JP2014202966A - トナー処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写性向上の為に大粒径外添剤を添加しても外添剤遊離が発生し難いトナー処理装置を提供する。【解決手段】トナー処理装置100において、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理槽110と、処理槽110内に収容された被処理物を処理槽110の底部から上方に流動させる撹拌羽根120と、撹拌羽根120の上方に回転可能に設けられており、回転体本体131と、回転体本体131の外周面から径方向の外向きに突出し被処理物に衝突して被処理物を処理する処理部と、を有する処理羽根130と、処理羽根130の上方に設けられており、処理羽根130の処理領域内における被処理物の処理羽根130の回転方向における速さが処理羽根130よりも遅くなるように、被処理物の流動の向きを変化させる整流部材140と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、又は静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられるトナーを処理するトナー処理装置に関する。
従来、一般的な電子写真法におけるトナーは、着色粒子表面を流動性向上剤(外添剤)で処理し、所望の流動性や帯電特性を制御している。この外添剤として、一般的に広く使用されているものは、無機物あるいは有機物から成る微粒子である。
この外添剤としては、従来から金属酸化物や樹脂粒子及びこれらの表面処理物などが広く利用されてきた。その中で、スペーサー粒子としての機能を有し、主に転写性向上を目的に添加される、一次粒子の体積基準の50%粒径(以下、体積平均粒径(D50)という)が80nm以上300nm以下程度の大粒径外添剤がある。
この外添剤は、一次粒子の体積平均粒径(D50)が80nm未満の小粒径外添剤とは異なり、例えば、二成分現像剤のキャリアとのストレス、一成分現像でのトナー搬送部材や薄層化ブレードとのストレス等による、トナー表面への外添剤埋め込まれは発生し難い。
しかしその反面、大粒径外添剤はトナーから遊離し易いため、特に、高湿下における長期使用において、大粒径外添剤が遊離し、転写効率を低下させる恐れがある。
このような大粒径外添剤の遊離を抑制する装置として、例えば、以下の様な粉体処理装置(トナー処理装置)が提案されている。
特許文献1には、粉体を処理する処理容器内の下部に回転羽根が設けられた粉体処理装置において、処理容器内における回転羽根よりも上方の位置に、回転羽根の回転によって舞い上がった粉体を下方に案内する案内部材を設けた構成が開示されている。
この粉体処理装置は、小粒径外添剤の遊離はある程度低減できるものの、後記する処理領域内での処理が不十分であるため、大粒径外添剤の遊離の低減は困難であった。
また、別の装置として、以下の様な装置が提案されている。
特許文献2には、撹拌槽、回転駆動軸及び撹拌翼を有し、撹拌槽の底壁を貫通する回転駆動軸に固定した撹拌翼を該撹拌槽の底部に配置し、撹拌槽内部に複数枚のデフレクタが固定された金属環を撹拌槽上部から吊り下げて配置した装置が開示されている。
この装置は、大粒径外添剤を固着させることは可能であるものの、運転時に材料温度がトナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以上に上昇し、機内での融着や粗粒が発生してしまうという問題点があった。
運転時の材料温度をトナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下に抑えるには、材料の仕込量を減らすか、撹拌翼の回転周速を落とせばよいが、材料の仕込量を減らすとトナー生産性(=単位時間当たりの製品出来高)が悪くなってしまう。また、撹拌翼の回転周速を落すと、前記した、高湿下における長期使用での大粒径外添剤遊離といった弊害が解決できない。
従って、トナー生産性向上、転写性向上、及び外添剤遊離の低減、の全てを改善させるトナー処理装置については更なる検討を行う余地があった。
特開平11−216348号公報 特開2012−212062号公報
本発明の目的は上記問題点を解消したトナー処理装置を提供することにある。即ち、本発明は、転写性向上の為に大粒径外添剤を添加しても外添剤遊離が発生し難いトナー処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るトナー処理装置は、
トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
前記処理室内に収容された前記被処理物を前記処理室の底部から上方に流動させる流動手段と、
前記処理室内の前記流動手段の上方に回転可能に設けられており、回転体本体と、前記回転体本体の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する処理部と、を有する回転体と、
前記処理室内の前記回転体の上方に設けられており、前記回転体による処理領域内における前記被処理物の前記回転体の回転方向における速さが前記回転体よりも遅くなるように、前記被処理物の流動の向きを変化させる整流部材と、
を有することを特徴とする。
また、本発明に係るトナー処理装置は、
トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
前記処理室内に収容された前記被処理物を前記処理室の底部から上方に流動させる流動手段と、
前記処理室内の前記流動手段の上方に回転可能に設けられており、回転体本体と、前記回転体本体の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する処理部と、を有する回転体と、
前記処理室内の前記回転体の上方に設けられており、上方側から下方側に向かって前記回転体の回転軸方向に対して前記回転方向に傾斜して延びる整流面を有する整流部材と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、転写性向上の為に大粒径外添剤を添加しても外添剤遊離が発生し難いトナー処理装置を提供することができる。
本発明のトナー処理装置の一例を示す概略図 本発明の処理室の一例を示す概略図 本発明の流動手段の一例を示す概略図 本発明の回転体の一例を示す概略図 本発明の整流部材の一例を示す概略図 本発明の回転体の通過面積Syと整流部材の面積Sgの面積比の説明図 本発明の整流部材の一例を示す概略図 本発明の整流部材の一例を示す概略図 本発明の流動手段の一例を示す概略図 従来のトナー処理装置の一例を示す概略図 従来のトナー処理装置の一例を示す概略図 従来の回転体と整流部材を示す概略図
以下に図面を参照して、本発明のトナー処理装置の好ましい実施形態について詳細に説明する。
