JP2007128023A - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents
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Abstract
【課題】 フォトレジスト法によりパターン化された硬化物膜を形成することができ、優れた難燃性に加え、優れた可撓性及び熱プレス耐性を有する硬化膜が得られる感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 好適な感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリマーと、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素原子を有する第1の光重合性化合物と、(C)(B)成分以外であって、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する第2の光重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 好適な感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリマーと、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素原子を有する第1の光重合性化合物と、(C)(B)成分以外であって、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する第2の光重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントに関する。
プリント配線板の一種として、フレキシブルプリント配線板(FlexiblePrinted Circuit;以下、「FPC」という。)と呼ばれるフィルム状のプリント配線板が、特にカメラ、磁気ヘッド、携帯電話などの小型機器に用いられている。これは、FPCが折り曲げられてもその機能を維持することができるため、上述のような小型機器に収容するプリント配線板として好適であることによる。近年では、各種電子機器の更なる小型化及び軽量化の要請が増えてきている。そこで、電子機器の配線用にFPCを採用することによって、電子機器の寸法及び重量の減少、製品コストの低減並びに設計の単純化等が実現されてきている。
FPCにおいて回路面上等に設けられるパターン化膜であるソルダーレジストや永久マスク等には、通常のプリント配線板におけるこれらと同様に、まず、耐有機溶剤性、高解像度、電気絶縁性及びはんだ耐熱性といった基本的な特性が要求される。また、この基本的な特性に加えて、FPCを折り曲げた際に破壊されないような可撓性も要求される。さらに、FPCには、部分的に厚くしたり硬くしたりするため補強板を貼り付ける場合があるが、この補強板は通常、高圧、高温条件下で熱プレス機を用いて貼り付けられることから、ソルダーレジスト等に対しては、この熱プレスに対する耐性(熱プレス耐性)も要求される。さらにまた、FPCは、その大部分が上述したような電子機器に用いられるため、ソルダーレジスト等には、安全性の観点から高い難燃性が求められる。
例えば、FPCに備えられるソルダーレジストとしては、接着剤層付きのポリイミドフィルムを打ち抜いて形成されるカバーレイが多く採用されている。これは、上述したような各種の特性を比較的良好に満足することができる。しかし、このカバーレイは、金型を用いた打ち抜きにより形成されることから、更なる小型化に対応した電子機器のFPCに適用しようとしても、金型を微細化し得る限界以上に微細なパターンを形成することができないという問題があった。また、上記カバーレイを用いる場合、その加工に用いる金型が高価であることや、基板上に積層する際に人手によって位置合わせ及び貼り合わせが行われること等の理由によって、FPCの製造コストが高くなるという問題もあった。
上述した接着剤層付きのポリイミドフィルムによるカバーレイの問題点を解決するため、フォトレジスト法が採用されつつある。このフォトレジスト法は、基板上に感光性樹脂からなる膜を形成した後に、この膜を部分露光により硬化させ、未露光部を現像によって除去するものである。かかるフォトレジスト法によれば、金型による加工が必要無いため、さらに微細なパターンを形成することが可能となるほか、FPCの製造コストも低減し得る。
このようなフォトレジスト法に用いる感光性樹脂としては、特定のエポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との付加生成物を、無水コハク酸等と反応させることによって得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を含む液状のFPC用感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
ところが、これらのフォトレジスト法に適用可能なFPC用感光性樹脂組成物を用いた場合は、十分な難燃性が得られ難い傾向にあった。感光性樹脂組成物に難燃性を付与する方法としては、まず、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化物系難燃剤及び三酸化アンチモン等の難燃助剤を組み合わせる方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。
また、難燃剤としてリン酸エステル化合物を添加する方法(例えば、特許文献4、5参照)等が提案されている。
特開平7−207211号公報
特開平8−134390号公報
特開平5−27433号公報
特開平9−235449号公報
特開平10−306201号公報
また、難燃剤としてリン酸エステル化合物を添加する方法(例えば、特許文献4、5参照)等が提案されている。
しかしながら、上記特許文献3に記載された感光性樹脂組成物は、十分な難燃性が得られる量の臭素化エポキシ樹脂を添加した場合に、その硬化膜の可撓性が不十分となる傾向にあった。また、この感光性樹脂組成物は、環境中への漏出が望ましくない三酸化アンチモンを含むことから、廃棄等の際に慎重な処理が求められる場合がある等、取り扱い性が良好ではないという問題も有していた。
一方、上記特許文献4、5に記載のリン酸エステル化合物を含む感光性樹脂組成物は、得られる硬化膜に熱プレスを行った際に、リン酸エステル化合物が溶け出す等して感光性樹脂組成物からしみ出してしまう場合がある等、熱プレス耐性が低い傾向にあった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フォトレジスト法によりパターン化された硬化膜を形成することができ、優れた難燃性に加え、優れた可撓性及び熱プレス耐性を具備する硬化膜が得られる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、かかる感光性樹脂組成物を用いて得られる感光性エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、感光性樹脂組成物の成分として難燃性を発揮し得る特定の化合物を用いることで上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリマーと、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素原子を有する第1の光重合性化合物と、(C)上記(B)以外であって、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する第2の光重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを含むことを特徴とする。
上記各成分を含む感光性樹脂組成物は、光による硬化が可能であるためフォトレジスト法によってパターン化された硬化膜を形成することができ、得られた硬化膜は、従来ソルダーレジストに求められる基本的な特性に加え、良好な可撓性を具備するものとなる。この感光性樹脂組成物は、特に(B)成分として、所定量の臭素原子を有する第1の光重合性化合物を含有していることから、その硬化膜が優れた難燃性を有するものとなる。また、この(B)成分は、分子中にエチレン性不飽和基を有していることから、光硬化によって形成される重合構造中に組み込まれ得る。このため、得られる硬化膜は、熱プレスによって(B)成分等の感光性樹脂組成物中の成分がしみ出すことが少なく、優れた熱プレス耐性を有するものとなる。
