JPWO2018216310A1 - 光学素子及び投影レンズ - Google Patents

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みゆき 寺本
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Abstract

光学素子は、光学素子基板上に反射防止膜を有する。反射防止膜は、空気側から順に、SiO2からなる低屈折率膜と、TiO2,Nb2O5,又はTa2O5からなる1種類以上の高屈折率膜と、が交互に8層以上積層された構造を有する。反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第1層から第6層までの1/4波長光学膜厚が、第1層の低屈折率膜で0.94±0.05であり、第2層の高屈折率膜で1.29±0.25であり、第3層の低屈折率膜で0.08±0.05であり、第4層の高屈折率膜で0.45±0.20であり、第5層の低屈折率膜で2.05±0.20であり、第6層の高屈折率膜で0.45±0.20である。

Description

本発明は光学素子及び投影レンズに関するものであり、更に詳しくは、反射防止膜を有する光学素子と、それを備えたプロジェクター用投影レンズに関するものである。
プロジェクター用の投影レンズの高精度化に伴い、投影レンズ用のレンズ材料として、様々な屈折率でより低分散の光学ガラスやより高分散の光学ガラスが用いられるようになってきている。しかしながら、各光学ガラスメーカーが提供する製品の中には、従来の反射防止膜の製造方法で加熱するとガラス内部での光の吸収損失が増加してしまうものがある。例えば、HOYA社が提供するFD225やOHARA社が提供するS−NPH1Wという光学ガラスでは、従来の製造方法の300℃加熱にてコーティングを実施すると、波長430nmで約1.5%もの光の吸収損失の増加が生じてしまう。そのため、1万ルーメン以上の大光量の光が光学ガラスを透過すると、わずかな吸収率であっても発熱が生じてしまい、それに起因する光学ガラスの屈折率変化が投影性能に影響を及ぼすことになる。
ガラス基板内部での光の吸収損失の増加を回避するには、コーティングを低温条件で実施する必要がある。そのため、従来よりよく用いられているMgF2は、強度等の信頼性の面から使用することができない。したがって、MgF2を使用しない反射防止膜が必要となる。MgF2を使用しない反射防止膜としては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載の反射防止膜は、Nb25等の高屈折率膜とSiO2からなる低屈折率膜との13層の交互層で構成されており、可視光波長帯域での反射率は0.3%以下に抑えられている。
特開2010−217445号公報
しかし、特許文献1に記載の反射防止膜を有する光学素子では、膜層数が多い割りには反射防止性能が低く、また、可視光波長帯域全体にわたって安定した反射防止性能を得ることができない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、少ない膜層数でも反射防止性能が高く、かつ、可視光波長帯域全体にわたって反射防止性能が安定した反射防止膜を有するとともに、光学素子基板内部での光の吸収損失が小さい光学素子と、それを備えた投影レンズを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の光学素子は、光学素子基板上に反射防止膜を有する光学素子であって、
前記反射防止膜が、空気側から順に、SiO2からなる低屈折率膜と、TiO2,Nb25,又はTa25からなる1種類以上の高屈折率膜と、が交互に8層以上積層された構造を有し、
前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第1層から第6層までの1/4波長光学膜厚が、
第1層の低屈折率膜で0.94±0.05であり、
第2層の高屈折率膜で1.29±0.25であり、
第3層の低屈折率膜で0.08±0.05であり、
第4層の高屈折率膜で0.45±0.20であり、
第5層の低屈折率膜で2.05±0.20であり、
第6層の高屈折率膜で0.45±0.20であることを特徴とする。
本発明のプロジェクター用投影レンズは、本発明の光学素子をレンズ素子として有することを特徴とする。
本発明によれば、8層以上に積層された反射防止膜が第1層から第6層までに特徴的な膜構成を有しているため、少ない膜層数でも高い反射防止性能が得られるとともに、可視光波長帯域全体にわたって安定した反射防止性能が得られる。例えば、10層からなる反射防止膜で反射率0.2%以下の反射防止性能を実現することができる。また、低温条件でのコーティングが可能な材料で反射防止膜が構成されているため、光学素子基板内部での光の吸収損失を小さくすることができるとともに、様々な屈折率の光学素子基板の使用が可能になることによって高い汎用性を得ることができる。したがって、少ない膜層数でも反射防止性能が高く、かつ、可視光波長帯域全体にわたって反射防止性能が安定した反射防止膜を有するとともに、光学素子基板内部での光の吸収損失が小さい光学素子と、それを備えた投影レンズを実現することが可能である。
