JP2000018194A

JP2000018194A - 送風機用羽根車

Info

Publication number: JP2000018194A
Application number: JP18722198A
Authority: JP
Inventors: Seiji Sato; 誠司佐藤
Original assignee: Daikin Industries Ltd
Current assignee: Daikin Industries Ltd
Priority date: 1998-07-02
Filing date: 1998-07-02
Publication date: 2000-01-18
Anticipated expiration: 2018-07-02
Also published as: JP3039521B2

Abstract

(57)【要約】【課題】送風機用羽根車の翼外周端部の漏れ渦を低減
し、ファン効率を向上させ、かつ騒音を低減させる。【解決手段】本願発明の送風機用羽根車は、外周部１
１ｅ，１１ｅ・・・側ほど翼弦長が大きく、前縁１１
ａ，１１ａ・・・側が翼回転方向に前進した形状の翼１
１，１１・・・を備えてなる送風機用羽根車において、
上記翼１１，１１・・・の後縁付近において、翼外周部
１１ｅ，１１ｅ・・・を負圧面１１ｄ，１１ｄ・・・側
へ滑らかに湾曲させるとともに、該湾曲部Ｐ，Ｐ・・・
の内周面のファン中心Ｏからの距離がファン反回転方向
に大きくなるように構成したことを特徴としている。こ
のような構成にすると、上記翼１１，１１・・・の外周
部１１ｅ，１１ｅ・・・で発生する漏れ渦が、上記湾曲
部Ｐ，Ｐ・・・の内周面に衝突して渦の成長が抑制され
るようになるため、空力騒音が低減されるとともに、衝
突によって同内周面に作用する力の周方向成分が回転力
となり、ファンの送風効率をも向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、送風機用羽根車
の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば空気調和機用送風機等で採
用されている軸流ファン又は斜流ファンなどの静圧の低
い羽根車には、一般に図５〜図７のような構造のものが
採用されている。

【０００３】図中、符号１０は略円筒形のハブであり、
該ハブ１０の外周には複数枚（３枚）の薄板構造の翼１
１，１１・・・が送風方向に所定の傾斜角を有して所定
のピッチで設けられている。そして、これらの各翼１
１，１１・・・には、例えば図６および図７に示すよう
にその外周側ほど翼弦長が大きく、かつその前縁１１
ａ，１１ａ・・・側が回転方向に前進した形状のものが
用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
翼構造の羽根車の場合、上記羽根車の回転によって翼１
１，１１・・・の外周部１１ｅ，１１ｅ・・・には、例
えば図６および図７に示すような、圧力面１１ｂ側から
負圧面１１ｄ側への漏れ渦が発生し、騒音の原因とな
る。また、この翼外周部１１ｅ，１１ｅ・・・で発生す
る漏れ渦は、送風、昇圧といった送風機自体の送風機能
に対する損失ともなり、送風機の送風効率を低下させる
原因にもなる。

【０００５】本願発明は、このような問題を解決するた
めになされたもので、翼の後縁付近において、翼外周部
を負圧面側へ滑らかに湾曲させるとともに、該湾曲部の
内周側壁面のファン中心からの距離を翼の反回転方向に
向けて大きくなるようにすることによって、上記のよう
な問題を解決した送風機用羽根車を提供することを目的
とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願各発明の送風機用羽
根車は、上記の目的を達成するために、それぞれ次のよ
うな課題解決手段を備えて構成されている。

【０００７】（１）請求項１の発明すなわち、先ず本願請求項１の発明の送風機用羽根車
は、例えば図１〜図４に示すように、外周部１１ｅ，１
１ｅ・・・側ほど翼弦長が大きく、前縁１１ａ，１１ａ
・・・側が翼１１，１１・・・の回転方向に前進した形
状の翼１１，１１・・・を備えてなる送風機用羽根車に
おいて、上記翼１１，１１・・・の後縁付近において、
翼外周部１１ｅ，１１ｅ・・・を負圧面１１ｄ，１１ｄ
・・・側へ滑らかに湾曲させ、該湾曲部Ｐの内周面の翼
回転中心Ｏからの距離が翼１１，１１・・・の反回転方
向に向けて大きくなるように構成したことを特徴として
いる。

【０００８】このような構成にすると、上記翼１１，１
１・・・の外周部１１ｅ，１１ｅ・・・で発生する漏れ
渦が、その後縁１１ｃ，１１ｃ・・・付近の外周部１１
ｅ，１１ｅ・・・に形成した負圧面１１ｄ，１１ｄ・・
・側への湾曲部Ｐ，Ｐ・・・の内周面に衝突して渦の成
長が抑制されるようになるため、空力騒音が低減される
とともに、衝突によって同内周面に作用する力の周方向
成分が回転力となり、送風機の送風効率を向上させるこ
とができる。

