JP2007133585A - 交通信号制御機および交通信号制御方法 - Google Patents

交通信号制御機および交通信号制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立する。
【解決手段】交通信号制御機62は、感知I/F82と、時計106と、演算部102と、押しボタン処理部104と、押しボタンI/F84と、一般処理部100とを含む。感知I/F82は感知信号を受信する。時計106は時間を計時する。演算部102は、交通量および占有率のいずれかを算出する。押しボタン処理部104は、演算部102が算出した値が閾値以下か否かを判断する。押しボタンI/F84は、歩行者から指令信号を受信する。一般処理部100は、演算部102が算出した値が閾値を超える場合、設定されたタイムテーブルで階梯を歩進させ、閾値以下の場合、指令信号を受信したことに応じて、階梯を歩進させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、交通信号制御機および交通信号制御方法に関し、特に可変の交通指令をあたえるための交通信号制御機および交通信号制御方法に関する。
押ボタン交通信号機の種類には、単独で動作する交通信号機と、路線系統制御で運用する交通信号機と、管制センターからの集中制御で運用する交通信号機との3種類がある。単独で動作する交通信号機は、歩行者から横断要求があると即座に灯色を切替える。これにより、歩行者用の信号が青信号になる。路線系統制御で運用する交通信号機および集中制御で運用する交通信号機は、歩行者から横断要求があった後、隣接する交差点と同期するように灯色を切替える(路線系統制御で運用する交通信号機は、交通信号制御機が内蔵する時計によって、隣接する交差点と同期するように灯色を切替える)。隣接する交差点と同期するように灯色が切替えられるため、路線系統制御で運用する交通信号機および集中制御で運用する交通信号機のいずれかが設置された横断ほど、待ち時間は長くなる傾向にある。
交通量や隣接する交差点の数が増えるにつれ、単独で動作する交通信号機が路線系統制御で運用する交通信号機および集中制御で運用する交通信号機のいずれかに取替えられる。単独で動作する交通信号機が路線系統制御で運用する交通信号機および集中制御で運用する交通信号機のいずれかに取替えられると、信号が変わらない、特に押ボタンを押しても信号がなかなか変わらない、といった苦情が寄せられる様になる。信号がなかなか変わらないと、車が少ない時や車の流れが途切れた時などには、信号を無視して渡ってしまう歩行者が増える。信号を無視して渡ってしまうことは、非常に危険なことである。
路線系統制御で運用する交通信号機および集中制御で運用する交通信号機における待ち時間を短縮する方法として、図22に示す信号システムにて図23に示す制御を実施する方法がある。
図22を参照して、交通システムは、交通信号機110と、図示しない超音波式車両感知器とを含む。交通信号機110は、車両用の信号および歩行者用の信号を赤信号、黄信号、および青信号のいずれかとすることにより、車両および歩行者の通行を制御する。超音波式車両感知器は、幹線道路40のうち、所定の位置(交通システムの管理者が予め設定した位置)に車両があることを感知する。超音波式車両感知器は、車両が存在することを感知すると、車両を感知した旨の信号を交通信号機110に出力する。
図23において、「中央階梯」とは、管制センターに設置されたコンピュータの階梯を表わす。「実行階梯」とは交通信号制御機が実行する階梯を表わす。交通信号制御機は交通信号機110に含まれる。「幹線側現示」とは、幹線用の信号灯器が点灯させる信号の色を表わす。幹線用の信号灯器も交通信号機110に含まれる。「横断側現示」とは歩行者用の信号灯器が点灯させる信号の色を表わす。歩行者用の信号灯器も交通信号機110に含まれる。「幹線側現示」および「横断側現示」における一重線は青信号が点灯していることを表わす。「Y」という文字は黄信号が点灯していることを表わす。二重線は赤信号が点灯していることを表わす。「F」は、歩行者用の青信号が点滅していることを表わす。「第1パイロットランプ」欄は、図示しない押しボタン箱に取付けられたパイロットランプのうち、「お待ちください」という意味を表わすランプが点灯しているか否かを表わす。「第2パイロットランプ」欄は、図示しない押しボタン箱に取付けられたパイロットランプのうち、「おしてください」という意味を表わすランプが点灯しているか否かを表わす。
図22に示す信号システムにて図23に示す制御を実施する方法は、歩行者からの横断要求があると、基準時間に比べ早めに歩行者用の信号を青信号に変える一方、歩行者の横断要求がないと、一定時間、歩行者からの横断要求を待つ方法である。この方法を採用する場合、一定時間待っても歩行者からの横断要求がなければ、歩行者からの横断要求があるまで、幹線用の信号が青信号のままとなる。この方法の場合、待時間の短縮幅は、路線に与える影響があまり大きくならない程度(1サイクル(すべての階梯を経るために必要な時間)に対し約10%程度)に過ぎないため、一般の歩行者からは目に見えた効果は無いと不評である。目に見えた効果が無いため、歩行者が信号を無視して渡ってしまうことを防止できない。
上述した問題点を解決するため、特許文献1は、幹線道路に設けられ押ボタンによる横断要求に応じて道路横断を許可する交通信号機と、交通信号機制御部とを含み、交通信号機制御部が、具備された判定装置が判定した横断要求の頻度に基づき、要求頻度が高い場合には幹線道路を通行する車両を優先するように交通信号機を制御し、中央制御部からの歩進信号に基づいて交通信号機を制御すると共に中央制御部に対して応答信号を送出し、要求頻度が低い場合には横断者を優先するように交通信号機を制御し、要求頻度が低くかつ中央制御部に従わない制御の場合には、凝似応答信号を生成し中央制御部に対して送出する、交通信号制御装置を開示する。
特許文献1に開示された発明によると、歩行者への便宜を図ることにより、信号無視による事故を未然に防止できる。
特開平4−369100号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明では、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することが困難であるというという問題点がある。その理由は、以下の通りである。第1の理由は、車両が高速で進んでいるため、歩行者からの横断要求があった交差点のみで急にその走行を止めると、事故を誘発する恐れがあるという理由である。第2の理由は、車両の通行状況を把握することなく歩行者からの横断要求のみで歩行者の待時間を短縮しなくてはならないため、青信号を見て横断する歩行者が事故に遭い得るという理由である。第3の理由は、車両の通行状況をまったく把握できないまま歩行者用の信号を青信号に切替えると車両の流れが乱れるため、歩行者に図り得る便宜が少ない(歩行者が長時間待たされる)という理由である。第3の理由は、路線の系統化や管制センターからの遠隔制御化などが行われる信号において特に顕著に表れる。路線の系統化や管制センターからの遠隔制御化などが行われる場合、通常は車両優先の信号制御となるからである。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することができる交通信号制御機および交通信号制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、交通信号制御機は、道路の交通諸量を算出するための算出手段と、歩行者からの指令を表す信号である指令信号を受信するための手段と、信号灯器を制御するための制御手段と、交通諸量に基づいて制御手段の制御を変更するための変更手段とを備えることを特徴とする。制御手段は、設定されたタイムテーブルに基づいて階梯が歩進するようにしてある第1の制御手段と、設定されたタイムテーブルに加えて、さらに指令信号を受信したタイミングに応じて階梯が歩進するようにしてある第2の制御手段とを備える。
