JP2007133335A - 走査光学装置 - Google Patents

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隆之 栗原
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Abstract

【課題】副走査倍率βを小さく保つことが可能であり,かつレンズの長尺化を招かずに装置サイズを小さく保つことが可能な走査光学装置を提供すること。また,ビーム光の走査面に対する球面収差をできるだけ抑え,高密度の前記ビーム光を前記走査面に照射すること。
【解決手段】偏光器4からのビーム光を,走査レンズ16(拡大レンズ)により拡大する。これにより,前記走査レンズ16と補正レンズ17とを前記偏光器4に近づけても副走査倍率βが小さく保たれる。また,前記走査レンズ16による前記ビーム光の拡大により球面収差が悪化するが,前記走査レンズ16の下流側の補正レンズ17の形状を非球面形状とすることで,球面収差を小さく抑える。
【選択図】図3

Description

本発明は,光源から出射された光を所定の走査面上で走査させる走査光学装置に関するものである。
例えばプリンタ,複写機,ファクシミリ装置等の画像形成装置では,静電潜像を感光体ドラム等の像担持体上に書き込むために,前記静電潜像書き込み用のビーム光を前記像担持体上で走査させる走査光学装置が用いられている。
前記走査光学装置では,前記ビーム光を走査光に変換するためにポリゴンミラー等の偏光器が用いられる。光源からのビーム光は前記偏光器の表面上で収束され,またレンズ(いわゆるfθレンズ)により前記像担持体(以下,感光体ドラム)上で再び収束される。つまり,前記ビーム光は前記偏光器の表面と前記感光体ドラムとに関して共役にされ,これにより前記偏光器の面倒れが補正される。尚,以下では,前記偏光器による前記ビーム光の走査方向を主走査方向と呼び,その主走査方向と前記ビーム光の進行方向とに直交する方向を副走査方向という。
ところで,近年では,前記像担持体上で前記ビーム光を収束させるレンズとして,例えば特許文献1に記載のように,単一のビーム光の光路上に複数のレンズ(走査レンズ,補正レンズ等)が配置され用いられる。
特許文献1に示されるように,複数のレンズを用いることにより,以下のようなメリットが生じる。つまり,一般的には複数のレンズを用いると,コントロール可能なパラメータが増加するので,様々な条件に適合する光学設計が容易になる。
例えば,一般に,レンズに入射するビーム光の広がりが小さい(つまり,出来るだけ前記レンズの中心付近のみに前記ビーム光が入射する)ほうが,球面収差を小さく抑えることが可能である。従って,複数のレンズを用いた場合は,その複数のレンズを用いて前記ビーム光を段階的に収束させる方法を採用することが可能となり,単一のレンズで前記ビーム光を収束させる場合よりも,前記感光体ドラム上における収束時の球面収差を小さく抑えることが可能である。これにより,前記感光体ドラム上における前記ビーム光が高密度化され,前記静電潜像の書込速度を上昇させることが可能となる。
図1は,特許文献1のように,複数のレンズが偏光器と感光体ドラムとの間に配置された従来例に係る走査光学装置X2が用いられたプリンタB(画像形成装置)の概略断面図である。以下,図1を参照しつつ,従来例に係る走査光学装置X2及びそれを用いたプリンタBについて説明する。
図1に示されるプリンタBは,トナー像を形成し,印刷用紙に印字を行う印字部α1,前記印刷用紙を前記印字部α1に供給する給紙部α2,印字の行われた前記印刷用紙を排紙する排紙部α3を有する。不図示の外部入力インターフェースを通じて,前記プリンタBに接続された外部機器(典型的にはパーソナルコンピュータ)から印字要求を表す所定の印字要求信号及び画像情報を表す画像情報信号が入力される。不図示の画像処理制御装置により,該画像情報信号に基づいて前記画像情報が読み取られ,ブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C)の4色各々に対する濃淡値情報に変換される。
前記印字部α1は,上記4色各々に対応する感光体ドラム1BK,1M,1Y,1C,走査光学装置X2,各色に対応する現像装置7BK,7M,7Y,7C,中間転写ベルト8,各種のローラ9a〜9c,定着装置10等を有して概略構成される。
前記画像処理制御装置は,前記濃淡値情報に基づいて,ブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C)の4色に対応した感光体ドラム1(ブラック用感光体ドラム1BK,マゼンダ用感光体ドラム1M,イエロー用感光体ドラム1Y,シアン用感光体ドラム1C)各々に光を照射する4つの光源2(図7参照,ブラック用光源2BK,マゼンダ用光源2M,イエロー用光源2Y,シアン用光源2C)を制御し,ビームを照射させる。
前記ビームは,詳しくは後述するような複数の偏向ミラー3,偏光器4,各種のレンズ5,6等を有する走査光学装置X2により,上述の各感光体ドラム1に誘導され,これにより,前記感光体ドラム1各々の表面には静電潜像が形成される。
