JP2007131754A - インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ - Google Patents

インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ Download PDF

Info

Publication number
JP2007131754A
JP2007131754A JP2005327131A JP2005327131A JP2007131754A JP 2007131754 A JP2007131754 A JP 2007131754A JP 2005327131 A JP2005327131 A JP 2005327131A JP 2005327131 A JP2005327131 A JP 2005327131A JP 2007131754 A JP2007131754 A JP 2007131754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
active energy
energy ray
acrylate
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005327131A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4923523B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Shirouchi
一博 城内
Yasuo Yoshihiro
泰男 吉廣
Daisuke Nishida
大輔 西田
Masatoshi Takahashi
征寿 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2005327131A priority Critical patent/JP4923523B2/ja
Publication of JP2007131754A publication Critical patent/JP2007131754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4923523B2 publication Critical patent/JP4923523B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】加工性を要求される用途に関する、従来得られなかった延性または、硬化性能を有する印刷物を得ることのできるインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキの提供。
【解決手段】重合性モノマーを含むインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキであって、厚さ500μmのポリカーボネート基材上に形成したインキ硬化膜が、190℃環境下において、歪み速度2/minで延伸した場合、[式1]を満たす破断伸びを示すことを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキに関する。[式1](190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
【選択図】なし

Description

本発明は、インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキに関して、優れた加工性を有するインキの発明に関する。本発明のインキは、加工による美粧性を求められる内装、外装印刷用途や、CD、DVDなどへの印刷用途や、フレキシブル基材への印刷などを中心とした非浸透性基材への印刷に適している。
従来、活性エネルギー線硬化型インキは、オフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給、使用されてきたが、乾燥工程を簡略化によるコストダウンや、環境対応として溶剤の揮発量低減などのメリットから近年使用量が増加している。中でもインクジェットインキとしては水系と溶剤系が多く使用されており各々の特徴に応じて用途が使い分けられているが、工業用としては受容基材に制限があること、耐水性が比較的悪い点、インキの乾燥エネルギーが大きい、また、乾燥によるヘッドへのインキ成分付着などの問題点を有し、比較的揮発性の低い活性エネルギー線硬化型インキへの置き換えを期待されている。
しかし、従来の活性エネルギー線硬化型インキによる硬化膜は、固いがもろい特性を示す場合が多い。また、単純にTgを室温以下に下げた硬化膜は、曲げなどの可撓性には優れる反面、極度に硬度が低下することに由来する耐擦過性、耐摩擦性が低下するため、製造工程上のハンドリング、または、製品自身の品質として使用が困難となる。いずれの活性エネルギー線硬化膜も延伸加工特性に関しては従来の溶剤型インキに大きく劣ってしまう結果、特に成形加工を要求される高品質用途においては、代替を期待されながらも大幅な切り替えが進まないのが現状である。またこの状況は、現行の活性エネルギー線硬化型インキジェット用インキでも同様であるが、さらにインキジェットで安定吐出するために、粘度を高くとも数十cps程度に抑える必要があるうえ、ヘッド部材を浸食しないモノマーを選択使用する必要があるため、実際配合されるモノマーは非常に制限される結果、多くの要求特性を満たすインキが上市されていないのが現状である。
また、本発明の比較例で記載されるように、従来、架橋密度と延性は相関し、また、低架橋に設計されたインキの硬化性は悪化し、硬化後のべたつきが発生した。また、低架橋密度の硬化膜は、基材と密着していても硬化膜自身の強度が低いため硬化層間剥離をおこす場合があり、延性とべたつきや硬化膜強度がトレードオフの関係となりインキ設計上どちらかの性能を優先せざるを得ない状況であった。
このような問題を解決するため、本発明では従来の架橋密度と延性の関係を打破するインキまたは印刷物の提供を可能とした。また、当発明は、エチレン性二重結合間分子量を制御することにより、さらに効果的に発現することができた。また、単官能モノマーについて、延性に優れるモノマーを選択使用することで、さらに効果を高めることが可能となった。
無溶剤型の活性エネルギー線硬化型インキジェットインキとして、特許文献1は色素および50〜95%の重合可能モノマーで、最大70重量%の単官能モノマー、最大70重量%までの2官能モノマー、0〜10重量%の3あるいはそれ以上の官能性を有するモノマー構成のインキジェットインキを開示している。最大70重量%の単官能モノマーの構成とは、多官能モノマーを30重量%以上含み、硬化収縮の大きい多官能モノマーを多く使用するため、ポリカーボネートやポリエステル基材との密着性が悪く実用上適さないものであった。
