JP2007131621A - シクロプロペンおよび非炭化水素油を有する組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シクロプロペンおよび非炭化水素油を有する組成物を提供する。
【解決手段】そのそれぞれの中に1以上のシクロプロペンが封入される1以上の分子封入剤を含み、かつ1以上の非炭化水素油を含む組成物が提供される。かかる組成物を1以上の植物または植物の部分と接触させる工程を含む方法も提供される。
【選択図】なし
【解決手段】そのそれぞれの中に1以上のシクロプロペンが封入される1以上の分子封入剤を含み、かつ1以上の非炭化水素油を含む組成物が提供される。かかる組成物を1以上の植物または植物の部分と接触させる工程を含む方法も提供される。
【選択図】なし
Description
エチレンは、植物におけるあるレセプターと結合することにより、たとえば、花、葉、果実、および野菜をはじめとする植物または植物の部分の成熟前の死を引き起こし得る。エチレンは、葉の黄変および発育不全ならびに果実、花、および葉の、成熟前の落下を促進する。シクロプロペン類(すなわち、置換および非置換シクロプロペンおよびその誘導体)は、エチレンの効果を阻害するための有効な薬剤である。植物または植物の部分をシクロプロペンと効率的に接触させることにおける一つの難点は、多くの有用なシクロプロペンが周囲条件(10〜35℃、約1気圧)で気体であることであり;従って、場合によっては、シクロプロペンは植物または植物の部分(植物または植物の部分の表面上または内部のいずれか)と接触した状態にあるのではなく、大気中に散逸する傾向がある。
米国特許出願番号11/131,614は、シクロプロペンを封入し、かつ界面活性剤、アルコール、炭化水素油、およびその混合物から選択される1以上のアジュバントを含有する分子封入剤を含有する組成物と植物または植物の部分を接触させることを開示している。炭化水素油は、他の成分とのその適合性において限定される。独立して、ほとんどの炭化水素油は、石油由来である。
米国特許出願番号11/131,614号明細書
植物または植物の部分と接触させることができ;エチレンの効果の阻害に有効であり;炭化水素油の使用による欠点の1つまたは両方を克服する組成物を提供することが望まれる。
本明細書において用いられる場合、他に特に記載しない限り、すべてのパーセンテージは重量パーセントであり、すべての部は重量部であり、両端を含み、組み合わせ可能である。すべての比は重量比であり、全ての比の範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。すべてのモル範囲は両端を含み、組み合わせ可能である。
本明細書において用いられる場合、「アルキル」なる用語は、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−エチルプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル、ペンチル、オクチル、およびデシルをはじめとする、直鎖、分岐鎖、または環状(C1−C20)基を意味する。「アルケニル」および「アルキニル」なる用語は、例えば、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、および2−プロピニルなどの、(C3−C20)アルケニルおよび(C3−C20)アルキニル基を意味する。「シクロアルキルアルキル」なる用語は、たとえば、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、およびシクロペンチルエチルなどの、(C3−C7)シクロアルキル基で置換された(C1−C15)アルキル基を意味する。「ハロアルキル」なる用語は、水素原子の1以上がハロゲン原子により置換されたアルキル基を意味する。「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素の1以上を意味する。
本発明の実施は、1以上のシクロプロペンの使用を含む。本明細書において用いられる場合、「シクロプロペン」は、式:
(式中、Rは水素、または置換もしくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり;置換基は、存在する場合には、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換フェノキシである)を有する任意の化合物を意味する。本明細書において用いられるように、Rが水素である前記構造の化合物を意味する場合、「非置換シクロプロペン」なる語句が使用される。
