化物多孔体を溶解除去した後に、必要に応じて、ろ過、洗浄及び乾燥を行ってもよい。洗浄液としては、例えば、水、エタノール及びそれらの混合溶液等を用いることができる。また、上記除去工程における処理温度は特に制限されず、通常、室温で行うことができる。
(含窒素炭素系電極触媒)
本発明の含窒素炭素系電極触媒は、前述の含窒素炭素系多孔体を担体とし、そこに金属が担持されてなるものである。
ここで用いられる金属としては、特に制限されず、電極触媒として機能する各種の貴金属や卑金属が用いられ、このような金属が含窒素炭素系多孔体に担持される際の状態としては、金属微粒子の状態であっても、金属イオンの状態であってもよい。
先ず、前記金属が金属微粒子の状態で担持されている含窒素炭素系電極触媒について説明する。この場合に用いられる金属としては、微粒子を形成するものであればよく、特に制限されないが、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属が好ましい。
本発明の含窒素炭素系電極触媒における金属微粒子の平均粒径も特に制限されないが、10nm以下であることが好ましく、1〜5nmであるとより好ましい。また、本発明の含窒素炭素系電極触媒において含窒素炭素系多孔体に担持されている金属微粒子の量は特に制限されないが、得られる含窒素炭素系電極触媒において金属微粒子が十分な活性を示すようになるという観点から、含窒素炭素系多孔体100重量部に対して金属微粒子の担持量が0.1〜70重量部程度であることが好ましい。
また、含窒素炭素系多孔体に金属微粒子を担持せしめて本発明の含窒素炭素系電極触媒を得る方法も特に制限されないが、例えば以下の方法が好適に採用される。すなわち、先ず、前記金属微粒子を構成する金属(好ましくは酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩、蓚酸塩等の金属塩)の溶液を調製する。次に、含窒素炭素系多孔体及び前記金属溶液を含有する懸濁液を調製し、十分に攪拌混合した後、還元剤を加え、含窒素炭素系多孔体表面上に金属を還元析出せしめることにより金属微粒子が担持された本発明の含窒素炭素系電極触媒が得られる。
ここで用いられる溶媒としては、前記金属(好ましくは金属塩)を溶解するものであればよく、特に制限されないが、水を用いることが好ましい。また、前記還元剤も特に制限されず、過酸化水素、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体等、従来公知の還元剤を適宜選択して使用することができる。
上記懸濁液における金属の濃度は特に制限されないが、0.01〜100mM程度とすることが好ましい。また、上記懸濁液における含窒素炭素系多孔体の濃度も特に制限されないが、0.01〜50mg/ml程度とすることが好ましい。
前記懸濁液中の金属を含窒素炭素系多孔体に担持せしめる際の吸着方法や条件等は特に制限はなく、例えば、前記懸濁液を20〜100℃程度で所定時間撹拌することによって金属を含窒素炭素系多孔体に担持させることができる。また、上記担持工程の後に、更に、遠心分離等を行って含窒素炭素系電極触媒を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態の含窒素炭素系電極触媒を得る工程を有していてもよい。さらに、含窒素炭素系電極触媒に担持された金属を還元せしめる方法及び条件等も特に制限はなく、例えば、含窒素炭素系電極触媒を水素気流中で150〜300℃程度で所定時間還元せしめる方法が好適に採用される。
次に、前記金属が金属イオンの状態で担持されている含窒素炭素系電極触媒について説明する。この場合に用いられる金属イオンとしては、炭素骨格中の窒素原子と配位結合を形成することが可能な金属イオンであればよく、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属のイオンが好ましい。
本発明の含窒素炭素系電極触媒において含窒素炭素系多孔体に担持されている金属イオンの量は特に制限されないが、得られる含窒素炭素系電極触媒において金属イオンが十分な活性を示すようになるという観点から、含窒素炭素系多孔体100重量部に対して金属イオンの担持量が0.1〜50重量部程度であることが好ましい。