[トナー処理装置]
図1は、本発明のトナー処理装置の一例を示す概略図である。図1に示す様に、トナー処理装置100は、処理室としての処理槽110、流動手段としての撹拌羽根120、回転体としての処理羽根130を備えている。処理槽110は、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する。撹拌羽根120は、処理槽110の底部110aに回転可能に設けられている。処理羽根130は、撹拌羽根120よりも上方で回転可能に設けられている。更に、本発明におけるトナー処理装置100は、処理羽根130の上方に、固定された整流部材140を備えている。以下、各構成の詳細について説明する。
[処理室]
図2は、本発明の処理室の一例を示す概略図である。なお、図2においては、内部の構造を示すために、周壁の一部を取り除いて図示している。図2に示す様に、処理室としての処理槽110は、平らな底部110aを持った円筒形の容器であり、底部110aの略中心に、撹拌羽根120と処理羽根130を回転可能に取り付けるための回転軸としての駆動軸111を備えている。処理槽110は、強度の観点から鉄、ステンレス鋼(SUS)等の金属製のものが好ましく、また、内面を導電性の材質にする、又は導電加工するのが好ましい。
[流動手段]
図3は、本発明の流動手段の一例を示す概略図である。また、図3(a)は、流動手段としての撹拌羽根120を処理槽110の上方から見た図であり、図3(b)は、側方から見た図である。図3に示す様に、撹拌羽根120は、中心から外側に向かって延びるS字状の羽根部121を有しており、羽根部121の先端部121aは、被処理物を処理槽110の底部110aから上方に舞い上げるように、上方に突出する跳ね上げ形状をしている。撹拌羽根120は、処理槽110の底部110aで駆動軸111に固定され、駆動軸111を中心軸として、処理槽110の上方から見て時計回り方向に回転可能に設けられている。撹拌羽根120の回転により、被処理物は処理槽110内(処理室内)で時計回りに回転しながら上昇する。そして、撹拌羽根120の回転により上昇した被処理物は、やがて重力によって下降してくるので処理槽110内で均一に混合されるものと考えられる。
また、撹拌羽根120は、強度の観点から鉄、ステンレス鋼(SUS)の金属製のものが好ましく、必要に応じて耐摩耗用にメッキ、コーティングを施しても良い。なお、羽根部121の形状は、トナー処理装置の大きさや運転条件、被処理物の充填量や比重によって適宜設計可能である。
[回転体]
図4は、本発明の回転体の一例を示す概略図である。また、図4(a)は、回転体としての処理羽根130を処理槽110の上方から見た図であり、図4(b)は、側方から見た図である。図4に示す様に、処理羽根130は、円環状の回転体本体131と、回転体本体131の外周面から径方向の外向きに突き出た処理部132とで構成される。処理部132は複数設けられており、図4においては2つ設けられているものを示す。処理羽根130は、撹拌羽根120よりも上方に設けられており、撹拌羽根120と同じ駆動軸111に固定され、撹拌羽根120と共に、処理槽110の上方から見て時計回り方向に回転する。処理羽根130の回転により、被処理物と処理部132が衝突することによって、トナー粒子表面に外添剤が固着されることとなる。
また、処理羽根130は、強度の観点から鉄、ステンレス鋼(SUS)等の金属のものが好ましく、必要に応じて耐摩耗用のメッキ、コーティングを施しても良い。なお、処理部132の回転方向の断面積は、断面積が大き過ぎると被処理物の流動に影響を与え、駆
動トルクの上昇や被処理物の昇温の恐れがあり、断面積が小さ過ぎると所望の処理能力が得られない。従って、処理部132の断面積は、トナー処理装置100の大きさや運転条件、被処理物の充填量や比重によって適宜設計されるものである。
[整流部材]
図5は、本発明の整流部材の一例を示す概略図である。また、図5(a)は、整流部材140を処理槽110の上方から見た図であり、図5(b)は、側方から見た図であって、撹拌羽根120及び処理羽根130との位置関係を示す図である。本発明において整流部材140は、撹拌羽根120によって撹拌させられた被処理物の撹拌羽根120の回転方向における速さを遅くするために設けられる部材である。
図5(a)に示す様に、整流部材140は、円環状の本体141と、本体141の外周面から径方向の外向きに突き出した整流板142とで構成されており、また、図5(b)に示す様に、処理羽根130の上方に固定して設けられている。また、図5(a)、図5(b)に示す様に、整流部材140は、整流板142を複数有している。図5(b)において処理羽根130の回転方向が時計方向であるとき右側が上流、左側が下流であるが、整流部材140は、被処理物の流動の向きを回転方向の上流から下流に向かって下方に傾斜する方向に変化させる構成となっている。
具体的に整流部材140の構成として、上方側から下方側に向かって処理羽根130の駆動軸111方向(回転軸方向)に対して回転方向に傾斜して延びる整流板142を有する構成となっている。以下、この整流板142の面のうち、図5(b)の上流側の面を整流面142aとする。整流板142は、円環状の本体141の外周面に複数枚取り付けることが可能である。整流板142の径方向の長さは、円環状の本体141に近い側は、処理部132よりも径方向内側になるのが好ましい。逆に、円環状の本体141から最も遠い外端側は、処理部132よりも外側になるのが好ましく、処理槽110の内壁に接触していても構わない。
整流部材140の固定方法は特に限定されるものではないが、トナー処理装置100の動作中は処理槽110内部で回転することなく固定される必要がある。また、撹拌羽根120や処理羽根130の脱着作業の観点から処理槽110に対して脱着可能であることが好ましい。また、整流部材140は、強度の観点から鉄、ステンレス鋼(SUS)等の金属のものが好ましく、必要に応じて耐摩耗用のメッキ、コーティングを施しても良い。なお、衝突した被処理物の回転方向における速さを遅くするという観点より、整流板142は、衝撃力を吸収するような弾性を有するものがより好ましい。
[被処理物の流動状態]
本発明者は、外添剤遊離を抑制するためには、即ち、トナー粒子に外添剤を固着させるためには、トナー処理装置100内でのトナー粒子及び外添剤を含む被処理物の流動状態を把握することが重要であると考えた。そこで、本発明者は、図1に示すトナー処理装置100に設置可能な透明アクリルケーシング(不図示)を製作し、透明アクリルケーシング内での被処理物の流動状態を、風速測定、タフト法及び目視による観察で確認した。
風速測定は、株式会社シロ産業製の風速計MY709−40DAに接続した風速センサーM709B−10を処理槽110内に取り付けて行った。流動向きについては、目視で被処理物の動きを観察した。また、被処理物の上昇角度については、透明アクリルケーシング内に糸(タフト)を取り付け、こちらも目視で被処理物の上昇角度を観察した。