【０００９】（２）請求項２の発明次に本願請求項２の発明の送風機用羽根車は、上述のよ
うに、外周部１１ｅ，１１ｅ・・・側ほど翼弦長が大き
く、前縁１１ａ，１１ａ・・・側が翼１１，１１・・・
の回転方向に前進した形状の翼１１，１１・・・を備え
てなる送風機用羽根車において、上記翼１１，１１・・
・の後縁１１ｃ，１１ｃ・・・付近において、翼１１，
１１・・・の外周部１１ｅ，１１ｅ・・・を負圧面１１
ｄ，１１ｄ・・・側へ滑らかに湾曲させるとともに、該
湾曲部Ｐ，Ｐ・・・の内周面の翼回転中心Ｏからの距離
が翼１１，１１・・・の反回転方向に向けて大きくなる
ように構成した請求項１の発明の構成において、上記翼
１１，１１・・・の外周部１１ｅ，１１ｅ・・・の湾曲
部Ｐ，Ｐ・・・を、翼面にほぼ垂直になるように負圧面
１１ｄ，１１ｄ・・・側へ湾曲させたことを特徴として
いる。

【００１０】このような構成にすると、上述のように翼
１１，１１・・・の外周部１１ｅ，１１ｅ・・・で発生
する漏れ渦が、より確実に上記後縁１１ｃ，１１ｃ・・
・側外周部１１ｅ，１１ｅ・・・に形成した湾曲部Ｐ，
Ｐ・・・の内周面に衝突して効果的に渦の成長が抑制さ
れるようになるため、より有効に空力騒音が低減される
ようになるとともに、衝突によって同内周面に作用する
力の周方向成分が確実な回転力となり、送風機の送風効
率を一層向上させることができる。

【００１１】（３）請求項３の発明次に本願請求項３の発明の送風機用羽根車は、上記請求
項１又は２の発明の構成において、さらに上記湾曲部
Ｐ，Ｐ・・・を翼１１，１１・・・の外周部１１ｅ，１
１ｅ・・・側後端部を翼１１，１１・・・の反回転方向
に向けて尖らせたことを特徴としている。

【００１２】このような構成にすると、上記のような翼
端渦が上記翼１１，１１・・・の外周部１１ｅ，１１ｅ
・・・から、その先端方向に向けてガイドされ、滑らか
に遠心方向に放出されるようになる。

【００１３】その結果、従来のように翼外周部で発生す
る漏れ渦が空力騒音の原因となることを効果的に抑制す
ることができるようになるとともに、送風、昇圧といっ
た送風機本来の送風機能を、さらに向上させることが可
能となり、より有効にファン効率を改善することができ
る。

【００１４】（４）請求項４の発明次に本願請求項４の発明の送風機用羽根車は、さらに以
上の構成における上記湾曲部Ｐ，Ｐ・・・の翼面に略垂
直となった翼外周部１１ｅ，１１ｅ・・・の翼負圧面１
１ｄ，１１ｄ・・・からの高さは、前縁１１ａ，１１ａ
・・・側から後縁１１ｃ，１１ｃ・・・側にかけて次第
に高くなった後、再び低くなるように形成されている。

【００１５】したがって、上記遠心方向への渦の抑制お
よびガイド作用が、よりスムーズに行われるようにな
る。

【００１６】

【発明の効果】以上の結果、本願発明の送風機用羽根車
によると、軸流ファンや斜流ファンを用いた送風機の更
なる低騒音化を図ることができ、より送風性能、静音性
能の高い送風機の実現が可能となる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１〜図４は、本願発明の実施の
形態に係る送風機用羽根車の構成および作用を示してい
る。

【００１８】先ず、図１は同送風機用羽根車の全体的な
構成を示している。図中、符号１０は略円筒形のハブで
あり、該ハブ１０の外周には複数枚（３枚）の例えば図
３および図４に示すような薄板構造の翼１１，１１・・
・が送風方向に所定の傾斜角を有して所定のピッチで設
けられている。

【００１９】該翼１１，１１・・・は、それぞれ例えば
図１および図３に示すように、その外周側と翼弦長が大
きく、かつ前縁１１ａが回転方向に前進した形状となっ
ている。

【００２０】そして、該翼１１，１１・・・は、さらに
その後縁１１ｃ，１１ｃ・・・側付近において、その外
周部１１ｅ，１１ｅ・・・を翼面（圧力面１１ｂ、負圧
面１１ｄ）に対して、例えば、ほぼ垂直になるように負
圧面１１ｄ側へ滑らかに湾曲した湾曲部Ｐ，Ｐ・・・を
形成するとともに（図４参照）、該湾曲部Ｐ，Ｐ・・・
の翼１１，１１・・・の内周面の翼１１，１１・・・の
回転中心（ファン中心）Ｏからの距離を、翼１１，１１
・・・の反回転方向に向けて大きくなるように形成し、
さらに同湾曲部Ｐ，Ｐ・・・を有する翼外周部１１ｅ，
１１ｅ・・・の後端部を有する翼１１，１１・・・の反
回転方向に尖らせた構造としている。

