JP2007131754A - インキジェット用活性エネルギー線硬化型インキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合性モノマーを含むインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキであって、厚さ500μmのポリカーボネート基材上に形成したインキ硬化膜が、190℃環境下において、歪み速度2/minで延伸した場合、[式1]を満たす破断伸びを示すことを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキに関する。[式1](190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
【選択図】なし
Description
また、本発明の比較例で記載されるように、従来、架橋密度と延性は相関し、また、低架橋に設計されたインキの硬化性は悪化し、硬化後のべたつきが発生した。また、低架橋密度の硬化膜は、基材と密着していても硬化膜自身の強度が低いため硬化層間剥離をおこす場合があり、延性とべたつきや硬化膜強度がトレードオフの関係となりインキ設計上どちらかの性能を優先せざるを得ない状況であった。
また、オリゴマー成分を必要量添加するためテトラヒドロフルフリルアクリレートなどの低粘度反応希釈剤の選択が必要となり、ヘッド周辺部材の侵食によりヘッドの使用期間が短くなりコストアップになるなど課題が多い。また、一般的にウレタン系樹脂などのイナート樹脂またはオリゴマーを構成要素として含有した場合、延性が向上する場合が多いとされている。
また、本検討で明確となった重要な事項として、反応性を持たないイナート樹脂や、比較的高分子量を有するオリゴマーなどを使用することは、単純に硬化膜の架橋密度を低下させることにより、延性を向上させているに過ぎないことがわかった。つまり、イナート樹脂や、オリゴマーを使用し、所望の延性を得ることは、本発明で記載される従来の発明の分類に従属し、延性を求めれば塗膜がべたつく、反応性が悪くなる、硬化膜強度が低下するなどの問題が発生していた。
[式1]
(190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
(190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437
上記式を超える場合、従来技術による架橋点間分子量と延性の関係を超えた塗膜であることが分かった。
このことは、本発明において、架橋点間分子量が延性に対していかに重要な要素であるかを示唆し、総じていえるのは、高度に架橋がなされた硬化塗膜は、延性が低いということである。
本発明で記載する破断伸びとは、引張り延伸を行った際に、塗膜表面が破断した時点の延性を示す。計算方法としては、以下の式で表される[計算式1]を用いて算出される。つまり、初期長さに対し等倍延びた場合を100%とする。
[計算式1]
破断伸び(%)=(実際に延びた長さ+初期長さ)/初期長さ×100
また、本発明で記載する架橋点間分子量は、以下の[計算式2]で記載される。
[計算式2]
架橋点間分子量=平均分子量×単官能モノマーのモル比×2/多官能モノマー平均官能基数
平均分子量=Σ(各モノマーの分子量×各配合重量%)
単官能モノマーのモル比=(Σ(各配合重量%/各モノマーの分子量))
/Σ(各配合重量%/各多官能モノマーの分子量)
多官能モノマー平均官能基数=Σ(各多官能モノマーの官能基数
×(各多官能モノマーの配合重量%/各多官能モノマーの分子量)
/Σ(各多官能モノマーの配合重量%/各多官能モノマーの分子量))
ここで示される架橋点間分子量は、多官能モノマーの一端の二重結合と、他の二重結合との間に挟まれる平均の分子量を示している。実際の架橋点間分子量とは異なる可能性があるが、この式の汎用性は、本発明の実施例で示される通りである。また、当式は、重合性二重結合を有するモノマーのみを含有する系のみに適応されるばかりではなく、重合性反応基を有さないイナート樹脂を使用した場合、単官能モノマー分として計算することで充分適応可能である。また、インキ中に含有される顔料、分散剤、開始剤及び添加剤などは、上記式には無関係である。
また、請求項記載の条件以外、たとえば密着性が顕著に得られにくい基材で評価を行った場合や、温度、歪み速度を異なった条件で延伸を行った場合、硬化の条件を変更した場合などは、請求項記載の条件からずれが生じる場合があるため、同条件と見なされない。本発明は、請求項記載の条件で延伸を行った場合、従来とは異なる延性を示すことができるインキまたはその印刷物に関する発明であるため、実際の用途としては、基材や延伸条件、加工条件を限定するものではない。
また、本発明で記載される硬化とは、インキをインキジェットまたは、バーコーターなどの塗工方法で基材上に塗布した後、活性エネルギー線、たとえば紫外線を照射してインキからなる硬化膜表面からタックが無くなった場合を示す。タックは指触評価などで判断可能である。たとえば、コンベア式の紫外線照射装置を用いた場合、照射パス回数を重ね、パス回数を重ねてもタックが変化しなくなった硬化膜を示す。インキの種類によっては、タックが消えずにのこる場合もあるが、その場合もパス回数を重ねても変化しなければ、硬化膜と判断する。また、硬化方法、硬化条件は、これに限られるものではない。
本発明で記載するエチレン性二重結合間分子量とは、多官能モノマーの分子内における、二重結合と二重結合の間にある分子量を示す。たとえば、構造が既知の2官能モノマーであれば、二重結合の間に存在する分子量を計算で算出可能である。また、3官能以上の官能基数を有するモノマーの場合、以下の[計算式3]で算出することができる。
[計算式3]
エチレン性二重結合間分子量=二重結合以外の分子量×2/分子内の二重結合数
また、新規に重合されるモノマーなどにおいて、構造が限定されない場合、NMR、GPC、GC/MS分析などにより構造を特定して使用することもできる。また、分子末端に二重結合が配位していない構造を有するモノマーの場合、二重結合間距離を具体的に算出することで、また二重結合間距離の一定ではない場合、その平均二重結合間分子量を持って本発明の定義とする。
