JP2007121377A - クリーニング装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像担持体軸線方向の両端側に不定形トナーと球形トナーとが偏った場合の、局部的なクリーニング不良の発生を防止して、好適なクリーニング性能を保持する。
【解決手段】感光体ドラム21表面では、不定形トナーであるブラックトナーと、球形トナーである3色のカラートナーとにより、各色毎に現像、転写、クリーニングの画像形成プロセスが繰り返される。クリーニング装置30では、クリーニングブレード32と感光体ドラム21との接触箇所のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21と、ハウジング31と、感光体ドラム21に接触するクリーニングブレード32及びクリーニングローラ33と、感光体ドラム21表面と所定の距離を隔てて対向させクリーニングブレード32先端に取り付けたフィルム部材34とによって囲まれた略閉空間Sが形成される。これにより、不定形トナーと球形トナーとを混合させてクリーニングすることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、トナー像を用紙に転写させた後、像担持体表面に残留するトナーを除去してクリーニングするクリーニング装置に関する。また、このクリーニング装置を搭載した画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置において、像担持体である感光体ドラム表面に形成されるトナー像を用紙に転写する方法としては、感光体ドラムに直接用紙を接触させてトナー像を転写したり、また別のドラムやベルトで構成される中間転写体に一旦トナー像を一次転写した後、用紙に二次転写したりする方法が利用されている。これらのうち、複数の異なる色を用いるカラー印刷を行う場合には、後者の中間転写体を用いた転写方法が広く利用されている。この場合、中間転写体に複数の色のトナーを順次一次転写して中間転写体表面にカラートナー像を形成し、出来上がったこのカラートナー像を最後に用紙に二次転写する。
これらのような転写方法では、トナー像を用紙や中間転写体に転写させた後に、微量のトナーが転写されずに感光体ドラム表面に残留してしまうことがある。この感光体ドラム表面の残留トナーは、次の新たな画像形成の障害となるので、そのクリーニングが必要となる。このような目的で用いられるクリーニング方法としては、感光体ドラム表面にローラや回転ブラシ等の回転部材を押し付けることにより回転部材に残留トナーを移動させて回収する方法や、感光体ドラム表面にブレードを接触させて残留トナーを掻き取る方法、或いはこれらの方法を組み合わせたクリーニング方法が広く知られている。
一方、トナーを用いた画像形成装置では、近年、鮮明で高画質な画像形成を目指してトナーの小径化が進んでいる。従来、トナーの製造方法としては、加熱したプラスチック材料を強い気流で吹き飛ばし、壁にぶつけて砕くことによりトナー粒子を生成する粉砕法が用いられている。しかしながら、粉砕法でトナーを小径化すると歩留まりが悪く、トナーの製造が高コスト化することが懸念されている。
そこで、最近では、粉砕法に代わって重合法が小径トナーの製造方法として拡大しつつある。重合法は、トナーのもとになる物質を化学反応によって結合させてトナー粒子を生成する方法である。重合法は、従来の粉砕法と比較して消費エネルギーも小さいので、環境に配慮したトナー製造方法としても注目されている。この重合法により、小径で、形や大きさの揃ったトナーを生成できるので、より一層鮮明で高画質な画像を形成することが可能になる。
しかしながら、重合法で製造したトナーは、小径で、より球形に近いことが災いして、非常にクリーニングし難いことが問題となっている。つまり、重合法で製造したトナーは、全体として表面が引っ掛かり難い形状となっているので、回転部材やブレードに付着させて、または掻き落としてクリーニングすることが困難となる。そこで、重合法等で製造された球形トナーのクリーニングに対して、球形トナーに加えて不定形トナーを用いることにより良好なクリーニング性能を得ることができるクリーニング装置が提案され、その一例を特許文献1に見ることができる。
特開平8−254873号公報(第6−10頁、図2−5)
特許文献1に記載された画像形成装置のクリーニング方法は、球形トナーによる画像部の現像に先立って、感光体ドラムの表面移動方向先端側の非画像部に不定形トナーによる現像領域を形成することにより、クリーニング時にブレードと球形トナーとの間に不定形トナーを介在させ、球形トナーをクリーニングし易くしている。しかしながら、この方法では、非画像部に不定形トナーを現像するので、用紙に転写されることのない無駄なトナーが大量に浪費されることになる。これにより、ランニングコストが高コスト化してしまうのとともに、省資源化という点に関して環境に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、通常の印刷時に、トナー像を用紙や中間転写体に転写させた後、感光体ドラム表面に残留する不定形トナーを用いて、球形トナーをクリーニングすることが望ましい。
しかしながら一方では、用紙一枚当りの画像形成において、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーの分布が一様ではない場合もある。例えば、一般的な書面では、ブラックトナーで印刷された本文と、カラートナーで印刷された写真やグラフの部分とが、書面の左右に分かれている場合が数多くある。この場合、感光体ドラム軸線方向の両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏ってしまうことになる。このような状態では、不定形トナーを用いて球形トナーをクリーニングすることは困難であり、クリーニング不良が発生する可能性が高い。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、像担持体軸線方向の両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏った場合であっても、局部的なクリーニング不良の発生を防止することができ、像担持体表面全体に残留するトナーに対して好適なクリーニング性能を保持することが可能なクリーニング装置を提供することを目的とする。また、このような好適なクリーニング性能を保持するクリーニング装置を搭載し、低ランニングコストで資源・環境に配慮された高性能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーを用い、各色毎に現像、転写、クリーニングの画像形成プロセスを繰り返す像担持体に対して、その表面に残留する各色のトナーをプロセス毎に順次クリーニングする単一のクリーニング装置において、前記像担持体に接触してその表面に付着するトナーを掻き取るブレードをハウジング内に備え、このブレードと像担持体との接触箇所の像担持体回転方向上流側に、像担持体と、ブレードと、ハウジングと、他の装置構成部材とによって囲まれ、ブレードにて像担持体表面から掻き取られたトナーが滞留、充満する略閉空間を形成することとした。