また、含窒素炭素系多孔体に金属イオンを担持せしめて本発明の含窒素炭素系電極触媒を得る方法も特に制限されないが、例えば以下の方法が好適に採用される。すなわち、先ず、前記金属(好ましくは酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩、蓚酸塩等の金属塩)を溶媒に溶解させた溶液を調製する。次に、その溶液に含窒素炭素系多孔体を懸濁させ、溶液中の金属イオンを含窒素炭素系多孔体に担持せしめて本発明の含窒素炭素系電極触媒が得られる。
ここで用いられる溶媒は、金属(好ましくは金属塩)を溶解させることが可能なものであればよく、特に制限されないが、例えば、酢酸、水、エチレングリコール、DMSO、DMF等が挙げられる。
上記溶液における金属の濃度は特に制限されないが、0.01〜100mM程度とすることが好ましい。また、上記溶液に含窒素炭素系多孔体を分散させる際の濃度は特に制限されないが、0.01〜100mg/ml程度とすることが好ましい。
金属イオンを含窒素炭素系多孔体に担持させる際の吸着方法や条件等は特に制限はなく、例えば、溶液中に含窒素炭素系多孔体を投入し、好ましくは減圧下で25〜200℃程度で所定時間撹拌することによって金属イオンを含窒素炭素系多孔体に担持させることができる。また、上記担持工程の後に、遠心分離等を行って含窒素炭素系電極触媒を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態の含窒素炭素系電極触媒を得る工程を有していてもよい。
更に、本発明においては、前記含窒素炭素系多孔体に前記金属(好ましくは金属イオン)を担持させた後に、不活性雰囲気中で前記金属のイオンの塩の分解温度以上の温度で熱処理して本発明の含窒素炭素系電極触媒を得ることが好ましい。このように担持した金属のイオンの塩の分解温度以上の温度で熱処理を施すことにより、金属イオンの対イオンである陰イオンが熱分解し、遊離した金属イオンが含窒素炭素系多孔体表面の窒素原子とより確実に結合を形成するため、得られた含窒素炭素系電極触媒の酸素還元触媒特性がより向上する傾向にある。
ここで用いられる不活性ガスとしては、特に制限されず、例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等が好適に採用される。
また、熱処理する際の温度は、担持した金属イオンの塩の分解温度以上の温度であればよく、特に制限されないが、例えば酢酸コバルトを担持してコバルトイオンと含窒素炭素系多孔体との複合体を得ようとする場合は、350℃以上の温度で熱処理することが好ましい。すなわち、図1は、後述する実施例1で得られた含窒素炭素系多孔体(a)、その含窒素炭素系多孔体に酢酸コバルト(II)を担持したもの(b)、酢酸コバルト(II)4水和物(c)の熱重量分析結果を示すグラフである。図1から明らかなように、酢酸コバルト(II)4水和物(c)は350℃以下の温度で重量減少があり、この温度未満で酢酸イオンが熱分解していることが確認される。また、含窒素炭素系多孔体に担持された酢酸コバルト(II)も同様の温度範囲で熱分解しており、350℃以上での熱処理によりコバルトと窒素原子とのより確実な結合が形成されることが確認される。
なお、上記熱処理における温度の上限は特に制限されないが、一般的には1000℃以下程度であることが好ましい。また、上記熱処理に要する時間も特に制限されず、一般的には1〜10時間程度であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<含窒素炭素系多孔体の製造>
先ず、図2に示すような熱CVD装置を用いて析出工程を行った。析出工程における反応雰囲気は全て窒素雰囲気とした。また、第1のバブラ4には含窒素有機化合物であるピロールが、第2のバブラ5には流動パラフィンがそれぞれ入れられている。キュービックIa−3d細孔配列構造を有するシリカメソ多孔体であるMCM−48をアルミナ製ボート3上に1g載せ、これを石英ガラス製の加熱反応管(石英反応管2)内に配置した。なお、MCM−48は、J.Phys.Chem.B 103,p.7435〜7440(1999)に記載の方法に従って作製した。次に、第1の三方コック13を第1の配管8とバイパス9側に開いた状態とし、第2の三方コック14を第2の配管10とバイパス9側に開いた状態として、流量300ml/minで窒素ガスを流通させながら700℃まで昇温加熱した。700℃まで昇温後、加熱状態を1時間維持した後、第1の三方コック13を配管8と第1のバブラ4側に開いた状態とし、第2の三方コック14を第2の配管10と第1のバブラ4側に開いた状態とした。次いで、窒素ガスをキャリヤガスとして流量300ml/minで第1のバブラ4に導入してピロールを蒸気蒸発させ、気体状態のピロールを含有する室温の窒素ガスを上記温度に維持した石英反応管2内に流通させながら、CVD反応を進行せしめた。なお、CVD反応時間は、用いた炭素原料の種類、反応温度、試料の量等によって好適な条件が決定されるが、今回の条件では9時間のCVD反応時間が好適であった。このとき、MCM−48における含窒素炭素系材料の析出量は1.2gであった。CVD反応後、再び第1の三方コック13を第1の配管8とバイパス9側に開いた状態とし、第2の三方コック14を第2の配管10とバイパス9側に開いた状態として、窒素ガスを流量300ml/minで流通させながら常温まで冷却した。