上記本発明の感光性樹脂組成物において、(B)成分は、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基、及び、少なくとも一つのブロモフェニル基を有する化合物であると好ましい。このような(B)成分を含む感光性樹脂組成物によれば、より良好な光感度が得られるようになる他、優れた難燃性及び熱プレス耐性を有する硬化膜が得られるようになる。
(B)成分としては、炭素数1〜5のオキシアルキレン基を更に有する化合物が好ましい。これにより、得られる硬化膜の可撓性が更に向上するようになる。
また、上記(C)成分としては、例えば、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有し、且つ、臭素原子を有しない化合物が挙げられる。このような(C)成分を用いることにより、硬化膜の可撓性がより良好となる。かかる(C)成分としては、具体的には、臭素原子を有しないビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が好適である。
さらにまた、本発明の感光性樹脂組成物は、(E)リン含有化合物を更に含むと好ましい。上述の如く、本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を含むことで優れた難燃性を有している。したがって、少量のリン含有化合物を添加することで硬化膜の著しい難燃性の向上効果が得られる。従来、リン含有化合物の添加によると、難燃性が向上する反面、硬化膜の電気絶縁性が低下する傾向にあったが、本発明においては、上述の如く、少量のリン含有化合物で効果が得られることから、硬化膜の電気絶縁性を良好に維持することができる。このようなリン含有化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
[式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を除く1価の基である。]
[式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を除く1価の基である。]
(E)成分としては、100℃以上の融点を有する化合物がより好ましい。こうすれば、硬化膜に熱プレス等を施した場合であっても、リン含有化合物が溶け出すことが少なくなり、硬化膜の熱プレス耐性が一層向上するようになる。
上記本発明の感光性樹脂組成物は、フィルム状の基材上に樹脂層を形成する用途に好適である。ここで、フィルム状の基材とは、可撓性を有する薄い膜状の基材をいい、例えば、厚さ12.5〜75μmのポリイミドフィルムに厚さ9〜35μmの銅箔を貼り合せた基材等が例示できる。本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、このようなフィルム状の基材上において樹脂層を形成した場合であっても、優れた可撓性を有していることから基材に合わせて柔軟に変形することが可能であり、基材を折り曲げた場合であっても破壊等され難い。
特に、本発明の感光性樹脂組成物は、FPCにおける永久マスクを形成する用途に好適である。上述の如く、本発明の感光性樹脂組成物からなる硬化膜は、耐有機溶剤性、高解像度、電気絶縁性及びはんだ耐熱性等の基本的な特性に加え、優れた難燃性、可撓性及び熱プレス耐性を備えている。したがって、この硬化膜から構成される永久レジストは、FPCの回路保護性に優れるほか、FPCの変形や熱プレスによる破壊又は劣化が少ないため信頼性が高く、しかも良好な難燃性を有することから安全性の点でも優れるものとなる。
本発明はまた、支持体と、この支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光層とを備える感光性エレメントを提供する。このような感光性エレメントによれば、例えば、FPC上に上記本発明の感光性樹脂組成物からなる層を形成することが容易であり、上述したような優れた特性を有する樹脂層や永久マスクを良好に形成できるようになる。
本発明によれば、ソルダーレジストや永久マスクに求められる基本的な特性を十分に満足し、しかも、優れた難燃性、可撓性及び熱プレス耐性を有する硬化膜を形成し得る感光性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明は、かかる感光性樹脂組成物からなる感光層を備える感光性エレメントを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
[感光性樹脂組成物]
[感光性樹脂組成物]
ます、好適な実施形態に係る感光性樹脂組成物について説明する。感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性ポリマー、(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素を分子内に有する第1の光重合性化合物、(C)(B)成分以外であって、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を分子内に有する第2の光重合性化合物、並びに、(D)光重合開始剤を含有する。以下、本実施形態の感光性樹脂組成物に含まれる各成分についてそれぞれ説明する。
((A)成分:アルカリ可溶性ポリマー)
(A)成分は、アルカリ水溶液に可溶な膜を形成し得るポリマーである。感光性樹脂組成物の硬化膜は、かかる(A)成分を含むことから、希アルカリ水溶液を用いた現像を良好に行うことができる。
(A)成分は、アルカリ水溶液に可溶な膜を形成し得るポリマーである。感光性樹脂組成物の硬化膜は、かかる(A)成分を含むことから、希アルカリ水溶液を用いた現像を良好に行うことができる。
(A)成分としては、アルカリ水溶液に可溶な膜を形成し得るものであれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸と他の共重合可能な二重結合を有する単量体(例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等のエステル類;(メタ)アクリル酸アミド等の酸アミド類;アクリロニトリル;スチレン等)との共重合体、ビニルフェノール重合体、ビニルフェノールと他の共重合可能な二重結合を有した単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等のエステル類;(メタ)アクリル酸アミド等の酸アミド類;アクリロニトリル;スチレン等)との共重合体、フェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂またはそれらの樹脂の部分水素添加物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、アルカリ現像性に優れる点から、(メタ)アクリル酸と他の共重合可能な二重結合を有する単量体との共重合体が好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びこれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びこれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びこれに対応するメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリロキシ基とはアクリロキシ基及びこれに対応するメタクリロキシ基を意味する(以下同様)。
((B)成分:第1の光重合性化合物)
(B)成分は、少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素原子を有する化合物である。(B)成分は、分子中に所定量の臭素原子を含むことから、感光性樹脂組成物の硬化膜に優れた難燃性を付与することができる。この(B)成分は、エチレン性不飽和基を有することから、感光性樹脂組成物を硬化して硬化膜を形成する際に光架橋される。このため、(B)成分は、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜に対して高圧、高温条件で熱プレス工程を行った場合であっても、硬化膜中からしみ出し難い。