また、上述の交通信号制御機は、車両を感知するための感知手段と、感知手段が車両を感知する位置から道路上の所定の位置までを車両が通過するために要する時間である、通過時間を設定するための手段とをさらに備えることが望ましい。併せて、交通諸量には少なくとも感知手段が車両を感知した時刻を含むことが望ましい。併せて、第2の制御手段はさらに、感知手段が車両を感知した時刻と通過時間とに基づいて、階梯が歩進するようにしてあることを特徴とする。
また、上述の交通諸量には少なくとも車両の速度と位置を含むことが望ましい。併せて、交通信号制御機は、車両の速度と位置とに基づいて、当該車両が道路上の所定の位置を通過するのに要する時間である通過時間、および車両が所定の位置を通過する時刻である通過時刻のいずれかを算出するための手段をさらに備えることが望ましい。併せて、第2の制御手段はさらに通過時間および通過時刻のいずれかに応じて階梯が歩進するようにしてあることを特徴とする。
また、上述の交通諸量には少なくとも車両の速度と位置を含むことが望ましい。併せて、交通信号制御機は、車両の速度と位置とに基づいて、当該車両が道路上の所定の領域を走行する時間帯を算出するための手段をさらに備えることが望ましい。併せて、第2の制御手段はさらに算出した時間帯に応じて階梯が歩進するようにしてあることを特徴とする。
また、上述の交通諸量は、交通量、占有率の少なくとも一つを含むことが望ましい。
また、上述の変更手段は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ、占有率が第2の閾値以下である場合に、第2の制御手段の制御を実施するように制御を変更することが望ましい。
また、上述の変更手段は、交通量が第1の閾値を越える場合、あるいは、占有率が第2の閾値を越える場合に、第1の制御手段の制御を実施するように制御を変更することが望ましい。
また、上述の第1の閾値及び第2の閾値は、信号灯器が設置されている道路毎に設定されることが望ましい。
本発明の他の局面にしたがうと、交通信号制御方法は、道路の交通諸量を算出し、歩行者からの指令を表す信号である指令信号を受信し、設定されたタイムテーブルに基づき、交通諸量に応じて指令信号を受信したタイミングを加味させて、階梯が歩進するように信号灯器を制御することを特徴とする。
請求項1に係る発明は、車両の通行状況を考慮しつつ歩行者の待ち時間を短縮するので、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することができる。
請求項2に係る発明は、感知手段が車両を感知した時刻と設定した通過時間とに基づいて階梯が歩進するので、車両の通行の安全を図ることができる。
請求項3に係る発明は、算出された車両の速度と位置とに基づいて通過時間および通過時刻のいずれかを算出することから、より実際に近い通過時間および通過時刻のいずれかに応じて階梯が歩進するので、さらに車両の通行の安全を図ることができる。
請求項4に係る発明は、車両が道路上の所定の領域を走行する時間帯に応じて階梯が歩進するので、車両の通行の安全と歩行者の通行の安全を図ることができる。
請求項5に係る発明は、交通量、占有率の少なくとも一つを含むので、車両の通行状況を正確に把握することができる。
請求項6に係る発明は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ、占有率が第2の閾値以下である場合に、指令信号を受信したタイミングに応じて階梯が歩進するので、車両の通行への影響を抑えつつ、歩行者の待ち時間を短縮することができる。
請求項7に係る発明は、交通量が第1の閾値を越える場合、あるいは、占有率が第2の閾値を越える場合に、設定されたタイムテーブルに基づいて階梯が歩進するので、車両の流れの乱れを防止することができる。
請求項8に係る発明は、第1の閾値及び第2の閾値が、信号灯器が設置されている道路毎に設定される交通量、占有率の少なくとも一つを含むので、各々の道路の事情に即して、歩行者への便宜を容易に図ることができる。
請求項9に係る発明は、車両の通行状況を考慮しつつ歩行者の待ち時間を短縮するので、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る交通システム、交通信号機、および交通信号制御機について説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る交通システムは、交通信号機30と、超音波式車両感知器32とを含む。交通信号機30は、車両用の信号および歩行者用の信号を赤信号、黄信号、および青信号のいずれかとすることにより、車両および歩行者の通行を制御する。本実施の形態の場合、超音波式車両感知器32は、幹線道路40のうち、所定の位置(本実施の形態に係る交通システムの管理者が予め設定した位置)に車両があることを感知する。超音波式車両感知器32は、車両が存在することを感知すると、感知信号を交通信号機30に出力する。超音波式車両感知器32が車両を感知する位置は予め定められているので、感知信号は、車両が存在する位置を表わす信号となる。本実施の形態の場合、超音波式車両感知器32は、横断歩道50から約100メートル上流側(横断歩道50に対し車両が到来する方向)に設置される。
図2を参照して、交通信号機30は、交通信号制御機62と、押しボタン箱64と、幹線用信号灯器66と、歩行者用信号灯器68とを含む。交通信号制御機62は、幹線用信号灯器66と歩行者用信号灯器68とを制御する。押しボタン箱64は、歩行者が、横断歩道50を横断しようとする際、操作する。幹線用信号灯器66は、赤信号、黄信号、および青信号のいずれかにより、幹線道路40を走行する車両の通行を制御する。歩行者用信号灯器68は、赤信号および青信号により、歩行者の通行を制御する。幹線用信号灯器66は、赤信号を点すLED(Light Emitting Diode)と、黄信号を点すLEDと、青信号を点すLEDとを含む。歩行者用信号灯器68は、赤信号を点すLEDと、青信号を点すLEDとを含む。本実施の形態の場合、幹線用信号灯器66と、歩行者用信号灯器68とは、交通信号制御機62の制御に応じて、LEDを制御する装置をそれぞれ含む。なお、幹線用信号灯器66と、歩行者用信号灯器68とにおいて、LEDに代え、電球が用いられてもよい。
図3を参照して、交通信号制御機62は、通信部80と、感知インターフェース82と、押しボタンインターフェース84と、第1制御部86と、メモリ88と、第2制御部90とを含む。通信部80は、超音波式車両感知器32以外の装置(本実施の形態の場合、中央装置70(交通情報を収集したり本実施の形態に係る交通システムを制御したりすることにより、幹線道路40の車両の安全を確保する、管制センターに設置されたコンピュータである))と通信する。通信部80は、中央装置70から、指令信号とは異なる信号を受信することとなる。感知インターフェース82は、超音波式車両感知器32から、感知信号を受信する。押しボタンインターフェース84は、押しボタン箱64からの信号を受信することにより、間接的に、歩行者からの指令を表わす信号である指令信号を受信する。第1制御部86は、交通信号制御機62の各部を制御するマイクロプロセッサである。メモリ88は、感知信号の遷移に関する情報(本実施の形態の場合、感知信号の受信の回数を表わす情報および感知信号を受信した時刻の情報)と、第1制御部86が実行するプログラムとを記憶する装置である。第2制御部90は、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68がそれぞれどのような色の信号を点灯するかを制御する装置である。
第1制御部86は、一般処理部100と、演算部102と、押しボタン処理部104と、時計106とを含む。一般処理部100は、交通信号制御機62を構成する各装置の間の情報を仲介する。一般処理部100は、階梯を制御する装置でもある。「階梯」とは、信号色などによって分類される、交通信号機の状態を表わす概念である。図4は、第1階梯〜第7階梯における、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68の信号色と各階梯の基準時間(同一の階梯が継続される時間)を表わす図である。図4に表わす情報は、メモリ88に記憶されている。押しボタン処理部104は、演算部102が決定した値が閾値以下か否かを判断する装置である。時計106は、時間を計時する装置である。演算部102は、演算などにより、交通量および占有率を算出する装置である。「交通量」とは単位時間における車両の通行量を表わす量である。「占有率」の定義は後述する。
