JP2007135358A - 人力駆動車用発電ハブ - Google Patents

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Abstract

【課題】自転車用ハブの軽量化を図れるようにする。
【解決手段】自転車用発電ハブは、自転車に装着可能なハブであって、ハブ軸15と、ハブシェル18と、発電機構20とを備えている。ハブ軸15は、自転車に装着可能な軸である。ハブシェル18は、ハブ軸15に相対回転自在に装着されるものである。発電機構20は、ハブシェル18に連結された永久磁石41と、永久磁石41の内周側に配置されたアルミニウム製又はアルミニウム合金製のコイル44を有しハブ軸15に装着された内側固定ユニット42とを有し、ハブシェル18とハブ軸15との相対回転により発電する機構である。
【選択図】図2

Description

本発明は、自転車等の人力駆動車に装着可能な自転車用発電ハブに関する。
自転車の発電ハブとして、クローポール形発電機を用いたものが知られている。従来のクローポール形発電機において、板状片を積層した複数組の第1及び第2積層ヨークでヨークを構成したものが知られている。積層ヨークで構成された従来のクローポール形発電機には、板状片が、C字状に形成されヨーク内周部とヨーク外周部とそれらを接続する胴部とを有しているもの(たとえば、特許文献1参照)が知られている。
従来の発電ハブでは、第1及び第2積層ヨークは、ハブ軸に取り付けられ、銅線を巻回したコイルの両端に積層ヨークの幅に形成されたヨーク取付溝に円周方向に並べて挿入されている。ヨーク取付溝に取り付けられた第1及び第2積層ヨークは、積層された板状片のヨーク外周部の先端が重なりかつ逆向きになるように交互に配置される。
従来の発電ハブの積層ヨークの板状片のヨーク外周部は、発電効率を高めるためにハブシェルに固定された永久磁石と僅かな隙間をあけて配置されている。このような交互に配置された第1及び第2積層ヨークでヨークを構成すると、渦電流による損出が低減して出力特性を改善できる。
特開2001−202017号公報(図2,図3)
従来の発電ハブでは、内側固定ユニットを構成するコイルに高比重の銅線を用いている。このため、コイルの重量が重くなり、発電ハブの軽量化を図りにくい。
本発明の課題は、人力駆動車用発電ハブにおいて、ハブの軽量化を図れるようにすることにある。
発明1に係る人力駆動車用発電ハブは、人力駆動車に装着可能なハブであって、ハブ軸と、ハブシェルと、発電機構とを備えている。ハブ軸は、人力駆動車に装着可能な軸である。ハブシェルは、ハブ軸に相対回転自在に装着されるものである。発電機構は、ハブシェルに連結された磁石と、磁石の内周側に配置されたアルミニウム製又はアルミニウム合金製のコイルを有しハブ軸に装着された内側固定ユニットとを有し、ハブシェルとハブ軸との相対回転により発電する機構である。
この発電ハブでは、人力駆動車が走行してハブ軸とハブシェルとが相対回転すると、発電機構のアルミニウム又はアルミニウム合金製のコイルと磁石とが相対回転して発電する。ここでは、発電機構のコイルに比重が銅より軽いアルミニウム又はアルミニウム合金を使用しているので、コイルの重量が軽くなり、発電ハブの軽量化を図れるようになる。
発明2に係る人力駆動車用発電ハブは、発明1に記載のハブにおいて、発電機構は、磁石と、永久磁石の内周側に配置されたリング状のコイル及びコイルの周囲を囲むように配置されたヨークを有し磁石と相対回転可能に配置される内側固定ユニットとを有するクローポール型の発電機構である。この場合には、クローポール構造にすることにより、静電流の発生を抑えて出力特性を改善できる。