いずれの場合においても、本発明で記載するエチレン性二重結合間分子量とはエチレン部分の分子量は除いて算出する。また、エチレン部分の水素がメチル基などに置換されている場合もこれを含まずに算出する。
さらに具体的に説明すると、上記[計算式3]中の二重結合以外の分子量は、ジアクリレートモノマーの場合、モノマーの分子量から一つの二重結合を27として、54を引いた値を指す。
本発明によると、このエチレン性二重結合間分子量が250より小さい場合、十分な延性が得られなかったり、塗膜強度が低下したりした。
活性エネルギー線で硬化を行った場合、硬化膜は、面方向に対して巨視的にみると均一架橋であるが、降下中に発生するインキの粘度上昇により、つまり、硬化初期に発生する重合、架橋反応による分子のモビリティーの低下が原因となり、微視的に見た場合不均一架橋といわれる。それでもエチレン性二重結合間分子量が大きい場合、架橋点が微視的に、又は局所的に均一構造に近くなり、その結果、硬化膜の架橋点間分子量が均一化することにより、延性が向上するものと思われる。また、エチレン性二重結合間分子量が小さい場合、架橋点が部分的に不均一となり、延伸などの変形を行った場合、この短い架橋点に応力が集中し破断が発生すると思われる。また、この架橋点の不均一性は、硬化膜の強度低下の原因ともなると考えられる。
また、エチレン性二重結合間分子量が300以上のモノマーは、さらに高い延性や、硬化膜強度を得ることができるため、より好適に用いることができる。
しかし、エチレン性二重結合間分子量が1000以上の比較的高分子量の多官能モノマーは、所望の架橋点間分子量を得るために、多量に配合する必要があり、粘度の上昇が発生し、インキジェット印刷機で吐出できなくなる場合があるため、好ましくない。
さらに高い延性や、硬化速度を得るために、フェノキシエチルアクリレートを45重量%〜80重量%、並びにイソボルニルアクリレートを10重量%〜25重量%使用することで、より好適な塗膜を得ることができる。
単官能モノマーの具体例としては、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレートエチレンオキサイド並び/またはプロピレンオキサイド付加モノマー、アクリロイルモルホリン、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、N-ビニルホルムアミドを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、多官能モノマーの具体例としては、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。これら単官能、多官能のモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
また、さらに延性や、強度に優れる硬化膜を得るために、エチレン性二重結合間分子量が250以上である多官能モノマーの使用量が使用する多官能モノマー中50重量%以上であることが好ましい。
また、エチレン性二重結合間分子量が高いほど良好な延性が得られる傾向があるが、エチレン性二重結合間分子量が2000を超えるモノマーを使用した場合、粘度が高くなり、インキジェットで印刷することが困難になる。
このインキは、着色成分を含まない場合、コーティング用途として用いることができ、単独のコーティング層として、または後述の着色剤を含むインキとの積層コーティングを行うこともできる。また硬化膜の硬度、擦過性などの耐久性や成型加工性、あるいは艶の制御といった意匠性を付与するために、各種フィラーや樹脂成分を添加することもできる。フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、球状シリカ、中空シリカなどの体質顔料や樹脂ビーズなどを挙げることができ、樹脂成分としては、活性エネルギー線に不活性な樹脂であれば特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリビニル系樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂)、セルロース系樹脂(例えば、CAB樹脂、CAP樹脂)などを挙げることができる。これらのフィラーや樹脂成分を添加する場合は、インクジェット適性を考慮して種類や配合組成を考慮することが好ましいが、他の印刷方法、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、あるいはスプレー塗工などによるコーティングを行ってもよい。なお、着色剤を含むインキとの積層コーティングにおいては、本発明のインキ以外の一般印刷用途、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などで使用されているコーティング材を本発明の着色剤を含むインキ層の上に積層してもよいし、別途成型されたコーティング層(フィルムなど)をラミネート転写する、あるいはスプレー塗工材などによる積層を行うこともできる。
一方、本発明のインキに着色成分を含有する場合、グラフィックや、文字、写真などを表示する材料として用いることができる。着色成分としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。顔料成分の中で、カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」などを挙げることができる。また、本発明ではイエロー、マゼンタ、シアンインキまたは、その他の色、たとえば白などにおいては、一般的な印刷用途、塗料用途のインキに用いられる顔料を使用することができ、発色性、耐光性などの点から必要に応じて選択することができる。
なお、顔料のインキ全体に対する比率は、インキ100重量部に対して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、0.2重量部〜15重量部の割合でまた、白の酸化チタンの場合は5重量部〜40重量部の任意の割合で配合することが好ましい。
分散剤としては、高分子型分散剤、低分子型分散剤など多種の分散剤が存在するが、分散性に応じて選択することができる。分散補助剤として、顔料誘導体を用いることができる。