その結果、処理羽根130の周速44m/sの時、処理部132周辺の気流は、風速10〜14m/sであり、回転方向に対して約10度上昇方向であることが確認された。ま
た被処理物は処理槽110の外周部に多く存在して旋回していることが確認された。
次に、駆動軸111の軸線方向における、整流面142aと処理部132の距離を10mmから50mmの範囲で変えて取り付け、整流面142aに風速センサーを取り付け、整流面142a付近の風速を測定した。その結果、駆動軸111の軸線方向における、整流面142aと処理部132との距離によって、被処理物の移動速度が変化することを確認した。
駆動軸111の軸線方向における、整流面142aと処理部132との距離が近い時には、整流面142a周辺の気流は風速10m/s以下であり、被処理物の移動速度が遅いことを示していた。逆に、駆動軸111の軸線方向における、整流面142aと処理部132が遠い時には、整流面142a周辺の気流は風速10m/s以上であり、処理部132周辺の気流に倣ってしまってから、処理部132に至ることが判った。
このような現象は整流面142aと処理部132との距離に対して明確な変化点は無く、段階的に変化し、処理羽根130の周速やトナー処理装置100の大きさによって変化すると考えられる。従って、処理部132がトナー粒子と外添剤を処理する領域を処理領域とすると、処理領域は処理部132の近傍の数十mmの範囲にあると考えられる。
そして以上の観察から、駆動軸111の軸線方向における、整流板142と処理部132の距離が近い時、整流板142は、処理部132により被処理物が処理される処理領域内で、被処理物の移動速度を遅くしていると考えることができる。
[固着処理]
以上のような被処理物の流動状態から考えられるトナー粒子と外添剤との固着処理について説明する。図7は、整流部材の一例を示す概略図であって、整流面が平面の整流部材を示す図である。図8は、整流部材の一例を示す概略図であって、整流面が湾曲面の整流部材を示す図である。
本発明におけるトナー処理装置100は、撹拌羽根120と、処理羽根130と、整流部材140との3つの基本構成からなり、処理槽110内でこれらの構成が連動して機能することにより、本件発明特有の効果を得ることができるものである。ここで、撹拌羽根120と処理羽根130は、それらの回転速度が同じとなるように、図1等に示す様に同一の駆動軸111に取り付けた。ただし、これに限らず、撹拌羽根120と処理羽根130とを別々のモータによって回転駆動するように設け、回転速度が異なる構成としても良い。
本発明において、まず、被処理物は、撹拌羽根120の回転によって処理槽110の底部110aから上方に巻き上げられ、処理槽110内の外周部で撹拌羽根120の回転方向に旋回しながら上昇する。次に、旋回する被処理物は、撹拌羽根120の回転方向に対向する面である整流面142aに突き当たる。そして、整流面142aに突き当たった被処理物は、整流面142aに沿って移動(流動)することとなる。すなわち、被処理物の移動方向(流動方向)は、整流面142aを備える整流板142によって、撹拌羽根120の回転方向の上流から下流に向かって下方に傾斜する方向に変化させられる。
このため、被処理物の撹拌羽根120の回転方向における速さは遅くなり、処理羽根130の回転速度に対する相対速度が大きくなる。整流板142を処理部132の近傍に設けることにより、被処理物は、撹拌羽根120の回転方向における速さを遅く変化させられた状態、すなわち相対速度が大きくなった状態で上記の処理領域に送り込まれる。
そして、処理領域に送り込まれた被処理物が、処理部132と衝突することによって固着処理が行われることとなる。ここで、被処理物と処理部132との、撹拌羽根120の回転方向の速さの差が大きい程その衝突力を大きくすることができると考えられる。本発明においては、被処理物の撹拌羽根120の回転方向の速さを遅くした状態で処理部132と衝突させることで、被処理物と処理部132との衝突時の速さの差を大きくして衝突力を高めるものである。
そのため、本発明の構成においては、整流部材140が無い構成と比較して、トナー処理能力を向上することができる。すなわち、外添剤の遊離を生じ難くし、トナー粒子表面に外添剤を固着させることができる。尚、整流面142aは、図7に示すような平面で構成されていても良いが、被処理物の撹拌羽根120の回転方向の速さを遅くするものであれば、図8に示す様な湾曲面で構成されていても良い。
図7(a)は、処理羽根と整流部材を側方から見た図であり、図7(b1)〜図7(b3)は、1枚の整流板を側方から見た図である。適宜整流板142の角度は調整可能だが、図7(b2)、図7(b3)に示す様に、整流面142aが処理羽根130の回転方向に対向して設けられる必要がある。図7(b1)のように、整流面142aが処理羽根130の回転方向に対向しないように配置されていたのでは、本発明の効果は得られない。
[トナーの製造]
次に、本発明におけるトナー処理装置を用いたトナーの製造方法の一例について説明する。トナーの製造方法については、特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。ここでは、粉砕法を用いたトナーの製造手順について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、及びワックス、並びに必要に応じて、荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。トナー処理装置(混合装置)の一例としては、スーパーミキサー(株式会社カワタ社製)、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製)等が挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(株式会社神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械株式会社製)、PCM混練機(株式会社池貝製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)が挙げられる。
更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、の如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、クリプトロンシステム(株式会社アーステクニカ製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ株式会社製)等による微粉砕機で微粉砕する。
