JP2007127725A5 - - Google Patents
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本発明は上記課題を解決するため、つぎのように構成した反射防止膜を提供する。
本発明においては、反射防止膜の基準波長をλ0としたとき、基板側から高屈折率膜で始まり、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に10層を積層した反射防止膜をつぎのように構成したことを特徴としている。
すなわち、前記高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚と、全層のλ0における光学膜厚の総合計膜厚が、つぎの式(1)を満たし、
かつ、λ0=588nmとし、高屈折率膜の屈折率をnH、低屈折率膜の屈折率をnLとしたとき、それぞれの屈折率がつぎの式(2)を満たし、
かつ、前記各層の光学膜厚が、つぎの式(3)を満たすことを特徴としている。
高屈折率膜における光学膜厚の合計膜厚(d1+d3+d5+d7+d9)≦全層における光学膜厚の総合計膜厚(d1+d2+d3+d4+d5+d6+d7+d8+d9+d10)×0.55 ……(1)
但し、式(1)において、
d1、d3、d5、d7、d9:前記高屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
d2、d4、d6、d8、d10:前記低屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
nH≧2.3、nL≦1.5……(2)
0.15≧nH×d1/λ0≧0.02
0.17≧nL×d2/λ0≧0.04
0.43≧nH×d3/λ0≧0.02
0.36≧nL×d4/λ0≧0.05
0.21≧nH×d5/λ0≧0.05
0.39≧nL×d6/λ0≧0.09
0.21≧nH×d7/λ0≧0.01
0.25≧nL×d8/λ0≧0.02
0.50≧nH×d9/λ0≧0.14
0.23≧nL×d10/λ0≧0.19
……(3)
また、本発明においては、前記高屈折率膜が、TiO2を主成分とする膜であり、低屈折率膜がSiO2を主成分とする膜であることを特徴としている。
本発明においては、反射防止膜の基準波長をλ0としたとき、基板側から高屈折率膜で始まり、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に10層を積層した反射防止膜をつぎのように構成したことを特徴としている。
すなわち、前記高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚と、全層のλ0における光学膜厚の総合計膜厚が、つぎの式(4)を満たし、
かつ、λ0=588nmとし、高屈折率膜の屈折率をnH、低屈折率膜の屈折率をnLとしたとき、それぞれの屈折率がつぎの式(5)を満たし、
かつ、前記各層の光学膜厚が、つぎの式(6)を満たすことを特徴としている。
高屈折率膜における光学膜厚の合計膜厚(d1+d3+d5+d7+d9)≦全層における光学膜厚の総合計膜厚(d1+d2+d3+d4+d5+d6+d7+d8+d9+d10)×0.4 ……(4)
但し、式(4)において、
d1、d3、d5、d7、d9:前記高屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
d2、d4、d6、d8、d10:前記低屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
nH≧2.2、nL≦1.5……(5)
0.10≧nH×d1/λ0≧0.01
0.21≧nL×d2/λ0≧0.05
0.11≧nH×d3/λ0≧0.01
0.59≧nL×d4/λ0≧0.29
0.09≧nH×d5/λ0≧0.01
0.13≧nL×d6/λ0≧0.01
0.22≧nH×d7/λ0≧0.08
0.05≧nL×d8/λ0≧0.01
0.27≧nH×d9/λ0≧0.11
0.24≧nL×d10/λ0≧0.19
…………(6)
また、本発明においては、前記高屈折率膜が、TiO2を主成分とする膜、またはNb2O5を主成分とする膜であり、前記低屈折率膜が、SiO2を主成分とする膜であることを特徴としている。
また、本発明においては、前記全層が、スパッタで形成されることを特徴としている。
本発明においては、反射防止膜の基準波長をλ0としたとき、基板側から高屈折率膜で始まり、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に10層を積層した反射防止膜をつぎのように構成したことを特徴としている。
