JP2007131939A - フェライト系快削ステンレス鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な被削性および耐食性を有するフェライト系快削ステンレス鋼を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のフェライト系快削ステンレス鋼は、質量%で、C:0.005%以上0.05%以下,Si:0.10%以上2.0%以下,Mn:0.05%以上0.6%以下,P:0.01%以上0.10%以下,S:0.30%以上0.60%以下,Cu:0.01%以上2.0%以下,Ni:0.01%以上2.0%以下,Cr:16.0%以上25.0%以下,Mo:0.01%以上4.0%以下,Ti:0.10%以上1.0%以下,O:0.015%以下,N:0.020%以下,Al:0.010%以上0.100%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、下記の式(1)ないし式(3)を満たすことを特徴とする。
0.08≦[Mn(%)]/[S(%)]≦1.66・・・式(1)
0.50≦[Ti(%)]/[S(%)]≦1.5・・・式(2)
[S(%)]/[C(%)]≧10.0・・・式(3)
【選択図】 なし

Description

本発明は、フェライト系快削ステンレス鋼に関する。
Fe系材料の被削性向上元素としては、S,Pb,Se,Bi,Te,Ca等が一般に知られている。このうちPbは、環境保護の観点から次第に敬遠されるようになってきており、その使用を制限する機器や部品が多くなっている。そこで、Sを被削性向上元素の主体として用いた材料が代替材料として考えられている。これは、主にMnS等の硫化物を生成させ、切屑時における硫化物への応力集中効果や工具と切屑の間の潤滑作用によって、被削性を高めるものである。
また、近年、精密電子機器やその他の弱電製品のメンテナンスフリー化を図るべく、比較的安価に高耐食性が得られるフェライト系ステンレス鋼が部品材料として広く用いられている。特に、寸法精度確保のため精密な仕上げ加工が要求される部品や加工代の大きい複雑形状の部品に用いるには、十分な被削性が要求されることから、快削性付与元素の添加量は増やされる傾向にある。また、これらの元素を複合添加して用いることも行われている。
特開平10−046292号公報
しかしながら、Sを快削性付与元素として用いる場合、添加が過剰になると、MnS成分が大気中や湿潤環境下で発錆するため、耐食性を劣化させる原因となる。また、MnSは、粗大化しやすい傾向にあるとともに、材料の鍛伸方向に延伸して針状化しやすい傾向にあるため、冷間加工などの加工時に硫化物を起点とした破壊が生じやすく、加工性を劣化させる原因ともなる。
本発明は、上記問題を鑑みて為されたものであり、良好な被削性および耐食性を有するフェライト系快削ステンレス鋼を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するため、本発明のフェライト系快削ステンレス鋼は、
質量%で、C:0.005%以上0.05%以下,Si:0.10%以上2.0%以下,Mn:0.05%以上0.6%以下,P:0.01%以上0.10%以下,S:0.30%以上0.60%以下,Cu:0.01%以上2.0%以下,Ni:0.01%以上2.0%以下,Cr:16.0%以上25.0%以下,Mo:0.01%以上4.0%以下,Ti:0.10%以上1.0%以下,O:0.015%以下,N:0.020%以下,Al:0.010%以上0.100%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、下記の式(1)ないし式(3)を満たすことを特徴とする。
0.08≦[Mn(%)]/[S(%)]≦1.66・・・式(1)
0.50≦[Ti(%)]/[S(%)]≦1.5・・・式(2)
[S(%)]/[C(%)]≧10.0・・・式(3)
なお、本明細書において“[X(%)]”とは、Xに表される元素の添加量を表す。
