JP2007123481A - 発光素子用配線基板ならびに発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光素子用配線基板と封止樹脂との接着信頼性に優れた発光素子用配線基板並びに発光装置を提供する。
【解決手段】絶縁基体1と、発光素子23を搭載する前記絶縁基体1の一方の主面1aに形成された搭載部9と、封止樹脂29で被覆される前記一方の主面に形成された封止部11とを具備してなる発光素子用配線基板15において、側方に張出部13aを備えた突起部13が前記封止部11に配設されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁基体1と、発光素子23を搭載する前記絶縁基体1の一方の主面1aに形成された搭載部9と、封止樹脂29で被覆される前記一方の主面に形成された封止部11とを具備してなる発光素子用配線基板15において、側方に張出部13aを備えた突起部13が前記封止部11に配設されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光ダイオード等の発光素子を搭載するための発光素子用配線基板ならびに発光装置に関する。
従来、LEDを用いた発光装置は、非常に発光効率が高く、しかも、白熱電球などと比較すると発光に伴い発生する熱量が小さいために様々な用途に用いられてきた。しかしながら、白熱電球や蛍光灯などと比較すると発光量が小さいために、照明用ではなく、表示用の光源として用いられ、通電量も30mA程度と非常に小さいものであった。(特許文献1参照)。
そして、近年では、発光素子を用いた発光装置の高輝度、白色化に伴い、携帯電話や大型液晶TV等のバックライトに発光装置が多く用いられてきている。しかしながら、発光素子の高輝度化に伴い、発光装置から発生する熱も増加しており、発光素子の輝度の低下をなくす為には、このような熱を素子より速やかに放散する高い熱放散性を有する発光素子用配線基板が必要となっている(特許文献2、3参照)。
特開2002−124790号公報
特開平11−112025号公報
特開2003−347600号公報
ところが、発光素子用配線基板の熱放散性を向上させたとしても、発光素子を封止する封止樹脂には最も熱、光が加えられるため、封止樹脂と発光素子用配線基板との接着力が低下して、封止樹脂が脱落してしまうという問題があった。
従って、本発明は、封止樹脂の発光素子用配線基板からの脱落を抑制することのできる実装信頼性に優れた発光素子用配線基板ならびに、この発光素子用配線基板を用いた発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光素子用配線基板は、絶縁基体と、封止樹脂で被覆される、前記絶縁基体の一方の主面に形成された封止部と、該封止部の一部に設けられ、発光素子を搭載する搭載部と、前記封止部に配設され、側方に張出部を備えた突起部とを具備することを特徴とする。
また、本発明の発光素子用配線基板は、前記突起部の上面が、前記搭載部であることが望ましい。
また、本発明の発光素子用配線基板は、前記突起部の断面形状が逆テーパー状であることが望ましい。
また、本発明の発光素子用配線基板は、前記一方の主面に、前記搭載部を取り囲むように発光素子を収容するための枠体が形成されるとともに、前記枠体の高さが前記突起部の高さよりも高いことが望ましい。
また、本発明の発光素子用配線基板は、前記搭載部の直下または近傍に前記絶縁基体より高い熱伝導率を有する貫通金属体が、前記絶縁基体を貫通して設けられていることが望ましい。
本発明の発光装置は、以上説明した発光素子用配線基板の前記搭載部に発光素子が搭載されており、封止樹脂が前記封止部を覆うとともに前記張出部の下側に回り込んでいることを特徴とする。
本発明の発光素子用配線基板によれば、発光素子用配線基板の封止部が形成された領域に側方に張出部を備えた突起部を形成することで、発光素子用配線基板に封止樹脂を物理的に係止することができるため、封止樹脂の脱落を抑制することができる。
また、本発明の発光素子用配線基板によれば、この突起部の上面に搭載部を形成することで、搭載部に搭載される発光素子から発せられる光を搭載部が形成された突起部によって遮ることがなくなるため、発光効率を向上させることができる。
