JP2007132784A - ヘリウムリーク試験方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘリウムリーク試験ユニット1は、両端のパイプ挿通穴2に挿通された溶接部wを有するパイプPとの間に環状空間Eを形成する筒状部材4と、パイプ挿通穴2の環状溝6内のU字状断面の環状パッキン7と、各環状パッキン7内に連絡された加圧ガス導入孔17と、筒状部材4の環状空間Eのガスを排気する真空排気口とを設けた真空容器8を備えると共に、パイプPの内部に挿通される軸状部材14と、その環状溝15内に配置されたU字状断面の環状パッキン16と、環状パッキン16内に連絡された加圧ガス導入孔18と、筒状部材14とパイプPとの環状間隙e2に連絡された試験ガス導入孔18とを設けた加圧ユニット19を備えた構成とされている。
【選択図】図1
Description
そこで、前記配管の溶接部の周囲にビニール等でマスキングを施し、加圧リーク試験ユニットのテスト用加圧流体供給口にヘリウムガスを供給して、加圧スニファー法により、前記溶接部から漏洩するヘリウムガスを真空ポンプで吸引してヘリウムディテクタで検出することにより、リーク試験を行うこともできる。しかし、この場合は、加圧リーク試験ユニットと配管との前記環状空間が広いので、ヘリウムガスの消費量が多くなると共に、必要な感度を得るために前記マスキングの内部を密閉し、内部に大気中のヘリウムが存在しないようにする処理に時間がかかり、作業性が良くないという難点がある。
すなわち、請求項1に係るヘリウムリーク試験方法は、筒状部材の両端部に固着したフランジのパイプ挿通穴の内周部に環状溝を設け、この環状溝に断面U字状の第1の環状パッキンを配置した真空容器と、軸状部材の両端部に設けた環状溝に断面U字状の第2の環状パッキンを配置した加圧ユニットとを備え、前記真空容器の各パイプ挿通穴に被試験体である溶接部を有するパイプを該溶接部が各フランジの相互間に位置するまで挿入すると共に、該パイプ内に前記加圧ユニットを挿入した後に、前記各フランジと前記軸状部材に設けた加圧ガス導入孔から、前記各環状溝の内部に加圧ガスを導入することにより前記第1、第2の環状パッキンの内部に加圧ガスを導入することにより該第1、第2の環状パッキンを押圧して前記パイプの外周と前記フランジの内周との間および前記パイプの内周と前記軸状部材の外周との間を密封し、しかる後に、前記軸状部材に設けた試験ガス導入孔から、第2の環状パッキンによって密封された前記パイプの内周面と軸状部材の外周面との間の環状間隙内にヘリウムガスを導入すると共に、前記第1の環状パッキンによって密封された前記筒状部材の内側と前記パイプの外周との間の環状空間を真空排気することを特徴としている。
すなわち、請求項1に係るヘリウム試験方法によれば、加圧ユニットと真空容器とにより被試験体であるパイプの溶接部の内外周部に気密の環状間隙と環状空間とを、容易、確実に形成することができ、前記パイプの内側の環状間隙に供給されたヘリウムガスが前記溶接部からパイプの外側の環状空間に漏洩した場合には、該環状空間を真空排気することによってその漏洩をヘリウムディテクタで確実に検出することができ、加圧スニファー法によるパイプの溶接部のリーク試験を容易にかつ確実に行うことができる。
請求項8に係るヘリウムリーク試験装置によれば、リーク試験を実施する設備としての真空容器の真空吸引系の感度を確認し、ヘリウムリーク試験部の感度校正を行って、ヘリウムリーク試験部によるリーク試験を的確に行うことができる。
請求項10に係るヘリウムリーク試験装置によれば、各架台を案内部材に沿って移動させることによって、ヘリウムリーク試験ユニットをパイプの溶接部に的確に移動させることができ、複数の溶接部があるパイプでも能率よくリーク試験を行うことができる。