上記本発明のフェライト系快削ステンレス鋼では、鋼中に生成するMnS系硫化物について、良好な被削性を得るのに十分な量のSを含有させる一方で、耐食性劣化の原因となるMnを低減し、その代わりにTiやCrを含有させることによって、良好な被削性および耐食性を得ている。また、MnS系硫化物がTiやCrを含むことによって、大型化が抑制され、硬さが上昇して針状化が抑制されるため、異方性が改善する。なお、MnS系硫化物とは、MnSのみならず、Mnの一部がCrやTiなどの他の金属元素に置換された(Mn,Cr,Ti)S等の硫化物をも含む概念である。ここで、上記のようなTiやCrを含むMnS系硫化物は、特に、式(1)ないし式(3)を満たすことによって生成することができる。
(1)0.08≦[Mn(%)]/[S(%)]≦1.66・・・式(1)
[Mn(%)]/[S(%)]が当該範囲にあることにより、耐食性が劣化しない程度に、MnS系硫化物に含まれるMn量を低減することができる。かかる効果を得るには、[Mn(%)]/[S(%)]が1.66以下であることが必要である。望ましくは1.00以下とする。それを上回ると、MnS系硫化物中のMn成分が多くなり過ぎて、耐食性が損なわれてしまう。一方、コストとの兼ね合い、熱間加工性を十分に確保するためには、[Mn(%)]/[S(%)]が0.08以上であることが必要である。望ましくは0.20以上とする。
(2)0.50≦[Ti(%)]/[S(%)]≦1.5・・・式(2)
[Ti(%)]/[S(%)]が当該範囲にあることにより、MnS系硫化物が大型化および針状化しない程度に、MnS系硫化物に含まれるTi量を増加することができる。かかる効果を得るには、[Ti(%)]/[S(%)]が0.50以上であることが必要である。望ましくは0.70以上とする。他方、[Ti(%)]/[S(%)]が1.5を上回ると、MnS系硫化物に含まれるTi量が多くなり過ぎて、材料の硬さが過剰となってしまう。望ましくは1.20以下とする。
(3)[S(%)]/[C(%)]≧10.0・・・式(3)
[S(%)]/[C(%)]が当該範囲にあることにより、MnS系硫化物の組成が適正に保たれ、被削性(特にドリル加工性)を十分なものとすることができる。すなわち、[S(%)]/[C(%)]が10.0を下回るほどCが含まれている場合、MnS等と比較すると硬質なTi炭硫化物が生成してしまい、被削性(特にドリル加工性)に悪影響を及ぼす場合があることから、上記範囲にする必要がある。望ましくは13.0以上とする。
上記のようなTiやCrを含むMnS系硫化物は、MnS(Mn:60%程度,S:40%程度)におけるMnの一部を置換する形でTiやCrが固溶している。ここで、かかるMnS系硫化物では、含まれるCr量とTi量の合計がMn量を上回る関係にあり、また、含まれるCr量が少なくとも5%以上、同じくTi量が少なくとも10%以上となっている。また、かかるMnS系硫化物は、ビッカース硬さがHv400以上Hv800以下となっている。MnS系硫化物がこのように構成されることによって、上記の効果が得られる。なお、MnS系硫化物の成分については、EPMA(電子プローブ微小分析)等の分析により得られる成分ごとの面積から重量比を求めることができる。MnS系硫化物の硬さは、微小硬度計にて求めることができる。
以下、各成分の組成限定理由について説明する。
(4)C:0.005%以上0.05%以下
Cは、過度に添加すると、被削性向上に不利となる単体の炭化物を多量に生成してしまうため、0.05%以下の添加とする。望ましくは0.035%以下とする。但し、添加を過度に制限すると、コスト上昇を招いてしまうため、0.005%以上の含有を許容する。
(5)Si:0.10%以上2.0%以下
Siは、鋼の脱酸剤として添加するため、かかる効果を得るべく0.10%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、熱処理後の硬さが高くなって被削性が劣化してしまうため、2.0%以下の添加とする。被削性加工性を重視する場合、望ましくは1.0%以下とする。
(6)Mn:0.05%以上0.6%以下
Mnは、鋼の脱酸剤として作用するため、かかる効果を得るべく0.05以上の添加とする。他方、過度に添加すると、耐食性を劣化させるMnSを多く生成してしまうため、0.6%以下の添加とする。耐食性を重視する場合、望ましくは0.4%以下とする。
(7)P:0.01%以上0.10%以下