(B)成分は、少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素原子を有する化合物である。(B)成分は、分子中に所定量の臭素原子を含むことから、感光性樹脂組成物の硬化膜に優れた難燃性を付与することができる。この(B)成分は、エチレン性不飽和基を有することから、感光性樹脂組成物を硬化して硬化膜を形成する際に光架橋される。このため、(B)成分は、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜に対して高圧、高温条件で熱プレス工程を行った場合であっても、硬化膜中からしみ出し難い。
ここで、(B)成分中の臭素原子の含有量が、20重量%未満であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の難燃性が不十分となる。一方、80重量%を超えると、感光性樹脂組成物の解像度が低くなり、微細なパターンを有する硬化膜を形成し難くなる。
ここで、従来から使用されている難燃剤である、分子内にエチレン性不飽和基を含有しない難燃剤は、硬化膜中に単に添加されたものであるため、熱プレス工程において膜中から分離してしみ出し易かった。このため、従来の難燃剤は、例えば、FPC基板を汚染して、めっき析出不良等の問題を引き起こすことが多かった。これに対し、本実施形態の感光性樹脂組成物は、難燃性を有する成分である(B)成分のしみ出しが極めて少ないことから、従来の難燃剤のような問題を生じることが極めて少ない。
(B)成分は、エチレン性不飽和基を(メタ)アクリロイル基として有していると好ましい。これにより、感光性樹脂組成物を硬化する際の光感度を向上できるほか、得られる硬化膜の熱プレス耐性がより向上する。また、(B)成分は、分子内にエチレン性不飽和基を2つ以上有していてもよく、この場合、複数のエチレン基中に同一の基を含んでいてもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
さらに、(B)成分は、臭素原子をブロモフェニル基として有していると好ましい。こうすれば、得られる硬化膜の難燃性が更に向上する傾向にある。ブロモフェニル基としては、例えば、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基等の臭素原子を1〜5つ有するブロモベンゼン環が挙げられる。なお、(B)成分は分子中に2つ以上のブロモフェニル基を有していてもよく、これらは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
このように、(B)成分は、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基、及び、少なくとも一つのブロモフェニル基を有する化合物であるとより好ましい。かかる(B)成分により、得られる硬化膜の熱プレス耐性が更に向上するほか、硬化膜の難燃性も向上する。
このような(B)成分としては、例えば、テトラブロモビスフェノールAのビス−(3−(メタ)アクリロイル−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)エーテル、2−トリブロモ−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−トリブロモフェノキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、ペンタブロモベンジル(メタ)アクリレート、トリブロモネオペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分は、上記官能基のほかに、炭素数1〜5のオキシアルキレン基を有する化合物であるとより好ましい。このようなオキシアルキレン基としては、それぞれ、−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−で表される基等が挙げられる。これにより、硬化膜の可撓性が更に向上するようになる。なかでも、オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基が好ましい。さらに、(B)成分中において、このオキシアルキレン基の繰り返し単位の数(n)は、1〜10であると好ましく、1〜5であるとより好ましく、1〜3であると更に好ましい。
このように、分子内に炭素数1〜5のオキシアルキレン基を有する(B)成分としては、公知の方法により合成可能されたものや、市販のものを使用することができる。かかる(B)成分としては、例えば、BR−31、GX−6094(いずれも第一工業製薬社製、商品名)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
((C)成分:第2の光重合性化合物)
(C)成分は、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する化合物であり、上記(B)成分以外の化合物である。(C)成分としては、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有し、且つ、分子内に臭素原子を有しない光重合性化合物が好ましい。この(C)成分を含むことで、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、より優れた可撓性を有するようになる。
(C)成分は、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する化合物であり、上記(B)成分以外の化合物である。(C)成分としては、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有し、且つ、分子内に臭素原子を有しない光重合性化合物が好ましい。この(C)成分を含むことで、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、より優れた可撓性を有するようになる。
このような(C)成分としては、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマー等が挙げられる。また、これら以外にも、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル;EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が例示可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物のうち、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらのうち、例えば、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、「EO」とは「エチレンオキシド」のことをいい、「PO」とは「プロピレンオキシド」のことをいう。また、「EO変性」とはエチレンオキシドユニット(−CH2CH2O−)のブロック構造を有することを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキシドユニット(−CH2CH(CH3)O−)のブロック構造を有することを意味する。
また、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。上記のα,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、ウレタンモノマー又はウレタンオリゴマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物(例えば、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらにまた、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
((D)成分:光重合開始剤)