反射防止膜を有する光学素子の一実施の形態を模式的に示す断面図。 図1の光学素子をレンズ素子として有する投影レンズの一実施の形態を示す光学構成図。 実施例1の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例2の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例3の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例4の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例5の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例6の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例7の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 比較例1の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 比較例2の反射防止特性を分光反射率で示すグラフ。 実施例6と比較例2の分光特性を光の吸収損失増加量で示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態に係る光学素子,投影レンズ等を、図面を参照しつつ説明する。図1に、反射防止膜を有する光学素子の一実施の形態について、その反射防止膜ARの積層構造を光学断面で模式的に示す。
図1に示す光学素子DSは、光学素子基板SU上に反射防止膜ARを有するものであり、その反射防止膜ARが、空気(Air)側から順に、SiO2からなる低屈折率膜と、TiO2,Nb25,又はTa25からなる1種類以上の高屈折率膜と、が交互に8層以上積層された構造を有している。空気側から数えてi番目(i=1,2,3,…,n)の層を第i層Ciとすると、第1層C1,第3層C3,第5層C5,第7層C7等の奇数番目の層がSiO2からなる低屈折率膜であり、第2層C2,第4層C4,第6層C6,第8層C8等の偶数番目の層がTiO2,Nb25,又はTa25からなる高屈折率膜である。したがって、1つの反射防止膜ARに含まれる膜のうち、低屈折率膜は1種類であるが、高屈折率膜は2種類又は3種類であってもよい。
反射防止膜ARにおいて、設計主波長λ0を550nmとすると、空気側から数えて第1層C1から第6層C6までの1/4波長光学膜厚(QWOT:Quarter Wave Optical Thickness)は、
第1層C1の低屈折率膜で0.94±0.05であり、
第2層C2の高屈折率膜で1.29±0.25であり、
第3層C3の低屈折率膜で0.08±0.05であり、
第4層C4の高屈折率膜で0.45±0.20であり、
第5層C5の低屈折率膜で2.05±0.20であり、
第6層C6の高屈折率膜で0.45±0.20である。なお、1/4波長光学膜厚は式:QWOT=4・n・d/λ0で表される(式中、d:物理膜厚,n:屈折率,λ0:設計主波長である。)。
光学素子基板SUを構成する材料としては、例えば、d線に対する屈折率ndが1.80809±0.001、アッベ数νdが22.76±0.36のガラス基板が挙げられる。このようなガラス基板には、先に述べたように成膜時の加熱によって光の吸収損失が増加するものがある。つまり、ここで想定している光学素子基板SUは、300℃以上に1時間以上放置され反射防止膜ARのコーティングが施されると、波長430nmで1%以上の光の吸収損失の増加を生じるものである。この吸収損失の増加を避けるには、成膜を低温で行う必要がある。そこで本実施の形態では、成膜を低温で行うため、反射防止膜ARが上記条件を満たす構成にしている。
上記構成によれば、8層以上に積層された反射防止膜ARが第1層C1から第6層C6までに特徴的な膜構成を有しているため、少ない膜層数でも高い反射防止性能が得られるとともに、可視光波長帯域全体にわたって安定した反射防止性能が得られる。例えば、10層からなる反射防止膜ARで反射率0.2%以下の反射防止性能を実現することができる。また、低温条件でのコーティングが可能な材料で反射防止膜ARが構成されているため、光学素子基板SU内部での光の吸収損失を小さくすることができるとともに、様々な屈折率の光学素子基板SUの使用が可能になることによって高い汎用性を得ることができる。したがって、少ない膜層数でも反射防止性能が高く、かつ、可視光波長帯域全体にわたって反射防止性能が安定した反射防止膜ARを有するとともに、光学素子基板SU内部での光の吸収損失が小さい光学素子DSを実現することが可能である。
