JP2007134127A - 点火プラグ及び点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部の気流に影響されることなく、供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる点火プラグ及び点火プラグを用いた点火装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の点火装置1は、点火プラグ2と、点火用電源3とから構成されている。点火プラグ2のチャンバー27内には、O-イオン発生部材25が配設されている。点火用電源3は、点火プラグ2に放電を発生させない電圧を印加する。これにより、放電前に、チャンバー27内に充分なO-イオンを確保できる。チャンバー27は外部電極20に取り囲まれているため、発生したO-イオンが外部の気流によって拡散されることはない。その後、点火用電源3は、点火プラグ2に放電を発生させる電圧を印加する。これにより、チャンバー27内で放電が発生する。従って、外部の気流に影響されることなく、O-イオンの効果によって供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、点火プラグ及びその点火プラグを用いた点火装置に関する。
近年、車両の燃費を向上させるため、希薄燃焼エンジンの検討が進められている。希薄燃焼エンジンは、酸素過剰状態、つまり、燃料希薄状態で運転を行うエンジンである。そのため、混合気により多くのエネルギーを与えないと着火することができない。そこで、点火プラグに供給するエネルギーを増加させ、着火性を確保している。しかし、点火プラグに供給するエネルギーが増加すると、点火プラグの寿命が低下する。
ところで、混合気中に酸素負イオン(O-)が存在する場合、反応のために供給するエネルギーを抑えることができる。そのため、点火プラグに供給するエネルギーを抑えることができる。これは、図14に示すように、燃料(Cnm)と酸素負イオン(O-)とを反応させるための活性エネルギーが、燃料(Cnm)と酸素(O2)とを反応させるための活性エネルギーより低いためである。
このような特性を有する酸素負イオンを発生させる方法として、特開2004−75431号公報に開示されている酸素負イオンの発生方法がある。この方法は、アルミナセメントに電圧を印加することで、酸素負イオンを発生させるものである。この方法によれば、点火プラグにおいて、例えば、所定間隔を隔てて配設されている円柱形状の中心電極と、板状の接地電極のいずれかにアルミナセメントを設けることで、アルミナセメントに電圧が印加され、電極周辺に酸素負イオンが発生する。さらに、電極間で放電することで、燃料希薄状態においても、酸素負イオンの効果により供給するエネルギーを抑え、確実に着火させることができる。
特開2004−75431号公報
点火プラグの電極は、一般的に、エンジンのシリンダ内に露出した状態で配設される。そのため、電極周辺で発生した酸素負イオンは、シリンダ内で発生する気流によって拡散されてしまい、前述した供給するエネルギーを抑える効果が充分に得られない可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外部の気流に影響されることなく、供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる点火プラグ及びその点火プラグを用いた点火装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、第1電極に取り囲まれ、外部と隔絶して形成される放電空間内に、O-イオン発生手段を配設することで、外部の気流に影響されることなく、供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の点火プラグは、一部に開口部を有して放電空間を取り囲む第1電極と、前記放電空間に前記開口部と所定間隔を隔てて配設される第2電極と、前記開口部を通じて着火雰囲気に連通する連通孔とを有し、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することで前記放電空間にて放電し、前記放電空間から前記開口部を通じた前記放電空間の外の空間にかけて放電エネルギーを放射する点火プラグにおいて、前記放電空間内に、O-イオンを発生するO-イオン発生手段が配設されていることを特徴とする。この構成によれば、外部の気流に影響されることなく、供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。O-イオン発生手段は、第1電極に取り囲まれて外部と隔絶した放電空間内に配設されているため、発生したO-イオンが、外部の気流によって拡散されることはない。そのため、第1電極と第2電極の周辺にO-イオンを留めておくことができる。これにより、外部の気流に影響されることなく、O-イオンの効果によって供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。