Pは、粒界に偏析して、粒界腐食感受性を高めたり、靭性の低下を招くため、0.10%以下に制限する。望ましくは0.03%以下とする。但し、過度の低減はコスト上昇を招いてしまうため、0.01%以上の含有を許容する。
(8)S:0.30%以上0.60%以下
Sは、被削性を向上させるMnS系硫化物の構成元素であり、十分な被削性向上効果を得るべく、0.30%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、熱間加工性が低下してしまうことから、0.60%以下の添加とする。また、被削性の向上と熱間加工性の低下との兼ね合いにより、下限については望ましくは0.35%以上とし、上限については望ましくは0.50%以下とする。
(9)Cu:0.01%以上2.0%以下
Cuは、耐食性(特に還元性酸環境中での耐食性)を向上させるのに有効であることから、かかる効果を得るべく0.01%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、熱間加工性が劣化してしまうことから、2.0%以下の添加とする。望ましくは1.0%以下、更に望ましくは0.6%以下とする。
(10)Ni:0.01%以上2.0%以下
Niは、Crのみでは十分でない耐食性を補填するために必要な元素である。かかる効果を得るべく0.01%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、コスト上昇を招いてしまうため、2.0%以下の添加とする。また、耐食性の向上とコスト上昇との兼ね合いにより、望ましくは1.0%以下、更に望ましくは0.6%以下とする。
(11)Cr:16.0%以上25.0%以下
Crは、耐食性を向上させる元素であり、かかる効果を得るべく16.0%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、コスト上昇を招くばかりでなく、熱間加工性が低下してしまうため、25.0%以下の添加とする。また、耐食性の向上とコスト上昇との兼ね合いにより、下限については望ましくは17.0%以上とし、上限については望ましくは22.0%以下とする。
(12)Mo:0.01%以上4.0%以下
Moは、耐食性や強度をより向上することができるため、かかる効果を得るべく0.01%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、熱間加工性を害するほか、コストの上昇を招いてしまうため、4.0%以下の添加とする。コスト面をより重視する場合、望ましくは1.5%以下とする。
(13)Ti:0.10%以上1.0%以下
Tiは、硫化物の大型化を抑制し、加工性に寄与するため、かかる効果を得るべく0.10%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、コストの上昇を招いてしまうため、1.0%以下の添加とする。また、加工性とコスト上昇との兼ね合いにより、下限については望ましくは0.20%以上とし、上限については望ましくは0.60%以下とする。
(14)O:0.015%以下
Oは、Tiと結合して被削性の向上には効果的でない酸化物を形成してしまうことから、極力低く抑制すべきであり、0.015%以下に制限する。製造コストとの兼ね合いであるが、望ましくは0.008%以下、更に望ましくは0.005%とする。
(15)N:0.020%以下
Nは、Tiと結合して被削性の向上には効果的でない窒化物を形成してしまうことから、極力低く抑制すべきであり、0.020%以下に制限する。製造コストとの兼ね合いであるが、望ましくは0.016%以下、更に望ましくは0.010%以下とする。
(16)Al:0.010%以上0.100%以下
Alは、鋼の脱酸剤として添加するため、かかる効果を得るべく0.010%以上の添加とする。他方、過度に添加すると、被削性に有害な酸化物を形成してしまうことから、0.100%以下の添加とする。望ましくは0.050%以下とする。
次に、本発明のフェライト系快削ステンレス鋼は、上記成分に加え、V:0.10%以上2.0%以下を含有させることができる。
(17)V:0.10%以上2.0%以下