特許文献2は接着成分としてアルコキシル化成分と非芳香族系複素環成分を持つモノマーで構成されたインキ組成物を開示している。このインクは、ポリカーボネート基材への密着、可撓制は良好なものの耐候性試験において、塗膜の基材密着性が劣化した。これは、アルコキシ化成分が水を吸収したため塗膜と基材界面に浮きを生じたためと思われる。この現象は特に低級アルコキシ基で顕著である。
特許文献3は硬化時の収縮を緩和するためポリカプロラクトンエステル成分とヒドロキシル成分を持った単官能以上のポリエステルウレタンオリゴマーと反応性希釈剤で構成されたインキ組成物を開示している。このインキは密着性と柔軟性をウレタンオリゴマー成分でもたせ、反応性希釈剤によって粘度を既定範囲に調整しているが、粘度が高く、粘度の温度依存性が比較的大きく、インキジェット適性に課題が残る。
また、オリゴマー成分を必要量添加するためテトラヒドロフルフリルアクリレートなどの低粘度反応希釈剤の選択が必要となり、ヘッド周辺部材の侵食によりヘッドの使用期間が短くなりコストアップになるなど課題が多い。また、一般的にウレタン系樹脂などのイナート樹脂またはオリゴマーを構成要素として含有した場合、延性が向上する場合が多いとされている。
特許文献4では、ポリカーボネートへの密着性、加工性に優れた紫外線硬化型インキを提示しているが、このインキでは、ポリウレタン系オリゴマーを必須で使用するため高粘度になり、インキジェットではとても吐出できない。また、加温により粘度を吐出可能なまでに低下させた場合であっても、インキ吐出時、ポリウレタン系オリゴマーの高分子量成分に起因するインキの糸曳き現象が発現し、汚れの原因となり、事実上使用できない。また、当文献に記載の方法により合成されるポリカプロタクトン系ウレタンアクリレートは、あらかじめ作成したウレタンの両末端についている−NCO基にヒドロキシアクリレートを付加させ得るため、2官能のオリゴマーとなる。当文献では、ウレタンの有する可撓性、密着性により後加工性を付与しているが、2官能モノマーを多量に配合することになる結果、わずかな延伸加工には対応可能であるが、本発明に記載する程度の大きな延伸加工性を得ることができない。
また、本検討で明確となった重要な事項として、反応性を持たないイナート樹脂や、比較的高分子量を有するオリゴマーなどを使用することは、単純に硬化膜の架橋密度を低下させることにより、延性を向上させているに過ぎないことがわかった。つまり、イナート樹脂や、オリゴマーを使用し、所望の延性を得ることは、本発明で記載される従来の発明の分類に従属し、延性を求めれば塗膜がべたつく、反応性が悪くなる、硬化膜強度が低下するなどの問題が発生していた。
特開平5−214280号公報 特表2004−518787号公報 特開平6−184484号公報
本発明は、加工性を要求される用途に関する、従来得られなかった延性または、硬化性能を有する印刷物を得ることのできるインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキの提供を目的とする。
すなわち、本発明は、重合性モノマーを含むインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキであって、厚さ500μmのポリカーボネート基材上に形成したインキ硬化膜が、190℃環境下において、歪み速度2/minで延伸した場合、[式1]を満たす破断伸びを示すことを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキに関する。
[式1]
(190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
また、前記重合性モノマー中のエチレン性二重結合間分子量が250以上である多官能モノマーを含有することを特徴とする上記記載の活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、前記重合性モノマーが、モノマー全体に対して単官能モノマーを50重量%以上含有することを特徴とする上記記載の活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、前記単官能モノマー中、含有するモノマーの一部がフェノキシエチルアクリレートとイソボルニルアクリレートであることを特徴とする上記記載の活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、前記重合性モノマー中、フェノキシエチルアクリレートが30重量%〜90重量%、並びにイソボルニルアクリレートが10重量%〜40重量%であることを特徴とする上記記載の活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、印刷基材に、上記記載の活性エネルギー線硬化型インキで印刷してなる印刷物に関する。
本発明のインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキは、従来の延伸加工性を有した場合、これまでの塗膜の硬化性や強度を凌駕する印刷物の提供が可能であり、また、従来の硬化性や塗膜硬度を有する印刷物については、高い延伸加工性を有する印刷物の提供が可能である。その効果は、本発明に記載される[図1]に示される通り、従来にいない領域の性能を発現することを示す。具体的な用途としては、インキジェット印刷後変形加工を行う用途を要求される印刷において、従来硬化後のタック残りや、インキの硬化層内剥離による密着不良を解決することが出来る。この効果は、印刷後の活性エネルギー線の過剰露光や、加熱処理などの印刷後の工程低減を可能とし、リードタイム短縮による大幅なコスト削減が実現された。
本発明による活性エネルギー線硬化型インキでは、各種基材上へのインキジェット吐出後の硬化塗膜において、式1に規定される延性は、従来無い延性であることが分かり、その結果、従来得られない延性または、従来と同程度に延性を付与させた場合の硬化性向上、硬化膜強度の向上が期待できる。
具体的には
(190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
上記式を超える場合、従来技術による架橋点間分子量と延性の関係を超えた塗膜であることが分かった。