ここで、「略閉空間」とは、密閉空間と異なり、充満するトナーにより空間内圧力が高められると、像担持体やブレード、ハウジング等の装置構成部材間に設けられた所定の僅かな隙間から、微量のトナーを徐々に漏出させることが可能な空間を意味する。
また、上記構成のクリーニング装置において、前記略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、前記ブレードの前記像担持体回転方向上流側に設けられ、像担持体に接触する回転部材であることとした。
また、上記構成のクリーニング装置において、前記略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、前記ブレードの前記像担持体回転方向上流側に設けられ、像担持体に接触する回転部材と、ブレードの像担持体回転方向上流側で像担持体表面と所定の距離を隔てて対向させてブレードに取り付けられ、前記回転部材に向かって延びるフィルム部材とであることとした。
また、上記構成のクリーニング装置において、前記略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、前記ブレードの前記像担持体回転方向上流側の前記ハウジングに取り付けられ、像担持体に接触するシール部材と、ブレードの像担持体回転方向上流側で像担持体表面と所定の距離を隔てて対向させてブレードに取り付けられ、前記ハウジングに向かって延びるフィルム部材とであることとした。
また、上記構成のクリーニング装置において、前記不定形トナーがブラックトナーであり、前記球形トナーがブラック以外のトナーであることとした。
また、上記構成のクリーニング装置において、前記不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーのうち、不定形トナーを最初にクリーニングすることとした。
また本発明では、上記クリーニング装置を画像形成装置に搭載することとした。
本発明の構成によれば、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーを用い、各色毎に画像形成プロセスを繰り返す像担持体の表面に残留するトナーのクリーニング装置において、像担持体に接触してその表面に付着するトナーを掻き取るブレードをハウジング内に備え、このブレードと像担持体との接触箇所の像担持体回転方向上流側に、像担持体と、ブレードと、ハウジングと、他の装置構成部材とによって囲まれ、ブレードにて像担持体表面から掻き取られたトナーが滞留、充満する略閉空間を形成することとしたので、トナーをこの略閉空間内で充満させることにより、不定形トナーと球形トナーとを像担持体軸線方向に対流させることができる。これにより、球形トナーのクリーニング時に、好適な量の不定形トナーを混合させてクリーニングすることが可能となる。したがって、像担持体軸線方向の両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏った場合であっても、局部的なクリーニング不良の発生を防止することができ、像担持体表面全体に残留するトナーに対して好適なクリーニング性能を得ることが可能である。
また、略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、ブレードの像担持体回転方向上流側に設けられ、像担持体に接触する回転部材であることとしたので、特別な部材を用いることなく、より少ない構成要素で略閉空間を形成することができる。したがって、そのような簡便な構成により、不定形トナーと球形トナーとを像担持体軸線方向に対流させることができ、球形トナーのクリーニング時に、好適な量の不定形トナーを混合させてクリーニングすることが可能となる。
また、略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、ブレードの像担持体回転方向上流側に設けられ、像担持体に接触する回転部材と、ブレードの像担持体回転方向上流側で像担持体表面と所定の距離を隔てて対向させてブレードに取り付けられ、回転部材に向かって延びるフィルム部材とであることとしたので、フィルム部材の柔軟な特性を活かして、充満するトナーによる略閉空間内の圧力を簡単に調節することができる。したがって、不定形トナーと球形トナーとの像担持体軸線方向の対流、混合を円滑に遂行させることができ、球形トナーのクリーニング性能がさらに向上する。
また、略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、ブレードの像担持体回転方向上流側のハウジングに取り付けられ、像担持体に接触するシール部材と、ブレードの像担持体回転方向上流側で像担持体表面と所定の距離を隔てて対向させてブレードに取り付けられ、ハウジングに向かって延びるフィルム部材とであることとしたので、不定形トナーと球形トナーとを像担持体軸線方向に対流させるための略閉空間を、ハウジングにシール部材を、ブレードにフィルム部材を取り付けるといった簡便な構成で得ることが可能である。したがって、球形トナーのクリーニング性能を高め、さらにクリーニング装置の低コスト化を図ることができる。
また、不定形トナーがブラックトナーであり、球形トナーがブラック以外のトナーであることとしたので、カラートナーに小径で、形や大きさの揃った球形トナーを用いることができる。これにより、より鮮明で高画質なカラー画像が得られるとともに、不定形のブラックトナーによりクリーニング性能を向上させることが可能となる。
また、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーのうち、不定形トナーを最初にクリーニングすることとしたので、球形トナーのクリーニング時に、不定形トナーを、できるだけ多くの球形トナーに混合させてクリーニングすることが可能となる。したがって、球形トナーのクリーニング性能をさらに高めることができる。