Vは、被削性改善に寄与する元素であることから、かかる効果を得るべく0.10%以上添加することができる。但し、過度に添加すると、コストの上昇を招くことがあるため、2.0%以下の添加が好ましい。また、被削性とコストとの兼ね合いにより、下限については望ましくは0.20%以上とし、上限については望ましくは1.0%以下とする。
次に、本発明のフェライト系快削ステンレス鋼は、上記成分に加え、Pb:0.01%以上0.30%以下,Se:0.01%以上0.30%以下,Te:0.01%以上0.10%以下,Bi:0.01%以上0.30%以下のうち1種または2種以上を含有させることができる。
(18)Pb:0.01%以上0.30%以下,Se:0.01%以上0.30%以下,Te:0.01%以上0.10%以下,Bi:0.01%以上0.30%以下
Pb,Se,Te,Biは、被削性を更に向上させることが可能な元素であることから、かかる効果を得るべく各々0.01%以上添加することができる。但し、過度に添加すると、熱間加工性が低下することがあるため、Pbは0.30%以下,Seは0.30%以下,Teは0.10%以下,Biは0.30%以下とすることが好ましい。
次に、本発明のフェライト系快削ステンレス鋼は、上記成分に加え、Ca:0.0001%以上0.05%以下,Mg:0.0001%以上0.02%以下,B:0.0001%以上0.02%以下,REM:0.0100%以下,W:0.01%以上2.0%以下,Nb:0.01%以上0.50%以下,Ta:0.01%以上0.50%以下のうち1種または2種以上を含有させることができる。
(19)Ca:0.0001%以上0.05%以下,Mg:0.0001%以上0.02%以下,B:0.0001%以上0.02%以下,REM:0.0100%以下
Ca,Mg,B,REM(希土類元素)は、鋼の熱間加工性を向上させるのに有効な元素であることから、かかる効果を得るべく各々0.0001%以上添加することができる。但し、過度に添加すると、その効果は飽和し、逆に熱間加工性が低下することがあるため、Caは0.05%以下,Mgは0.02%以下,Bは0.02%以下,REMは0.0100%以下とすることが好ましい。
(20)W:0.01%以上2.0%以下
Wは、耐食性や強度をより向上させるのに有効な元素であることから、かかる効果を得るべく0.01%以上添加することができる。但し、過度に添加すると、熱間加工性を害するほか、コストの上昇を招くことがあるため、2.0%以下の添加とすることが好ましい。
(21)Nb:0.01%以上0.50%以下,Ta:0.01%以上0.50%以下
Nb、Taは、炭窒化物を形成し、鋼の結晶粒を微細化して靭性を高める効果があることから、かかる効果を得るべく各々0.01%以上添加することができる。但し、過度に添加すると、その効果は飽和してしまうため、各々0.30%以下の添加とすることが好ましい。
以下、本発明の効果を確認するために行った試験について説明する。
表1に示す成分組成の鋼種について、各々150kgを高周波誘導炉にて溶製し、冷却してインゴットを作製した。そして、各インゴットを1050〜1200℃に加熱し、熱間鍛造により20mmの丸棒に加工した。それらの丸棒を、更に780℃で4時間加熱した後、空冷(焼きなまし処理)して、以下に記述する各試験に供した。試験結果を表2に示す。
なお、表1中の比較鋼の組成において、本発明で規定する組成範囲を逸脱しているものには、下限を下回る場合は下向矢印(↓)、上限を上回る場合は上向矢印(↑)を付している。
Figure 2007131939
(A)被削性
(A−1)旋削性
旋削性評価は、旋削加工後のワーク外径変寸量および切屑形状によって評価した。
旋削加工は、超硬コーティングバイトを用いて、周速100mm/min,一回転当たりの切込み量0.10mm,一回転当たりの送り量0.01mm/revで不水溶性油による湿式にて実施した。外径変寸量は、サンプル50個の切削を行った後の初期ワークからの変寸量である。判定基準は、外径変寸量が30μm以下の場合を「小」、30μm超過100μm以下の場合を「中」、100μm超過の場合を「大」とした。更に、切屑形状を目視観察し、破砕性が良好であるものは「良」、破砕性が悪く切屑がつながった状態のものは「劣」とした。
(A−2)ドリル加工性
