JP2007127802A - トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルミングを防止し、クリーニング性も良好であり、高い摩擦帯電性を有するトナーを提供する。
【解決手段】有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、架橋剤及び/又は伸長剤と反応させ、分散液から溶媒を除去して得られた着色粒子に、一次粒子平均径が90〜200nmのシリカ系無機微粒子を含む外添剤を添加するトナーの製造方法であって、混合機内の内壁を外周とする断面積をA1、回転羽根の先端を外周とする円面積をA2としたとき、A2/A1が0.94〜0.97である混合機を使用し、総混合時間Tと周速Sの積が、10×103 ≦ S×T ≦ 25×103の条件内で混合し、静電荷像現像用トナーを製造する。
【選択図】図1
【解決手段】有機溶媒中に活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、架橋剤及び/又は伸長剤と反応させ、分散液から溶媒を除去して得られた着色粒子に、一次粒子平均径が90〜200nmのシリカ系無機微粒子を含む外添剤を添加するトナーの製造方法であって、混合機内の内壁を外周とする断面積をA1、回転羽根の先端を外周とする円面積をA2としたとき、A2/A1が0.94〜0.97である混合機を使用し、総混合時間Tと周速Sの積が、10×103 ≦ S×T ≦ 25×103の条件内で混合し、静電荷像現像用トナーを製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関し、特に、ポリエステル系樹脂を含有するバインダーを使用するトナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式の画像、とりわけフルカラー画像において、再現の精度の高い高品位な画質が求められている。特にフルカラー画像では、ハーフトーン部が多く、再現の精度を高くするために、粒径がより小さく、かつ、再現できる色の種類を多くすることが必要となる傾向がある。従来、トナーの製造方法として、着色剤と結着樹脂、更に必要に応じて帯電制御剤、離型剤などを混合し、得られた混合物を溶融し、混練したあと、微粉砕する混練粉砕法を用い、必要に応じて、所望の粒度範囲の粒子を得るための分級工程を設けていた。
しかしながら、混練粉砕法による製造方法では、その粒子形状が不定形である事、さらには粒子径の限界(ある特定の分布を有する小さい径の粒子群を製造する際の径の限界)が存在し、さらなる小粒径化の要求には対応できない。
そのため近年では、粉砕法における問題点を克服するために、懸濁重合法、乳化分散法等によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。これら混練粉砕法や懸濁重合法、乳化分散法により得られたトナー粒子に、流動性付与剤、帯電制御剤、クリーニング助剤などの外添剤粒子をトナー粒子表面に付着、固定化させる混合工程を設けている。これらの外添剤粒子がトナー粒子表面に付着する状態は、トナー粒子の帯電性のみならず、画質に対し大きく影響する。例えば、外添剤粒子とトナー粒子との付着力が弱すぎると、比較的高い粉体流動性と帯電性が得られるが、外添剤粒子が感光体表面に付着するなどの問題が発生する。
上記の問題に対し、静電像現像用トナーに、外添混合時間と線速度の積から成る混合条件を満たす条件下で無機酸化物を外添し、帯電特性の良好なトナーを得る方法が提案されており(例えば特許文献1参照)、また、10μm以下のトナー母粒子にシリカ系無機微粒子、チタニア系無機微粒子を添加し、混合を繰り返し行う方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。
また、20〜80nmの無機微粒子とトナー粒子を添加・混合する手段として、混合機内の内壁とブレード先端のクリアランス、ブレード周速から得られる外添シェアレートと混合時間の関係を条件内に規定することが提案されている(例えば特許文献3参照)。
また、粉末状シリカを機械的な衝撃手段によってトナー粒子表面に固定化した後、さらに前記シリカよりも少ない量のシリカを外添する事により、トナー劣化の少ない、良好な流動性と、画像濃度を持ったトナーが得られるトナーの製造方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2003−140392号公報
特開2002−229267号公報
特許第2921174号公報
特公平8−12478号公報
しかしながら、上記のような技術には、以下の問題点がある。
混合条件を満たす条件下で無機酸化物を外添し、トナーを得る方法では、小粒径のトナーにおいては、グラム当たりの表面積が大きくなるため、流動性を得るためには、多量の流動化剤を使用し、かつ強固に付着するように混合しなければならない。さらに、トナー粒子に大粒径と小粒径の微粒子を添加する場合には、従来の小粒径の微粒子を添加・混合する条件では、大粒径の微粒子の混合が不十分になり、トナー粒子から脱離しやすく、感光体表面に被膜化するフィルミングの現象の発生という問題が生じる。
20〜80nmの無機微粒子を混合する方法では、90nm以上の微粒子をトナー表面に強固に付着させるには不十分である。
機械的な衝撃手段を用いる方法では、シリカをトナー粒子表面に固定化させるために、機械的な衝撃手段を付与する装置が必要となり、工程数の増加や装置の導入が必要となってしまう他、過度のエネルギー付与により、トナー粒子に対し過剰なストレスを加えるため、過剰に粉砕され微粉を増加させてしまう虞がある。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたものであり、フィルミングの発生を防止し、かつクリーニング性も良好であり、高い摩擦帯電性を有するトナーの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、有機溶媒又は分散媒中に活性水素化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解液又は分散液を、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させ、かつ架橋剤及び/又は伸長剤と反応させて得られた分散液から溶媒を除去して得られた着色粒子に、少なくとも一次粒子平均径が90〜200nmのシリカ系無機微粒子を含む外添剤を添加・混合する混合工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記混合工程は混合機内の内壁を外周とする断面積をA1とし、回転羽根の先端を外周とする円面積をA2としたとき、比A2/A1が0.94〜0.97の範囲である混合機を使用し、前記混合工程における総混合時間Tと周速Sとの積S×Tが、10×103 以上、25×103以下の範囲で行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の方法において、前記シリカ系無機微粒子を添加する1段目の混合をした後に、前記シリカ系無機微粒子以外の少なくとも1種以上の外添剤を添加する2段目の混合を行うことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の方法において、前記1段目の混合時間t1と前記2段目の混合時間t2の比t2/t1が、1.0以上4.0以下の範囲であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載された製造方法により得ることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
