JP2004300629A - 製紙用添加剤および当該製紙用添加剤を用いた紙 - Google Patents

製紙用添加剤および当該製紙用添加剤を用いた紙 Download PDF

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Yoichi Kajiwara
洋一 梶原
Katsuhiro Shimamoto
勝浩 島本
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Abstract

【課題】古紙含有量が高いパルプを用いた場合でも紙力の低下等を防止でき、かつ高速抄紙にも対応できる製紙用添加剤を提供すること。
【解決手段】両性アクリルアミド系重合体(A)および分岐構造を有するアニオン性アクリルアミド系重合体(B)を含有する製紙用添加剤;当該製紙用添加剤を添加して得られた紙を用いる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用添加剤および当該製紙用添加剤を添加して得られた紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源や省エネルギーのために、各種リサイクルが実施されている。この社会的な流れを受け、製紙業界でも、紙のリサイクルを進めるため、原料パルプ中の古紙含有量を増やした紙が製造されるようになってきているが、一般に原料パルプ中の古紙の含有量が増大するにつれ、紙の品質(破裂強度、圧縮強度、内部強度等の紙力)が低下する傾向にある。また、近年生産性向上を達成すべく抄紙機の高速化がすすみ、このような抄紙の高速化への対応に迫られている。そのため、これらの問題を解決できる製紙用添加剤が注目されている。
【0003】
かつて、本出願人は各種製紙用添加剤を提案してきた(例えば、特許文献1参照)が、近年の原料パルプにおける古紙含有量の増大といった環境の変化により、より効果的な製紙用添加剤が求められるようになった。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−93594号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、古紙含有量が高いパルプを用いた場合でも紙力の低下等を防止でき、かつ高速抄紙にも対応できる製紙用添加剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記問題を解決すべく、検討を重ねたところ、特定のポリアクリルアミド系紙力増強剤を混合した製紙用添加剤を用いることにより、前記課題を解決し得ることを見出し、さらにはこれらのポリアクリルアミド系紙力増強剤をそれぞれ特定の割合で用いることにより、著しい紙力増強効果が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、両性アクリルアミド系重合体(A)および連鎖移動性官能基を2個以上有し、且つ重量平均分子量が300以上の化合物を含有する分岐構造を有するアニオン性アクリルアミド系重合体(B)を含有する製紙用添加剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製紙用添加剤は、両性アクリルアミド系重合体(A)(以下、(A)成分という)および連鎖移動性官能基を2個以上有し、且つ重量平均分子量が300以上の化合物を含有する分岐構造を有するアニオン性アクリルアミド系重合体(B)(以下、(B)成分という)を含有するものである。
【0009】
本発明に用いられる(A)成分としては、両性のポリアクリルアミド系共重合体であれば特に制限無く使用することができる。具体的には、例えば、(a)(メタ)アクリルアミド(以下、(a)成分という)、(b)アニオン性ビニルモノマー(以下、(b)成分という)、(c)架橋性ビニルモノマー(以下、(c)成分という)、(e)カチオン性ビニルモノマー(以下、(e)成分という)、必要に応じて(d)(a)以外のノニオン性ビニルモノマー(以下、(d)成分という)を、連鎖移動性官能基を2個以上有し、且つ重量平均分子量が300以上の化合物(C)(以下、(C)成分という)の存在下で共重合したものが挙げられる。
【0010】
(b)成分としては、アニオン性を示すものであれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの有機スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等があげられ、これらの一種を単独でまたは2種以上を使用できる。
【0011】
(c)成分としては、多官能性モノマーであれば、特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、2官能性ビニルモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビニルエステル類、アリルメタクリレート、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベンゼン等があげられる。また、3官能性モノマーとしては、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリルトリメリテート、N,N−ジアリルアクリルアミド等を、4官能性ビニルモノマーとしては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアミン塩、テトラアリルオキシエタン等があげられる。これらは一種を単独でまたは2種以上を使用できる。これらのなかでも、製造時の反応制御が容易なことから、官能基がすべて二重結合のものを使用するのが好ましい。
【0012】