また、突起部の断面形状を逆テーパー状とした場合には、突起部の側方のより広い部分で封止樹脂を係止することができるため、突起部あるいは封止樹脂の一部分に過大な応力が集中することを抑制することができる。
また、発光素子用配線基板に、突起部よりも高い枠体を形成した場合には、封止樹脂で突起部を覆う際に、封止樹脂が流れ出すことを抑制できるために、発光装置の製造が容易となる。また、枠体によって突起部を保護することもできるため取り扱い性も向上する。
また、絶縁基体よりもさらに高い熱伝導率を有する貫通金属体を絶縁基体を貫通して設けることで、発光素子から発生する熱を更に速やかに発光素子用配線基板外へ放散することができるため、発光素子や封止樹脂が過剰に加熱されることを防止できる。
また、以上説明した本発明の発光素子用配線基板に発光素子を搭載し、封止部を封止樹脂で覆った本発明の発光素子は、封止樹脂の脱落が抑制された信頼性に優れたものとなる。
本発明の発光素子用配線基板は、例えば、図1(a)、(b)に示すように、絶縁基体1と、絶縁基体1の主面1aに形成された発光素子との接続端子3、絶縁基体1の他方の主面1bに形成された外部電極端子5、接続端子3と外部電極端子5とを電気的に接続するように、絶縁基体1を貫通して設けられた貫通導体7と、絶縁基体1の主面1aに形成された発光素子を搭載する搭載部9と、封止樹脂に被覆される封止部11と、この封止部11に配設された突起部13とを具備している。
この封止部11は、例えば、本発明の発光素子用配線基板15に搭載される発光素子や接続端子3を保護するために配設される封止樹脂に被覆される領域を示すものである。
そして、本発明の発光素子用配線基板15によれば、突起部13の側方には、張出部13aが形成されていることが重要である。このような形態とすることで、本発明の発光素子用配線基板15に発光素子を搭載し、この発光素子を封止樹脂で封止した場合に、封止樹脂と発光素子用配線基板15との接触面積を大きくすることができるとともに、突起部13が錨の機能を発揮し、発光素子用配線基板15に封止樹脂を物理的に強固に係止することができるため、封止樹脂の脱落を抑制することができる。
例えば、図1(a)、(b)に示すように、この突起部13の上面13bを搭載部9とすることで、搭載部9に搭載される発光素子から発せられる光を搭載部9が形成された突起部13によって遮ることがなくなるため、発光効率を向上させることができる。
なお、搭載部9は突起部13の上面13b以外の場所に形成されていてもよく、例えば、図2のように、封止部11のうち搭載部9が形成されていない発光素子用配線基板15の主面に配設しても良い。この場合、突起部13の個数や位置は特に限定されるものではなく任意に選択することができる。
また、搭載部9が突起部13の上面13aにあり、他の部分にも配設されていてもよいことはいうまでもない。
また、図1(a)に示すように、突起部13の断面形状を逆テーパー状とした場合には、突起部13の側方のうち、より広い部分で封止樹脂を係止することができるため、突起部13あるいは封止樹脂の一部分に過大な応力が集中することを抑制することができる。
なお、逆テーパー状とは突起部13の上側が広がるように形成された形態を指すものであって、例えば、逆台形状のような形状も含まれる。
また、図1(b)、図2に示すように、突起部13の断面形状を逆階段状とした場合には、例えば、グリーンシート積層法などにより容易に突起部13を形成することができるため、安価な発光素子用配線基板15となる。
突起部13は貫通金属体21と一体となっていても良い。この場合、突起部13の逆テーパー形状あるいは逆階段形状の打ち抜き加工を施した金属シートを用いて、周知のセラミックグリーンシート積層法や切削加工等により形成することができる。
また、突起部13は、絶縁基体1の一方の主面1aに逆階段状または逆円錐状の突起部13をろう付けや接着剤により接合しても良い。
なお、突起部13を半田やロウ材で絶縁基体1の一方の主面1aに接続する場合には、あらかじめ絶縁基体1の一方の主面1aにメタライズ層(図示せず)を形成しておくことが望ましい。
