JP2007129905A - 糖尿病性腎症感受性遺伝子、および糖尿病性腎症の予防または治療剤の有効成分のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抗糖尿病性腎症剤の有効成分のスクリーニングに際して下記の工程を行う:
(1)被験物質とNCALD遺伝子を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(2)被験物質を接触させた細胞のNCALD遺伝子の発現量を測定する工程、及び
(3)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞のNCALD遺伝子の発現量よりも大きい被験物質を選択する工程。
【選択図】なし
Description
「糖尿病合併症」最新医学別冊 新しい診断と治療のABC(30)、最新医学社発行、第101頁 「糖尿病合併症」最新医学別冊 新しい診断と治療のABC(30)、最新医学社発行、第93頁 Wang W, et al., Biochim Biophys Acta. 2001 Mar 19; 1518(1-2):162-7 Polans A, et al., Trends Neurosci 19:547-554, 1996 Hideka H, et al., Neurosci Res 16:73-77, 1993 Palczewski K, et al., Bioessays 22:337-350, 2000 Terasawa M, et al., J Biol Chem 267:29596-19599, 1992 Zozulya S, et al., Proc Natl Acad Sci USA 89:11569-11573, 1992 Zozulya S, et al., Method Enzymol 250:383-393, 1995 Vijay-Kumar S, et al., Nat Struct Biol 6:80-88, 1999
項1.下記の工程を有する、NCALD遺伝子の発現を亢進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質とNCALD遺伝子を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(2)被験物質を接触させた細胞のNCALD遺伝子の発現量を測定する工程、及び
(3)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞のNCALD遺伝子の発現量よりも大きい被験物質を選択する工程。
項2.下記の工程を有する、NCALDの産生量を増加させる物質のスクリーニング方法:
(1’)被験物質とNCALDを産生可能な細胞またはこの細胞から調製した細胞画分とを接触させる工程、
(2’)被験物質を接触させた細胞またはその細胞画分のNCALDの産生量を測定する工程、及び
(3’)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞もしくはその細胞画分のNCALDの産生量よりも大きい被験物質を選択する工程。
(1”)被験物質とNCALDを産生可能な細胞またはこの細胞から調製した細胞画分を接触させる工程、
(2”)被験物質を接触させた細胞またはその細胞画分のNCALDの機能を検出する工程、及び
(3”)上記の検出した機能が、被験物質を接触させない対照細胞またはその細胞画分のNCALDの機能よりも大きい被験物質を選択する工程。
項4.NCALDの機能が細胞の間葉化の阻害である項3記載のスクリーニング方法。
項5.NCALDの機能が接着分子の発現誘導である項3記載のスクリーニング方法。
項6.前記接着分子がE−カドヘリンである項5記載のスクリーニング方法。
項7.NCALDの機能がアクチンの発現抑制である項3記載のスクリーニング方法。
項8.前記アクチンがα−平滑筋アクチンである項7記載のスクリーニング方法。
項9.NCALDの機能が細胞外基質の産生抑制である項3記載のスクリーニング方法。
項10.NCALDの機能が細胞の遊走能もしくは浸潤の抑制である項3記載のスクリーニング方法。
項12.NCALD遺伝子を発現可能な細胞またはNCALDを産生可能な細胞が、近位尿細管上皮細胞である項1〜11のいずれかに記載のスクリーニング方法。
項13.糖尿病性腎症の予防または治療剤の有効成分を探索する方法である項1〜12のいずれかに記載のスクリーニング方法。
