JP2007119773A - ジェットプリンター用インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔料、皮膜形成性樹脂、および有機溶剤を含有するジェットプリンター用インクにおいて、前記皮膜形成性樹脂は、ひまし油、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油、硬化ひまし油脂肪酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸からなる群から選択される一つ以上の油または脂肪酸を含有する変成剤によって変性された、油長20〜70%の油変成アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂を主成分として含有することを特徴とするジェットプリンター用インク、並びに、外壁用サイディング材およびその製造方法。
【選択図】なし
Description
さらにインクジェット方式を用いて絵柄を形成する外壁用サイディング材の製造方法、及び該製造方法によって製造された外壁用サイディング材に関する。
このため外壁用サイディング材の基材に対して、インクジェット方式を用いて印刷することが提案された(特許文献3参照)。インクジェット方式を用い印刷した場合、図柄の変更はオンデマンドで容易にしかも自在に行うことができ、印刷面に凹凸が有っても印刷層を形成出来るため立体感の有る図柄を提供する事が出来る。外壁用サイディング材に使用されるジェットプリンター用インキに要求される特性としては、さらに、絵柄が退色しない極めて優れた耐光性はもちろんのこと、長期間太陽光や外気に晒されても印刷層自体が劣化しない耐候性が必須である。さらに印刷層と下地の基板、あるいは下地塗装層との間の密着性、また印刷部保護のため上塗りされるクリヤー層と印刷層との間の密着性が長期間の太陽光や外気に晒されても劣化しないこと等、種々の物理的強度、特に耐久性が要求される。
しかしながらインクジェット方式に用いられる従来のジェットプリンター用インクでは、外壁材として使用された場合、上記耐久性・耐候性が劣るため外壁用途としては不十分であり、今日に至るまで、インクジェット方式によって作製された外壁用サイディング材は製品化されていない。
当初は、非吸収性の被記録材に対するマーキング用として従来より用いられて来た、樹脂と有機溶剤の混合液中に着色剤を溶解または分散させたジェットプリンター用インク、あるいはこれを改良したインクを用いることが行われた。
インクの着色剤としては、一般的に分散性、発色性に優れているが退色しやすく耐光性の劣る染料系着色剤に換えて、安定分散は困難であるが耐光性、耐候性に優れている顔料系着色剤を使用することが好ましいと考えられている。
さらに、本発明の解決しようとする課題は、凹凸の形成されたサイディング材用基材の表面であっても意匠性の高い絵柄を容易に形成して、優れた耐光性と耐久性を有した外壁用サイディング材を製造することができる製造方法を提供することである。
さらにまた、本発明の解決しようとする課題は、上記の製造方法によって製造された、表面に意匠性の高い絵柄が形成され、優れた耐候性と耐久性を有する外壁用サイディング材を提供することである。
さらに本発明は、外壁用サイディング材の基材上に直接、または前記基材上に下地塗装層を形成した後の前記下地塗装層上にインクジェット方式によりジェットインク塗装層を形成し、次いで前記ジェットインク塗装層上の全面に表面保護層を形成する外壁用サイディング材の製造方法であって、前記ジェットインク塗装層は前記ジェットプリンター用インクを用いて形成されることを特徴とする外壁用サイディング材の製造方法を提供する。
本発明の外壁用サイディング材の製造方法によれば、サイディング材用基材の全面に下地塗装層を形成し、該下地塗装層上の任意の箇所に上記組成のジェットプリンター用インクを用いてジェットインク塗装層を形成し、次いで全面に表面保護層を形成するので、耐久性、耐光性に優れ、精細な絵柄が形成された高意匠な外壁用サイディング材を製造することができる。
本発明において油長とはアルキッド樹脂中に構成単位として含有される脂肪油及び脂肪酸の質量分率(%)を表す。
本発明で用いる皮膜形成樹脂である、20〜70%の油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂は、ひまし油、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油、及び硬化ひまし油脂肪酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸、からなる群から選択される一つ以上の油または脂肪酸を含有する変性剤によって変性されたものであるが、前記変成剤は前記群を構成する油または脂肪酸を、合計量として前記変成剤の30質量%以上含有することが好ましい。
また本発明で用いる油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂は、フタル酸、無水フタル酸、及びイソフタル酸からなる群から選択される一つ以上の多塩基酸を構成単位として含有し、前記群を構成する多塩基酸からなる構成単位の合計量が、全多塩基酸構成単位の30モル%以上であることが好ましい。