(D)成分は、光の照射により(B)成分及び(C)成分の重合反応を開始させ得る化合物である。このような(D)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン;N−フェニルグリシン誘導体;クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分は、光の照射により(B)成分及び(C)成分の重合反応を開始させ得る化合物である。このような(D)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−モルホリノフェノン)−ブタノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン;N−フェニルグリシン誘導体;クマリン系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(その他成分)
感光性樹脂組成物中には、上述した(A)〜(D)成分のほかに、当該組成物やそれから得られる硬化膜の特性を向上させ得る他の成分を更に含んでいてもよい。例えば、硬化膜の難燃性を更に良好にする目的で、(E)成分として、リン含有化合物を更に含んでいてもよい。このように(E)成分を含むことで、(B)成分との相乗効果によって更に優れた難燃性が得られるようになる。また、(E)成分の添加により、(B)成分の含有量を少なくすることができ、これにより得られる硬化膜の可撓性が向上する傾向にある。
感光性樹脂組成物中には、上述した(A)〜(D)成分のほかに、当該組成物やそれから得られる硬化膜の特性を向上させ得る他の成分を更に含んでいてもよい。例えば、硬化膜の難燃性を更に良好にする目的で、(E)成分として、リン含有化合物を更に含んでいてもよい。このように(E)成分を含むことで、(B)成分との相乗効果によって更に優れた難燃性が得られるようになる。また、(E)成分の添加により、(B)成分の含有量を少なくすることができ、これにより得られる硬化膜の可撓性が向上する傾向にある。
(E)成分としては、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステルや、上記一般式(1)で表されるリン含有化合物が挙げられる。これらのなかでは、上記一般式(1)で表されるリン含有化合物が好ましい。上記一般式(1)で表されるリン含有化合物によれば、より優れた難燃性が得られるほか、他のリン含有化合物に比べて加水分解が起こり難いため、電気絶縁性にも優れる硬化膜が得られるようになる。また、熱プレス時の(E)成分の融解等を抑制して硬化膜の優れた熱プレス耐性を得る観点からは、(E)成分は100℃以上の融点を有することが好ましい。
リン酸エステル及び縮合リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、1,3−ジヒドロキシベンゼン・トリクロロホスフィン重縮合物のフェノール縮合物、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン・トリクロロホスフィンオキシド重縮合物のフェノール縮合物等が挙げられる。これらは市販のものを入手可能であり、例えば、TPP、TCP、TXP、CDP、XDP、CR−733S、CR−735、CR−747(いずれも大八化学社製、商品名)、PFR、FP−500、FP−600、FP−700(いずれも旭電化工業社製、商品名)等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるリン含有化合物は、R1、R2及びR3として、それぞれ独立に、ハロゲン原子を除く1価を有するものである。R1及びR2としては、例えば、水素原子が好ましい。また、R3としては、例えば、下記化学式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される基が好ましい。
上記一般式(1)で表されるリン含有化合物としては、具体的には、HCA、HCA−HQ、SANKO−220、SANKO−BCA(いずれも三光社製、商品名)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物に含有させ得るその他の成分としては、上記(E)成分以外に、必要に応じて、メラミン樹脂若しくはイソシアネートのブロック体等の熱硬化成分、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン若しくはロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤若しくはp−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、フタロシアニングリーン若しくはフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料若しくは二酸化チタン等の無機顔料、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム若しくは硫酸バリウム等の無機顔料からなる充填剤、消泡剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、香料或いはイメージング剤等が挙げられる。これらは、単独で、又は複数種組み合わせて添加することができる。
上述した各成分を含む感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解し、固形分30〜70重量%程度の溶液として塗布等することができる。
(各成分の含有量)
感光性樹脂組成物における、上記各成分の好適な含有量について説明する。まず、(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して、20〜70重量部であることが好ましく、30〜60重量部であることがより好ましい。この含有量が20重量部未満であると光硬化物が脆くなり易くなり、例えば感光性エレメントとして用いた場合に、基板上への塗膜性が悪くなる傾向にある。一方、70重量部を超えると、感光性樹脂組成物の光感度が不十分となる傾向にある。
感光性樹脂組成物における、上記各成分の好適な含有量について説明する。まず、(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して、20〜70重量部であることが好ましく、30〜60重量部であることがより好ましい。この含有量が20重量部未満であると光硬化物が脆くなり易くなり、例えば感光性エレメントとして用いた場合に、基板上への塗膜性が悪くなる傾向にある。一方、70重量部を超えると、感光性樹脂組成物の光感度が不十分となる傾向にある。
また、(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物中の臭素原子の含有割合が以下に示す範囲となるように調整することが好ましい。すなわち、感光性樹脂組成物の不揮発成分の全量中、臭素原子の含有割合が5重量%〜25重量%となるようにすることが好ましい。感光性樹脂組成物中の臭素原子の含有割合が5重量%未満であると、硬化膜の難燃性が低下する傾向にある。一方、25重量%を超えると、硬化膜の可撓性が不十分となる傾向にある。
さらに、(C)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して、10〜70重量部であることが好ましく、30〜60重量部であることがより好ましい。この含有量が10重量部未満であると、光感度が不十分となる傾向がある。一方、70重量部を超えると、光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合に、塗膜性が悪くなる傾向にある。
さらにまた、(D)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましく、0.5〜5重量部であることが特に好ましい。(D)成分の含有量を上記範囲とすることにより、光感度及びはんだ耐熱性が向上する傾向にある。
また、上記(A)〜(D)成分に加えて(E)成分を更に含有する場合、(E)成分の含有量は、上述のように(B)成分による臭素原子の含有割合が5重量%〜25重量%である場合、感光性樹脂組成物中のリン原子の含有割合が0重量%〜5重量%となるように調整すると好ましい。これにより、得られる硬化膜の難燃性、可撓性及び熱プレス耐性の特性がバランスよく満たされるようになる。感光性樹脂組成物中のリン原子の含有割合が5重量%以上であると、得られる硬化膜の熱プレス耐性が低下する傾向にある。