発明3に係る人力駆動車用発電ハブは、発明2に記載のハブにおいて、ヨークは、コイルと永久磁石との間に配置されるステータヨークと、ステータヨークと磁気的に結合されコイル内周に配置されるコアヨークとを有し、ステータヨークは、積層された複数の板状片からなりコイルを挟んで軸方向反対側に配置される複数組の第1及び第2積層ヨークを有する。この場合には、永久磁石とステータヨークとが対向しており、これらが相対回転することによって、コアヨークに交番磁束が発生する。これによりコイルに電流が流れて発電される。具体的には、第1積層ヨークのヨーク外周部がN極となり第2積層ヨークのヨーク外周部がS極となる状態と、第1積層ヨークのヨーク外周部がS極となり第2積層ヨークのヨーク外周部がN極となる状態とを交互に入れ替えて交番磁束を発生させている。この発電時には、交番磁束に加えて、渦電流も発生するが、板状片を積層することによりヨークを形成しているので、渦電流の発生を抑えることができる。
発明4に係る人力駆動車用発電ハブは、発明3に記載のハブにおいて、複数の板状片は円周方向に積層され、コイルと前記永久磁石との間に配置されるステータヨークとして機能するヨーク外周部を有し、複数組の第1及び第2積層ヨークは、ヨーク外周部が円周方向に交互に位置するように設けられている。この場合には、積層ヨークが板状片を円周方向に積層して形成されているとともに、ステータヨークとして機能するヨーク外周部を有しているので、板状片を折り曲げることにより生じやすい磁気的歪みが生じにくくなる。
発明5に係る人力駆動車用発電ハブは、発明3又は4に記載のハブにおいて、内側固定ユニットは、両積層ヨークの外周面の少なくとも一部を覆うカバー部材をさらに有する。この場合には、渦電流の発生が少ないクローポール形のヨークの少なくとも外周面の一部をカバー部材が覆っているので、第1及び第2積層ヨークを構成する板状片がずれにくくなるとともに、不揃いになりにくくなる。このため、複数の板状片を積層させた第1及び第2積層ヨークのヨーク外周部と永久磁石の隙間を狭くしてもヨークが永久磁石に接触しにくくなる。
本発明によれば、発電機構のコイルに比重が銅より軽いアルミニウム又はアルミニウム合金を使用しているので、コイルの重量が軽くなり、発電ハブの軽量化を図れるようになる。
図1において、本発明の一実施形態を採用した自転車101は、フロントフォーク102aを有するフレーム102と、ハンドル104と、チェーンやペダル等から成る駆動部105と、スポーク99を有する前輪(車輪)106と、後輪107とを備えている。この自転車101の前輪106に発電ハブ10が組み込まれ、光センサ付きの前照灯14に発電した電力が電源線13を介して供給されている。
図2及び図3に示す発電ハブ10は、自転車の前輪106とともに、フロントフォーク102aの先端に装着されるものである。この発電ハブ10は、フロントフォーク102aに両端部が固定されたハブ軸15と、ハブ軸15の外周側に配置され1対の軸受16,17によってハブ軸15に回転自在に支持されたハブシェル18と、ハブ軸15とハブシェル18との間に配置された発電機構20と、発電機構20で発生した電力を外部のたとえば前照灯14などの電気機器に供給するためのコネクタ22とを備えている。コネクタ22には、電源線13が接続されている。ハブシェル18は、前輪106が26インチの車輪の場合、時速30kmで略240rpmの回転数で回転する。したがって、発電ハブ10は、自動車用の発電機等の通常の発電機よりも一桁低い回転数で回転する。
ハブ軸15の外周面には、両端に形成された第1雄ねじ部15a,15bと、第1雄ねじ部15a,15bの間に形成され第1雄ねじ部15a,15bより大径の第2雄ねじ部15cが形成されている。また、発電機構20の装着部分から第1雄ねじ部15bの端部にかけて、ハブ軸15の外周面には、発電機構20とコネクタ22とを接続する内部配線30を通すための配線挿通溝15dが形成されている。ハブ軸15は、第1雄ねじ部15a,15bに螺合する固定ナット24,25によりフロントフォーク102aに回転不能に固定される。
ハブシェル18は、ケース本体31と、ケース本体の一端(図2右端)を覆う蓋部材32とを有している。ケース本体31は、ハブ軸15の軸方向に延びて形成された筒状の部材であり、軸方向の一端側(図2右側)に、他端部に比較して外周側に膨らんだ膨出部31aを有している。ケース本体31の両端部外周面には、1対のハブフランジ33a,33bが形成されている。ハブフランジ33a,33bには、それぞれスポーク99の内側端部を装着するための複数の装着孔34a,34bが円周方向に等間隔で位相を半分ずらして形成されている。蓋部材32は、ケース本体31の膨出部31aの内周面に螺合するねじ筒部32aと、ハブ軸15に回転自在に装着される円板状の回転支持部32bとを有している。蓋部材32は、ねじ筒部32aによりケース本体31にねじ込み固定されている。