本願発明で用いる油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂は、フタル酸、無水フタル酸、及びイソフタル酸からなる群から選択される一つ以上の多塩基酸を構成単位として含有し、前記群を構成する多塩基酸からなる構成単位の合計量が、全多塩基酸構成単位の30モル%以上であることが好ましく、構成単位である多塩基酸の30モル%以上が、無水フタル酸或いはイソフタル酸からなることがさらに好ましい。
上記のような構成を有する本願発明で用いる油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂の酸価は1〜50が好ましく、5〜30がさらに好ましい。また水酸基化は50〜200が好ましく、70〜150がさらに好ましい。さらに数平均分子量としては300〜30,000が好ましく、500〜10,000がさらに好ましく、500〜5,000がさらに好ましい。
上記のような、ひまし油、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油、硬化ひまし油脂肪酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸からなる群を構成する油または脂肪酸を、合計量として30質量%以上含有する変性剤で変性された油変性アルキッド樹脂または、脂肪酸変性アルキッド樹脂であって、フタル酸、無水フタル酸、及びイソフタル酸からなる群を構成する多塩基酸からなる構成単位の合計量が、構成単位である全多塩基酸の30モル%以上であるような、好ましい油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂の例としては、油長40%のアルキッド樹脂バーノックD−143−65−BA (大日本インキ化学工業製)、油長24%のバーノックJ−517(大日本インキ化学工業製)、油長55%のバーノック17−451(大日本インキ化学工業製)などのひまし油変性アルキッド樹脂を特に好ましいアルキッド樹脂の例として挙げることが出来る。
本発明で使用するウレタン変性アルキッド樹脂は、例えば前記のひまし油変性アルキッド樹脂の水酸基にイソシアネートを一部反応することによって得られる。
ウレタン変性アルキッド樹脂は、本願発明で用いる油変性アルキッド樹脂又は脂肪酸変性アルキッド樹脂、例えば前記したひまし油変性アルキッド樹脂の水酸基1当量に対し、ジイソシアネートを0.02〜0.3モル反応させることによって得られるが、より好ましいウレタン変性アルキッド樹脂は、例えばひまし油変性アルキッド樹脂の水酸基に1当量に対し、ジイソシアネートを0.03〜0.15モル反応させることによって得られる。
皮膜形成性樹脂としては、また前記アルキッド樹脂と相溶すれば、本発明のジェットプリンター用インクの効果を損なわない範囲で、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等その他の樹脂を混合して用いることができるが、本発明の主要な効果である耐候性、耐久性に関しては他の樹脂を混合していない油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂を用いることが好ましい。
具体例としては、ファーネストブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺、酸化チタン(ルチル型及びアナターゼ型)等があげられる。また有機系顔料であれば耐光性の強いフタロシアニン系顔料を用いる事が好ましい。
これらの溶剤を単独もしくは2種以上の組み合わせで用いることにより、ジェットプリンター用インクの粘度、表面張力、乾燥速度を調整し、印刷する基材及び使用するジェットプリンターに適したインクの溶剤組成を設計することができる。
金属サイディング材用基材として、PCM鋼板のように基材上に予め下地塗装層として各種樹脂コートを施したものを用いることができる
本発明において使用される具体的なPCM塗装板としては、鋼板、チタン、銅、マグネシウム、アルミニウム等よりなる金属板、及びこれら金属版にさらに金属を被覆した金属被覆板に、樹脂をコーティングしたものがあげられる。ここで、金属被覆板の例としては、金属を溶射した鋼板、金属をメッキした鋼板などが挙げられる。金属中に無機物や有機物を分散したメッキや、溶射による金属板の被覆によって形成されたものも上記金属被覆版に含まれる。上記した金属材料の中でも取り分け、亜鉛、亜鉛と他の金属との合金、もしくは亜鉛化合物で覆われた金属材料、もしくは亜鉛を溶射或いはメッキした鋼板及びこれらをクロメート処理、燐酸亜鉛処理など無機系の被膜を形成する処理を施した鋼板材料、或いは、アルミニウム55%合金のガルバニウム、5%合金のガルファンなどが用いられる。そしてこれら金属板や金属被覆板に、イソフタル酸型ポリエステル樹脂/メラミン樹脂含有の樹脂組成物をプリコートしたPCM塗装板、またはフッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂/メラミン樹脂/ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物をプリコートしたPCM塗装板、またはテレフタル酸型ポリエステル樹脂/メラミン樹脂/ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物をプリコートして得られるPCM塗装板等を用いる事が出来る。