このことは、本発明において、架橋点間分子量が延性に対していかに重要な要素であるかを示唆し、総じていえるのは、高度に架橋がなされた硬化塗膜は、延性が低いということである。
本発明で記載する破断伸びとは、引張り延伸を行った際に、塗膜表面が破断した時点の延性を示す。計算方法としては、以下の式で表される[計算式1]を用いて算出される。つまり、初期長さに対し等倍延びた場合を100%とする。
[計算式1]
破断伸び(%)=(実際に延びた長さ+初期長さ)/初期長さ×100
また、本発明で記載する架橋点間分子量は、以下の[計算式2]で記載される。
[計算式2]
架橋点間分子量=平均分子量×単官能モノマーのモル比×2/多官能モノマー平均官能基数
平均分子量=Σ(各モノマーの分子量×各配合重量%)
単官能モノマーのモル比=(Σ(各配合重量%/各モノマーの分子量))
/Σ(各配合重量%/各多官能モノマーの分子量)
多官能モノマー平均官能基数=Σ(各多官能モノマーの官能基数
×(各多官能モノマーの配合重量%/各多官能モノマーの分子量)
/Σ(各多官能モノマーの配合重量%/各多官能モノマーの分子量))
ここで示される架橋点間分子量は、多官能モノマーの一端の二重結合と、他の二重結合との間に挟まれる平均の分子量を示している。実際の架橋点間分子量とは異なる可能性があるが、この式の汎用性は、本発明の実施例で示される通りである。また、当式は、重合性二重結合を有するモノマーのみを含有する系のみに適応されるばかりではなく、重合性反応基を有さないイナート樹脂を使用した場合、単官能モノマー分として計算することで充分適応可能である。また、インキ中に含有される顔料、分散剤、開始剤及び添加剤などは、上記式には無関係である。
また、請求項記載の条件以外、たとえば密着性が顕著に得られにくい基材で評価を行った場合や、温度、歪み速度を異なった条件で延伸を行った場合、硬化の条件を変更した場合などは、請求項記載の条件からずれが生じる場合があるため、同条件と見なされない。本発明は、請求項記載の条件で延伸を行った場合、従来とは異なる延性を示すことができるインキまたはその印刷物に関する発明であるため、実際の用途としては、基材や延伸条件、加工条件を限定するものではない。
また、本発明で記載される硬化とは、インキをインキジェットまたは、バーコーターなどの塗工方法で基材上に塗布した後、活性エネルギー線、たとえば紫外線を照射してインキからなる硬化膜表面からタックが無くなった場合を示す。タックは指触評価などで判断可能である。たとえば、コンベア式の紫外線照射装置を用いた場合、照射パス回数を重ね、パス回数を重ねてもタックが変化しなくなった硬化膜を示す。インキの種類によっては、タックが消えずにのこる場合もあるが、その場合もパス回数を重ねても変化しなければ、硬化膜と判断する。また、硬化方法、硬化条件は、これに限られるものではない。
また、この従来の延性と架橋点間分子量の一般的関係の領域から、より効果的に脱却させるために、多官能モノマーのエチレン性二重結合間分子用が250以上である構造を有する多官能モノマーを配合することが重要であった。
本発明で記載するエチレン性二重結合間分子量とは、多官能モノマーの分子内における、二重結合と二重結合の間にある分子量を示す。たとえば、構造が既知の2官能モノマーであれば、二重結合の間に存在する分子量を計算で算出可能である。また、3官能以上の官能基数を有するモノマーの場合、以下の[計算式3]で算出することができる。
[計算式3]
エチレン性二重結合間分子量=二重結合以外の分子量×2/分子内の二重結合数
また、新規に重合されるモノマーなどにおいて、構造が限定されない場合、NMR、GPC、GC/MS分析などにより構造を特定して使用することもできる。また、分子末端に二重結合が配位していない構造を有するモノマーの場合、二重結合間距離を具体的に算出することで、また二重結合間距離の一定ではない場合、その平均二重結合間分子量を持って本発明の定義とする。
いずれの場合においても、本発明で記載するエチレン性二重結合間分子量とはエチレン部分の分子量は除いて算出する。また、エチレン部分の水素がメチル基などに置換されている場合もこれを含まずに算出する。
さらに具体的に説明すると、上記[計算式3]中の二重結合以外の分子量は、ジアクリレートモノマーの場合、モノマーの分子量から一つの二重結合を27として、54を引いた値を指す。
本発明によると、このエチレン性二重結合間分子量が250より小さい場合、十分な延性が得られなかったり、塗膜強度が低下したりした。
活性エネルギー線で硬化を行った場合、硬化膜は、面方向に対して巨視的にみると均一架橋であるが、降下中に発生するインキの粘度上昇により、つまり、硬化初期に発生する重合、架橋反応による分子のモビリティーの低下が原因となり、微視的に見た場合不均一架橋といわれる。それでもエチレン性二重結合間分子量が大きい場合、架橋点が微視的に、又は局所的に均一構造に近くなり、その結果、硬化膜の架橋点間分子量が均一化することにより、延性が向上するものと思われる。また、エチレン性二重結合間分子量が小さい場合、架橋点が部分的に不均一となり、延伸などの変形を行った場合、この短い架橋点に応力が集中し破断が発生すると思われる。また、この架橋点の不均一性は、硬化膜の強度低下の原因ともなると考えられる。
また、エチレン性二重結合間分子量が300以上のモノマーは、さらに高い延性や、硬化膜強度を得ることができるため、より好適に用いることができる。
しかし、エチレン性二重結合間分子量が1000以上の比較的高分子量の多官能モノマーは、所望の架橋点間分子量を得るために、多量に配合する必要があり、粘度の上昇が発生し、インキジェット印刷機で吐出できなくなる場合があるため、好ましくない。
上記記載の通り、一般的には破断伸びは、架橋点間分子量に大きく依存するため、多官能モノマーを多量に含有するインキの延性は低いが、本発明により、ある程度の効果は望むことが可能である。またさらに、単官能モノマーを50重量%以上含有するインキにおいては、本発明の効果が充分発揮され、延性や塗膜強度に対して著しい効果を期待することができる。
中でも単官能モノマーとして、フェノキシエチルアクリレートとイソボルニルアクリレートを併用したインキは、高い延性を示した。理由は定かではないが、フェノキシエチルアクリレートとイソボルニルアクリレートは重合の繰り返し性がよく、結果硬化膜の分子量が高くなり、延伸時、破断の原因である分子末端から発生するボイドの低減に繋がると類推する。
