JP2007132812A - 電線端末部の芯線検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の芯線検査装置10は、左右方向に延びつつ前後方向に移動する電線1の芯線2に向けて、上下方向、斜め前方向および斜め後方向にそれぞれレーザー光を照射するレーザー光照射手段を備える。これにより、複数の方向から芯線を検査することができるから、芯線に素線の欠損があるかないかを確実に検査することができる。
【選択図】図1
Description
そして、図16中の矢印方向に移動する電線1の芯線2がこのレーザー光の光路を横切ると、受光器4の受光面5に設けられているスリット6に入射するレーザー光の受光量が減少する。
そして、図16に示した装置は、領域3における検出電圧VDが第1基準値VHと第2基準値VLとの間にある状態が所定時間続いた場合に、皮剥加工が良好に行われたと判定する。
すなわち、図18(a)は除去作業が良好に行われた状態を示しており、芯線2は露出していて欠損もない。
これに対して、図18(b)の状態では絶縁被覆1aが残存しており、また図18(c)の状態では芯線2がストリップ刃によって完全に切断されている。
さらに、図18(d)の状態では芯線2を構成している複数の素線のうち上方の芯線2aは残っているものの下方の素線2bが欠損しており、図18(e)の状態では上下両方の素線2a,2bが欠損している。
したがって、絶縁被覆を除去する作業が良好に行われたかどうかを検査する装置には、絶縁被覆1aが除去されたか否かを検出する機能に加えて、露出させた芯線2に素線の欠損が有るかないかを検出する機能も求められる。
そのような電線の一例として図19(a)に示した電線は、1本の中心素線の周囲に6本の素線を円周方向に60度ずつ等間隔に配置した構造となっている。
このとき、図16に示した従来の装置は、1本の光軸に沿って照射されるレーザー光を用いて検査する形式である。
これにより、図19(a)に示したように照射されたレーザー光が芯線2によって遮られる部分の幅を「遮光幅」と呼ぶときに、図19(b)に示したように下方の素線2b,2b′,2dが欠損した場合や、図19(c)に示したように上方の素線2a,2a′,2cが欠損した場合においても遮光幅に変化はない。
同様に、図20(a)に示したように芯線2の角度位置が変化したときに、図20(b)に示したように下方の素線2b′,2dが欠損した場合や、図20(c)に示したように上方の素線2a,2cが欠損した場合においても遮光幅に変化はない。
したがって、図16に示した従来の装置は、電線端末部の絶縁被覆1aが除去されたどうかは検査できるが、芯線が欠損しているかどうかについては検査することができない。
そのため、判定基準となる第1基準値VHおよび第2基準値VLを設定する必要があるが、上述したように芯線の角度位置によって遮光幅は変化する。
したがって、芯線が欠損していない電線を多数検査して判定基準を設定しなければならず、設定作業が煩雑である。
電線端末部の絶縁被覆を除去して露出させた芯線にレーザー光を照射することにより前記芯線を検査する装置であって、
左右方向に延びつつ前後方向に移動する前記芯線に向けて、上下方向、斜め前方向および斜め後方向にそれぞれレーザー光を照射するレーザー光照射手段と、
これらのレーザー光照射手段から照射されたレーザー光をそれぞれ受光するとともに受光した光量に応じた検出電圧をそれぞれ出力するレーザー光受光手段と、
これらのレーザー光受光手段からそれぞれ得られた検出電圧に対応する受光量と判定基準とに基づいて前記芯線の良否を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、レーザー光のいずれかを芯線の真上から下方に照射し、残りのレーザー光を芯線に対して斜め前上方および斜め後ろ上方からそれぞれ斜め下方に照射し、あるいは残りのレーザー光を芯線に対して斜め前下方および斜め後ろ下方からそれぞれ斜め上方に照射することもできる。
また、斜め前方向あるいは斜め後方向に、それぞれ複数のレーザー光を照射することもできる。
これにより、芯線を構成している複数の素線のいずれかが欠損している場合には、いずれかのレーザー光が芯線によって遮られる遮光幅の減少として検出することができるから、電線端末部に露出させた芯線に欠損があるかないかを確実に検査することができる。
斜め前方向および斜め後方向にそれぞれ照射されるレーザー光が、上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときに等しい角度をなすように、前記レーザー光照射手段がそれぞれ配設されることを特徴とする。
