JP2007132503A - 減速装置付き油圧シリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 減速装置付き油圧シリンダは、シリンダのチューブ内を摺動自在とするピストンと、チューブの一端側に設けられたボトム部材と、ボトム部材に設けられ、作動油をチューブ内に給排する給排ポートと、ボトム部材に設けられ、シリンダの収縮時にストロークエンド近傍でピストンに当接して速度を減速する減速装置とを設けている。この油圧シリンダは、ピストンと減速装置との間に給排ポートを配設されている。
【選択図】図1
Description
この油圧シリンダは、大径の第1シリンダと、この第1シリンダより小径で、かつ第1シリンダ内にボトム側が摺動自在に収容された第2シリンダと、一端側が第2シリンダ内に収容されたラムより構成されている。ボトム側には、第2シリンダ内に、ヘッド側油圧室とボトム側油圧室とを区割りするピストンが設けられ、このピストンには、両室を閉塞するとともに、ストロークエンドに達すると、先端が第1シリンダの端板に当接して開放するチェック弁が配設されている。
また、ボトム側のこの端板には、ボトム側油圧室へ緩速停止手段を経由して作動油を給排する給排ポートと、第2シリンダのピストンをストロークエンドで緩速停止手段が設けられている。
緩速停止手段は、端板内に形成された上面が開口し、かつ中間に凹段部を有する凹室内に上下摺動自在に収容されたクッション部材を有している。クッション部材は外周面に下端側へ順次小径となるテーパ状のオリフィスが形成された筒状部と、この筒状部の上端に突設されたフランジ部よりなり、筒状部内に形成されたばね室に、クッション部材を上方へ付勢する圧縮ばねが収容されるとともに、フランジ部の中央部には貫通孔が開口されていて、凹室の底面より突設されたピンの先端が下方より隙間を有して挿入されている。
作動ピンは、ピストンがストロークエンドに達して、ピストンによりクッション部材が下限位置まで押し下げられたときに、先端がクッション部材の上面とほぼ同一平面となるよう高さが設定されていて、先端部でチェック弁を押し上げることにより、チェック弁を開放するようになっている。
次に、第2シリンダおよびラムを収縮する場合には、第1シリンダのボトム側油圧室の作動油を前記ポートより排出する。これによって、伸長時とは逆の動作で、第1シリンダのボトム側油圧室内の作動油がクッション部材のばね室内を通過して貫通孔より前記ポートより排出し、第2シリンダおよびラムが収縮する。ピストンがストロークエンド付近に達すると、クッション部材がピストンにより押し下げられる。クッション部材の下降とともに、下側のテーパ状筒体の外周面と、凹段部の内周面とで形成された細隙より凹室内の作動油がポートに流出する際に絞られて加圧される。これに伴って、ピストンの下降速度が減速されるとともに、更に下降に伴って、テーパ状のオリフィスにより細隙が減少するため、ピストンの下降速度が更に減速され、ストロークエンドに達した際にピストンは緩速停止する。
また、端板およびクッション部材との間のオリフィスの隙間がテーパ状により形成されているため、隙間の大きさを精度良く得ることが困難であり、また、精度を確保しようとすると加工費用が増すという問題が生ずる。
また、ストロークエンドでクッション部材から外部に排出される戻り油は、ボトム側油圧室から給排ポートに流れる作動油の流れに直交するような流れで合流している。これにより、クッション室の圧力は、ボトム側油圧室から給排ポートに流れる作動油の影響を受けることが少なくなり、減速速度の制御が容易になっている。このため、積載重量が可変となるエレベータおよび昇降装置等に油圧シリンダを使用しても、積載荷重に関係なく、ストロークエンドで所定の減速速度で下降し、衝撃を少なくして、所定の位置に停止できる。
また、減速装置が簡単な形状の受台と中空クッション部材とにより形成されており、更に、大きい部品であるクッション部材にテーパ形状の絞り部を加工する必要がなくなり、部品製作が容易にでき、安価にできる。
また、溝の幅および/あるいは深さを下に向かって断面積が暫時大きくなるように可変にした場合には、前記第2実施例と同様に、クッション部材の降下に伴って圧力上昇率を降下に伴って大きくでき、停止時の衝撃をより小さくできる。
図1は実施例である減速装置付き油圧シリンダの最縮小時の断面図、図2から図8は減速装置部の拡大図である。
第2シリンダ部6は、ボトム側で、かつ第1シリンダ部5の第1シリンダチューブ5a内にピストン9が摺動自在に配設されている。このピストン9は、第2シリンダ部6の第2シリンダチューブ6aに螺着されており、第1シリンダ部5の内部をヘッド側油圧室5cとボトム側油圧室5dとに区割りしている。また、ピストン9には、第1シリンダ部5のヘッド側油圧室5cと第2シリンダ部6のボトム側油圧室6dとを連通する孔11があけられている。
これにより、第1シリンダ部5のボトム側油圧室5dと第2シリンダ部6のボトム側油圧室6dとの間がチェック弁13を介して接続し、第2シリンダ部6のボトム側油圧室6dの作動油が第1シリンダ部5のボトム側油圧室5dを経て給排ポート19に排出されている。
この所定位置とは、クッション部材23が所定の位置に復帰しているか、否かであり、このことは、圧縮ばね27が伸長し、受台21とクッション部材23とが所定の位置に離間していることを検出している。これにより、所定の位置に復帰している場合には、減速装置部2が所定の機能を発揮できる状態にあり、安全に減速で停止できることを示している。