特に、リン原子の含有割合が0重量%〜1.0重量%である場合は、臭素原子の含有割合が10重量%〜25重量%であると好ましく、リン原子の含有割合が1.0重量%〜3.0重量%である場合は、臭素原子の含有割合が8重量%〜18重量%であると好ましく、リン原子の含有割合が3.0重量%〜5.0重量%である場合は、臭素原子の含有割合が5重量%〜14重量%であると好ましい。
また、感光性樹脂組成物中に上記(A)〜(E)成分以外の成分を含有させる場合、これらの成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して、各々0.01〜20重量部程度とすることが好ましい。
[感光性エレメント]
[感光性エレメント]
次に、上述した実施形態の感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメントについて説明する。
図1は、好適な実施形態の感光性エレメントの断面構成を示す図である。図示されるように、感光性エレメント1は、支持体10と、この支持体10上に設けられた感光層20と、感光層20上に設けられた保護膜30とを備えている。
感光層20は、上述した実施形態の感光性樹脂組成物から構成される層である。かかる感光層20は、例えば、感光性樹脂組成物を上述したような溶剤等に溶解して溶液とした後、この溶液を支持体10上に塗布することにより形成することができる。塗布後、溶剤等は加熱及び/又は熱風吹き付けにより除去することが好ましい。感光層20の厚さは、用途により異なるが、溶剤を除去した乾燥後の厚みで、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。この厚さが10μm未満となるように塗工するのは工業的に困難な傾向にある。一方、この厚さが100μmを超えると、当該感光層20から形成される硬化膜の上述したような効果、特に、可撓性及び解像度が低下する傾向にある。
支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム等が挙げられる。この支持体10の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚さが5μm未満であると、現像前に支持体10を剥離する際に当該支持体10が破れやすくなる傾向にある。一方、100μmを超えると感光層20の解像度や、感光性エレメント1の可撓性が低下する傾向にある。
また、保護膜30としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム等からなるフィルムが挙げられる。保護膜30としては、感光層20に対する接着力が支持体10よりも小さいものを選択して用いることが好ましい。この保護膜30の厚さは、5〜30μmであると好ましく、10〜28μmであるとより好ましく、15〜25μmであると更に好ましい。この厚さが5μm未満であると、感光層20から剥離する際に破れが生じるおそれがある。一方、30μmを超える保護膜30は、不要なコストの増大を招く傾向にある。
なお、感光性エレメント1は、上述したような支持体10、感光層20及び保護膜30の3層構造のものに限られず、例えば、支持体10と感光層20の2層構造のものであってもよい。これらの感光性エレメントの保存は、そのままの状態で行ってもよく、例えば、支持体10よりも感光層20が内側となるように巻芯にロール状に巻き取った状態で行ってもよい。
[レジストパターンの形成方法]
[レジストパターンの形成方法]
上述した実施形態の感光性エレメント1は、基板上に導体層や回路パターンが形成された積層基板の導体層や回路面上にソルダーレジストや永久マスク等となるレジストパターンを形成するのに好適に用いることができる。以下、このようなレジストパターンの形成方法について説明する。
図2は、好適な実施形態のレジストパターンの形成方法を模式的に示す工程断面図である。好適なレジストパターンの形成方法は、感光性エレメント1から保護膜30を除去する除去工程、積層基板100上に感光層20、支持体10の順となるように感光性エレメント1を積層する積層工程(図2(a))、感光層20の所定部分に活性光線を照射して当該感光層20に光硬化部20bを形成させる露光工程(図2(b))、及び、光硬化部20b以外の感光層(未硬化部20a)を除去する現像工程(図2(c))を含む。なお、感光性エレメント1が保護膜30を有していない場合は、上記除去工程は省略する。
ここで、積層基板100は、基板102上に導電体層104を備える回路形成用基板であり、導電体層104は所定のパターンを有するように加工されていてもよい。この導電体層104は、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金又は鉄系合金等の導電体から形成される層である。
積層工程における積層方法としては、感光層20を加熱しながら積層基板100に圧着することにより積層する方法等が挙げられる。この積層の際の雰囲気は特に制限されないが、積層基板100の積層される面に対する密着性及び追従性等の見地から、減圧下とすることが好ましい。積層基板100の積層される面は、通常、導電体層104側の面であるが、当該導電体層104以外の面であってもよい。
積層の際の感光層20の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPa程度とすることが好ましく、周囲の気圧は4000Pa以下とすることがより好ましい。ただし、これらの条件は必ずしも上記範囲に制限されない。また、感光層20を上記のように70〜130℃に加熱する場合は、予め積層基板100を予熱処理することは必要ではないが、積層性を更に向上させるために、積層基板100の予熱処理を行ってもよい。
露光工程においては、感光層20の所定部分に活性光線Lを照射して光硬化部20bを形成させる。光硬化部20bの形成方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターン200を通して活性光線Lを画像状に照射する方法が挙げられる。このネガ又はポジマスクパターン200は、活性光線Lを通す光透過部204及び活性光線Lを通さない光遮蔽部202を備える。活性光線Lの照射は、感光層20上に存在する支持体10が透明の場合には、そのまま活性光線Lを照射することができる。ただし、支持体10が不透明の場合には、この支持体10を除去した後に感光層20に活性光線Lを照射する。
活性光線Lの光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを用いることができる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものを用いることもできる。
現像工程においては、感光層20上に支持体10が存在している場合、この支持体10を除去した後、ウエット現像、ドライ現像等で光硬化部20b以外の感光層(未硬化部20a)を除去して現像し、これによりレジストパターン22を形成する。現像方法がウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用い、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。現像液としては、安全かつ安定であり、且つ操作性が良好なものが好ましい。例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5重量%水溶液)等が好適である。
上述の形成方法により得られたレジストパターン22は、フィルム状の基材(積層基板100)上に可撓性を有する樹脂層を形成するために用いられると好ましく、フィルム状の基材(積層基板100)上に形成される永久マスクを形成するために用いられるとより好ましい。例えば、レジストパターン22をFPCのカバーレイとする場合は、上記現像工程の終了後、FPCのカバーレイとしてのはんだ耐熱性や耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる更なる紫外線照射やオーブン等による加熱を行うことが好ましい。