これにより、検査対象の芯線を構成している素線が前後対称に配設されている場合には、その断面形状に合わせた最適な角度位置にレーザー光照射手段を配置して、この芯線を構成している素線の欠損を確実に検出することができる。
上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときに、第1の角度をなして斜め方向にレーザー光を照射するように配設された第1のレーザー光照射手段と、
上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときに、前記第1の角度より大きい第2の角度をなして斜め方向にレーザー光を照射するように配設された第2のレーザー光照射手段と、を有していることを特徴とする。
また、上下方向に照射されるレーザー光の光軸に対して前後対称に配設した2つの第1のレーザー光照射手段と、上下方向に照射されるレーザー光の光軸に対して前後対称に配設した2つの第2のレーザー光照射手段とを組み合わせることができる。
また、上下方向に照射されるレーザー光の光軸に対して前後対称に配設した2つの第1のレーザー光照射手段と、上下方向に照射されるレーザー光の光軸に対して前側あるいは後側に配設した1つの第2のレーザー光照射手段とを組み合わせることもできる。
これにより、芯線を構成している複数の素線のいずれかが欠損している場合に、いずれかのレーザー光が芯線によって遮られる遮光幅の減少として検出できる確率をさらに高めることができるから、電線端末部に露出させた芯線に欠損があるかないかをより一層確実に検査することができる。
前記芯線が、中心の1本の素線の周りに6本の素線を円周方向に等角度で配設したものであり、
かつ前記レーザー光照射手段は、斜め前方向および斜め後方向にそれぞれ照射されるレーザー光が、上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときにそれぞれ37.5度〜52.5度の角度をなすように配設されることを特徴とする。
これにより、電線端末部に露出させた芯線に欠損があるかないかを、必要な範囲で確実に検査することができる。
レーザー光を発生させる一つのレーザー光発生手段と、
このレーザー光発生手段から得られたレーザー光を等分して前記レーザー光照射手段に分配するレーザー光等分配手段と、
、をさらに追加したものである。
これにより、各レーザー光受光手段から得られた検出信号の信号レベルに異常が生じた場合に、調整手段は、各レーザー光受光手段のいずれに異常があるのかを容易に判別することができる。
したがって、各レーザー光受光手段から得られる検出信号の信号レベルが等しくなるように調整する作業をより一層正確に行い、芯線の検査精度を向上させることができる。
前記レーザー光受光手段から得られた検出電圧に対応する受光量のレベルをそれぞれ補正する補正手段と、
前記補正手段の作動を個別に制御する補正制御手段と、をさらに追加したものである。
そして、前記補正制御手段は、前記補正手段によって補正された後の前記検出電圧に対応する受光量のレベルが、前記レーザー光が前記芯線によって遮られていないときに互いに等しくなるように前記補正手段をそれぞれ制御することを特徴とする。
なお、検出電圧に対応する受光量のレベルを等しくする補正は、予め定めた受光量レベルに合わせることもできるし、受光量レベルが同一な検出信号を基準として受光量レベルにずれが生じた他の検出信号の受光量レベルを補正することもできる。
また、検出電圧に対応する受光量レベルを補正する動作は、芯線を検査する合間に自動的にかつ継続して実施することができる。
また、レーザー光照射手段やレーザー光受光手段のレンズやフィルタに付着した埃を除去する保守点検作業を不要としあるいはその労力を低減することもできる。
良品の芯線を検査したときに前記レーザー光受光手段からそれぞれ得られた検出電圧に対応する受光量のうち、所定時間内における最大値および最小値をそれぞれ検出する最大値/最小値検出手段と、
前記最大値にその値のa%を上乗せした最大許容値と前記最小値からその値のb%を減じた最小許容値とをそれぞれ算出して判定基準を設定する判定基準設定手段と、
検査対象の芯線を検査するときに前記レーザー光受光手段からそれぞれ得られた検出電圧に対応する受光量が前記最大許容値と最小許容値との間にあるときに前記芯線が良品であると判定する判定手段と、をさらに追加したものである。
なお、a%,b%の値は異なる値とすることもできるし等しい値とすることもできる。
これにより、電線の曲がり矯正に伴う芯線の扁平化によって、その芯線の最大径がより大きくなり、かつその芯線の最小径がより小さくなった場合にも対応することができる。