すなわち、前記高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚と、全層のλ0における光学膜厚の総合計膜厚が、つぎの式(1)を満たし、
かつ、λ0=588nmとし、高屈折率膜の屈折率をnH、低屈折率膜の屈折率をnLとしたとき、それぞれの屈折率がつぎの式(2)を満たし、
かつ、前記各層の光学膜厚が、つぎの式(3)を満たすことを特徴としている。
高屈折率膜における光学膜厚の合計膜厚(d1+d3+d5+d7+d9)≦全層における光学膜厚の総合計膜厚(d1+d2+d3+d4+d5+d6+d7+d8+d9+d10)×0.55 ……(1)
但し、式(1)において、
d1、d3、d5、d7、d9:前記高屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
d2、d4、d6、d8、d10:前記低屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
nH≧2.3、nL≦1.5……(2)
0.15≧nH×d1/λ0≧0.02
0.17≧nL×d2/λ0≧0.04
0.43≧nH×d3/λ0≧0.02
0.36≧nL×d4/λ0≧0.05
0.21≧nH×d5/λ0≧0.05
0.39≧nL×d6/λ0≧0.09
0.21≧nH×d7/λ0≧0.01
0.25≧nL×d8/λ0≧0.02
0.50≧nH×d9/λ0≧0.14
0.23≧nL×d10/λ0≧0.19
……(3)
また、本発明においては、前記高屈折率膜が、TiO2を主成分とする膜であり、低屈折率膜がSiO2を主成分とする膜であることを特徴としている。
本発明においては、反射防止膜の基準波長をλ0としたとき、基板側から高屈折率膜で始まり、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に10層を積層した反射防止膜をつぎのように構成したことを特徴としている。
すなわち、前記高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚と、全層のλ0における光学膜厚の総合計膜厚が、つぎの式(4)を満たし、
かつ、λ0=588nmとし、高屈折率膜の屈折率をnH、低屈折率膜の屈折率をnLとしたとき、それぞれの屈折率がつぎの式(5)を満たし、
かつ、前記各層の光学膜厚が、つぎの式(6)を満たすことを特徴としている。
高屈折率膜における光学膜厚の合計膜厚(d1+d3+d5+d7+d9)≦全層における光学膜厚の総合計膜厚(d1+d2+d3+d4+d5+d6+d7+d8+d9+d10)×0.4 ……(4)
但し、式(4)において、
d1、d3、d5、d7、d9:前記高屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
d2、d4、d6、d8、d10:前記低屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
nH≧2.2、nL≦1.5……(5)
0.10≧nH×d1/λ0≧0.01
0.21≧nL×d2/λ0≧0.05
0.11≧nH×d3/λ0≧0.01
0.59≧nL×d4/λ0≧0.29
0.09≧nH×d5/λ0≧0.01
0.13≧nL×d6/λ0≧0.01
0.22≧nH×d7/λ0≧0.08
0.05≧nL×d8/λ0≧0.01
0.27≧nH×d9/λ0≧0.11
0.24≧nL×d10/λ0≧0.19
…………(6)
また、本発明においては、前記高屈折率膜が、TiO2を主成分とする膜、またはNb2O5を主成分とする膜であり、前記低屈折率膜が、SiO2を主成分とする膜であることを特徴としている。
また、本発明においては、前記全層が、スパッタで形成されることを特徴としている。
以上の構成によれば、スパッタ法によっても、低反射率の反射防止特性を有し、蒸着法に近い成膜時間で加工することが可能となるが、それは本発明者のつぎのような知見に基づくものである。
すなわち、本発明者は、鋭意研究した結果、高屈折率膜と低屈折率膜の10層交互層において、高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚を、全層のλ0における総光学膜厚の合計膜厚の所定以下とすることにより、成膜時間の短縮化が図り得ることを見出した。
