JP2007130240A - 医用三次元画像の表示方向修正装置、修正方法および修正用プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示された医用三次元画像の右側領域のランドマークP1および左側領域のランドマークP2を指定する。指定された左右一対のランドマークを登録し、それを基準に、三次元座標系を構成する三方向(X軸、Y軸およびZ軸)のうちの一方向(Y軸)はそのままに保ち、二方向(X軸およびZ軸)の傾きを修正する処理手段を有する。
【効果】三次元画像の形態評価および分析を行う際に重要な画像の表示向きの自由度を高め、三次元画像情報の臨床活用への有効性を飛躍的に向上させることができる。
【選択図】図4
Description
このため、顔面頭蓋骨格を評価測定する上で、その向きの定義が重要であり、向きを決定する座標系を微調整して、顔面頭蓋骨格を正しく評価計測する必要がある。
従来の医用三次元画像の表示の仕方では、一旦決められた基準座標系を調整する場合、その基準座標系を決定するのに使用したランドマークを変える必要があり、元の基準座標系が失われるという課題があった。
この発明は、上述のような従来の医用三次元画像の表示方法が抱えていた課題を解決するためになされたものである。この発明は、一度決められた基準座標系を基礎とし、画像の表示方向を修正することのできる医用三次元画像の表示方向修正のための装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
具体的には、請求項1記載の構成、すなわち、画像に含まれているランドマークを基準とする三次元座標系に従う医用三次元画像を表示する処理手段と、表示された医用三次元画像の右側領域において少なくとも1点、および左側領域において少なくとも1点の左右一対の元の三次元座標系の基準となっていない任意のランドマークが指定されたことに応じて、それら指定されたランドマークを登録する処理手段と、登録された左右一対のランドマークを基準に、三次元座標系を構成する三方向のうちの一方向はそのままに保ち、二方向の傾きを修正する処理手段と、を含むことを特徴とする医用三次元画像の表示方向修正装置である。
請求項5記載の発明は、画像に含まれているランドマークを基準とする三次元座標系に従う医用三次元画像を表示する処理と、表示された医用三次元画像において、基準座標系を修正するために必要な一対のランドマークであって、元の三次元座標系の基準となっていない任意のランドマーグが指定されたことに応じて、それら指定されたランドマークを登録する処理と、登録された一対のランドマークを基準に、三次元座標系を構成する互いに直交する三面のうちの一面はそのままに保ち、二面の傾きを修正する処理と、を実行することを特徴とする医用三次元画像の表示方向修正方法である。
なお、課題解決手段の記載は、装置、方法およびプログラムに区分して記載したが、この発明は、コンピュータ装置を用いて実現できるものであり、この発明に係る一連の処理を実行するコンピュータ装置自体であっても、この発明に係る処理を行うために作成されたプログラムであっても、あるいは、一連の処理を含む処理方法であっても、この発明は対象としている。
あるいは、三次元座標系を構成する互いに直交する三面のうちの一面は元のままに保ち、二面の傾きを、元のままに保たれた面と交差する軸を中心に回転させることによって、二面の傾きを修正する。
この発明によれば、三次元画像の形態評価および分析を行う際に重要な画像の表示向きの自由度を高め、三次元画像情報の臨床活用への有効性を飛躍的に向上させることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像表示が行われるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。表示を行うコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAMおよびハードディスク等が内蔵された制御部1、制御部1に接続された表示器2、キーボード3ならびにマウス4を含んでいる。また、制御部1は、この発明の一実施形態に係るプログラムが記憶された記憶媒体5等から、当該プログラムをインストール可能な構成である。
図2は、図1に示す表示器2に表示された医用三次元画像の一例を示す図解図である。図2に示す医用三次元画像は、人体頭部を表わしており、この三次元画像の方向および座標の基準となる基準軸、すなわちX軸、Y軸およびZ軸が一緒に表示されている。
すなわち、原点を左右の耳孔を結ぶ線分の中点、X軸を左右眼球中心を通る直線に平行な直線、Y軸を左右眼球中心を通る直線とZ軸に垂直な直線、Z軸を左右眼球中心を通り、原点を通る面に垂直な直線、というルールに従って規定することができる。
基礎となる医用三次元画像は、図2に示すように、ランドマークに基づく基準軸(X軸、Y軸およびZ軸)に従って表示されたものに限らず、図3に示すように、基準面に従って表示された画像であってもよい。
ランドマークに基づく基準面の設定の仕方は、米国特許第6888546号に記載のやり方を利用することができる。