また、請求項5に記載の発明は、感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、現像されたトナーを記録媒体上に転写、定着する画像形成方法であって、前記トナーは請求項4に記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法である。
また、請求項6に記載の発明は、帯電手段、現像剤が収納された現像手段、クリ−ニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段と、感光体とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカ−トリッジであって、前記現像剤を形成するトナーは請求項4に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジである。
また、請求項7に記載の発明は、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカ−トリッジを搭載した画像形成装置であって、前記プロセスカ−トリッジは請求項6に記載のプロセスカ−トリッジであることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、フィルミングを防止し、かつクリーニング性も良好であり、高い摩擦帯電性を有するトナーを製造することが可能である。
以下に、本発明の実施形態に係るトナー製造方法を、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種種の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明の実施形態に係るトナーの製造方法は、少なくとも樹脂、着色剤、離型剤からなるトナー粒子の表面に、個数平均粒子径90nm〜200nmのシリカ系無機微粒子を含む添加剤を混合するにあたり、混合機の内壁断面積A1と回転羽根が回転したときに羽根先端を外周とした円の面積A2との比A1/A2が0.94〜0.97であり、周速Sと混合時間Tとの積S×Tが式:10×103 ≦ S×T ≦ 25×103の範囲であることを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係る静電荷像現像用トナー製造方法に使用する高速攪拌型混合機の断面図である。図1は、本発明の静電荷像現像用トナー製造方法に使用される高速攪拌型混合機であり、1は混合槽本体1を示し、2は粉体の排出口であり、3Aおよび3Bは回転羽根であり、4は層流板であり、5は密閉する状態で混合するための蓋であり、6は混合機を一定温度に加温あるいは冷却するためのジャケットであり、7は冷却媒体または加温媒体の入口であり、8は冷却媒体または加温媒体の出口である。
図1に示すような混合機の内壁の断面積A1と回転羽根3A、3Bの回転する面積A2との比A1/A2を本発明では、0.94以上、0.97の範囲とする。こうすることによって、回転羽根先端と混合機内壁とのギャップを可能な限り小さくする事ができる。
上記したような範囲の混合機を用いることによって、無機微粒子中の凝集体を解砕し、トナー中に均一に添加する事が可能となる。A1/A2が0.97を超える場合、回転羽根先端と混合機内壁とのギャップが小さくなりすぎ、回転羽根の先端と混合機内壁が接触してしまう恐れがあり、好ましくない。また0.94より小さいと無機微粒子中に存在する凝集体が解砕されずにトナー中に存在し、トナー粒子への付着が十分ではないため、離脱しやすく、クリーニングブレードの磨耗、感光体表面への付着等、問題を生じる可能性が有る。
また、周速Sと混合時間Tとの積S×Tを10×103〜25×103の範囲とする事で、個数平均粒子径90nm〜200nmのシリカ系無機微粒子をトナー表面に強固に付着させる事が可能となる。周速Sと混合時間Tとの積S×Tが10×103未満では混合エネルギーが低く、25×103を超えるとトナー間の摩擦発熱が大きくなり、トナー表面が溶融し始め、表面に付着した添加剤を取り込んでしまい、凝集体が発生してしまう。なお、混合時の雰囲気が高温になるにつれてトナー内部に分散している離型剤がトナー表面に解け出してくるという問題も発生するため、混合時の溶液または分散液温としては、40℃以下であることが望ましい。
また、他の実施形態としては、外添剤の添加を2段階に分けて行うことが好ましいと考え得る。この場合、まず、トナー粒子に個数平均粒子径90nm〜200nmのシリカ系無機微粒子のみを添加・混合する第1分散工程を行った後に、他の外添剤の無機微粒子を添加し、2段目の混合を行う。
1段目にシリカ系無機微粒子のみを混合することで、流動性が低下し、トナー間の摺擦により固定化がより促進される。このとき、1段目の混合時間(t1)と2段目の混合時間(t2)の比(t2/t1)が、1.0≦(t2/t1)≦4.0となる範囲の条件にすると、よりフィルミング性に対して優れたトナーを得る事ができる。但し、t1が長くなると、大粒径のシリカ系無機微粒子の固定化が促進されすぎて、クリーニング性や帯電安定性等に影響を及ぼす虞があり、1段目の混合時間(t1)は、60〜180secの範囲が好ましい。
1段目にシリカ系無機微粒子のみを混合することで、流動性が低下し、トナー間の摺擦により固定化がより促進される。このとき、1段目の混合時間(t1)と2段目の混合時間(t2)の比(t2/t1)が、1.0≦(t2/t1)≦4.0となる範囲の条件にすると、よりフィルミング性に対して優れたトナーを得る事ができる。但し、t1が長くなると、大粒径のシリカ系無機微粒子の固定化が促進されすぎて、クリーニング性や帯電安定性等に影響を及ぼす虞があり、1段目の混合時間(t1)は、60〜180secの範囲が好ましい。