紫外線を照射する場合は、必要に応じてその照射量を調整することが好ましく、例えば0.2〜10J/cm2程度の照射量で照射を行うことができる。また、レジストパターン22を加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行うことが好ましい。
このように形成されたカバーレイは、積層基板100にはんだ付けを施した後の配線(回路)の保護膜を兼ね、優れた可撓性及び絶縁性等を有するので、FPCの永久マスクとして有効である。そして、このようにしてレジストパターン22(カバーレイ)が形成された積層基板22は、その後、LSIなどの部品実装(例えば、はんだ付け)等がなされ、更にカメラ等の電子機器に取り付けられる。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、上述した感光性エレメントの形態以外に、例えば、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布してから乾燥させた後、必要に応じて保護層で被覆された形態で用いられてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[感光性樹脂組成物の調製]
[感光性樹脂組成物の調製]
(実施例1〜3、比較例1〜3)
まず、表1に示す各成分を表中に示される固形分の配合比(質量基準)で混合することにより、感光性樹脂組成物の溶液を得た。表1中の成分としては以下に示すものをそれぞれ用いた。
まず、表1に示す各成分を表中に示される固形分の配合比(質量基準)で混合することにより、感光性樹脂組成物の溶液を得た。表1中の成分としては以下に示すものをそれぞれ用いた。
すなわち、(A)成分は、メタクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/スチレン(質量比:26/20/34/20)の共重合体のトルエン/メチルセロソルブ(質量比=2/3)溶液(重量平均分子量:67000、固形分酸価:170mgKOH/g)であり、共重合体は常法により重合して得られたものである。
(B−1)成分は、EO変性トリブロモフェノールエトキシアクリレート(第一工業製薬社製、商品名「ニューフロンティアBR−31」、臭素原子の含有量:51重量%、エチレン性不飽和基の数:1つ)であり、(B−2)成分は、テトラブロモビスフェノールAジエトキシジメタクリレート(第一工業製薬社製、商品名「GX−6094」、臭素原子の含有量:38重量%、エチレン性不飽和基の数:2つ)であり、(B−3)成分は、ブロム化ビスフェノールAのカーボネートオリゴマー(帝人化成社製、商品名「ファイヤガードFG−7500」、臭素原子の含有量:52重量%、エチレン性不飽和基無し)である。
(C−1)成分は、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(新中村化学工業社製、商品名「BPE−10」)であり、(C−2)成分は、ポリオール、ヒドロキシエチルアクリレート、有機ジイソシアネートからなるウレタンプレポリマーの60重量%メチルエチルケトン溶液(共栄社化学株式会社、商品名「UF−TCB−50」)である。
(D)成分は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「I−369」)である。
(E−1)成分は、10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(日華化学社製、商品名「BCA」)であり、(E−2)成分は、テトラキス(メチルフェニル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスフェート(大八化学社製、商品名「CR−747」)である。
BL3175はヘキサメチレンジイソシアネートをベースイソシアネートとするイソシアヌレート体のメチルエチルケトンオキシムブロック体の75重量%メチルエチルケトン溶液の商品名(住化バイエルウレタン社製)である。
なお、表中の値は、各成分の配合比(重量部、メチルエチルケトン以外は固形分)である。また、表中の「臭素含有量」及び「リン含有量」は、それぞれ感光性樹脂組成物総量中の臭素原子及びリン原子の含有量(重量%)である。さらに、表中の「−」は、該当する成分を含有していないことを示す。
[感光性エレメントの作製]
[感光性エレメントの作製]
実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物の溶液を、支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人社製、商品名「G2−16」)上に、それぞれ均一に塗布して感光層を形成し、この感光層を熱風対流式乾燥機により100℃で約10分間乾燥させた。感光層の乾燥後の膜厚は、38μmであった。
続いて、感光層の支持体と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名「NF−13」)を保護膜として貼り合わせ、感光性エレメントを得た。
[光感度、解像度及び塗膜性の評価]
[光感度、解像度及び塗膜性の評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物により得られた各感光性エレメントを用いて以下に示す評価用積層体をそれぞれ作製し、これらを用いて各感光性樹脂組成物からなる感光層の光感度、解像度及び塗膜性の評価を行った。得られた結果をまとめて表2に示す。
(評価用積層体の作製)
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を用いて得られた感光性エレメントをそれぞれ用い、以下に示すようにして評価用積層体を得た。すなわち、まず、18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板(FPC)用基板(ニッカン工業社製、商品名「F30VC1」)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗した後、乾燥させた。このFPC用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら積層し、評価用積層体を得た。この積層においては、銅箔面上に感光層が接するようにした。
各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を用いて得られた感光性エレメントをそれぞれ用い、以下に示すようにして評価用積層体を得た。すなわち、まず、18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板(FPC)用基板(ニッカン工業社製、商品名「F30VC1」)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗した後、乾燥させた。このFPC用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら積層し、評価用積層体を得た。この積層においては、銅箔面上に感光層が接するようにした。
(光感度の評価)
まず、評価用積層体上(PETフィルム面上)に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させた。次いで、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、このストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量でPETフィルム面側から露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。各評価用積層体の露光に要したエネルギー量を、それぞれの評価用積層体における感光層の光感度を評価する数値とした。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。
