JP6153130B2 - エレベータ用緩衝器およびその制御方法 - Google Patents
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Description
図1はこの発明によるエレベータ用緩衝器を備えたエレベータ昇降路内の構成の一例を示す図面である。図1において、10はビル等においてエレベータが昇降する昇降路である。20は乗客や荷物を運搬するかご、30は釣合錘、40はトラクションロープ、50はモータやブレーキを含む巻上機である。かご20と釣合錘30がトラクションロープ40によって巻上機50を介して連結される、巻上機50によって駆動あるいは制動されるつるべ式の構造をとる。21,31はかご20,釣合錘30のそれぞれの下部に設けられた衝突部材である。100が昇降路10の底部に設置される緩衝器である。万が一かご20あるいは釣合錘30が最下位置を通過し、昇降路10の底部に衝突しそうになったときに、緩衝器100によって昇降路10の底部への衝突を防ぎ、その衝撃を緩和する。
なお、本実施の形態では復帰機構部シリンダ160における復帰力、すなわちピストン162をプランジャ部を延びた状態にさせる方向に押圧する押圧手段を圧縮ガスとしたが、圧縮ばね、あるいは錘(共に図示省略、以下同様)によってピストン162を押し下げる構成としても各プランジャを最上部にまで復帰させることが可能である。
図3にこの発明の実施の形態2における緩衝器の縦断面図を示す。実施の形態1と同様に、第2プランジャ120と第1プランジャ110には外れ止めのためのストッパ112が、第3プランジャ130と第2プランジャ120には外れ止めのためのストッパ122が、ベースシリンダ150と第3プランジャ130には外れ止めのためのストッパ132が備わっている。更に本実施の形態ではストッパ112間の空間を埋める第1プランジャースペーサリング118が備わっている。これにより第1プランジャ110の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。同様にストッパ122間の空間を埋める第2プランジャースペーサリング128が備わっている。これにより第2プランジャ120の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。さらに、同様にストッパ132間の空間を埋める第3プランジャースペーサリング138が備わっている。これにより第3プランジャ130の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。スペーサ部材を構成する各スペーサリング118,128,138の厚みは、各プランジャの必要な動作距離を確保できるように決めたれている。また、各スペーサリング118,128,138の厚み(大きさ)は、制限されたプランジャ部の可動範囲が、緩衝器100が適用されるエレベータの速度によって決まる最小の可動距離となるように決めることができる。
なお、本実施の形態では復帰機構部シリンダ160における復帰力を圧縮ガスとしたが、圧縮ばね、あるいは錘によってピストン162を押し下げる方法としても各プランジャを可動可能な最上部にまで復帰させることが可能である。
図4にこの発明の実施の形態3における緩衝器の縦断面図を示す。本実施の形態における緩衝器100は、実施の形態1で示した緩衝器に対し、復帰機構部シリンダをベースシリンダ150すなわち緩衝器100から離れた位置に配置している点が異なる。この緩衝器100から離れた位置に配置した復帰機構部をベースシリンダ外部に設けられているので特に外部復帰機構部シリンダと呼び、170の番号を付す。また、ベースシリンダ150の155はベースシリンダ基部オリフィス孔(通油孔)、156はベースシリンダ基部油室である。
また、外部復帰機構部シリンダ170は複数設置することも可能である。これにより、個々の外部復帰機構部シリンダの小型化が可能となり、昇降路底部の設計自由度が増し、昇降路底部のスペースの有効活用が可能となる。