また,前記感光体ドラム1各々に対応する現像装置7(ブラック用現像装置7BK,マゼンダ用現像装置7M,イエロー用現像装置7Y,シアン用現像装置7C)に設けられた現像ローラ上のトナーが,前記感光体ドラム1各々の面上に引き寄せられ,前記静電潜像は前記トナーにより,前記感光体ドラム1各々と前記現像ローラ各々との電位ギャップ(現像バイアス)に応じてトナー像として顕像化される。
前記給紙部α2は,給紙カセット11,給紙ローラ12等を有して概略構成される。前記給紙カセット11には,予め印刷用紙が載置されている。ユーザによる印字要求(例えば,前記プリンタBの外装に設けられた操作パネルによる操作入力)に基づいて,前記画像処理制御部の制御により前記給紙ローラ12が回転駆動され,これにより前記給紙カセット11に載置されている前記印刷用紙が,前記印字部α1に搬送される。
前記給紙部α2からの前記印刷用紙は,搬送ローラ9aにより搬送される。また,印刷用紙はレジストローラ9bにおいて適宜の期間待機状態にされる。これにより,前記印刷用紙が前記中間ベルト8と二次転写ローラ9cとのニップ部に到達するタイミングが調節される。一方,前記感光体ドラム1各々上で形成された前記トナー像は,前記中間転写ベルト8に転写され,その中間転写ベルト8の駆動により,前記中間ベルト8と二次転写ローラ9cとのニップ部を通過する前記印刷用紙に転写される。そして,前記トナー像が転写された前記印刷用紙は前記定着装置10に搬送され,例えば熱ローラ等により前記印刷用紙に定着される。前記トナー像が定着された前記印刷用紙は,前記排紙部α3に搬送され,排紙される。
ところで,前記走査光学装置X2は,複数の前記光源2による静電潜像書き込み用の前記ビーム光各々を,それぞれ対応する前記感光体ドラム1に誘導するともに,前記感光体ドラム1上で走査させるものである。
図7は前記走査光学装置X2の概略構成図である。以下,図1及び図7を参照しつつ,従来例に係る前記走査光学装置X2について説明する。尚,上述のように前記走査光学装置X2はタンデム式のプリンタBに対応したものであり,4つの感光体ドラム1(1BK,1M,1Y,1C)各々に対してビーム光を導く合計4つの光路が形成されたものである。しかし,図7においては,簡単のために仮想的に4つの光路のうち,1つの光路のみを示すものとする。
前記走査光学装置X2は,上述の4色各々に対応する光源2(前記ブラック用光源2BK,前記マゼンダ用光源2M,前記イエロー用光源2Y及び前記シアン用光源2C),前記4色各々に対応するコリメータレンズ13(ブラック用コリメータレンズ13BK,マゼンダ用コリメータレンズ13M,イエロー用コリメータレンズ13Y,シアン用コリメータレンズ13C),アパーチャ14,シリンドリカルレンズ15,偏光器4,前記4色に共通の走査レンズ5,前記4色各々に対応する補正レンズ6(ブラック用補正レンズ6BK,マゼンダ用補正レンズ6M,イエロー用補正レンズ6Y,シアン用補正レンズ6C)などを有している。前記走査光学装置X2は,前記4色各々に対応する1又は複数の偏向ミラー(前記ブラック用の偏向ミラー3BK1,前記マゼンダ用の偏向ミラー3M1,3M2,3M3,前記イエロー用の偏向ミラー3Y1,3Y2,及び前記シアン用の偏向ミラー3C1,3C2)等も有するものではあるが,図7には示されていない。
前記光源2各々から出射されたビーム光は,前記コリメータレンズ13を通過することにより平行光(進行方向に対して径変化のない光)に変換される。また,前記ビーム光は前記アパーチャ14を通過することにより整形される。更に,前記ビーム光は前記シリンドリカルレンズ15を通過し,そのシリンドリカルレンズ15の集光作用により,ポリゴンミラー若しくはMEMSミラー等の偏光器4の表面付近で収束する。前記偏光器4はその回転軸心4aを中心に回転しており,これにより前記ビーム光は走査光に変換される。
図8は本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の副走査方向に沿う断面図,詳しくは図7に示される前記ビーム光の走査範囲の二等分線S2−S2に沿う断面図である。
図8に示される如く,前記偏光器4若しくはその付近で収束して反射された前記ビーム光は前記走査レンズ5に入射し,その出射後には進行に伴って前記副走査方向に光束が縮小するように,前記走査レンズ5により屈折される。また,前記ビーム光は縮小しつつ各色に対応する前記補正レンズ6各々に入射する。前記補正レンズ6は,前記副走査方向の断面形状が,一定の曲率を有する球面形状のレンズである。前記補正レンズ6の屈折作用により前記感光体ドラム1各々の表面で収束される。このように収束する前記ビーム光が前記感光体ドラム1各々の表面を走査することにより,前記感光体ドラム1各々には静電潜像が書き込まれる。
特開平9−80331号公報 特開2004−309559号公報
上述のような構成では,走査レンズ5及び補正レンズ6を用いて徐々にビーム光を収束させることにより,前記補正レンズ6による球面収差を抑えることが可能であり,感光体ドラム1各々上で前記ビーム光が高密度化されるという効果を奏する。これにより,静電潜像の書込速度及び画像品質の向上といった効果がもたらされる。
しかしながら,上述の従来例の構成では,以下のような問題点がある。