請求項2に記載の点火プラグは、請求項1に記載の点火プラグにおいて、さらに、前記O-イオン発生手段は、12CaO−7Al23、Ca12Al10Si435、及びCaFe25の少なくともいずれかであることを特徴とする。この構成によれば、O-イオンを確実に発生させることができる。12CaO−7Al23、Ca12Al10Si435、及びCaFe25は、電界を印加されることでO-イオンを放出する特性を有する材料である。これらのうち、少なくともいずれかの材料で構成されたO-イオン発生手段を、第1電極と第2電極の間に形成された放電空間に配設することで、電界を印加することができる。そのため、O-イオン発生手段からO-イオンを確実に放出させることができる。
請求項3に記載の点火プラグは、請求項2に記載の点火プラグにおいて、さらに、前記O-イオン発生手段は、前記第1電極に接触していることを特徴とする。この構成によれば、O-イオンを安定して発生させることができる。O-イオン発生手段は、第1電極に接触することで確実に電子の供給を受けることができる。そのため、供給された電子によってO-イオンを安定して生成することができる。これにより、O-イオンを安定して発生させることができる。
請求項4に記載の点火プラグは、請求項2に記載の点火プラグにおいて、さらに、前記O-イオン発生手段は、前記第2電極に接触していることを特徴とする。この構成によれば、O-イオンを安定して発生させることができる。O-イオン発生手段は、第2電極に接触することで確実に電子の供給を受けることができる。そのため、供給された電子によってO-イオンを安定して生成することができる。これにより、O-イオンを安定して発生させることができる。
請求項5に記載の点火装置は、請求項1又は2に記載の点火プラグと、前記点火プラグに電圧を印加する電圧印加手段とを有することを特徴とする。この構成によれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグに供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。電圧印加手段は、点火プラグに電圧を印加することができる。電圧が印加されると、点火プラグは放電空間内で放電する。放電空間内には、外部の気流に影響されることなく、発生したO-イオンが留まっている。そのため、供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。
請求項6に記載の点火装置は、請求項3に記載の点火プラグと、前記第2電極を基準として前記第1電極に、放電を発生させない負極性の電圧を印加した後、放電を発生させる電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする。この構成によれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグに供給するエネルギーを確実に抑え、燃料に着火することができる。電圧印加手段は、第2電極を基準として第1電極に、放電を発生させない負極性の電圧を印加することができる。そのため、12CaO−7Al23、Ca12Al10Si435、及びCaFe25の少なくともいずれかで構成されるO-イオン発生手段に電界が印加され、O-イオンを確実に放出させることができる。また、第1電極を介して、O-イオン発生手段に電子が供給され、O-イオンを安定して生成させることができる。これにより、放電前に、放電空間内に充分なO-イオンを確保することができる。その後、電圧印加手段は、第2電極を基準として第1電極に、放電を発生させる電圧を印加する。電圧が印加されると、点火プラグは放電空間内で放電する。放電空間内には、外部の気流に影響されることなく、発生したO-イオンが充分に確保されている。そのため、外部の気流に影響されることなく、点火プラグに供給するエネルギーを確実に抑え、燃料に着火することができる。