図5にこの発明の実施の形態4における緩衝器の縦断面図を示す。本実施の形態における緩衝器100は実施の形態2と3の特徴を組み合わせたものである。第2プランジャ120と第1プランジャ110には外れ止めのためのストッパ112が、第3プランジャ130と第2プランジャ120には外れ止めのためのストッパ122が、ベースシリンダ150と第3プランジャ130には外れ止めのためのストッパ132が備わっている。更に本実施の形態ではストッパ112間の空間を埋める第1プランジャースペーサリング118が備わっている。これにより第1プランジャ110の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。同様にストッパ122間の空間を埋める第2プランジャースペーサリング128が備わっている。これにより第2プランジャ120の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。さらに、同様にストッパ132間の空間を埋める第3プランジャースペーサリング138が備わっている。これにより第3プランジャ130の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。各スペーサリング118,128,138の厚みは、各プランジャの必要な動作距離を確保できるように決めたれている。
なお、本実施の形態でも外部復帰機構部シリンダ170における復帰力を圧縮ガスとしたが、圧縮ばね、あるいは錘によってピストン172を押し下げる方法としても各プランジャを可動可能な最上部にまで復帰させることが可能である。
図6にこの発明の実施の形態5における緩衝器の縦断面図を示す。この緩衝器100も、昇降路のピット部に固定されたベースシリンダ150と、ベースシリンダ150から順次連結された複数(この例では3つ)のプランジャを有している。これらのプランジャを上から第1プランジャ110、第2プランジャ120、第3プランジャ130と呼ぶ。
また、第2プランジャ油室121と第3プランジャ上部油室126の水平断面の面積を統一(同じに)し、第3プランジャ油室131とベースシリンダ上部油室136の水平断面の面積を統一(同じに)し、さらに第1プランジャ110の第2プランジャ120に対するスライド距離と、第2プランジャ120の第3プランジャ130に対するスライド距離と、第3プランジャ130のベースシリンダ150に対するスライド距離を統一(同じに)するのが望ましい。これにより実施の形態5に示すエレベータ用緩衝器の全高を低く抑えることができ、昇降路底部への据付が容易になる。
また、図6には示さないが、第2プランジャ油室121の底面(内部の底面すなわち底板の上面:以下同様)と、第3プランジャ油室131の底面にゴム材などの緩衝材を設置するのが望ましい。これにより各プランジャ同士が衝突するときに発生する衝撃を低く抑えることができ、関連する各機器への衝撃負荷を軽減できる。
なお、本実施の形態では復帰機構部シリンダ160における復帰力を圧縮ガスとしたが、圧縮ばね、あるいは錘によってピストン162を押し下げる方法としても各プランジャを最上部にまで復帰させることが可能である。
図7にこの発明の実施の形態6における緩衝器の縦断面図を示す。本実施の形態における緩衝器100は実施の形態5と2の特徴を組み合わせたものである。第2プランジャ120と第1プランジャ110には外れ止めのためのストッパ112が、第3プランジャ130と第2プランジャ120には外れ止めのためのストッパ122が、ベースシリンダ150と第3プランジャ130には外れ止めのためのストッパ132が備わっている。更に本実施の形態ではストッパ112間の空間を埋める第1プランジャースペーサリング118が備わっている。これにより第1プランジャ110の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。同様にストッパ122間の空間を埋める第2プランジャースペーサリング128が備わっている。これにより第2プランジャ120の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。さらに、同様にストッパ132間の空間を埋める第3プランジャースペーサリング138が備わっている。これにより第3プランジャ130の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。各スペーサリング118,128,138の厚みは、各プランジャの必要な動作距離を確保できるように決めたれている。また、各スペーサリング118,128,138の厚み(大きさ)は、制限されたプランジャ部の可動範囲が、緩衝器100が適用されるエレベータの速度によって決まる最小の可動距離となるように決めることができる。
なお、本実施の形態では復帰機構部シリンダ160における復帰力を圧縮ガスとしたが、圧縮ばね、あるいは錘によってピストン162を押し下げる方法としても各プランジャを可動可能な最上部にまで復帰させることが可能である。