次に、必要に応じて慣性分級方式のエルボジェット(日鉄鉱業株式会社製)、遠心力分級方式のTSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン株式会社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)等の分級機や篩分機を用いて分級しトナー粒子を得る。
[外添処理]
このようにして得られた、トナー粒子の表面に外添剤を固着させる装置として、図1に
示す本発明におけるトナー処理装置100を用いる。処理方法は以下の通りである。
図1に示すトナー処理装置100の処理羽根130の回転周速を後記する所定の範囲内で設定する。次に、処理槽110の上蓋を開け、予め計量しておいたトナー粒子及び外添剤を含む被処理物を投入する。投入後上蓋を閉め、以下に記載する回転周速で、処理羽根130を回転させる。
更に、処理羽根130を回転中、冷水発生手段からの冷水を冷水ジャケット(図示しない)に供給することで、処理槽110内の材料温度を、トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下に調整する。所望の時間処理を行った後、排出弁(図示しない)を開き、処理槽110からトナーを取り出す。その後、35μmから75μm開口程度のメッシュに通し、粗大粒子を除去し、トナーを得る。
処理羽根130の回転周速や、混合時間は、処理中の材料温度がトナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)以下となる範囲に調整することが好ましい。具体的には、処理羽根130の回転周速の最大周速は10.0m/sec以上、150.0m/sec以下であることが好ましい。また、混合時間は0.5分以上、60分以下の範囲で調整することが好ましい。トナー粒子の表面に外添剤を固着させる工程は、1段階で行っても、2段階以上の多段階で行ってもよく、それぞれの段階で用いる混合条件及びトナー粒子の配合等は、同一であっても異なっていても良い。
[トナー]
次に、本発明に用いられる、トナーに関して説明する。本発明の用いられるトナーとしては、公知のものが使用でき、粉砕法、重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等のいずれの方法で製造されたものであってもよい。
[トナー;結着樹脂]
トナーを構成する結着樹脂としては、通常トナーに用いられ樹脂を使用することができる。以下のようなものが挙げられる。
本発明に好適に用いられるトナーにおいて、結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体が挙げられる。更に、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。更に、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。更に、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。更に、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。
トナーの物性のうち、結着樹脂に起因するものとしては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布は以下のものが好ましい。即ち、分子量2,000以上50,000以下の領域に少なくとも一つのピークを有し、分子量1,000以上30,000以下の成分が50%以上90%以下存在する場合がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点(Tg)は30℃以上
60℃以下であることが好ましく、40℃以上60℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点(Tg)が上記の範囲内であれば、トナーの耐久性に優れると共に、高温多湿環境下におけるトナー粒子同士の凝集が抑制される。
[トナー;ワックス]
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックスがトナー粒子の材料として用いられる。ワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。これらのワックスの誘導体として、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他のワックスとして、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムが挙げられる。
[トナー;荷電制御剤]
本発明に好適に用いられるトナーのおいては、トナー粒子の帯電量及び帯電量分布の制御のために、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。更に、負荷電制御剤としては、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物が挙げられる。更に、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩が挙げられる。更に、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩が挙げられる。更に、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸が挙げられる。更に、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上記の電荷制御剤と併用することも出来る。上記した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
[トナー;着色剤]
本発明に好適に用いられるトナーにおいては、トナー粒子の材料として、従来知られている種々の着色剤を用いることが出来る。本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としては、マグネタイト、カーボンブラック、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及
びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたものが用いられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111が挙げられる。更に、C.I.ピグメントイエロー120、127、128、129、147、155、162、168、174、176、180、181、185、191が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122が挙げられる。更に、C.I.ピグメントレッド144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることが出来る。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。これらの有彩色の非磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で1.0質量部以上20.0質量部以下がトナー粒子中に含有される。また、磁性の着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で20質量部以上60質量部以下がトナー粒子中に含有される。
[外添剤]
本発明に好適に用いられるトナーにおいては、微粒子である外添剤をトナー粒子表面に固着する。微粒子が固着されることにより、トナー粒子の流動性や転写性が向上しうる。トナー粒子表面に固着される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ、及びシリカ微粒子のいずれかの微粒子を含むことが好ましい。
前記外添剤に含まれる微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
様々な組み合わせの中でも、微粒子の一つとして、個数平均粒子径が80nm以上300nm以下である大粒径外添剤を固着することが好ましい。理由としてはスペーサー粒子としての機能を有し、主に転写性が向上できるためである。
材質としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられる。前記シリカの場合、例えば、気相分解法、燃焼法、爆燃法など従来公知の技術を用いて製造されたいかなるシリカをも使用することができる。中でも、粒度分布をシャープにできるゾルゲル法により得られるシリカ粒子が好ましい。
前記外添剤のトナー中における含有量は、0.1質量%以上10.0質量%以下である
ことが好ましく、0.5質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
本発明の磁性キャリアとトナーを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
[トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法]
以下、本発明におけるトナー等の各種物性の測定法について説明する。トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。
「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに該電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに該電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。
(4)該(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)該(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した該(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した該(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の該専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[トナーのBET比表面積の測定]
トナー及び外添剤のBET(Brunauer,Emmet and Teller‘s
equation)比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。
測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明におけるBET比表面積とする。
尚、BET比表面積は以下のようにして算出する。
まず、トナー及び外添剤に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)とトナーの窒素吸着量Va(モル・g−1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得る。
次いで、トナー及び外添剤の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル・g−1)を、下記のBET式(式1)を適用して求める。ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。
Figure 2014202966
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて上記の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
更に、上記で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm)から、下記の式2に基づいて、トナー及び外添剤のBET比表面積S(m・g−1)を算出する。ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。
Figure 2014202966
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約1.5gのトナーを入れる(外添剤の場合は、0.3g)。
トナー或いは外添剤を入れた前記試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。
尚、真空脱気の際には、トナー或いは外添剤が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差からトナー或いは外添剤の正確な質量を算出する。尚、この際に、試料セル内のトナー或いは外添剤が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、トナー或いは外添剤が入った前記の試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、前記装置の分析ポートに試料セルをセットする。尚、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入してトナー或いは外添剤に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。
尚、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.