図1において、1は本発明の一実施の形態に係るヘリウムリーク試験ユニットを示す。このヘリウムリーク試験ユニット1は、中心部にパイプ挿通穴2を設けたフランジ3、3を両端の内側に気密に固着した筒状部材4と、前記各フランジ3,3のパイプ挿通穴2の内周部に設けた環状溝6内に配置された環状パッキン(第1の環状パッキン)7とを設けた真空容器8を備えている。
また、前記試験ガス導入孔18は、軸状部材14にその他端側から軸方向に沿って設けられた試験ガス導入孔部18aと、前記一対の環状パッキン16,16の間において軸状部材14の半径方向に設け、前記試験ガス導入孔部18aの一端側に連絡された1つ(図示の例)または複数の連通孔18bとからなっている。
前記ヘリウムガス供給ユニット26は、ヘリウムガスを貯留するヘリウムボンベ34と、該ヘリウムボンベ34の出口に接続され、ヘリウムボンベ34側から順に減圧弁(圧力調整弁)35a,開閉弁35b、圧力計35c、開閉弁35dを設けたヘリウム送出管35とを備え、前記配管25の基端が、ヘリウム送出管35における圧力計35cと開閉弁35dとの間に接続され、配管25の先端が前記ヘリウムリーク試験ユニット1の試験ガス導入孔18の他端部(試験ガス導入孔部18aの外端部)に接続されている。
前記ヘリウムリーク試験部29は、従来周知のヘリウムリークディテクタ41が開閉弁42aを有する吸入管42を介して前記粗引排気ポンプユニット26の分岐管38における自動切替弁38aの下流に接続されてなる。なお、前記分岐管38は吸入管37から分岐させる代わりに、真空容器8の環状空間Eに連通させて設けることもできる。
前記ソープションポンプユニット48は、一対の従来周知のソープションポンプ49,49が、それらの上、下流に開閉弁50a,50bを有する配管50,50によって、前記分岐管38と吸入管42に並列に接続されてなり、開閉弁50a,50bの開閉を切り換えることによって、前記ソープションポンプ49,49を切り換えて個別にまたは同時に作動させることが可能なようになっている。
先ず、溶接機によって溶接された被試験体としてのパイプPが搬送手段58によって後方(図7で右方)に向けて台車54a側に移送されて、その先端が前記ベース52の長手方向の所定位置に位置決めされると、移動手段によって前記ヘリウムリーク試験装置51の台車54a,54bがガイドレール52a,52aに沿って前方に移動されて、前方の台車54a上のヘリウムリーク試験ユニット1の真空容器8のパイプ挿通穴2,2と加圧ユニット19にパイプPが挿通される。その際、前記搬送手段58は台車54a、54bに連動して図7で左方へ後退される。そして、前記パイプPの円周溶接継手wの位置が、真空容器8の環状空間Eの軸方向の中央部に達したときに、台車54a,54bの移動が停止される。
前記パイプ挿通穴2,2と加圧ユニット19に挿通されたパイプPは、その外周が真空容器8の両端部のキャスタ11に案内され、内周部が加圧ユニット19の両端部のキャスタ20によって案内されているので、パイプPの軸心が真空容器8と加圧ユニット19の軸心に正確に整合された状態を保持されている。
これにより、前記真空容器8と加圧ユニット19がパイプPに対して相対的に軸方向に相対移動するとき、シールを解いて復元状態にある第1,第2の環状パッキン7,16がパイプPの外周面、内周面に異常に接触して損傷するのを防止することができる。
なお、ヘリウムリーク試験を終了するときは、加圧ガス供給ユニット24によって前記ヘリウムリーク試験ユニット1の加圧ガス導入孔12,17に加圧ガスを供給した状態で、ヘリウムガス供給ユニット26の開閉弁35dを開いて配管25内と加圧ユニット19の加圧ガス導入孔18と前記環状間隙e2内のヘリウムガスの圧力を開放した後に、加圧ガス供給ユニット24の開閉弁33dを開いて、配管23,分岐管23a,23b内の加圧ガスの圧力を開放して、前記環状パッキン7,16のパイプPに対する押圧を解除する。これにより、環状パッキン7,16は弾力的に復元してパイプPから離れて環状溝6,15内に収納された状態となる。そして、次回のヘリウムリーク試験に備える。