なお、a%およびb%の値はそれぞれ個別に増減させることもできるし、a%およびb%を等しく保ちながら増減させることもできる。
具体的には、例えば、前側に配置した芯線検査装置において3つのレーザー光が互いになす角度を45度とし、後側に配置した芯線検査装置において3つのレーザー光が互いになす角度を67.5度とする。
なお、以下の説明においては、検査する電線が延びる方向を左右方向、検査する電線が移動する方向を前後方向、鉛直方向を上下方向と言う。
まず最初に図1〜図13を参照し、第1実施形態の芯線検査装置の構造およびその動作について説明する。
そして、各腕部11b,11cの間の隙間12の内部を、左右方向(図1(b)において図示左右方向)に水平に延びる電線1の芯線2が、前後方向(図1(a)において矢印方向)に移動するようになっている。
これにより、3つのレーザー光照射手段15a,15b,15cから芯線2に向かってそれぞれ照射されるレーザー光の強度は互いに等しくなっている。
なお、各レーザー光は、その前後方向の幅が検査対象である芯線の径より十分に大きい約5ミリメートル程度となっており、かつその左右方向の厚みは約0.3ミリメートル程度となっていて、薄い断面形状として照射される。
そして、第2の光軸17および第3の光軸18は、左右方向から見たときに、第1の光軸16に対して前後方向に対称でそれぞれ45度の角度をなして交差している。
そして、3つの受光手段19a,19b,19cから出力されたアナログ信号である検出電圧は、図2中に示したA/Dコンバータにおいて、その検出電圧に対応する受光量レベルを表すデジタル信号に変換される。
また、A/Dコンバータからそれぞれ出力されたデジタル信号が表す受光量レベルは、図3に示したように変化し、領域1は芯線2がレーザー光の光路を横切る前の状態、領域2は芯線2がレーザー光の光路を横切り始めた状態、領域3は芯線2がレーザー光の光路を横切っている最中の状態、領域4は芯線2がレーザー光の光路から出て行く状態にそれぞれ対応している。
A/Dコンバータから出力されたデジタル信号は、制御部20の3つの補正手段21a,21b,21cにそれぞれ入力し、そこにおいて対応する受光量レベルが補正される。
具体的に説明すると、受光手段19a,19b,19cが出力した検出電圧は、受光手段19a,19b,19cが受光したレーザー光の受光量に対応した値である。
また、A/Dコンバータが出力するデジタル信号は、受光手段19a,19b,19cが出力した検出電圧、したがって受光量レベルに対応した値となっている。
このとき、補正手段21a,21b,21cは、A/Dコンバータから入力したデジタル信号と受光量レベルとの対応関係を、例えば補正量に応じた数値を一律に加算しあるいは減算することにより補正する。
これにより、図3のグラフの領域1、すなわち芯線2がレーザー光の光路を横切っていないときに、3つのデジタル信号がそれぞれ表す受光量のレベルは等しくなる。
このとき、芯線2が搬送方向に前進してレーザー光の光路を遮ると、最大値/最小値検出手段23に入力するデジタル信号が表す受光量レベルが急激に低下する(図3のグラフの領域2)。
そして、3つのデジタル信号のうちの少なくとも1つのデジタル信号が表す受光量レベルが、領域1における受光量レベルに対して所定の値c%を超えて低下すると、最大値/最小値検出手段23に含まれているトリガ検出手段(図示せず)がこの低下を検出し、サンプリング機能を起動させる。
すると、最大値/最小値検出手段23は、芯線2が前進してレーザー光の光路を完全に遮っている間(図3のグラフの領域3)に、入力した3つのデジタル信号を所定時間において所定回数だけそれぞれサンプリングし、受光量に関する情報をバファリングする。
そして、バファリングしたデータに基づいて受光量レベルの最大値および最小値を検出し、判定基準設定手段24および判定手段25にそれぞれ出力する。
すなわち、良品の芯線2を検査して得られた受光量の最大値に対してそのa%の値を上乗せして上限の受光量を算出するとともに、良品の芯線2を検査して得られた受光量の最小値からそのb%の値を減じて下限の受光量を算出する
これにより、上限の受光量レベルと下限の受光量レベルとの間が許容範囲(判定基準)となる。
これにより、例えば電線1の寸法や種類を変更する場合、あるいは電線1の曲がり矯正レベルを変更する場合に、判定基準を適切に設定することができる。
なお、この製品検査においては、まず最初に装置の点検が行われ、次いで良品の電線を用いて判定基準(許容範囲)を設定し、その後に製品の検査を行う。