ドリル加工性評価は、ドリル加工後のドリル摩耗量および切屑形状により評価した。
ドリル加工は、ハイスドリルを用いて、周速30mm/min,ドリル径5mm,穴深さ20mm(非貫通),一回転あたりの送り量0.07mm/revで不水溶性油による湿式にて実施した。ドリル摩耗量は、100個の穴を加工した後の摩耗量である。判定基準は、ドリル磨耗量が50μm以下の場合を「小」、50μm超過150μm以下の場合を「中」、150μm超過の場合を「大」とした。更に、切屑形状は目視観察し、破砕性が良好であるものは「良」、破砕性が悪く切屑がつながった状態のものは「劣」とした。
(B)耐食性
耐食性評価試験は、塩水噴霧試験によって行った。
試験片は、直径10mm,高さ50mmの円柱形状のものを用い、表面をエメリー紙により#400番まで研磨加工し、脱脂洗浄して、これら各試料を温度30℃,5%NaClの塩水噴霧雰囲気中に96h保存した後、目視での外観判定により発錆の有無を確認した。
(C)硫化物の組成評価
硫化物の組成については、EPMA(電子プローブ微小分析)を用い、観察面において任意に10個の硫化物を選択して定量分析を行った。その代表例を表2に示す。
Figure 2007131939
表2に示す試験結果によると、本発明の組成範囲を充足する発明鋼1〜25は、比較鋼1〜5と比べて、良好な被削性および耐食性を有することがわかる。また、Vを含む発明鋼1〜5,7,8,10,12〜14,16,17,19〜22,25は、良好な被削性を有する。比較鋼1は、Sが不足であるため、被削性(旋削性およびドリル加工性)が不良となったと考えられる。比較鋼2はMnが過剰でTiが不足であるため、比較鋼3はTiが不足であるため、硫化物中のMnS成分が多くなり、その結果、耐食性が不良となったと考えられる。比較例4及び5は、Cが過剰であるため、Ti炭硫化物が生成し、その結果、被削性の中でも特にドリル加工性が劣化したものと考えられる。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.005%以上0.05%以下,Si:0.10%以上2.0%以下,Mn:0.05%以上0.6%以下,P:0.01%以上0.10%以下,S:0.30%以上0.60%以下,Cu:0.01%以上2.0%以下,Ni:0.01%以上2.0%以下,Cr:16.0%以上25.0%以下,Mo:0.01%以上4.0%以下,Ti:0.10%以上1.0%以下,O:0.015%以下,N:0.020%以下,Al:0.010%以上0.100%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、下記の式(1)ないし式(3)を満たすことを特徴とするフェライト系快削ステンレス鋼。
    0.08≦[Mn(%)]/[S(%)]≦1.66・・・式(1)
    0.50≦[Ti(%)]/[S(%)]≦1.5・・・式(2)
    [S(%)]/[C(%)]≧10.0・・・式(3)
  2. 請求項1に記載の成分に加え、V:0.10%以上2.0%以下を含有するフェライト系快削ステンレス鋼。
  3. 請求項1または2に記載の成分に加え、Pb:0.01%以上0.30%以下,Se:0.01%以上0.30%以下,Te:0.01%以上0.10%以下,Bi:0.01%以上0.30%以下のうち1種または2種以上を含有するフェライト系快削ステンレス鋼。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の成分に加え、Ca:0.0001%以上0.05%以下,Mg:0.0001%以上0.02%以下,B:0.0001%以上0.02%以下,REM:0.0100%以下,W:0.01%以上2.0%以下,Nb:0.01%以上0.50%以下,Ta:0.01%以上0.50%以下のうち1種または2種以上を含有するフェライト系快削ステンレス鋼。
  5. 鋼中に生成するMnS系硫化物に含まれるCr量が5%以上であり、同じく含まれるTi量が10%以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフェライト系快削ステンレス鋼。
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