JP2007120080A - 塔状構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地上部分11の平面視は偶数角の多角形とされ、頂部10の平面視は地上部分11の1/2角数(N角数)の多角形とされている。頂部10を形成する多角形の一辺の長さをそのまま地上部分11まで同一幅寸とした矩形状平面1が、地上部分11の多角形における一つおきの辺の外面として形成されている。地上部分11の多角形における他の一辺の外面は、その直上に位置する頂部10の多角形における角部12を頂角とする三角形状平面2として形成されている。矩形状平面1と三角形状平面2との組合せで塔状外面が構成されている。
【選択図】 図1
Description
前記の問題点を解決する手段としては、プレキャストコンクリート版の採用が有効と考えられる。しかし、プレキャストコンクリート版の形状パターンが多くなるので、施工性が悪く、工期が長引き、工費が嵩み問題の解決には程遠い。
本発明の次の目的は、現場打ちコンクリート造として構築する場合であっても、地上部分から頂部に向かって一定の勾配で水平断面形状が縮小する先細形状の塔状構造物を、型枠の縮小化作業の手間が少なく、また、プレキャストコンクリート造として構築する場合であれば、PCa版を可及的に長い平板状部材に製作してジョイント箇所数を減少でき、しかも陸上輸送が容易で、効率的に行える平板状ピースとして製作できる上に、PCa部材の形状パターン数(種類)を可及的に少なくでき製造が容易な塔状構造物を提供することである。
本発明の更なる目的は、プレキャストコンクリート版を採用する場合に、PCa部材にプレストレスを導入することが容易で、PCa部材が風荷重などによりひび割れ劣化することを防止し、耐久性低下の防止が図れる塔状構造物を提供することである。
地上部分11の平面視は偶数角(2N角数、但し、N≧3)の多角形とされ、頂部10の平面視は前記地上部分11の1/2角数(N角数)の多角形とされており、
頂部10を形成する多角形の一辺の長さをそのまま地上部分11まで同一幅寸とした矩形状平面1が、地上部分11の多角形における一つおきの辺の外面として形成されており、
地上部分11の多角形における他の一辺の外面は、その直上に位置する頂部10の多角形における角部12を頂角とする三角形状平面2として形成されており、
前記矩形状平面1と三角形状平面2との組合せで塔状外面が構成されていることを特徴とする。
塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部は高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版で形成され、三角形状平面部は現場打ちコンクリートで形成されていることを特徴とする。
塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部1および三角形状平面部2ともに、それぞれ高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版で形成されていることを特徴とする。
塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部1は高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版として製作され、同プレキャストコンクリート版の製作時に、または現場での建て方前に、プレキャストコンクリート版の各ピース毎にプレストレスを導入して構築されていることを特徴とする。
塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部1および三角形状平面部2は、それぞれ高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版として製作され、その製作時に、または現場での建て方前に、各ピース毎にプレストレスを導入して構築されていることを特徴とする。
塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部1および三角形状平面部2ともに現場打ちコンクリートで形成されていることを特徴とする。
プレキャストコンクリート版を用いて構築する場合でも、上記平板状矩形状平面部1については、幅寸が変化しないので、単純に高さ方向に複数に分割したピースとして製作し、現場へ搬入して建て方を行えばよいのであり、PCa部材の形状パターンの一元化(単一種化)を図れて生産性に優れる。上記三角形状平面部2のPCa版もまた、平板として製作できるので、いずれもトラック等による道路運送に際して、PCa版の幅寸は大きくてもせいぜい1m乃至2m程度に納まり、高さ方向の寸法を仮に10m程度に設計、製作しても、トラック運送は容易で、かつ積載効率に優れるから好都合である。その上、PCa部材の高さ方向寸法を長尺にすると、その分だけ縦筋のジョイント箇所数が減り、現場作業を省力化でき、コスト低減化を図れる。また、塔状構造物の平面視における多角形のN数を増やすと、その分PCa部材の幅寸を縮小化できるので、運搬可能寸法を調整することができる。
その上、プレキャストコンクリート版を用いて構築する場合には、そのPCa部材ピースを工場で製作する際に、または現場で建て方する前にプレストレスを導入することが容易であり、そうすることにより、PCa部材が風荷重などによりひび割れて劣化するのを防止し、耐久性低下の防止を図ることができる。
頂部10を形成する多角形の一辺の長さをそのまま地上部分11まで同一幅寸とした矩形状平面1で、地上部分11の多角形における一つおきの辺の外面を形成する。
地上部分11の多角形における他の一辺の外面は、その直上に位置する頂部10の多角形における角部12を頂角とする三角形状平面2として形成する。こうして矩形状平面1と三角形状平面2との組合せで多角形の塔状外面を構成する。
塔状構造物の外面を構成する矩形状平面部1はプレキャストコンクリート版で形成し、三角形状平面部2は現場打ちコンクリートで形成する。あるいは塔状構造物の外面を構成する矩形状平面部1および三角形状平面部2ともに、それぞれプレキャストコンクリート版で形成する。そのいずれであれ、塔状構造物の外面を構成する矩形状平面部1および三角形状平面部2はそれぞれ、高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版のピースを組み合わせて形成する。若しくは矩形状平面部1及び三角形状平面部2とともに現場打ちコンクリートで形成する。
図1A,B,Cは、本発明に係る塔状構造物を概念図として示している。