また、例えば、本発明の発光素子用配線基板15には、図1(b)、図2に示すように、搭載部9を取り囲むように、搭載される発光素子を収納するための枠体17が配設されていることが望ましい。この枠体17は、反射体としての機能を備えていることが望ましく、枠体17の内壁13aに任意の傾斜を設け、発光素子からの光を反射、誘導させることが望ましい。
また、突起部13の高さを枠体17の高さよりも低くすることで、突起部13を枠体17内に収められるので、発光素子用配線基板15の取り扱い性が向上する。また、発光素子用配線基板15に搭載される発光素子の上面よりも枠体17の高さを大きくした場合には発光素子を保護することもできる。
なお、この枠体17は、例えば絶縁基体1と同質の材料を用い、絶縁基体1と同時焼成して形成してもよく、例えば、絶縁基体1と同質の材料あるいは、アルミなどの金属で形成し、図1(b)、図2に示すように、絶縁基板1と枠体17とを半田や樹脂などの接着剤19により接着させてもよい。
また、本発明の発光素子用配線基板15の他の形態として、例えば、図3(a)、(b)に示すように、絶縁基体1よりも高い熱伝導率を有する貫通金属体21が、絶縁基体1を貫通して設けられてなることが望ましい。また、この貫通金属体21は、搭載部9の直下、または近傍に設けることが熱の伝達経路を短くする観点から望ましい。
このような発光素子用配線基板15において、絶縁基体1より高い熱伝導率を有する貫通金属体21を設けることにより、発光素子から発生する熱を速やかに放散することができるため、発光素子の輝度低下を防ぐことが可能となる。
本発明の発光素子用配線基板15においては、絶縁基体1は、樹脂を含有する材料で形成してもよいが、熱伝導率の高いセラミックスによって形成することがより望ましい。
このように絶縁基体1をセラミックスによって形成した場合には、貫通金属体21を絶縁基体1と同時焼成することが、工程の簡略化、並びに貫通金属体21と絶縁基体1との接着強度を高める点から望ましい。
また、この発光素子用配線基板15に用いる絶縁基体1の熱膨張係数を8.5×10−6/℃以上とすることで、貫通金属体21や外部のプリント基板などとの接続信頼性を格段に高くすることができる。また、搭載される発光素子を被覆するために設けられる封止樹脂などとの接合信頼性も同時に改善されることはいうまでもない。特に、9.0×10−6/℃以上が好ましく、10.0×10−6/℃以上がより好ましく、例えば、8.5×10−6/℃以上の絶縁基体1は、フォルステライトやMgOを用いることにより作製することができる。また、10.0×10−6/℃以上の絶縁基体1は、MgOを用いることにより作製することができる。
また、発光素子用配線基板15に用いる絶縁基体1の熱伝導率を30W/m・K以上とすることで、絶縁基体1自体からの熱放散性が向上し、発光素子の輝度低下を防ぐことが可能となる。特に、35W/m・K以上が好ましく、更には40W/m・K以上が好ましく、最も好適には、45W/m・K以上が良い。例えば、30W/m・K以上の絶縁基体は、純度99%以上の高純度アルミナやMgOを用いることにより作製することができる。
また、この絶縁基体1として、Al2O3を主結晶相とするAl2O3質焼結体を用いたばあいには、安価な原料を使用でき、安価な発光素子用配線基板15を得ることができる。
なお、Al2O3を主結晶相とするAl2O3質焼結体とは、例えば、X線回折によって、Al2O3のピークが主ピークとして検出されるようなもので、Al2O3の結晶を体積比率として、50体積%以上含有していることが望ましい。
また、このような焼結体は、例えば、平均粒径1.0〜2.0μmの純度99%以上のAl2O3粉末に、平均粒径1.0〜2.0μmのMn2O3、SiO2、MgO、SrO、CaOの群から選ばれる少なくとも1種の焼結助剤を添加した成形体を1300〜1500℃の温度範囲で焼成することによって得られるものである。
そして、焼結助剤などのAl2O3以外の組成物の添加量については、Al2O3を主結晶とする緻密体を得るために、望ましくは15質量%以下、更に望ましくは、10質量%以下とすることが望ましい。特に、焼結助剤などのAl2O3以外の組成物の添加量を15質量%以下とした場合には、得られる絶縁基体1の大部分をAl2O3結晶により形成することができる。また、これらの焼結助剤は、焼成温度を低くするために5質量%以上、さらには7質量%以上添加することが望ましい。なお、絶縁基体1に用いるセラミックスとして、AlNやSi3N4などを主結晶とする焼結体を用いても良い。