またPCM塗装板の裏面は、防音性、断熱性を付与するためフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂発泡体、あるいは石膏ボード等の無機素材を芯材とし、アルミラミネートクラフト紙等の裏面材で構成されていてもよい。
ジェットインク塗装層の上にオーバーコートされる表面保護層用のクリヤーコーティング剤としては、水系ではシリコンアクリルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系の各コーティング剤。有機溶剤系としてはアクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系等の各コーティング剤が挙げられ、これらをスプレー、各種コーター等を使用して乾燥後のジェットインク塗装層の上にコーティングすればよい。
(実施例1)
<ひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂の合成>
攪拌機、冷却管、窒素吹き込み管を備えた反応容器に
バーノックD−143−65−BA 165部
(大日本インキ化学工業製 ひまし油変性アルキッド樹脂 油長40% 溶媒:酢酸nブチル溶液 不揮発分65% 固形分酸価9.7 固形分水酸基価95)、
3−メトキシブチルアセテート(MBA)(ダイセル化学工業社製)
38.7部
を仕込み、15分攪拌後、
TDI−80/20 1.5部
ジブチルチンラウリレート 0.02部
を仕込み95℃まで昇温し、95℃において3〜4時間保つことにより、NCO%が0.01%のひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂<UAL−1>が得られた。
<アルキッド樹脂の物性測定>
製造したひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂の物性測定を以下の条件でおこなった。
ガードナー粘度:25℃ ガードナー気泡粘度計による測定値
樹脂外観 :室内光下における目視による
不揮発分 :不揮発分を170℃で30分間、送風オーブンにて乾燥し、乾燥前後の重量を測定して計算した。
その結果、<UAL−1>(ひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂)の特性は以下の如くであった。
ガードナー粘度(25℃) :M
樹脂外観 :淡黄色でにごりなし
不揮発分 :49.6%
<マゼンタインク用顔料分散ベースの作製>
100ED 34.0部
(戸田ピグメント社製マゼンタ顔料)
バーノックD−143−65−BA 16.0部
(大日本インキ化学工業製ひまし油変性アルキッド樹脂、分散剤として使用、特性データ前掲)
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)
50.0部
(協和発酵ケミカル社製)
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い微細粉に解砕かつ有機溶剤中に分散させマゼンタインク用顔料分散ベースを作製した。
以下の配合でジェットプリンター用インクAを得る。
上記マゼンタインク用顔料分散ベース 13.0部
UAL−1(ひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂(溶剤分を含む)) 36.0部
3−メトキシブチルアセテート(ダイセル化学工業社製)51.0部
上記配合で混合物を作製し分散攪拌機で攪拌後、1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インクAを得た。
前記ジェットプリンター用インクAの全配合比を固形分配合で表記すると以下の様になる。
100ED(顔料) 4.4部
バーノックD−143−65−BA(分散剤として使用)
1.3部(不揮発分)
UAL−1(ひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂)
18.0部(不揮発分)
以上固形分、以下液体分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 6.5部
3−メトキシブチルアセテート 58.2部
酢酸ブチル 11.6部
<イエローインク用顔料ベースの作製>
TSY−1 (戸田ピグメント社製イエロー顔料) 37.0部
ソルスパース37500 27.8部
(日本ルーブリゾール社製分散剤、酢酸ブチル溶液:不揮発分40%)
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 35.2部
(協和発酵ケミカル社製)
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い微細粒径に解砕し有機溶剤中に分散させ、イエローインク用顔料ベースを作製する。