第7層C7以降の膜厚については、反射防止膜ARにおいて第6層C6までを上記条件により限定すれば、光学薄膜設計ソフトウェア等を用いた最適化計算にて容易に得ることができる。そして、第7層C7以降の膜構成により、上記効果をバランス良く得るとともに、更に良好な反射防止性能等を得ることが可能になる。
例えば、総膜層数が10層の反射防止膜ARでは、設計主波長λ0を550nmとすると、空気側から数えて第7層C7から第10層C10までの1/4波長光学膜厚が、
第7層C7の低屈折率膜で0.19±0.10であり、
第8層C8の高屈折率膜で1.03±0.35であり、
第9層C9の低屈折率膜で0.24±0.15であり、
第10層C10の高屈折率膜で0.30±0.10であり、
波長420〜680nmにおける最大反射率が0.2%以下であることが好ましい。
例えば、総膜層数が13層の反射防止膜ARでは、設計主波長λ0を550nmとすると、空気側から数えて第7層C7から第13層C13までの1/4波長光学膜厚が、
第7層C7の低屈折率膜で0.11±0.10であり、
第8層C8の高屈折率膜で1.32±0.10であり、
第9層C9の低屈折率膜で0.42±0.10であり、
第10層C10の高屈折率膜で0.31±0.10であり、
第11層C11の低屈折率膜で1.05±0.35であり、
第12層C12の高屈折率膜で0.21±0.15であり、
第13層C13の低屈折率膜で0.38±0.10であり、
波長420〜780nmにおける最大反射率が0.4%以下であることが好ましい。
反射防止膜ARの各層は、例えば150℃以下の加熱下における真空蒸着法で形成され、好ましくはイオンアシストを用いた真空蒸着法で形成される。イオンアシスト蒸着を利用することにより、真空蒸着法における真空度の変動等に起因する反射防止膜ARの膜密度の変化や膜表面の粗さ等の低減が可能となる。これにより、膜密度の変化(つまり、膜の屈折率の変化)に起因する色ムラの発生や特性再現性の悪化を抑制することができる。また、反射防止膜ARの形成にイオンアシスト蒸着を利用すると、反射防止膜ARを構成する層に対して従来使用が比較的困難であった高屈折率材料を用いることが可能になる。
例えば、プロジェクター用投影レンズでは、それを構成しているレンズ素子を大光量の光が透過するため、レンズ素子内部での光の吸収損失がわずかであっても発熱が生じてしまう。その発熱によりレンズ素子の屈折率が変化すると、投影レンズの光学性能が低下するおそれがある。そこで、光学素子基板SUとしてのレンズ基板上に前記構成を有する反射防止膜ARを設ければ、レンズ基板内部での光の吸収損失が小さく反射防止性能が良好なレンズ素子を得ることができる。そして、そのような反射防止膜ARを有するレンズ素子を投影レンズに用いれば、高い光学性能及び反射防止効果が安定かつ高い信頼性で得られるため、そのレンズ素子を搭載するプロジェクターの高画質化が可能になる。反射防止膜ARを有するレンズ素子として前記光学素子DSが適用された、プロジェクター用投影レンズの実施の形態を以下に説明する。
図2は、プロジェクター用投影レンズLNの光学構成図であり、ズームレンズである投影レンズLNのレンズ断面形状,レンズ配置等を、広角端(W)と望遠端(T)のそれぞれについて光学断面で示している。なお、投影レンズLNの縮小側には、プリズムPR(例えば、TIR(Total Internal Reflection)プリズム,色分解合成プリズム等)、及び画像表示素子のカバーガラスCGが配置されている。
投影レンズLNは、拡大側から順に、第1光学系LN1(第1面から中間像面IM1の前まで)と、第2光学系LN2(中間像面IM1の後から最終レンズ面まで)とからなり、画像表示素子の画像表示面IM2に表示される画像(縮小側像面)の中間像IM1を第2光学系LN2が形成し、その中間像IM1を第1光学系LN1が拡大投影する構成になっている。なお、開口絞りSTは第2光学系LN2の中央付近(第2cレンズ群Gr2cにおける最も拡大側)に位置している。
投影レンズLNは、全体で30枚のレンズ成分で構成された非球面を含まない球面レンズ系であり、拡大側17枚が中間像IM1の拡大投影を行う第1光学系LN1であり、縮小側13枚が中間像IM1を形成する第2光学系LN2である。第1光学系LN1は全体として正の第1レンズ群Gr1からなり、第2光学系LN2は拡大側から順に正正正正の第2aレンズ群Gr2a,第2bレンズ群Gr2b,第2cレンズ群Gr2c及び第2dレンズ群Gr2dからなり、ズーミングにおける中間像IM1の位置を固定として第2光学系LN2のみで変倍が行われる(正正正正正の5群ズーム構成)。
図2中の矢印m1,m2a,m2b,m2c,m2dは、広角端(W)から望遠端(T)へのズーミングにおける第1レンズ群Gr1,第2a〜第2dレンズ群Gr2a〜Gr2dの移動又は固定をそれぞれ模式的に示している。つまり、第1レンズ群Gr1及び第2dレンズ群Gr2dが固定群、第2a〜第2cレンズ群Gr2a〜Gr2cが移動群となっており、第2a〜第2cレンズ群Gr2a〜Gr2cをそれぞれ光軸AXに沿って移動させることによりズーミングを行う構成になっている。その広角端(W)から望遠端(T)への変倍において、第2aレンズ群Gr2aは拡大側凸の軌跡で移動し(Uターン移動)、第2bレンズ群Gr2bと第2cレンズ群Gr2cがそれぞれ拡大側へ単調に移動する。
投影レンズLNは、上記のように移動群を画像表示面IM2に対して相対的に移動させて軸上での各群間隔を変化させることにより、広角端(W)から望遠端(T)までの変倍(すなわちズーミング)を行う構成になっている。第1レンズ群Gr1及び第2dレンズ群Gr2dのズーム位置が固定になっているので、変倍による光学系全長の変化がなく、移動部品が減少するため、変倍機構を簡素化することができる。なお、第2dレンズ群Gr2dの縮小側に位置するプリズムPR及びカバーガラスCGのズーム位置も固定である。
第2光学系LN2が形成する中間像IM1は、投影レンズLN全体の中央付近にあり、画像表示面IM2を拡大した像となる。このことにより、中間像IM1付近のレンズにおける軸外光線通過位置を高くすることが可能となり、非球面を用いずに高い光学性能を実現することが可能となる。この中間像IM1の拡大側に隣り合うように配置されている拡大側から17枚目のレンズ素子L17は、中間像IM1側に凹のメニスカス形状を有する正レンズであり、その少なくとも一方の面には前述の反射防止膜AR(図1)が設けられている。また、レンズ素子L17の基板材料としては、d線に対する屈折率ndが1.80809±0.001、アッベ数νdが22.76±0.36であり、300℃以上に1時間以上放置され反射防止膜ARのコーティングが施されると、波長430nmで1%以上の光の吸収損失の増加を生じるものを想定している。
画角の大きい投影レンズLNにおいて、図2に示すようにレンズ径を小さくしようとすると、像面湾曲や倍率色収差といった軸外収差が発生しやすくなる。しかし、軸外光線通過位置の高い中間像IM1の直前に位置するレンズ素子L17に、上記のように屈折率が高く異常分散性が大きい基板材料を採用すると、像面湾曲と倍率色収差を効率良く補正することが可能となる。また、レンズ素子L17の反射防止膜ARは低温条件でのコーティングが可能な材料で構成されているため、レンズ素子L17内部での光の吸収損失の増大を避けるとともに、良好な反射防止性能を得ることが可能となる。
以上の説明から分かるように、上述した実施の形態や後述する実施例には以下の特徴的な構成(#1)〜(#6)等が含まれている。
(#1):光学素子基板上に反射防止膜を有する光学素子であって、
前記反射防止膜が、空気側から順に、SiO2からなる低屈折率膜と、TiO2,Nb25,又はTa25からなる1種類以上の高屈折率膜と、が交互に8層以上積層された構造を有し、
前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第1層から第6層までの1/4波長光学膜厚が、
第1層の低屈折率膜で0.94±0.05であり、
第2層の高屈折率膜で1.29±0.25であり、
第3層の低屈折率膜で0.08±0.05であり、
第4層の高屈折率膜で0.45±0.20であり、
第5層の低屈折率膜で2.05±0.20であり、
第6層の高屈折率膜で0.45±0.20であることを特徴とする光学素子。
(#2):前記反射防止膜の総膜層数が10層であり、
前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第7層から第10層までの1/4波長光学膜厚が、
第7層の低屈折率膜で0.19±0.10であり、
第8層の高屈折率膜で1.03±0.35であり、
第9層の低屈折率膜で0.24±0.15であり、
第10層の高屈折率膜で0.30±0.10であり、
波長420〜680nmにおける最大反射率が0.2%以下であることを特徴とする(#1)記載の光学素子。
(#3):前記反射防止膜の総膜層数が13層であり、
前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第7層から第13層までの1/4波長光学膜厚が、
第7層の低屈折率膜で0.11±0.10であり、
第8層の高屈折率膜で1.32±0.10であり、
第9層の低屈折率膜で0.42±0.10であり、
第10層の高屈折率膜で0.31±0.10であり、
第11層の低屈折率膜で1.05±0.35であり、
第12層の高屈折率膜で0.21±0.15であり、
第13層の低屈折率膜で0.38±0.10であり、
波長420〜780nmにおける最大反射率が0.4%以下であることを特徴とする(#1)記載の光学素子。
(#4):前記光学素子基板が、300℃以上に1時間以上放置され前記反射防止膜のコーティングが施されると、波長430nmで1%以上の光の吸収損失の増加を生じるものであることを特徴とする(#1)〜(#3)のいずれか1項に記載の光学素子。