請求項7に記載の点火装置は、請求項4に記載の点火プラグと、前記第1電極を基準として前記第2電極に、放電を発生させない負極性の電圧を印加した後、放電を発生させる電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする。この構成によれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグに供給するエネルギーを確実に抑え、燃料に着火することができる。電圧印加手段は、第1電極を基準として第2電極に、放電を発生させない負極性の電圧を印加することができる。そのため、12CaO−7Al23、Ca12Al10Si435、及びCaFe25の少なくともいずれかで構成されるO-イオン発生手段に電界が印加され、O-イオンを確実に放出させることができる。また、第2電極を介して、O-イオン発生手段に電子が供給され、O-イオンを安定して生成させることができる。これにより、放電前に、放電空間内に充分なO-イオンを確保することができる。その後、電圧印加手段は、第1電極を基準として第2電極に、放電を発生させる電圧を印加する。電圧が印加されると、点火プラグは放電空間内で放電する。放電空間内には、外部の気流に影響されることなく、発生したO-イオンが充分に確保されている。そのため、外部の気流に影響されることなく、点火プラグに供給するエネルギーを確実に抑え、燃料に着火することができる。
請求項8に記載の点火装置は、請求項6又は7に記載の点火装置において、さらに、前記電圧印加手段は、指令に基づいて前記放電を発生させる電圧の印加を停止することを特徴とする。この構成によれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグに供給するエネルギーを確実にしかも効率よく抑え、燃料に着火することができる。放電前、放電空間内には、外部の気流に影響されることなく、O-イオンが確保されている。そのため、着火に必要なエネルギーが抑えられ、例えばエンジンの負荷状態によっては、放電するまでもなく、圧縮自己着火することができる場合がある。従って、指令に基づいて放電を発生させる電圧の印加を停止させることで、点火プラグに供給するエネルギーを確実にしかも効率よく抑え、燃料に着火することができる。
なお、本明細書でいう第1及び第2電極は、電極をそれぞれ区別するために便宜的に導入したものである。
本実施形態は、本発明に係る点火プラグを用いた点火装置を、車両に搭載されたエンジンの点火装置に適用した例を示す。
(第1実施形態)
第1実施形態における点火装置の構成図を図1に、図1における点火プラグの軸方向断面図をを図2に、点火装置の動作を説明する説明図を図3に、外部電極に対する中心電極の電圧波形を図4に、点火プラグへの供給エネルギーに対するリーン燃焼限界のグラフを図5にそれぞれ示す。そして、図1〜図5を参照し構成、動作、効果の順で具体的に説明する。
まず、具体的構成について説明する。図1に示すように、点火装置1は、点火プラグ2と、点火用電源3(電圧印加手段)とから構成されている。点火装置1は、エンジンの状態に応じて点火のための指令を出力するエンジンECU4に接続されている。
点火プラグ2は、エンジンのシリンダヘッドに装着され、電圧を印加されることで放電して、エンジンのシリンダ内に噴射された燃料に着火する装置である。図2に示すように、点火プラグ2は、外部電極20(第1電極)と、碍子21と、ターミナル22と、中軸23と、中心電極24(第2電極)と、O-イオン発生部材(O-イオン発生手段)25とから構成されている。
外部電極20は、碍子21を介して、ターミナル22、中軸23、及び中心電極24を収容し、これらをエンジンのシリンダヘッドに一体的に装着するとともに、車体に接地される、例えば金属からなる有底円筒形状の部材である。外部電極20は、筒部20aと、筒部20aの端部から縮径方向に延在する底部20bとから構成されている。筒部20aの外周面には、点火プラグ2をエンジンのシリンダヘッドに固定するためのネジ部20cが形成されている。また、底部20bの中央には、円形状の貫通孔20dが設けられている。
碍子21は、ターミナル22、中軸23、及び中心電極24を外部電極20から絶縁して固定する、例えばセラミックからなる略円柱形状の部材である。碍子21には、中心軸に沿って円形状の貫通孔21aが形成されている。貫通孔21aは、中径部21bと、小径部21cと、大径部21dとから構成されている。中径部21bは、中軸23が収容され固定される部分であり、碍子21の上端面から下方に向かって形成されている。小径部21cは、中心電極24が収容され固定される部分であり、中径部21bの下端から碍子21の下方に向かって形成されている。大径部21dは、後述するチャンバー27(放電空間)が形成される部分であり、小径部21cの下端から碍子21の下端面に向かって形成されている。