イエローインク用顔料ベースに下記配合で、ひまし油系ウレタン変性アルキッド樹脂UAL−1と、メトキシブチルアセテートを加え、分散攪拌機で攪拌後1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インクBを得た。
上記イエローインク用顔料ベース 12.0部
UAL−1(溶剤分を含む) 35.0部
3−メトキシブチルアセテート 53.0部
TSY−1(顔料) 4.4部
ソルスパース37500(分散剤) 1.3部(不揮発分)
UAL−1(ひまし油系ウレタン変性アルキッド樹脂)
17.5部(不揮発分)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 4.3部
メトキシブチルアセテート 60.0部
酢酸ブチル 12.5部
以上溶媒
<シアンインク用顔料ベースの作製>
FASTOGEN BLUE 5430SD 25.8部
(大日本インキ化学工業社製ブルー顔料)
アジスパーPB821 7.7部
(味の素ファインテクノ社製分散剤)
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 66.5部
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い微細粒径に解砕し、有機溶剤中に分散させ、シアンインク用顔料ベースを作製した。
<ジェットプリンター用インクCの作製>
シアンインク用顔料ベースに下記配合で、バーノックD−143−65−BA(大日本インキ化学工業製 ひまし油変性アルキッド樹脂)と、プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート及びメトキシブチルアセテートを加え、分散攪拌機で攪拌後1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インキ組成物Cを得た。
上記シアンインク用顔料ベース 17.1部
D−143−65−BA 23.1部
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 5.0部
3−メトキシブチルアセテート 54.8部
5430SD(シアン顔料) 4.4部
PB821(分散剤) 1.3部(不揮発分)
D−143−65−BA(ひまし油変性アルキッド樹脂)
15.0部(不揮発分)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 16.4部
MBA 54.8部
酢酸ブチル 8.1部
以上溶媒
<ブラックインク用顔料ベースの作製>
最初に顔料、分散剤、有機溶剤を用いて顔料分散ベースを作製し、ついでベースに樹脂と有機溶剤を添加、粘度調整を実施しインキを作製する。
三菱カーボンブラック#960 16.7部
(三菱化学社製カーボンブラック)
アジスパーPB821 10.0部
(味の素ファインテクノ社製分散剤)
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 73.3部
(協和発酵ケミカル社製)
上記化合物をあらかじめ分散攪拌機で均一に分散後、ナノミルを用い微細に解砕し、かつ有機溶剤中に分散させてブラックインク用顔料ベースを作製した。
ブラックインク用顔料ベースに下記配合で、バーノックJ−517(大日本インキ化学工業製 ひまし油変性アルキッド樹脂 油長24% 不揮発分70% 溶媒:酢酸エチル 酸価10以下 水酸基価120〜150 数平均分子量2070)とプロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)及び3−メトキシブチルアセテート(MBA)を加え、分散攪拌機で攪拌後1ミクロンフィルターにて濾過し、ジェットプリンター用インクDを得た。
上記顔料ベース 26.4部
バーノックJ―517(大日本インキ化学工業製 溶剤分を含む)
16.4部
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 5.0部
3−メトキシブチルアセテート 52.2部
三菱カーボンブラック#960(黒色顔料) 4.4部
PB821(分散剤) 2.6部
バーノックJ−517(ひまし油変性アルキッド樹脂) 11.5部
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 24.4部
メトキシブチルアセテート 52.2部
酢酸エチル 4.9部
以上溶媒
実施例1と同様にジェットプリンター用インクを作製し、インクDが得られた。
<ジェットプリンター用インクEの作製>
ひまし油変性アルキッド樹脂:バーノック17−451(大日本インキ化学工業製 ひまし油変性アルキッド樹脂 油長55% 不揮発分65% 溶媒:キシレン酢酸ブチル 固形分酸価13 固形分水酸基価115 数平均分子量840)を用い、既述のマゼンタインキ用顔料ベースを用いて下記の最終配合となるようにジェットプリンター用インクを作製した。
100ED(マゼンタ顔料) 4.4部
バーノックD−143−65−BA 1.3部(不揮発分)
(分散剤として使用)
バーノック17−451 18.0部(不揮発分)
(大日本インキ化学工業社製 ひまし油変性アルキッド樹脂)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 12.2部