具体的な使用量として、フェノキシエチルアクリレートは活性エネルギー線による硬化反応性が高いため、含有率が30重量%未満である場合、硬化速度が低下する。また、90重量%以上含有した場合、硬化膜のTgが低下し、柔軟であるが硬度の低い硬化膜となる。また、イソボルニルアクリレートは、粘度が低いため反応性希釈剤としてしばしば使用されることがあるが、40重量%を超えて配合された場合、重合性がフェノキシエチルアクリレート程優れていないため、硬化膜に臭気が残ったり、場合によっては硬化不良を引き起こしたりする結果、生産性を悪化する場合がある。また、10重量%未満に配合した場合、フェノキシエチルアクリレートとの相互作用による延性向上の効果が観察されにくくなる。
さらに高い延性や、硬化速度を得るために、フェノキシエチルアクリレートを45重量%〜80重量%、並びにイソボルニルアクリレートを10重量%〜25重量%使用することで、より好適な塗膜を得ることができる。
また、インキに使用する重合性モノマーは、一般的な重合性モノマーを用いることができる。
単官能モノマーの具体例としては、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレートエチレンオキサイド並び/またはプロピレンオキサイド付加モノマー、アクリロイルモルホリン、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、N-ビニルホルムアミドを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、多官能モノマーの具体例としては、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。これら単官能、多官能のモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
また、さらに延性や、強度に優れる硬化膜を得るために、エチレン性二重結合間分子量が250以上である多官能モノマーの使用量が使用する多官能モノマー中50重量%以上であることが好ましい。
また、エチレン性二重結合間分子量が高いほど良好な延性が得られる傾向があるが、エチレン性二重結合間分子量が2000を超えるモノマーを使用した場合、粘度が高くなり、インキジェットで印刷することが困難になる。
本発明で説明する活性エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線などの被照射体の電子軌道に影響を与え、ラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示すが、重合反応を誘発させるエネルギー線であれば、これに限定しない。
本発明で示されるインキとは、基材表面に印刷、または塗工される液体を示す。
このインキは、着色成分を含まない場合、コーティング用途として用いることができ、単独のコーティング層として、または後述の着色剤を含むインキとの積層コーティングを行うこともできる。また硬化膜の硬度、擦過性などの耐久性や成型加工性、あるいは艶の制御といった意匠性を付与するために、各種フィラーや樹脂成分を添加することもできる。フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、球状シリカ、中空シリカなどの体質顔料や樹脂ビーズなどを挙げることができ、樹脂成分としては、活性エネルギー線に不活性な樹脂であれば特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリビニル系樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂)、セルロース系樹脂(例えば、CAB樹脂、CAP樹脂)などを挙げることができる。これらのフィラーや樹脂成分を添加する場合は、インクジェット適性を考慮して種類や配合組成を考慮することが好ましいが、他の印刷方法、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、あるいはスプレー塗工などによるコーティングを行ってもよい。なお、着色剤を含むインキとの積層コーティングにおいては、本発明のインキ以外の一般印刷用途、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などで使用されているコーティング材を本発明の着色剤を含むインキ層の上に積層してもよいし、別途成型されたコーティング層(フィルムなど)をラミネート転写する、あるいはスプレー塗工材などによる積層を行うこともできる。
一方、本発明のインキに着色成分を含有する場合、グラフィックや、文字、写真などを表示する材料として用いることができる。着色成分としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。顔料成分の中で、カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」などを挙げることができる。また、本発明ではイエロー、マゼンタ、シアンインキまたは、その他の色、たとえば白などにおいては、一般的な印刷用途、塗料用途のインキに用いられる顔料を使用することができ、発色性、耐光性などの点から必要に応じて選択することができる。
なお、顔料のインキ全体に対する比率は、インキ100重量部に対して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、0.2重量部〜15重量部の割合でまた、白の酸化チタンの場合は5重量部〜40重量部の任意の割合で配合することが好ましい。
また本発明のインキには、フィラーや顔料を分散安定化するための分散剤、その他各機能を持たせるための添加剤を使用することができる。
分散剤としては、高分子型分散剤、低分子型分散剤など多種の分散剤が存在するが、分散性に応じて選択することができる。分散補助剤として、顔料誘導体を用いることができる。
また、添加剤としては、従来使用されている、ぬれ性調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、紫外線防止剤などをもちいることができる。
いずれの分散剤、分散補助剤、添加剤も目的とする用途に応じ選択可能であり、本発明においては何れも限定されるものではない。
また、紫外線を活性エネルギー線として用いた場合、インキ中に光重合開始剤を含有させる。この光重合開始剤は、硬化速度、硬化塗膜物性、着色材料により自由に選択することができる。具体的には、光ラジカル重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。具体例としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2、4、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