一般処理部100と、演算部102と、押しボタン処理部104と、時計106とは、上述したマイクロプロセッサとメモリ88に記憶されたプログラムとにより実現される仮想回路である。
なお、中央装置70は、テーブル制御および歩進制御のいずれかにより、交通信号制御機62を制御する。テーブル制御とは、中央装置70から定期的(たとえば5分に1回)に交通信号制御機62に対して信号を送出し、その信号に基づき交通信号制御機62が幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御する制御のことである。テーブル制御を実施する場合、交通信号制御機62の通信部80は、1サイクル(第1階梯〜第7階梯を順次一度ずつ実施すること)に1回(もしくは5分に1回)実際に実行した制御を表わす信号を中央装置70に返信する。中央装置70は、返信された信号により、交通信号機30を監視できる。本実施の形態の場合、交通信号制御機62の通信部80は、押しボタン箱64が5分以上操作されない場合、一般制御部100および時計106の制御により、5分ごとに上述した信号を中央装置70に送信する。歩進制御とは、中央装置70から交通信号制御機62への信号の送信と交通信号制御機62から中央装置70への信号の返信とをリアルタイム(たとえば1秒ごと)で実施する制御のことである。歩進制御を実施する場合、後述するように、交通信号制御機62の通信部80は、本来送信すべき信号に代えて、擬似信号を中央装置70へ送信する。これにより、中央装置70は、交通信号機30を監視できる。
図5を参照して、交通信号機30で実行されるプログラムは、信号の点灯に関し、以下のような制御を実行する。
S200にて、一般処理部100は、中央装置70からの許可信号があるか否か(許可信号が、通信部80により既に受信され、かつ許可信号の値が、メモリ88に記憶されているか否か)を判断する。図6は、本実施の形態における中央装置70が交通信号制御機62に送信する制御信号のフォーマットを表わす図である。中央装置70からの許可信号は、この信号の一部として送信される。図7は、図6に示すフォーマットのうち、「制御指令」と記載された部分のフォーマットを表わす図である。図8は、図7に示すフォーマットのうち、ステータスを表わす部分の値と意味との関係を表わす図である。図9は、図6に示すフォーマットのうち、「スプリット」と記載された部分の内容を表わす図である。中央装置70からの許可信号があると判断した場合(S200にてYES)、処理はS202へと移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS214へと移される。なお、本実施の形態の場合、許可信号は、図7に示す「ステータス」の部分の値によって表わされることとする。本実施の形態の場合、図7に示す「ステータス」の部分の「D4」および「D5」の値がいずれも「1」であれば、許可信号があると判断されることとする。ただし、このような判断はあくまでも例示である。たとえば、図7に示す「ステータス」の部分の「D4」の値が「1」で「D5」の値が「0」であれば、許可信号があると判断されてもよい。
S202にて、感知インターフェース82は、超音波式車両感知器32からの信号である感知信号を受信する。感知インターフェース82が感知信号を受信すると、一般処理部100は、感知インターフェース82が感知信号を受信した時刻の情報を記憶するように、メモリ88を制御する。演算部102は、感知信号の遷移の頻度と間隔とに応じて、交通量および占有率を算出する。感知信号の遷移の頻度と間隔とは、時計106が計時した時間とメモリ88が記憶した情報とにより表わされる。「占有率」とは、感知インターフェース82が感知信号を待受けた期間のうち実際に感知信号を受付けた期間(もしくは感知信号が車両の存在を表わす値となった期間)の割合を表わす値である。占有率は次の式で表わされる。
(占有率)=(交通量)×車両の長さの10倍/速度の100倍
ただし、本実施の形態の場合、交通量の単位は[台/時]である。車両の長さの単位は[m]である。速度の単位は[km/時]である。本実施の形態の場合、演算部102は、感知インターフェース82が感知信号を受付けた回数から交通量を算出する。本実施の形態の場合、車両の長さは、感知信号の推移に基づき、演算部102によって検出される。本実施の形態の場合についてより具体的に説明すると、演算部102は、感知信号が車両の存在を表わす値でありつづけた時間と車両の平均速度との積から、超音波式車両感知器32が車両を感知する範囲の長さを差引いた値を、車両の長さとする。本実施の形態の場合、車両の速度は、予めメモリ88に記憶された想定値により代用される。交通量および占有率が決定されると、メモリ88は、一般処理部100の制御により、演算部102が決定した値(交通量および占有率)を記憶する。
S204にて、押しボタン処理部104は、演算部102が決定した値(本実施の形態の場合、交通量および占有率)が閾値以下であるか否かを判断する。本実施の形態の場合、押しボタン処理部104は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ占有率が第2の閾値以下であるか否かを判断する。本実施の形態の場合、交通量用の閾値を「第1の閾値」と称する。占有率用の閾値を「第2の閾値」と称する。本実施の形態の場合、第1の閾値が「100」で、第2の閾値が「1.5」である。交通量と占有率とが閾値以下と判断した場合(S204にてYES)、処理はS206へと移される。もしそうでないと(S204にてNO)、処理はS214へと移される。
S206にて、一般処理部100は、歩行者からの横断要求があったか否か(押しボタンインターフェース84が、押しボタン箱64からの信号を介して、歩行者からの指令を表わす信号である指令信号を受信したか否か)を判断する。横断要求があったと判断した場合(S206にてYES)、処理はS208へと移される。もしそうでないと(S206にてNO)、処理はS200へと移される。
S208にて、押しボタン処理部104は、時計106の計時により特定される時刻に基づき、走行中の車両が横断歩道50を通過したか否かを判断する。走行中の車両が横断歩道50を通過したか否かは、感知インターフェース82が感知信号を受付けた後、メモリ88に記憶した当該車両が横断歩道50を通過するのに要する時間である通過時間が経過したか否かにより判断される。通過時間は、超音波式車両感知器32の設置位置から横断歩道50までの距離を、車両の速度の想定値(たとえば50キロメートル毎時)で除して算出することができる。なお、上記記憶した通過時間に代え、画像式車両感知器、超音波式速度感知器、ループ式速度感知器などといった、速度の検出が可能な車両感知器が検出した、実際の車両の速度に基づいて算出された通過時間が用いられてもよい。走行中の車両が横断歩道50を通過したと判断した場合(S208にてYES)、処理はS210へと移される。もしそうでないと(S208にてNO)、処理はS212へと移される。因みに、通過時間が経過する前に、感知インターフェース82が再度超音波式車両感知器32から感知信号を受付けた場合、時計106は、走行中の車両が横断歩道50を通過したか否かを判断するための計時をやり直す。
S210にて、一般処理部100は、自らのモードを横断要求モードへ切替える。自らのモードを横断要求モードへ切替えるために、一般処理部100は、メモリ88が記憶した値を参照することにより、第1階梯〜第7階梯において幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68が点灯する信号の色の情報を更新する。モードが切替えられると、一般処理部100は、第1階梯から第7階梯まで歩進するように、第2制御部90を制御する。第2制御部90は、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68が点灯する信号の色を制御する。これにより、一般処理部100は、演算部102が算出した値が閾値以下の場合、押しボタンインターフェース84が指令信号を受信したことに応じて、階梯が歩進するように、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。