次に、除去工程を行った。すなわち、上記析出工程で得られたシリカメソ多孔体−含窒素炭素系材料複合体を、46%フッ酸(和光純薬工業社製、特級)とエタノールとの混合溶液(体積比50:50)中に分散させ、25℃で12時間撹拌することによって、シリカメソ多孔体を溶解除去し、含窒素炭素系多孔体を得た。次いで、得られた含窒素炭素系多孔体を1時間吸引ろ過してから、ろ紙上で、水とエタノールとの混合溶液(体積比50:50)を用いて洗浄し、更に前記混合溶液中に含窒素炭素系多孔体を分散させ、25℃で12時間撹拌した。その後、再び含窒素炭素系多孔体を1時間吸引ろ過し、ろ紙上でエタノールを用いて洗浄してから70℃で24時間風乾することで、含窒素炭素系多孔体を得た。
<含窒素炭素系電極触媒の製造>
先ず、酢酸(ナカライテスク製、試薬特級)300mL中に0.6g(2.41×10−3mol)の酢酸コバルト(II)四水和物(ナカライテスク製、GR)を溶解した。次に、得られた溶液に上記で得られた含窒素炭素系多孔体0.3gを分散し、ロータリーエバポレータにて減圧下で回転させながら室温で1時間攪拌し、更に50℃で溶媒(酢酸)を除去せしめた。そして溶媒が概ね除去された後に、90℃に加熱して1時間、更に120℃に加熱して3時間減圧下で溶媒を完全に除去せしめて含窒素炭素系多孔体上にコバルトを担持せしめた。反応終了後、得られたコバルト担持含窒素炭素系多孔体を真空乾燥(80℃、12hrs)した後に大気中で放冷して粉砕し、最後にアルゴン気流中450℃で2時間熱処理してコバルトイオンが担持されている本発明の含窒素炭素系電極触媒を得た。
本実施例で得られた含窒素炭素系電極触媒における比表面積、平均細孔径、細孔容量、窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)、並びに全窒素原子に対するN型及びN型窒素原子の比{(N+N)/N}、コバルト担持量はそれぞれ表1に示すとおりであった。
(比較例1)
実施例1で得られた含窒素炭素系多孔体に代えてカーボンブラック(Cabot社製、商品名:Vulcan XC72R)を用いた以外は実施例1と同様にしてコバルト担持炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表1に示すとおりであった。
(比較例2)
実施例1で得られた含窒素炭素系多孔体を、コバルトを担持することなくそのまま用いて含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表1に示すとおりであった。
[酸素還元触媒特性試験1]
実施例1及び比較例1〜2で得られた電極触媒の酸素還元触媒特性を以下のようにして評価した。すなわち、グラッシーカーボン(GC)ディスク電極の表面に、純水に各試料(電極触媒)を分散させた液を滴下、乾燥させた後、極微量のフッ素樹脂系陽イオン交換樹脂(デュポン社製、商品名:ナフィオン)で被覆したものを試料電極として、0.1M硫酸水溶液中での回転電極によるボルタモグラムによって酸素還元触媒特性を評価した。なお、電極上の触媒量は3.7g/m、ナフィオン量は0.13g/mとし、電極の回転数は1000rpmとした。また、可逆水素電極(以下、RHEという)に対し、0.3Vと1.0Vとの間を電位掃引(掃引速度10mV/秒)し、電解液に酸素を飽和濃度溶かし込んだ場合に流れる還元電流とArで脱気した場合に流れる還元電流との差をもって酸素還元触媒活性を比較した。得られたボルタモグラムを図3に示す。
図3に示した結果から明らかなとおり、実施例1で得られた本発明の含窒素炭素系電極触媒を用いた場合は、比較例1〜2で得られた電極触媒を用いた場合と比較して、高い電位からマイナス側(還元側)に電流が流れ、高い電極特性を有していることが確認された。