いくつかの具体例において、Rは二重結合を有さない。独立して、いくつかの具体例において、Rは三重結合を有さない。独立して、いくつかの具体例において、R上にハロゲン原子置換基はない。独立して、いくつかの具体例において、Rはイオン性である置換基を有さない。独立して、いくつかの具体例において、Rは酸素化合物を生成することができない。
本発明のいくつかの具体例において、Rは(C1−C10)アルキルである。いくつかの具体例において、Rは(C1−C8)アルキル、または(C1−C4)アルキル、またはメチルである。Rがメチルである場合、シクロプロペンは本明細書において「1−MCP」とよばれる。
本発明に適用可能なシクロプロペンは、任意の方法により調製することができる。シクロプロペンのいくつかの適当な調製法は、米国特許第5,518,988号および第6,017,849号に開示されている方法である。
本発明の組成物中のシクロプロペンの量は、組成物の種類および意図される使用法に応じて、広範囲に変化し得る。いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は、組成物の合計重量基準で、4重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.05重量%以下である。独立して、いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は、組成物の合計重量基準で、0.000001重量%以上;または0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.001重量%以上である。
水を含む本発明の組成物において、シクロプロペンの量は、百万分の1(すなわち、水1,000,000重量部あたりのシクロプロペンの重量部、「ppm」)または10億分の1(すなわち、水1,000,000,000重量部あたりのシクロプロペンの重量部、「ppb」)により特定できる。いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は1ppb以上;または10ppb以上;または100ppb以上である。独立して、いくつかの具体例において、シクロプロペンの量は10000ppm以下;または1000ppm以下である。
いくつかの具体例において、本発明の実施は、1以上の金属錯化剤の使用を含む。金属錯化剤は、金属原子と配位結合を形成できる1以上の電子供与原子を含有する化合物である。ある金属錯化剤はキレート化剤である。本明細書において用いられる場合、「キレート化剤」は、金属原子と配位結合を形成できる2以上の電子供与原子を含有する化合物であり、キレート化剤の1つの分子は、1つの金属原子と2以上の配位結合を形成することができる。好適なキレート化剤は、たとえば、有機および無機キレート化剤を包含する。好適な無機キレート化剤には、たとえば、リン酸塩、たとえば、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、およびヘキサメタリン酸がある。好適な有機キレート化剤には、大環状構造および非大環状構造を有するものがある。好適な大環状有機キレート化剤には、たとえば、ポルフィン化合物、環状ポリエーテル(クラウンエーテルともいう)、ならびに窒素および酸素原子の両方を有する大環状化合物がある。
非大環状構造を有するある好適な有機キレート化剤は、たとえば、アミノカルボン酸、1,3−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基、フェノール、アミノフェノール、オキシム、シッフ塩基、硫黄化合物、およびその混合物である。いくつかの具体例において、キレート化剤は、1以上のアミノカルボン酸、1以上のヒドロキシカルボン酸、1以上のオキシム、またはその混合物を含む。ある好適なアミノカルボン酸としては、たとえば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、およびその混合物が挙げられる。ある好適なヒドロキシカルボン酸としては、たとえば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホサリチル酸、およびその混合物が挙げられる。ある好適なオキシムとしては、たとえば、ジメチルグリオキシム、サリチルアルドキシム、およびその混合物が挙げられる。いくつかの具体例において、EDTAが使用される。
さらなる好適なキレート化剤は、ポリマーである。好適なポリマーキレート化剤としては、たとえば、ポリエチレンイミン、ポリメタクリロイルアセトン、ポリ(アクリル酸)、およびポリ(メタクリル酸)が挙げられる。ポリ(アクリル酸)がいくつかの具体例において用いられる。