また本発明では、上記クリーニング装置を画像形成装置に搭載することとしたので、像担持体軸線方向の両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏った場合であっても、局部的なクリーニング不良の発生を防止することができ、像担持体表面全体に残留するトナーに対して好適なクリーニング性能を保持することが可能であるとともに、低ランニングコストで資源・環境に配慮された高性能な画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に基づき説明する。
最初に、本発明の実施形態に係るクリーニング装置を搭載した画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明する。図1は、画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略構造を示す模型的垂直断面左側面図である。このカラープリンタは、中間転写ベルトを用いたタイプである。図1において右方がプリンタの前面側、左方が背面側である。
図1に示すように、プリンタ1の本体2の内部下方には、用紙カセット3が配置されている。用紙カセット3の内部には、用紙Pが積まれて収容されている。そして、この用紙Pは、図1において用紙カセット3の右上方に向けて送り出される。用紙カセット3は、本体2の前面側、すなわち図1において右方から水平に引き出すことが可能である。
用紙カセット3の用紙搬送方向下流には、給紙用用紙搬送路4、給紙用搬送ローラ5、レジストローラ6、及び画像形成部20が配置されている。画像形成部20には、その中心に、回転体の像担持体である感光体ドラム21が備えられている。感光体ドラム21は、図1において反時計方向に回転する。感光体ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って順に帯電装置22、現像装置23、及びドラム用のクリーニング装置30が配置されている。
現像装置23は、その主たるところが図1において時計方向に回転する回転体であるロータリーラック23aで構成され、このロータリーラック23aに計4台の現像器が周方向に等間隔に配置されている。4台の現像器とは、ブラック用の現像器23B、シアン用の現像器23C、マゼンタ用の現像器23M、及びイエロー用の現像器23Yである。ロータリーラック23aは、図示しない駆動手段により回転せしめられ、4台の現像器を順次感光体ドラム21と対向する位置に移動させて、感光体ドラム21表面に各色のトナー像を形成させるものである。
感光体ドラム21のすぐ下方には、中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト24が配置されている。中間転写ベルト24は、感光体ドラム21に下方から圧接し、一次転写ニップ部を形成している。中間転写ベルト24は、複数のローラに巻き掛けられて支持され、図1において時計方向に回転する。
中間転写ベルト24が用紙搬送路に懸かる箇所には、二次転写部40が配置されている。二次転写部40は、二次転写ローラ41を備えている。これら中間転写ベルト24と二次転写ローラ41とが圧接して形成される二次転写ニップ部に用紙Pが挿通される。なお、二次転写ローラ41は、図1において上下方向に移動可能であって、必要に応じて中間転写ベルト24に対して圧接したり、離間したりする。二次転写部40の用紙搬送方向下流には、ベルト用のクリーニング装置25が備えられている。このベルト用クリーニング装置25も、必要に応じて中間転写ベルト24に対して圧接したり、離間したりする。
画像形成部20の上方には光学部7が備えられ、ここからレーザ光Lが感光体ドラム21に向かって照射される。図中の一点鎖線がレーザ光Lを示す。
画像形成部20、及び二次転写部40の用紙搬送方向下流には、定着部8、排出用用紙搬送路9、及び用紙排出部10が配置されている。用紙排出部10は、本体2の上面に、印刷済みの用紙Pを外部から取り出し可能な位置に設けられている。
定着部8、及び二次転写部40の下方であって、用紙カセット3との間には、両面印刷用用紙搬送路11が配置されている。両面印刷用用紙搬送路11は、排出用用紙搬送路9の途中から分岐し、レジストローラ6のすぐ上流で給紙用用紙搬送路4に合流している。
上記構成のプリンタ1は、次のように印刷動作を行う。
印刷前の用紙Pは、用紙カセット3に積み重ね状態で収容され、ここから1枚ずつ分離して送り出される。送り出された用紙Pは、給紙用用紙搬送路4に進入し、給紙用搬送ローラ5により搬送されて、レジストローラ6に到達する。レジストローラ6は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、画像形成部20で中間転写ベルト24表面に形成されるカラートナー像、またはブラックトナー像とのタイミングを計り、用紙Pを二次転写部40へと送り出す。
一方、外部コンピュータ(図示せず)からの文字や図形、模様等の画像データ信号がプリンタ1に送信され、この画像データに基づき、光学部7にて制御されるレーザ光Lが照射される。これにより、画像形成部20において、感光体ドラム21表面に原稿画像の静電潜像が形成される。なお、この静電潜像については、各色に対応した静電潜像が、各色の画像形成プロセス毎に順番に形成される。
次に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のうち、まず第1色目であるブラックのトナー像を感光体ドラム21表面に形成するため、ブラック用現像器23Bが感光体ドラム21と対向するように、ロータリーラック23aが回転する。ブラック用現像器23Bは、感光体ドラム21表面の静電潜像を現像してブラックのトナー像を形成する。その後、トナー像は、感光体ドラム21と中間転写ベルト24とが圧接して形成される一次転写ニップ部にて、中間転写ベルト24表面に一次転写される。
一次転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナーは、ドラム用クリーニング装置30よって除去される。中間転写ベルト24は、次の色の一次転写を行うため、感光体ドラム21に対する所定の一次転写位置と一致するように一回転する。形成するトナー像がブラックトナー像である場合、ここで一次転写の工程は終了する。形成するトナー像がカラートナー像である場合、引き続き、第1色目と同様の現像、転写、クリーニングの画像形成プロセスが、第2色目から第4色目まで各色毎に繰り返され、中間転写ベルト24表面には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。なお、各色のトナー像が順次中間転写ベルト24に一次転写される間、二次転写部40の二次転写ローラ41及びベルト用クリーニング装置25は中間転写ベルト24から離間している。