図8にこの発明の実施の形態7における緩衝器の縦断面図を示す。本実施の形態における緩衝器100は、実施の形態5で示した緩衝器に対し、復帰機構部シリンダをベースシリンダ150すなわち緩衝器100から離れた位置に配置している点が異なる。この緩衝器100から離れた位置に配置した復帰機構部をベースシリンダ外部に設けられているので特に外部復帰機構部シリンダと呼び、170の番号を付す。また、ベースシリンダ150の155はベースシリンダ基部オリフィス孔(通油孔)、156はベースシリンダ基部油室である。
また、外部復帰機構部シリンダ170は複数設置することも可能である。これにより、個々の外部復帰機構部シリンダの小型化が可能となり、昇降路底部の設計自由度が増し、昇降路底部のスペースの有効活用が可能となる。
また、第2プランジャ油室121と第3プランジャ上部油室126の水平断面の面積を統一(同じに)し、第3プランジャ油室131とベースシリンダ上部油室136の水平断面の面積を統一(同じに)し、さらに第1プランジャ110の第2プランジャ120に対するスライド距離と、第2プランジャ120の第3プランジャ130に対するスライド距離と、第3プランジャ130のベースシリンダ150に対するスライド距離を統一(同じに)するのが望ましい。これにより実施の形態7に示すエレベータ用緩衝器の全高を低く抑えることができ、昇降路底部への据付が容易になる。
また、図8には示さないが、第2プランジャ油室121の底面と、第3プランジャ油室131の底面にゴム材などの緩衝材を設置するのが望ましい。これにより各プランジャ同士が衝突するときに発生する衝撃を低く抑えることができ、関連する各機器への衝撃負荷を軽減できる。
図9にこの発明の実施の形態8における緩衝器の縦断面図を示す。本実施の形態における緩衝器100は実施の形態6と7の特徴を組み合わせたものである。本実施の形態ではストッパ112間の空間を埋める第1プランジャースペーサリング118が備わっている。これにより第1プランジャ110の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。同様にストッパ122間の空間を埋める第2プランジャースペーサリング128が備わっている。これにより第2プランジャ120の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。さらに、同様にストッパ132間の空間を埋める第3プランジャースペーサリング138が備わっている。これにより第3プランジャ130の初期位置が低くなり、可動距離が短くなっている。各スペーサリング118,128,138の厚みは、各プランジャの必要な動作距離を確保できるように決めたれている。
なお、本実施の形態では外部復帰機構部シリンダ170における復帰力を圧縮ガスとしたが、圧縮ばね、あるいは錘によってピストン172を押し下げる方法としても各プランジャを可動可能な最上部にまで復帰させることが可能である。
図10にこの発明の実施の形態9における緩衝器の縦断面図を示す。緩衝器100は、昇降路10の最下部のピット部に固定されたベースシリンダ150と、ベースシリンダ150に連結されたプランジャ(プランジャ部を構成する)140を有している。プランジャ140はベースシリンダ150に対してスライド可能なように連結されている。なお、図示はしないが、プランジャ140がスライドすることによってベースシリンダ150から外れることがないようにストッパが設けられている。ベースシリンダ150は、アンカボルト等によって昇降路10の底部に固定、立設される。プランジャ140は、頂部がかご20や釣合錘30と衝突する当り面111となる。プランジャ140の内部は油室141となっている。油室141頂部の面には鉛直下方向に弾性体などを介さず直接的に、すなわちは強固に固定されたピンロッドがある。具体的な固定方法としてボルト締結あるいは溶接などが挙げられる。このピンロッドを本実施の形態における制御棒となり、これに147と番号を設定する。ベースシリンダ150は、油室151、オリフィス孔157、ピストン162、圧縮ガス室(圧縮ガスを含む)163を有する。
Claims (11)
- エレベータ用緩衝器において、
作動油が満たされた油室を有するベースシリンダと、
前記ベースシリンダの油室と順次連通した油室を有し前記ベースシリンダから入れ子状態で順次連結され、前記ベースシリンダまたは隣接するプランジャに対し前記作動油に従って順次スライド可能な少なくとも1つのプランジャからなる、無負荷時に伸び負荷印加時に縮むプランジャ部と、
前記ベースシリンダの油室に接続されて前記プランジャ部を常に伸びた状態に復帰させるように力を発生する復帰機構部と、