また上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光ラジカル重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
本発明には、インキの経時での安定性、記録装置内での機上の安定性を高めるため、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、ピロガロール、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤をインキ中0.01〜5重量重量%配合することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて1種類以上使用することができる。
また、電子線を活性エネルギー線として用いる場合、上記開始剤や増感剤を除いて配合することにより、電子線硬化用インキとして調整可能である。
本発明のインキは、顔料の異なる複数、例えば4種、5種、6種、7種などのインキのセットとして用いることができる。例えば、4種であれば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、あるいは、イエロー、マゼンタ、シアン、ホワイトなどが例示できる。
本発明のインキは、インキジェット吐出装置によって、印刷基材へ印刷し使用することができる。印刷基材には、特に限定はないが、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、並びにガラス、ステンレスなどの金属基材、木材が挙げられる。
また、上記基材に印刷した後、加工を行う場合、その加工温度などの加工条件は、必要に応じて設定することができる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」を表す。
まず、下記のような配合で顔料分散体Aを作成した。以下分散体は、モノマーに顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・ソルスパーズ32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 9部
・フェノキシエチルアクリレート 61部
また、下記のような配合で顔料分散体Bを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Novoperm Yellow P-HG(クラリアント社製 Benzimidazolone顔料) 35部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 7部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
また、下記のような配合で顔料分散体Cを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Hostaperm Red E5B02(クラリアント社製 キナクリドン顔料) 20部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 74部
また、下記のような配合で顔料分散体Dを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Special Black 350(デグサ社製 カーボンブラック顔料) 30部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 64部
また、下記のような配合で顔料分散体Eを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・タイヘ゜ークPF740(石原産業社製 シリカ処理1.0%、アルミナ処理2.0%の白顔料) 40部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤) 2部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
実施例1
表1の原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキを作成した。このインキをインキジェット吐出装置により、膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上に吐出した。吐出の直後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、照射距離10cm、コンベア速度5m/min、1Passで紫外線硬化し、表面の硬貨を確認した後、硬化膜を得た。
実施例2〜実施例8
実施例1と同様に表1記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化を行い、硬化膜を得た。
比較例1〜比較例7
実施例1と同様に表2記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化を行い、硬化膜を得た。
上記硬化膜を24時間室温に放置した後の硬化膜を、打ち抜き機(Dumbbell社製)を用いて基材ごとダンベル形状に打ち抜き、得られたテストピースをテンシロン(UCT−1T:ORIENTEC社製)を用いて190℃に加温し、基材ごと引張り試験を行った。硬化膜の破断点はロードセルから得られる張力変化からとらえることが困難であったため、目視で硬化膜表面の破断を確認した時点での伸びを%へ換算し表記した。
また、硬化速度は、別途測定した。
膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上にバーコーター#8(テスター産業社製)を用いて塗工した後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、照射距離10cm、コンベア速度20m/minで紫外線硬化し、硬化膜のタックが変化しなくなったパス回数を硬化速度として評価した。
各処方の構成ならびに、評価結果について、表1、表2、図1に示した。図1は、本発明の効果をより明確に把握できるように、架橋点間分子量と、破断伸びについてプロットした結果を示した。