そして、4色のカラートナー像、またはブラックトナー像が中間転写ベルト24表面に形成されると、二次転写ローラ41は中間転写ベルト24に圧接する。トナー像は、レジストローラ6によって同期をとって送られてきた用紙Pに、中間転写ベルト24と二次転写ローラ41とが圧接して形成される二次転写ニップ部にて転写される。この時、二次転写ローラ41には、トナーを用紙Pに移動させるための転写バイアスが印加される。二次転写後、中間転写ベルト24表面に残留したトナーは、中間転写ベルト24に圧接したベルト用クリーニング装置25よって除去される。
その後、未定着のカラートナー像、またはブラックトナー像を担持した用紙Pは、定着部8へと送られ、熱ローラ及び加圧ローラによりトナー像が定着される。定着部8から排出された用紙Pは、排出用用紙搬送路9を通って上方へ送られ、本体2の上面に設けられた用紙排出部10に排出される。
両面印刷を行う場合、定着部8から排出された用紙Pは、排出用用紙搬送路9を通って用紙排出部10に排出される直前に、その搬送方向が逆方向に切り替えられる。そして、用紙Pは、両面印刷用用紙搬送路11に送られ、レジストローラ6のすぐ上流で給紙用用紙搬送路4に合流せしめられて、再度二次転写部40へと送られる。
次に、本発明の第1の実施形態に係るクリーニング装置について、その詳細な構成を、図1に加えて、図2、及び図3を用いて説明する。図2はクリーニング装置周辺を示す模型的垂直断面部分拡大図、図3は感光体ドラムとクリーニングブレードとの接触箇所周辺を示す垂直断面部分拡大図である。なお、図3に示す小さな丸の群は、感光体ドラム21表面に残留するトナーをイメージ化したものである。
図1、及び図2に示すように、画像形成部20には、その中心に像担持体である感光体ドラム21が備えられている。そして、感光体ドラム21の近傍には、そのクリーニング装置30が配置されている。
感光体ドラム21は、プリンタ1内の用紙搬送方向と直角をなす用紙幅方向、すなわち図1、及び図2の紙面奥行き方向に延び、その軸線方向を水平にして配置されている。感光体ドラム21は、アルミニウム等により構成される導電性ローラ状基体の外側に、真空蒸着等によって無機光導電性材料であるアモルファスシリコンの感光層を設けた無機感光体のドラムで、直径が30mmである。感光体ドラム21は、図示しない駆動装置によって、その周速度が用紙搬送速度(150mm/s)とほぼ同じになるように回転せしめられている。
感光体ドラム21のクリーニング装置30は、感光体ドラム21の回転方向に沿って、一次転写ニップ部のさらに下流側に配置されている(図1参照)。クリーニング装置30は、図2に示すように、そのハウジング31の内側に、クリーニングブレード32、回転部材であるクリーニングローラ33、フィルム部材34、下シール部材35、及び排出部材である排出スクリュー36を備えている。
クリーニングブレード32は、硬度77°(JIS規格A準拠)のウレタンゴムで板状に構成され、感光体ドラム21とほぼ同じ軸線方向長さ、厚さ2.2mmであり、感光体ドラム21に接触している。クリーニングブレード32は、感光体ドラム21に対して、接触箇所の線圧が48N/mになるように設けられている。クリーニングブレード32は、中間転写ベルト24へのトナー像一次転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナー等の付着物を掻き取るようにクリーニングする。
回転部材であるクリーニングローラ33は、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21に接触させて設けられている。クリーニングローラ33は、直径8mmの芯金の周りに、硬度55°(JIS規格A準拠)の発泡エチレンプロピレンゴム(発泡EPDM)を設けた形で構成され、ローラ部の直径が12mmである。クリーニングローラ33は、その軸部の両端に備えられた図示しない付勢手段により、感光体ドラム21に対して1,000gf(片側500gf)の力で押し付けられて設けられている。クリーニングローラ33は、感光体ドラム21表面やクリーニングブレード32周辺のトナーを回収し、クリーニングローラ33表面に付着したトナーによって感光体ドラム21表面をクリーニング(研磨)したり、そのトナーを排出スクリュー36の方に送り出したりする役目を果たす。
クリーニングローラ33は、モータ等で構成される図示しない駆動手段により回転せしめられる。このクリーニングローラ33の駆動手段は、クリーニングローラ33の周速度を変えたり、回転方向を切り替えたり、クリーニングローラ33を感光体ドラム21の回転に従って回転させたりすることができる。
感光体ドラム21表面を効率良くクリーニングするためには、クリーニングローラ33を所定の表面速度で回転させる必要がある。したがって、クリーニングローラ33を、感光体ドラム21との接触箇所における表面が感光体ドラム21表面と同じ方向に移動する向きに回転させる場合、クリーニングローラ33の表面速度は感光体ドラム21のそれの0.8倍である。クリーニングローラ33を、感光体ドラム21との接触箇所における表面が感光体ドラム21表面と異なる方向に移動する向きに回転させる場合、クリーニングローラ33の表面速度は感光体ドラム21のそれの1.2倍である。
図2、及び図3に示すように、クリーニングブレード32の先端であって、感光体ドラム21に対する裏面には、フィルム部材34が設けられている。フィルム部材34は、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側で、感光体ドラム21表面と、クリーニングブレード32の厚さに相当する距離を隔てて対向させて、クリーニングブレード32に取り付けられている。フィルム部材34は、厚さ50μmのポリウレタンフィルムで構成され、クリーニングローラ33に向かって延び、その先端がクリーニングローラ33に軽く接触している。これにより、クリーニングブレード32と感光体ドラム21との接触箇所のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21と、ハウジング31と、クリーニングブレード32と、クリーニングローラ33と、フィルム部材34とによって囲まれた略閉空間Sが形成される。なお、ハウジング31は、クリーニングローラ33の軸線方向両端の箇所において略閉空間Sを囲んでいる。
一方、図2に示すように、クリーニングローラ33のドラム回転方向上流側には、ハウジング31に下シール部材35が設けられている。下シール部材35は、ハウジング31内のトナーが下方に落下しないように、ハウジング31と感光体ドラム21との間に取り付けられている。下シール部材35は、厚さ50μmのポリウレタンフィルムで構成されている。