シリカ系無機微粒子以外に添加する無機微粒子としては、シリカ系無機微粒子、またはチタニア系微粒子、もしくはこれら両方を使用しても良い。シリカ系無機微粒子としては、疎水化されたものが好ましく、具体的にはHDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21(以上ヘキスト製)や、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル製)、TS720(キャボット製)がある。
チタニア系微粒子としては、P−25(日本アエロジル)、STT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B(以上テイカ)等がある。疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル)やルチル型としてMT−100S、MT−100T、MT150A、MT150AFM(以上テイカ)やSTT−30A、STT−62S−S(以上チタン工業)、IT−S(石原産業)等がある。
疎水化処理されたシリカ微粒子およびチタニア微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。また、ポリシロキサン処理により得ることが出来る。シリカ微粒子の使用量は、0.2〜1.5重量%の範囲で設定される。シリカ微粒子の添加量が0.2%より少なくなると流動性付与、凝集度改善の効果が発揮できなく、また、1.5%より多くなると複写機内で感光体ドラム上に付着してしまい、メダカなどの異常画像の原因となる。チタニア微粒子の使用量は0.1〜2.0重量%の範囲で設定される。チタニア微粒子の添加量が0.1%より少なくなるとトナー表面に対するチタニア微粒子の被服率が小さくなり保存性の改善が達成できない。また2.0%を超えると、上記シリカと同様に、異常画像が発生する。
着色粒子と外添剤との混合を行なう混合機は、回転羽根を有し、容器全体を冷却あるいは加熱が可能である装置であれば特に限定されない。こうした点を満たす混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)等が挙げられる。
次に、外添剤の処理をする前のトナー母体について説明する。本発明の製造法に用いる外添剤の処理をする前のトナー母体の成分は、樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤からなる。
前記樹脂としては、伸張剤及び/又は架橋剤と反応可能な変性ポリエステル樹脂、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)などが挙げられる。このプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物で、かつ活性水素を有するポリエステルにポリイソシアネート(3)を反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素を有する基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
前記架橋剤及び/又は伸張剤としてはアミン類(B)を好ましく用いることができる。本発明の実施形態に係るトナーはトナーバインダーとして、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得ることができるウレア変性ポリエステル(i)を含有することが好ましい。また、本実施形態に係るトナーは、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は40〜70℃、好ましくは55〜65℃である。ガラス転移点が40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、ガラス転移点が70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
本発明の実施形態に係るトナーの着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%である。
また、着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ウレタン、ウレア変性ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高剪断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
本発明の離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
有機溶剤としては、後に除去することを考えると、沸点が150℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)をアミン(B)と反応させることにより、ウレア変性ポリエステル(UMPE)を得ることができる。水系媒体中でウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成分を加えて、剪断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、未変性ポリエステル樹脂などは、あらかじめトナー原料を有機溶剤に溶解又は分散させ、水系媒体中にその溶解物又は分散物を加えて分散させる。
本発明の実施形態で用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
水系媒体中に分散させる方法としては特に限定されるものではないが、低速剪断式、高速剪断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速剪断式が好ましい。高速剪断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルを含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2,000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
伸長及び/又は架橋反応時間は、例えば、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも8μm以下が好ましい。しかし、粒径が小さくなるとクリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。特に、2μm以下のトナーが20%以上存在すると、磁性キャリア又は現像ローラの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおける磁性キャリア又は現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーが多くなり、地肌汚れが生じ画像品位が低下する。