(d)成分としては、(a)成分以外のノニオン性ビニルモノマーであれば、特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、前記(b)成分のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜8)、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、メチルビニルエーテルなどがあげられる。
【0013】
(e)成分としては、カチオン性を示すものであれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、もしくはトリアリルアミンなどの第三級アミノ基を有するビニルモノマ−またはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第三級アミノ基含有ビニルモノマ−とメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によって得られる第四級アンモニウム塩を含有するビニルモノマーなどがあげられ、これらの一種を単独でまたは2種以上を使用できる。
【0014】
(C)成分としては、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリグリセリン、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等のポリエーテル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリアクリル酸またはその塩等のアクリル類、スチレンマレイン酸共重合体またはそのエステル類等、カルボキシメチルセルロース等の多糖類、ポリエステル類、ポリアミドポリアミン類等のポリアミド類であれば特に制限なく使用することができる。なお、これらの重量平均分子量は、通常、300以上の化合物を使用し、好ましくは300〜1,000,000、より好ましくは300〜100,000である。重量平均分子量が300より少ない場合は十分な分岐構造の共重合体が得られない場合がある。これらの中では、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンを用いることにより、高分岐構造とすることができるため好ましい。
【0015】
なお、(A)成分として、アクリルアミド単独重合体または(a)、(b)および(d)成分もしくは(a)〜(d)成分を共重合したアニオン性アクリルアミド共重合体をカチオン変性したカチオン変性ポリマーを用いてもよい。カチオン変性ポリマーを用いた場合には、高い濾水性を維持しつつ高い紙力効果を発現させることができるため好ましい。カチオン変性法としては、例えば、アクリルアミド単独重合体または(a)〜(d)成分を共重合したアニオン性アクリルアミド共重合体を、ホルマリンとジメチルアミン等のアルキルアミンを用いてマンニッヒ反応させる方法、アクリルアミド単独重合体または(a)〜(d)成分を共重合したアニオン性アクリルアミド共重合体に次亜ハロゲン酸塩を反応させるホフマン分解させる方法などが挙げられる。これらの場合には、いずれもカチオン変性率は特に制限はないが、60モル%程度以下とすることが好ましい。カチオン変性率が60モル%を超えると、地合が乱れやすくなり、紙力向上効果が著しく低下する場合がある。
【0016】
本発明の(A)成分を得るには、従来公知の各種製造方法により行えばよい。具体的には、例えば、所定の反応容器に上記所定の(a)〜(e)各成分および水を仕込み、開始剤として過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤、または2’,2’−アゾビス[2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロライド、2’,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド等のアゾ系開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を加え、撹拌下、加熱すればよい。開始剤の使用量は特に制限されず、目的とする共重合体により選択されるが、通常は、(a)〜(e)成分の合計量の0.05〜5重量%程度である。なお、当該重合反応には、イソプロピルアルコール、ペンタノール等のアルコール類、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム等のアリル類といった公知の連鎖移動剤を併用してもよい。本発明の(A)成分を得るには、通常、(a)〜(e)成分の各使用量は、得られる共重合体の製紙用添加剤としての性能を十分考慮して決定しなければならない。すなわち、(a)成分は、(a)〜(e)成分の総モル和に対し、通常60〜98モル%程度、好ましくは70〜96モル%であり、(b)成分は同様に通常1〜20モル%程度、好ましくは2〜15モル%である。(c)成分も同様に通常0.01〜5モル%程度、好ましくは0.05〜2.0モル%とされる。0.01モル%に満たない場合は十分な分岐構造が得られず、また5モル%を越える場合には得られる共重合体が水不溶性となる傾向がある。また、(d)成分も同様に通常25モル%程度以下、好ましくは20モル%以下とされる。(e)成分は同様に通常1〜20モル%程度、好ましくは2〜15モル%である。なお、(C)成分の使用量は前記(a)〜(e)のモノマーの総和100重量部に対し通常0.1〜10重量部程度、好ましくは1〜8重量部である。0.1重量部より少ない場合は十分な分岐構造の共重合体が得られず、10重量部より多い場合は製紙用添加剤としての性能が低下する傾向がある。前記各成分が、前記範囲外の場合にはいずれの場合にも十分な紙力増強効果は得られない。このようにして得られた(A)成分は、通常、重量平均分子量が100〜500万程度である。