前記パイプPに複数の円周溶接継手wがある場合には、次の円周溶接継手wの位置が前記各台車54a,54bの移動ストロークの範囲内にあれば、台車54a,54bを図7で左方へ前進移動させ、移動ストロークの範囲内に無ければ、パイプPを後方の台車54b側に移動させる等により、リーク試験を継続して行うことができる。このように、各架台55a,55bをガイドレール52a,52aに沿って移動させることによって、ヘリウムリーク試験ユニット1をパイプPの溶接部wに的確に移動させることができ、複数の溶接部wがあるパイプPでも能率よくリーク試験を行うことができる。
また、リーク試験作業中は、ヘリウムリーク試験装置を構成する機器が架台55a,55bに纏めて搭載されているので、床上に前記機器を設置する必要がなくて、試験装置の回りの作業場を広く確保できて作業が安全、円滑に行える。
しかも、前記加圧ユニット19の外側の前記環状間隙e2に試験ガス導入孔18から供給するヘリウムガスは、前記環状間隙e2の容積(真空排気の容積)が非常に小さいため極めて少量で足り、ヘリウムガスの消費量を可及的に少なくすることができる、また、加圧スニファー法によりヘリウムリーク試験を行うにあたり、従来のように、パイプPの溶接部wの周囲にビニール等でマスキングを施す作業を行う必要がないので、作業性が極めて良い。
2 パイプ挿通穴
3 フランジ
4 筒状部材
6,15 環状溝
7,16 環状パッキン
8 真空容器
11,20 キャスタ
12,17 加圧ガス導入孔
13 真空排気口
14 軸状部材
18 試験ガス導入孔
19 加圧ユニット
22,47,51 ヘリウムリーク試験装置
24 加圧ガス供給ユニット
26 ヘリウムガス供給ユニット
28 粗引排気ポンプユニット
29 ヘリウムリーク試験部
31 標準リークユニット
32 ガスボンベ
34 ヘリウムボンベ
36 粗引排気ポンプ
41 ヘリウムリークディテクタ
48 ソープションポンプユニット
49 ソープションポンプ
52a ガイドレール(案内部材)
54a,54b 台車
55a,55b 架台
E 環状空間
e1,e2 環状間隙
P パイプ
w パイプの溶接部
Claims (10)
- 筒状部材の両端部に固着したフランジのパイプ挿通穴の内周部に環状溝を設け、この環状溝に断面U字状の第1の環状パッキンを配置した真空容器と、軸状部材の両端部に設けた環状溝に断面U字状の第2の環状パッキンを配置した加圧ユニットとを備え、前記真空容器の各パイプ挿通穴に被試験体である溶接部を有するパイプを該溶接部が各フランジの相互間に位置するまで挿入すると共に、該パイプ内に前記加圧ユニットを挿入した後に、前記各フランジと前記軸状部材に設けた加圧ガス導入孔から、前記各環状溝の内部に加圧ガスを導入することにより前記第1、第2の環状パッキンを押圧して前記パイプの外周と前記フランジの内周との間および前記パイプの内周と前記軸状部材の外周との間を密封し、しかる後に、前記軸状部材に設けた試験ガス導入孔から、第2の環状パッキンによって密封された前記パイプの内周面と軸状部材の外周面との間の環状間隙内にヘリウムガスを導入すると共に、前記第1の環状パッキンによって密封された前記筒状部材の内側と前記パイプの外周との間の環状空間を真空排気することを特徴とするヘリウムリーク試験方法。
- パイプ挿通穴を設けたフランジが両端に気密に固着され、各フランジのパイプ挿通穴に挿通された溶接部を有するパイプとの間に環状空間を形成する筒状部材と、前記各フランジの内周部に設けた環状溝内に配置され、内周部を前記パイプの外周面側に向けた横断面がU字状の弾性部材からなる環状パッキンと、前記各フランジに設けられ前記各環状溝の内部に前記環状パッキンを前記パイプの外周面に押圧する加圧ガスを導入する加圧ガス導入孔と、前記筒状部材に設けられ前記環状空間のガスを排気する真空排気口とを設けた真空容器を備えていることを特徴とするヘリウムリーク試験ユニット。