周知のように,前記偏光器4と前記感光体ドラム1との間の副走査倍率β(前記偏光器4上の画像の大きさと前記感光体ドラム1上の画像の大きさとの比)は,前記偏光器4から前記感光体ドラム1上における前記ビーム光の走査位置までの距離Tと,前記偏光器4から前記ビーム光が縮小を開始する縮小開始点までの距離L3との比に依存する。具体的には,一般的にTに対してL3が小さいほど,前記副走査倍率βは大きくなる。尚,図7の場合は,距離L3は前記偏光器4から前記走査レンズ5までの距離L2に等しい。
前記副走査倍率βが大きくなると,以下のような問題点が生じる。即ち,図8に示される如く,前記偏光器4上において前記ビーム光の入射位置が,A1点からB1点へとΔXだけ変位したとする。このような前記偏光器4に対する前記ビーム光の前記入射位置の変位に伴って,前記ビーム光の感光体ドラム1に対する前記入射位置にもΔSだけ変位が生じる。そのような変位量ΔXとΔSとの関係は,以下の(1)式で表される。
ΔS=|β|・ΔX … (1)
つまり,前記副走査倍率βは前記ビーム光の変位の拡大率であり,前記副走査倍率βが大きいと,前記感光体ドラム1上における前記ビーム光の副走査方向への変位が大きくなってしまう。これにより,前記ビーム光の前記感光体ドラム1上における走査経路を直線状に保つことが困難となり(いわゆる,像面湾曲が大きくなる),画像形成装置において形成される画像の品質を保つことができない。
前記副走査倍率βを小さく保つには,前記走査レンズ5を前記偏光器4から遠ざけ,出来るだけ前記偏光器4から遠くで前記ビーム光の縮小を開始する(Tに対してL3を大きくする)ことが考えられるが,その場合以下のような問題が生じる。
図9に,前記走査光学装置X2の前記主走査方向における断面を,前記走査レンズ5が前記偏光器4に近い場合(a)と前記偏光器4から遠い場合(b)との2通りについて示す。
図9(a)に示されるように,前記走査レンズ5が前記偏光器4に近い場合には,前記偏光器4により走査される前記ビーム光の走査範囲が前記主走査方向に拡大されないうちに,前記走査レンズ5が前記ビーム光を偏向させるため,前記走査レンズ5は前記主走査方向に短いものを使用することができる。同様に,前記補正レンズ6も前記主走査方向に短いものを使用することができる。
一方,図9(b)のように,前記走査レンズ5が前記偏光器4から離れた場合,前記主走査方向に大きく拡大された前記ビーム光の走査範囲に亘る長い前記走査レンズ5を用いる必要がある。従って,前記副走査倍率βを小さくするために前記走査レンズ5を前記偏光器4より遠ざけると,前記走査レンズ5は前記主走査方向に長尺化する。尚,通常は前記走査レンズ5よりも前記補正レンズ6のほうが前記主走査方向に長くなるため,前記走査レンズ5の長尺化は前記補正レンズ6の長尺化と同義であり,結局,走査光学装置全体のサイズ増大を招くことになる。
このように,従来例では, 前記副走査倍率βを小さく保つこと(像面湾曲の低減)と
,走査光学装置のサイズ小型化とを両立することは不可能であった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,前記副走査倍率βを小さく保つことが可能であり,かつレンズの長尺化を招かずに装置サイズを小さく保つことが可能な走査光学装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,ビーム光を出射する所定の光源から出射された前記ビーム光を収束させる第1のレンズ系を有し,該第1のレンズ系による前記ビーム光の収束点若しくはその近傍に配置されたポリゴンミラー等のビーム光走査手段(以下,偏光器という)によって前記ビーム光を所定の走査面上において走査させ,前記偏光器と前記走査面との間に設けられた第2のレンズ系により走査する前記ビーム光を前記走査面上において収束させる走査光学装置であって,前記第2のレンズ系が,従来例での説明における走査レンズ5に相当する前記偏光器側のレンズと,従来例での説明における補正レンズ6に相当する前記走査面側のレンズと,を有しており,前記偏光器側のレンズによって前記ビーム光が前記走査面上において走査する方向である主走査方向と直交する副走査方向に前記ビーム光を拡大させ,前記ビーム光の入射面及び/若しくは出射面の前記副走査方向に沿う断面が非球面形状に形成された前記走査面側のレンズ(以下,非球面レンズ)によって前記ビーム光を前記副走査方向に縮小させて前記走査面上で収束させる走査光学装置である。
このような構成により,前記ビーム光の前記副走査方向における縮小開始点が,前記走査面から遠方である前記拡大レンズから,前記非球面レンズの側にシフトするので,前記第2のレンズ系を形成する前記拡大レンズ及び前記非球面レンズを比較的前記偏光器の側に近づけたとしても,副走査倍率βを小さく保つことが可能である。前記副走査倍率βを小さく保つことにより,前記ビーム光の前記走査面上における像面湾曲を抑えやすくなり(つまり,走査線を綺麗な直線状に保ちやすくなり),高品質な静電潜像を書き込むことができる。また,前記副走査倍率βを小さく保ちつつも,前記第2のレンズ系(前記拡大レンズ及び前記非球面レンズ)を比較的前記偏光器の側に配置することが可能である。従って,前記拡大レンズ及び前記非球面レンズは大きく広がりきっていない前記ビーム光の走査範囲に亘って設ければ良く,即ち主走査方向に対して短いものを用いることが可能である。これにより装置の小型化を図ることができる。