ターミナル22は、電圧が印加される、例えば金属からなる略円柱形状の部材である。ターミナル22は、碍子21の上端面に固定されている。
中軸23は、ターミナル22に印加された電圧を中心電極24に伝達する、例えば金属からなる円柱形状の部材である。中軸23は、碍子21の中径部21bに収容され固定されている。中軸23の一端部はターミナル22に電気的に接続されている。
中心電極24は、ターミナル22及び中軸23を介して電圧が印加され、外部電極20との間で放電する、例えばニッケルなどからなる円柱形状の部材である。中心電極24は、一端部を中径部21bに、他端部を大径部21dにそれぞれ突出させた状態で、小径部21cに収容され固定されている。中心電極24の一端部は、導電性接着剤26を介して、中軸23の他端部に電気的に接続されている。
ターミナル22、中軸23、及び中心電極24の固定された碍子21は、上端部を外部電極20の開放端部から突出させるとともに、下端面を外部電極20の底部20bに当接させた状態で、筒部20aに収容され固定されている。このとき、外部電極20に取り囲まれ、碍子21の大径部21dと、外部電極20の底部20bによって、外部と隔絶した円柱形状の空間であるチャンバー27が形成される。チャンバー27は、外部電極20の貫通孔20dを介して、点火プラグ2の外部に連通している。また、中心電極24の下端部は、外部電極20の底部20bから所定間隔を隔てて配設されている。
-イオン発生部材25は、電界を印加されることでO-イオンを発生する、例えば12CaO−7Al23(アルミナセメント)からなる円筒形状の部材である。O-イオン発生部材25は、外周面を碍子21の大径部21dの内周面に当接させるとともに、下端面を外部電極20の底部20bに接触させた状態で、チャンバー27内に配設されている。
図1に戻り説明する。点火用電源3は、エンジンECU4から出力される、点火時期を指示する点火信号に基づいて、点火プラグ2に電圧を供給する装置である。図1に示すように、点火用電源3の入力端子はエンジンECU4に接続されている。また、一方の出力端子は点火プラグ2に接続され、他方の出力端子は車体に接地されている。点火信号が入力されると、点火用電源3は、車体を基準として、点火プラグ2において放電を発生させない、例えば1kV〜4kVの正極性の電圧を0.1ms〜5msの間出力する。その後、点火プラグ2において放電を発生させるのに充分な、例えば8kV〜30kVの正極性の電圧を出力する。
次に、具体的動作について説明する。図3において、エンジンECU4が点火信号を出力すると、点火用電源3は、ターミナル22を介して中心電極24に、放電を発生させない1kV〜4kVの正極性の電圧を0.1ms〜5msの間印加する。外部電極20は車体に接地されているため、図4に示すように、外部電極20を基準として中心電極24に、1kV〜4kVの正極性の電圧が、0.1ms〜5msの間印加される。逆に中心電極24を基準にすると、外部電極20に−1kV〜−4kVの負極性の電圧が、0.1ms〜5msの間印加されることになる。
電圧が印加されると、図3において、チャンバー27内に配設されているO-イオン発生部材25に電界が印加される。O-イオン発生部材25を構成する12CaO−7Al23は、電界が印加されることで正極性側である内周面側からO-イオンを放出する。また、O-イオン発生部材25は、中心電極24に対して負極性である外部電極20に接触している。そのため、外部電極20を介してO-イオン発生部材25に電子が供給され、O-イオンを安定して生成する。これにより、放電前に、チャンバー27内の中心電極24の周辺に充分なO-イオンが確保される。ところで、チャンバー27は、外部電極20に取り囲まれ、外部と隔絶して形成されている。そのため、外部の気流によってO-イオンが外部に拡散されることはない。
その後、点火用電源3は、ターミナル22を介して中心電極24に、放電を発生させるのに充分な8kV〜30kVの正極性の電圧を印加する。図4に示すように、外部電極20を基準として中心電極24に、8kV〜30kVの正極性の電圧が印加される。逆に中心電極24を基準にすると、外部電極20に−8kV〜−30kVの負極性の電圧が印加されることになる。
電圧が印加されると、図3において、チャンバー27内の外部電極20と中心電極24との間で放電が発生し、貫通孔20dを介して外部に噴射された燃料に着火する。このとき、チャンバー27内にはO-イオンが充分に確保されているため、点火プラグ2に供給するエネルギーを抑え燃料に着火することができる。