【００２１】この結果、例えば図３のように羽根車の回
転によって翼外周部１１ｅ，１１ｅ・・・の圧力面１１
ｂ，１１ｂ・・・から負圧面１１ｄ，１１ｄ・・・側へ
と発生した漏れ渦が、図４のように上記湾曲部Ｐ，Ｐ・
・・の内周面に衝突し、その成長が抑制されるようにな
るため、空力騒音が低減されるとともに、該衝突によっ
て同内周面に作用する力の周方向成分が図２の矢印に示
すように回転力となり、ファンの送風効率を向上させる
ことができるようになる。さらに、上記のように湾曲部
Ｐ，Ｐ・・・を形成した外周部１１ｅ，１１ｅ・・・の
後端を翼１１，１１・・・の反回転方向に尖らせている
ので、図３の矢印に示すように、上記翼端渦がその先端
側から滑らかに遠心方向にガイドされて放出されるよう
になる。

【００２２】さらに以上の構成における上記湾曲部Ｐ，
Ｐ・・・の翼面に略垂直となった翼外周部１１ｅ，１１
ｅ・・・の翼負圧面１１ｄ，１１ｄ・・・からの高さ
は、その前縁１１ａ，１１ａ・・・側から後縁１１ｃ，
１１ｃ・・・側にかけて次第に高くなった後、再び低く
なるように形成されている。

【００２３】したがって、上記遠心方向への渦の抑制お
よびガイド作用が、よりスムーズに行われるようにな
る。

【００２４】その結果、従来のような翼外周端で発生す
る漏れ渦が空力騒音の原因となることを抑制することが
できるようになるとともに、送風、昇圧といったファン
自体の送風機能を向上させることが可能となり、ファン
効率を改善することができる。

【００２５】以上の結果、本実施の形態の送風機用羽根
車によると、軸流ファンや斜流ファンを用いた送風機の
更なる低騒音化を図ることができ、より送風性能、静音
性能の高い送風機の実現が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施の形態に係る送風機用羽根車の
羽根車全体の斜視図である。

【図２】同羽根車の翼部の要部の構成を示す拡大図であ
る。

【図３】同羽根車の翼部の作用を示す平面図である。

【図４】同羽根車の翼部の断面図（図３のＢ−Ｂ線切断
部の断面図）である。

【図５】従来の送風機用羽根車全体の斜視図である。

【図６】同従来の羽根車の翼部の問題点を示す平面図で
ある。

【図７】同従来の羽根車の翼部の問題点を示す断面図
（図６のＡ−Ａ線切断部の断面図）である。

【符号の説明】

１０はハブ、１１は翼、１１ａは前縁、１１ｂは圧力
面、１１ｃは後縁、１１ｄは負圧面、Ｐは湾曲部であ
る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外周部（１１ｅ），（１１ｅ）・・・側
ほど翼弦長が大きく、前縁（１１ａ），（１１ａ）・・
・側が翼（１１），（１１）・・・の回転方向に前進し
た形状の翼（１１），（１１）・・・を備えてなる送風
機用羽根車において、上記翼（１１），（１１）・・・
の後縁（１１ｃ），（１１ｃ）・・・付近において、翼
外周部（１１ｅ），（１１ｅ）・・・を負圧面（１１
ｄ），（１１ｄ）・・・側へ滑らかに湾曲させ、該湾曲
部（Ｐ）の内周面の翼回転中心（Ｏ）からの距離が翼
（１１），（１１）・・・の反回転方向に向けて大きく
なるようにしたことを特徴とする送風機用羽根車。
【請求項２】上記翼（１１），（１１）・・・の後縁
側外周部（１１ｅ），（１１ｅ）・・・の湾曲部
（Ｐ），（Ｐ）・・・は、翼面にほぼ垂直になるように
負圧面（１１ｄ），（１１ｄ）・・・側へ湾曲されてい
ることを特徴とする請求項１記載の送風機用羽根車。
【請求項３】上記翼（１１），（１１）・・・の外周
部（１１ｅ），（１１ｅ）・・・側後端部を、翼（１
１），（１１）・・・の反回転方向に向けて尖らせたこ
とを特徴とする請求項１又は２記載の送風機用羽根車。
【請求項４】上記湾曲部（Ｐ），（Ｐ）・・・の翼面
に略垂直となった翼外周部（１１ｅ），（１１ｅ）・・
・の翼負圧面（１１ｄ），（１１ｄ）・・・からの高さ
は、前縁（１１ａ），（１１ａ）・・・側から後縁（１
１ｃ），（１１ｃ）・・・側にかけて次第に高くなった
後、再び低くなるように形成されていることを特徴とす
る請求項２又は３記載の送風機用羽根車。