キレート化剤でない、好適な金属錯化剤は、たとえば、アルカリ炭酸塩、たとえば、炭酸ナトリウムである。
金属錯化剤は、中性形態または1以上の塩の形態において存在することができる。好適な金属錯化剤の混合物も好適である。
金属錯化剤が使用されない本発明の具体例も企図される。
本発明のいくつかの具体例は、水を含有しない。
いくつかの具体例において、本発明の組成物は水を含有し;かかる具体例のいくつかにおいては、水は1以上の金属イオン、たとえば、鉄イオン、銅イオン、他の金属イオン、またはその混合物を含有する。いくつかの具体例において、水は0.1ppm以上の1以上の金属イオンを含有する。
1以上の金属錯化剤を使用する具体例においては、本発明において使用される金属錯化剤の量も広範囲にわたって変化し得る。いくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、これらの具体例において存在するかまたは存在することが予想される金属イオンの量と錯体形成するために十分になるように調節される。例えば、本発明の組成物が水を含むいくつかの具体例において、比較的有効なキレート化剤(すなわち、水中のすべてまたはほぼすべての金属イオンと錯体を形成するキレート化剤)が使用されるならば、キレート化剤のモルの、金属イオンのモルに対する比は、0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.8以上である。比較的有効なキレート化剤を使用するこのような具体例においては、キレート化剤のモルの、金属イオンのモルに対する比は、2以下;または1.5以下;または1.1以下である。
独立して、いくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、組成物の合計重量基準で、25重量%以下;または10重量%以下;または1重量%以下である。独立して、いくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、組成物の合計重量基準で、0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.01重量%以上である。
独立して、本発明の組成物が水を含むいくつかの具体例において、金属錯化剤の量は、水中の金属錯化剤のモル濃度により有用に決定されうる。いくつかの具体例において、金属錯化剤の濃度は、0.00001mM(すなわち、ミリモル濃度)以上;または0.0001mM以上;または0.001mM以上;または0.01mM以上;または0.1mM以上である。独立して、本発明の組成物が水を含むいくつかの具体例において、金属錯化剤の濃度は、100mM以下;または10mM以下;または1mM以下である。
本発明の組成物は、少なくとも1種の分子封入剤を含む。有用な分子封入剤としては、たとえば、有機および無機分子封入剤が挙げられる。好適な有機分子封入剤としては、たとえば、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが挙げられる。好適な無機分子封入剤としては、たとえば、ゼオライトが挙げられる。好適な分子封入剤の混合物も好適である。本発明のいくつかの具体例において、封入剤はα−シクロデキストリン(α−CD)、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、またはその混合物である。本発明のもう一つ別の具体例において、特に、シクロプロペンが1−メチルシクロプロペンである場合、封入剤はα−シクロデキストリンである。好ましい封入剤はR基のサイズに応じて変化するであろう。しかしながら、当業者には理解されるように、任意のシクロデキストリンまたはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾シクロデキストリン、またはその混合物も本発明にしたがって利用できる。シクロデキストリンはWacker Biochem Inc.,Adrian,MIまたはCerestar USA,Hammond,IN、ならびに他の業者から入手可能である。
本発明の組成物は、1以上のシクロプロペンを封入する少なくとも1種の分子封入剤を含む。分子封入剤の分子中に封入されたシクロプロペンまたは置換シクロプロペン分子は、本発明においては「シクロプロペン分子封入剤複合体」と呼ばれる。シクロプロペン分子封入剤複合体は、任意の手段により調製することができる。一調製法において、たとえば、かかる複合体は、シクロプロペンを分子封入剤の溶液またはスラリーと接触させ、次いで再度、米国特許第6,017,849号に開示されている一般法を用いて複合体を単離することにより調製される。1−MCPの場合において、1−MCPガスをα−シクロデキストリンの水中溶液に吹き込み、これから複合体がまず沈殿し、次いで濾過により単離される。