(実施例2)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を600℃にした以外は実施例1と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表1に示すとおりであった。
(実施例3)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を800℃にした以外は実施例1と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表1に示すとおりであった。
(実施例4)
最後のアルゴン気流中での熱処理を施さなかった以外は実施例1と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表1に示すとおりであった。
[酸素還元触媒特性試験2]
実施例1〜4で得られた電極触媒の酸素還元触媒特性を、酸素還元触媒特性試験1と同様にして評価した。得られたボルタモグラムを図4に示す。
図4に示した結果から明らかなとおり、実施例1〜4で得られた本発明の含窒素炭素系電極触媒を用いた場合はいずれも酸素還元活性を示しており、原子比{(N+N)/N}の値が最も大きかった実施例3で得られた電極触媒を用いた場合に最も高い電位で電流が流れ、高い電極特性を有していることが確認された。また、最後にアルゴン気流中での熱処理を施すことによって、得られた含窒素炭素系電極触媒の電極特性が向上することが確認された。
Figure 2007136283
(実施例5)
MCM−48の細孔内部において、硫酸を用いてピロールを重合せしめ、得られた重合体を窒素雰囲気中(流量1000ml/min)、1000℃で5時間処理することによって炭素化せしめた。次に、得られたシリカメソ多孔体−含窒素炭素系材料複合体を実施例1と同様にフッ酸とエタノールとの混合溶液を用いて処理し、シリカメソ多孔体を溶解除去することによって含窒素炭素系多孔体を得た。このようにして得られた含窒素炭素系多孔体を担体として用いた以外は実施例1と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例6)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を850℃にした以外は実施例5と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例7)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を700℃にした以外は実施例5と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例8)
MCM−48の細孔内部において、アクリロニトリル単量体を過酸化ベンゾイルをラジカル重合開始剤として用いて重合せしめ、得られたポリアクリロニトリルを窒素雰囲気中(流量1000ml/min)、600℃で5時間処理することによって炭素化せしめた。次に、得られたシリカメソ多孔体−含窒素炭素系材料複合体を実施例1と同様にフッ酸とエタノールとの混合溶液を用いて処理し、シリカメソ多孔体を溶解除去することによって含窒素炭素系多孔体を得た。このようにして得られた含窒素炭素系多孔体を担体として用いた以外は実施例1と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例9)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を500℃にした以外は実施例8と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例10)
実施例1における第1のバブラ内にアセトニトリルを入れて、850℃にて熱CVD反応を進行せしめた以外は実施例1と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例11)
CVD温度を700℃にした以外は実施例10と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例12)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を500℃にした以外は実施例5と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
(実施例13)
最後のアルゴン気流中での熱処理温度を600℃にした以外は実施例5と同様にしてコバルト担持含窒素炭素系電極触媒を得た。得られた電極触媒の物性及び組成は表2に示すとおりであった。