排出スクリュー36は、図2に示すように、ハウジング31内において、クリーニングローラ33を隔ててさらに感光体ドラム21から離れた位置に設けられている。排出スクリュー36は、クリーニングローラ33とほぼ同じ高さに配置されている。排出スクリュー36は、感光体ドラム21表面から除去され、クリーニングに使用されたハウジング31内のトナーを、ハウジング31の外へ排出する役目を果たす。
ここで、画像形成に使用する現像剤であるトナーについて説明する。図1で示したロータリーラック23aのブラック用現像器23Bに収容されたブラックトナーとしては不定形トナーを、カラー用現像器23C、23M、23Yに収容されたシアントナー、マゼンタトナー、及びイエロートナーとしては球形トナーを用いた。前述のように、画像形成プロセスは、第1色目にブラックトナーのプロセスが、第2色目以降にカラートナーのプロセスが実行されるので、球形トナーであるカラートナーに先立って、不定形トナーであるブラックトナーが最初にクリーニング装置30によってクリーニングされることとなる。
ブラックの不定形トナーは次のような方法で製造した。まず、ポリエステル系樹脂にカーボンブラックを5重量部(ポリエステル系樹脂の重量を100とした時の重量)、及び帯電制御剤(CCA)としてニグロシンN21(オリエント化学(株)製)を混合し、2本ロール混練機にて100°Cで30分混練した。これを粗粉砕した後、衝突板方式のジェット気流粉砕機で微粉砕した。そして、空気式分級機により分級し、体積平均粒径7.8μmの粉体を得た。この粉体に疎水性シリカ粉末を1.5重量部加え、粉体混合機にて混合することにより不定形トナーを得ることができる。この不定形トナーの球形度を、シスメックス(株)製フロー式粒子像分析装置によって計測した結果、0.94〜0.95であった。吸引法による帯電量は、約プラス12μC/gであった。
カラー3色の球形トナーは次のような方法で製造した。まず、スチレン80重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート20重量部、着色剤5重量部、低分子量ポリプロピレン3重量部、電荷制御剤(4級アンモニウム塩)2重量部、及びジビニルベンゼン(架橋剤)1重量部の混合溶液に、重合開始剤2重量部、及び2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)2重量部を加えた。これを精製水400重量部に加え、さらに懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム5重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部を加えた。そして、これを特殊機化工業(株)製乳化・分散機を用いて回転数7000rpmで20分間攪拌し、窒素雰囲気下において70°C、100rpmで10時間重合反応させることにより、体積平均粒径6.4μmの球形トナーを得た。こうして製造された球形トナーの球形度は、シスメックス(株)製フロー式粒子像分析装置によって計測した結果、0.96〜0.99であった。カラー3色の吸引法による帯電量は、シアンが約プラス33μC/g、マゼンタが約プラス29μC/g、イエローが約プラス32μC/gであった。
続いて、上記構成のクリーニング装置30による感光体ドラム21表面のクリーニング動作について、図2、及び図3を参照しながら説明する。
図2に示すように、画像形成動作中において、クリーニングローラ33は、感光体ドラム21との接触箇所における表面が感光体ドラム21表面と同じ方向に移動する向きに回転している。クリーニングローラ33の周速度は、前述のように、感光体ドラム21の周速度の0.8倍である。
感光体ドラム21表面に形成されたトナー像の中間転写ベルト24への一次転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナーの一部は、感光体ドラム21とクリーニングローラ33とが接触して形成されるニップ部を通過する。この時、感光体ドラム21の表面は、ニップ部を通過するトナーによってクリーニング(研磨)される。そして、感光体ドラム21表面のクリーニングに使用され、ニップ部を通過したトナーは、クリーニングローラ33表面に付着して排出スクリュー36の方に送り出されたり、感光体ドラム21表面に付着してクリーニングブレード32に到達したりする。
クリーニングブレード32に到達したトナーは、図3に示すように、感光体ドラム21に圧接するクリーニングブレード32の先端角部により、感光体ドラム21表面から掻き取られる。この時、掻き取られたトナーは、霧状になって勢いよくクリーニングローラ33に降り掛かる。このような霧状のトナーは、クリーニングブレード32と感光体ドラム21との接触箇所のドラム回転方向上流側で、感光体ドラム21と、ハウジング31と、クリーニングブレード32と、クリーニングローラ33と、フィルム部材34とによって囲まれて形成された略閉空間Sに滞留する。そして、略閉空間Sは、徐々にトナー密度が高くなる。
引き続きクリーニングが続くと、略閉空間Sの内部にトナーが充満する。これにより、略閉空間Sの内部では、感光体ドラム21軸線方向にトナーの対流が発生し、軸線方向両端側に存在するトナーが互いに混合される。その後、略閉空間Sのトナーは、その圧力によって、唯一の逃げ道であるフィルム部材34の先端の箇所において、フィルム部材34を排出スクリュー36(図2参照)の方へ押し広げる。そして、略閉空間Sのトナーは、クリーニングローラ33の回転に従って排出スクリュー36が設けられた箇所に移動し、排出スクリュー36によりハウジング31の外部へと排出される。
なお、このような作用は、クリーニングローラ33を、感光体ドラム21との接触箇所における表面が感光体ドラム21表面と異なる方向に移動する向きに回転させる場合であっても、同様に得ることが可能である。
続いて、上記構成のクリーニング装置30を使用して、用紙のドラム軸線方向両端側に、不定形トナー(ブラックトナー)と球形トナー(カラートナー)とが偏って構成された画像を印刷した後の感光体ドラム21表面のクリーニングを行った時の、クリーニングローラ33表面の軸線方向における不定形トナーと球形トナーとの混合具合について、図4、及び図5を用いて説明する。図4は不定形トナーと球形トナーとの混合具合の検証に用いた用紙の画像パターンを示す図、図5はフィルム部材の有無が、不定形トナーと球形トナーとの混合具合に及ぼす影響を示す図である。
図4に示すように、不定形トナーと球形トナーとの混合具合の検証には、A4サイズの用紙を用いて、長手方向に用紙を送ることとした。用紙には、用紙送り方向と直角をなす用紙幅方向、すなわち感光体ドラム21やクリーニングローラ33の軸線方向の中央線に対して、一方の半分に不定形トナーによるベタ画像を、他方の半分に球形トナーによるベタ画像を、用紙送り方向に延びる帯状にして印刷した。