本実施例の塔状構造物は、平面的に見た形態が頂部10(上端部)が8角形(図1B、つまり角数N=8)で、地上部分11(底面部)が16角形(2N角数=16)の中空構造(但し、中空構造の限りではなく、階層毎に水平なスラブを有する多層構造もある。)の多角形構造物である。しかも地上部分11から頂部10に向かって一定の勾配で先細形状に漸次縮小する塔状構造物である。要するに、地上部分11の平面視は16角形の多角形で、頂部10の平面視は前記地上部分11の1/2角数の8角形とされている。この塔状構造物の規模としては、高さが地上60m〜100m程度若しくはそれ以上で、仮に高さ85m程度である場合の頂部10の最小外径は約3mないし4mの大きさ、地上部分11の外径は、勾配度にもよるが、例えば6mないし8m程度の大きさとなる。よって、仮に頂部10の最小外径が約4mであるとしても、その正8角形の一辺の長さは1.5m余でしかない。もとより多角形の角数が増えると、前記一辺の長さは更に小さくなることは、幾何学的に周知の事実である。即ち、地上部分11の多角形を24角形あるいは36角形にすると、頂部10の多角形はその1/2角数の12角形、あるいは18角形になるから、その一辺の長さは更に小さいものとなる。
一方、地上部分11の16角形における他の一辺(残る8辺)の外面は、各々の直上に位置する頂部10の8角形における角部12を頂角とする二等辺三角形の三角形状平面2として形成されている。つまり、地上部分11の16角形の各辺の外面は、ひとつおきに、前記矩形状平面1と三角形状平面2とが交互に配置された構成である。
これを換言すれば、当該塔状構造物を図1Aのように立体的に見た場合の構成は、前記矩形状平面1が二つ並立する間の隙間を、二等辺の三角形状平面2が埋めた組合せで塔状体外面が構成されている。
一つの施工法として、塔状構造物の外面を構成する矩形状平面部1はプレキャストコンクリート版で形成し、三角形状平面部2を現場打ちコンクリートで形成する施工法を実施することができる。
この場合、矩形状平面部1および三角形状平面部2を形成するプレキャストコンクリート版の幅寸は、上記の段落番号0014において概略説明したとおり、せいぜい1.5m余でしかなく、いずれも平板構造であるから、トラック運送を考慮した場合に最大10m程度に製作することが可能である。そして、平板を積み重ねて積載できるから、運搬効率に優れて現場への搬入が容易である。上記のようにPCa版の高さ寸法(縦方向の長さ)を大きく製作すれば、プレキャストコンクリート版の縦筋のジョイント箇所数が減り、ジョイントの手間が減るので好都合である。また、矩形状平面部1を形成するプレキャストコンクリート版の形状パターンは1種類で足りる。三角形状平面部2のピースの形状パターンも上下方向の分割数だけあれば足り、プレキャストコンクリート版の製作と在庫管理が容易である。そして、各PCa版ピースの水平目地のジョイントは常に上下方向の連続性に優れ、各ジョイント作業が容易であるし、施工性に優れる(この点については、後で図2に基づいて説明する)。
図2A,Bにおいて、色の濃い部分は矩形状平面部1であり、プレキャストコンクリート版で形成するが、高さ方向の継ぎ目13において縦筋を順次接合して積み重ねることになる。その詳細は図2Bに示したように、上下のプレキャストコンクリート版の継ぎ目13は、例えばスリーブジョイント14により主筋(縦筋)相互の接合に限定して実施することができる。他方、白色(地色)の部分は現場打ちコンクリートで形成する三角形状平面部2を指すが、その壁鉄筋のうち横筋は隣接のプレキャストコンクリート版(矩形状平面部1)の横筋と重ね継手で接合してジョイントの手数を省くことが可能であり、施工性を高めて、工期の短縮、工費の低減を図ることが可能である。
コンクリート製の塔状構造物は、頻繁に作用する風荷重、或いは大小の地震によりひび割れを発生しやすい。しかし、プレキャストコンクリート部材にプレストレスを導入すると、ひび割れによる劣化の進行や耐久性の低下を防ぎ、塔状構造物の損傷を減らすことができる。
そこで、プレキャストコンクリート部材の製作時に、または現場での建て方前に、各PCa版ピース毎にプレストレスを導入して構築を進めることが容易に可能である。かくすると、ひび割れに追従する塗装補修などを行う必要がなく、有意義である。
2 三角形状平面部
Claims (6)
- 地上部分から頂部に向かって水平断面形状が漸次縮小する先細形状の塔状構造物において、
地上部分の平面視は偶数角(2N角数、但し、N≧3)の多角形とされ、頂部の平面視は前記地上部分の1/2角数(N角数)の多角形とされており、
頂部を形成する多角形の一辺の長さをそのまま地上部分まで同一幅寸とした矩形状平面が、地上部分の多角形における一つおきの辺の外面として形成され、
地上部分の多角形における他の一辺の外面は、その直上に位置する頂部の多角形における角部を頂角とする三角形状平面として形成されており、
前記矩形状平面と三角形状平面との組合せで多角形の塔体外面が構成されていることを特徴とする、塔状構造物。 - 塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部は高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版で形成され、三角形状平面部は現場打ちコンクリートで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した塔状構造物。
- 塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部および三角形状平面部ともに、それぞれ高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した塔状構造物。
- 塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部は高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版として製作され、同プレキャストコンクリート版の製作時に、または現場での建て方前に、プレキャストコンクリート版の各ピース毎にプレストレスを導入して構築されていることを特徴とする、請求項2に記載した塔状構造物。
- 塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部および三角形状平面部はそれぞれ高さ方向に複数に分割したプレキャストコンクリート版として製作され、同プレキャストコンクリート版の製作時に、または現場での建て方前に、プレキャストコンクリート版の各ピース毎にプレストレスを導入して構築されていることを特徴とする、請求項3に記載した塔状構造物。
- 塔状構造物の外面を形成する矩形状平面部および三角形状平面部ともに現場打ちコンクリートで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した塔状構造物。
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