ケース本体31及び蓋部材32を有するハブシェル18は、ハブ軸15の第1雄ねじ部15a,15bにそれぞれ螺合する軸受16,17の内輪である玉押し16a,17aによりハブ軸15に固定されている。これらの玉押し16a,17aは、ロックナット35,36により位置決めされロックされている。右側のロックナット36は、玉押し17aをロックするとともにコネクタ22をハブ軸15に固定している。
発電機構20は、クローポール形の発電機構であり、ハブシェル18の蓋部材32のねじ筒部32aの内周面に固定された永久磁石41と、永久磁石41の内周部に対向して配置されハブ軸15に固定され永久磁石41と相対回転可能に配置された内側固定ユニット42とを有している。永久磁石41は、ハブシェル18のケース本体31の膨出部31a内面に固定されており、円周方向に等間隔に分割された複数(たとえば4個)の磁石体からなる。この永久磁石41には、等間隔で交互にN極とS極とが着磁されており、それぞれが後述するヨーク46の外周部と対向している。
内側固定ユニット42は、リング状のコイル44と、コイル44の周囲を囲むように設けられたヨーク46と、ヨーク46の少なくとも外周面の一部を覆うカバー部材49とを有している。そして、これらのコイル44及びヨーク46は、第2雄ねじ部15cに螺合する1対の装着ナット38a,38bにより挟まれるようにしてハブ軸15に回転不能に固定され、かつ軸方向において膨出部31a内に収納されるような位置関係に位置決めされている。
コイル44は、図5に示すようなボビン55に巻かれている。コイル44は、たとえば、アルミニウム又はアルミニウム合金製の線材を用いて構成される。線材の断面は矩形又は円形であり、円形の場合、その線径は、0.65mm程度が好ましい。コイル44の体積は13020mm3であり、発電量がほぼ同等の銅製のコイルの体積は12050mm3であるので、体積がわずかに大きくなっている。また、重量は35gであり、銅製のものが104gであるため、重量が飛躍的に軽くなっている。
ボビン55は、図5A,図5B及びその拡大部分図である図6A,図6Bで示すように(図5、図6ともに、ヨークは取り外して示している)、外周にコイル44が巻かれた筒状の胴部56と、胴部56の軸方向両端部に形成された第1フランジ57及び第2フランジ58とを有している。第1及び第2フランジ57,58において、軸方向外側の側面には、ほぼ放射状に延びる複数の溝57a,58aが形成されている。これらの溝57a,58aは、外周側では、軸方向視で互いにずれるように、すなわち、第1フランジ57の隣接する2つの溝57aの間に第2フランジ58の溝58aが位置するように、また半径方向のほぼ中間部においては両溝57a,58aが軸方向視で部分的に重なるように、さらに、内周側では、両溝57a,58aの軸方向視でほぼ全部が重なるように形成されている。そして、各溝57a,58aの外周側一部は、切り欠かれて切欠部57b,58bとなっている。また、各フランジ57,58の外周面において、溝57a,58aが形成されていない部分には、図6A,図6B及びその斜視部分図である図7に示すように、軸方向の内側から外側に所定長さの複数の凹部57c,58cが形成されている。なお、図7では、説明の便宜のために、一部のヨークを取り外して示している。
コイル44の一端(図2右端)は、配線挿通溝15dを通る内部配線30を介してコネクタ22に電気的に接続され、コイル44の他端(図2左端)は装着ナット38a等を介してハブ軸15と電気的に接続されている。
ヨーク46は、図2に示すように、永久磁石41とコイル44との間に配置されたステータヨーク47と、ステータヨーク47と磁気的に結合され、コイル44の内周部とハブ軸15との間に配置されるコアヨーク48とを有している。なお、この実施形態では、ステータヨーク47とコアヨーク48とは一体形成されている。