図5は、図4の用紙を印刷した後の感光体ドラム21表面のクリーニングについて、クリーニング装置30にフィルム部材34を用いて略閉空間Sを形成した場合(図中「フィルム部材あり」)と、フィルム部材34を用いず略閉空間Sを形成しなかった場合(図中「フィルム部材なし」)との、不定形トナーと球形トナーとの混合具合の遷移を、2秒毎に比較して示している。各秒数毎に示されたグラフは、横軸が用紙幅方向(感光体ドラム21やクリーニングローラ33の軸線方向)の位置を、縦軸がクリーニングローラ33表面に付着した不定形トナーと球形トナーとのトナー個数比[%]を、また図中の実線が不定形トナーを、点線が球形トナーを示している。クリーニングローラ33表面に付着したトナーの個数は、2秒毎にクリーニングローラ33をクリーニング装置30から取り外し、顕微鏡を用いて計測した。
図5によると、フィルム部材あり、すなわちフィルム部材34を用いて略閉空間Sを形成した場合、クリーニング開始から2秒後には、用紙の幅方向ほぼ全域において、不定形トナーと球形トナーとの混合が行われている。そして、クリーニング開始から4秒後には、用紙幅方向全域において、完全に不定形トナーと球形トナーとが同じ量になっていることが分かる。これにより、用紙のドラム軸線方向両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏って構成された画像を印刷した後の感光体ドラム21表面のクリーニングを行う際、これらのトナーの混合に対して、クリーニング装置30に略閉空間Sを形成することが大きな効果をもたらしていることが分かる。不定形トナーと球形トナーとを十分に混合できれば、好適なクリーニング性能を得ることが可能である。
一方、図5によると、フィルム部材なし、すなわちフィルム部材34を用いず略閉空間Sを形成しなかった場合、クリーニング開始から2秒後、4秒後と時間を経ても、用紙の幅方向の中央部のみで不定形トナーと球形トナーとの混合が行われているだけであって、大半の領域で混合が進んでいない。そして、クリーニング開始から8秒を経過してもこの傾向は続き、混合が進まず、結果として全体のトナー量が減少して、混合が停止した。
続いて、用紙のドラム軸線方向における、不定形トナーと球形トナーとの偏り具合の限界の検証について、図6、及び図7を用いて説明する。図6は不定形トナーと球形トナーとの偏り具合の検証に用いた用紙の画像パターンを示す図、図7は不定形トナーと球形トナーとの偏り具合が、クリーニング不良の発生に及ぼす影響を示す表である。
図6に示すように、不定形トナーと球形トナーとの偏り具合の検証には、図4と同様にA4サイズの用紙を用いて、長手方向に用紙を送ることとした。用紙には、用紙送り方向と直角をなす用紙幅方向、すなわち感光体ドラム21やクリーニングローラ33の軸線方向の中央線に対して、一方の領域に不定形トナーによるベタ画像を、他方の領域に球形トナーによるベタ画像を、用紙送り方向に延びる帯状にして印刷した。不定形トナーと球形トナーとの偏り具合は、各トナーの印刷領域の割合をトナー幅率[%]と称して、トナー幅率[%]=(L/210)×100なる式で示した。Lは、各々の帯状トナー領域の幅を示している。トナー幅率が50%未満の場合は、図6に示すように用紙幅方向中央部分に空白ができるようにした。
図7は、図6の用紙を印刷した後の感光体ドラム21表面のクリーニングについて、クリーニング装置30にフィルム部材34を用いて略閉空間Sを形成した場合(図中「フィルム部材あり」)と、フィルム部材34を用いず略閉空間Sを形成しなかった場合(図中「フィルム部材なし」)との、不定形トナーと球形トナーとの偏り具合の限界を、トナー幅率毎に比較して示している。不定形トナーと球形トナーとの偏り具合の限界は、クリーニング不良の発生の有無で評価した。クリーニング不良の評価基準は、目視によりクリーニング不良が全く発生しなかった場合を良好(○)、僅かに発生した場合をやや良好(△)、顕著にクリーニング不良が確認できた場合を不良(×)とした。なお、クリーニングブレード32は、前述の構成では感光体ドラム21に対する接触箇所の線圧が48N/mになるように設けたが、本検証においては、クリーニング不良が発生し易くなるように敢えて線圧25N/mとした。
図7によると、フィルム部材あり、すなわちフィルム部材34を用いて略閉空間Sを形成した場合、トナー幅率30%までクリーニング不良は全く発生せず良好であり、20%でやや良好となっている。一方、フィルム部材なし、すなわちフィルム部材34を用いず略閉空間Sを形成しなかった場合、前記図5を用いて説明したとおり、トナー幅率50%において、すでに顕著にクリーニング不良が確認できる状況となっている。一般的に、本検証におけるトナー幅率20%となるような、極端に不定形トナーと球形トナーとが偏った画像を印刷することは、極めて稀であるので、クリーニング装置30に略閉空間Sを形成することにより、局部的なクリーニング不良の発生の防止に対して大きな効果を得ることが可能である。
このようにして、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーを用い、各色毎に画像形成プロセスを繰り返す像担持体である感光体ドラム21の表面に残留するトナーのクリーニング装置30において、感光体ドラム21に接触してその表面に付着するトナーを掻き取るクリーニングブレード32をハウジング31内に備え、このクリーニングブレード32と感光体ドラム21との接触箇所のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21と、クリーニングブレード32と、ハウジング31と、他の装置構成部材とによって囲まれ、クリーニングブレード32にて感光体ドラム21表面から掻き取られたトナーが滞留、充満する略閉空間Sを形成したので、トナーをこの略閉空間S内で充満させることにより、不定形トナーと球形トナーとをドラム軸線方向に対流させることができる。これにより、球形トナーのクリーニング時に、好適な量の不定形トナーを混合させてクリーニングすることが可能となる。したがって、ドラム軸線方向の両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏った場合であっても、局部的なクリーニング不良の発生を防止することができ、感光体ドラム21表面全体に残留するトナーに対して好適なクリーニング性能を得ることが可能である。