そもそも、本発明の重要なポイントは、活性エネルギー線硬化した硬化膜は、延性が悪く、また、延性を重視すると、タックが発生するなどの問題を解決するために取り組んだ。本発明の検討中、タックのような数値化することが困難な物性が、架橋点間分子量という具体的な数値として表されることを把握し、タックが残る硬化膜ほど、架橋点間分子量は大きく、タックの少ない硬化膜の架橋点間分子量は小さい結果を示した。また、この架橋点間分子量という考え方を用いると、従来の硬化膜の延性は、架橋点間分子量に一義的に決定されていることも把握し、このトレードオフの関係を打破する本発明に至った。つまり、図3は、架橋点間分子量と破断伸びを示しているが、タックと延性の関係を意図している。
図1中の実1および、比1は、それぞれ実施例1、並びに比較例1を示す。また、その他の結果の同様に記載した。
Figure 2007131754
Figure 2007131754
実施例1〜10は、表1に、比較例は表2に、また、図1にはそれぞれの結果のプロットを示した。この結果から、実施例1〜10は、比較例1〜8の従来の硬化膜の結果に比べて、高い延性を示し、本発明に規定した領域内に存在する。この結果は、二重結合間分子量が大きいことも影響を与えている。また、実施例5は、イソボルニルアクリレートの添加量が少なかったため、また、実施例6と実施例8は、フェノキシエチルアクリレートの添加量が少なかったため、硬化速度は若干低下した。
比較例1〜8は、二重結合間分子量が小さいモノマーを使用しており、延性は従来の領域内であることを示した。また、比較例2、7は、フェノキシエチルアクリレートを少ない配合された結果、硬化速度は顕著に低下した。さらに比較例2では、イソボルニルアクリレートの配合もないため、延性はさらに低い値を示した。
さらに実施例1〜6記載いずれかのインキを使用して印刷した印刷物に実施例7または8記載の着色成分を含まないインキを用いて積層コーティングを行ったところ、どの印刷物も高い延性を示し、またタックも残らない十分に実用的な印刷物が得られた。
本発明のインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキは加工性に優れ、硬化性に優れるものである結果、従来加工が困難であるとされるUV印刷、なかでも使用するモノマーの規制の厳しいインキジェット印刷において、用途を大きく広げることができた。特に、加工による美粧性を求められる内装、外装印刷用途や、CD、DVDなどへの印刷用途や、フレキシブル基材への印刷などを中心とした非浸透性基材への印刷に適している。
各例で得られたインキの硬化膜の架橋点間分子量と破断伸びの関係を示すグラフ

Claims (6)

  1. 重合性モノマーを含むインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキであって、厚さ500μmのポリカーボネート基材上に形成したインキ硬化膜が、190℃環境下において、歪み速度2/minで延伸した場合、[式1]を満たす破断伸びを示すことを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキ。
    [式1]
    (190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
  2. 重合性モノマーが、エチレン性二重結合間分子量が250以上である多官能モノマーを含有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  3. 重合性モノマーが、重合性モノマー全体に対して単官能モノマーを50重量%以上含有することを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  4. 単官能モノマーが、フェノキシエチルアクリレートとイソボルニルアクリレートを含有することを特徴とする請求項3記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  5. 重合性モノマーが、フェノキシエチルアクリレートが30重量%〜90重量%およびイソボルニルアクリレートが10重量%〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  6. 印刷基材に、請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキで印刷してなる印刷物。
JP2005327131A 2005-11-11 2005-11-11 インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ Expired - Fee Related JP4923523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005327131A JP4923523B2 (ja) 2005-11-11 2005-11-11 インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005327131A JP4923523B2 (ja) 2005-11-11 2005-11-11 インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007131754A true JP2007131754A (ja) 2007-05-31
JP4923523B2 JP4923523B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=38153671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005327131A Expired - Fee Related JP4923523B2 (ja) 2005-11-11 2005-11-11 インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4923523B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191118A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録方法及び印刷物
JP2011137070A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Seiko Epson Corp 放射線硬化型インク組成物、ならびにインクジェット記録方法および記録物
WO2011090103A1 (ja) * 2010-01-21 2011-07-28 株式会社フジクラ 電子線硬化用導電性ペースト及びこれを用いた回路基板の製造方法
JP2011195732A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujifilm Corp 硬化膜及び硬化膜の形成方法