尚,前記ビーム光を前記副走査方向に拡大すると,前記走査面上において球面収差を抑えることが困難となる。しかし,非球面レンズを用いることにより,前記拡大レンズでの拡大により悪化する球面収差を小さく抑えることが可能であり,前記ビーム光を前記像担持体上において高密度化することができる。
以上,本発明の要点は,前記拡大レンズによって前記副走査方向に前記ビーム光を拡大することにより,前記第2のレンズ系を前記走査手段の近くに配置して各レンズの短尺化(これに伴う装置の小型化)を達成しつつも副走査倍率βを小さく抑え,前記拡大レンズよりも下流側のレンズを非球面レンズとすることで,前記ビーム光の拡大により悪化した球面収差を小さく抑えて前記ビーム光の高密度化を図ることにある。
ここで,前記拡大レンズが,進行方向に対して径変化のない平行なビーム光を拡大することが可能な,負の屈折力を有することが望ましい。そのように,負の屈折率を有する前記拡大レンズを用いることにより,一層小さい値に前記副走査倍率βを低減させることが可能となる。
一方,前記ビーム光は前記偏光器若しくはその近傍で収束しており,前記偏光器から径を拡大させつつ前記拡大レンズに侵入する。従って,このように径が拡大中の前記ビーム光を縮小に転じさせるほどの強い正の屈折力でなければ,前記拡大レンズを通過後の前記ビーム光の径は拡大するので,必ずしも拡大レンズの屈折力は負でなければならないというわけでもない。
更に,前記ビーム光の光軸上における前記偏光器(前記ビーム光走査手段)と前記非球面レンズとの距離をL1とし,前記偏光器と前記走査面との距離をTとすると,以下の式(2)が満たされる場合に,十分に装置の小型化が達成され,尚かつ前記副走査倍率βを小さく保つことが可能である。
0.2≦L1/T≦0.5 …(2)
尚,このような条件が満たされる範囲内では,高品質な前記静電潜像の書き込みのために必要であると思われる,|β|≦2という条件が満たされる。また,球面収差を小さく抑えることができる。
また,本発明は,各々が前記ビーム光を出射する複数の光源を用いたマルチビーム対応の走査光学装置であってもよい。
本発明によれば,ビーム光の副走査方向における縮小開始点が,前記ビーム光の走査面から遠方である拡大レンズから前記走査面の側にシフトするので,前記拡大レンズ及び非球面レンズを偏光器の近傍に配置したまま副走査倍率βを小さく保つことが可能である。これにより,前記ビーム光の前記走査面上における像面湾曲を抑えやすくなり,高品質な静電潜像を書き込むことができる。また前記拡大レンズ及び非球面レンズを偏光器の近傍に配置することにより,それらのレンズが主走査方向に向けて長尺化することがなく,装置のコンパクト化を図ることができる。
尚,前記ビーム光を前記副走査方向に拡大すると,前記走査面上において球面収差を抑えることが困難となる。しかし,上述のように,前記ビーム光の光路における前記拡大レンズの下流側のレンズを断面が非球面のレンズとすることにより,前記拡大レンズでの拡大により悪化する球面収差を小さく抑えることが可能であり,前記ビーム光を走査面上において高密度化することができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の一実施形態に係る走査光学装置を具備する画像形成装置の概略構成図,図2は本発明の一実施形態に係る走査光学装置の主走査方向に沿う断面図,図3は本発明の一実施形態に係る走査光学装置の副走査方向に沿う断面図,図4は本発明の一実施形態に係る走査光学装置によるビーム光の収束効果を説明するグラフ,図5は走査レンズの屈折力とビーム光の径変化との関係を説明する概念図,図6は仮想的な偏光器の変位を説明する概念図,図7は従来例に係る走査光学装置の主走査方向に沿う断面図,図8は従来例に係る走査光学装置の副走査方向に沿う断面図,図9は偏光器からの距離に対するレンズの長さの変化を説明する概念図,図10は本発明により装置の小型化が達成される理由を説明する概念図である。
図1に示されるプリンタAは,ブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C)の4色各々に対応する感光体ドラム1BK,1M,1Y,1Cを有するタンデム式のプリンタである。前記プリンタAは,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1を有し,前記走査光学装置X1によって前記感光体ドラム1BK,1M,1Y,1Cにそれぞれ静電潜像が書き込まれる。
前記プリンタAの特徴点は,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1を具備する点であり,それ以外の部分については特に本発明とは関係がないので,ここでは説明を省略する。
以下,図2を用いて,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の特徴点について詳細に説明する。
前記走査光学装置X1はタンデム式の前記プリンタAに対応したものであり,即ち4つの感光体ドラム1各々に対してビーム光を導く光路が形成されている。しかし,ここでは簡単のために仮想的に4つの光路のうち,1つの光路のみを図2に示すものとする。