これにより、3つのレーザー光照射手段15a,15b,15cから3つの光軸16,17,18に沿って芯線2にそれぞれ照射されるレーザー光の強度は互いに等しいから、芯線2が各レーザー光を遮っていない状態、すなわち図3における領域1の状態においては、最大値/最小値検出手段23にそれぞれ入力するデジタル信号が表す受光量レベルは等しいはずである。
しかしながら、これらのデジタル信号が表す受光量レベルにずれがある場合には、図4に示したフローチャートのステップ(以下Sで表す)1〜S4に示したように、補正制御手段22が3つの補正手段21a,21b,21cの作動をそれぞれ制御し、芯線2が各レーザー光を遮っていない状態において各補正手段21a,21b,21cから最大値/最小値検出手段23にそれぞれ入力するデジタル信号が表す受光量レベルを等しくなるようにする。
また、検査中にレーザー光照射手段15a,15b,15cあるいはレーザー光受光手段19a,19b,19cのいずれかに埃等が付着して、そこから出力されるデジタル信号が表す受光量レベルが低下した場合には、そのデジタル信号が入力する補正手段によって受光量レベルを補正することができるから、芯線の検査精度を常に高い状態に維持することができる。
具体的に説明すると、図5のフローチャートのS11に示したように良品の電線1を供給し、その芯線2がレーザー光の光路を遮ると、最大値/最小値検出手段23に入力する3つのデジタル信号が表す受光量レベルが急激に降下するはずである(図3のグラフの領域2)。
しかしながら、S12の判別ステップにおいて、受光量レベルの降下が所定値(c%)より小さいと判別された場合には、検査装置100に異常が発生しているおそれがあるため、S13において判定基準の設定作業を中止し、S14に進んで検査装置100の点検を行う。
そして、検査装置100の点検が終了した段階で、再度、良品の電線1を供給する。
すると、最大値/最小値検出手段23は、入力する3つのデジタル信号を上述した領域3における所定の時間範囲内において所定回数だけそれぞれサンプリングし、受光量レベルに関するデータをバファリングする(S16)。
その後、最大値/最小値検出手段23は、バファリングしたデータに基づいて受光量の最大値および最小値を検出し、判定基準設定手段24に出力する(S17)。
次いで、検査作業を行う作業員が、検査する電線1の寸法や種類あるいは曲がり矯正レベルに合わせて、許容値であるa%およびb%の値を入力すると(S18)、判定基準設定手段24は図3に示したような判定基準(許容範囲)を設定する(S19)。
これにより、判定基準(許容範囲)の設定が完了し、検査対象である製品の電線を順次供給して製品検査を開始できる状態となる。
そして、その芯線2がレーザー光の光路を遮ると、最大値/最小値検出手段23に入力する3つのデジタル信号が表す受光量レベルが急激に降下するはずである(図7のグラフの領域2)。
しかしながら、S22の判別ステップにおいて、受光量レベルの降下が所定値(c%)より小さいと判別された場合には、検査装置100に異常が発生しているおそれがあるため、S23において判定基準の設定作業を中止し、S24に進んで検査装置100の点検を行う。
検査装置100の点検が終了した段階で、検査対象の電線1を供給する。
すると、最大値/最小値検出手段23は、入力する3つのデジタル信号を上述した領域3における所定の時間範囲内において所定回数だけそれぞれサンプリングし、受光量レベルに関するデータをバファリングする(S26)。
そして、最大値/最小値検出手段23は、バファリングしたデータに基づいて受光量の最大値および最小値を検出し(S27)、判定手段25に出力する。
すると、判定手段25は、最大値/最小値検出手段23から入力した受光量の最大値および最小値を判別し(S28)、判定基準(許容範囲)に入っている場合には合格判定信号を出力し(S29)、判定基準(許容範囲)に入っていない場合には不合格判定信号を出力する(S30)。
同様に、光軸18に沿ったレーザー光の遮光幅3を検出することにより、素線2a′,2bの欠損を検出することができる。
しかしながら、最も上方の素線2cおよび最も下方の素線2dは、光軸16,17,18の方向において他の素線と重なり合うため、その欠損は検出することができない(×を付してある)。
しかしながら、素線2a,2c,2d,2b′は光軸17,18の方向において他の素線と重なり合うため、その欠損を検出することはできない。
同様に、光軸18に沿ったレーザー光の遮光幅3を検出することにより、素線2a′,2bの欠損を検出することができる。
しかしながら、最も上方の素線2cおよび最も下方の素線2dは、光軸16,17,18のいずれの方向においても他の素線と重なり合うため、その欠損は検出することができない。