最後に、具体的効果について説明する。第1実施形態の点火プラグによれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグ2に供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。O-イオン発生部材25は、外部電極20に取り囲まれ、外部と隔絶したチャンバー27内に配設されているため、発生したO-イオンが、外部の気流によって拡散されることはない。そのため、外部電極20と中心電極24の周辺にO-イオンを留めておくことができる。これにより、外部の気流に影響されることなく、図5に示すように、O-イオンの効果によって供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。
また、第1実施形態の点火プラグによれば、O-イオンを確実に発生させることができる。O-イオン発生部材25を構成する12CaO−7Al23は、電界を印加されることで、O-イオンを放出する特性を有する材料である。O-イオン発生手段を、外部電極20と中心電極24の間に形成されたチャンバー27に配設することで、電界を印加することができる。そのため、O-イオン発生部材25からO-イオンを確実に放出させることができる。
さらに、第1実施形態の点火プラグによれば、O-イオンを安定して発生させることができる。O-イオン発生部材25は、外部電極20に接触することで確実に電子の供給を受けることができる。そのため、供給された電子によってO-イオンを安定して生成することができる。これにより、O-イオンを安定して発生させることができる。
第1実施形態の点火装置によれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグ2に供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。
点火用電源3は、中心電極24を基準として外部電極20に、放電を発生させない負極性の電圧を印加することができる。そのため、O-イオン発生部材25に電界が印加され、O-イオンを確実に放出させることができる。また、外部電極20を介して、O-イオン発生部材25に電子が供給され、O-イオンを安定して生成させることができる。これにより、放電前に、チャンバー27内に充分なO-イオンを確保することができる。
その後、点火用電源3は、中心電極24を基準として外部電極20に、放電を発生させる電圧を印加する。電圧が印加されると、チャンバー27内の外部電極20と中心電極24との間で放電する。チャンバー27内には、外部の気流に影響されることなく、発生したO-イオンが充分に確保されている。そのため、外部の気流に影響されることなく、O-イオンの効果によって供給するエネルギーを抑え、燃料に着火することができる。
なお、第1実施形態では、放電時に正極性の電圧を印加している例を挙げているが、これに限られるものではない。図6に示すように、放電時に、−8kV〜−30kVの負極性の電圧を印加するようにしてもよい。この場合においても、確実に放電させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における点火プラグの軸方向断面図を図7に、点火装置の動作を説明する説明図を図8に、外部電極に対する中心電極の電圧波形を図9にそれぞれ示す。
第2実施形態における点火装置は、第1実施形態における点火装置に対して、点火プラグにおけるO-イオン発生部材の接触する電極を、外部電極から中心電極に変更するとともに、それに伴って、点火用電源による電圧に印加方法を変更したものである。ここでは、第1実施形態における点火装置との相違部分である点火プラグにおけるO-イオン発生部材の構成及び点火用電源の電圧の印加方法についてのみ説明し、共通する部分ついては、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図7示すように、碍子210は、ターミナル22、中軸23、及び中心電極240(第2電極)を外部電極20(第1電極)から絶縁して固定する、例えばセラミックからなる略円柱形状の部材である。碍子210には、中心軸に沿って円形状の貫通孔210aが形成されている。貫通孔210aは、大径部210bと、小径部210cとから構成されている。大径部210bは、中軸23が収容され固定される部分であり、碍子210の上端面から下方に向かって形成されている。小径部210cは、中心電極240が収容され固定されるとともに、チャンバー270(放電空間)が形成される部分であり、大径部210bの下端から碍子210の下端面に向かって形成されている。