そして、略閉空間Sを形成する前記他の装置構成部材が、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側に設けられ、感光体ドラム21に接触する回転部材であるクリーニングローラ33と、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側で感光体ドラム21表面と所定の距離を隔てて対向させてクリーニングブレード32に取り付けられ、クリーニングローラ33に向かって延びるフィルム部材34とであるので、フィルム部材34の柔軟な特性を活かして、充満するトナーによる略閉空間S内の圧力を簡単に調節することができる。したがって、不定形トナーと球形トナーとのドラム軸線方向の対流、混合を円滑に遂行させることができ、球形トナーのクリーニング性能がさらに向上する。
また、不定形トナーがブラックトナーであり、球形トナーがブラック以外のトナーであるので、カラートナーに小径で、形や大きさの揃った球形トナーを用いることができる。これにより、より鮮明で高画質なカラー画像が得られるとともに、不定形のブラックトナーによりクリーニング性能を向上させることが可能となる。
さらに、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーのうち、不定形トナーを最初にクリーニングしたので、球形トナーのクリーニング時に、不定形トナーを、できるだけ多くの球形トナーに混合させてクリーニングすることが可能となる。したがって、球形トナーのクリーニング性能をさらに高めることができる。
また本発明では、上記クリーニング装置30を画像形成装置であるプリンタ1に搭載したので、ドラム軸線方向の両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏った場合であっても、局部的なクリーニング不良の発生を防止することができ、感光体ドラム21表面全体に残留するトナーに対して好適なクリーニング性能を保持することが可能であるとともに、低ランニングコストで資源・環境に配慮された高性能なプリンタ1を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るクリーニング装置について、その詳細な構成を、図8を用いて説明する。図8は、感光体ドラムとクリーニングブレードとの接触箇所周辺を示す垂直断面部分拡大図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、図2、及び図3を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素については図面の記載、及びその詳細な説明を省略するものとする。
第2の実施形態においては、第1の実施形態において見られたようなフィルム部材34が備えられていない。これに対して、感光体ドラム21に接触するクリーニングブレード32が、図8に示すように、その先端であって、感光体ドラム21に対する裏面側の角部をクリーニングローラ33に近接させて設けられている。これにより、クリーニングブレード32と感光体ドラム21との接触箇所のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21と、ハウジング31と、クリーニングブレード32と、クリーニングローラ33とによって囲まれた略閉空間Sが形成される。
続いて、上記構成のクリーニング装置30を使用して、用紙のドラム軸線方向両端側に、不定形トナーと球形トナーとが偏って構成された画像を印刷した後の感光体ドラム21表面のクリーニングを行った時の、クリーニングローラ33表面の軸線方向における不定形トナーと球形トナーとの混合具合について、図9を用いて説明する。図9は不定形トナーと球形トナーとの混合具合の遷移を示す図である。なお、用紙、及びこの用紙に印刷される画像パターンは、前記第1の実施形態と同様に図4に示すものを用いた。また、図9の書式は、図5と同じであるので、その詳細な説明を省略するものとする。
図9は、図4の用紙を印刷した後の感光体ドラム21表面のクリーニングについて、クリーニング装置30に上記第2の実施形態に係る略閉空間Sを形成した場合の、不定形トナーと球形トナーとの混合具合の遷移を、2秒毎に示している。図9によると、クリーニング開始から2秒後には用紙幅方向の中央部において、4秒後には全域において、不定形トナーと球形トナーとの混合が行われている。そして、クリーニング開始から6秒後には、用紙幅方向全域において、完全に不定形トナーと球形トナーとが同じ量になっていることが分かる。
第1の実施形態と比較して略閉空間Sがやや狭くなっているので、完全な混合がなされるまで時間を要するものの、第1の実施形態と同様に、用紙のドラム軸線方向両端側に偏って残留する不定形トナーと球形トナーとの混合に対して、クリーニング装置30に略閉空間Sを形成することが大きな効果をもたらしていることが分かる。
このようにして、クリーニングブレード32にて感光体ドラム21表面から掻き取られたトナーが滞留、充満する略閉空間Sを、感光体ドラム21、クリーニングブレード32、及びハウジング31の他に、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側に設けられ、感光体ドラム21に接触するクリーニングローラ33(回転部材)を加えて形成したので、特別な部材を用いることなく、より少ない構成要素で略閉空間Sを形成することができる。したがって、そのような簡便な構成により、不定形トナーと球形トナーとをドラム軸線方向に対流させることができ、球形トナーのクリーニング時に、好適な量の不定形トナーを混合させてクリーニングすることが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るクリーニング装置について、その詳細な構成を、図10を用いて説明する。図10は、感光体ドラムとクリーニングブレードとの接触箇所周辺を示す垂直断面部分拡大図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、図2、及び図3を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素については図面の記載、及びその詳細な説明を省略するものとする。
第3の実施形態においては、第1の実施形態において見られたようなクリーニングローラ33が備えられていない。これに対して、感光体ドラム21に接触し、感光体ドラム21に対する裏面にフィルム部材34を備えたクリーニングブレード32が、図10に示すように、フィルム部材34の先端を、下シール部材35が取り付けられたハウジング31に近接させて設けられている。これにより、クリーニングブレード32と感光体ドラム21との接触箇所のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21と、ハウジング31と、クリーニングブレード32と、フィルム部材34と、下シール部材35とによって囲まれた略閉空間Sが形成される。