20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。更に、このVmの値を用いて、前記したようにトナーのBET比表面積を算出する。
[大粒径外添剤の体積分布基準50%粒径(D50)の測定方法]
本発明で用いられる外添剤の体積基準のメジアン径(D50)の測定は、JIS Z8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。
また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「110A000I」(相対屈折率1.10)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行なった後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行なう。
(7)ガラス製の100ml平底ビーカーに約60mlのイオン交換水を入れる。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)前記(9)のビーカー内の水溶液に超音波を照射した状態で、約1mgの脂肪酸金属塩を少量ずつ前記ビーカー内の水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、この際に脂肪酸金属塩が固まりとなって液面に浮く場合があるが、その場合はビーカーを揺り動かすことで固まりを水中に沈めてから60秒間の超音波分散を行なう。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製した脂肪酸金属塩が分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率
が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、体積基準のメジアン径(D50)を算出する。
[トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)測定]
トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナーを約10mg精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。
この昇温過程で、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と、示差熱曲線との交点を、トナーに含有される樹脂成分のガラス転移温度(Tg)とする。
(実施例)
以下、具体的なトナー処理装置の構成について実施例及び比較例をもって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[トナー粒子の製造例]
・不飽和ポリエステル樹脂:100質量部
(ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/テレフタル酸/無水トリメリット酸/フマル酸からなる不飽和ポリエステル樹脂,
Mw:15000、Mw/Mn:4.5、Tg:54℃)
・銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue15:3):5質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク73℃):4質量部
・荷電制御剤(サリチル酸Al錯体):1質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM10型)でよく混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(株式会社池貝製PCM15型)にて混練した。得られた混練物を冷却後、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製ハンマーミルH12型)を用いて粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製T250RS型)を用いて微粉砕し、部粉砕物を得た。次に得られた微粉砕物を、分級機(ホソカワミクロン株式会社製TSPセパレータ200型)を用いて分級し、重量平均径(D4)が6μmのトナー粒子を得た。
(実施例1)
前記トナー粒子100質量部と、体積平均粒径(D50)が100nmのゾルゲルシリカ粒子(BET比表面積28.55m/g)1質量部を、図1に示すトナー処理装置を用いて処理し、トナーを得た。実施例1におけるトナー処理装置の概略構成図を図1に示す。
図1に示す、トナー処理装置100は、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理槽110、駆動モーター150、制御盤160で構成されている。駆動モーター150の駆動は駆動ベルトを介して駆動軸111に伝達され、駆動軸111を回転駆動する。制御盤160は電源スイッチ、駆動ONスイッチ、駆動停止スイッチ、回転数調整ボリューム、回転数表示部、品温表示部等を備え、トナー処理装置100の動作を制御してい
る。
図2に示す、処理槽110は、内寸高さが250mm、内径がφ230mmで有効容量が10Lの円筒形状の容器で平らな底部110aの略中心に駆動軸111を備えている。また、本実施例においては、図3に示す様に、撹拌羽根120は、羽根部121を有するものとした。撹拌羽根120はS字形状でかつ先端が跳ねあげ形状のものを使用する。また、図4に示す様に、被処理物を処理する処理羽根130は、円環状の本体141の外周面から径方向の外向きに突き出した処理部132を2ヶ所有するものとした。ここで、処理部132のうち回転体本体131から最も離れた端部までの径方向の長さは、処理部132が処理槽110の内周面に接触しない長さであって、内周面の半径の90%以上の長さであることが好ましい。実施例1においては、処理部132の形状は、径方向の最外端が処理槽110の半径の95%となるようにし、厚みは4mmとする。
更に、図5に示す様に、整流部材140は整流板142を有するものとし、整流板142の整流面142aの下端部と処理部132との距離Aを5mmとした。ここで、図5に示す様に、駆動軸111の中心軸と整流面142aの上端部の縁線とを含む仮想面Mに対して整流面142aがなす角を角Bとする。すなわち、処理槽110の径方向外側から駆動軸111の中心軸方向に向かって1枚の整流板142を見た場合における、駆動軸111に平行に延び整流板142の中心を通る基準線Lと、整流面142aの上端部と下端部とを結ぶ直線とのなす角を角Bとする。実施例1においては、全ての整流板142を角Bが60°となるように設けた(図7(b3)参照)。