前記走査光学装置X1は,上述の4色各々に対応する光源2(前記ブラック用光源2BK,前記マゼンダ用光源2M,前記イエロー用光源2Y及び前記シアン用光源2C),前記4色各々に対応するコリメータレンズ13(ブラック用コリメータレンズ13BK,マゼンダ用コリメータレンズ13M,イエロー用コリメータレンズ13Y,シアン用コリメータレンズ13C),アパーチャ14,シリンドリカルレンズ15,偏光器4(ビーム光走査手段の一例),前記4色に共通の走査レンズ16(拡大レンズの一例),前記4色各々に対応する補正レンズ17(ブラック用補正レンズ17BK,マゼンダ用補正レンズ17M,イエロー用補正レンズ17Y,シアン用補正レンズ17C,非球面レンズの一例)等を有している。
前記走査光学装置X2は,前記4色各々に対応する1又は複数の偏向ミラー(前記ブラック用の偏向ミラー3BK1,前記マゼンダ用の偏向ミラー3M1,3M2,3M3,前記イエロー用の偏向ミラー3Y1,3Y2,及び前記シアン用の偏向ミラー3C1,3C2)等も有するものではあるが,図2には示されていない。
前記光源2各々から出射されたビーム光は,前記コリメータレンズ13を通過することにより平行光(進行方向に対して径変化のない光)に変換される。また,前記ビーム光は前記アパーチャ14を通過することにより整形される。更に,前記ビーム光は前記シリンドリカルレンズ15を通過し,そのシリンドリカルレンズ15の集光作用により,ポリゴンミラー若しくはMEMSミラー等の偏光器4の表面付近で収束する。前記偏光器4はその回転軸心4aを中心に回転しており,これにより前記ビーム光は前記感光体ドラム1各々の表面(走査面の一例)を走査する走査光に変換される。以上は従来例と同様である。前記コリメータレンズ13及び前記シリンドリカルレンズ15が第1の光学系の一例である。また,前記偏光器4がビーム光走査手段の一例である。
ここで,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1は,従来例に係る走査光学装置X2の有する走査レンズ5,補正レンズ6が,それぞれ前記走査レンズ16,補正レンズ17に置き換わったものと捉えることができる。このような構成の相違から,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1によれば,従来例においては二律背反であった,装置を小型化するという要求と,副走査倍率βを低減する(像面湾曲を低減する)という要求とを両立することができる。
ここで,本発明により装置の小型化という効果が達成される理由を説明する概念図を図10に示す。詳しくは,図10は,従来例に係る走査光学装置X2における前記偏光器4の付近の主走査断面と,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1における前記偏光器4の付近の主走査断面とを,同縮尺で同一図内に示すものである。以下,図10を参照しつつ,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1により装置の小型化という効果が達成される理由について説明する。
上述のように,前記偏光器4と前記感光体ドラム1との間の副走査倍率βは,前記偏光器4と前記感光体ドラム1との間の距離Tと,前記偏光器4と前記ビーム光の光束が副走査方向に縮小を開始する縮小開始点との間の距離であるL3との比に依存し,より具体的には前記Tに占める前記L3の割合が大きいほど,前記副走査倍率βは小さくなる。
前記走査光学装置X2では,前記ビーム光の光束の縮小開始点が,前記偏光器4側に配置された前記走査レンズ5の位置に定められていた。一方,前記走査光学装置X1では,後に詳述する理由から,前記ビーム光の光束の縮小開始点は,前記走査レンズ16の位置にはなく。前記感光体ドラム1側に配置された前記補正レンズ17の位置に定められている。そこで,図10に示されるように,前記補正レンズ17を,前記走査光学装置X2における前記走査レンズ5の位置に配置した場合でも,前記走査光学装置X1では前記走査光学装置X2と同様の副走査倍率βを得ることが出来る。
即ち,前記走査レンズ16と前記補正レンズ17とを前記偏光器4の近くに配置可能であるから,前記走査レンズ16と前記補正レンズ17は大きく広がりきっていない前記ビーム光の走査範囲に亘って設ければ良く,図10に示されるように,明らかに前記走査光学装置X1で用いられる前記走査レンズ16と前記補正レンズ17との方が,従来例の走査光学装置X2で用いられている前記走査レンズ5と前記補正レンズ6とよりも,前記主走査方向に短いものを用いることが可能である。このようなレンズの短尺化は,前記走査光学装置X1の小型化に大きく寄与するものである。
図3は本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の副走査方向に沿う断面図,詳しくは図2に示される前記ビーム光の走査範囲の二等分線S1−S1に沿う断面図である。以下,図3を参照しつつ,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の特徴点について説明する。尚,以下の説明は,前記二等分線S1−S1に沿う断面を用いての説明ではあるが,主走査方向における少なくとも前記ビーム光の走査範囲内の任意の位置で下記の説明が成立することはいうまでもない。