まず、評価用積層体上(PETフィルム面上)に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させた。次いで、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、このストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量でPETフィルム面側から露光を行った。続いて、常温で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。各評価用積層体の露光に要したエネルギー量を、それぞれの評価用積層体における感光層の光感度を評価する数値とした。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。
(解像度の評価)
まず、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガであるライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体(PETフィルム面上)上に密着させた。次いで、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量でPETフィルム面側から露光を行った。続いて、常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。解像度の評価は、現像処理によって断面矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により行った。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。
まず、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガであるライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体(PETフィルム面上)上に密着させた。次いで、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量でPETフィルム面側から露光を行った。続いて、常温で一時間静置し、PETフィルムを剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。解像度の評価は、現像処理によって断面矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により行った。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。
(塗膜性の評価)
評価用積層体に対し、露光を行わずに、この積層体上のPETフィルムを剥離し、その感光層表面に指を軽く押し付け、指に対する張り付き程度を以下の基準で評価した。すなわち、指に対する張り付きが認められないか、又は、ほとんど認められなかったものは塗膜性が良好であるとして「A」とし、指に対する張り付きが認められたものは塗膜性に劣るものとして「B」とした。
[はんだ耐熱性、可撓性(耐折性)及び熱プレス耐性の評価]
評価用積層体に対し、露光を行わずに、この積層体上のPETフィルムを剥離し、その感光層表面に指を軽く押し付け、指に対する張り付き程度を以下の基準で評価した。すなわち、指に対する張り付きが認められないか、又は、ほとんど認められなかったものは塗膜性が良好であるとして「A」とし、指に対する張り付きが認められたものは塗膜性に劣るものとして「B」とした。
[はんだ耐熱性、可撓性(耐折性)及び熱プレス耐性の評価]
各実施例及び比較例に対応する上記評価用積層体から評価用FPCをそれぞれ作製し、これらを用いて、各感光性樹脂組成物の硬化膜からなるカバーレイのはんだ耐熱性、可撓性(耐折性)及び熱プレス耐性を評価した。得られた結果をまとめて表2に示す。
(評価用FPCの作製)
まず、評価用積層体上(PETフィルム面上)に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの信頼性評価用ネガである配線パターンを有するフォトツールとを密着させた。次いで、上述した露光機を使用して、このストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。その後、常温で1時間静置し、得られた積層体上のPETフィルムを剥離した後、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を用い、現像後の感光層に対して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことによって、感光層を更に硬化させカバーレイを形成した。これにより、感光性樹脂組成物の硬化膜からなるカバーレイを備える評価用FPCを得た。
まず、評価用積層体上(PETフィルム面上)に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、カバーレイの信頼性評価用ネガである配線パターンを有するフォトツールとを密着させた。次いで、上述した露光機を使用して、このストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。その後、常温で1時間静置し、得られた積層体上のPETフィルムを剥離した後、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。続いて、オーク製作所社製紫外線照射装置を用い、現像後の感光層に対して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことによって、感光層を更に硬化させカバーレイを形成した。これにより、感光性樹脂組成物の硬化膜からなるカバーレイを備える評価用FPCを得た。
(はんだ耐熱性の評価)
評価用FPCに、ロジン系フラックス(タムラ化研社製、商品名「MH−820V」)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ処理を行った。そして、このようにしてはんだめっきを施された評価用FPCを目視により観察し、カバーレイのクラック発生、並びに、基板からのカバーレイの浮き及び剥離の程度を、次の基準に基づいて評価した。すなわち、カバーレイのクラックの発生が認められず、カバーレイの浮き及び剥離も認められなかったものは、はんだ耐熱性に優れるものとして「A」とし、それらのいずれかが認められたものは、はんだ耐熱性に劣るものとして「B」とした。
評価用FPCに、ロジン系フラックス(タムラ化研社製、商品名「MH−820V」)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ処理を行った。そして、このようにしてはんだめっきを施された評価用FPCを目視により観察し、カバーレイのクラック発生、並びに、基板からのカバーレイの浮き及び剥離の程度を、次の基準に基づいて評価した。すなわち、カバーレイのクラックの発生が認められず、カバーレイの浮き及び剥離も認められなかったものは、はんだ耐熱性に優れるものとして「A」とし、それらのいずれかが認められたものは、はんだ耐熱性に劣るものとして「B」とした。
(可撓性(耐折性)の評価)
評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを5回繰り返して行った。その際のカバーレイにおけるクラック発生状況を目視により観察し、次の基準に基づいて評価した。すなわち、カバーレイにクラックが認められなかったものは可撓性に優れるものとして「A」とし、クラックが認められたものは可撓性に劣るものとして「B」とした。
評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを5回繰り返して行った。その際のカバーレイにおけるクラック発生状況を目視により観察し、次の基準に基づいて評価した。すなわち、カバーレイにクラックが認められなかったものは可撓性に優れるものとして「A」とし、クラックが認められたものは可撓性に劣るものとして「B」とした。
(熱プレス耐性の評価)
評価用FPCを、30tハンドプレス機(東洋精機製作所社製)を用いて、プレス温度175℃、プレス圧力15MPaの条件により30分間厚さ方向にプレスした。その際のカバーレイからの感光性樹脂組成物成分のしみ出しの有無を目視により観察し、次の基準に基づいて評価した。カバーレイから感光性樹脂組成物成分のしみ出しが認められなかったものは、熱プレス耐性に優れるものとして「A」とし、樹脂のしみ出しが認められたものは、熱プレス耐性に劣るものとして「B」とした。