中心電極240は、ターミナル22及び中軸23を介して電圧が印加され、外部電極20との間で放電する、例えばニッケルなどからなる円柱形状の部材である。中心電極240は、一端部を大径部210bに突出させるとともに、他端部の端面を碍子210の下端面から中軸側に後退させた状態で、小径部210cに収容され固定されている。中心電極240の一端部は、導電性接着剤26を介して、中軸23の他端部に電気的に接続されている。
ターミナル22、中軸23、及び中心電極240の固定された碍子210は、上端部を外部電極20の開放端部から突出させるとともに、下端面を外部電極20の底部20bに当接させた状態で、筒部20aに収容され固定されている。このとき、外部電極20に取り囲まれ、中心電極240の下端面と、碍子210の小径部210cと、外部電極20の底部20bによって、外部と隔絶した円柱形状の空間であるチャンバー270が形成される。
-イオン発生部材250(O-イオン発生手段)は、電界を印加されることでO-イオンを発生する、例えば12CaO−7Al23(アルミナセメント)からなる円柱形状の部材である。O-イオン発生部材250の外径は、小径部210cの内径より小さくなるように設定されている。O-イオン発生部材250は、外周面の一部を碍子210の小径部210cの内周面に当接させるとともに、上端面を中心電極240の下端面に接触させた状態で、チャンバー270内に配設されている。
点火用電源300(電圧印加手段)は、エンジンECU4から出力される、点火時期を指示する点火信号に基づいて、点火プラグ2に電圧を供給する装置である。図8に示すように、点火用電源300は、点火信号が入力されると、車体を基準として、点火プラグ2において放電を発生させない、例えば−1kV〜−4kVの負極性の電圧を0.1ms〜5msの間出力する。その後、点火プラグ2において放電を発生させるのに充分な、例えば−8kV〜−30kVの負極性の電圧を出力する。
次に、具体的動作について説明する。図8において、エンジンECU4が点火信号を出力すると、点火用電源300は、ターミナル22を介して中心電極240に、放電を発生させない−1kV〜−4kVの負極性の電圧を0.1ms〜5msの間印加する。外部電極20は車体に接地されているため、図9に示すように、外部電極20を基準として中心電極24に、−1kV〜−4kVの負極性の電圧が0.1ms〜5msの間印加される。
電圧が印加されると、図8において、チャンバー270内に配設されているO-イオン発生部材250に電界が印加される。O-イオン発生部材250を構成する12CaO−7Al23は、電界が印加されることで、正極性側である下端面側からO-イオンを放出する。また、O-イオン発生部材250は、外部電極20に対して負極性である中心電極240に接触している。そのため、中心電極240を介してO-イオン発生部材250に電子が供給され、O-イオンを安定して生成する。これにより、放電前に、チャンバー270内の外部電極20の上方に充分なO-イオンが確保される。ところで、チャンバー270は、外部電極20に取り囲まれ、外部と隔絶して形成されている。そのため、外部の気流によってO-イオンが外部に拡散されることはない。
その後、点火用電源300は、ターミナル22を介して中心電極240に、放電を発生させるのに充分な−8kV〜−30kVの負極性の電圧を印加する。図9に示すように、外部電極20を基準として中心電極24に、−8kV〜−30kVの負極性の電圧が印加される。
電圧が印加されると、図8において、チャンバー270内において、外部電極20と、O-イオン発生部材250に接触していない中心電極240の部分との間で放電が発生し、貫通孔20dを介して外部に噴射された燃料に着火する。このとき、チャンバー270内にはO-イオンが充分に確保されているため、点火プラグ2に供給するエネルギーを抑え燃料に着火することができる。
最後に、具体的効果について説明する。第2実施形態の点火プラグ及び点火装置においても、第1実施形態における点火プラグ及び点火装置と同様の効果を得ることができる。
なお、第2実施形態では、放電時に、負極性の電圧を印加している例を挙げているが、これに限られるものではない。図10に示すように、放電時に、8kV〜30kVの正極性の電圧を印加するようにしてもよい。この場合においても、確実に放電させることができる。