また、体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.05〜1.20の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一になり、地肌かぶりを少なくすることができる。Dv/Dnが1.20を越えるとトナーの帯電量分布も広くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。ここまでのトナーの粒径は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが100μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することによって行った。
本発明の実施形態に係るトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
本発明の実施形態に係るトナーは、2成分系現像剤として用いることができる。この場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の例において、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
[実施例1]
1.変性されていないポリエステルの合成
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部入れ、常圧で230℃で8時間し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていない〔ポリエステル(B)〕を得た。
2.プレポリマーの合成
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却し、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート230部と2時間反応を行いイソシアネート基含有〔プレポリマー(A)〕を得た。
3.ケチミンの合成
攪拌機及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、〔ケチミン化合物(1)〕を得た。
1.変性されていないポリエステルの合成
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部入れ、常圧で230℃で8時間し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていない〔ポリエステル(B)〕を得た。
2.プレポリマーの合成
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却し、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート230部と2時間反応を行いイソシアネート基含有〔プレポリマー(A)〕を得た。
3.ケチミンの合成
攪拌機及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、〔ケチミン化合物(1)〕を得た。
1.母体トナーの製造
タンク内に前記の〔プレポリマー(A)〕14.3部、〔ポリエステル(B)〕55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスワックス(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃にてTKホモミキサーで12,000rpmで15分攪拌し、ビーズミルで60分間20℃で分散した。これを〔トナー材料溶液(1)〕とする。次に、タンク内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、均一に溶解した。ついでTKホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、上記〔トナー材料溶液(1)及びケチミン化合物(1)2.7部を加えウレア反応させた。粒径及び粒径分布を光学顕微鏡で観察しながら粒径が大きい場合は攪拌回転数を14,000rpmに上げ、さらに5分行った。脱溶剤工程は次の方法で行った。前工程で得られた乳化分散液を攪拌翼及び温度計付のタンクに移し、45℃まで昇温して、大気圧下(101.3kPa)で溶剤を除去した。その後、濾別、洗浄、乾燥した後、着色粒子を得た。
タンク内に前記の〔プレポリマー(A)〕14.3部、〔ポリエステル(B)〕55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスワックス(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃にてTKホモミキサーで12,000rpmで15分攪拌し、ビーズミルで60分間20℃で分散した。これを〔トナー材料溶液(1)〕とする。次に、タンク内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、均一に溶解した。ついでTKホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、上記〔トナー材料溶液(1)及びケチミン化合物(1)2.7部を加えウレア反応させた。粒径及び粒径分布を光学顕微鏡で観察しながら粒径が大きい場合は攪拌回転数を14,000rpmに上げ、さらに5分行った。脱溶剤工程は次の方法で行った。前工程で得られた乳化分散液を攪拌翼及び温度計付のタンクに移し、45℃まで昇温して、大気圧下(101.3kPa)で溶剤を除去した。その後、濾別、洗浄、乾燥した後、着色粒子を得た。
上記で得られた着色粒子100部に対し、個数平均粒径110nmの疎水性シリカ0.3部、個数平均粒径が30nmの疎水性シリカ0.7部、個数平均粒径50nmの酸化チタン0.5部を計量し、これをヘンシェルミキサーに投入し、混合を行った。このときの混合条件を下記表1に示した。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
実施例1と同様の方法で得た着色粒子に対し、混合条件の変更以外は実施例1と同様の外添剤処方により混合を行った。このときの混合条件を表1に示した。
上記各実施例、比較例で得られたトナーの帯電量および外添剤凝集体量を表1に示した。なお、外添剤凝集体量は以下のように求めた。
実施例1と同様の方法で得た着色粒子に対し、混合条件の変更以外は実施例1と同様の外添剤処方により混合を行った。このときの混合条件を表1に示した。
上記各実施例、比較例で得られたトナーの帯電量および外添剤凝集体量を表1に示した。なお、外添剤凝集体量は以下のように求めた。