ところで、図2または図3に示す三次元画像において、X軸またはY軸上にないランドマーク、または、水平基準面HP上にないランドマークを用い、そのランドマークの位置を反映させて、既存のたとえばY軸情報を維持したまま、あるいは、既存の水平面情報を一部維持したまま、新たなX軸または新たな水平基準面を作成することができれば、ランドマークを基準にした三次元画像を、再現性良く表示でき、しかも、向きを多様に決めることができるので、顔面骨格の形態評価や計測を行う上で、非常に有用である。
また、図3に示す表示画像において、既存の水平基準面HP上にないランドマークを用い、そのランドマークの位置を反映させて、既存の水平基準面HP情報を一部維持したまま微調整し、新たな水平基準面を作成できるようにした。
人体頭部の三次元画像が、3D−CT画像(三次元のCT画像)であるとする。CT画像では、CT値を調整することにより、内部構造である頭蓋骨格を表示することができるし、また、外表面形状である皮膚を表示することもできる。そこで、たとえば、CT値を調整して皮膚を表示させる。そして、右の外眼角P1および左の外眼角P2を、たとえばマウス4を操作してカーソルで指定する。
そして、X軸が、P1−P2を通る直線と平行になるように、Y軸を中心にX軸を角度δ傾けて、新たなX軸とする。
その結果、三次元画像を表示する新たな基準軸は、新X軸、元のY軸および新Z軸となり、元のY軸の位置座標を残した状態で、X軸およびZ軸が修正される。
新しい基準軸である、新X軸、元のY軸、新Z軸は、元のランドマークに基づくとともに、さらに、新たなランドマークのP1およびP2に基づいて規定された基準軸であり、解剖学的に再現性のある基準軸である。
水平基準面HP、前頭面VP1および正中面VP2に従って表示された人体頭部の三次元画像を、所望の向きに回転させ、CT値を調整して、たとえば図5に示すように、頭部左側から見た画像を表示させる。
次に、図示しないが、人体頭部の表示画像を回転させ、右側から見た人体頭部を表示させて、右側の前頭頬骨縫合点(外側)P4をランドマークとして登録する。
そして、手動操作または自動で、2つのランドマークP3およびP4が、水平方向に並ぶように、表示された三次元画像を、前頭面VP1を中心に回転させる。回転後の三次元画像が、図7に示す画像である。図7の三次元画像では、前頭面VP1の方向は変化させず、水平基準面HPが、Y軸を中心に所定角度(ランドマークP3とP4とが水平に並ぶ角度)回転された三次元画像となっている。
つまり、上記の実施例の場合、前頭面VP1はそのままにして、水平基準面HPの向きが修正されたことにより、正中面VP2も、修正された水平基準面HPと直交するように、回転され、修正される。
新たな画像は、ランドマークに基づいて作成された基準面に従って表示された画像が、さらに、左右の前頭頬骨縫合点という追加のランドマークに基づいて修正された基準面に従った表示画像であり、解剖学的に再現性のある基準面を元に表示されている。
次に、図9を参照して、制御部1が行う基準軸の修正について説明をする。
制御部1は、特定のモード、たとえば基準軸修正モードにされたときに、基準軸の修正を行うことができる。
ユーザによる右側ランドマークの指定に応じて、制御部1は、指定されたランドマークを登録し、三次元画像上に重ねて表示する(ステップS3)。
次いで、制御部1は、左右のランドマークが水平に並ぶようにY軸を中心に三次元画像を回転させる(ステップS6)。この回転処理は、制御部1が自動で行ってもよいし、ユーザの操作に基づいて行われてもよい。
そして、三次元画像データの座標を、修正したX軸、修正したZ軸および元のY軸(Y軸は元のまま変わらず)を基に、三次元画像データの座標を変換する(ステップS8)。
次に、図10を参照して、制御部1が行う基準平面の修正について説明をする。
制御部1は、特定のモード、たとえば基準面修正モードにされたときに、基準平面の修正を行うことができる。
ユーザによる右側ランドマークの指定に応じて、制御部1は、指定されたランドマークを登録し、三次元画像上に重ねて表示する(ステップS3)。
次いで、制御部1は、左右のランドマークが水平に並ぶように前頭面を中心に三次元画像を回転させる(ステップS6)。この回転処理は、制御部1が自動で行ってもよいし、ユーザの操作に基づいて行われてもよい。
そして、三次元画像データの座標を、新たに設定登録した水平基準面、正中面および前頭面(前頭面は元のまま変わらず)を元に変換する。
さらに、図3に示す画像において、水平基準面HPはそのままとし、前頭面VP1および正中面VP2を修正できることについても、既に説明した。(図8の説明を参照)
以上の説明から、医用三次元画像において、ランドマークを元に定められた基準となるX軸、Y軸およびZ軸につき、いずれかの基準軸をそのままに、残りの2つの基準軸を修正するやり方が説明された。また、互いに直交する3つの基準面に従って医用三次元画像が表示されている場合において、いずれか1つの基準面をそのままに、残り2つの基準面を修正する方法が説明された。
この発明は、以上の説明に限定されるものではない。この発明は、次のような基準軸や基準面の座標系修正も含む。