このようなAl2O3を主成分とする組成物に、さらに、バインダ、溶剤を添加して、スラリーを作製し、例えば、ドクターブレード法により、シート状の成形体を作製し、さらに、その表面や、シート状の成形体に設けた貫通孔などに、少なくとも金属粉末を含有する導体ペーストを印刷、充填したのち、このシートを積層し、酸化雰囲気、還元雰囲気、あるいは不活性雰囲気で焼成することで、表面や内部に接続端子3や外部電極端子5や貫通導体7などの配線層が形成された発光素子用配線基板15を作製することができる。また、配線層は、薄膜法により絶縁基板1の表面に形成したり、金属箔を成形体の表面に転写するなどして形成できることはいうまでもない。
そして、このような絶縁基体1の表面あるいは内部に、接続端子3、外部電極端子5、貫通導体7、貫通金属体21を形成することで、発光素子用配線基板15に配線回路を形成することができる。
かかる貫通金属体21は、実質的に同一厚みのセラミックグリーンシートと、金属材料からなる金属シートを作製する工程と、セラミックグリーンシートの所定箇所に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔を形成したセラミックグリーンシートに金属シートを積層する工程と、セラミックグリーンシートにおける貫通孔形成部分を金属シート側から押圧することによって、金属シートの一部を前記貫通孔内に埋め込み、セラミックグリーンシートと金属シートとを一体化した成形体を同時焼成することで形成できる。
かかる配線回路に用いる導体は、導体成分としてW、Mo、Cu、Agのうち少なくとも1種を主成分とし、これにセラミック粉末を0〜5重量%の割合で添加したものにアクリル系バインダ及びアセトンを溶媒として混合し、導体ペーストを調整し、スクリーン印刷法等を用いて、セラミックグリーンシート上に印刷塗布することにより形成できる。
また、金属シートは、W、Mo、Cu、Agのうち少なくとも1種を主成分とし、これにセラミック粉末を0〜5重量%の割合で添加したものに有機樹脂(バインダ)及びトルエンを溶媒として混合し、スラリーを作製し、ドクターブレード法等を用いてシート成形することにより形成できる。
また、枠体17を、セラミックスにより形成することで、絶縁基体1と枠体17とを同時焼成することができ、工程が簡略化されるため、安価な発光素子用配線基板15を容易に作製することができる。また、セラミックスは耐熱性、耐湿性に優れているため、長期間の使用や、悪条件での使用にも、優れた耐久性を有する発光素子用配線基板15となる。
また、安価で、加工性に優れた金属により枠体17を形成することで、複雑な形状の枠体17であっても、容易に安価に製造することができ、安価な発光素子用配線基板15を供給することができる。この金属製の枠体17は、例えば、AlやFe−Ni−Co合金等などにより好適に形成することができる。また、枠体17の表面には、Ni、Au、Ag、Alなどからなるめっき層(図示せず)を形成してもよい。
なお、このように枠体17を金属により形成する場合には、予め、絶縁基体1の主面1aに金属層17を形成し、この金属層17と枠体17とを、例えば、共晶Ag−Cuろう材等からなるろう材(図示せず)を介して、ろう付けすることができる。
そして、以上説明した本発明の発光素子用配線基板15に、例えば、図4(a)、(b)に示すように発光素子23として、LEDチップ23などを半田や樹脂などの接着剤25を介して搭載し、ボンディングワイヤ27により発光素子23の端子(図示せず)と接続端子3とを接続し、封止部11を封止樹脂29で覆い、張出部13aの下側に封止樹脂29が回り込むようにすることで、本発明の発光装置31となる。
なお、張出部13aの下側に封止樹脂29が回り込むとは、言い換えると封止樹脂29に対して張出部13aが碇の機能を発揮するように、張出部13aの下側を封止樹脂29が充填した状態を意味する。