図8にボビン55に装着されたヨーク46を示し、図9及び図10にヨーク46のみを取り出して示す。このヨーク46は、図7及び図8に示すように、ボビン55の第1フランジ57の溝57aに嵌め込むようにして装着された複数組の第1積層ヨーク60と、同様にボビン55の第2フランジ58の溝58aに嵌め込むようにして装着された複数組の第2積層ヨーク61とを有している。複数組の両積層ヨーク60,61は、コイル44を挟んで軸方向反対側に配置されている。
各積層ヨーク60,61は、図9及び図10に示すような複数の板状片62を積層する61ことにより構成されている。各板状片62は、表面に酸化被膜が形成されている珪素鋼板(より詳しくは無方向性珪素鋼板)で形成されている。各板状片62の基本的な形状は同じであり、ステータヨーク47として機能するヨーク外周部62aと、コアヨーク48として機能するヨーク内周部62bと、それらを連結する連結部62cとを有している。ヨーク外周部62aは、連結部62cの一方の端部からハブ軸5の軸方向(図9におけるO−O方向)に沿って延びるように設けられ、先端側にいくにしたがって細くなるような形状である。また、ヨーク内周部62bは、連結部62cの他方の端部から同様に軸方向に沿って延びて設けられている。そして、これらの板状片62は、図10に示すように、軸方向視で、ヨーク外周部62aとヨーク内周部62bとが異なる放射線上に位置するように形成されている。
また、各板状片62の厚みは0.25〜1mmのものが使用され、0.5mmのものがコスト的にも性能的にも利用価値が高い。各板状片62は長さが異なっている。すなわち、各積層ヨーク60,61は、8枚の板状片62を円周方向に積層することによって構成されているが、各積層ヨーク60,61において、図10に示すように、最も外側の1対の板状片621,628は内周側の長さが最も短く、その内側の1対の板状片622,627はその次に短く、さらにその内側の1対の板状片623,626はその次に短く、最も内側の1対の板状片624,625は最も長く形成されている。このような長さに設定することによって、円周方向において隣接する積層ヨークの内周部が互いに接触しないように、かつ磁路の断面積が最も広くとれるような効率の良い構成とすることができる。
さらに、図7から明らかなように、各積層ヨーク60,61を構成する板状片62のうち、円周方向の両外側に位置する板状片621,628は、コア外周部62aの長さが他の板状片と比較してほぼ1/2程度に短く形成されている。これは、円周方向において隣接する板状片621,628同士が近接するのを防止し、両者の間で磁束が漏れるのを抑えるためである。
なお、以上のような各板状片62は、第1積層ヨーク60及び第2積層ヨーク61に共通で用いることができる。
このような板状片62は積層されて、ボビン55の各フランジ57,58に形成された溝57a,58aに嵌め込まれている。また、各板状片62のヨーク外周部62aの先端部は、ボビン55の対向する側のフランジ57,58に形成された凹部57c,58cに嵌め込まれて保持されている。
このようなヨーク46によって、図2に示すように、コイル44の内周側に第1及び第2積層ヨーク60,61のコアヨーク48としてのヨーク内周部62bが位置し、コイル44と永久磁石41との間にステータヨーク47としてのヨーク外周部62aが位置することになる。また、図8及び図2から明らかなように、第1積層ヨーク60と第2積層ヨーク61のヨーク内周部62bは、互いに直接的に接続されることになる。したがって、第1積層ヨーク60と第2積層ヨーク61とを接続するための他の磁性材料からなる部材が不要となり、抵抗を非常に小さく抑えることができる。