いくつかの具体例において、分子封入剤の量は通常、分子封入剤のモルの、シクロプロペンのモルに対する比により特定できる。いくつかの具体例において、分子封入剤のモルの、シクロプロペンのモルに対する比は、0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.9以上である。独立して、いくつかの具体例において、分子封入剤のモルの、シクロプロペンのモルに対する比は2以下;または1.5以下である。
本明細書において用いられる場合、「非炭化水素」とは、水素でも炭素でもない少なくとも1個の原子を含有する任意の化合物を意味する。
本明細書において用いられる場合、「油」とは、25℃、1気圧で液体であり、1気圧で30℃以上の沸点を有する化合物である。本明細書において用いられる場合、「油」は水を含まず、界面活性剤(以下に記載)を含まず、アルコール(以下に記載)を含まない。
本発明の実施において、少なくとも1種の非炭化水素油が使用される。いくつかの具体例において、非炭化水素油は50℃以上;または75℃以上;または100℃以上の沸点を有する。独立して、いくつかの具体例において、非炭化水素油は100以上;または200以上;または500以上の分子量を有する。
いくつかの好適な非炭化水素油は、例えば、脂肪族非炭化水素油である。「脂肪族」とは、本明細書においては、1以上の脂肪酸残基を含有する任意の化合物を意味する。脂肪酸は、鎖長が少なくとも4個の炭素原子である長鎖カルボン酸である。典型的な脂肪酸は、4〜18個の炭素原子の鎖長を有するが、さらに長い鎖を有するものもある。直鎖、分岐鎖、または環状脂肪族基をこの長鎖に付加することができる。脂肪酸残基は、飽和であっても不飽和であってもよく、これらは、例えばアルキル基、エポキシド基、ハロゲン、スルホネート基、またはヒドロキシル基を包含する官能基を含有することができ、これらは天然に存在するかまたは付加されたもののいずれかである。いくつかの好適な脂肪族非炭化水素油は、例えば、脂肪酸;脂肪酸のエステル;脂肪酸のアミド;その二量体、三量体、オリゴマー、またはポリマー;およびその組み合わせである。
いくつかの好適な脂肪族非炭化水素油は、例えば、脂肪酸のエステルである。このようなエステルは、例えば、脂肪酸のグリセリドを含む。グリセリドは脂肪酸のグリコールとのエステルであり、これらは、モノ−、ジ−、またはトリグリセリドでありうる。様々なトリグリセリドが天然において見いだされる。天然に存在するトリグリセリドのほとんどは、いくつかの異なる長さおよび/または組成の脂肪酸の残基を含有する。いくつかの好適なトリグリセリドは、動物源、例えば、乳製品、動物油脂、および魚において見いだされる。好適なトリグリセリドのさらなる例は、植物において見いだされる油、例えば、例えば、ココナツ油、ヤシ油、綿実油、オリーブ油、タル油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、キャノーラ油、柑橘類種子油、ココア油、オート麦油、パーム油、パーム核油、米ぬか油、クフェア油、または菜種油などである。
好適なトリグリセリドには、これらが見いだされる所またはどのようにして製造されるかとは関係なく、例えば、14個以上の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪酸残基を含有するものである。いくつかの好適なトリグリセリドは、残基の重量基準で、50重量%以上の、14個以上、または16個以上、または18個以上の炭素原子を有する脂肪酸残基を含有する脂肪酸残基を有する。好適なトリグリセリドの一例は、大豆油である。
好適な脂肪族非炭化水素油は、合成または天然または天然油の修飾あるいはその組み合わせまたは混合物でありうる。好適な天然油の修飾には、例えば、アルキル化、水素化、ヒドロキシル化、アルキルヒドロキシル化、アルコール分解、加水分解、エポキシ化、ハロゲン化、スルホン化、酸化、重合、およびその組み合わせがある。いくつかの具体例において、アルキル化(例えば、メチル化およびエチル化を包含する)油が使用される。好適な修飾された天然油は、メチル化大豆油である。
好適な脂肪族非炭化水素油には、脂肪酸の自己乳化性エステルもある。
好適な非炭化水素油のもう一つ別の群は、シリコーン油である。シリコーン油は、部分的または完全に−Si−O−結合から構成される主鎖を有するオリゴマーまたはポリマーである。シリコーン油は、例えば、ポリジメチルシロキサン油を包含する。ポリジメチルシロキサン油は:
の形態の単位を含有するオリゴマーまたはポリマーであり、少なくとも1つの単位は、X1=CH3を有する。他の単位において、X1はSiと結合できる任意の他の基であることができ、例えば、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルキルポリアルコキシル、その置換体、またはその組み合わせを包含する。置換基は、例えば、ヒドロキシル、アルコキシル、ポリエトキシル、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、他の置換基、またはその任意の組み合わせを包含することができる。いくつかの好適なポリジメチルシロキサン油において、全てのX1基はメチルである。いくつかの好適なポリジメチルシロキサンにおいて、少なくとも1つの単位はメチルでないX1基を有し;1より多くの非メチルX1単位が存在するならば、非メチルX1単位は互いに同一であってもよいし、あるいは2以上の異なる非メチルX1単位が存在してもよい。ポリジメチルシロキサン油は、例えば、水素、メチル、他のアルキル、またはその任意の組み合わせを包含する広範囲におよぶ化学基の任意のものでエンドキャップされていてもよい。環状ポリジメチルシロキサン油も企図される。
好適な非炭化水素油の混合物も好適である。
いくつかの具体例は、組成物の全重量基準で、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1重量%以上の量で非炭化水素油を使用する。独立して、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量で非炭化水素油を使用する。
本発明のいくつかの具体例において、1以上の界面活性剤が使用される。好適な界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびその組み合わせが挙げられる。
好適なアニオン性界面活性剤の一群は、たとえば、モノ−およびジアルキルスルホスクシネートのアルカリ塩をはじめとするスルホスクシネートである。いくつかの具体例において、例えば、4個以上の炭素、または6個以上の炭素を有するアルキル基を有するものなどをはじめとするジアルキルスルホスクシネートのナトリウム塩が使用される。いくつかの具体例において、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものをはじめとするジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩が使用される。
好適なアニオン性界面活性剤のもう一つ別の群は、例えば、アルキル硫酸のアルカリ塩をはじめとする硫酸塩およびスルホン酸塩である。いくつかの具体例において、4個以上の炭素、または6個以上の炭素、または8個以上の炭素を有するアルキル基を有するものをはじめとするアルキル硫酸のナトリウム塩が使用される。いくつかの具体例において、例えば、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものをはじめとするアルキル硫酸ナトリウム塩が使用される。
いくつかの好適な界面活性剤は、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルフェノールエトキシレート(例えば、Dowから得られるTriton(商標) X−100)、セチルピリジニウムブロミド、およびシリコーン系界面活性剤(例えば、Osi Specialtiesから得られるSilwet L−77界面活性剤)である。
好適な界面活性剤の混合物も好適である。
好適な界面活性剤は様々な性質を有する。例えば、シクロプロペンをある植物または植物の部分と接触した状態にしておくのに優れているものもあれば;配合物の他の成分中に容易に溶解するものもあれば;植物または植物の部分において植物毒性を引き起こさないものもある。どの性質においても優れた界面活性剤は非常に少ないが、例えば、処置されることが望まれる種および組成物において使用されることが望まれる他の成分を考慮して、所望の使用に最も適切な性質のバランスを有する界面活性剤または界面活性剤の混合物を実施者は容易に選択することができる。
界面活性剤を使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、0.025重量%以上;または0.05重量%以上;または0.1重量%以上の量で界面活性剤を使用する。独立して、界面活性剤を使用する具体例のうち、ある具体例は、組成物の合計重量基準で、75重量%以下;または50重量%以下;または20重量%以下;または5重量%以下;または2重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.3重量%以下の量で界面活性剤を使用する。