このような発光装置31では、発光素子用配線基板15と封止樹脂29とが、両者の界面の接着力のみならず、突起部13の側方の張出部13aにより物理的に接続されるため、封止樹脂29の接着力が小さくなった場合でも、封止樹脂29が発光素子用配線基板15から剥離することを抑制することができる。
特に、図2に示したように、封止部11のうち外側に突起部13を設け、さらに突起部13を搭載部9を取り囲むように周状に形成した場合には、突起部13による接続力が大きくなり、高い信頼性の発光装置31となる。
なお、図4(a)、(b)に示した例では、発光素子23は、接着剤27により発光素子用配線基板15に固定され、電力の供給はワイヤボンド25によりなされているが、発光素子用配線基板15との接続形態は、フリップチップ接続であってもよいことはいうまでもない。
なお、発光素子23を搭載する場合には、必要に応じて、この封止樹脂29に発光素子23が放射する光を波長変換するための蛍光体(図示せず)を添加してもよい。
また、以上説明した例では、貫通導体7を設けた例について説明したが、貫通導体7を設けない場合であってもよく、また、絶縁基体1が多層に積層されている形態であってもよいことは勿論である。
原料粉末として純度99%以上、平均粒径が1.5μmのAl2O3粉末を90質量%、純度99%以上、平均粒子径1.3μmのMn2O3粉末を5質量%、純度99%以上、平均粒径1.0μmのSiO2粉末を5質量%で原料粉末を混合し、成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダと、トルエンを溶媒として混合し、スラリーを調整した。
しかる後に、ドクターブレード法にてセラミックグリーンシートを作製した。
また、平均粒子径1.5μmのW粉末を50質量%および平均粒子径3.5μmのCu粉末を50質量%で金属粉末とアクリル系バインダとアセトンとを溶媒として混合し、導体ペーストを調製した。
また、金属シートは、導体ペーストと同様の割合で金属粉末と成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダと、トルエンを溶媒として混合し、金属シートとなる金属スラリーを調整した。しかる後に、この金属スラリーを用いてドクターブレード法にてセラミックグリーンシートと実質的に同一厚みの金属シートを作製した。
そして、上記のセラミックグリーンシートに対して、打ち抜き加工を施し、直径が100μmのビアホールを形成し、このビアホール内に、導体ペーストをスクリーン印刷法によって充填するとともに、配線パターン状に印刷塗布した。
そして、セラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成し、セラミックグリーンシートにおける貫通穴形成部分を金属シートから押圧することによって、金属シートの一部を貫通穴内に埋め込み、セラミックグリーンシートと金属シートとを一体化した。
なお、貫通金属体は、発光素子用配線基板の略中心に配置されるように形成した。また、絶縁基体は、それぞれ約200μmの厚みの絶縁層を3層積層した形態となった。
このようにして作製した金属シートと一体化したセラミックグリーンシートを3層積層して、焼成後に外形10mm×10mm×厚み0.6mmとなる積層体を作製した。
そして、この積層体に対して以下の方法で突起部を形成した。なお、突起部は逆テーパー状と逆階段状の2種類を作製した。
逆テーパー状の突起部は、外形が1mmの打ち抜きピンと内径が1.3mmのダイスを用いて厚みが0.6mmのセラミックグリーンシートを打ち抜き加工し、逆テーパー状のセラミックグリーンシートを先に作製した積層体に積層して形成した。
また、逆階段状の突起部は、1mm角で厚みが0.3mmのセラミックグリーンシートと1.3mm角で厚みが0.3mmのセラミックグリーンシートとを積層し、これを1mm角のセラミックグリーンシートが先に作製した積層体側になるように積層して形成した。
なお、これらの突起は表1に示す数、位置に形成した。
そして、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行った後、引き続き、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1300〜1700℃の最高温度で2時間焼成した。そして、絶縁基体の一方の主面に接続端子を形成し、他方の主面に外部電極端子を形成し、両者を貫通導体で接続した発光素子用配線基板を作製した。
