JP2007120454A

JP2007120454A - 軸流送風機の羽根車

Info

Publication number: JP2007120454A
Application number: JP2005316123A
Authority: JP
Inventors: Yoshikimi Tazumi; 欣公田積; Koichi Sakai; 浩一酒井
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2005-10-31
Filing date: 2005-10-31
Publication date: 2007-05-17
Anticipated expiration: 2025-10-31
Also published as: JP4747784B2

Abstract

【課題】軸流送風機の先端部の負圧面に発生する不安定な渦を抑制して、騒音の低減と送風効率の向上を図る。
【解決手段】略円柱形のハブと、ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前縁部の外周側は内周側より回転方向側へ突出した先端部を形成して構成され、少なくとも先端部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成することにより、先端部で発生する不安定な渦を抑制して、騒音を低減するとともに送風効率を向上する。
【選択図】図１

Description

本発明は、空気調和機などに用いられる軸流送風機の羽根車に関するものである。

空気調和機の室外機では、主に軸流式送風機が使用されて、低騒音化のために種々の技術が発明されている。そのような中で、羽根車の前縁部を回転方向に傾斜させるとともに、前縁部の外周側に三角平板を配設した技術が開示されている（例えば、特許文献１参照）。

図４は従来の軸流送風機の羽根車の平面図で、図５は従来の軸流送風機の断面図、図６は図５に示す羽根車のＹ−Ｙ断面図である。軸流送風機の羽根車８は円柱形のハブ２に複数の羽根９を有し、羽根９の前縁１０の外周側１０ａに、前縁１０の外周端Ｈと、前縁１０の回転方向Ａ前方に頂５ａをもつ三角平板５を配設している。さらに、前縁１０とハブ２との交点Ｂと、前縁の外周端Ｈと、回転軸７の中心Ｏのなす角∠ＢＨＯが１２度となるように、前縁１０を回転方向Ａに前傾している。

このような構成とすることで、羽根９の最大反り位置がハブ側９ｂから外周側９ｃに向かうにつれて回転方向に前傾するので、半径方向の圧力分布はハブ側９ｂよりも外周側９ｃが高圧の分布となり、従って羽根９の外周側９ｃからハブ側９ｂへ向かう求心力が働き、負圧面９ａ上の境界層が外周側９ｃへ流れるのが抑えられ、外周側９ｃに存在する境界層の非常に厚い領域が無くなり、渦放出による流体騒音を低下することができるものである。
特開平３−６４６９７号公報

しかしながら、上記従来の軸流送風機の羽根車は、三角平板を含めて羽根の厚みがほぼ一定で、特に端面の形状についても規定されていない状態のため、圧力面から負圧面への流れにより発生する渦の動きが不安定となり、それによる騒音の増加を招いていた。特に三角平板の先端部においては両側から渦が巻き込んでくることにより、不安定になることが顕著であった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、羽根車の羽根の前縁外周側の先端近傍の渦による騒音を抑制して低騒音化を図った軸流送風機の羽根車を提供することを目的とする。

前記従来の課題を解決するために、本発明の軸流送風機の羽根車は、略円柱形のハブと、前記ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、前記羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前記前縁部の外周側は内周側より回転方向側へ突出した先端部を有して構成され、少なくとも前記先端部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成したもので、先端部の端面で発生する渦が剥離して不安定になるのを抑制し、これにより騒音を低減して送風効率を向上することが可能となる。

また、本発明の軸流送風機の羽根車は、略円柱形のハブと、前記ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、前記羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前記前縁部
は略直線形状でその外周側には回転方向前方に頂点を持つ三角形状部を有して構成され、少なくとも前記三角形状部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成したもので、三角形状部の端面で発生する渦が剥離して不安定になるのを抑制し、騒音を低減して送風効率を向上することが可能となる。

本発明の軸流送風機の羽根車は、騒音を低減するとともに送風効率を向上することができる。

第１の発明は、略円柱形のハブと、ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前縁部の外周側は内周側より回転方向側へ突出した先端部を形成して構成され、少なくとも先端部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成したもので、これにより先端部で発生する不安定な渦を抑制して、騒音を低減するとともに送風効率を向上することができる。

第２の発明は、略円柱形のハブと、ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前縁部は略直線形状でその外周側には回転方向前方に頂点を持つ三角形状部を形成して構成され、少なくとも三角形状部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成したもので、これにより先端部で発生する不安定な渦を抑制して、騒音を低減するとともに送風効率を向上することができる。

第３の発明は、第１又は第２の発明において、傾斜面同士の接合部、または傾斜面と平面部との接合部は稜線を有する形状としたもので、それぞれの面同士をスムーズに接合することにより渦が不安定になることを抑制する。