US8070968B2 (en) 2009-03-13 2011-12-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultraviolet-curable resin material for pattern transfer and magnetic recording medium manufacturing method using the same
US8173029B2 (en) 2009-03-18 2012-05-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording medium manufacturing method
JP2012167161A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Seiko Epson Corp 紫外線硬化型インク組成物
WO2013015155A1 (ja) * 2011-07-22 2013-01-31 株式会社フジクラ 電子線硬化用導電性ペースト及びこれを用いた回路基板の製造方法
US8372575B2 (en) 2009-03-13 2013-02-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultraviolet-curing resin material for pattern transfer and magnetic recording medium manufacturing method using the same
US8604095B2 (en) 2009-12-28 2013-12-10 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
US8901200B2 (en) 2010-02-12 2014-12-02 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording process, and recorded matter
WO2015005453A1 (ja) * 2013-07-12 2015-01-15 株式会社Dnpファインケミカル 積層体及びそれに用いる活性エネルギー線硬化型インク組成物
JP2015081294A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 株式会社リコー 光重合性インクジェットインク、インクカートリッジ、及び画像乃至硬化物の形成方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003292855A (ja) * 2002-04-08 2003-10-15 Konica Corp インクジェット記録用インクおよび画像形成方法
WO2006129530A1 (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 紫外線硬化型インクジェットインク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003292855A (ja) * 2002-04-08 2003-10-15 Konica Corp インクジェット記録用インクおよび画像形成方法
WO2006129530A1 (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 紫外線硬化型インクジェットインク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191118A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録方法及び印刷物
US8372575B2 (en) 2009-03-13 2013-02-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultraviolet-curing resin material for pattern transfer and magnetic recording medium manufacturing method using the same
US8070968B2 (en) 2009-03-13 2011-12-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultraviolet-curable resin material for pattern transfer and magnetic recording medium manufacturing method using the same
US8551685B2 (en) 2009-03-13 2013-10-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultraviolet-curing resin material for pattern transfer and magnetic recording medium manufacturing method using the same
US8173029B2 (en) 2009-03-18 2012-05-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording medium manufacturing method
US8709549B2 (en) 2009-12-28 2014-04-29 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
US8604095B2 (en) 2009-12-28 2013-12-10 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
US9243156B2 (en) 2009-12-28 2016-01-26 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
US8470904B2 (en) 2009-12-28 2013-06-25 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
US9701858B2 (en) 2009-12-28 2017-07-11 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