また、第2実施形態では、中心電極240の下端面に、円柱形状のO-イオン発生部材250を接触させて配設している例を挙げているが、これに限られるものではない。図11に示すように、中心電極241の下端部に形成された突部241aに、有底円筒形状のO-イオン発生部材251を接触させて配設してもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における点火装置の構成図を図12に、点火装置の動作を説明する説明図を図13に、外部電極に対する中心電極の電圧波形を図14にそれぞれ示す。
第2実施形態における点火装置は、第1実施形態における点火装置に対して、点火用電源による電圧に印加方法を変更したものである。ここでは、第1実施形態における点火装置との相違部分である点火用電源についてのみ説明し、共通する部分ついては、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成及び具体的動作について説明する。図12に示すように、点火用電源301(電圧印加手段)は、エンジンECU400から出力される、点火時期を指示する点火信号、及び放電の停止を指示する放電停止信号に基づいて、点火プラグ2に電圧を供給する装置である。ここで、放電停止信号は、エンジンの負荷状態に応じて出力される。例えばエンジンが低負荷状態であり、O-イオンの存在により、圧縮自己着火が可能であると判断されたとき出力される。逆にエンジンが高負荷状態であり、O-イオンの存在だけでは、圧縮自己着火が不可能であると判断されたときは出力されない。点火用電源301の入力端子はエンジンECU400に接続されている。また、一方の出力端子は点火プラグ2に接続され、他方の出力端子は車体に接地されている。
図13において、点火信号及び放電停止信号が入力されると、図14(a)に示すように、点火用電源301は、車体を基準として、点火プラグ2において放電を発生させない、例えば1kV〜4kVの正極性の電圧を0.1ms〜5msの間出力する。その後、放電を発生させる電圧は出力しない。
これに対し、図13において、点火信号のみが入力されると、図14(b)に示すように、点火プラグ2において放電を発生させない、例えば1kV〜4kVの正極性の電圧を0.1ms〜5msの間出力する。その後、点火プラグ2において放電を発生させるのに充分な、例えば8kV〜30kVの正極性の電圧を出力する。
最後に、具体的効果について説明する。第3実施形態の点火装置によれば、外部の気流に影響されることなく、点火プラグ2に供給するエネルギーを確実にしかも効率よく抑え、燃料に着火することができる。
点火信号及び放電停止信号が入力されたとき、点火用電源301は、中心電極24を基準として外部電極20に、放電を発生させない負極性の電圧を印加することができる。これにより、放電前に、チャンバー27内に充分なO-イオンを確保することができる。その後、放電を発生させる電圧を印加することはない。しかし、この場合、エンジンは低負荷状態であり、O-イオンによって点火に必要なエネルギーも充分に抑えられ、圧縮自己着火することができるため問題となることはない。これにより、点火プラグ2に供給するエネルギーを効率よく抑えることができる。
これに対し、点火信号のみが入力されたとき、点火用電源301は、中心電極24を基準として外部電極20に、放電を発生させない負極性の電圧を印加する。これにより、放電前に、チャンバー27内に充分なO-イオンを確保することができる。その後、点火用電源301は、中心電極24を基準として外部電極20に、放電を発生させる電圧を印加する。電圧が印加されると、点火プラグ2はチャンバー27内で放電する。チャンバー27内には、外部の気流に影響されることなく、発生したO-イオンが充分に確保されている。そのため、エンジンが高負荷状態であり、O-イオンの存在だけでは、圧縮自己着火が不可能であっても確実に着火することができる。従って、外部の気流に影響されることなく、点火プラグ2に供給するエネルギーを確実にしかも効率よく抑え、燃料に着火することができる。
なお、第3実施形態では、放電時に、正極性の電圧を印加している例を挙げているが、これに限られるものではない。第1実施形態において述べたと同様に、放電時に、−8kV〜−30kVの負極性の電圧を印加するようにしてもよい。この場合においても、確実に放電させることができる。
また、第3実施形態では、O-イオン発生部材27が外部電極20に接触している例を挙げているが、これに限られるものではない。第2実施形態で示したように、O-イオン発生部材が中心電極に接触していてもよい。この場合におていも、印加する電圧の極性を反転させることで、同様の効果を得ることができる。