本発明のいくつかの具体例は、1以上のアルコールの使用を含む。好適なアルコールは、例えば、アルキルアルコールおよび他のアルコールを包含する。本明細書において用いられる場合、アルキルアルコールは、1個のヒドロキシル基を有するアルキル化合物であり;アルキル基は、直鎖、分岐鎖、環状、またはその組み合わせであってよく;アルコールは、第一、第二、または第三であってよい。本発明において、2個以上の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアルコールが使用される。いくつかの具体例において、エタノール、イソプロパノール、またはその混合物が使用される。いくつかの具体例において、20個以下の炭素原子;または10個以下の炭素原子;または6個以下の炭素原子;または3個以下の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアルコールが使用される。
アルコールを使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1重量%以上の量でアルコールを使用する。アルコールを使用する具体例のうち、いくつかの具体例は、組成物の合計重量基準で、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量でアルコールを使用する。
前記アジュバントは、単独または任意の組み合わせにおいて使用することができる。いくつかの具体例において、1以上の非炭化水素油を含有するが、界面活性剤とアルコールを含有しない組成物が使用される。いくつかの具体例において、1以上の非炭化水素油、1以上の界面活性剤を含有するが、アルコールを含有しない組成物が使用される。いくつかの具体例において、1以上の非炭化水素油、および1以上のアルコールを含有するが、界面活性剤を含有しない組成物が使用される。いくつかの具体例において、1以上の非炭化水素油、1以上の界面活性剤、および1以上のアルコールを含有する組成物が使用される。
界面活性剤およびアルコール以外の1以上の任意のアジュバントを組成物中に含むのが望ましい場合がある。このような任意のアジュバントは、例えば、増量剤、顔料、充填剤、結合剤、可塑剤、潤滑剤、湿潤剤、展着剤、分散剤、粘着剤、接着剤、消泡剤、増粘剤、輸送剤、および乳化剤を包含する。通常使用されるこのようなアジュバントのいくつかは、John W.McCutcheon,Inc.の刊行物Detergents and Emulsifiers,Annual,Allured Publishing Company,Ridgewood,New Jersey,U.S.A.において見いだすことができる。
いくつかの具体例において、炭化水素油(すなわち、その分子が炭素および水素のみを含有する油)は組成物中に、前記の非炭化水素油に加えて、組成物の重量基準で1重量%超の量で含まれる。他の具体例において、組成物は、炭化水素油を、組成物の重量基準で、1重量%以下;または0.3重量%以下;または0.1重量%以下;または0.03重量%以下;または0.01重量%以下;または0重量%の量で含有する。
本発明の実施において、組成物は、本明細書においてすでに議論された成分に加えて、1以上の以下のものを含有することが企図される:1以上の除草剤;1以上の殺虫剤;1以上のシクロプロペンでない植物成長調節剤;またはその任意の組み合わせ。除草剤を含有しない組成物;殺虫剤を含有しない組成物;シクロプロペンでない植物成長調節剤を含有しない組成物;除草剤および殺虫剤を含有しない組成物;ならびに除草剤、殺虫剤、およびシクロプロペンでない植物成長調節剤を含有しない組成物も企図される。
組成物の有用性を評価する一つの有用な方法は、組成物の活性である。本明細書において用いられる場合、シクロプロペンの「活性」とは、使用できる純粋なシクロプロペンの濃度を意味する。例えば、一般に、試薬がシクロプロペンを含有する組成物と混合され、シクロプロペンの一部または全部が検出できなくなるかまたは有用な目的のために利用できなくなるような方法で、この試薬がシクロプロペンの一部または全部と反応するか、またはこの試薬がシクロプロペンの一部または全部と錯体形成するならば、この試薬はシクロプロペンの活性を低下させるといわれる。本発明の組成物の活性を測定する一方法は、例えば、本明細書において以下に定義されるトマト上偏生長試験などの方法を使用して、植物の処置における組成物の有効性を試験することによる。
本発明の成分は、任意の手段により、任意の順序で混合することができる。