JP2011137070A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Seiko Epson Corp 放射線硬化型インク組成物、ならびにインクジェット記録方法および記録物
JP2011150897A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Fujikura Ltd 電子線硬化用導電性ペースト及びこれを用いた回路基板の製造方法
CN102667962A (zh) * 2010-01-21 2012-09-12 株式会社藤仓 电子束固化用导电性糊料以及使用其的电路基板的制造方法
WO2011090103A1 (ja) * 2010-01-21 2011-07-28 株式会社フジクラ 電子線硬化用導電性ペースト及びこれを用いた回路基板の製造方法
US8734910B2 (en) 2010-01-21 2014-05-27 Fujikura Ltd. Electroconductive paste for electron beam curing and circuit board production method using same
US8901200B2 (en) 2010-02-12 2014-12-02 Seiko Epson Corporation Radiation-curable ink composition, ink jet recording process, and recorded matter
JP2011195732A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujifilm Corp 硬化膜及び硬化膜の形成方法
JP2012167161A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Seiko Epson Corp 紫外線硬化型インク組成物
WO2013015155A1 (ja) * 2011-07-22 2013-01-31 株式会社フジクラ 電子線硬化用導電性ペースト及びこれを用いた回路基板の製造方法
WO2015005453A1 (ja) * 2013-07-12 2015-01-15 株式会社Dnpファインケミカル 積層体及びそれに用いる活性エネルギー線硬化型インク組成物
JP2015081294A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 株式会社リコー 光重合性インクジェットインク、インクカートリッジ、及び画像乃至硬化物の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4923523B2 (ja) 2012-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4923523B2 (ja) インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ
JP4899430B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
JP5265916B2 (ja) インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ
JP5520445B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
JP2007056232A (ja) インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ
JP5520444B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
KR101643597B1 (ko) 활성 에너지선 경화성 잉크젯 기록용 잉크
EP3101072B1 (en) Inkjet ink composition for printing on building materials, inkjet ink set for printing on building materials, inkjet recording method, and decorative building materials
CA2644276C (en) High elongation vacuum formable digital ink
JP5576038B2 (ja) 紫外線硬化型インキ組成物、および、それを用いた車両用室内表示物
JP4702204B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
JP6828273B2 (ja) 光造形用硬化性組成物、光硬化物、及び成形品の製造方法
JP2010116460A (ja) 紫外線硬化型インクジェットインキ
JP5153257B2 (ja) 紫外線硬化型インキ組成物および印刷表示物
JP2019119748A (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキセット
WO2015147178A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物
EP3303488B1 (en) A printing ink
JP5621251B2 (ja) 紫外線硬化型インクジェットインキおよび印刷物
JP2010132739A (ja) 紫外線硬化型インクジェットインキ
US11098211B2 (en) Photocurable inkjet primer ink composition, inkjet ink set and inkjet recording method
JP2011116874A (ja) 紫外線硬化型インクジェットインキおよび印刷物
MX2008000481A (es) Tinta curable con haz de energia activa para impresion por chorro de tinta.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111102

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4923523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees