JP2007126772A - 紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地合いと濾水性のバランスを容易にとることができ、このため紙力を向上させ、結果として紙の製造に用いる紙力増強剤の使用量を減少させることができ、さらには抄紙時の水切れ性を向上させることにより、操業性を向上させることができる紙の製造方法を提供すること。
【解決手段】カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)と、紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差がカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)よりも大きいカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)とを用い抄紙することを特徴とする紙の製造方法を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙の製造方法に関する。更に詳しくは、ポリアクリルアミド系紙力増強剤を用いた紙の製造方法に関する。
従来、紙を製造する際には、紙に強度を付与すべく紙力増強剤が用いられており、性能等の点からポリアクリルアミド系紙力増強剤が広く用いられている。通常、紙力増強剤を用いる場合には、一種の紙力増強剤を一度にまたは分割して紙料に添加される。しかしながら、紙力増強剤を一種類しか用いない場合には、地合いと濾水性のバランスを取ることが困難であり、紙力増強剤を多く使用しなければならなかった。
、どの他かょででなざいますますは、たそのため、これらの問題を解決すべく、数種の紙力増強剤を用いる紙の製造方法が提案されている。例えば、ポリアクリルアミド系重合体と、カチオン性基を有し前記ポリアクリルアミド系重合体とは異なるポリマーとを含有する添加剤を用いる紙の製造法(特許文献1参照)が提案されており、さらに、ポリアクリルアミド系重合体と、カチオン性基を有し前記ポリアクリルアミド系重合体とは異なるポリマーと、アルミニウム化合物とを用いて抄紙する紙の製造法(特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、いずれの方法においても、地合いと濾水性のバランスを取ることが困難であった。そこで、本出願人は、地合いと濾水性のバランスを容易にとることができる紙の製造方法を提案した(特許文献3参照)。当該方法により、地合いと濾水性のバランスを容易に取れるようになったが、地合いが良好となると、抄紙時の水切れ性が悪くなり、水切れ性が悪くなると断紙等が生じ易くなり、操業性に悪影響を及ぼす場合があった。
特開平5−78997号公報 特開平5−93393号公報 特開2004−162201号公報
本発明は、地合いと濾水性のバランスを容易にとることができ、このため紙力を向上させ、結果として紙の製造に用いる紙力増強剤の使用量を減少させることができ、さらには抄紙時の水切れ性を向上させることにより、操業性を向上させることができる紙の製造方法を提供することを
目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、検討を重ねたところ、異種の特定のポリアクリルアミド系紙力増強剤を併用することにより、前記課題を解決し得ることを見出し、さらにはこれら異種のポリアクリルアミド系紙力増強剤をそれぞれ特定の場所で添加することにより、著しい紙力増強効果が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)と紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差がカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)よりも大きいカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)を用い抄紙することを特徴とする紙の製造方法に関する。
本発明によれば、地合いと濾水性のバランスを容易に保つことができるため、紙力向上効果を増幅させることができ、その結果、抄紙時の紙力増強剤の使用量を減少させることができる。
本発明の紙の製造方法には、カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)(以後、(A)成分という)および紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差が(A)成分よりも大きいカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)(以後、(B)成分という)を用いる。なお、本願明細書でいう濾水度の差とは、濾水度400ml程度まで叩解した抄紙しようとする紙料に硫酸アルミニウムを1.0%添加してから30秒後に紙力増強剤を0.5重量%添加し、30秒攪拌したときの、JIS P 8121に記載されるカナディアンフリーネステスターを使用した濾水量と、紙力増強剤を添加する前の抄紙しようとする紙料の、カナディアンフリーネステスターを使用した濾水量との差である。紙力増強剤の添加は、紙料固形分の濃度が約1.0%である紙料300gをステンレス製1リットルビーカーに取り、紙料の温度を25℃として、4枚平羽根の攪拌羽根(2cm×3cmの平羽根4枚の付いた攪拌羽根)を用いて300rpmで攪拌することにより行う。
本発明に用いられる(A)成分としては、ポリアクリルアミド系紙力増強剤でありカチオン性を示すものであれば特に限定されず公知のものを使用することができるが、特に紙力増強効果の点から、分岐構造を有するものが好ましい。
(A)成分は、例えば、(a)(メタ)アクリルアミド(以下、(a)成分という)、(b)カチオン性ビニルモノマー(以下、(b)成分という)および(c)アニオン性ビニルモノマー(以下、(c)成分という)を必須成分とし、必要に応じて、(d)N−置換(メタ)アクリルアミド(以下、(d)成分という)、(e)(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム(以下、(e)成分という)および(f)ビニルモノマーであって(c)〜(e)成分以外のもの(以下、(f)成分という)を共重合して得られるポリアクリルアミド系共重合体を含有するものであるが、(a)〜(e)成分を必須成分として用いて得られたポリアクリルアミド系樹脂を用いる場合には、ポリアクリルアミド系樹脂中に分岐構造を導入することが容易であるため好ましい。なお、本発明で言うカチオン性とは、アニオン((c)成分のモル%)/カチオン((b)成分のモル%))比を0.85未満となるように配合(ただし、(c)成分が2価の酸の場合、(c)成分のモル%を2倍した値を用いる。)することを言う。また、濾水度の差が50ml以下となる(A)成分を用いることにより、紙力強度をさらに向上させることができるため好ましい。
(b)成分としては、少なくとも1つのカチオン性官能基及び1つのビニル基を有するものであれば特に制限されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、アリルアミンの他、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの第三級アミノ基を有するビニルモノマーまたはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第三級アミノ基含有ビニルモノマ−とメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によって得られる第四級アンモニウム塩を含有するビニルモノマ−等が挙げられる。
(c)成分としては、(e)成分以外の少なくとも1つのアニオン性官能基及び1つのビニル基を有するものであれば特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの有機スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
(d)成分としては、(b)成分以外のN−置換(メタ)アクリルアミドであれば特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(f)成分としては、(a)〜(e)成分以外のビニルモノマーであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類、アリルアルコール等のアリル基を含有するアリル系モノマー類、(メタ)アクリロニトリルなどの他、2官能ビニルモノマー系としてメチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビスアクリルアミド系モノマー類やエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジアクリレート系モノマー類、ジアリルアミン、ジビニルベンゼン等であり、3以上のビニル基を有する多官能ビニルモノマー類としては、1,3,5−トリアクロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどを単独または複数種を混合して使用することができる。
これら(a)〜(e)成分のうち、(e)成分を用いることにより、ラジカルの移動(連鎖移動)が生じやすくなり、分子量の調整が容易となるため好ましく、また、(d)成分や、(f)成分としてビスアクリルアミド系モノマー、ジアクリレート系モノマー、ジビニルベンゼン、多官能ビニルモノマーを用いることにより、得られるポリマーを架橋により高分子量化させることができるため好ましい。
前記モノマーを重合させる方法としては特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、前記モノマー類を混合したものに、公知のラジカル重合開始剤を加えることにより行われる。具体的には、例えば、所定の反応容器に溶媒として水を仕込み所定温度まで加温し、上記各種モノマーおよび水を仕込んだ滴下ロートと、重合開始剤と水を仕込んだ滴下ロートから、それぞれの成分を撹拌下に、反応容器中に滴下しながら重合する方法や所定の反応容器に上記各種モノマーを仕込み、所定の重合温度に調整し、重合開始剤を添加し、重合する方法などが挙げられる。なお、必要に応じて、イソプロピルアルコール、ペンタノール等のアルコール類を連鎖移動剤として用いることにより、得られるアクリルアミド系樹脂の分子量を調整してもよい。
(A)成分を得るために用いられる(a)〜(e)成分の使用量は、(a)成分を59.5〜99.68モル%程度、より好ましくは65.5〜96.8モル%、(b)成分を0.2〜15モル%程度、より好ましくは2〜15モル%、(c)成分を0.1〜12.5モル%程度、より好ましくは1〜12.5モル%用い、(d)成分を用いる場合には、(d)成分を0.01〜2モル%程度、より好ましくは0.1〜1モル%、(e)成分を用いる場合には、(e)成分を0.01〜10モル%程度、より好ましくは0.1〜5モル%用いることが好ましい。なお、(b)成分を0.2モル%未満しか用いない場合には定着効果が低く、紙力効果が低くなる傾向があり、15モル%を越えるとポリマー中のアクリルアミド分が減少することにより紙力効果が低くなる傾向があり、さらには、高価となるため好ましくない。なお、(c)成分を0.1モル%未満しか使用しない場合には定着効果が低く、紙力効果が低くなる傾向があり、12.5モル%を越えるとポリマー中のアクリルアミド分が減少することにより紙力効果が低くなる傾向があり、さらには、高価となるため好ましくない。なお、(d)成分を0.01モル%未満しか用いない場合には高分子量化効果は小さくなり、2.0モル%を超えて用いるとゲル化するおそれがある。なお、(e)成分を0.05モル%未満しか使用しない場合には連鎖移動効果が弱く、また分岐点の生成も少ないために、分岐構造が不十分となる傾向がある。10モル%を超える場合は連鎖移動効果が強すぎるため、ポリマー鎖が短くなり、高分子量ポリマーが生成しにくくなる。なお、(f)成分を用いる場合には、1モル%以下とすることが好ましい。
なお、本発明では、前記(a)〜(f)成分(なお、(d)〜(f)成分は任意使用である。)を前記方法により重合して、ポリアクリルアミド共重合体を製造した後に、変性させたカチオン変性ポリアクリルアミド系重合体を用いてもよい。カチオン変性ポリアクリルアミド系重合体としては、例えば、ホフマン分解法、マンニッヒ反応法によるものが挙げられる。
ホフマン分解法によるカチオン変性アクリルアミド系重合体の調製法は、従来と同様の方法を採用すればよい。例えば、アクリルアミド系重合体の水溶液に次亜ハロゲン酸塩とアルカリ触媒とを添加することにより、アルカリ性領域においてアクリルアミド系重合体と次亜ハロゲン酸塩とを反応させた後に酸を添加し、pH3.5〜5.5に調整すればよい。本発明において、前記ホフマン分解反応により調製したカオチン変性アクリルアミド系重合体以外に、以下のものを例示することができる。即ち、塩化コリンの存在下にポリアクリルアミドをホフマン分解反応して調製したカチオン変性物(特開昭53−109594号)、ホフマン分解反応において水酸基を有する第3級アミンと塩化ベンジルまたはその誘導体との4級化反応物を添加して調製したカチオン変性物(特公昭58−8682号)、ホフマン分解反応において安定剤として有機多価アミンを添加して調製したカチオン変性物(特公昭60−17322号)、またホフマン分解反応において安定剤として特定のカチオン性化合物を添加して調製したカチオン変性物(特公昭62−45884号)等を使用することができる。前記ホフマン分解反応により調製される重合体は、カチオン性単量体単位を5〜50モル%程度、アクリルアミド単位を60〜95モル%程度、含有することができる。また、ホフマン分解反応により調製されるカチオン変性アクリルアミド系重合体の平均分子量は、5〜300万程度が好ましい。
本発明のマンニッヒ反応によるカチオン変性アクリルアミド系重合体の調製法は、従来と同様の方法を採用すればよい。例えば、アクリルアミド系重合体の水溶液中にホルマリン及びジメチルアミン等の2級アミンを加え、温度40〜60℃程度、1〜5時間程度反応させるという条件を採用すればよい。前記マンニッヒ反応により調製される重合体は、カチオン性単量体単位を10〜60モル%程度、アクリルアミド単位を40〜90モル%程度、含有することができる。
このようにして得られた(A)成分の重量平均分子量は100万程度以上が好ましい。ここでいう重量平均分子量は、GPC−LALLSまたはGPC−RALLS法によるポリエチレンオキシド換算した重量平均分子量をいい、0.5mol/l酢酸緩衝液(0.5mol/l酢酸+0.5mol/l酢酸ナトリウム水溶液、pH約4.2)を溶媒(溶離液)として、ポリマー濃度0.025%で、光散乱角5°または90°で測定した値(温度40℃)をいう。(A)成分の重量平均分子量が100万未満では充分な紙力効果が得られない場合がある。(A)成分は、通常5重量%以上の不揮発物を含有するように調整する。なお、(A)成分の不揮発物を5重量%水溶液に調整した場合の粘度は、20,000mPa・s程度以下とすることが好ましい。粘度が20,000mPa・sを超える場合は地合を乱しやすくなり、紙力向上効果が著しく低下する場合がある。
本発明に用いられる(B)成分としては、紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差が(A)成分よりも大きいポリアクリルアミド系紙力増強剤であり、カチオン性を示すものであれば特に限定されず公知のものを使用することができるが、特に紙力増強効果の点から、分岐構造を有するものが好ましい。なお、濾水度の差が50mlを超えるポリアクリルアミド系紙力増強剤を用いることにより、操業性をさらに改善させることができるためより好ましい。(B)成分を調製する際に用いられるモノマーとしては、具体的には、前記(A)成分の調製に用いたモノマーと同種のモノマーを使用することができる。
(B)成分は、(a)成分、(b)成分および(c)成分を必須成分とし、必要に応じて(d)成分、(e)成分および(f)成分を共重合して得られるポリアクリルアミド系共重合体が挙げられるが、(a)〜(e)成分を必須成分として用いて得られたポリアクリルアミド系樹脂を用いる場合には、ポリアクリルアミド系樹脂中に分岐構造を導入することが容易であるため好ましい。
(B)成分を得るために用いられる(a)〜(e)成分の使用量は、(a)成分を51〜99.68モル%程度、より好ましくは66〜96.8モル%、(b)成分を0.2〜20モル%程度、より好ましくは2〜15モル%、(c)成分を0.1〜16.5モル%程度、より好ましくは1〜12.5モル%用い、(d)成分を用いる場合には、(d)成分を0.01〜2モル%程度、より好ましくは0.1〜1モル%、(e)成分を用いる場合には、(e)成分を0.01〜10モル%程度、より好ましくは0.1〜5モル%用いることが好ましい。なお、(b)成分を0.2モル%未満しか用いない場合には定着効果が低く、紙力効果が低くなる傾向があり、17.5モル%を越えるとポリマー中のアクリルアミド分が減少することにより紙力効果が低くなる傾向があり、さらには、高価となるため好ましくない。なお、(c)成分を0.1モル%未満しか用いない場合には定着効果が低く、紙力効果が低くなる傾向があり、14.5モル%を越えるとポリマー中のアクリルアミド分が減少することにより紙力効果が低くなる傾向があり、さらには、高価となるため好ましくない。(B)成分は、(A)成分と同様の重合法により重合を行えば良く、通常5重量%以上の不揮発物を含有するように調整する。なお、(f)成分を用いる場合には、0.5モル%以下とすることが好ましい。なお、(A)成分と同様に、カチオン変性させたものを用いてもよい。
これら(B)成分の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、100万程度である。また、不揮発物を5重量%に調整した場合の粘度は、20,000mPa・s程度以下とすることが好ましい。粘度が20,000mPa・sを超える場合は地合を乱しやすくなり、紙力向上効果が著しく低下する場合がある。
前記(A)成分および(B)成分を添加する際の量は特に制限されないが、通常(A)成分を固形分重量換算で、紙料に対して、0.1〜1.5重量%程度、より好ましくは0.3〜1.0重量%、(B)成分を固形分重量換算で、紙料に対して、0.05〜0.75重量%程度、好ましくは0.1〜0.5重量%添加する。(A)成分の使用量は固形分重量換算で、紙料に対して、0.1重量%未満の場合には紙力効果が十分でない場合があり、1.5重量%を超える場合には定着性が低下し、汚れを誘発しやすくなる。(B)成分の使用量は固形分重量換算で、紙料に対して、0.05重量%未満の場合には濾水性が十分でなく、0.75重量%を超える場合には紙の地合が整いにくくなる。
なお、(A)成分の使用量と(B)成分の使用量の固形分重量比(A)/(B)を、0.2以上とすることにより、紙力向上効果が著しくなるため好ましい。(A)成分と(B)成分の使用固形分重量比が0.2未満では地合乱れが起こりやすく、紙力効果が向上しにくくなる傾向がある。(A)成分と(B)成分の使用固形分重量比の上限は制限されないが、20を超える場合は抄速が低下する場合がある。なお、本発明の効果に影響を与えない範囲で、サイズ剤、ピッチコントロール剤、濾水剤等抄紙に必要な添加剤を添加できる。
(A)成分および(B)成分の添加場所としては特に制限されないが、(A)成分を紙料濃度が2.0重量%以上の場所で、(B)成分を紙料濃度が2.0重量%未満の場所で添加することにより紙力強度を著しく向上させることができるため好ましい。なお、紙料濃度が2.0重量%以上の場所としては、例えば、ミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などが挙げられ、紙料濃度が2.0重量%未満の場所としては、例えば、ファンポンプ、白水ピット、スクリーンなどが挙げられる。これらのうち、(A)成分の添加場所をマシンチェストで、(B)成分の添加場所をファンポンプとすることにより、特に著しい紙力効果が得られるため好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。また、実施例中の試験法を下記に示す。
(1)濾水度
JIS P 8121に準拠して前記の方法により測定した。測定に使用した紙料はL−UKPで、400mlまで叩解したものを用いた。
(2)破裂強度
JIS P 8131に準拠して測定し、比破裂強度(kPa・m/g)で示した。
(3)重量平均分子量
以下の測定条件にて測定した。
GPC本体:東ソー(株)製
カラム:東ソー(株)製ガードカラムPWXL1本およびGMPWXL2本(温度40℃)
溶離液:0.5mol/l酢酸緩衝液(0.5mol/l酢酸(和光純薬工業(株)製)+0.5mol/l酢酸ナトリウム(キシダ化学(株)製)水溶液、pH約4.2)
流速:0.8ml/分
検出器:東ソー(株)製濃度検出器(RI−8010)および光散乱検出器(LS−8000)(室温)LALLS法
ビスコテック社製TDA MODEL301(濃度検出器および90°光散乱検出器および粘度検出器(温度40℃))RALLS法
また、実施例中の略語の名称を以下に示す。
(a)AA:アクリル酸 IA:イタコン酸
(b)DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート DMAEA−BQ:ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物 DML:DMのベンジルクロライド4級化物 Mn:マンニッヒ変性物 Hf:ホフマン変性物
(c)DMAA:ジメチルアクリルアミド
(d)SMAS:メタアリルスルホン酸ナトリウム
(e)AM:アクリルアミド
(f)MBAA:メチレンビスアクリルアミド AN:アクリロニトリル
製造例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管および2つの滴下ロートを備えた反応装置に、イオン交換水340部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド169部、62.5%硫酸10.3部、80%アクリル酸水溶液7.1部、メタアリルスルホン酸ナトリウム2.1部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト20.6部、ジメチルアクリルアミド2.6部、メチレンビスアクリルアミド0.04部およびイオン交換水180部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.3部とイオン交換水180部を入れた。次に、両方の滴下ロートより系内にモノマーおよび触媒を約3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を入れ1時間保温し、イオン交換水80部を投入し、固形分20.2%、粘度(25℃)が8,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例2
製造例1と同様の反応装置に、イオン交換水340部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド170部、62.5%硫酸10.2部、イタコン酸5.1部、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.6部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト20.4部、ジメチルアクリルアミド2.6部、メチレンビスアクリルアミド0.04部およびイオン交換水180部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.3部とイオン交換水180部を入れた。次に、両方の滴下ロートより系内にモノマーおよび触媒を約3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を入れ1時間保温し、イオン交換水80部を投入し、固形分20.3%、粘度(25℃)が8,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例3
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド157.3部、60%ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物水溶液56.8部、イタコン酸4.7部、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.5部、ジメチルアクリルアミド2.4部、メチレンビスアクリルアミド0.04部およびイオン交換水665部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.3部とイオン交換水20部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水50部を投入し、固形分20.1%、粘度(25℃)が8,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例4
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド85.6部、62.5%硫酸5.1部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト10.3部、イタコン酸2.5部、メタアリルスルホン酸ナトリウム0.3部、ジメチルアクリルアミド1.3部およびイオン交換水540部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.14部とイオン交換水20部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水320部を投入し、固形分10.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例5
製造例1と同様の反応装置に、イオン交換水270部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド86.7部、62.5%硫酸5.1部、イタコン酸2.5部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト10.3部およびイオン交換水115部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.14部とイオン交換水180部を入れた。次に、両方の滴下ロートより系内にモノマーおよび触媒を約3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.2部とイオン交換水10部を入れ1時間保温し、イオン交換水320部を投入し、固形分10.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例6
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド167.9部、62.5%硫酸10.1部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト20.3部、イタコン酸7.7部、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.4部、ジメチルアクリルアミド2.6部、メチレンビスアクリルアミド0.04部およびイオン交換水680部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.28部とイオン交換水20部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水80部を投入し、固形分20.2%、粘度(25℃)が8,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例7
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド148.1部、75%ジメチルアミノエチルアクリレ−トの4級化物水溶液58.9部、80%アクリル酸水溶液6.3部、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.5部、ジメチルアクリルアミド1.2部、メチレンビスアクリルアミド0.04部及びイオン交換水570部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。過硫酸アンモニウム0.28部とイオン交換水20部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水50部を投入し、固形分20.2%、粘度(25℃)が8,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例8
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド146.8部、60%ジメチルアミノエチルメタクリレ−トの4級化物水溶液76.6部、80%アクリル酸水溶液6.3部、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.1部、ジメチルアクリルアミド1.2部、メチレンビスアクリルアミド0.04部およびイオン交換水660部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.28部とイオン交換水20部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水400部を投入し、固形分15.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例9
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド82.6部、62.5%硫酸7部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト14.1部、イタコン酸2.5部、メタアリルスルホン酸ナトリウム0.2部、ジメチルアクリルアミド0.6部、メチレンビスアクリルアミド0.02部およびイオン交換水540部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.14部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.06部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.2部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水330部を投入し、固形分10.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例10
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド41.3部、62.5%硫酸3.5部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト7部、イタコン酸1.3部、メタアリルスルホン酸ナトリウム0.05部、ジメチルアクリルアミド0.3部、メチレンビスアクリルアミド0.01部およびイオン交換水430部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.07部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.03部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.1部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水490部を投入し、固形分5.2%、粘度(25℃)が15,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例11
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド33.1部、62.5%硫酸2.8部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト5.6部、イタコン酸1部、メタアリルスルホン酸ナトリウム0.01部、ジメチルアクリルアミド0.3部、メチレンビスアクリルアミド0.01部およびイオン交換水340部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.06部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.02部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.08部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水910部を投入し、固形分3.2%、粘度(25℃)が15,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例12
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド140.1部、60%ジメチルアミノエチルメタクリレ−トの4級化物水溶液76.6部、80%アクリル酸水溶液14.6部、メタアリルスルホン酸ナトリウム1.1部、ジメチルアクリルアミド1.2部、メチレンビスアクリルアミド0.04部およびイオン交換水740部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を55℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.28部とイオン交換水20部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水290部を投入し、固形分15.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例13
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド124部、80%アクリル酸水溶液22部、アクリロニトリル26部及びイオン交換水650部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.23部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.09部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後、2時間保温した。重合終了後、イオン交換水270部を投入し、固形分15.2%、粘度(25℃)が5,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例14
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド73部、80%アクリル酸水溶液10部及びイオン交換水440部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.1部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後、1時間保温した。イオン交換水360部を投入後40℃まで冷却し、48%水酸化ナトリウム0.4部、50%ジメチルアミン49部、37%ホルマリン37部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水180部を投入し、固形分10.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
製造例15
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド71.7部及びイオン交換水393部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.15部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.15部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後、1時間保温した。20℃まで冷却後、12%次亜塩素酸ナトリウム251.7部と48%水酸化ナトリウム33.8部を投入し、30分保温した。重合終了後、イオン交換水395部を投入し、pH4.0、有効成分5.0%、粘度(25℃)が20mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
Figure 2007126772
表中の数字はいずれもモル%であり、製造例14のMnはマンニッヒ変性率を、製造例15のHfはホフマン変性率を示す。
Figure 2007126772
粘度は、25℃での測定値。
製造例15の不揮発物は有効成分を示し、重量平均分子量は変性前のポリマーの測定値。
なお、製13+製14は製造例13と製造例14の混合物を示す。製造例13/製造例14=2/1(重量比)。
実施例1
段ボ−ル古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダ−ド・フリ−ネス(C.S.F)350mlに調整した紙料に硫酸バンドを1.0%添加してpH6.5とした。当該紙料スラリーを抄紙するにおいて、紙料濃度3.0%として製造例1で得られた重合体水溶液を紙力増強剤として対紙料固形量0.35%添加し、その後、紙料濃度1.5%として製造例8で得られた重合体水溶液を紙力増強剤として対紙料0.15%添加し、タッピ・シートマシンにて脱水し、5kg/cm で2分間プレスして、坪量150g/m となるよう抄紙した。次いで回転型乾燥機で105℃において4分間乾燥し、23℃、50%R.H.の条件下に24時間調湿したのち、比破裂強度を測定した。
実施例2〜8、比較例1〜4
使用紙力増強剤、紙力増強剤添加時の紙料濃度を表3のように変更した他は、実施例1と同様にして比破裂強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007126772
表中、実施例15の製13+製14は製造例13と製造例14の混合物を表す。製造例13/製造例14=2/1(重量比)。
なお、添加場所1での紙料濃度は3.0%、添加場所2での紙料濃度は1.5%である。
実施例9
段ボ−ル古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダ−ド・フリ−ネス(C.S.F)305mlに調整した紙料に硫酸バンドを1.0%添加してpH6.5とした。当該紙料スラリーを抄紙するにおいて、紙料濃度2.0%として製造例1で得られた重合体水溶液を紙力増強剤として対紙料1.0%添加し、その後、紙料濃度1.0%として製造例9で得られた重合体水溶液を紙力増強剤として対紙料0.2%添加し、タッピ・シートマシンにて脱水し、5kg/cm で2分間プレスして、坪量150g/m となるよう抄紙した。次いで回転型乾燥機で105℃において4分間乾燥し、23℃、50%R.H.の条件下に24時間調湿したのち、比破裂強度を測定した。
実施例10〜16、比較例5〜8
使用紙力増強剤、紙力増強剤添加時の紙料濃度を表4のように変更した他は、実施例9と同様にして比破裂強度を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2007126772
表中、実施例15の製13+製14は製造例13と製造例14の混合物を表す。製造例13/製造例14=2/1(重量比)。
なお、添加場所1での紙料濃度は2.0%、添加場所2での紙料濃度は1.0%である。
表3、4から明らかなように、本発明によれば、ノニオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤と紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差がノニオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤よりも大きいノニオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤を添加する処方や、カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤と紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差がカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤よりも大きいノニオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤を添加する処方に比較して、紙力強度が高い紙を容易に製造することができる(実施例1〜18、比較例1、2、5、6)。なお、(A)成分/(B)成分を0.2以上とすることにより紙力効果がより向上することが明らかである(実施例1と5、10と14)。さらに、(A)成分を紙料濃度2.0%以上として、(B)成分を紙料濃度2.0%未満として添加することにより紙力向上効果が高くなることは明らかである(実施例1と9、10と18)。また、(A)成分の重量平均分子量を100万以上とすることで、紙力向上効果が向上することは明らかである(実施例1と5、10と13)。(B)成分の5重量%水溶液での粘度を20,000mPa・s以下とすることで地合い乱れを低減し、紙力効果を向上させることができることは明らかである(実施例1と6、10と15)。異なる(A)成分を紙料濃度2.0%以上として、紙料濃度2.0%未満として添加しても充分な紙力効果が得られない(実施例1〜18、比較例3、7)。また、異なる(B)成分を紙料濃度2.0%以上として、紙料濃度2.0%未満として添加しても充分な紙力効果が得られない(実施例1〜18、比較例4、8)。

Claims (7)

  1. カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)と、紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差がカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)よりも大きいカチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)とを用い抄紙することを特徴とする紙の製造方法。
  2. 前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)が、紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差が50ml以下となるものであり、前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)が、紙力増強剤の添加前後におけるJIS P 8121により測定される濾水度の差が50mlを超えるものである請求項1に記載の紙の製造方法。
  3. 前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)の重量平均分子量が100万以上である請求項1または2に記載の紙の製造方法。
  4. 前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)を紙料濃度が2.0重量%以上の場所で添加し、前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)を紙料濃度が2.0重量%未満の場所で添加することを特徴とする請求項1〜3に記載の紙の製造方法。
  5. 前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)の使用量と前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)の使用量の固形分重量比(A)/(B)が、0.2以上である請求項1〜4のいずれかに記載の紙の製造方法。
  6. 前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)および前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)が、5重量%以上の不揮発物を含有し、かつ5重量%水溶液としたときの粘度が20,000mPa・s以下である請求項1〜5のいずれかに記載の紙の製造方法。
  7. 前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(A)および前記カチオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(B)が、(a)(メタ)アクリルアミド、(b)カチオン性ビニルモノマー、(c)アニオン性ビニルモノマー、(d)N−置換(メタ)アクリルアミド、(e)(メタ)アリルスルホン酸ナトリウムを必須成分とし、必要に応じて(f)ビニルモノマーであって(a)〜(e)成分以外のものを共重合させて得られるポリマーを含有するものである請求項1〜6のいずれかに記載の紙の製造方法。
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