メトキシブチルアセテート 53.8部
キシレン 4.8部
酢酸ブチル 5.5部
以上溶媒
<ジェットプリンター用インクFの作製>
椰子油変性アルキッド樹脂:バーノック D−119−65BA(大日本インキ化学工業製 椰子油変性アルキッド樹脂 油長34% 不揮発分65% 溶媒:酢酸ブチル 固形分酸価11 水酸基価108 数平均分子量2500)を用い、既述のマゼンタインキ用顔料ベースを用
いて、下記の最終配合となるようにジェットプリンター用インクFを作製した。
100ED(マゼンタ顔料) 4.4部
バーノックD−143−65−BA 1.3部(不揮発分)
(分散剤として使用)
バーノックD−119 8.0部(不揮発分)
(大日本インキ化学工業社製 椰子油変性アルキッド樹脂)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 12.1部
メトキシブチルアセテート 53.8部
酢酸ブチル 10.4部
以上溶媒
実施例1と同様にジェットプリンター用インクを作製し、インクFが得られた。
<ジェットプリンター用インクGの作製>
MMA系アクリル樹脂を用い、既述のマゼンタインキ用顔料ベースを用いて、下記の最終配合となるようにジェットプリンター用インクGを作製した。
100ED 4.4部
(戸田ピグメント社製マゼンタ顔料)
バーノックD−143−65−BA 1.3部
(分散剤として使用)
BR87 18.0部
(三菱レーヨン社製 MMA系アクリル樹脂 酸価10.5 分子量25,000)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 21.8部
メトキシブチルアセテート 53.8部
酢酸ブチル 0.7部
以上溶媒
実施例1と同様にジェットプリンター用インクを作製し、インクGが得られた。
<ジェットプリンター用インクHの作製>
MMA系アクリル樹脂を用い、既述のシアンインク用顔料ベースを用いて、下記の最終配合となるようにジェットプリンター用インクHを作製した。
FASTOGEN BLUE 5430SD 4.4部
(大日本インキ化学工業社製ブルー顔料)
PB821(分散剤) 1.3部
BR113 13.5部
(三菱レーヨン社製MMA系アクリル樹脂 酸価3.5 分子量30,000)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 17.4部
メトキシブチルアセテート 63.4部
以上溶媒
実施例1と同様にジェットプリンター用インクを作製し、インクHが得られた。
<ジェットプリンター用インクIの作製>
塩酢ビ樹脂を用い、既述のブラックインク用顔料ベースを用いて、下記の最終配合となるようにジェットプリンター用インクIを作製した。
三菱カーボンブラック#960(黒色顔料) 4.4部
PB821(分散剤) 2.6部
VROH 11.5部
(ダウケミカル社製塩酢ビ樹脂 分子量8000)
以上固形分
プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート 24.3部
メトキシブチルアセテート 57.2部
以上溶媒
実施例1と同様にジェットプリンター用インクを作製し、インクIが得られた。
粘度(mPa・s):E型粘度計で液温25℃にて測定
表面張力(mN/m):ウィルヘルミー式表面張力計(協和科学社製 CVVP式表面張力計 A−3型)にて測定
平均粒子径(nm):レーザー回折散乱式粒度分布計(日機装株式会社製 ナノトラックUPA−150EX)にて測定
各実施例、比較例のインク組成とインク特性を表1にまとめた。
TSY−1:戸田ピグメント社製イエロー顔料
Fastgen Blue5430SD:大日本化学工業社製ブルー顔料
カーボンブラック#960:三菱化学社製カーボンブラック
D−143−65−BA:大日本インキインキ社製ひまし油変性アルキッド樹脂
ソルスパーズ37500:日本ルーブリゾール社製分散剤
PB821:味の素ファインテクノ社製分散剤
UAL−1:ひまし油変性ウレタン変性アルキッド樹脂
バーノックJ−517:大日本インキ化学工業社製ひまし油変性アルキッド樹脂
バーノック17−451:大日本化学工業株式会社ひまし油変性アルキッド樹脂
バーノックD−119−65BA:大日本インキ化学工業株式会社椰子油変性アルキッド樹脂
BR−87:三菱レーヨン社製MMA系アクリル樹脂
BR−113:三菱レーヨン社製MMA系アクリル樹脂
VROH:ダウケミカル社製塩酢ビ樹脂
PMA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MBA:メトキシブチルアセテート
なおPCM鋼板上への印刷においては、実施例1〜5、比較例1〜4いずれのインクによっても吐出性に問題なく、サンプルを作製することができた。
以下に試験方法を示す。
JIS K5600−5−6に準ずる碁盤目付着試験を行った。間隔2mmで塗膜上に直交する10本づつの切り込みを入れ、切り込みの交差部分全体を覆うように接着テープを貼った後、引き剥がした。100箇所ある切り込み交差部分のうち剥離が起きなかった箇所の数を数え、100個中80個以上の箇所で剥離が発生しなかった場合を合格とした。
<コインスクラッチテスト>