このようにして、クリーニングブレード32にて感光体ドラム21表面から掻き取られたトナーが滞留、充満する略閉空間Sを、感光体ドラム21、クリーニングブレード32、及びハウジング31の他に、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側のハウジング31に取り付けられ、感光体ドラム21に接触する下シール部材35と、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側で感光体ドラム21表面と所定の距離を隔てて対向させてクリーニングブレード32に取り付けられ、ハウジング31に向かって延びるフィルム部材34とを加えて形成したので、不定形トナーと球形トナーとをドラム軸線方向に対流させるための略閉空間Sを、ハウジング31に下シール部材35を、クリーニングブレード32にフィルム部材34を取り付けるといった簡便な構成で得ることが可能である。したがって、球形トナーのクリーニング性能を高め、さらにクリーニング装置30の低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーを用い、各色毎に現像、転写、クリーニングの画像形成プロセスを繰り返す像担持体に対して設けられるクリーニング装置において利用可能である。
本発明の実施形態に係るクリーニング装置を搭載したプリンタを示す模型的垂直断面左側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るクリーニング装置周辺を示す模型的垂直断面部分拡大図である。 図2の感光体ドラムとクリーニングブレードとの接触箇所周辺を示す垂直断面部分拡大図である。 不定形トナーと球形トナーとの混合具合の検証に用いた用紙の画像パターンを示す図である。 フィルム部材の有無が、不定形トナーと球形トナーとの混合具合に及ぼす影響を示す図である。 不定形トナーと球形トナーとの偏り具合の検証に用いた用紙の画像パターンを示す図である。 不定形トナーと球形トナーとの偏り具合が、クリーニング不良の発生に及ぼす影響を示す表である。 本発明の第2の実施形態に係るクリーニング装置の感光体ドラムとクリーニングブレードとの接触箇所周辺を示す垂直断面部分拡大図である。 不定形トナーと球形トナーとの混合具合の遷移を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るクリーニング装置の感光体ドラムとクリーニングブレードとの接触箇所周辺を示す垂直断面部分拡大図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置)
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
23 現像装置
23a ロータリーラック
23B ブラック用現像器
23C シアン用現像器
23M マゼンタ用現像器
23Y イエロー用現像器
24 中間転写ベルト
30 クリーニング装置
31 ハウジング
32 クリーニングブレード(ブレード)
33 クリーニングローラ(回転部材)
34 フィルム部材
35 下シール部材(シール部材)
36 排出スクリュー

Claims (7)

  1. 不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーを用い、各色毎に現像、転写、クリーニングの画像形成プロセスを繰り返す像担持体に対して、その表面に残留する各色のトナーをプロセス毎に順次クリーニングする単一のクリーニング装置において、
    前記像担持体に接触してその表面に付着するトナーを掻き取るブレードをハウジング内に備え、このブレードと像担持体との接触箇所の像担持体回転方向上流側に、像担持体と、ブレードと、ハウジングと、他の装置構成部材とによって囲まれ、ブレードにて像担持体表面から掻き取られたトナーが滞留、充満する略閉空間を形成したことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 前記略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、前記ブレードの前記像担持体回転方向上流側に設けられ、像担持体に接触する回転部材であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 前記略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、前記ブレードの前記像担持体回転方向上流側に設けられ、像担持体に接触する回転部材と、ブレードの像担持体回転方向上流側で像担持体表面と所定の距離を隔てて対向させてブレードに取り付けられ、前記回転部材に向かって延びるフィルム部材とであることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  4. 前記略閉空間を形成する前記他の装置構成部材が、前記ブレードの前記像担持体回転方向上流側の前記ハウジングに取り付けられ、像担持体に接触するシール部材と、ブレードの像担持体回転方向上流側で像担持体表面と所定の距離を隔てて対向させてブレードに取り付けられ、前記ハウジングに向かって延びるフィルム部材とであることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  5. 前記不定形トナーがブラックトナーであり、前記球形トナーがブラック以外のトナーであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  6. 前記不定形、及び球形の複数の異なる色のトナーのうち、不定形トナーを最初にクリーニングすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のクリーニング装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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JP2011090133A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Kyocera Mita Corp 画像形成装置

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