いくつかの具体例において、1以上のシクロプロペン分子封入剤複合体を含有する第一パックが作成され、1以上の非炭化水素油および、任意に1以上のアジュバントを含有する第二パックが作成される。組成物が使用される前に、2つのパックは互いに、および水と混合される。このような具体例のいくつかにおいて、1以上の金属錯化剤が、第一パック、第二パック、または水の少なくとも1つと混合される。
いくつかの具体例において、1以上のシクロプロペン分子封入剤複合体;1以上の非炭化水素油;任意に1以上のアジュバント;および任意に1以上の金属錯化剤を含む全ての成分は、水と混合され;完全な混合物は組成物を使用するのが望まれる時まで保存される。このような具体例は、分子封入剤が比較的低濃度である場合に最も有用であると考えられる。
いくつかの具体例において、非水性濃縮物は、1以上のシクロプロペン分子封入剤複合体、1以上の非炭化水素油および、任意に1以上のアジュバントを混合することにより製造される。組成物を使用することが意図される前に、非水性濃縮物を水と混合することができる。このような具体例には、1以上の金属錯化剤が非水性濃縮物または水または両方と混合される場合がある。
組成物中に水が含まれない具体例も企図される。このような具体例において、1以上のシクロプロペン分子封入剤複合体、1以上の非炭化水素油、および任意に、1以上のアジュバントが混合されて、水と混合せずに使用できる組成物が形成される。
いくつかの具体例において、本発明の組成物は、植物または植物の部分を処置するために使用される。植物の部分は、例えば、花、開花、種、切り花、根、球根、果実、野菜、葉、およびその組み合わせを包含する任意の植物の部分を包含する。いくつかの具体例において、本発明の組成物は、花、果実、および野菜の1以上を処置するために使用される。
このような処置は、シクロプロペンを植物または植物の部分と接触させる任意の方法により行うことができる。接触法のいくつかの例は、例えば、噴霧、発泡、雲霧、注入、ブラッシング、浸漬、類似の方法、およびその組み合わせである。いくつかの具体例において、噴霧または浸漬またはその両方が使用される。
実施例1
1−MCPおよびシリコーン油を使用したトマト上偏生長試験
トマト上偏生長試験は次のようにして行った:
トマト(Rutgers39 Variety Harris Seed No885 Lot37729−A3)を、市販の鉢植え用ミックスで満たした6.35cm(2.5インチ)のスクエアポット中で成長させた。2個の種を各ポット中に入れた。第一本葉を伸ばした、7.5から12.7cm(3から5インチ)の間の高さの植物をトマト上偏生長試験に使用した。
1−MCPおよびシリコーン油を使用したトマト上偏生長試験
トマト上偏生長試験は次のようにして行った:
トマト(Rutgers39 Variety Harris Seed No885 Lot37729−A3)を、市販の鉢植え用ミックスで満たした6.35cm(2.5インチ)のスクエアポット中で成長させた。2個の種を各ポット中に入れた。第一本葉を伸ばした、7.5から12.7cm(3から5インチ)の間の高さの植物をトマト上偏生長試験に使用した。
検定を行うために、植物に、試験1−MCP葉面散布で流れ落ちるように噴霧し、日光で4時間乾燥させた。これらの操作は、温室中の植物成長から離れた換気された領域で行い、後の実験に関して植物の成長に意図されない処置がないようにした。
1−MCP処置された植物および処置された対照および未処置の対照の両者を、SLX制御雰囲気の梱包箱中に入れ、密封した。この箱に、隔壁を通してエチレンを注入し、14ppmの濃度にした。植物をこの雰囲気中、エチレンとともに暗所で12〜14時間密封を保った。エチレン処置の最後に、箱を開け、上偏生長を採点した。上偏生長の採点は、各ポットについて次の採点法を使用して行った:
1) 0% 上偏生長なし(100%抑制)
2) 20% 一対の葉が幾分垂れ下がっている(80%抑制)
3) 50% 植物が完全反応の50%を示す。全ての葉が効果を示す必要はない(50%抑制)
4) 80% ほとんど全ての葉が垂れ下がり、いくつかは葉の下側が上方から見えている(20%抑制)
5) 100% 葉が完全に垂れ下がり、葉の下側が上方から見えている(0%抑制)
1) 0% 上偏生長なし(100%抑制)
2) 20% 一対の葉が幾分垂れ下がっている(80%抑制)
3) 50% 植物が完全反応の50%を示す。全ての葉が効果を示す必要はない(50%抑制)
4) 80% ほとんど全ての葉が垂れ下がり、いくつかは葉の下側が上方から見えている(20%抑制)
5) 100% 葉が完全に垂れ下がり、葉の下側が上方から見えている(0%抑制)
各ポットの採点を記録する。6または8個のポットの平均を平均して採点する。対照水(すなわち、添加剤なし)1−MCP処置からの改善(%)を補間することにより、改善(%)を計算する。