さらに、光軸18に沿ったレーザー光の遮光幅3を検出することにより、素線2c,2dの欠損を検出することができる。
しかしながら、最も上方の素線2cおよび最も下方の素線2dは、光軸16,17,18のいずれの方向においても他の素線と重なり合うため、その欠損は検出することはできない。
同様に、光軸17に沿ったレーザー光の遮光幅2を検出することにより、素線2a,2b′の欠損を検出することはできる。
さらに、光軸18に沿ったレーザー光の遮光幅3を検出することにより、素線2c,2dの欠損を検出することもできる。
同様に、光軸18に沿ったレーザー光の遮光幅3を検出することにより、素線2a′,2bの欠損を検出することができる。
しかしながら、最も上方の素線2cおよび最も下方の素線2dは、光軸16,17,18のいずれの方向においても他の素線と重なり合うため、その欠損は検出することができない。
同様に、光軸17に沿ったレーザー光の遮光幅2を検出することにより、素線2a,2b′の欠損を検出することができる。
さらに、光軸18に沿ったレーザー光の遮光幅3を検出することにより、素線2c,2dの欠損を検出することができる。
これにより、芯線2を構成している素線が各レーザー光の光軸16,17,18の方向に重なり合う状態を最小限に抑えることができる。
しかしながら、電線端末部の絶縁被覆をストリップするために使用するストリップ刃の構造上、これらの素線2c,2dが欠損するときには、隣接する素線2a,2a′,2b,2b′も欠損する。
したがって、本第1実施形態の芯線検査装置100によれば、電線1の端末部に露出させた芯線2に欠損があるかないかを、必要とする範囲で確実に検査することができる。
次に図14を参照し、第2実施形態の電線端末部の芯線検査装置について説明する。
そして、検査対象の芯線2は、その角度位置が固定されたまま前方(図13において図示右方向)へと移動しつつ、最初に前側の芯線検査装置100によって検査され、次いで後側の芯線検査装置30によって検査される。
これに対して、後側の芯線検査装置30においては、各光軸16,17,18のなす角度が67.5度に設定されているため、図13に示したように素線2c,2dの欠損の有無を検出することができる。
したがって、前側の芯線検査装置100と後側の芯線検査装置30とを組み合わせてなる本第2実施形態の芯線検査装置200によれば、1本の中心素線の周囲に配設されている6本の素線2a,2a′,2b,2b′,2c,2dの全ての欠損の有無を確実に検出することができる。
次に図15を参照し、第3実施形態の電線端末部の芯線検査装置について説明する。
これに対して、上下方向に延びる光軸16に対して67.5度の角度をなす光軸18′に沿って照射されるレーザー光を用いると、図13に示したように素線2c,2dの欠損の有無を検出することができる。
したがって、本第3実施形態の芯線検査装置300によれば、1本の中心素線の周囲に配設されている6本の素線2a,2a′,2b,2b′,2c,2dの全ての欠損の有無を検出することができる。
また、光軸16に対して67.5度の角度をなすレーザー光を光軸16の前側にのみ配設しているが、光軸16の前側にも配設し、合計で5つのレーザー光を用いることもできる。
この場合、光軸16に対して67.5度の角度をなして照射されるレーザー光が、芯線2の下側から斜め前側上方および斜め後側上方に向かって照射されるように、各レーザー光照射手段を配置することもできる。
また、1つのレーザー光発生手段が発生したレーザー光を等分し、これらのレーザー光を照射するためのレーザー光照射手段にそれぞれ導くことは言うまでもない。
例えば、上述した各実施形態においては、光軸16が上下方向(鉛直方向)に延びるように配設されているが、レーザー光照射手段を配設するスペースの都合に応じ、前側あるいは後側に傾斜させることもできる。
2 芯線
3 発光器
4 受光器
5 受光面
6 スリット
13 レーザー光発生手段
14 レーザー光等分配手段
15 レーザー光照射手段
16,17,18,18′ 光軸
19 受光手段
20 制御部
21 補正手段
22 補正制御手段
23 最大値/最小値検出手段
24 判定基準設定手段
25 判定手段
26 判定レベル入力手段
30 後側の検査装置
100 第1実施形態の電線端末部の芯線検査装置
200 第2実施形態の電線端末部の芯線検査装置
300 第3実施形態の電線端末部の芯線検査装置
Claims (10)
- 電線端末部の絶縁被覆を除去して露出させた芯線にレーザー光を照射することにより前記芯線を検査する装置であって、