ピストン9の上昇に伴なって、第1シリンダ部5のヘッド側油圧室5cの作動油がピストン9の孔11より第2シリンダ部6のボトム側油圧室6dに流入してラム部7を上方に押し上げる。ラム部7の断面積とヘッド側油圧室5cの断面積とはほぼ同一に形成されているため、ピストン9とラム部7とは相対的に同一速度で上昇し、第2シリンダ部6とラム部7とが2段で伸長される。
なお、第1実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
ボトム部材17の段付凹形穴17aの小径側には段付凹形状の第1受台51が嵌入されている。第1受台51は、その内径部が大小の直径を有する大径穴51aと小径穴51bとの段付により形成されており、この第1受台51には内径部に合う外径部を有する第1中空クッション部材53(以下、第1クッション部材53という)が挿入されている。
第2実施例では、圧縮ばね27は第1クッション部材53の中空部に設けたが、第3実施例では第1圧縮ばね27Aは第2受台51Aの外側で、第1クッション部材53と第2受台51Aとの間に設けている。その他は、第2実施例とは同一のため詳細な説明は省略する。
第1から第3実施例では、圧縮ばね27の荷重はクッション部材23、53を介して係止ボルト25で受けるとともに、クッション部材23、53の抜けを防止している。これに対して、第4実施例ではスナップリング55が第3受台51Bに取着されており、圧縮ばね27の荷重は、第2クッション部材53Aを介してスナップリング55で受けるとともに、第2クッション部材53Aの抜けを防止している。その他は、第2実施例とは同一のため詳細な説明は省略する。
第1から第4実施例ではクッション部材53は中空にしていたが、第5実施例では第3クッション部材53Bを中実としている。第3クッション部材53Bは、その大外径53aが第3受台51Bの大径穴51aに対して枢密で摺動自在に形成されるとともに、小外径53bが小径穴51bに対して所定の隙間Sbを有して挿入されている。
上記実施例では、クッション材と受台との間に所定の隙間Sa、Sbを用いている。これに対して、図8に示すように、第6減速装置部2Fの第3クッション部材63では、大外径63aが第1受台51の大径穴51aに、また、小外径63bが小径穴51bに対して摺動自在に枢密に挿入されている。さらに、小径部の外径63bには溝63cを形成している。この溝63cは、所定の隙間Sbを形成したところに設けると良い。
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F…減速装置部、3…シリンダ部、
5…第1シリンダ部、5a…第1シリンダチューブ、5c…ヘッド側油圧室、
5d…ボトム側油圧室、
6…第2シリンダ部、6a…第2シリンダチューブ、6d…ボトム側油圧室、
7…ラム部、13…チェック弁、15…ばね、
17…ボトム部材、17a…段付凹形穴、19…給排ポート、
21、51、51A、51B…受台、
23、53、53A、53B、63…中空クッション部材、25…係止ボルト、
27、27A…圧縮ばね、29…位置検出センサ、54、54A…逆止弁、
55…スナップリング、57…小孔、63c…溝、
Sa、Sb…所定の隙間、Rb、Rc…空間、C…クッション室。
Claims (5)
- シリンダのチューブ内を摺動自在とするピストンと、チューブの一端側に設けられたボトム部材と、ボトム部材に設けられ、作動油をチューブ内に給排する給排ポートと、ボトム部材に設けられ、シリンダの収縮時にストロークエンド近傍でピストンに当接して速度を減速する減速装置とを設けた減速装置付き油圧シリンダにおいて、ピストンと減速装置との間に給排ポートを配設してなることを特徴とする減速装置付き油圧シリンダ。
- 減速装置は、ピストンに対向するシリンダのボトム部材に設けた凹部に嵌入する断面コ字形状の受台と、断面コ字形状の受台に摺動自在で枢密に挿入された中空クッション部材と、所定の隙間を有して中空クッション部材を貫通するとともに受台に取着された係止ボルトと、受台と中空クッション部材とを離間させるばねとからなる請求項1記載の減速装置付き油圧シリンダ。
- 減速装置は、ピストンに対向するシリンダのボトム部材に設けた凹部に嵌入する段付凹形状の受台と、段付凹形状の受台に2ケ所の円筒部で摺動自在に挿入されるとともに、段付凹形状の受台との間の少なくとも1ケ所の空間で内部の作動油を絞ってピストンを減速するクッション部材と、受台よりクッション部材が抜け出さないように係止する係止手段と、受台と中空クッション部材とを離間させるばねとからなる請求項1記載の減速装置付き油圧シリンダ。
- 請求項2または請求項3記載の減速装置付き油圧シリンダにおいて、減速装置は、隙間を有して受台に挿入されるクッション部材、あるいは、受台の内径部および/またはクッション部材の外径部に溝を有する受台あるいはクッション部材を有する減速装置付き油圧シリンダ。
- 請求項1から請求項4記載のいずれかの減速装置付き油圧シリンダにおいて、
クッション部材が少なくともシリンダの最収縮時から伸長時の所定位置に復帰したことを検出する位置検出センサを有することを特徴とする減速装置付き油圧シリンダ。
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