次に、X軸およびZ軸を修正し、三次元画像の表示方向を修正する仕方について説明する。
そして、図14に示すように、新たなZ軸の作成により、Z軸と直角なX軸も、Y軸を中心にZ軸と同じ角度だけ回転されて、新たなX軸が作成される。
上述の説明は、ランドマークに基づく基準座標系として、X軸、Y軸およびZ軸を用いた座標系を例にとって説明したが、ランドマークに基づく基準座標系として、基準水平面、前頭面および正中面に従って表示されている三次元画像に対しても、同様のやり方で、前頭面はそのままとし、正中面および水平基準面を回転させて修正することができる。
図16〜図19は、人体頭部の側面前方部を表示しており、三次元Raysum表示(等方向等価投影像表示)である。人体頭部の表示に加え、図16に示すように、水平基準面HPおよび前頭面VP1が直線で示されている。図16において、前鼻棘C1および後鼻棘D1がマウス等によって指定されたとする。指定に応じ、点C1および点D1がそれぞれランドマークとして登録される。また、線分C1−D1と水平基準面HPとの角度αが算出される。この算出の仕方は、たとえば、2点C1、D1が、正中面に投影され、正中面上で、線分C1−D1が平行移動され、水平基準面HPとの角度αが求められるというやり方が、一例として例示できる。(図17参照)
次いで、図18に示すように、水平基準面HPおよび前頭面VP1が、それぞれ、X軸を中心に角度α回転されて、新水平基準面newHPおよびnewVP1が作成される。なお、正中面は、元の正中面がそのまま用いられる。
この発明は、さらに、次のような基準軸や基準面の座標系修正も含む。
この例示から明らかなように、基準座標系を修正するためのランドマークは、画像中における任意の一対であればよく、左右、上下、前後等の特定の向きに限定されるものではない。
さらに、眼耳平面で位置決めされ、皮膚が表示された3D画像上で、左右の外眼角、左右の内眼角、左右鼻翼、左右の口角、という複数の左右対の特徴点と、前頭面とが指定されたことにより、これら各点が前頭面に投影され、各投影点を結ぶ直線とX軸との傾きの平均値を求め、その平均値の分だけX軸およびZ軸を傾けるようにして、基準軸の修正を行うことができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
2 表示器
3 キーボード
4 マウス
5 記憶媒体
HP 水平基準面
VP1 前頭面(第1垂直基準面)
VP2 正中面(第2垂直基準面)
Claims (6)
- 画像に含まれている解剖学的特徴点(以下「ランドマーク」という。)を基準とする三次元座標系に従う医用三次元画像を表示する処理手段と、
表示された医用三次元画像の右側領域において少なくとも1点、および左側領域において少なくとも1点の左右一対の元の三次元座標系の基準となっていない任意のランドマークが指定されたことに応じて、それら指定されたランドマークを登録する処理手段と、
登録された左右一対のランドマークを基準に、三次元座標系を構成する三方向のうちの一方向はそのままに保ち、二方向の傾きを修正する処理手段と、
を含むことを特徴とする医用三次元画像の表示方向修正装置。 - 元の医用三次元画像は、ランドマークを基準とする水平基準面、前頭面および正中面に従って表示される人体頭部の画像を含み、
前記修正処理手段は、登録された左右一対のランドマークを基準に、前頭面はそのままに、水平基準面および正中面の傾きを修正することを特徴とする、請求項1記載の医用三次元画像の表示方向修正装置。 - 元の医用三次元画像は、ランドマークを基準とする水平基準面、前頭面および正中面に従って表示される人体頭部の画像を含み、
前記修正処理手段は、登録された左右一対のランドマークを基準に、水平基準面はそのままに、前頭面および正中面の傾きを修正することを特徴とする、請求項1記載の医用三次元画像の表示方向修正装置。 - 前記登録された左右一対のランドマークは、それぞれ、複数のランドマークが指定されたときにおいて、複数のランドマークの中点を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の医用三次元画像の表示方向修正装置。
- 画像に含まれているランドマークを基準とする三次元座標系に従う医用三次元画像を表示する処理と、
表示された医用三次元画像において、基準座標系を修正するために必要な一対のランドマークであって、元の三次元座標系の基準となっていない任意のランドマーグが指定されたことに応じて、それら指定されたランドマークを登録する処理と、
登録された一対のランドマークを基準に、三次元座標系を構成する互いに直交する三面のうちの一面はそのままに保ち、二面の傾きを修正する処理と、
を実行することを特徴とする医用三次元画像の表示方向修正方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の一連の処理を行うための医用三次元画像の表示方向修正用プログラム。
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