図3に示されるように,前記偏光器4により前記主走査方向に走査される前記ビーム光の光束を,前記偏光器4側の前記走査レンズ16と,前記感光体ドラム1側の前記補正レンズ17とで前記感光体ドラム1の表面(走査面)において前記副走査方向に収束させる。前記走査レンズ16と前記補正レンズ17とが前記第2のレンズ系の一例である。
ここで,前記偏光器4の表面では,前記シリンドリカルレンズ15(図2参照)により一旦前記ビーム光の光束が収束しており,前記偏光器4からの前記ビーム光はその進行方向に伴って径を拡大しつつ前記走査レンズ16に入射する。
従来例では,走査レンズ5が強い正の屈折率を有しており,径を拡大しつつ前記走査レンズ5に入射した前記ビーム光は,前記走査レンズ5の屈折作用により,前記走査レンズ5からの出射時には縮小しつつ進行する光となっていた。一方,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の有する前記走査レンズ16は負の屈折力を有しており,図3に示されるように,径を拡大しつつ入射する前記ビーム光を,更に前記副走査方向に拡大する。前記走査レンズ16が拡大レンズの一例である。
従来例において,前記ビーム光の光束の縮小開始点は,前記偏光器4の側に配置された走査レンズ5の位置に定められていた。一方,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1のように,前記走査レンズ16により前記副走査方向に前記ビーム光の光束を拡大することで,前記ビーム光の光束の縮小開始点は,前記走査レンズ16ではなく,前記補正レンズ17の位置により定められる。従って,前記偏光器4と前記縮小開始点との間の距離であるL3は,従来例のように前記偏光器4から前記走査レンズ16までの距離L2とはならず,前記偏光器4から前記補正レンズ17までの距離L1’となる。従って,前記偏光器4と前記感光体ドラム1との間の距離Tに対する,前記偏光器4と前記縮小開始点との間の距離であるL3の割合が大きくなる。これに伴って副走査倍率βは小さくなる。
ところで,図3に示されるように,前記ビーム光の光束を前記走査レンズ16で縮小せずに拡大することにより,一般的には前記感光体ドラム1BK,1M,1Y,1Cの表面における球面収差が悪化する。そこで,前記走査光学装置X1では,悪化した球面収差を抑えることが可能なように,従来例のような球面レンズである補正レンズ6に替えて,前記副走査方向の断面(図3方向の断面)が以下の式(3)で表される,回転対称非球面のレンズである補正レンズ17を用いるものとする。
Figure 2007133335
但し,xは前記ビーム光の光軸方向(図3の左右方向)のサグ量,yは前記副走査方向(図3の上下方向)の高さ(但し原点は,前記補正レンズ17のレンズ軸の位置),rmは図2に示される,前記ビーム光の走査範囲の2等分線S1−S1に沿う断面における前記主走査方向に対する曲率,Kはコーニック係数,A4〜A10は前記補正レンズ17の製造時に適宜設定すべき係数である。
このような形状の補正レンズ17を用いることにより,前記走査レンズ15で拡大して悪化した前記ビーム光の球面収差を小さく抑えることができる。尚,このような非球面レンズの上記式(3)による表現方法は周知であるので,その詳細な説明はここでは省略する。
ところで,前記補正レンズ17の面のうち,前記ビーム光の入射側の面(後述の面3)と前記ビーム光の出射側の面(後述の面4)とのうち,いずれか片方に上記式(3)で既定される形状を設けても良いし,両方に設けてもよい。
以下の表1は,前記走査光学装置X1の光学特性を特定する各種の定数を表す表である。また,以下の表2は前記補正レンズ17の具体的形状を特定する各種の定数を示す表である。更に,図4は,様々な条件化で前記光学特性が特定される前記走査光学装置X1を用いた場合の,前記感光体ドラム1に対する前記ビーム光の到達点を表す平面図である。尚,図4(a)は前記表2により形状が特定される非球面の補正レンズ17を用いた場合の平面図,図4(b)は従来例のような球面形状の補正レンズ6を用いた場合の平面図を,それぞれ表している。
但し,以下の表1に示される面番号1〜4は,前記走査レンズ16の前記ビーム光が入射する側の面(以下,面1)及び出射する側の面(以下,面2),前記補正レンズ17の前記ビーム光が入射する側の面(以下,面3)及び出射する側の面(以下,面4)に,それぞれ対応するものとする。また,面間隔番号1〜5は,前記偏光器4による前記ビーム光の反射面と前記面1,前記面1と前記面2,前記面2と前記面3,前記面3と前記面4,前記面4と前記感光体ドラム1BK,1M,1Y,1C上の走査面までの間に,それぞれ対応する。
また,図4(a)〜(d)に示される破線の円は,感光体ドラム1上において前記ビーム光の十分な密度を得るための,前記ビーム光の到達点の境界を示すものである。つまり,前記ビーム光が破線の円内に収束する状態は,概ね望ましい前記ビーム光の密度が得られている状態を表す。
Figure 2007133335
Figure 2007133335
