JP2007125642A - 工具交換装置 - Google Patents

Abstract

【課題】円環状又は無端チェーン状に形成された工具マガジンの環状内側空間にサブ工具マガジンを設け、装置全体の設置スペースを拡大することなく工具収納本数を増加した省スペース型の工具交換装置を提供すること。
【解決手段】円環状の工具マガジン２１の環状内側空間に、サブ工具マガジン２３、工具ポット受け渡し手段２５、工具ポット旋回手段２７及び工具交換手段２９を設けた。サブ工具マガジン２３に収納された工具を使用する場合は、指定工具が装着された工具ポット１９をサブ工具マガジン２３の工具受け渡し位置Ｂに割出し、工具ポット受け渡し手段２５で工具マガジン２１の工具受け渡し位置Ｃに装着する。そして、その工具ポットを工具交換位置Ａに割出して、工具ポット旋回手段２７及び工具交換手段２９によって指定工具を主軸に装着する。工具を戻す場合は逆の動作で行う。
【選択図】図１

Description

本発明は、工作機械の主軸と複数の工具を収納した工具マガジンとの間で、工具を自動的に交換する工具交換装置に関する。本願においては、工具マガジン、工具ポット受け渡し手段及び工具交換手段を含めて工具交換装置という。

工具交換装置は、工作機械で使用する複数の工具を工具マガジンに貯蔵し、その中から使用する工具を選択し、工具交換手段で主軸と工具マガジンとの間で工具を交換するものである。円環状の工具マガジンは、特許文献１に開示されている。工具マガジンの環状の周回軌道の内側に工具ポットを９０度倒し、工具を主軸の軸線と平行にして、工具交換手段で工具を交換するものである。また、工具マガジンが円環状の外側マガジンと内側マガジンの二重に構成されたものが、特許文献２に開示されている。内側マガジンの内側空間に工具搬送アームが設けられ、所望の工具を外側マガジンの外側に設けた一時保管ポットに装着して、外側マガジンの外側に設けた工具交換アームで工具を交換するものである。

特開２００３−９４２７３号公報 特公昭５７−４４５６号公報

前述の二つの工具交換装置は、工具収納本数を増加すると円環状の工具マガジンの外径が大きくなり、また、特許文献２では、円環状の工具マガジンの外側に一時保管ポット及び工具交換アームが設けられているので、装置全体の設置スペースが大きくなるという問題点がある。
本発明は、従来技術の問題点を解決することを課題としており、本発明の目的は、円環状又は無端チェーン状に形成された工具マガジンの環状内側空間を有効に利用してサブ工具マガジンを設け、装置全体の設置スペースを拡大しないで工具収納本数を増加した省スペース型の工具交換装置を提供することである。

前述の目的を達成するために、本発明によれば、工作機械の主軸と工具マガジンとの間で工具を交換する工具交換装置において、前記工具を収納する複数の工具ポットを有し、工具ポットを工作機械の主軸軸線に対して垂直な軸線周りに回動させる環状の周回軌道を設け、所望の工具ポットを工具交換位置又は工具ポット受け渡し位置に割出し可能にした工具マガジンと、前記工具マガジンの周回軌道の内側空間に設けられ、前記工具を収納する複数の工具ポットを有し、所望の工具ポットを工具ポット受け渡し位置に割出し可能にしたサブ工具マガジンと、前記サブ工具マガジンの工具ポット受け渡し位置に割出された工具ポットを把持して前記工具マガジンの工具ポット受け渡し位置に装着し、前記工具マガジンの受け渡し位置に割出された工具ポットを把持して前記サブ工具マガジンの工具ポット受け渡し位置に装着する工具ポット受け渡し手段と、前記工具マガジンの工具交換位置に割出された工具ポットを、その工具ポットの軸線が主軸の軸線と平行になるように周回軌道の内側空間に旋回させる工具ポット旋回手段と、前記工具ポット旋回手段で旋回した工具ポットと主軸との間で、工具を把持して工具を交換する工具交換手段と、を具備した工具交換装置が提供される。

前記工具マガジンの環状の周回軌道の内側空間に工具ポット旋回手段と工具交換手段を設けると共に、その環状の周回軌道の内側空間に、更に、サブ工具マガジンと工具ポット受け渡し手段を設けて構成した。環状の周回軌道の内側空間を有効に利用してサブ工具マガジンを設けて、工具収納本数を増加した。

また、本発明によれば、前記工具マガジンは、円環形部材に沿って複数の工具ポットが着脱可能に保持され、円環形部材の外周部をローラで回転支持し、工具ポットを所定位置に回転割出し駆動するアクチュエータに接続した工具交換装置が提供される。工具マガジンの工具ポットは、円環形部材に設けられた工具ポット保持具に着脱可能になっており、工具ポットは工具を収納したまま着脱、転送される。