S212にて、押しボタン処理部104は、幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来したか否かを判断する。「幹線同期点」と「短縮時間」との意味は後述する。幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来したと判断した場合(S212にてYES)、処理はS210へと移される。もしそうでないと(S212にてNO)、処理はS208へと移される。
なお、「幹線同期点」とは中央装置70の階梯のうち第1階梯が終了する時刻を意味する。「短縮時間」とは交通信号制御機62が中央装置70の幹線同期点よりも先に第2階梯へ歩進できる時間を意味する。本実施の形態の場合、交通信号機30は、中央装置70の集中制御に従うので、短縮時間は中央装置70の指令により決定される(交通信号機30が単独制御により信号を点灯させる場合、短縮時間はメモリ88に予め記憶された値を用いる)。
S214にて、一般処理部100は、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68の制御を幹線側優先の制御プログラムへ切替える。「幹線側優先の制御プログラム」とは、交通信号制御機62における各階梯が中央装置70の階梯に同期して歩進する制御のプログラムをいう。このとき、交通信号制御機62における各階梯のタイムテーブルは、中央装置70により設定される(交通信号制御機62における各階梯のタイムテーブルは、図示しないキーボードなどを介して交通信号制御機62の管理者により設定されてもよい)。タイムテーブルが設定されるので、一般処理部100は、演算部102が算出した値が閾値を超えた場合(本実施の形態においては、交通量が第1の閾値を超える場合、および占有率が第2の閾値を超える場合)、通信部80が受信した信号に基づいて設定されたタイムテーブルで階梯が歩進するように、第2制御部90を介して、幹線用信号灯器66と歩行者用信号灯器68とを制御することとなる。階梯が中央装置70に同期する動作を「通常のステップ回転型押しボタン動作」と称する。交通信号制御機62の階梯が歩行者からの横断要求があるまで第1階梯のまま維持される動作を「ステップ停止型押しボタン動作」と称する。なお、「歩進」とは階梯が変化することをいう。
以上のような工程およびフローチャートに基づく、交通システム、交通信号機および交通信号制御機の動作について説明する。
[車両がほとんどない場合]
一般処理部100は中央装置70からの許可信号があるか否かを判断する(S200)。許可信号があるとすると(S200にてYES)、演算部102は交通量と占有率とを算出する(S202)。交通量と占有率とが算出されると、押しボタン処理部104は交通量と占有率とが閾値以下か否かを判断する(S204)。この場合、車両がほとんどないので(S204にてYES)、押しボタン処理部104は、横断要求があったか否かを判断する(S206)。このとき、たまたま横断要求があったとすると(S206にてYES)、押しボタン処理部104は、走行中の車両が通過したか否かを判断する(S208)。この場合、車両がほとんどないので(S208にてNO)、押しボタン処理部104は、幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来したか否かを判断する(S212)。当初、幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻は到来しないが(S212にてNO)、S208〜S212の処理が繰返された後、幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来するので(S212にてYES)、一般処理部100は横断要求モードへ切替えて第7階梯まで歩進する(S210)。S212の処理を経てS210の処理が実施されることにより、一般処理部100は、階梯が歩進するように第2制御部90を介して幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。一般処理部100は、次の要件が満たされた時点で幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。第1の要件は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ占有率が第2の閾値以下であるという要件である。第2の要件は、押しボタンインターフェース84が指令信号を受信したという要件である。第3の要件は、指令信号を受信する前において最後に感知インターフェース82が感知信号を受信した後待機時間が経過するという要件である。「待機時間」とは、感知インターフェース82が感知信号を受信した時から、幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来するまでの、時間を指す。待機時間は時計106により計時される。
[車両がほとんどないが、横断要求があった直後に、たまたま車両が横断歩道を通過する場合]
一般処理部100は中央装置70からの許可信号があるか否かを判断する(S200)。許可信号があるとすると(S200にてYES)、演算部102は交通量と占有率とを算出する(S202)。交通量と占有率とが算出されると、押しボタン処理部104は交通量と占有率とが閾値以下か否かを判断する(S204)。この場合、車両がほとんどないので(S204にてYES)、押しボタン処理部104は、横断要求があったか否かを判断する(S206)。このとき、横断要求があったとすると(S206にてYES)、押しボタン処理部104は、走行中の車両が通過したか否かを判断する(S208)。この場合、走行中の車両がまだ通過していないとすると(S208にてNO)、押しボタン処理部104は、幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来したか否かを判断する(S212)。幹線同期点より「短縮時間」で表わされる時間だけ前の時刻が到来していないとすると(S212にてNO)、S208〜S212の処理が繰返される。その後、走行中だった車両が通過するので(S208にてYES)、一般処理部100は横断要求モードへ切替えて第7階梯まで歩進する(S210)。S208の処理を経てS210の処理が実施されることにより、一般処理部100は、階梯が歩進するように第2制御部90を介して幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。一般処理部100は、次の要件が満たされた時点で幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。第1の要件は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ占有率が第2の閾値以下であるという要件である。第2の要件は、押しボタンインターフェース84が指令信号を受信したという要件である。第3の要件は、指令信号を受信する前において最後に感知インターフェース82が感知信号を受信した後にその感知信号を受信した時刻から通過時間(この時間は時計106により計時される)が経過するという要件である。
図10は、従来例に係る交通信号制御機の制御と本実施の形態に係る交通信号制御機62の制御との差異を表わす図である。図10において、「中央階梯」とは中央装置70の階梯を表わす。「実行階梯」とは交通信号制御機62が実行する階梯を表わす。「幹線側現示」とは、幹線用の信号灯器が点灯させる信号の色を表わす。「横断側現示」とは歩行者用の信号灯器が点灯させる信号の色を表わす。「感知器」とは超音波式車両感知器32が車両を感知したか否かを表わす。「幹線側現示」および「横断側現示」における一重線は青信号が点灯していることを表わす。「Y」という文字は黄信号が点灯していることを表わす。二重線は赤信号が点灯していることを表わす。「F」は、歩行者用の青信号が点滅していることを表わす。