トナー1gを計量し、メッシュの貼られた金属円柱に仕込みブローしたのち、メッシュ上の粒子をマイクロスコープ(キーエンス製 VHX−100)により150倍のレンズで観察し、メッシュ上の凝集個数を計測した。なお、個数は16mm2内の目視での測定数である。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、下記の基準で評価し、表1に示した。
(a)地肌汚れ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定。「○」は実用上問題のないことを示し、「△」は多少劣るが実用上問題がないことを示し、「×」は実用上問題があることを示している。
(b)クリーニング
連続100K枚コピー後、清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、それを越えるものを×(不良)として評価した。
(c)フィルミング
連続100K枚(印字率6%)コピーを行い100K枚後感光体上にフィルミングが発生しているかどうかを確認した。尚、感光体上フィルミングの評価は目視にて程度を5段階にランク分けし、程度の良い方をランク5、悪い方をランク1として評価した。
(a)地肌汚れ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定。「○」は実用上問題のないことを示し、「△」は多少劣るが実用上問題がないことを示し、「×」は実用上問題があることを示している。
(b)クリーニング
連続100K枚コピー後、清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、それを越えるものを×(不良)として評価した。
(c)フィルミング
連続100K枚(印字率6%)コピーを行い100K枚後感光体上にフィルミングが発生しているかどうかを確認した。尚、感光体上フィルミングの評価は目視にて程度を5段階にランク分けし、程度の良い方をランク5、悪い方をランク1として評価した。
実施例1と比較例1〜3から、本発明の実施形態に係る混合条件で得たトナーは、帯電性およびフィルミング性、クリーニング性について良好な結果が得られる事が確認できた。また、実施例2および3は、110nmのシリカ系無機微粒子のみを添加し1段目の混合をした後、他2種類の外添剤を混合した方法であるが、実施例1と比較し、同等以上のフィルミング性が得られていることが確認できた。実施例4は、実施例2と同一の総混合時間であるが、t1の時間を延ばした為、100K後のクリーニングが悪化している。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種種変更可能であることは言うまでもない。
1 混合槽本体
2 粉体排出口
3A、3B 回転羽根
4 層流板
5 蓋
6 温度制御用ジャケット
7 調温水入口
8 調温水出
2 粉体排出口
3A、3B 回転羽根
4 層流板
5 蓋
6 温度制御用ジャケット
7 調温水入口
8 調温水出
Claims (7)
- 有機溶媒又は分散媒中に活性水素化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解液又は分散液を、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させ、かつ架橋剤及び/又は伸長剤と反応させて得られた分散液から溶媒を除去して得られた着色粒子に、少なくとも一次粒子平均径が90〜200nmのシリカ系無機微粒子を含む外添剤を添加・混合する混合工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記混合工程は混合機内の内壁を外周とする断面積をA1とし、回転羽根の先端を外周とする円面積をA2としたとき、比A2/A1が0.94〜0.97の範囲である混合機を使用し、前記混合工程における総混合時間Tと周速Sとの積S×Tが、10×103以上、25×103以下の範囲で行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記シリカ系無機微粒子を添加する1段目の混合をした後に、前記シリカ系無機微粒子以外の少なくとも1種以上の外添剤を添加する2段目の混合を行うことを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記1段目の混合時間t1と前記2段目の混合時間t2の比t2/t1が、1.0以上4.0以下の範囲であることを特徴とする請求項2記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載された製造方法により得ることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、現像されたトナーを記録媒体上に転写、定着する画像形成方法であって、
前記トナーは請求項4に記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。 - 帯電手段、現像剤が収納された現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段と、感光体とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジであって、
前記現像剤を形成するトナーは請求項4に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置であって、
前記プロセスカートリッジは請求項6に記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005319933A JP2007127802A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
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Cited By (2)
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JP2014202966A (ja) * | 2013-04-05 | 2014-10-27 | キヤノン株式会社 | トナー処理装置 |
JP2014202964A (ja) * | 2013-04-05 | 2014-10-27 | キヤノン株式会社 | トナー処理装置 |
-
2005
- 2005-11-02 JP JP2005319933A patent/JP2007127802A/ja active Pending
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