(#5):前記光学素子基板において、d線に対する屈折率が1.80809±0.001であり、アッベ数が22.76±0.36であることを特徴とする(#1)〜(#4)のいずれか1項に記載の光学素子。
(#6):(#1)〜(#5)のいずれか1項に記載の光学素子をレンズ素子として有することを特徴とするプロジェクター用投影レンズ。
以下、本発明を実施した光学素子の構成等を、実施例1〜7及び比較例1,2を挙げて更に具体的に説明する。
表1〜表9に、光学素子DSの実施例1〜7及び比較例1,2の構成を示す。表1〜表9では、反射防止膜ARを構成している各層Ci(i=1,2,3,…,n)について、成膜材料と1/4波長光学膜厚(QWOT)とd線(波長587.6nm)に対する屈折率ndとを示しており、ガラスからなる光学素子基板SUについては屈折率nd及びアッベ数νdを示している。なお、1/4波長光学膜厚は式:QWOT=4・n・d/λ0で表され(式中、d:物理膜厚,n:屈折率,λ0:設計主波長である。)、アッベ数は式:νd=(nd−1)/(nF−nC)で表される(式中、ng,nd,nF,nC:g線,d線,F線,C線に対する屈折率である。)。
実施例1〜7及び比較例1,2における各成膜材料の屈折率ndは、SiO2で1.44〜1.48であり、Ta25で2.2〜2.3であり、Nb25で2.3〜2.4であり、TiO2で2.4〜2.5であり、MgF2で1.38〜1.386であり、Al23で1.58〜1.65であり、LaTiO3で2.0〜2.1である。
図3〜図11のグラフに、実施例1〜7及び比較例1,2の分光反射率特性を示す。図3〜図11において、縦軸は反射率(%)であり、横軸は波長(nm)である。
実施例1では、表1に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがTa25とSiO2との8層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図3に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.3%以下であり、平均反射率は0.18%である。
実施例2では、表2に示すように、光学素子基板SU(nd=1.70)上の反射防止膜ARがTiO2とSiO2の10層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図4に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.2%以下であり、平均反射率は0.10%である。
実施例3では、表3に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがTiO2とSiO2の10層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図5に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.2%以下であり、平均反射率は0.10%である。
実施例4では、表4に示すように、光学素子基板SU(nd=1.90)上の反射防止膜ARがTiO2とSiO2の10層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図6に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.2%以下であり、平均反射率は0.10%である。
実施例5では、表5に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがNb25とSiO2の10層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図7に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.2%以下であり、平均反射率は0.12%である。
実施例6では、表6に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがTa25とSiO2の10層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図8に示すように、波長420〜730nmにおける最大反射率は0.3%以下であり、平均反射率は0.22%である。
実施例7では、表7に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがTa25とSiO2の13層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、150℃以下の加熱下における真空蒸着法でイオンアシストを用いて成膜したものである。また、図9に示すように、波長420〜780nmにおける最大反射率は0.4%以下であり、平均反射率は0.26%である。