更に、図6に示す様に、整流面142aの総面積をSgとし、処理部132の通過面積をSyとしたときの、Sg/Syを0.9とし、図7に示す様に、整流面142aの形状を平面とした。図6は、本発明の回転体の通過面積Syと整流部材の面積Sgの面積比の説明図である。図6(a)は、上図が整流部材140の面積Sgを示す図であり、下図が処理槽110を側面側から見た図である。また、図6(b)は、回転体の通過面積Syを示す図であり、斜線部分が通過面積Syを示している。この状態で、トナー粒子を処理槽110の有効容量の15%分投入し、ゾルゲルシリカ粒子を投入した。そして、処理羽根130の回転周速を44m/sとして5分間処理した。その結果、トナー処理中の品温は35℃であった。
その後、75μm開口のメッシュを用いて粗大粒子を除去しトナーとし、トナーのBET比表面積を測定したところ、測定値は1.38m/gであった。得られたトナー10質量部に対し、90質量部の磁性キャリアを加え、常温常湿(23℃、50%RH)の環境において、V型混合機(株式会社徳寿工作所製)により混合し、現像剤とした。得られた現像剤を用いてキヤノン株式会社製フルカラー複合機iR−ADV C5051(以下、複合機)を使用して画像評価を行った。
[転写効率の評価]
転写効率の評価は以下のようにして行った。
感光体上のトナー載り量が0.5mg/cmとなるよう前記の複写機本体を調整し、テストパターンを出力した。その際にテストパターンが感光体から中間転写ベルトに転写され、かつ記録紙に転写される前に複合機を強制停止した。
強制停止した複合機の中間転写ベルトを取り出し、転写されたテストパターン部に透明な粘着テープを貼ってトナーを採取し、粘着テープごとコピー用紙に貼り付けた。光学濃度計でテストパターン部の濃度を測定し、粘着テープのみをコピー用紙に張った個所の濃度を差し引き、転写濃度Aを求めた。その後、複合機の感光体を取り出し、転写残トナーについても同様の方法で転写残濃度Bを求めた。
粘着テープは透明で弱粘着のリンテック(株)社製 スーパーステックを使用し、コピ
ー用紙はキヤノンマーケティングジャパン株式会社が販売するGF−C081を使用し、光学濃度計はエックスライト株式会社製分光濃度計504を使用した。トナーの転写効率は以下の式3により求めた。
Figure 2014202966
複合機を高温高湿環境(30℃/80%RH)に設置し、初期状態の現像剤を用いて転写効率を測定した。
次に画像面積比率2%のテストパターンを連続印刷し、A4サイズで5万枚の耐久試験を行い、耐久試験後に再び転写効率を測定した。そして初期状態の転写効率をトナーの初期特性、耐久試験後の転写効率をトナーの耐久性として評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
本実施例においては、整流板143を、図8に示す様な、曲率半径25mmとした整流面143aとした以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は36℃、トナーのBET比表面積は1.38m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
図9は、実施例3の撹拌羽根を示す概略図である。図9(a)は、処理槽110の上方から撹拌羽根122を見た図であり、図9(b)は、側方から見た図である。本実施例においては、図9に示す様に、中心から外側に向かって略直線状に延びており、先端部123aの上方への突出量が小さい羽根部123を備える撹拌羽根122を用いた。撹拌羽根122の構成以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は34℃、トナーのBET比表面積は1.40m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
本実施例においては、図6に示す、整流面142aの総面積Sg/処理部132の通過面積Syを1.3とした以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は37℃、トナーのBET比表面積は1.38m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
本実施例においては、図6に示す、整流面142aの総面積Sg/処理部132の通過面積Syを0.6とした以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は36℃、トナーのBET比表面積は1.41m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
本実施例においては、角Bを、全ての整流面で75°とした以外は実施例5と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は35℃、トナーのBET比表面積は1.39m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
本実施例においては、図7(b2)に示す様に、角Bを、全ての整流面で30°とした。それ以外の構成は実施例5と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は33℃、トナーのBET比表面積は1.39m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
本実施例においては、図5に示す、整流面142aと処理部132との距離Aを1mmにした以外は実施例7と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は38℃、トナーのBET比表面積は1.38m/gであった。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
本実施例においては、図5に示す、整流面142aと処理部132との距離Aを30mmとし、撹拌羽根120の回転周速を33m/sとした以外は実施例7と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は30℃、トナーのBET比表面積は1.45m/gであった。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
図10は、従来のトナー処理装置の一例を示す概略図である。本比較例においては、実施例1で用いた材料を、図10に示すヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM10型)に導入して外添混合を行った以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は27℃、トナーのBET比表面積は1.48m/gであった。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
本比較例においては、外添混合の際、運転時間を50分間にした以外は比較例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は29℃、トナーのBET比表面積は1.47m/gであった。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