カバー部材49は、図2及び図4に示すように、ヨーク46の外周面及び両側面を覆うように形成されている。カバー部材49は、ヨークの外周面を覆う外周部49aと、ヨーク46の両側面を覆う1対の側面部49bとを有している。カバー部材49は、熱収縮性を有する合成樹脂製の筒状部材を熱により収縮させて形成されている。カバー部材49は、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂,エチレン・プロピレン樹脂,ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる群から選択されたひとつの熱収縮性を有する、たとえば透明な合成樹脂製である。カバー部材49は、収縮時に板状片62を内周側に押圧してヨーク外周面を整列しやすくする。この実施形態では、カバー部材49は、厚みが0.05mm程度の厚みのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製である。カバー部材49の厚みは、0.03mm〜0.5mm程度、好ましくは、0.04mm〜0.2mm程度がよい。カバー部材49の厚みが0.03mm未満であるとカバー部材49が破れて破損しやすくなるとともに、カバー部材49により板状片62を収縮時に整列させにくくなる。また、厚みが0.5mmを超えると、永久磁石41との隙間を大きくあける必要が生じ発電効率が低下する。ここでは、渦電流の発生が少ないクローポール形のヨーク46の少なくとも外周面をカバー部材49が覆っているので、第1及び第2積層ヨーク60,61を構成する板状片62がずれにくくなる。このため、複数の板状片62を積層させた第1及び第2積層ヨーク60,61のヨーク外周部62aと永久磁石41の隙間を狭くしてもヨーク46が永久磁石41に接触しにくくなる。しかも、全体を合成樹脂で固めるのではなく、少なくともヨーク46の外周面の一部を覆うだけであるので、カバー部材49を設けても内側固定ユニット42の重量増は僅かであり、発電機構20の重量増を可及的に抑えることができる。
次に、発電ハブ10による発電について説明する。
自転車の走行にしたがって、ハブ軸15に対して前輪すなわちハブシェル18が回転すると、ハブ軸15に固定されている内側固定ユニット42に対して永久磁石41が回転する。これにより、コイル44及びヨーク46のヨーク外周部62aの外周側を永久磁石41が回転することになる。
ここで、第1積層ヨーク60のヨーク外周部62aと、第2積層ヨーク61の外周部62aとは、一方が永久磁石41からN極の磁束供給を受けるときには他方がS極の磁束供給を受け、一方が永久磁石41からS極の磁束供給を受けるときには他方がN極の磁束供給を受ける。すなわち、第1及び第2積層ヨーク60,61のヨーク外周部62aの外周側を永久磁石41が回転することにより、第1積層ヨーク60がN極で第2積層ヨーク61がS極である第1状態、及び第1積層ヨーク60がS極で第2積層ヨーク61がN極である第2状態が繰り返されて、両者60,61を磁気的に連結している両積層ヨーク60,61のヨーク内周部62b(コアヨーク48)に交番磁束が発生する。このコイル44の内側に発生する交番磁束によって、コイル44に電流が発生し、発電がされる。
この実施形態による発電ハブ10では、発電機構のコイル44に比重が銅より軽いアルミニウム又はアルミニウム合金を使用しているので、コイル44の重量が軽くなり、発電ハブ10の軽量化を図れるようになる。
また、ヨーク46を板状の板状片62を積層して構成しているので、従来の板金プレス成形によって構成した場合に比較して、渦電流の発生を抑えることができる。
さらに、本実施形態のように、クローポール構造では、ヨーク46を単純に積層構造に置き換えただけでは、対向するヨーク同士を接続するために他の磁性材料を必要とし、そのために磁気抵抗が増加して効率が低下する。しかし、本実施形態では、ヨークの形状を工夫し、対向する第1及び第2積層ヨーク60,61の内周側部分を互いに直接的に接続可能としたので、第1及び第2積層ヨーク60,61を接続するための他の部材が不要となり、しかも磁束が通過するのに必要充分な断面積を確保することができる。したがって、磁気抵抗を非常に小さくでき、効率を向上することができる。