また、添加剤としては、従来使用されている、ぬれ性調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、紫外線防止剤などをもちいることができる。
いずれの分散剤、分散補助剤、添加剤も目的とする用途に応じ選択可能であり、本発明においては何れも限定されるものではない。
また、上記基材に印刷した後、加工を行う場合、その加工温度などの加工条件は、必要に応じて設定することができる。
・ソルスパーズ32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 9部
・フェノキシエチルアクリレート 61部
・Novoperm Yellow P-HG(クラリアント社製 Benzimidazolone顔料) 35部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 7部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
・Hostaperm Red E5B02(クラリアント社製 キナクリドン顔料) 20部
・ソルスパーズ24000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 74部
また、下記のような配合で顔料分散体Dを作成した。分散体の製造方法は、分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Special Black 350(デグサ社製 カーボンブラック顔料) 30部
・ソルスパーズ32000(ルーブリソール社製 顔料分散剤) 6部
・フェノキシエチルアクリレート 64部
・タイヘ゜ークPF740(石原産業社製 シリカ処理1.0%、アルミナ処理2.0%の白顔料) 40部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤) 2部
・フェノキシエチルアクリレート 58部
表1の原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキを作成した。このインキをインキジェット吐出装置により、膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上に吐出した。吐出の直後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、照射距離10cm、コンベア速度5m/min、1Passで紫外線硬化し、表面の硬貨を確認した後、硬化膜を得た。
実施例1と同様に表1記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化を行い、硬化膜を得た。
実施例1と同様に表2記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化を行い、硬化膜を得た。
膜厚10μmになるようにポリカーボネート板上にバーコーター#8(テスター産業社製)を用いて塗工した後、ハリソン東芝ライティング社製120W/cm、高圧水銀ランプ1灯、照射距離10cm、コンベア速度20m/minで紫外線硬化し、硬化膜のタックが変化しなくなったパス回数を硬化速度として評価した。
そもそも、本発明の重要なポイントは、活性エネルギー線硬化した硬化膜は、延性が悪く、また、延性を重視すると、タックが発生するなどの問題を解決するために取り組んだ。本発明の検討中、タックのような数値化することが困難な物性が、架橋点間分子量という具体的な数値として表されることを把握し、タックが残る硬化膜ほど、架橋点間分子量は大きく、タックの少ない硬化膜の架橋点間分子量は小さい結果を示した。また、この架橋点間分子量という考え方を用いると、従来の硬化膜の延性は、架橋点間分子量に一義的に決定されていることも把握し、このトレードオフの関係を打破する本発明に至った。つまり、図3は、架橋点間分子量と破断伸びを示しているが、タックと延性の関係を意図している。
図1中の実1および、比1は、それぞれ実施例1、並びに比較例1を示す。また、その他の結果の同様に記載した。
比較例1〜8は、二重結合間分子量が小さいモノマーを使用しており、延性は従来の領域内であることを示した。また、比較例2、7は、フェノキシエチルアクリレートを少ない配合された結果、硬化速度は顕著に低下した。さらに比較例2では、イソボルニルアクリレートの配合もないため、延性はさらに低い値を示した。
Claims (6)
- 重合性モノマーを含むインキジェット用活性エネルギー線硬化型インキであって、厚さ500μmのポリカーボネート基材上に形成したインキ硬化膜が、190℃環境下において、歪み速度2/minで延伸した場合、[式1]を満たす破断伸びを示すことを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インキ。
[式1]
(190℃、歪み速度2/min時の破断伸び)>1.83×(架橋点間分子量)0.437 - 重合性モノマーが、エチレン性二重結合間分子量が250以上である多官能モノマーを含有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
- 重合性モノマーが、重合性モノマー全体に対して単官能モノマーを50重量%以上含有することを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
- 単官能モノマーが、フェノキシエチルアクリレートとイソボルニルアクリレートを含有することを特徴とする請求項3記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
- 重合性モノマーが、フェノキシエチルアクリレートが30重量%〜90重量%およびイソボルニルアクリレートが10重量%〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
- 印刷基材に、請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキで印刷してなる印刷物。
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