図10から明らかなように、本実施の形態に係る交通信号制御機62は、従来の制御に比べ、図10において「T秒」と表示した時間の分、歩行者の待ち時間が短縮される。
なお、図10における「TS」が上述した「短縮時間」である。図10において「TE」は従来例に係る交通信号制御機が歩行者の横断要求を延長して受付けた時間を表わす。
[多くの車両が横断歩道を通過する場合]
演算部102が交通量と占有率とを算出すると(S202)、押しボタン処理部104は、交通量と占有率とが閾値以下か否かを判断する(S204)。この場合、多くの車両が横断歩道50を通過するので(S204にてNO)、一般処理部100は幹線側優先の制御プログラムへ切替える(S214)。
以上のようにして、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、交通量や占有率の値が閾値以下の場合、歩行者からの横断要求があれば、歩行者用の信号を青信号にする(ただし本実施の形態の場合、交通信号制御機は、車両の通過を待って歩行者用の信号を青信号にする)ため、車両の通行への影響を抑えつつ、歩行者の待ち時間を短縮することができる。したがって、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することができる。
あわせて、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、車両の通過を待って歩行者用の信号を青信号にするため、車両を急に停止させることがなくなり、車両の通行の安全を図ることができる。
また、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、歩進制御により動作する交通信号制御機(仕組み上、各階梯を経るごとに、擬似信号を返信する)と異なり、中央装置に対し、実際に実行した制御の情報を、1サイクル(すべての階梯を経ること)につき1回または5分につき1回送信する。実際に実行した制御の情報が1サイクルに1回または5分に1回送信されるため、中央装置は、交通信号機の実際の動作を把握できる。
その結果、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立し、かつ中央装置が交通信号機の実際の動作を把握できる、交通信号制御機を提供することができる。
なお、交通信号機30は、路線系統制御に従ってもよい。路線系統制御に従う場合、S200にて、一般処理部100は、メモリ88を参照して、時計106の計時により特定される時刻が、ステップ停止型押しボタン動作を許可された時間帯に含まれるか否かを判断する。時計106の計時により特定される時刻が、ステップ停止型押しボタン動作を許可された時間帯に含まれると判断した場合、処理はS202へと移される。もしそうでないと、処理はS214へと移される。
また、本実施の形態にかかる交通システムは、超音波式車両感知器32に代えて、光ビーコンを含んでもよい。光ビーコンと車両に搭載された車載器とが通信することにより、光ビーコンは、車両が存在する位置が光ビーコンの通信範囲内のいずれかであることを感知する感知装置として動作することとなる。
また、S204にて、押しボタン処理部104は、交通量が、車両が通行する道路に対応する第1の閾値以下であり、かつ占有率が、車両が通行する道路に対応する第2の閾値以下であるか否かを判断してもよい。たとえば、交通信号機30が設置される道路が、国道、県道、および市道のいずれに該当するかに、「第1の閾値」および「第2の閾値」の値を対応付けてもよい。これにより、簡便に、歩行者の横断要求が車両の通行に与える悪影響を抑制し、歩行者の安全を確保し、歩行者への便宜を図り、かつ中央装置が交通信号機の実際の動作を把握できる、交通システム、交通信号機、および交通信号制御機を提供することができる。
また、S202およびS204にて、交通量および占有率のうちいずれか一方のみが算出され、閾値以下か否かが判断されてもよい。いずれの値が算出されたとしても、演算部102は、時計106が計時した時間とメモリ88が記憶した情報とに基づいて、交通量および占有率のいずれかを算出する装置となる。押しボタン処理部104は、演算部102が算出した値(すなわち交通量および占有率のいずれか)が閾値以下であるか否かを判断する装置となる。
また、一般処理部100は、演算部102が算出した交通諸量に基づいて、予め設定されたタイムテーブルと指令信号を受信したタイミングとから階梯が歩進する時刻である歩進タイミングを設定してもよい。この場合、第2制御部90はその歩進タイミングに基づいて階梯を歩進させることにより、信号灯器を制御することとなる。
また、S208にて、走行中の車両が横断歩道50を通過したか否かは、感知インターフェース82が感知信号を受け付けた後、記憶した通過時間が経過したか否かで判断される代わりに、当該車両が横断歩道50を通過する時刻である通過時刻を経過したか否かで判断されても良い。通過時刻は、感知インターフェース82が感知信号を受け付けた時刻に上記記憶した通過時間を加算することにより算出することができる。この場合、感知インターフェース82が感知信号を受付けた時刻は、感知インターフェース82が感知信号を受付けたとき、時計106により特定されていることとする(ただし、予め定められた基準時からの経過時間として計時されている)。一般処理部100は、感知インターフェース82が感知信号を受付けた時刻の情報をメモリ88に記憶させている。なお、通過時刻を算出する際、上記記憶した通過時間に代え、画像式車両感知器などといった、速度の検出が可能な車両感知器が検出した、実際の車両の速度に基づいて算出された通過時間が用いられてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る交通システム、交通信号機、および交通信号制御機について説明する。
図11を参照して、本実施の形態に係る交通システムは、交通信号機34と、画像式車両感知器36とを含む。交通信号機34は、車両と歩行者との通行を制御する。画像式車両感知器36は、幹線道路40を走行する車両の速度と位置とを感知する。画像式車両感知器36は、交通信号機34に対し、車両の速度を表わす速度信号とともに、車両の位置を表わす感知信号を出力する。
図12を参照して、交通信号機34は、交通信号制御機72と、押しボタン箱64と、幹線用信号灯器66と、歩行者用信号灯器68とを含む。交通信号制御機72は、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御する。
交通信号制御機72は、通信部80と、感知インターフェース82と、押しボタンインターフェース84と、メモリ88と、第2制御部90と、第1制御部92とを含む。第1制御部92は、交通信号制御機72の各部を制御する。
第1制御部92は、一般処理部100と、押しボタン処理部104と、時計106と、演算部108とを含む。演算部108は、交通量および占有率を算出する。
本実施の形態に係るメモリ88は、第1の実施の形態に説明した情報に加え、車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす情報を記憶する。図13は、メモリ88が記憶した車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす図である。図13において、「開始位置」とはジレンマゾーンが開始する位置のことである。「終了位置」とはジレンマゾーンが終了する位置のことである。「開始位置」および「終了位置」はそれぞれ横断歩道50に到達するまでの距離として表わされる。