【0017】
(B)成分としては、分岐構造を有するアクリルアミド系共重合体であって、アニオン性を示すものであれば特に制限無く使用することができる。具体的には、例えば、前記(a)成分、前記(b)成分、前記(c)成分、必要に応じて前記(d)成分を前記(C)成分の存在下で共重合したものが挙げられる。
【0018】
本発明の(B)成分を得るには、通常、得られる共重合体の製紙用添加剤としての性能を十分考慮して(a)〜(d)成分の各使用量を決定しなければならない。通常、(a)成分は(a)〜(d)成分の総モル和に対し、通常60〜98モル%程度、好ましくは70〜96モル%であり、(b)成分は同様に通常1〜20モル%程度、好ましくは2〜15モル%である。(c)成分も同様に通常0.01〜5モル%程度、好ましくは0.05〜2.0モル%とされる。0.01モル%に満たない場合は十分な分岐構造が得られず、また5モル%を越える場合には得られる共重合体が水不溶性となる傾向がある。(d)成分も同様に通常25モル%程度以下、好ましくは20モル%以下とされる。なお、(B)成分の製造に際しては、前記(A)成分中の(e)成分を(B)成分のアニオン性を低下せしめない程度使用することができ、使用する際の使用量は0.5モル%程度以下が好ましい。前記各成分が、前記範囲外の場合にはいずれの場合にも十分な紙力増強効果は得られない傾向がある。なお、(C)成分の使用量は前記(a)〜(d)成分の総和100重量部に対し通常0.1〜10重量部程度、好ましくは1〜8重量部である。0.1重量部より少ない場合は十分な分岐構造の共重合体が得られず、10重量部より多い場合は製紙用添加剤としての性能が低下する傾向がある。
【0019】
(B)成分の製造法は、(A)成分と同様の方法によればよい。なお、このようにして得られる(B)成分は、通常、重量平均分子量が100万〜500万程度である。
【0020】
本発明の製紙用添加剤は、前記(B)成分と前記(A)成分を混合することにより得られる。(B)成分と(A)成分の使用量は特に制限されないが、通常(B)成分10重量部に対し、(A)成分2.5〜30重量部程度であり、5〜20重量部とすることで紙力効果が向上するため好ましい。
【0021】
【発明の効果】
本発明の製紙用添加剤を用いることにより、古紙を多く含有する抄紙系において製造された紙の強度等の低下を防止することができる。また、本発明の製紙用添加剤を用いることにより、高速抄紙した場合でも断紙等を防止することができ、生産効率を向上させることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0023】
製造例1(PAM1の製造法)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管および2つの滴下ロートを備えた反応装置に、イオン交換水270部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド186部、イタコン酸14.2部、メチレンビスアクリルアミド0.08部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量400 和光純薬株式会社製Polyethylene Glycol 400)2部およびイオン交換水345部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水100部を入れた。次に、両方の滴下ロートより系内にモノマーおよび触媒を約3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を入れ1時間保温し、イオン交換水80部を投入し、固形分20.3%、粘度(25℃)が7,800mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0024】
製造例2(PAM2製造法)
製造例1と同様の反応装置に、イオン交換水270部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド178部、アクリル酸25.3部、ジメチルアクリルアミド1.4部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量400 和光純薬株式会社製Polyethylene Glycol 400)4部およびイオン交換水335部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水100部を入れた。次に、両方の滴下ロートより系内にモノマーおよび触媒を約3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を入れ1時間保温し、イオン交換水80部を投入し、固形分20.2%、粘度(25℃)が8,200mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0025】
製造例3(PAM3製造法)
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド167部、イタコン酸18.0部、メチレンビスアクリルアミド0.17部、アクリロニトリル14.7部、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量700 和光純薬株式会社製Polypropylene Glycol,triol type)1.6部、イソプロピルアルコール2部及びイオン交換水705部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を45℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.4部、亜硫酸水素ナトリウム0.3部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水80部を投入し、固形分20.4%、粘度(25℃)が7,500mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0026】
製造例4(PAM4製造法)
製造例1と同様の反応装置に、イオン交換水270部を入れ、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド145部、イタコン酸6.1部、アクリル酸8.4部、ジメチルアミノエチルメタクリレートのベンジルクロライド4級化物66.5部、ジメチルアクリルアミド1.2部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量400 和光純薬株式会社製Polyethylene Glycol 400)4部、メタアリルスルホン酸ナトリウム0.7部およびイオン交換水310部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水100部を入れた。次に、両方の滴下ロートより系内にモノマーおよび触媒を約3時間かけて滴下した。滴下終了後過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を入れ1時間保温し、イオン交換水80部を投入し、固形分20.1%、粘度(25℃)が6,800mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0027】
製造例5(PAM5製造法)
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド171部、イタコン酸8.5部、62.5%硫酸9部、ジメチルアミノエチルメタクリレート20.4部、トリアリルイソシアヌレート0.26部、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量700 和光純薬株式会社製Polypropylene Glycol,triol type)2部及びイオン交換水705部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を60℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水80部を投入し、固形分20.2%、粘度(25℃)が8,900mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0028】
製造例6(PAM6製造法)
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド127部、アクリル酸15.8部、ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物78.8部、メチレンビスアクリルアミド0.22部、ジメチルアクリルアミド1.1部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量400 和光純薬株式会社製Polyethylene Glycol 400)4部及びイオン交換水680部を仕込み、硫酸によりpHを3に調整した。窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を60℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水80部を投入し、固形分20.3%、粘度(25℃)が8,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0029】
製造例7(PAM7製造法)
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド73部、80%アクリル酸水溶液10部及びイオン交換水440部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を40℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1部とイオン交換水10部および亜硫酸水素ナトリウム0.1部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後、1時間保温した。イオン交換水360部を投入後40℃まで冷却し、48%水酸化ナトリウム0.4部、50%ジメチルアミン49部、37%ホルマリン37部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水180部を投入し、固形分10.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0030】
比較製造例1(PAM8製造法)
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド167部、イタコン酸18.0部、メチレンビスアクリルアミド0.17部、アクリロニトリル14.7部、イソプロピルアルコール5部及びイオン交換水705部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を45℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.4部、亜硫酸水素ナトリウム0.3部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水80部を投入し、固形分20.2%、粘度(25℃)が10,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0031】