その後、接続端子並びに外部電極端子の表面にNi、AuおよびAgめっきを順次施した。
さらに、一部の発光素子用配線基板には、搭載部が形成された側に焼成後に10mm×10mm×1.5mmの外形寸法を有し、絶縁基体と接する側の内径が6mm、逆側の内径が8mmのテーパー状の貫通穴を有する絶縁基体と同様の材質からなる枠体を形成した。なお、枠体を絶縁基体と同じ材質で形成した発光素子用配線基板については、絶縁基体と枠体とをグリーンシートにて一体物として形成し、同時焼成を行って作製した。
これらの発光素子用配線基板に接着剤としてエポキシ樹脂を用いて出力1.5Wの発光素子であるLEDチップを搭載部に実装し、ボンディングワイヤによりLEDチップと接続端子とを結線し、さらに、LEDチップと接続端子とを熱膨張係数が40×10−6/℃のシリコーン樹脂からなる封止樹脂で覆い、発光装置を得た。
得られた発光装置を、−55℃〜125℃の温度サイクル試験を1000サイクル行い、試験後、断面観察により、封止樹脂と発光素子用配線基板間の界面の剥離状況を確認した。
また、発光装置に0.4Aの電流を通電し、1時間後に全放射束測定を行った。なお、全放射束測定は大塚電子社製の発光特性評価装置を用いて測定した。
表1に示すように、突起部のない本発明の範囲外である試料No.9では封止樹脂が発光素子用配線基板から剥離した。
一方、本発明の試料No.1〜8では、封止樹脂の剥離が全く確認されなかった。
1・・・絶縁基体
1a・・・絶縁基体の一方の主面
1b・・・絶縁基体の他方の主面
9・・・搭載部
11・・・封止部
13・・・突起部
13a・・・張出部
15・・・発光素子用配線基板
17・・・枠体
21・・・貫通金属体
23・・・発光素子
29・・・封止樹脂
31・・・発光装置
1a・・・絶縁基体の一方の主面
1b・・・絶縁基体の他方の主面
9・・・搭載部
11・・・封止部
13・・・突起部
13a・・・張出部
15・・・発光素子用配線基板
17・・・枠体
21・・・貫通金属体
23・・・発光素子
29・・・封止樹脂
31・・・発光装置
Claims (6)
- 絶縁基体と、封止樹脂で被覆される、前記絶縁基体の一方の主面に形成された封止部と、該封止部の一部に設けられ、発光素子を搭載する搭載部と、前記封止部に配設され、側方に張出部を備えた突起部とを具備することを特徴とする発光素子用配線基板。
- 前記突起部の上面が、前記搭載部であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子用配線基板。
- 前記突起部の断面形状が逆テーパー状であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子用配線基板。
- 前記一方の主面に、前記搭載部を取り囲むように発光素子を収容するための枠体が形成されるとともに、前記枠体の高さが前記突起部の高さよりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の発光素子用配線基板。
- 前記搭載部の直下または近傍に前記絶縁基体より高い熱伝導率を有する貫通金属体が、前記絶縁基体を貫通して設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の発光素子用配線基板。
- 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の発光素子用配線基板の前記搭載部に発光素子が搭載されており、封止樹脂が前記封止部を覆うとともに前記張出部の下側に回り込んでいることを特徴とする発光装置。
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- 2005-10-27 JP JP2005312584A patent/JP2007123481A/ja active Pending
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