なお、その他のハードウェア構成については前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図14を参照して、交通信号機34で実行されるプログラムは、信号灯器の点灯に関し、以下のような制御を実行する。なお、図14に示すフローチャートの中で、前述の図5に示した処理は同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S222にて、感知インターフェース82は、画像式車両感知器36から、車両の速度を表わす速度信号と共に、車両の位置を表す感知信号を受信する。感知信号が受信されると、押しボタン処理部104は、車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす情報と、速度信号が表わす速度値と、車両の位置とから、車両がジレンマゾーンに入っていないか否かを判断する。上述したように、車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす情報は、メモリ88によって記憶されている。押しボタン処理部104は、次の手順により、車両がジレンマゾーンに入っていないか否かを判断する。第1の手順は、メモリ88に記憶されたジレンマゾーンの開始位置および終了位置のうち、速度信号が表わす速度値に対応する開始位置および終了位置を参照する手順である。第2の手順は、車両の位置と第1の手順にて参照したジレンマゾーンの開始位置および終了位置を比較する手順である。画像式車両感知器36が車両の位置を計測し、かつ感知信号として送信するので、押しボタン処理部104は、車両の位置と第1の手順にて参照したジレンマゾーンの開始位置および終了位置を比較することができる。押しボタン処理部104は、第1の手順にて参照したジレンマゾーンの開始位置および終了位置に車両の位置が含まれていなければ、車両がジレンマゾーンに入っていないと判断する。車両がジレンマゾーンに入っていないと判断した場合(S222にてYES)、処理はS210へと移される。もしそうでないと(S222にてNO)、処理はS212へと移される。
通過時刻の決定に用いられるジレンマゾゾーンは、広義のジレンマゾーンである。広義のジレンマゾーンは、狭義のジレンマゾーンとオプションゾーンとの総称である。本発明の説明において、単に「ジレンマゾーン」と表現されている場合、その表現は広義のジレンマゾーンを意味する。狭義のジレンマゾーンとは、横断歩道の手前の車道において、黄信号が点ったとき、運転手の心理状態が、停車させることも横断歩道を通過させることもできない状態に陥る領域のことである。横断歩道の手前の車道において、黄信号が点ったとき、運転手の心理状態が、停車させることも横断歩道を通過させることもできない状態に陥った場合、車両は狭義のジレンマゾーンに入っている。オプションゾーンとは、横断歩道の手前の車道において、黄信号がともったとき、運転手が、停車させることも横断歩道を通過させることも可能と判断し得る領域のことである。横断歩道の手前の車道において、黄信号がともったとき、運転手が、停車させることも横断歩道を通過させることも可能と判断し得る場合、車両はオプションゾーンに入っている。図15は、車両の速度と広義のジレンマゾーンとの関係を表わす図である。図15において、曲線L1は減速して停止するまでの走行距離を表わす。直線L2は黄信号の期間に車両が走行する距離を表わす。図15によれば、上述の狭義のオプションゾーンは図中のOとAとに囲まれた領域である。狭義のジレンマゾーンは図中のAとBとCとに囲まれた領域である。広義のジレンマゾーンは狭義のオプションゾーンと狭義のジレンマゾーンとを合わせた領域である。図15によれば、上述した広義のジレンマゾーンは、曲線L1と直線L2とで区切られた範囲に擬制できる。この場合、狭義のジレンマゾーンは、走行中の車両が停止できる範囲のうち、黄信号が点灯している間に横断歩道を通過できる範囲を除く範囲に擬制できる。オプションゾーンは、走行中の車両が停止できる範囲のうち、黄信号が点灯している間に横断歩道を通過できる範囲に擬制できる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、交通信号機34の動作について説明する。
感知インターフェース82が感知信号を受信すると、押しボタン処理部104は車両がジレンマゾーンに入っていないか否かを判断する(S222)。当初、ジレンマゾーンに車両が入っているが(S222にてNO)、S222〜S212の処理が繰返された後、ジレンマゾーンから車両が脱出すると(S222にてYES)、一般処理部100は横断要求モードへ切替えて第7階梯まで歩進する(S210)。これにより、一般処理部100は、第2制御部90を介して、次の4つの要件を満たす場合、階梯が歩進するように、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。第1の要件は、ジレンマゾーンから車両が脱出するという要件である。第2の要件は、交通量が第1の閾値以下であるという要件である。第3の要件は、占有率が第2の閾値以下であるという要件である。第4の要件は、押しボタンインターフェース84が指令信号を受信したという要件である。ちなみに、ジレンマゾーンから車両が脱出する前に、感知インターフェース82が再度感知信号を受信した場合、一般処理部100は、新たに感知された車両がジレンマゾーンを脱出した後に階梯を歩進させる。
図16は、本実施の形態において、交通信号制御機72が中央装置70に送信する信号制御実行情報のフォーマットを表わす図である。図17は、交通信号制御機72が中央装置70に送信する信号制御実行情報のうち、感応実行を表わす部分のフォーマットを表わす図である。本実施の形態の場合、リコール制御の部分に含まれる値が「1」であれば、リコール制御を実行中であると判断される。
図18は、従来例に係る信号の制御と本実施の形態に係る信号の制御との待ち時間の差を表わす図である。
以上のようにして、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、交通量や占有率の値が閾値以下の場合、歩行者からの横断要求があれば、歩行者用の信号を青信号にする(ただし本実施の形態の場合、交通信号制御機は、車両がジレンマゾーンを脱出する時を待って歩行者用の信号を青信号にする)ため、車両の通行への影響を抑えつつ、歩行者の待ち時間を短縮することができる。したがって、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することができる。
あわせて、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、車両がジレンマゾーンから脱出する時を待って歩行者用の信号を青信号にするため、車両が追突事故を引き起こしたり、歩行者との衝突事故を引き起こしたりすることを未然に防止することができ、車両の通行および歩行者の通行の安全を図ることができる。車両がジレンマゾーンから脱出した後、歩行者用の信号が青信号にため、車両を急に停止ことがなくなり、車両の通行の安全を図ることができる。
あわせて、本実施の形態にかかる交通信号機は、車両感知器を交通信号機と同じ場所に設置するので、単に車両の位置を感知するだけの車両感知器を用いる場合に比べ、設置に必要な費用が安価になる。
その結果、安価で、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立し、かつ歩行者への便宜をきめ細かく図ることができる、交通信号制御機を提供することができる。
なお、交通信号機30は、路線系統制御に従ってもよい。路線系統制御に従う場合、S200にて、一般処理部100は、メモリ88を参照して、時計106の計時により特定される時刻が、ステップ停止型押しボタン動作を許可された時間帯に含まれるか否かを判断する。時計106の計時により特定される時刻が、ステップ停止型押しボタン動作を許可された時間帯に含まれると判断した場合、処理はS202へと移される。もしそうでないと、処理はS214へと移される。