表2に示される各種の定数により既定される前記補正レンズ17を用いた場合,図4(a)に示されるように,前記ビーム光は前記感光体ドラム1で十分に絞りこまれており,即ち球面収差が低減されていることが理解できる。従って,前記感光体ドラム1には高密度の前記ビーム光が照射されるので,静電潜像の書込速度を上昇及び画像品質の向上といった効果がもたらされる。
一方,図4(b)のように,非球面形状の補正レンズ17に替えて,従来例で用いられている球面形状の補正レンズ6を用いた場合,前記ビーム光は前記感光体ドラム1で十分に絞りこまれているとは言い難く,即ち球面収差を抑えきれていないことが理解できる。そのため感光体ドラム1の中心部と比べて端部側において画像品質が低下する問題が生じる。
尚,表1及び表2に従って前記走査光学装置X1を構成すると,前記副走査倍率βは−1となる。また,詳しくは後述するパラメータであるL1/Tは0.4である。
ここで,図3のように,前記ビーム光の光軸上における前記補正レンズ17の前記ビーム光の出射側と前記偏光器4との距離をL1とし,前記偏光器4と前記感光体ドラム1の表面(走査面)との距離をTとすると,以下の式(4)が満たされる場合に,前記副走査倍率βの低減等により画像品質を保ち,且つ前記走査光学装置X1の小型化を十分に実現することができる。
0.2≦L1/T≦0.5 …(4)
L1/Tの上限である0.5は,前記走査光学装置X1を十分に小型化するための境界を表す。
L1/Tの下限である0.2は,画像品質を高く保つための限界である。詳しくは,L1/Tが0.2よりも小さい場合,走査レンズ16を通過後の前記ビーム光が前記副走査方向に拡がりすぎるため,非球面形状の前記補正レンズ17を用いても,球面収差を抑えきることができない。あるいは,前記補正レンズ17の形状が,製造が困難なレンズ形状となってしまう。
以下の表3は,L1/T=0.15が満たされる場合の,前記走査光学装置X1の光学特性を特定する各種の定数を表す表である。また,以下の表4は,L1/T=0.15が満たされる場合の,前記補正レンズ17の具体的形状を特定する各種の定数を示す表である。
同様に,以下の表5は,L1/Tがその下限である0.2に等しい場合の,前記走査光学装置X1の光学特性を特定する各種の定数を表す表である。また,以下の表6は,L1/T=0.2が満たされる場合の,前記補正レンズ17の具体的形状を特定する各種の定数を示す表である。
Figure 2007133335
Figure 2007133335
Figure 2007133335
Figure 2007133335
図4(c)は,前記走査光学装置X1の光学特性が,上述した表3及び表4の各パラメータで既定される場合の,前記感光体ドラム1に対する前記ビーム光の到達点を表す平面図である。また,図4(d)は,前記走査光学装置X1の光学特性が,上述した表5及び表6の各パラメータで既定される場合の,前記感光体ドラム1に対する前記ビーム光の到達点を表す平面図である。
図4(c)に示されるように,L1/Tが0.2を下回る場合,非球面形状の前記補正レンズ17を用いたにも拘わらず,前記ビーム光が前記感光体ドラム1上で絞り込まれていないことが理解できる。また,図4(d)に示されるように,L1/T=0.2のときは,前記ビーム光の絞り込み範囲が,上述した破線の円の領域から散逸してしまう寸前の臨界的な状態であり,画像品質を満たすための限界点である。
尚,表3及び表4に従って前記走査光学装置X1を構成した場合,並びに表5及び表6に従って前記走査光学装置X1を構成した場合には,前記副走査倍率βは−2となる。
このように,装置の小型化,副走査倍率βの低減,球面収差の低減のためには,L1/Tを0.2〜0.5の範囲に定めることが望ましいと考えられる。
以上,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1によれば,前記走査レンズ16において前記ビーム光の光束が拡大されるように前記走査レンズ16の屈折力を定めておくことにより,従来例では前記走査レンズ5(走査レンズ16に相当)の位置にあった前記ビーム光の縮小開始点が,前記補正レンズ6(補正レンズ17に相当)の側にシフトする。従って,前記走査レンズ16と前記補正レンズ17とによる副走査倍率βを小さく抑えることが可能となる。
また,従来例と比較して同一の副走査倍率βを得る場合であっても,前記走査レンズ16及び前記補正レンズ17を比較的前記偏光器4の側に設けることが可能となる。これにより,図2に示されるように,前記偏光器4により前記主走査方向に走査光する前記ビーム光を,前記主走査方向の走査範囲が広がりきらないうちに前記走査レンズ16及び前記補正レンズ17に入射させることが可能となり,前記走査レンズ16及び前記補正レンズ17の前記主走査方向への長尺化を防止することができる。
尚,前記ビーム光の光束を前記副走査方向に拡大すると,前記走査面上において球面収差を抑えることが困難となる。しかし,上述のように,前記ビーム光の光路における前記補正レンズ17を断面非球面とすることにより,拡大されて悪化した球面収差を小さく抑えることが可能であり,前記ビーム光を前記感光体ドラム上において高密度化することができる。