項14.被検者由来の被検試料におけるNCALD遺伝子のmRNA発現量を測定する工程を含み、ここで、被検試料における当該発現量が、正常人由来の対照試料におけるNCALD遺伝子のmRNA発現量よりも小さいことを、前記被検者が糖尿病性腎症に罹患する可能性が高いとの指標とする、糖尿病性腎症に罹患する可能性が高い被検者の選別方法。
項15.被検者由来の被検試料におけるNCALDの産生量を測定する工程を含み、ここで、被検試料における当該産生量が、正常人由来の対照試料におけるNCALDの産生量よりも小さいことを、前記被検者が糖尿病性腎症に罹患する可能性が高いことの指標とする、糖尿病性腎症に罹患する可能性が高い被検者の選別方法。
項16.被検者由来の被検試料におけるNCALD遺伝子の第4エクソンに存在する999番目における塩基、同1307番目における塩基、及び同1340番目における塩基の少なくともいずれか一つの塩基を検出する工程を含み、これらの塩基の少なくとも1つが下記の条件:
999番目における塩基:チミン
1307番目における塩基:シトシン
1340番目における塩基:アデニン
を満たすことを、前記被検者が糖尿病性腎症に罹患する可能性が高いことの指標とする、糖尿病性腎症に罹患する可能性が高い被検者の選別方法。
項17.NCALD遺伝子の第4エクソンに存在する999番目における塩基、同1307番目における塩基、及び同1340番目における塩基の少なくともいずれか一つの塩基を検出するための試薬を含む、糖尿病性腎症の罹患性診断キット。
本明細書における塩基配列(ヌクレオチド配列)、核酸などの略号による表示は、IUPAC−IUBの規定〔IUPAc-IUB communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138; 9 (1984)〕、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作製のためのガイドライン」(特許庁編)及び当該分野における慣用記号に従うものとする。
本発明者らは、糖尿病性腎症感受性遺伝子を探索するために、多くの日本人2型糖尿病患者を対象として、gene-based SNPsを用いたケースコントロール関連解析ならびに連鎖不平衡(LD)マッピングを行うことにより、第8番染色体q22-23(8q22-23)領域に存在するヒト・ニューロカルシンデルタ遺伝子(human neurocalcin delta gene)(NCALD遺伝子)の第4エクソンの塩基配列上に連鎖不平衡状態で存在する3つのSNPs(SNP999、SNP1307、SNP1340)を見出し、これらのSNPsが糖尿病性腎症の発症やその進行に有意に関係していることを見出した(糖尿病性腎症感受性SNPs)。さらに本発明者らは、当該SNPsの特定のハプロタイプを有するNCALD遺伝子に由来するmRNAはその安定性が有意に減少していること、ニューロカルシンデルタがE−カドヘリンやα-SMAの発現量、および細胞の遊走能に影響を与えていることを見出し、NCALD遺伝子が糖尿病性腎症の発症やその進行に深く関わる糖尿病性腎症感受性遺伝子であるとの結論に至った。
SNP999の塩基 :チミン(T)
SNP1307の塩基:シトシン(C)
SNP1340の塩基:アデニン(A)
に当てはまる場合、当該SNPsを有する被検者は、遺伝的に糖尿病性腎症を発症しやすいか、または糖尿病から腎症に発展進行しやすい体質を備えている(糖尿病性腎症に感受性)と判断することができる。
前述するように、本発明者らは、NCALD遺伝子の発現の低下が、糖尿病性腎症の発症やその進行に深く関わっていることを見出した。このことから、NCALDが糖尿病性腎症の発症抑制またはその進行抑制に関わっており、NCALD遺伝子の発現(mRNA発現)を亢進させて、NCALDの産生量を増大する作用を有する物質、またはNCALDの機能を亢進する作用を有する物質は、糖尿病性腎症の予防または治療に有効な成分として有用であると考えられる。
当該スクリーニングは、被験物質の中から、NCALD遺伝子の発現を亢進する作用を有する物質を、NCALD mRNAの発現量を指標として探索し、抗糖尿病性腎症剤の有効成分として取得する方法である。
(1)被験物質とNCALD遺伝子を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(2)被験物質を接触させた細胞のNCALD遺伝子の発現量を測定する工程、及び
(3)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞のNCALD遺伝子の発現量よりも大きい被験物質を選択する工程。