トマト上偏生長試験は、水;1−MCPα−CD複合体の重量基準で0.14重量%の1−MCPを含有する1−MCPα−CD複合体;およびEDTAのナトリウム塩を含む配合物を用いて行った。1−MCPα−CD複合体の量は、噴霧配合物が1.2ppmの1−MCPを有するように選択した。EDTAのナトリウム塩の量は、液体中50ppmに保持された。噴霧配合物中には、様々なシリコーン油(噴霧物の重量基準で0.1重量%)も含まれていた。結果は次の通りであった:
実施例2
1−MCPおよびシリコーン油と界面活性剤を使用したトマト上偏生長試験
トマト上偏生長試験を実施例1においてと同様にして、水;1−MCPα−CD複合体の重量基準で0.14重量%の1−MCPを含有する1−MCPα−CD複合体;およびEDTAのナトリウム塩を含む配合物を用いて行った。1−MCPα−CD複合体の量は、噴霧配合物が1.2ppmの1−MCPを有するように選択した。EDTAのナトリウム塩の量は、50ppmに保持された。噴霧配合物中には、様々なシリコーン油が噴霧配合物の重量基準で、0.1重量%で、およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム界面活性剤が噴霧配合物の重量基準で0.05重量%の量で含まれていた。結果は次の通りであった:
1−MCPおよびシリコーン油と界面活性剤を使用したトマト上偏生長試験
トマト上偏生長試験を実施例1においてと同様にして、水;1−MCPα−CD複合体の重量基準で0.14重量%の1−MCPを含有する1−MCPα−CD複合体;およびEDTAのナトリウム塩を含む配合物を用いて行った。1−MCPα−CD複合体の量は、噴霧配合物が1.2ppmの1−MCPを有するように選択した。EDTAのナトリウム塩の量は、50ppmに保持された。噴霧配合物中には、様々なシリコーン油が噴霧配合物の重量基準で、0.1重量%で、およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム界面活性剤が噴霧配合物の重量基準で0.05重量%の量で含まれていた。結果は次の通りであった:
実施例3
1−MCPおよび大豆油を使用したトマト上偏生長試験
計量された量のスプレーを植物に供給するためのモーター付トラック噴霧器を備えたスプレーフード(DeVries Mfg.,Hollandale,MN)中で植物を噴霧する以外は、実施例1と同様にして、トマト上偏生長試験を行った。配合物は水;1−MCPα−CD複合体の重量基準で2%の1−MCPを含有する1−MCPα−CD複合体;およびEDTAのナトリウム塩を含んでいた。1−MCPα−CD複合体の量は、適度な量の上偏生長抑制が達成されるように選択された。EDTAのナトリウム塩の量は、50ppmに維持された。噴霧配合物中には、噴霧配合物の重量基準で3重量%の40%Atplus(商標)367界面活性剤(Uniqema Corp.)を含有する大豆油も含まれていた。結果は次の通りであった:
1−MCPおよび大豆油を使用したトマト上偏生長試験
計量された量のスプレーを植物に供給するためのモーター付トラック噴霧器を備えたスプレーフード(DeVries Mfg.,Hollandale,MN)中で植物を噴霧する以外は、実施例1と同様にして、トマト上偏生長試験を行った。配合物は水;1−MCPα−CD複合体の重量基準で2%の1−MCPを含有する1−MCPα−CD複合体;およびEDTAのナトリウム塩を含んでいた。1−MCPα−CD複合体の量は、適度な量の上偏生長抑制が達成されるように選択された。EDTAのナトリウム塩の量は、50ppmに維持された。噴霧配合物中には、噴霧配合物の重量基準で3重量%の40%Atplus(商標)367界面活性剤(Uniqema Corp.)を含有する大豆油も含まれていた。結果は次の通りであった:
Claims (10)
- 非炭化水素油が脂肪酸トリグリセリドである請求項1記載の組成物。
- 非炭化水素油がシリコーン油である請求項1記載の組成物。
- 1以上のアジュバントが少なくとも1種のアルキルアルコールを含む請求項1記載の組成物。
- 1以上のアジュバントが少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1記載の組成物。
- 組成物が水をさらに含む請求項1記載の組成物。
- 組成物が、1以上の金属錯化剤をさらに含む請求項1記載の組成物。
- 請求項1の組成物を1以上の植物または植物の部分と接触させる工程を含む方法。
- 前記接触が、噴霧、浸漬、またはその組み合わせにより行われる請求項8記載の方法。
- 前記接触が噴霧により行われる請求項8記載の方法。
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