旧500円玉(ギザギザなし)を用い、加重500g、速度3m/minで塗膜をコインでスクラッチし、塗膜の傷の付き方で5段階評価する。
評価 5(良、変化なし)
4(塗膜に目視可能な僅かな傷がつく)
3(塗膜に傷は付くが、剥離はなし)
2(塗膜は剥離しないが下地が見える)
1(不良塗膜剥離し下地見える)。
3以上を合格とした。
JIS K5600−5−4に準じて引っ掻き硬度試験を行った。H以上を合格とした。
JIS K5400−8−20に準じて沸騰水中に試験片を10分間吊し、取り出して以下の項目の試験を行った。
1.外観:ブリイスター(塗膜表面のブツブツ)の発生等外観異常の発生状況を5〜1の5段階をつけ評価した。JISK5600−8−2塗膜劣化の評価、膨れの等級(5段階)を参照し、劣化の激しいものから変化の無いものにかけて1〜5の点数をつけて評価した。表面の外観異常が発生するため、5以外は不合格とした。(本評価では評価の順位1〜5の付け方をJIS K5600−8−2とは逆にした。)
2.光沢変化率:光沢計(日本電飾工業(株)製VG2000)を用いて試験前後のサンプルの光沢を測定し、(試験後の光沢/試験前の光沢)×100の数値を用いて試験後の光沢低下率を評価した。80%以上を合格とした。
3.碁盤目付着:JISK5600−5−6に準じて碁盤目付着テストを行った。2mm間隔で試験後の塗膜に直交する10本づつの切り込みを入れ、100の切り込み交点のうち塗膜の剥離の認められない交点の個数を数えた。80/100以上を合格とした。
以上の耐沸騰水試験を合格したジェットプリンター用インクA、B、C、D、およびEをPCM鋼板に同様に塗布し、大日本インキ化学工業社製ジオテックES−TC(水性シリコンアクリルエマルジョン)クリヤーを上塗りしたサンプルを用いて、スーパーUV耐侯試験機による、100、300、および500時間の耐候性の評価を実施した。結果を表3に示した。
装置 :岩崎電気社製 アイスーパーUVテスター
評価項目:1.外観 : ブリスターの無いこと
2.光沢変化率:試験後の光沢が試験前の光沢の80%以上なら合格
また、本発明の外壁用サイディング材の製造方法によれば、サイディング材用基材の全面に下地塗装層を形成し、該下地塗装層上の任意の箇所に上記組成のジェットプリンター用インクを用いてジェットインク塗装層を形成し、次いで全面に表面保護層を形成するので、耐久性、耐光性に優れ、精細な絵柄が形成された高意匠性の外壁用サイディング材を提供することができ、産業上大きな意義を有する。
Claims (7)
- 顔料、皮膜形成性樹脂、および有機溶剤を含有するジェットプリンター用インクにおいて、前記皮膜形成性樹脂は、ひまし油、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油、硬化ひまし油脂肪酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸からなる群から選択される一つ以上の油または脂肪酸を含有する変成剤によって変性された、油長20〜70%の油変成アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂を主成分として含有することを特徴とするジェットプリンター用インク。
- 前記変成剤はひまし油、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油、硬化ひまし油脂肪酸、リシノール酸、及び12−ヒドロキシステアリン酸からなる群を構成する油または脂肪酸を、合計量として前記変成剤の30質量%以上含有する請求項1に記載のジェットプリンター用インク。
- 前記油変性アルキッド樹脂または脂肪酸変性アルキッド樹脂は、フタル酸、無水フタル酸、及びイソフタル酸からなる群から選択される一つ以上の多塩基酸を構成単位として含有し、前記群を構成する多塩基酸からなる構成単位の合計量が、全多塩基酸構成単位の30モル%以上である請求項2に記載のジェットプリンター用インク。
- 前記油変性アルキッド樹脂又は脂肪酸変性アルキッド樹脂はいずれも該樹脂の有する水酸基に対して、イソシアネートが結合したウレタン変成アルキッド樹脂である、請求項1に記載のジェットプリンター用インク。
- 前記ジェットプリンター用インクは、外壁用サイディング材の絵柄印刷に用いられる請求項1または4に記載のジェットプリンター用インク。
- 外壁用サイディング材の基材上に、直接または下地塗装層を介してジェットインク塗装層と表面保護層とが順次積層された外壁用サイディング材であって、前記ジェットインク塗装層は請求項5に記載のジェットプリンター用インクを用いて、前記基材上または下地塗装層上にインクジェット方式で塗布形成されたものである外壁用サイディング材。
- 外壁用サイディング材の基材上に直接、または前記基材上に下地塗装層を形成した後の前記下地塗装層上にインクジェット方式によりジェットインク塗装層を形成し、次いで前記ジェットインク塗装層上の全面に表面保護層を形成する外壁用サイディング材の製造方法であって、前記ジェットインク塗装層は請求項5に記載のジェットプリンター用インクを用いて形成されることを特徴とする外壁用サイディング材の製造方法。
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