[酸素還元触媒特性試験3]
実施例5〜13及び比較例1で得られた電極触媒の酸素還元触媒特性を、酸素還元触媒特性試験1と同様にして評価した。その際、酸素飽和下、0.7Vvs.RHEにおいて、表2に示す酸素還元電流が測定された。
原子比{(N+N)/N}の値がほぼ等しい実施例5〜9で得られた電極触媒(試料A〜E)と、比較例1で得られた電極触媒(カーボンブラック)とを用いた場合の酸素還元電流値を、原子比(N/C)に対してプロットしたグラフを図5に示す。図5に示した結果から明らかなとおり、十分な電極特性を示すためには原子比(N/C)の値が0.05〜0.4の間に入っていることが必要であり、0.07〜0.3の間に入っていることがより好ましいことが確認された。
また、原子比(N/C)の値がほぼ等しい実施例7、10〜13で得られた電極触媒(試料C、F〜I)を用いた場合の酸素還元電流値を、原子比{(N+N)/N}に対してプロットしたグラフを図6に示す。図6に示した結果から明らかなとおり、十分な電極特性を示すためには原子比{(N+N)/N}の値が0.2以上であることが必要であり、0.3以上であることがより好ましいことが確認された。
Figure 2007136283
以上説明したように、本発明によれば、触媒担体を構成する炭素材料と触媒に適用される機能性分子との間の効率的な電子伝導を可能とし、高水準の酸素還元触媒特性を達成することが可能な貴金属を使用しない含窒素炭素系電極触媒を得ることができる。したがって、本発明の含窒素炭素系電極触媒は、固体高分子形燃料電池等において電極触媒として使用される貴金属の量を低減させる技術として非常に有用である。
含窒素炭素系多孔体(a)、その含窒素炭素系多孔体に酢酸コバルト(II)を担持したもの(b)、酢酸コバルト(II)4水和物(c)の熱重量分析結果を示すグラフである。 合成例で用いる熱CVD装置の概略図である。 実施例1及び比較例1〜2で得られた電極触媒の酸素還元触媒特性(ボルタモグラム)を示すグラフである。 実施例1〜4で得られた電極触媒の酸素還元触媒特性(ボルタモグラム)を示すグラフである。 実施例5〜9及び比較例1で得られた電極触媒の酸素還元電流値と、原子比(N/C)との関係を示すグラフである。 実施例7、10〜13で得られた電極触媒の酸素還元電流値と、原子比{(N+N)/N}との関係を示すグラフである。
符号の説明
1・・・電気炉、2・・・石英反応管、3・・・アルミナ製ボート、4・・・第1のバブラ、5・・・第2のバブラ、6・・・原料有機化合物、7・・・流動パラフィン、8・・・第1の配管、9・・・バイパス、10・・・第2の配管、11・・・第3の配管、12・・・第4の配管、13・・・第1の三方コック、14・・・第2の三方コック。

Claims (4)

  1. 炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素系材料からなる多孔体と、前記多孔体に担持されている金属とを備えており、前記多孔体が、
    比表面積が100m2/g以上、
    平均細孔径が1〜50nm、
    窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.05〜0.4、
    XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型及びN型窒素原子の数の和と全窒素原子の数の和との比{(N+N)/N}が0.2〜1.0
    のものであることを特徴とする含窒素炭素系電極触媒。
  2. 前記N型及びN型窒素原子の数の和と全窒素原子の数の和との比{(N+N)/N}が0.3〜1.0であることを特徴とする請求項1に記載の含窒素炭素系電極触媒。
  3. 前記金属が、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属のイオンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の含窒素炭素系電極触媒。
  4. 前記含窒素炭素系電極触媒が、前記多孔体に前記金属を担持させた後に不活性雰囲気中で前記金属のイオンの塩の分解温度以上の温度で熱処理したものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の含窒素炭素系電極触媒。
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