[難燃性の評価]
評価用FPCを、30tハンドプレス機(東洋精機製作所社製)を用いて、プレス温度175℃、プレス圧力15MPaの条件により30分間厚さ方向にプレスした。その際のカバーレイからの感光性樹脂組成物成分のしみ出しの有無を目視により観察し、次の基準に基づいて評価した。カバーレイから感光性樹脂組成物成分のしみ出しが認められなかったものは、熱プレス耐性に優れるものとして「A」とし、樹脂のしみ出しが認められたものは、熱プレス耐性に劣るものとして「B」とした。
[難燃性の評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物により得られた各感光性エレメントを用いて以下に示す難燃性評価用サンプルをそれぞれ作製し、これらを用いて各感光性樹脂組成物の硬化膜からなるカバーレイの難燃性を評価した。得られた結果を表2に示す。
(難燃性評価用サンプルの作製)
銅箔張積層板(新日鐵化学社製、商品名「エスパネックスMB」のシリーズ)の銅箔をエッチングにより除去して厚さ25μmのPIフィルムを得た。次いで、そのPIフィルムの両面に、連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら積層して積層体を得た。
銅箔張積層板(新日鐵化学社製、商品名「エスパネックスMB」のシリーズ)の銅箔をエッチングにより除去して厚さ25μmのPIフィルムを得た。次いで、そのPIフィルムの両面に、連続式真空ラミネータ(日立化成工業社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、感光性エレメントを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら積層して積層体を得た。
次に、オーク製作所社製HMW−201GX型露光機を使用して、感光性エレメントの感光層を、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となる上記エネルギー量で露光した。続いて、常温で一時間静置し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層体から剥離した後、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を積層体に40秒間スプレーして現像を行い、更に80℃で10分間加熱(乾燥)した。次いで、積層体の感光層にオーク製作所社製紫外線照射装置を使用して1J/cm2のエネルギー量で紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、感光層を更に硬化させてカバーレイを形成した。これにより、感光性樹脂組成物の硬化膜からなるカバーレイを備える難燃性評価用サンプルを得た。
(難燃性の評価)
得られた難燃性評価用サンプルについて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
得られた難燃性評価用サンプルについて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。結果を表2に示す。なお、表2中「NOT」とは、燃焼試験において難燃性評価用サンプルがVTM−0、VTM−1、VTM−2に該当せず全焼したことを示す。
表2より、実施例1、2又は3の感光性樹脂組成物によれば、優れた光感度、解像度及び塗膜性が得られることが判明した。また、実施例1、2又は3の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜(カバーレイ)は、はんだ耐熱性、可撓性、熱プレス耐性及び難燃性にも優れることが確認された。
1…感光性エレメント、10…支持体、20…感光層、20a…未硬化部、20b…光硬化部、22…レジストパターン、30…保護膜、100…積層基板、102…基板、104…導電体層。
Claims (11)
- (A)アルカリ可溶性ポリマーと、
(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和基、及び、当該化合物の総量に対して20〜80重量%の臭素原子を有する第1の光重合性化合物と、
(C)前記(B)以外であって、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する第2の光重合性化合物と、
(D)光重合開始剤と、
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記(B)は、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基、及び、少なくとも一つのブロモフェニル基を有する化合物である、ことを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)は、炭素数1〜5のオキシアルキレン基を有する化合物である、ことを特徴とする請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)は、少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有し、且つ、臭素原子を有しない化合物である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)は、臭素原子を有しないビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- (E)リン含有化合物を更に含む、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)は、100℃以上の融点を有する、ことを特徴とする請求項6又は7記載の感光性樹脂組成物。
- フィルム状の基材上に樹脂層を形成するために用いられる、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- フレキシブルプリント配線板における永久マスクの形成に用いられる、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006104518A JP2007128023A (ja) | 2005-10-06 | 2006-04-05 | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005293512 | 2005-10-06 | ||
JP2006104518A JP2007128023A (ja) | 2005-10-06 | 2006-04-05 | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント |
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ID=38150705
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JP2006104518A Pending JP2007128023A (ja) | 2005-10-06 | 2006-04-05 | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113227169A (zh) * | 2019-01-17 | 2021-08-06 | 电化株式会社 | 密封剂、固化体、有机电致发光显示装置及装置的制造方法 |
-
2006
- 2006-04-05 JP JP2006104518A patent/JP2007128023A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113227169A (zh) * | 2019-01-17 | 2021-08-06 | 电化株式会社 | 密封剂、固化体、有机电致发光显示装置及装置的制造方法 |
CN113227169B (zh) * | 2019-01-17 | 2023-10-31 | 电化株式会社 | 密封剂、固化体、有机电致发光显示装置及装置的制造方法 |
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