本発明によれば、円環状又は無端チェーン状の工具マガジンの環状の周回軌道の内側空間内に、サブ工具マガジン、工具ポット受け渡し手段、工具ポット旋回手段及び工具交換手段を設けたので、工具マガジンの外径を大きくすることなく、工具収納本数を増すことができた。すなわち、装置全体の設置スペースを拡大することなく、従前の設置スペース内で、サブ工具マガジンの収納本数分の工具を増加することができた。そして、工場内の工具収納棚の削減、加工設備の省スペース化ができた。

以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。図１及び図２を参照して、工作機械は、ベッド１、ベッド１の後部の上部で左右のＸ軸方向に移動するコラム３、コラム３内を上下のＹ軸方向に移動する主軸頭５、主軸頭５に回転可能に内臓され、先端に工具を装着する主軸７、ベッド１の前部で主軸７の軸線方向であるＺ軸方向に移動するテーブル９、テーブル９上に着脱可能に載置されるパレット１１、ベッド１の最前部に取り付けられ、交換するパレット１３を載置し、図示しないパレット交換アームでパレット１１と１３とを水平面内の旋回動作で交換するパレット交換装置１５で構成されている。

工具交換装置は、工作機械の左側面に設けられ、工具１７を収納する複数の工具ポット１９を有する円環状の工具マガジン２１、工具マガジン２１の環状内側空間に設けたサブ工具マガジン２３、サブ工具マガジン２３と工具マガジン２１との間で工具ポット１９を受け渡しする受け渡し手段２５、工具交換位置Ａに割出された工具ポット１９を９０度旋回させる工具ポット旋回手段２７及び旋回した工具ポット１９の工具と主軸７の工具とを交換する工具交換手段２９で構成されている。

ベッド１の左側面に取り付けられたフレーム３７の４箇所にローラ３９を設け、円環状のマガジン本体４１を回転支持する。マガジン本体４１は、ベルト、チェーン、歯車等の適宜の手段を用いてモータ４３等のアクチュエータに接続され、工具ポット１９を回転割出し可能にしている。マガジン本体４１の外側円環内周部には、板ばねでなる工具ポット保持具４５が複数個配置され、工具ポット１９を着脱可能に保持している。工具ポット１９は、図示しない周知の保持手段を用いて工具１７を着脱可能に収納している。

円環状の工具マガジン２１の環状内側空間にサブ工具マガジン２３が設けられ、フレーム３７に４個のローラ４７により回転可能に支持されている。工具マガジン２１と同様に、サブ工具マガジン２３は、適宜の駆動装置により回転割出し可能になっている。サブ工具マガジン本体４９の内側円環外周部には、板ばねでなる工具ポット保持具５１が複数個配置され、工具ポット１９を着脱可能に保持している。工具マガジン２１とサブ工具マガジン２３との間で、工具ポット１９を受け渡しするために工具ポット受け渡し手段２５が設けられている。工具ポット受け渡し手段２５は、工具ポット１９を把持するグリッパーとグリッパーを進退させるアクチュエータとを有している。これらの装置は周知の把持転送装置であるので詳細な説明は省略する。

図３を参照して、工具交換位置Ａに割出された工具ポット１９は、フレーム３７に設けられた工具ポット旋回手段２７によって旋回される。すなわち、工具ポット１９はシリンダ装置５７で挟持され、旋回軸５９を中心としてシリンダ装置６１によって工具マガジン２１の環状の周回軌道の内側空間に９０度旋回する。そのとき、工具ポット１９は板ばねでなる工具ポット保持具４５から強制的に引き抜かれ、工具マガジン２１の内側に設けられたレスト６３に当接して位置決めされる。そうすると、工具ポット１９内の工具の軸線は主軸７の軸線と平行になる。

工具ポット旋回手段２７によって位置決めされた工具ポット１９の工具と主軸に装着された工具とを交換する工具交換手段２９が、工具マガジン２１の環状の周回軌道の内側空間に設けられている。工具交換手段２９は、その両端に工具を把持するグリッパー６７、６７を有し、主軸の軸線と平行に進退する運動と、主軸の軸線と垂直な平面内で回転する運動が可能になっている。これらの工具交換手段２９の機構は、カムやシリンダ装置を用いた周知のものなので詳細な説明は省略する。

次に、工具交換装置の動作を説明する。工具マガジン２１の各工具ポット１９には、必要な工具が予め収納されており、主軸７には最初に使用される工具が装着されている。そして、次に使用する工具が収納されている工具ポット１９が工具交換位置Ａに割り出される。そして、シリンダ装置５７及び６１によって工具ポット１９が９０度旋回してレスト６３に位置決めされる。工具交換手段２９が９０度回転し、グリッパー６７、６７はレスト６３に待機している工具ポット１９の新工具と主軸７に装着されている旧工具とを同時に把持する。工具交換手段２９は主軸の軸線と平行の方向に前進して工具ポット１９から工具を抜き出すと同時に主軸７から工具を抜き出す。工具交換手段は１８０度回転し、新旧の工具の位置を交換した後、主軸の軸線と平行の方向に後退し、新工具を主軸７に装着すると同時に旧工具を工具ポット１９に収納する。これらの動作は周知の動作である。

サブ工具マガジン２３の各工具ポット１９にも必要な工具が予め収納されている。サブ工具マガジン２３に収納されている工具を使用する場合は、指定工具が装着された工具ポット１９を工具受け渡し位置Ｂに割出し、工具ポット受け渡し手段２５のグリッパーで工具ポット１９を把持して、工具マガジン２１の工具受け渡し位置Ｃに割出された空の工具ポット保持具４５に工具ポット１９を装着する。工具ポット保持具４５に装着された工具ポット１９は、工具マガジン２１の回転割出しによって工具交換位置Ａに割出され、前述と同様の動作で、工具ポット旋回手段２７及び工具交換手段２９によって使用工具が主軸７に装着される。使用済みの工具をサブ工具マガジン２３に戻すときは逆の動作により収納する。サブ工具マガジン２３には、比較的使用頻度の少ない工具を収納することが望ましい。

本実施の形態では、工具マガジン２１の工具収納本数は６９本で、サブ工具マガジン２３の工具収納本数は３０本である。従って、従前の６９本の工具マガジンの設置スペースを拡大することなく、工具収納本数を３０本増加することができた。本実施の形態では、円環形の工具マガジンを説明したが、工具を収納した工具ポットが長円形、多角形等の無端チェーン状（連鎖状）の周回軌道に沿って周回する形式の工具マガジンでも同様の構成がとれる。

本実施の形態では、サブ工具マガジン２３は円環状に形成され、ローラ４７により回転可能に支持されているが、サブ工具マガジン２３は、工具収納本数が少なくマガジン本体の外径が小さいので、マガジン本体を円盤状に形成し、回転軸受けで支持する構成にしてもよい。また、工作機械は横形の主軸に限らず立形の主軸を有したものにも適用可能である。その場合、工具マガジンの最上部を工具交換位置に定め、工具交換位置の工具ポットを工具マガジンの内側空間に旋回させ、旋回後の工具軸線と立形主軸の軸線とが平行になるように構成すればよい。

本発明の工具交換装置を有した工作機械の左側面図である。 本発明の工具交換装置を有した工作機械の平面図である。 本発明の工具交換装置の工具ポット旋回手段及び工具交換手段を示す部分斜視図である。

符号の説明

１９ 工具ポット
２１ 工具マガジン
２３ サブ工具マガジン
２５ 工具ポット受け渡し手段
２７ 工具ポット旋回手段
２９ 工具交換手段
４５ 工具ポット保持具

Claims (2)

1. 工作機械の主軸と工具マガジンとの間で工具を交換する工具交換装置において、
   前記工具を収納する複数の工具ポットを有し、工具ポットを工作機械の主軸軸線に対して垂直な軸線周りに回動させる環状の周回軌道を設け、所望の工具ポットを工具交換位置又は工具ポット受け渡し位置に割出し可能にした工具マガジンと、
   前記工具マガジンの周回軌道の内側空間に設けられ、前記工具を収納する複数の工具ポットを有し、所望の工具ポットを工具ポット受け渡し位置に割出し可能にしたサブ工具マガジンと、
   前記サブ工具マガジンの工具ポット受け渡し位置に割出された工具ポットを把持して前記工具マガジンの工具ポット受け渡し位置に装着し、前記工具マガジンの受け渡し位置に割出された工具ポットを把持して前記サブ工具マガジンの工具ポット受け渡し位置に装着する工具ポット受け渡し手段と、
   前記工具マガジンの工具交換位置に割出された工具ポットを、その工具ポットの軸線が主軸の軸線と平行になるように周回軌道の内側空間に旋回させる工具ポット旋回手段と、
   前記工具ポット旋回手段で旋回した工具ポットと主軸との間で、工具を把持して工具を交換する工具交換手段と、
   を具備することを特徴とした工具交換装置。
2. 前記工具マガジンは、円環形部材に沿って複数の工具ポットが着脱可能に保持され、円環形部材の外周部をローラで回転支持し、工具ポットを所定位置に回転割出し駆動するアクチュエータに接続してなる請求項１に記載の工具交換装置。

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