また、本実施の形態にかかる交通システムは、画像式車両感知器36に代えて、超音波式速度感知器やループ式速度感知器を含んでもよい。車両が横断歩道50から道路の上流側に設置されたこれらの感知器の下を通過する際、これらの感知器は車両を感知するとともに、車両の速度を計測できるので、計測した車両の速度と車両を感知してからの経過時間に基づいて、車両の位置を予測することができる。交通システムが超音波式速度感知器あるいはループ式速度感知器を含む場合、S222にて、感知インターフェース82は、超音波式速度感知器あるいはループ式速度感知器から、車両の速度を表わす速度信号と共に、感知信号を受信する。感知信号が受信されると、押しボタン処理部104は、車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす情報と、速度信号が表わす速度値と、速度値に基づいて予測した車両の位置とから、車両がジレンマゾーンに入っていないか否かを判断する。上述したように、車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす情報は、メモリ88によって記憶されている。押しボタン処理部104は、次の手順により、車両がジレンマゾーンに入っていないか否かを判断する。第1の手順は、車両の位置を予測する手順である。本実施の形態の場合、押しボタン処理部104は、上述した速度値に感知信号を受信した時からの経過時間を乗算した後、横断歩道50から超音波式速度感知器あるいはループ式速度感知器までの距離との差を算出することにより、横断歩道50から車両までの距離で表される車両の位置を予測する。第2の手順は、メモリ88に記憶されたジレンマゾーンの開始位置および終了位置のうち、速度信号が表わす速度値に対応する開始位置および終了位置を参照する手順である。第3の手順は、予測した車両の位置と第1の手順にて参照したジレンマゾーンの開始位置および終了位置とを比較する手順である。押しボタン処理部104は、車両の位置とジレンマゾーンの開始位置および終了位置とを比較することができる。押しボタン処理部104は、車両の位置がジレンマゾーンの開始位置から終了位置までの範囲に含まれていなければ、車両がジレンマゾーンに入っていないと判断する。車両がジレンマゾーンに入っていないと判断した場合(S222にてYES)、処理はS210へと移される。もしそうでないと(S222にてNO)、処理はS212へと移される。
また、本実施の形態にかかる交通システムは、画像式車両感知器36に代えて、光ビーコンを含んでもよい。車両が光ビーコンの下を通過する際、光ビーコンは車両を感知するとともに、車両に搭載された車載器から車両の速度を受信するので、受信した車両の速度と車両を感知してからの経過時間に基づいて、車両の位置を予測することができる。交通システムが光ビーコンを含む場合、S222にて、感知インターフェース82は、光ビーコンから、車両の速度を表わす速度信号と共に、感知信号を受信する。これにより、超音波式速度感知器あるいはループ式速度感知器が用いられる場合と同様の方法で、押しボタン処理部104は、車両がジレンマゾーンに入っていないか否かを判断できる。車両がジレンマゾーンに入っていないと判断した場合(S222にてYES)、処理はS210へと移される。もしそうでないと(S222にてNO)、処理はS212へと移される。
また、S222にて、演算部108は、参照によりジレンマゾーンを決定することに代えて、次の2つの式を用いてジレンマゾーンを算出してもよい。第1の式は、走行中の車両が減速を始めてから停止するまでに走行する距離A(単位は[m])と減速を始めた時の車両の速度V(単位は[m/秒])との関係を表わす式であって、図15のL2に対応する。第2の式は、黄信号の間に車両が走行する距離B(単位は[m])と車両の速度V(単位は[m/秒])との関係を表わす式であって、図15のL1に対応する。第1の式は式(1)により表わされる。第2の式は式(2)により表わされる。
A=(τ+V)V÷2d ・・・(1)
B=YV ・・・(2)
ただし、τは運転手の反応時間(たとえば1秒)である。dは減速中の車両の加速度(たとえば重力加速度の0.3倍)である。Yは黄信号の期間(たとえば4秒)である。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る交通システム、交通信号機、および交通信号制御機について説明する。
図19を参照して、本実施の形態に係る交通システムは、交通信号機30と、交通信号機30と同じ位置に設置された超音波式車両感知器32とを含む。なお、その他のハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図20を参照して、交通信号機30で実行されるプログラムは、信号灯器の点灯に関し、以下のような制御を実行する。なお、図20に示すフローチャートの中で、前述の図5に示した処理は同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S230にて、感知インターフェース82は、超音波式車両感知器32からの信号である感知信号を受信する。感知インターフェース82が感知信号を受信すると、一般処理部100は、感知インターフェース82が感知信号を受信した時刻の情報を記憶するように、メモリ88を制御する。演算部102は、時計106が計時した時間とメモリ88が記憶した情報とが表わす感知信号の遷移の頻度と間隔とに応じて、交通量および占有率を算出する。
以上の構造およびフローチャートに基づく交通信号機30の動作について説明する。
演算部102が交通量と占有率とを演算すると(S230)、S204の処理を経て、押しボタン処理部104は歩行者の横断要求があったか否かを判断する(S206)、この場合、横断要求があったとすると(S206にてYES)、一般処理部100は横断要求モードへ切替えて第7階梯まで歩進する(S210)。これにより、第2制御部90は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ占有率が第2の閾値以下である場合、押しボタンインターフェース84が指令を受信したことに応じて、階梯が歩進するように、幹線用信号灯器66および歩行者用信号灯器68を制御することとなる。
図21は、従来例に係る信号の制御と本実施の形態に係る信号の制御との待ち時間の差を表わす図である。本実施の形態にかかる実行階梯は、交通量と占有率とがそれぞれ閾値以下である限り第1階梯のままなので、歩行者は、交通量と占有率とがそれぞれ閾値以下である限り、押しボタンを押すと直ちに横断歩道を渡ることができる。
以上のようにして、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、交通量や占有率の値が閾値以下の場合、歩行者からの横断要求があれば、歩行者用の信号を青信号にするため、車両の通行への影響を抑えつつ、歩行者の待ち時間を短縮することができる。したがって、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立することができる。
本実施の形態にかかる交通信号機は、交通量および占有率の値がいずれも閾値以下の場合に、歩行者からの横断要求があれば、歩行者用の信号を青信号にすることで、小型車と大型車との混在や車両の平均速度の影響を考慮して信号灯器を制御できる。あわせて、本実施の形態にかかる交通信号制御機は、歩進制御により動作する交通信号制御機(仕組み上、各階梯を経るごとに、擬似信号を返信する)と異なり、中央装置に対し、実際に実行した制御の情報を、1サイクル(すべての階梯を経ること)につき1回または5分につき1回送信する。実際に実行した制御の情報が1サイクルに1回または5分に1回送信されるため、中央装置は、交通信号機の実際の動作を把握できる。
その結果、車両の流れの乱れの防止と歩行者の信号無視による事故の防止を両立し、かつ中央装置が交通信号機の実際の動作を把握できる、交通信号制御機を提供することができる。