上述の実施形態では,走査レンズ16の屈折力を負に定めておくことにより,ビーム光を副走査方向に拡大する例について説明したが,本発明はこれに限られるものではない。即ち,図5に示されるように,前記走査レンズ16の屈折力を,前記ビーム光が前記副走査方向への収束に転じない程度の小さな正の値に定めておいても,前記ビーム光の縮小開始点を前記走査レンズ16から補正レンズ17の側にシフトさせることが可能である。従って,このような場合にも副走査倍率βを低減することが可能となる。
尚,前記走査レンズ16の屈折力を,前記ビーム光の光束が前記副走査方向への収束に転じない程度の小さな正の値に定めておくことにより,以下のような現象が生じる。即ち,図6に示されるように,前記ビーム光が前記走査レンズ16によって屈折されることで,前記ビーム光の前記走査レンズ16に対する出射位置である偏光器4の位置が,実際の位置から,その実際の位置よりも前記走査レンズ16から離間した仮想的な位置へとシフトする。これにより,前記偏光器4と前記走査レンズ16(及び前記補正レンズ17)との距離を遠く定めたときと同様の光学特性が得られ,具体的には,前記副走査倍率βを低減することができる。
また,上述の実施形態では,非球面レンズの一例として回転対称非球面のレンズを用いたが,本発明はこれに限られるものではない。即ち,球面収差を押さえ込むことができるように,楕円面,双曲線面による非球面レンズ若しくはより高次の曲線で規定される非球面レンズ(特許文献2参照)等を適宜用いればよい。
更に,上述の実施形態では,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1をプリンタに適用した例について説明したが,本発明は,複写機,ファクシミリ装置,複合機などの各種画像形成装置に適用することが可能である。
また,上述の実施形態では,前記走査レンズ16,前記補正レンズ17が単体のレンズからなるものであったが,本発明はこれに限られるものではない。即ち,各々が複数のレンズにより構成されており,それら複数のレンズにより上述したような前記走査レンズ16,前記補正レンズ17の機能を達成するものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る走査光学装置を有する画像形成装置の概略構成図。 本発明の一実施形態に係る走査光学装置の走査方向を含む断面図。 本発明の一実施形態に係る走査光学装置の副走査方向に沿う断面図。 本発明の一実施形態に係る走査光学装置によるビーム光の収束効果を説明するグラフ。 走査レンズの屈折力とビーム光の径変化との関係を説明する概念図。 仮想的な偏光器の変位を説明する概念図。 従来例に係る走査光学装置の主走査方向に沿う断面図。 従来例に係る走査光学装置の副走査方向に沿う断面図。 偏光器からの距離に対するレンズの長さの変化を説明する概念図。 本発明により装置の小型化が達成される理由を説明する概念図
符号の説明
A…本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1を具備するプリンタ
B…従来例に係る走査光学装置X2を具備するプリンタ
X1…本発明の一実施形態に係る走査光学装置
X2…従来例に係る走査光学装置
1…感光体ドラム
2…光源
3…偏向ミラー
4…偏光器
5…走査レンズ(従来例)
6…補正レンズ(従来例)
7…現像装置
8…中間転写ベルト
9a…搬送ローラ
9b…レジストローラ
9c…二次転写ローラ
10…定着装置
11…給紙カセット
12…給紙ローラ
13…コリメータレンズ
14…アパーチャ
15…シリンドリカルレンズ
16…走査レンズ(拡大レンズ)
17…補正レンズ(非球面レンズ)

Claims (4)

  1. ビーム光を出射する所定の光源から出射された前記ビーム光を収束させる第1のレンズ系と,
    該第1のレンズ系による前記ビーム光の収束点若しくはその近傍おいて前記ビーム光を反射しつつ前記ビーム光を所定の走査面上で走査させるビーム光走査手段と,
    前記ビーム光走査手段により走査される前記ビーム光を,前記走査面上で少なくとも前記ビーム光の進行方向及び前記ビーム光が走査する主走査方向に交差する副走査方向に収束させる第2のレンズ系と,
    を具備する走査光学装置であって,
    前記第2のレンズ系が,
    前記ビーム光走査手段の側に配置されるレンズであって,前記ビーム光を前記副走査方向に拡大する拡大レンズと,
    前記走査面の側に配置され前記ビーム光の入射面及び/若しくは出射面の前記副走査方向に沿う断面が非球面形状に形成されたレンズであって,前記ビーム光を前記走査面上で前記副走査方向に収束させる非球面レンズと,
    を具備することを特徴とする走査光学装置。
  2. 前記拡大レンズが前記副走査方向に負の屈折力を有する請求項1に記載の走査光学装置。
  3. 前記ビーム光の光軸上における前記ビーム光走査手段と前記非球面レンズとの距離をL1とし,前記ビーム光走査手段と前記走査面との距離をTとすると,
    0.2≦L1/T≦0.5
    が満たされてなる請求項1又は2のいずれかに記載の走査光学装置。
  4. 各々が前記ビーム光を出射する複数の光源を更に具備する請求項1〜3のいずれかに記載の走査光学装置。
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