- パイプ挿通穴を設けたフランジが両端に気密に固着され、各フランジのパイプ挿通穴に挿通された溶接部を有するパイプとの間に環状空間を形成する筒状部材と、前記各フランジの内周部に設けた環状溝内に配置され、内周部を前記パイプの外周面側に向けた横断面がU字状の弾性部材からなる第1の環状パッキンと、前記各フランジに設けられ前記各環状溝の内部に第1の環状パッキンを前記パイプの外周面に押圧する加圧ガスを導入する加圧ガス導入孔と、前記筒状部材に設けられ前記環状空間のガスを排気する真空排気口とを設けた真空容器を備えると共に、両端部の外周に環状溝が設けられ前記パイプの内部に挿通される軸状部材と、該軸状部材の環状溝内に配置され、外周部を前記パイプの内周面側に向けた横断面がU字状の弾性部材からなる第2の環状パッキンと、前記軸状部材に設けられ該軸状部材の環状溝の内部に第2の環状パッキンを前記パイプの内周面に押圧する加圧ガスを導入する加圧ガス導入孔と、前記軸状部材に設けられ各第2の環状パッキンの相互間において軸状部材の外周面と前記パイプの内周面との環状間隙にヘリウムガスを導入する試験ガス導入孔とを設けた加圧ユニットを備えていることを特徴とするヘリウムリーク試験ユニット。
- 前記真空容器の軸方向の端部には、転動部の先端を前記パイプの外周面に当接してパイプの軸心に前記フランジのパイプ挿通穴の軸心を合わせた状態で前記真空容器をパイプの軸方向に案内する複数のキャスタが、パイプ挿通穴の周方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のヘリウムリーク試験ユニット。
- 前記軸状部材の軸方向の端部には、転動部の先端を前記パイプの内周面に当接してパイプの軸心に前記軸状部材の軸心を合わせた状態で軸状部材をパイプの軸方向に案内する複数のキャスタが、軸状部材の周方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項3に記載のヘリウムリーク試験ユニット。
- 請求項3〜5に記載のヘリウムリーク試験ユニットにおける真空容器と加圧ユニットのの各加圧ガス導入孔に、加圧ガスを供給する加圧ガス供給ユニットが配管を介して接続されると共に、前記加圧ユニットの試験ガス導入孔にヘリウムガスを供給すヘリウムガス供給ユニットが配管を介して接続され、前記真空容器の真空排気口に粗引排気ポンプとヘリウムリークディテクタが配管を介して接続されていることを特徴とするヘリウムリーク試験装置。
- 前記真空排気口とヘリウムリークディテクタとを接続する配管にソープションポンプが設けられていることを特徴とする請求項6に記載のヘリウムリーク試験装置。
- 前記真空容器の前記環状空間に配管を介して標準リークユニットが連絡されていることを特徴とする請求項6または7に記載のヘリウムリーク試験装置。
- 前記加圧ユニットの軸方向に所定距離をあけて配置され連結部材によって連結された一方の架台と他方の架台とを備え、請求項6〜8に記載されたヘリウムリーク試験装置におけるヘリウムリーク試験ユニット、ヘリウムリークディテクタ、粗引排気ポンプを含む機器が一方の架台に搭載され、加圧ガス供給ユニットとヘリウムガス供給ユニットが他方の架台に搭載されていることを特徴とするヘリウムリーク試験装置。
- 前記一方の架台と他方の架台は案内部材に支持されて前記パイプに対してその軸方向に移動自在に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のヘリウムリーク試験装置。
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