さらにまた、カバー部材49により少なくともヨーク外周面を覆うようにしたので、第1及び第2積層ヨーク60,61を構成する板状片62がずれにくくなる。このため、複数の板状片62を積層させた第1及び第2積層ヨーク60,61のヨーク外周部62aと永久磁石41の隙間を狭くしてもヨーク46が永久磁石41に接触しにくくなる。しかも、全体を合成樹脂で固めるのではなく、少なくともヨーク46の外周面を覆うだけであるので、カバー部材49を設けても内側固定ユニット42の重量増は僅かであり、発電機構20の重量増を可及的に抑えることができる。
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、コア外周部62a、コア内周部62b及び連結部62cが一体で形成された板状片62を用いたが、板状片62の形状等は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、コア外周部、コア内周部及び連結部がそれぞれ分割して形成されたものでも良い。このような分割板状片を採用することによって、珪素鋼板から板状片を製作する際の歩留まりの向上を図ることができる。
(b)前記実施形態では、板状片62を円周方向に積層したヨーク46を開示したが、板状片をハブ軸方向に積層したヨークにも本発明を適用できる。
(c)前記実施形態では、クローポール構造の発電ハブを例示したが、本発明はクローポール構造ではない発電ハブにも適用できる。
(d)前記実施形態では、人力駆動車として自転車を例示したが、本発明は三輪車や四輪車や車いすなどの全ての人力駆動車に用いられる発電ハブに適用できる。
本発明の一実施形態を採用した自転車の側面図。 本発明の一実施形態である発電ハブの半截断面図。 前記発電ハブの側面図。 内側固定ユニットの斜視図。 ボビンの断面側面図 ボビンの正面図。 図5Aの拡大部分図 図5Bの拡大部分図 ボビン及びヨークの斜視部分図。 ボビン及びヨークの正面図。 板状片の側面図。 板状片の正面図。
符号の説明
10 発電ハブ
15 ハブ軸
18 ハブシェル
20 発電機構
41 永久磁石
42 内側固定ユニット
44 コイル
46 ヨーク
47 ステータヨーク
48 コアヨーク
49 カバー部材
49a 外周部
49b 側面部
55 ボビン
60,61 第1及び第2積層ヨーク
62 板状片
62a ヨーク外周部

Claims (5)

  1. 人力駆動車に装着可能な発電ハブであって、
    前記人力駆動車に装着可能なハブ軸と、
    前記ハブ軸に相対回転自在に装着されるハブシェルと、
    前記ハブシェルに連結された磁石と、前記磁石の内周側に配置されたアルミニウム製又はアルミニウム合金製のコイルを有し前記ハブ軸に装着された内側固定ユニットとを有し、前記ハブシェルと前記ハブ軸との相対回転により発電する発電機構と、
    を備えた人力駆動車用発電ハブ。
  2. 前記発電機構は、
    前記磁石と、
    前記永久磁石の内周側に配置されたリング状の前記コイル及び前記コイルの周囲を囲むように配置されたヨークを有し前記磁石と相対回転可能に配置される前記内側固定ユニットとを有するクローポール型の発電機構である、請求項1に記載の人力駆動車用発電ハブ。
  3. 前記ヨークは、前記コイルと前記永久磁石との間に配置されるステータヨークと、前記ステータヨークと磁気的に結合され前記コイル内周に配置されるコアヨークとを有し、
    前記ステータヨークは、積層された複数の板状片からなり前記コイルを挟んで軸方向反対側に配置される複数組の第1及び第2積層ヨークを有する、請求項2に記載の人力駆動車用ハブ電ハブ。

  4. 前記複数の板状片は円周方向に積層され、前記コイルと前記永久磁石との間に配置される前記ステータヨークとして機能するヨーク外周部を有し、
    複数組の前記第1及び第2積層ヨークは、前記ヨーク外周部が円周方向に交互に位置するように設けられている、請求項3に記載の人力駆動車用発電ハブ。
  5. 前記内側固定ユニットは、前記両積層ヨークの外周面の少なくとも一部を覆うカバー部材をさらに有する、請求項3又は4に記載の人力駆動車用発電ハブ。
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