第４の発明は、傾斜面は、羽根平面部に対して１５°〜６０°に形成したもので、この角度が小さすぎれば結果的に傾斜面に渦が発生し、大きすぎれば結果的に羽根平面部に渦が発生してしまうことを防止する。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における羽根車の一部を負圧面側から見た平面図である。図２は（ａ）図１のＢ−Ｂ断面図、（ｂ）同Ｃ−Ｃ断面図である。

図１において、羽根車１１の中心Ｏに円錐台形のハブ１２を有し、ハブ１２の周囲には複数の羽根１３（図面は１枚のみ示して、他は図示せず）が配設されている。羽根１３は、回転方向Ａの前方側を前縁部１４とし、後方側を後縁部１５、それらの先端を結ぶ円弧を外周部１６とする。前縁部１４は直線形状で回転方向Ａに前傾しており、その外周側１４ａには回転方向前方に頂点１７ａを持つ三角形状部１７を有して先端部（１７）を形成している。そして三角形状部１７の負圧面１３ａ側は、外周側端部１７ｂと内周側端部１７ｃとから羽根平面部１３ｂの所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面１８を形成しており、傾斜面１８同士の接合部１８ａ、および傾斜面１８と羽根平面部１３ｂとの接合部１８ｂは明確な稜線を形成した状態となっている。そして、三角形状部１７以降は、徐々に通常の丸みを帯びた形状につながっている。

本実施の形態における各部の寸法を具体的に示すと、羽根車１１の直径は５５０ｍｍ、羽根１３の最大厚みは７ｍｍであり、傾斜面１８は羽根平面部１３ｂに対して３０°としている。

図３は、本実施の形態における羽根車を動作した時の渦の断面模式図である。上記のように構成したことにより、渦Ｑが傾斜面１８に安定した状態で発生するようになる。従って、先端部（１７）、本実施の形態では特に三角形状部１７の効果が引き出され、不安定な渦の抑制と相まって騒音を低減し、送風効率を向上することが可能となる。

なお、傾斜面１８の羽根平面部１３ｂに対する角度については、１５°〜６０°が好ましく、２５°〜５０°がより好ましい。１５°より小さいと結果的に傾斜面１８に不安定な渦が発生し、６０°より大きくなれば結果的に羽根平面部１３ｂに不安定な渦が発生してしまう。

また、羽根の先端部は三角形状に限らず、プロペラファンで一般的な前縁部の外周側が内周側より回転方向側へ突出した先端部を形成して構成されるものでも、先端部の負圧面の所定の範囲に傾斜部を設ければ上記効果は同様に得られる。

さらに、傾斜面の端面から羽根平面部までの直線的な形状については、膨らんだ凸状でなければよく、わずかに窪み気味の凹状であることは良好である。また、図３に示した明確な稜線については、面取りのように角を切除している程度では効果は変わらず問題ない。

以上のように、本発明にかかる軸流送風機の羽根車は、騒音の低減と送風効率の向上とが可能となるので、空気調和機に用いる送風機として有用である。

（ａ）本発明の実施の形態１における軸流送風機の羽根車の一部を負圧面側から見た平面図、（ｂ）同羽根車の断面図（ａ）図１のＢ−Ｂ断面図、（ｂ）同Ｃ−Ｃ断面図本実施の形態における羽根車が動作した時の先端部の渦の断面模式図従来の軸流送風機の羽根車の平面図従来の軸流送風機の断面図従来の羽根車が動作した時の先端部の渦の断面模式図

符号の説明

１１羽根車
１２ハブ
１３羽根
１３ａ負圧面
１３ｂ羽根平面部
１４前縁部
１４ａ外周側
１５後縁部
１６外周部
１７三角形状部
１７ａ頂点
１７ｂ外周側端面
１７ｃ内周側端面
１８傾斜面
Ａ回転方向
Ｑ渦

Claims

略円柱形のハブと、前記ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、前記羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前記前縁部の外周側は内周側より回転方向側へ突出した先端部を形成して構成され、少なくとも前記先端部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成したことを特徴とする軸流送風機の羽根車。
略円柱形のハブと、前記ハブの周囲に設けられた複数の羽根とで構成され、前記羽根は、前縁部と外周部と後縁部とを有し、前記前縁部は略直線形状でその外周側には回転方向前方に頂点を持つ三角形状部を形成して構成され、少なくとも前記三角形状部の負圧面側は、外周側と内周側のそれぞれの端部から羽根平面部の所定の厚みになるまでほぼ直線平面の傾斜面で形成したことを特徴とする軸流送風機の羽根車。
傾斜面同士の接合部、または傾斜面と平面部との接合部は稜線を有する形状としたことを特徴とする請求項１又は２記載の軸流送風機の羽根車。
傾斜面は、羽根平面部に対して１５°〜６０°に形成したことを特徴とする請求項１〜３のうちいずれか一項記載の軸流送風機の羽根車。