さらに、前述した第1〜第3実施形態では、O-イオン発生部材25、250として、12CaO−7Al23を用いている例を挙げているが、これに限られるものではない。O-イオン発生部材25、250は、12CaO−7Al23、Ca12Al10Si435、及びCaFe25のうち、少なくともいずれかで構成されていればよい。この場合においても、O-イオンを発生し、同様の効果を得ることができる。
第1実施形態における点火装置の構成図である。 図1における点火プラグの軸方向断面図である。 点火装置の動作を説明する説明図である。 外部電極に対する中心電極の電圧波形である。 点火プラグへの供給エネルギーに対するリーン燃焼限界のグラフである。 外部電極に対する中心電極の別の電圧波形である。 第2実施形態のおける点火プラグの軸方向断面図である。 点火装置の動作を説明する説明図である。 外部電極に対する中心電極の電圧波形である。 外部電極に対する中心電極の別の電圧波形である。 -イオン発生部材の別の構成に関する点火プラグのチャンバー周辺の部分断面図である。 第3実施形態における点火装置の構成図である。 点火装置の動作を説明する説明図である。 外部電極に対する中心電極の電圧波形である。 燃料と酸素及び燃料と酸素負イオンの反応におけるエネルギー曲線である。
符号の説明
1・・・点火装置、2・・・点火プラグ、20・・・外部電極(第1電極)、20a・・・筒部、20b・・・底部、20c・・・ネジ部、20d・・・貫通孔(連通孔)、21、210・・・碍子、21a、210a・・・貫通孔、21b・・・中径部、21c、210c・・・小径部、21d、210b・・・大径部、22・・・ターミナル、23・・・中軸、24、240、241・・・中心電極(第2電極)、241a・・・突部、25、250、251・・・O-イオン発生部材(O-イオン発生手段)、26・・・導電性接着剤、27、270・・・チャンバー(放電空間)、3、300、301・・・点火用電源(電圧印加手段)、4、400・・・エンジンECU

Claims (8)

  1. 一部に開口部を有して放電空間を取り囲む第1電極と、前記放電空間に前記開口部と所定間隔を隔てて配設される第2電極と、前記開口部を通じて着火雰囲気に連通する連通孔とを有し、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することで前記放電空間にて放電し、前記放電空間から前記開口部を通じた前記放電空間の外の空間にかけて放電エネルギーを放射する点火プラグにおいて、
    前記放電空間内に、O-イオンを発生するO-イオン発生手段が配設されていることを特徴とする点火プラグ。
  2. 前記O-イオン発生手段は、12CaO−7Al23、Ca12Al10Si435、及びCaFe25の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の点火プラグ。
  3. 前記O-イオン発生手段は、前記第1電極に接触していることを特徴とする請求項2に記載の点火プラグ。
  4. 前記O-イオン発生手段は、前記第2電極に接触していることを特徴とする請求項2に記載の点火プラグ。
  5. 請求項1又は2に記載の点火プラグと、前記点火プラグに電圧を印加する電圧印加手段とを有することを特徴とする点火装置。
  6. 請求項3に記載の点火プラグと、前記第2電極を基準として前記第1電極に、放電を発生させない負極性の電圧を印加した後、放電を発生させる電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする点火装置。
  7. 請求項4に記載の点火プラグと、前記第1電極を基準として前記第2電極に、放電を発生させない負極性の電圧を印加した後、放電を発生させる電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする点火装置。
  8. 前記電圧印加手段は、指令に基づいて前記放電を発生させる電圧の印加を停止することを特徴とする請求項6又は7に記載の点火装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016136149A1 (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 日本特殊陶業株式会社 プラズマジェットプラグ
JP2016197585A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 日本特殊陶業株式会社 プラズマジェットプラグ

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