比較製造例2(PAM9製造法)
製造例1と同様の反応装置に、アクリルアミド178部、アクリル酸25.3部、メチレンビスアクリルアミド0.17部及びイオン交換水695部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系の酸素を除去した。系内を45℃にし攪拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム2.0部、亜硫酸水素ナトリウム1.5部とイオン交換水10部を投入した。90℃まで昇温した後30分保温し、過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を投入して1時間保温した。重合終了後、イオン交換水80部を投入し、固形分20.4%、粘度(25℃)が55,000mPa・sの共重合体水溶液を得た。各製造例で用いたモノマー成分と比率を表1に、また得られた共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004300629
*表中、上段はモノマー種、下段は使用量を表わす(使用モノマー種が2種の場合には、使用量はモノマー種の記載順に記載している)。(a)〜(e)各成分の単位はモル%。(a)〜(e)成分の総モル数に対する各成分のモル%を示している。
*表中、(C)成分及びその他の単位は%。(a)〜(e)成分の総重量に対する重量%を示している。
【0033】
表1中の略語の名称は以下の通りである。
(a)成分 AM:アクリルアミド
(b)成分 AA:アクリル酸 ,IA:イタコン酸
(c)成分 DMAA:ジメチルアクリルアミド MBAA:メチレンビスアクリルアミド TAIC:トリアリルイソシアヌレート
(d)成分 AN:アクリロニトリル
(e)成分 DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート DMAEA−BQ:ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド4級化物 DML:DMのベンジルクロライド4級化物 Mn:マンニッヒ変性物
(公知の連鎖移動剤)IPA:イソプロピルアルコール、SMAS:メタアリルスルホン酸ナトリウム
(C)成分PEG:ポリエチレングリコール(重量平均分子量400)、PPG:ポリプロピレングリコール(重量平均分子量700)
【0034】
【表2】
Figure 2004300629
*粘度は、25℃での測定値を示す。
PAM7の不揮発物は、有効成分を示し、重要平均分子量は変性前のポリマーの測定値を示す。
【0035】
実施例1
段ボ−ル古紙をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダ−ド・フリ−ネス(C.S.F)350mlに調整したパルプに硫酸バンドを1.0%添加してpH6.5とした。ついで、前記製造例1で得られた重合体水溶液と製造例4で得られた重合体水溶液の混合液を紙力増強剤として、当該パルプスラリーに対パルプ固形分0.4%(混合液の総添加率)添加し、攪拌した後、パルプスラリー濃度が1%になるように希釈し、タッピ・シートマシンにて脱水し、3.5kg/cmで2分間プレスして、坪量150g/mとなるよう抄紙した。次いで回転型乾燥機で105℃において4分間乾燥し、23℃、50%R.H.の条件下に24時間調湿したのち、比破裂強度を測定(JIS P 8131に準拠)した。
【0036】
実施例2〜5、比較例1〜3
使用紙力増強剤を表3のように変更した他は、実施例1と同様にして比破裂強度を測定した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
Figure 2004300629
【0038】
表3から明らかな如く、本発明によれば、従来のアニオン性アクリルアミド系紙力剤を用いた混合処方対比強度が高い板紙を容易に製造することが出来る(実施例1〜5、比較例1〜3)。

Claims (6)

  1. 両性アクリルアミド系重合体(A)および分岐構造を有するアニオン性アクリルアミド系重合体(B)を含有する製紙用添加剤。
  2. アニオン性アクリルアミド系重合体(B)が、(a)(メタ)アクリルアミド、(b)アニオン性ビニルモノマー、(c)架橋性ビニルモノマーならびに必要により、(d)(a)以外のノニオン性ビニルモノマーを、連鎖移動性官能基を2個以上有し、且つ重量平均分子量が300以上の化合物(C)の存在下で共重合させて得られる請求項1に記載の製紙用添加剤。
  3. 両性アクリルアミド系樹脂(A)がカチオン変性ポリマーである請求項1または2に記載の製紙用添加剤。
  4. 両性アクリルアミド系樹脂(A)が、(a)(メタ)アクリルアミド、(b)アニオン性ビニルモノマー、(e)カチオン性ビニルモノマー、及び、(c)架橋性ビニルモノマーならびに必要により(d)(a)以外のノニオン性ビニルモノマーを、連鎖移動性官能基を2個以上有し、且つ重量平均分子量が300以上の化合物(C)の存在下にて共重合させて得られる請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用添加剤。
  5. 連鎖移動性官能基を2個以上有し、且つ重量平均分子量が300以上の化合物(C)が、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリグリセリンからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用添加剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製紙用添加剤を添加して得られた紙。
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