当該スクリーニングは、被験物質の中から、NCALDの産生を増加させる作用を有する物質を、NCALDの産生量を指標として探索し、抗糖尿病性腎症剤の有効成分として取得する方法である。
(1’)被験物質とNCALDを産生可能な細胞またはこの細胞から調製した細胞画分とを接触させる工程、
(2’)被験物質を接触させた細胞または細胞画分のNCALDの産生量を測定する工程、及び
(3’)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞(NCALDを産生可能な細胞)または被験物質を接触させない細胞画分(NCALDを産生可能な細胞から調製)のNCALDの産生量よりも大きい被験物質を選択する工程。
当該スクリーニングは、被験物質の中から、NCALDの機能を亢進する作用を有する物質を、NCALDの機能を指標として探索し、抗糖尿病性腎症剤の有効成分として取得する方法である。
(1”)被験物質とNCALDを産生可能な細胞またはこの細胞から調製した細胞画分を接触させる工程、
(2”)被験物質を接触させた細胞または細胞画分のNCALDの機能を検出する工程、及び
(3”)上記の検出した機能が、被験物質を接触させない対照細胞(NCALDを産生可能な細胞)または細胞画分(NCALDを産生可能な細胞から調製)のNCALDの機能よりも大きい被験物質を選択する工程。
上記のスクリーニング方法によって選別された候補物質は、さらに糖尿病性腎症を有する病態非ヒト動物を用いてスクリーニングにかけることもできる。かくして選別される候補物質は、さらに糖尿病性腎症を有する病態非ヒト動物を用いた薬効試験、安全性試験、さらに糖尿病性腎症を有する患者(ヒト)もしくはその前状態にある患者(ヒト)への臨床試験に供してもよく、これらの試験を実施することによって、より実用的な糖尿病性腎症の予防または治療用組成物の有効成分を選別取得することができる。
本発明は、また被検者の中から糖尿病性腎症の罹患・進行リスク(糖尿病性腎症を発症し易くまた進行易いか/発症し難くまた進行し難いかの別)を測定し、当該リスクの高い被検者を選別する方法を提供する。なお、本発明では、これらのリスクが高い被検者を「糖尿病性腎症易罹患者」と称する。
当該方法は、被検者由来の被検試料におけるNCALD遺伝子の発現量、すなわちNCALD mRNA発現量を測定することによって行うことができる。ここで被検試料としては、NCALD遺伝子を発現し得る細胞を含む生体試料であればよいが、具体的には、血液を挙げることができる。
当該方法は、被検者由来の被検試料におけるNCALDの産生量を測定することによって行うことができる。ここで被検試料としては、NCALD遺伝子を発現し、NCALDを産生し得る細胞を含む生体試料であればよいが、具体的には血液を挙げることができる。
当該方法は、被検者から得られるゲノムDNAを対象として、下記3つSNPsの中の少なくとも1つのSNPsについて塩基を検出し同定する工程を有するものである:
(1) ヒトNCALD遺伝子の第4エクソンの999位(SNP999)の塩基
(2) ヒトNCALD遺伝子の第4エクソンの1307位(SNP1307)の塩基
(3) ヒトNCALD遺伝子の第4エクソンの1340位(SNP1340)の塩基。
(1) ヒトNCALD遺伝子の第4エクソンの999位(SNP999)の塩基:チミン
(2) ヒトNCALD遺伝子の第4エクソンの1307位(SNP1307)の塩基:シトシン
(3) ヒトNCALD遺伝子の第4エクソンの1340位(SNP1340)の塩基:アデニン
を満たしている場合に、当該被検者を、糖尿病性腎症に罹りやすい者(糖尿病性腎症易罹患者)として判定し、選択する工程を有することができる。
本発明はまた、糖尿病性腎症の罹患リスクを診断するための試薬キット(診断キット)を提供する。特に、上記(4-3)で説明する糖尿病性腎症易罹患者の選別方法に使用される診断キットを提供する。
上記(4-3)にて説明する糖尿病性腎症感受性SNPs並びに当該塩基を含むヌクレオチドの検出には、ヒト第8染色体(8q22-23)のNCALD遺伝子上の糖尿病性腎症感受性SNPsを含むオリゴまたはポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズし、当該SNPsを検出することができるオリゴまたはポリヌクレオチドが用いられる。かかるオリゴまたはポリヌクレオチドは、上記NCALD遺伝子上において個々のSNPs(SNP999、SNP1307、SNP1340)を各々含む16〜500塩基長、好ましくは20〜200塩基長、より好ましくは20〜50塩基長の連続した遺伝子領域と特異的にハイブリダイズするように、上記塩基長を有するオリゴまたはポリヌクレオチドとして設計される。