比較例1では、表8に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがMgF2を用いた一般的な4層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、300℃の加熱下における真空蒸着法で成膜したものである。また、図10に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.3%以下であり、平均反射率は0.11%である。
比較例2では、表9に示すように、光学素子基板SU(nd=1.81)上の反射防止膜ARがMgF2を用いた一般的な6層膜構成になっている。この反射防止膜ARは、300℃の加熱下における真空蒸着法で成膜したものである。また、図11に示すように、波長420〜680nmにおける最大反射率は0.2%以下であり、平均反射率は0.09%である。
図12のグラフに、実施例6と比較例2の分光特性を光の吸収損失増加量で示す。図12において、縦軸は光の吸収損失増加量(%)であり、横軸は波長(nm)である。図12から、波長430nmにおいて、比較例2は吸収損失が約1.5%増加しているのに対して、実施例6は吸収損失が増加していないことが分かる。また、実施例3(図5)と比較例1,2(図10,図11)とを比較すると、MgF2を使用せずとも良好な反射防止性能を有する反射防止膜ARを実現できることが分かる。
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DS 光学素子
AR 反射防止膜
SU 光学素子基板
Ci 第i層(i=1,2,…,n)
LN 投影レンズ
LN1 第1光学系
LN2 第2光学系
Gr1 第1レンズ群
Gr2a 第2aレンズ群
Gr2b 第2bレンズ群
Gr2c 第2cレンズ群
Gr2d 第2dレンズ群
ST 開口絞り
IM1 中間像(中間像面)
IM2 画像表示面(縮小側像面)
L17 レンズ素子(光学素子)
AX 光軸

Claims (6)

  1. 光学素子基板上に反射防止膜を有する光学素子であって、
    前記反射防止膜が、空気側から順に、SiO2からなる低屈折率膜と、TiO2,Nb25,又はTa25からなる1種類以上の高屈折率膜と、が交互に8層以上積層された構造を有し、
    前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第1層から第6層までの1/4波長光学膜厚が、
    第1層の低屈折率膜で0.94±0.05であり、
    第2層の高屈折率膜で1.29±0.25であり、
    第3層の低屈折率膜で0.08±0.05であり、
    第4層の高屈折率膜で0.45±0.20であり、
    第5層の低屈折率膜で2.05±0.20であり、
    第6層の高屈折率膜で0.45±0.20である光学素子。
  2. 前記反射防止膜の総膜層数が10層であり、
    前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第7層から第10層までの1/4波長光学膜厚が、
    第7層の低屈折率膜で0.19±0.10であり、
    第8層の高屈折率膜で1.03±0.35であり、
    第9層の低屈折率膜で0.24±0.15であり、
    第10層の高屈折率膜で0.30±0.10であり、
    波長420〜680nmにおける最大反射率が0.2%以下である請求項1記載の光学素子。
  3. 前記反射防止膜の総膜層数が13層であり、
    前記反射防止膜において、設計主波長を550nmとすると、空気側から数えて第7層から第13層までの1/4波長光学膜厚が、
    第7層の低屈折率膜で0.11±0.10であり、
    第8層の高屈折率膜で1.32±0.10であり、
    第9層の低屈折率膜で0.42±0.10であり、
    第10層の高屈折率膜で0.31±0.10であり、
    第11層の低屈折率膜で1.05±0.35であり、
    第12層の高屈折率膜で0.21±0.15であり、
    第13層の低屈折率膜で0.38±0.10であり、
    波長420〜780nmにおける最大反射率が0.4%以下である請求項1記載の光学素子。
  4. 前記光学素子基板が、300℃以上に1時間以上放置され前記反射防止膜のコーティングが施されると、波長430nmで1%以上の光の吸収損失の増加を生じるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記光学素子基板において、d線に対する屈折率が1.80809±0.001であり、アッベ数が22.76±0.36である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学素子をレンズ素子として有するプロジェクター用投影レンズ。
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