左右方向に延びつつ前後方向に移動する前記芯線に向けて、上下方向、斜め前方向および斜め後方向にそれぞれレーザー光を照射するレーザー光照射手段と、
これらのレーザー光照射手段から照射されたレーザー光をそれぞれ受光するとともに受光した光量に応じた検出電圧をそれぞれ出力するレーザー光受光手段と、
これらのレーザー光受光手段からそれぞれ得られた検出電圧に対応する受光量と判定基準とに基づいて前記芯線の良否を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする電線端末部の芯線検査装置。 - 前記レーザー光照射手段は、斜め前方向および斜め後方向にそれぞれ照射されるレーザー光が、上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときに等しい角度をなすようにそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1に記載した電線端末部の芯線検査装置。
- 前記レーザー光照射手段は、
上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときに、第1の角度をなして斜め方向にレーザー光を照射するように配設された第1のレーザー光照射手段と、
上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときに、前記第1の角度より大きい第2の角度をなして斜め方向にレーザー光を照射するように配設された第2のレーザー光照射手段と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載した電線端末部の芯線検査装置。 - 前記芯線は、中心の1本の素線の周りに6本の素線を円周方向に等角度で配設したものであり、
前記レーザー光照射手段は、斜め前方向および斜め後方向にそれぞれ照射されるレーザー光が、上下方向に照射されるレーザー光に対し、左右方向から見たときにそれぞれ37.5度〜52.5度の角度をなすように配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した電線端末部の芯線検査装置。 - レーザー光を発生させる一つのレーザー光発生手段と、
このレーザー光発生手段から得られたレーザー光を等分して前記レーザー光照射手段に分配するレーザー光等分配手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した電線端末部の芯線検査装置。 - 前記レーザー光受光手段から得られた検出電圧に対応する受光量のレベルをそれぞれ補正する補正手段と、
前記補正手段の作動を個別に制御する補正制御手段と、
をさらに備え、
前記補正制御手段は、前記補正手段によって補正された後の受光量レベルが、前記レーザー光が前記芯線によって遮られていないときに互いに等しくなるように前記補正手段をそれぞれ制御することを特徴とする請求項5に記載した電線端末部の芯線検査装置。 - 良品の芯線を検査したときに前記レーザー光受光手段からそれぞれ得られた検出電圧に対応する受光量について、所定時間内における最大値および最小値をそれぞれ検出する最大値/最小値検出手段と、
前記最大値にその値のa%を上乗せした最大許容値と前記最小値からその値のb%を減じた最小許容値とをそれぞれ算出して判定基準を設定する判定基準設定手段と、
検査対象の芯線を検査するときに前記レーザー光受光手段からそれぞれ得られた検出電圧に対応する受光量が前記最大許容値と最小許容値との間にあるときに前記芯線が良品であると判定する判定手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載した電線端末部の芯線検査装置。 - 前記a%の値および前記b%の値を前記判定基準設定手段にそれぞれ入力する判定レベル入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載した電線端末部の芯線検査装置。
- 前記最大値/最小値検出手段は、前記レーザー光受光手段から得られた検出電圧に対応する受光量が所定値を超えて低下したときに、前記最大値および前記最小値の検出を開始することを特徴とする請求項7または8に記載した電線端末部の芯線検査装置。
- 請求項1に記載した電線端末部の芯線検査装置を前後方向に二組並べて配置するとともに、前側に配置した芯線検査装置においてレーザー光が互いになす角度と、後側に配置した芯線検査装置においてレーザー光が互いになす角度とを異ならせたことを特徴とする電線端末部の芯線検査装置。
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