なお、交通信号機30は、路線系統制御に従ってもよい。路線系統制御に従う場合、S200にて、一般処理部100は、メモリ88を参照して、時計106の計時により特定される時刻が、ステップ停止型押しボタン動作を許可された時間帯に含まれるか否かを判断する。時計106の計時により特定される時刻が、ステップ停止型押しボタン動作を許可された時間帯に含まれると判断した場合、処理はS230へと移される。もしそうでないと、処理はS214へと移される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態にかかる信号システムの配置を表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる交通信号機の構成を表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる交通信号制御機の概略ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる信号色と各階梯の基準時間との関係を表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる信号灯器の点灯処理の制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかる中央装置から交通信号制御機への制御信号のフォーマットを表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる中央装置から交通信号制御機への制御信号のうち制御指令にかかる部分のフォーマットを表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる中央装置から交通信号制御機への制御信号の値とステータスとの関係を表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる中央装置から交通信号制御機への制御信号のうち「スプリット1」〜「スプリット6」にかかる部分のフォーマットを表わす図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる交通信号機が短縮できる待ち時間を表わす図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる信号システムの配置を表わす図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる交通信号制御機の概略ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるメモリが記憶した車両の速度とジレンマゾーンとの関係を表わす図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる信号灯器の点灯処理の制御の手順を示すフローチャートである。 車両の速度と広義のジレンマゾーンとの関係を表わす図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる交通信号制御機から中央装置への制御信号のフォーマットを表わす図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる交通信号制御機から中央装置への制御信号のうち感応実行種別にかかる部分のフォーマットを表わす図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる交通信号機が短縮できる待ち時間を表わす図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる信号システムの配置を表わす図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる信号灯器の点灯処理の制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態にかかる交通信号機が短縮できる待ち時間を表わす図である。 信号システムの配置例を表わす図である。 待ち時間を短縮するための制御例を表わす図である。
符号の説明
30,34,110 交通信号機、32 超音波式車両感知器、36 画像式車両感知器、40 幹線道路、50 横断歩道、62,72 交通信号制御機、64 押しボタン箱、66 幹線用信号灯器、68 歩行者用信号灯器、70 中央装置、80 通信部、82 感知インターフェース、84 押しボタンインターフェース、86,92 第1制御部、88 メモリ、90 第2制御部、100 一般処理部、102,108 演算部、104 押しボタン処理部、106 時計。

Claims (9)

  1. 道路の交通諸量を算出するための算出手段と、
    歩行者からの指令を表す信号である指令信号を受信するための手段と、
    信号灯器を制御するための制御手段として、
    設定されたタイムテーブルに基づいて階梯が歩進するようにしてある第1の制御手段と、
    設定されたタイムテーブルに加えて、さらに指令信号を受信したタイミングに応じて階梯が歩進するようにしてある第2の制御手段と
    を備え、
    交通諸量に基づいて制御手段の制御を変更するための変更手段とを備えることを特徴とする交通信号制御機。
  2. 前記交通信号制御機は、
    車両を感知するための感知手段と、
    前記感知手段が車両を感知する位置から道路上の所定の位置までを前記車両が通過するために要する時間である、通過時間を設定するための手段とをさらに備え、
    前記交通諸量には少なくとも前記感知手段が車両を感知した時刻を含み、
    前記第2の制御手段はさらに、前記感知手段が車両を感知した時刻と通過時間とに基づいて、階梯が歩進するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御機。
  3. 前記交通諸量には少なくとも車両の速度と位置を含み、
    前記車両の速度と位置とに基づいて、当該車両が道路上の所定の位置を通過するのに要する時間である通過時間、および前記車両が前記所定の位置を通過する時刻である通過時刻のいずれかを算出するための手段をさらに備え、
    前記第2の制御手段はさらに前記通過時間および通過時刻のいずれかに応じて階梯が歩進するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御機。
  4. 前記交通諸量には少なくとも車両の速度と位置を含み、
    前記車両の速度と位置とに基づいて、当該車両が道路上の所定の領域を走行する時間帯を算出するための手段をさらに備え、
    前記第2の制御手段はさらに算出した前記時間帯に応じて階梯が歩進するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の交通信号制御機。
  5. 前記交通諸量は交通量、占有率の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の交通信号制御機。
  6. 前記変更手段は、交通量が第1の閾値以下であり、かつ、占有率が第2の閾値以下である場合に、前記第2の制御手段の制御を実施するように制御を変更することを特徴とする請求項5に記載の交通信号制御機。
  7. 前記変更手段は、交通量が第1の閾値を越える場合、あるいは、占有率が第2の閾値を越える場合に、前記第1の制御手段の制御を実施するように制御を変更することを特徴とする請求項5に記載の交通信号制御機。
  8. 前記第1の閾値及び第2の閾値は、前記信号灯器が設置されている道路毎に設定されることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の交通信号制御機。
  9. 道路の交通諸量を算出し、
    歩行者からの指令を表す信号である指令信号を受信し、
    設定されたタイムテーブルに基づき、交通諸量に応じて指令信号を受信したタイミングを加味させて、階梯が歩進するように信号灯器を制御する
    ことを特徴とする交通信号制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103106789A (zh) * 2013-01-10 2013-05-15 东南大学 一种交通诱导系统与信号控制系统的协同方法
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