このことは、例えば、後述する実施例1の硝子基板がLaSF03のもにおいて、前述した式(1)、式(2)及び式(3)の関係を満たすことにより、特許文献1(比較例1)の蒸着法と略同等の成膜時間の比較例3の2倍弱まで、成膜時間が短縮可能となることからも明白である。
具体的には、表1に示されているように、硝子基板がLaSF03での高屈折率膜TiO2のλ0における光学膜厚の合計膜厚は487であるのに対して、低屈折率膜SiO2のλ0における光学膜厚の合計膜厚は428である。
したがって、高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚は、全層のλ0における総光学膜厚の合計膜厚の50%以下の範囲にあり、前述した式(1)式(2)及び式(3)の関係を満たしている。
上記実施例1のものでは、このような膜厚関係のもとで、成膜時間の合計が1256秒(20分56秒)であり、比較例1の成膜時間10分30秒の2倍弱まで、成膜時間の短縮化が図られている。
すなわち、本発明者は、鋭意研究した結果、高屈折率膜と低屈折率膜の10層交互層において、高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚を、全層のλ0における総光学膜厚の合計膜厚の所定以下とすることにより、成膜時間の短縮化が図り得ることを見出した。
このことは、例えば、後述する実施例1の硝子基板がLaSF03のもにおいて、前述した式(1)、式(2)及び式(3)の関係を満たすことにより、特許文献1(比較例1)の蒸着法と略同等の成膜時間の比較例3の2倍弱まで、成膜時間が短縮可能となることからも明白である。
具体的には、表1に示されているように、硝子基板がLaSF03での高屈折率膜TiO2のλ0における光学膜厚の合計膜厚は487であるのに対して、低屈折率膜SiO2のλ0における光学膜厚の合計膜厚は428である。
したがって、高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚は、全層のλ0における総光学膜厚の合計膜厚の50%以下の範囲にあり、前述した式(1)式(2)及び式(3)の関係を満たしている。
上記実施例1のものでは、このような膜厚関係のもとで、成膜時間の合計が1256秒(20分56秒)であり、比較例1の成膜時間10分30秒の2倍弱まで、成膜時間の短縮化が図られている。
また、後述する実施例3の硝子基板がLaSF03のもにおいて、前述した式(4)、式(5)及び式(6)の関係を満たすことにより、比較例3と略同じ成膜時間で、成膜が可能となることからも明白である。
具体的には、表3に示されているように、硝子基板がLaSF03での高屈折率膜Nb2O5のλ0における光学膜厚の合計膜厚は292であるのに対して、低屈折率膜SiO2のλ0における光学膜厚の合計膜厚は493である。
したがって、高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚は、全層のλ0における総光学膜厚の合計膜厚の40%以下の範囲にあり、前述した式(4)、式(5)及び式(6)の関係を満たしている。
上記実施例3のものでは、このような膜厚関係のもとで、成膜時間の合計が749秒(12分29秒)であり、比較例1の成膜時間10分30秒と略同じ成膜時間まで、成膜時間の短縮化が図られている。
なお、上記した成膜はスパッタ法を用いて反射防止膜を形成する場合、特に有功であるが、必ずしもスパッタ法にかぎられるものではなく、真空蒸着法を用いることも勿論可能である。真空蒸着法による場合には、最終層をMgF2膜に置きかえることも、また可能である。
すなわち、低屈折率膜の材料として使用されるMgF2膜は、結合エネルギーが低く、スパッタ法では剥離してしまい、最終層をMgF2膜で形成することは困難であったが、真空蒸着法ではそれが可能となる。
具体的には、表3に示されているように、硝子基板がLaSF03での高屈折率膜Nb2O5のλ0における光学膜厚の合計膜厚は292であるのに対して、低屈折率膜SiO2のλ0における光学膜厚の合計膜厚は493である。
したがって、高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚は、全層のλ0における総光学膜厚の合計膜厚の40%以下の範囲にあり、前述した式(4)、式(5)及び式(6)の関係を満たしている。
上記実施例3のものでは、このような膜厚関係のもとで、成膜時間の合計が749秒(12分29秒)であり、比較例1の成膜時間10分30秒と略同じ成膜時間まで、成膜時間の短縮化が図られている。