本比較例においては、外添混合する際、図1に示す装置から処理羽根130を取り外した状態で外添混合を行った以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は30℃、トナーのBET比表面積は1.50m/gであった。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
本比較例においては、外添混合する際、図1に示す装置から撹拌羽根120を取り外した状態で外添混合を行った以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。その結果、トナー処理中の品温は27℃、トナーのBET比表面積は1.50m/gであった。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
図11は、従来のトナー処理装置の一例を示す概略図である。図12は、従来の処理羽根と衝突部材を示す図であって、図12(a)は処理槽110の上方から見た図であって、図12(b)は側方から見た図である。本比較例においては、実施例1で用いた材料を、図11に示すCOMPOSI(日本コークス工業株式会社製CP15型)に導入して外添混合を行った。本比較例においては、タンク210の底部に図12に示す処理羽根240を設置し、処理羽根240の上部に、図12に示す衝突部材230を、処理羽根240の上部から5mmの距離を持って設置した。
また本比較例においては、図5に示す、衝突部材230の総面積をSgとし、処理羽根240の上部円管状の面積をSyとしたときの、Sg/Syを0.4とした。
更に、角Bを、全ての整流面で45°とし、衝突部材230の形状を平面とした。
この状態で、トナー粒子を処理槽110の有効容量の15%分投入し、ゾルゲルシリカ粒子を投入した。そして、実施例1と同様に、処理羽根240の回転周速を44m/secとして5分間運転しようとしたが、運転途中トナー処理中の品温が、トナーに含有される樹脂成分のガラス転移点(Tg)を超えたため、運転を停止した。
Figure 2014202966
表1の結果より、本発明の構成を採用する実施例1〜9のトナーにおいては、トナー粒子への大径外添剤の固着処理度合いの目安となるBET値の値が低いことがわかる。また、転写性評価においては初期の転写効率が高く、耐久試験後の転写効率も高い。
一方で整流部材140を取り付けない構成で得られる比較例1のトナーは、BET値が高く、初期の転写効率が低く、耐久後の転写効率も大きく低下している。また比較例2の様に処理時間を延長しても改善効果は小さい。
また、処理羽根130を持たない比較例3、撹拌羽根120を持たない比較例4の構成で得られるトナーは、BET値が高く、転写効率は実施例よりも劣っている。比較例5の構成においては、トナー処理中の品温上昇により処理を中止したため、トナー物性、画像評価は行わなかった。
100…トナー処理装置、110…処理槽(処理室)、120…撹拌羽根(流動手段)、130…処理羽根(回転体)、131…回転体本体、132…処理部、140…整流部材

Claims (14)

  1. トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
    前記処理室内に収容された前記被処理物を前記処理室の底部から上方に流動させる流動手段と、
    前記処理室内の前記流動手段の上方に回転可能に設けられており、回転体本体と、前記回転体本体の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する処理部と、を有する回転体と、
    前記処理室内の前記回転体の上方に設けられており、前記回転体による処理領域内における前記被処理物の前記回転体の回転方向における速さが前記回転体よりも遅くなるように、前記被処理物の流動の向きを変化させる整流部材と、
    を有することを特徴とするトナー処理装置。
  2. 前記整流部材は、前記被処理物の流動の向きを前記回転方向の上流から下流に向かって下方に傾斜する方向に変化させることを特徴とする請求項1に記載のトナー処理装置。
  3. 前記整流部材は、上方側から下方側に向かって前記回転体の回転軸方向に対して前記回転方向に傾斜して延びる整流面を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー処理装置。
  4. トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容する処理室と、
    前記処理室内に収容された前記被処理物を前記処理室の底部から上方に流動させる流動手段と、
    前記処理室内の前記流動手段の上方に回転可能に設けられており、回転体本体と、前記回転体本体の外周面から径方向の外向きに突出し前記被処理物に衝突して前記被処理物を処理する処理部と、を有する回転体と、
    前記処理室内の前記回転体の上方に設けられており、上方側から下方側に向かって前記回転体の回転軸方向に対して前記回転方向に傾斜して延びる整流面を有する整流部材と、
    を有することを特徴とするトナー処理装置。
  5. 前記整流面は、平面であることを特徴とする請求項3又は4に記載のトナー処理装置。
  6. 前記整流面は、湾曲面であることを特徴とする請求項3又は4に記載のトナー処理装置。
  7. 前記整流部材は、前記整流面を複数有していることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  8. 前記整流面は、衝撃力を吸収するような弾性を有することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  9. 前記整流部材は、前記処理室内において固定して設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  10. 前記回転体と前記流動手段は同じ回転軸によって回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  11. 前記回転軸を回転駆動させるモータを備えることを特徴とする請求項10に記載のトナー処理装置。
  12. 前記処理室は、前記回転体の回転軸を中心とする内周面を有し、
    前記回転軸から、前記処理部のうち前記回転体本体から最も離れた端部までの前記径方向の長さは、前記処理部が前記内周面に接触しない長さであって、前記内周面の半径の90%以上の長さであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  13. 前記流動手段は、前記被処理物を舞い上げる羽根部を有する回転体であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のトナー処理装置。
  14. 前記羽根部はS字形状であることを特徴とする請求項13に記載のトナー処理装置。
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