前記復帰機構部が発生する力を調整するための復帰力調整部と、
を備え、
前記ベースシリンダにはオリフィス孔が設けられ、
前記プランジャ部の1つのプランジャには、制御棒が強固に固定され、
前記プランジャ部の収縮時に減速性能を確保するための前記制御棒が前記ベースシリンダに設けられた前記オリフィス孔に挿入される、
ことを特徴とするエレベータ用緩衝器。 - 前記復帰機構部が前記ベースシリンダの外周に設けられた外周復帰機構部シリンダからなり、前記外周復帰機構部シリンダが前記ベースシリンダの油室と連通して前記作動油が導入される油室と、前記油室内への作動油の導入により摺動するピストンと、前記ピストンを前記プランジャ部を延びた状態にさせる方向に押圧する押圧手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用緩衝器。
- 前記復帰機構部が前記ベースシリンダと通油管を介して連通された少なくとも1つの外部復帰機構部シリンダからなり、前記各外部復帰機構部シリンダが前記ベースシリンダの油室と連通して前記作動油が導入される油室と、前記油室内への作動油の導入により摺動するピストンと、前記ピストンを前記プランジャ部を伸びた状態にさせる方向に押圧する押圧手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用緩衝器。
- 前記復帰機構部が前記ベースシリンダ内に設けられ、前記ベースシリンダの油室内への作動油の導入により摺動するピストンと、前記ピストンを前記プランジャ部を伸びた状態にさせる方向に押圧する押圧手段と、からなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用緩衝器。
- 前記押圧手段が、圧縮ガスを用いたものであり、
前記復帰力調整部が圧縮ガスの気圧を調整する圧力調整弁からなることを特徴とする請求項2から4までのいずれか1項に記載のエレベータ用緩衝器。 - 前記プランジャ部の各プランジャの伸びる方向への可動範囲を制限するプランジャ間お
よびプランジャとベースシリンダ間に設けられるスペーサ部材を備え、
前記各スペーサ部材の大きさが、制限された前記プランジャ部の可動範囲が、緩衝器が
適用されるエレベータの速度によって決まる最小の可動距離となるように決められている
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のエレベータ用緩衝器。 - 前記プランジャ部において、プランジャの油室間およびプランジャの油室と前記ベースシリンダの油室間が直接連通していることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のエレベータ用緩衝器。
- 前記プランジャ部のプランジャが前記ベースシリンダ側端にベースシリンダ側のプランジャまたは前記ベースシリンダの油室をスライド方向と直交する方向に沿って仕切る底板を有し、プランジャの油室と、前記底板のプランジャ外周のストッパで仕切られたベースシリンダ側のプランジャのプランジャ上部油室との間または前記底板のプランジャ外周のストッパで仕切られた前記ベースシリンダのベースシリンダ上部油室との間が通油孔で連通していることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のエレベータ用緩衝器。
- 前記プランジャの油室と、前記通油孔によって連通する前記ベースシリンダ側のプランジャの前記プランジャ上部油室または前記ベースシリンダの前記ベースシリンダ上部油室の水平断面の面積を等しくし、前記プランジャの前記ベースシリンダまたは隣接するプランジャに対してスライドする距離を等しくすることを特徴とする請求項8に記載のエレベータ用緩衝器。
- 前記底板の上面において隣接する前記プランジャ部側のプランジャと接触する位置に緩衝材を設置することを特徴とする請求項8または9に記載のエレベータ用緩衝器。
- エレベータ用緩衝器のベースシリンダ内および前記ベースシリンダに対してスライド可能でかつベースシリンダと連通するプランジャ部内の作動油によって緩衝ストロークが確保される構造をとり、復帰力調整部により前記ベースシリンダおよびプランジャ部内の作動油の油量を調整し、
前記プランジャ部の収縮時に前記プランジャ部に設けられた減速性能を確保するための制御棒を前記ベースシリンダに設けられたオリフィス孔に挿入させる、
ことを特徴とするエレベータ用緩衝器の制御方法。
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