(b) ヒトNCALD遺伝子の塩基配列において、第4エクソンの1307位(SNP1307)に位置するヌクレオチドを含む16〜500塩基長の連続したオリゴまたはポリヌクレオチド、
(c) ヒトNCALD遺伝子の塩基配列において、第4エクソンの1340位(SNP1340)に位置するヌクレオチドを含む16〜500塩基長の連続したオリゴまたはポリヌクレオチド。
本発明は、またヒト第8染色体のNCALD遺伝子上の糖尿病性腎症感受性SNPsを含む配列領域を特異的に増幅するためのプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドを提供する。
(b) ヒトNCALD遺伝子の塩基配列において、第4エクソンの1307位(SNP1307)に位置するヌクレオチドを含む16塩基長以上の連続したオリゴまたはポリヌクレオチド、
(c) ヒトNCALD遺伝子の塩基配列において、第4エクソンの1340位(SNP1340)に位置するヌクレオチドを含む16塩基長以上の連続したオリゴまたはポリヌクレオチド。
上記本発明のプローブまたはプライマーには、遺伝子多型検出のための適当な標識物、例えば蛍光色素、酵素、タンパク質、放射性同位体、化学発光物質、ビオチン等が付加されたものが含まれる。
本発明の診断キットは、糖尿病性腎症罹患リスクの診断に使用する試薬として、上記プローブまたはプライマーとして用いられるオリゴまたはポリヌクレオチド(なお、これらは標識されていても、また固相に固定化されていてもよい)を少なくとも1つ含むものである。本発明の診断キットは上記プローブまたはプライマーの他、必要に応じてハイブリダイゼーション用の試薬、プローブの標識、ラベル体の検出剤、緩衝液など、本発明の方法の実施に必要な他の試薬、器具などを適宜含んでいてもよい。
インフォームドコンセントの下、滋賀医科大学、東京女子医科大学、順天堂大学、川崎医科大学、岩手医科大学、取手協同病院、川井クリニック、大阪市立総合医療センター、千葉徳洲会病院、または大阪労災病院に定期的に来診する2型糖尿病患者を対象として実験を行なった。
1)糖尿病性腎症症例:糖尿病網膜症と、明らかな糖尿病性腎症(200μg/分を超える尿中アルブミン排泄率若しくは300mg/gCrを超える尿中アルブミン/クレアチニン比)とを伴う患者、又は慢性透析療法を受けている患者、
2)対照群:腎機能障害の兆候を示していないが糖尿病網膜症を伴う患者〔20μg/分未満の尿中アルブミン排泄率若しくは30mg/gCr未満の尿中アルブミン/クレアチニン比〕。
実施例1で同定された3つのSNPs(SNP999、SNP1307、SNP1340)によるNCALD遺伝子の影響を調べるため、それぞれのSNPsを導入したNCALD遺伝子の発現産物mRNAの安定性を調べた。
siRNAを用いてNCALDの遺伝子発現を抑制し、糖尿病性腎症関連因子への影響を検討した。
siRNA #1 (nt373-391):5’-TTC ATC ATC GCC TTG AGT GdTdT-3’(配列番号:1)
siRNA#2 (nt597-615):5’-TAG AGA CGG AAA ACT CTC CdTdT-3’ (配列番号:2)。
NCALD遺伝子(cDNA)について、
センスプライマー:5’-AGC ATG TAC GAC CTG GAC GG-3’(配列番号:4)、
アンチセンスプライマー:5-TTT GGC TCC TCG GAT GAA CT-3’(配列番号:5)、
E−カドヘリン遺伝子(cDNA)について、
センスプライマー:5’-GCC CAT TTC CTA AAA ACC TGG-3’(配列番号:6)、
アンチセンスプライマー:5’-TTG GAT GAC ACA GCG TGA GAG-3’(配列番号:7)、
GAPDH遺伝子(cDNA)について、
センスプライマー:5’-AGG TGA AGG TCG GAG TCA ACG-3’(配列番号:8)、
アンチセンスプライマー:5’-GCT CCT GGA AGA TGG TGA TGG-3’(配列番号:9)、
36B4遺伝子(cDNA)について、
センスプライマー:5’-AAG AAC ACC ATG ATG CGC AAG-3’(配列番号:10)、
アンチセンスプライマー:5’-CCT TAT TGG CCA GCA ACA TGT C-3’(配列番号:11)。