なお、上記した成膜はスパッタ法を用いて反射防止膜を形成する場合、特に有功であるが、必ずしもスパッタ法にかぎられるものではなく、真空蒸着法を用いることも勿論可能である。真空蒸着法による場合には、最終層をMgF2膜に置きかえることも、また可能である。
すなわち、低屈折率膜の材料として使用されるMgF2膜は、結合エネルギーが低く、スパッタ法では剥離してしまい、最終層をMgF2膜で形成することは困難であったが、真空蒸着法ではそれが可能となる。
Claims (5)
- 反射防止膜の基準波長をλ0としたとき、基板側から高屈折率膜で始まり、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に10層を積層した反射防止膜であって、
前記高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚と、全層のλ0における光学膜厚の総合計膜厚が、つぎの式(1)を満たし、
かつ、λ0=588nmとし、高屈折率膜の屈折率をnH、低屈折率膜の屈折率をnLとしたとき、それぞれの屈折率がつぎの式(2)を満たし、
かつ、
前記各層の光学膜厚が、つぎの式(3)を満たすことを特徴とする反射防止膜。
高屈折率膜における光学膜厚の合計膜厚(d1+d3+d5+d7+d9)≦全層における光学膜厚の総合計膜厚(d1+d2+d3+d4+d5+d6+d7+d8+d9+d10)×0.55 ……(1)
但し、式(1)において、
d1、d3、d5、d7、d9:前記高屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
d2、d4、d6、d8、d10:前記低屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
nH≧2.3、nL≦1.5……(2)
0.15≧nH×d1/λ0≧0.02
0.17≧nL×d2/λ0≧0.04
0.43≧nH×d3/λ0≧0.02
0.36≧nL×d4/λ0≧0.05
0.21≧nH×d5/λ0≧0.05
0.39≧nL×d6/λ0≧0.09
0.21≧nH×d7/λ0≧0.01
0.25≧nL×d8/λ0≧0.02
0.50≧nH×d9/λ0≧0.14
0.23≧nL×d10/λ0≧0.19
……(3) - 前記高屈折率膜が、TiO2を主成分とする膜であり、低屈折率膜がSiO2を主成分とする膜であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
- 反射防止膜の基準波長をλ0としたとき、基板側から高屈折率膜で始まり、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に10層を積層した反射防止膜であって、
前記高屈折率膜のλ0における光学膜厚の合計膜厚と、全層のλ0における光学膜厚の総合計膜厚が、つぎの式(4)を満たし、
かつ、λ0=588nmとし、高屈折率膜の屈折率をnH、低屈折率膜の屈折率をnLとしたとき、それぞれの屈折率がつぎの式(5)を満たし、
かつ、前記各層の光学膜厚が、つぎの式(6)を満たすことを特徴とする反射防止膜。
高屈折率膜における光学膜厚の合計膜厚(d1+d3+d5+d7+d9)≦全層における光学膜厚の総合計膜厚(d1+d2+d3+d4+d5+d6+d7+d8+d9+d10)×0.4 ……(4)
但し、式(4)において、
d1、d3、d5、d7、d9:前記高屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
d2、d4、d6、d8、d10:前記低屈折率膜のλ0における基板側からの各層の光学膜厚
nH≧2.2、nL≦1.5……(5)
0.10≧nH×d1/λ0≧0.01
0.21≧nL×d2/λ0≧0.05
0.11≧nH×d3/λ0≧0.01
0.59≧nL×d4/λ0≧0.29
0.09≧nH×d5/λ0≧0.01
0.13≧nL×d6/λ0≧0.01
0.22≧nH×d7/λ0≧0.08
0.05≧nL×d8/λ0≧0.01
0.27≧nH×d9/λ0≧0.11
0.24≧nL×d10/λ0≧0.19
…………(6) - 前記高屈折率膜が、TiO2を主成分とする膜、またはNb2O5を主成分とする膜であり、
前記低屈折率膜が、SiO2を主成分とする膜であることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜。 - 前記全層が、スパッタで形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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