改良型ボイデンチャンバーを使用し、NCALD遺伝子の細胞遊走能に対する影響を調べた。
Claims (17)
- 下記の工程を有する、NCALD遺伝子の発現を亢進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質とNCALD遺伝子を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(2)被験物質を接触させた細胞のNCALD遺伝子の発現量を測定する工程、及び
(3)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞のNCALD遺伝子の発現量よりも大きい被験物質を選択する工程。 - 下記の工程を有する、NCALDの産生量を増加させる物質のスクリーニング方法:
(1’)被験物質とNCALDを産生可能な細胞またはこの細胞から調製した細胞画分とを接触させる工程、
(2’)被験物質を接触させた細胞またはその細胞画分のNCALDの産生量を測定する工程、及び
(3’)上記の測定量が、被験物質を接触させない対照細胞もしくはその細胞画分のNCALDの産生量よりも大きい被験物質を選択する工程。 - NCALDの機能を亢進する物質のスクリーニング方法:
(1”)被験物質とNCALDを産生可能な細胞またはこの細胞から調製した細胞画分を接触させる工程、
(2”)被験物質を接触させた細胞またはその細胞画分のNCALDの機能を検出する工程、及び
(3”)上記の検出した機能が、被験物質を接触させない対照細胞またはその細胞画分のNCALDの機能よりも大きい被験物質を選択する工程。 - NCALDの機能が細胞の間葉化の阻害である請求項3記載のスクリーニング方法。
- NCALDの機能が接着分子の発現誘導である請求項3記載のスクリーニング方法。
- 前記接着分子がE−カドヘリンである請求項5記載のスクリーニング方法。
- NCALDの機能がアクチンの発現抑制である請求項3記載のスクリーニング方法。
- 前記アクチンがα−平滑筋アクチンである請求項7記載のスクリーニング方法。
- NCALDの機能が細胞外基質の産生抑制である請求項3記載のスクリーニング方法。
- NCALDの機能が細胞の遊走能もしくは浸潤の抑制である請求項3記載のスクリーニング方法。
- さらにNCALD遺伝子を発現可能な細胞またはNCALDを産生可能な細胞にTGF−βを接触させる工程を含む、請求項1から10のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- NCALD遺伝子を発現可能な細胞またはNCALDを産生可能な細胞が、近位尿細管上皮細胞である請求項1から11のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- 糖尿病性腎症の予防または治療剤の有効成分を探索する方法である請求項1から12のいずれかに記載のスクリーニング方法。
- 被検者由来の被検試料におけるNCALD遺伝子のmRNA発現量を測定する工程を含み、ここで、被検試料における当該発現量が、正常人由来の対照試料におけるNCALD遺伝子のmRNA発現量よりも小さいことを、前記被検者が糖尿病性腎症に罹患する可能性が高いとの指標とする、糖尿病性腎症に罹患する可能性が高い被検者の選別方法。
- 被検者由来の被検試料におけるNCALDの産生量を測定する工程を含み、ここで、被検試料における当該産生量が、正常人由来の対照試料におけるNCALDの産生量よりも小さいことを、前記被検者が糖尿病性腎症に罹患する可能性が高いことの指標とする、糖尿病性腎症に罹患する可能性が高い被検者の選別方法。
- 被検者由来の被検試料におけるNCALD遺伝子の第4エクソンに存在する999番目における塩基、同1307番目における塩基、及び同1340番目における塩基の少なくともいずれか一つの塩基を検出する工程を含み、これらの塩基の少なくとも1つが下記の条件:
999番目における塩基:チミン
1307番目における塩基:シトシン
1340番目における塩基:アデニン
を満たすことを、前記被検者が糖尿病性腎症に罹患する可能性が高いことの指標とする、糖尿病性腎症に罹患する可能性が高い被検者の選別方法。 - NCALD遺伝子の第4エクソンに存在する999番目における塩基、同1307番目における塩基、及び同1340番目における塩基の少なくともいずれか一つの塩基を検出するための試薬を含む、糖尿病性腎症の罹患性診断キット。
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